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仮投下スレ

1151ロシアンルーレット・マイライフ:2011/09/15(木) 11:26:40 ID:8hW82z.c0
Uターンで引き返せない路地をひた走る。
右腕だけで車の尻を振る不安定な走行を繰り返す。

だがふと……リンは一つ、気味の悪いことに気づいた。
無茶苦茶に走らせていたつもりだったが、よく考えてみれば……

車で通ってきた道は龍脈に沿っていた。
ワープの空間が何となくわかるように、無意識に龍脈の上を通ってきている。

むしろ龍脈を通りさえすれば、例え狭い道だろうが通路だろうが、行き止まりや道に迷うことはなかった。
今も龍脈の道しるべに沿っている。
次は右、今度は左と、嫌にナビゲートのように続いているのだ。
ちらりと横を見やれば、細い路地からまた更に枝分かれしている路地はほとんどが袋小路である。

山の奥に入れば入るほどもやがかかっていた感覚も、山を下りたら鮮明になってきている。

『いつもより霞がかっているのは変わっていないが、磨りガラスを一、二枚取っ払った程度に感覚を取り戻している。
島に身体が慣れたのか、それともバラバラ人間になった副作用なのか。』


違う。
龍脈の乱れが正されている。
鍵を開けたように、誰かが解放したのだ。

誰が。
なぜ。
このタイミングで。

だが今はこの破天荒なドライブをどう終わらせるか考える方が優先だ。
どう龍脈から読み取っても、次の角を過ぎた途端にカーブが待ち構えている。

発車時より随分と速度は落ちているが、このスピードでは曲がりきれるかどうかわからない。

「……なぜ道がわかる」

盛大な舌打ちでミッドバレイは運転席の座席ごと右腕を回し、ベレッタをリンのこめかみに突きつけた。
歯噛みしてリンも首に包丁を押し付ける。

ミッドバレイも、小道を猛然と走り続けられる不自然さには疑問を抱いていた。

「オレにはナビゲート能力があるんだヨ!」

大嘘。

「次の角で死ぬカモ」

これは大体合っている。

「なら……ナビになれ」


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