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仮投下スレ
1154
:
ロシアンルーレット・マイライフ
:2011/09/15(木) 11:28:17 ID:8hW82z.c0
☆
銀時と沙英がデパートから安全に離れる時に使ったような、妙に、いや不自然にきれいな下水道だった。
嗅覚を通りて過ぎて眼球や舌を刺激する、腹の底からむせかえる臭いがしない。
下水道らしいのは、汚水の流れに所々ゴミが引っ掛かっている点ぐらいだ。
光のない下水道を、リンは壁に手を当て頼りにしながらひた走る。
その壁にすらぬめりがない。異様なまでにきれいだった。
下水道は何キロも伸びていた。
真っ暗闇を下水道が続くだけ走る。
遠くへ。
とにかく遠くへ。
早く水辺を離れなければ。
早く化物から離れなければ。
その一心だった。
音が反響するコンクリート造りの下水道で、足音が途絶える。
走れど走れどするはずの音がしない。
地面を踏みしめているのかが曖昧になる。
光が無い、音が無い、声が出せない。
闇の果てに置き去りにされたようだった。
左腕の傷みだけが正気を保たせる。
今はどこを走っているのだ。
自分は何をしているのだ。
どうしてこんなことになっているのだ。
狙われている。
狙われている。
狙われている!
「 ッ!」
ちくしょウッ! そう叫んだつもりだった。
右足に灼熱を感じた。
穴が空いたと直感的に思い、その次の瞬間には大切な大切な部分が欠けていた。
べちょり。
そう聞こえた気がしただけで、血が飛び散り、桃色の肉が落ちる音は消し去られた。
見えすらしなかった。
眼前にリンの知らない、幻の皇帝の背中が見える。
年をとったランファンに似た女が仕えている。
シンの民族を束ね、正しい政治を治める。
理想の皇帝の姿。
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