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仮投下スレ

1147ロシアンルーレット・マイライフ:2011/09/15(木) 11:23:36 ID:8hW82z.c0
「――進行方向、シャッターが閉まってるぞ!」
「ここをブチ抜きに来たんダ!!」

直進へと直したハンドルをリンはまた握る。
シャッターが鎮座している袋小路へ、ミサイルのような勢いで突進する。

ミッドバレイは足を突っ張る。
リンに至っては、運転手にあるまじき目瞑り運転をしていた。

全てがスローに感じた。

まずナンバープレートがシャッターと対決し、あっさりとぶっとんでいった。
しかし次鋒のバンパーが小さくも穿つ。
一度穴が空いたシャッターは、ボンネットにより破られた。
普段なら耐えられるよう作られたシャッターも、度重なる戦闘により傷んでいたらしい。
ボンネットをくぐらせたシャッターは、フロントガラスを引っ掻き傷だらけにする。
リンが未だに目を瞑っている間に、ミッドバレイは座席を倒し、後部座席へ移る。

シャッターに空いた穴の縁が車の屋根を舐め、遂に突破した。

その先には、工場とはかけ離れた景色が待っていた。
寒色で塗り固められている。
大量の水がボコボコ循環する、巨大な水槽が立ち並んでいた。
観光地である水族館の通路は、工場とは比較にならないほど広かった。
しかし巨大な追っ手にも好都合でもある。

非常口のワープ空間の奇妙な気配をリンは感じており、どうにかシャッターを片付けられないか画策はしていた。
こんな形で破るとは想定外だったが。
そしてワープ先が水族館なのも嫌な意味で想定外だった。
周りは大量の水の壁。
何かの弾みでガラスが割れでもしたら、悪魔の実の能力者になってしまった身体では不都合である。


後部座席に青色の光が落ちる。
ミッドバレイがサンルーフを開けたのだ。

シャッターの穴からゾッドが追ってくるのが見え隠れする。
まだ逃走劇は終わっていない。

銃器だけは種類を持っている。
ミッドバレイがディバッグから出したのは、第一放送前に三人を葬ったイガラッパだった。
愛用のサックスの弾を残しておくためイガラッパを構える。

あの巨体がポップコーンのように弾をはじく、嫌なイメージが浮かぶ。
散弾銃ゆえ、一撃必殺の用途ではない。
人間ならまだしもあの獣に対しては、期待できないほど威力が弱いだろう。

ミッドバレイは運転席の座席を後ろから蹴り上げる。

「目を開けろ……死にたいのか」
「細目で悪かったナ、もう開けてル!」


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