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仮投下スレ
1145
:
ロシアンルーレット・マイライフ
:2011/09/15(木) 11:21:03 ID:8hW82z.c0
☆
「何だよあの獣ハ!!?」
「知るか!!!」
工場を出た途端に獣が襲撃する場に出くわしてしまったリンと、突然駆けてきた正体不明の子供に操縦権を奪われたミッドバレイ。
狭い車内で二人の混乱が錯綜する。
運転席へ乗ったはいいものの、リンは運転などした試しは無い。
車を運転する様子を見たことは何度かあった。
それだけだ。
キーを回しギアを動かしてペダルを踏めば動く。
あとは全然わからない。
リンの運転の知識はその程度だった。
この車は現代日本ではありふれたオートマ車だった。
床に密着するほどアクセルが踏まれていたが、車は動かない。
サイドブレーキが上がったままなのだ。
負荷がかかり、引き絞ったアクセルのせいでエンジンが妙な回転音をしている。
ミッドバレイはすぐにでも子供を殺して運転席を開けさせたかったが、死骸を外に出して運転席へ座る暇も残されてなかった。
ゾッドはもう追い付く。
獣の巨体が車内の視野から消える。
真上には刃の気配。
「――ッ、南無三!」
好機も何もない。
もはや運否天賦。
ミッドバレイは助手席から、サイドブレーキを降ろした。
ゾッドの攻撃の寸前で、車は急発進する。
前輪が上がっているのではないかと不安になる発車スピードだった。
自身が車を動かしているにも関わらず、リンは"信じられない物に乗ってしまった"と目を丸く見開いていた。
サイドミラーを頼りに、ミッドバレイは無駄だと知りつつもベレッタを放つ。
的は大きいが、弾は掠めただけのようだった。
舌打ちし、ベレッタを腰のベルトへ挟み込む。
スピードメーターはどんどん上がるが、進行方向先には工場が聳えていた。
ハンドルをほとんど切っていない。
エイトの介護ジェットの体当たりで吹っ飛ばした扉へ一直線に突進する。
ゾッドは追ってくる。
「ブレーキを踏め! ぶつかる気か!」
「このまま工場内を突っ切ル! というか、ブレーキってどこだヨ!?」
「アクセルの横だ!」
「アクセルとブレーキ一緒に踏んだらどうなるんダ!?」
「壊れるに決まっている……もういい、どけ!」
「もう遅イ!」
焦りと興奮で、ニヒリストのミッドバレイが珍しく怒鳴り散らす。
売り言葉に買い言葉と、リンも声を荒らげる。
押し問答を繰り返している間に、車は工場へ乗り上げた。
すっとんだ扉は車が充分通れるだけの広さはあった。
火花を散らして工場内の次の扉を抜ける。
運転席側のサイドミラーが扉の枠にぶつかって遥か後ろへ飛んでいった。
ゾッドはまだ来ている。
血の海を横目に、折れて飛んでいったサイドミラーをあの剣で両断して追ってきた。
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