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仮投下スレ
1152
:
ロシアンルーレット・マイライフ
:2011/09/15(木) 11:27:24 ID:8hW82z.c0
車を正面から見た者がいたら、状況が理解できないだろう。
ミッドバレイがギアとサイドブレーキ、ハンドルの三点を、後部座席から腕を伸ばして操ろうとしている。
カバーしきれないハンドル動作をリンが右手で補完する。
何より、互いの凶器は互いを向いたままだった。
ハンドルやギアを握る手が震えていても、凶器を持つ手にはブレも迷いもなかった。
「右へ曲がる大きいS字カーブ、そのすぐ後にまた右に折れル連続コーナーダ!」
これを抜かないと、確実にゾッドに追い付かれる。
「今の速度は」
「八十キロダ!」
「左へ切れ!」
すかさずリンはハンドルを回す。
が、素人の手前、回し過ぎる。
回し過ぎるのを見越して、ミッドバレイはハンドルを必要以上に回転させるのを食い止める。
軌道をふくらませ、左のガードレールに擦り寄るほど近づく。
直ぐに右へ切り返す。
止まることなく、カーブの外側から内側へ真っ直ぐ突き抜く。
ちょうどS字の中心部を真っ直ぐつっ走る状態だった。
最初のカーブをクリアする。
短い直線路が次のカーブへ入る前に伸びている。
「フルパワーで加速しろ!」
カーブを抜けるためではない。
ゾッドを少しでも振り切ろうとの足掻きだった。
エンジンが咳を吐いている。
アクセルのレスポンスが悪い。
車の寿命が短くなっている。
ガソリンの有無に関わらず、ベレッタの弾がリンの頭蓋骨を貫く時が近づいている。
二つ目のカーブへ飛び込む。
カーブの内側へ車を引き寄せていたが、恐ろしい悪路だった。
みぞれどころか、雪がまだ溶けきっていない。
ギャギャギャキキィーッ!
ハンドルを左へ回した。
左へ曲がれるように車の右半身が浮かせられたのはいいが、肝心の左のタイヤ二つが横滑りする。
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