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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

1名無しさん@魔法少女:2012/12/13(木) 00:09:44 ID:6hLPLV4A
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。


『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

前スレ ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1341065580/

218名無しさん@魔法少女:2013/01/30(水) 17:22:09 ID:p/SisFmw
むしろ始まった日が1月30日だぐらいのつもりでもいいんだぜ

219名無しさん@魔法少女:2013/01/30(水) 18:00:45 ID:4WgSZ6Ng
というか2月一杯「ユーノ祭り」でも一向に構わんですぜ。
私も書いてるけど、メイン主人公ユーノで書いてるけど、中々上手くかけんです。

220名無しさん@魔法少女:2013/01/30(水) 19:17:02 ID:oESE9xFk
←やべぇ、もう1月30日だった、という顔

221名無しさん@魔法少女:2013/01/31(木) 07:27:30 ID:zG92Pqc2
祭りって言うからには、一定期間やり続けてもいいんじゃないだろうか
インドのお祭りみたく、それこそ数ヶ月
なのはから陰鬱にユーノ寝取るフェイトとリンディ義母娘の電波が降りてきたのに仕事忙しくて書けない
そんな自分みたいな同死の為に!

222名無しさん@魔法少女:2013/01/31(木) 10:52:51 ID:R7f0HmHU
『闇の書』の情報を探すのを妨害する為、ユーノに色仕掛けで迫ってフェラ&パイズリで歓楽させようとするリーゼアリア。
だが、逆にユーノを男として覚醒させてしまい、自分が夢中になってしまって・・・更にセックスしてた無限書庫の近くの区画で
『闇の書』の修正プログラムが見つかって、それを切欠にアインスもユーノを意識するようになって。
そんなリーゼアリア×ユーノ×アインスの三角関係なんて電波を飛ばしたのは誰だす!?

223名無しさん@魔法少女:2013/01/31(木) 11:02:42 ID:YgCKmKig
それも私だ

224超硬合金:2013/01/31(木) 22:07:05 ID:OlMDeHCA
ザ・シガー氏を始め色々と祭の準備を進めている皆様には申し訳ありませんが
飛び入りが先陣を切っても構わないというのであれば、
小話を一つ23時頃から投下したいと思います。

225名無しさん@魔法少女:2013/01/31(木) 22:15:28 ID:AQIrOcpU
ヤッチマイナ!

226ザ・シガー ◆PyXaJaL4hQ:2013/01/31(木) 22:23:56 ID:MBdoI3ns
|3゜) コソッ

俺も投下するブツできたんだけどここは譲るですよ。

自分は明日でよいので、お先にどぞ。

|))) スス

227超硬合金:2013/01/31(木) 22:55:17 ID:OlMDeHCA
寛大な対応、有難うございます。
それでは、ユーノ祭の一本目を投下させていただきます。

・如何にユーノがもてるのか、ヴィヴィオ達が語るだけ。
・ユーノスキーにとっては多分手垢の付いたネタ。
・エロスは無し。
・タイトル「ユーノ司書長はMMK」

228ユーノ司書長はMMK 1:2013/01/31(木) 22:56:44 ID:OlMDeHCA
アインハルトが高町家を訪れる事は少なくない。
その日も、ヴィヴィオに誘われてリオやコロナと共に高町家に遊びに来ていた。
只、いつもとは違って、その日高町家を訪れた客人が自分たちだけではなかった。
とは言え、その客人はヴィヴィオが招いたのではなく、彼女の母親達に会いに来ていた。
だから普段と違って年長組はダイニングに、年少組はリビングに分かれてお茶会が繰り広げられる。
客人は見知った顔が二つ、見知らぬ顔が一つ。
見知った顔の一つはリィンフォースなのでこちら側、もう一つははやてなのであちら側。見知らぬ顔もなのは達の幼馴染みという事で、ダイニングで談笑中だ。
勿論年少組もケーキを食べながら女子トークの真っ最中。話題は専らアインハルトが初めてあった見知らぬ客人、ユーノについてだ。
理由は、アインハルトがなのは達の幼馴染みに男がいるという事実に驚いたからだ。
些か失礼な話ではあるが実際問題、
ザフィーラはヴィヴィオの師匠ではやての守護獣、ゲンヤはなのはの元部下の義父、エリオはフェイトの弟的保護児童と、
今まで会ったなのは達の知り合いに、友人と呼べる立ち位置の男がいなかったのだから仕方ない事ではある。

「……ハァ……それはとても凄いですね……」

ヴィヴィオ達にとってユーノは大好きな無限書庫の尊敬する司書長である。夕方までだって彼の素晴らしさを語る事が出来る。
だが、全てを喋らせる必要もなく、アインハルトは彼の素晴らしさを理解する。
何しろ、ヴィヴィオ達がこれ程までにべた褒めするのだから素晴らしくないはずがない。
頷きながら、ちらりとダイニングに目をやる。



「ねぇ、そのシフォンケーキ、どんな感じかな」

フェイトがユーノに問い掛ける。

「う〜ん、お菓子について美味しいとか甘いとかの他に語彙力がないからなぁ……」

ユーノは困ったように天井を見上げて悩んだ後に、表現する事を放棄する。

「味見してみる?」

「うん! ア〜ン」
 目を閉じて大きく口を開けて待つフェイトにユーノは苦笑する。

「ひな鳥か君は……て、なのはも!?」



「そんなに凄い方なら、ヴィヴィオさんのお母様達に慕われているのも解ります」
ヴィヴィオ達が語った内容はGOD並に主人公補正の掛かったものであったが、
ハーレムルート突入後のラブコメチックな展開を繰り広げるダイニングの様相を説明するだけの説得力がある。

「そうなんです、ユーノさんはMMKなのです」

リィンがしたり顔で頷く。

「エムエム……?」

「次元航行隊の隠語で、もててもてて困る、という事だそうです」

初めて聞く用語に首をかしげるアインハルトにリオがすかさずフォローを入れる。
因みに某お姉ちゃんの必殺技と同じノリであるが、こっちの方が格段に歴史が長い。てか、何で日本語ベースの隠語なんだよ。
さて、MMKの言葉の意味を理解したアインハルトだが、それ故眉根を顰めて悩む。

229ユーノ司書長はMMK 2:2013/01/31(木) 22:57:33 ID:OlMDeHCA
「どうして、人に慕われて困るのでしょうか?」

「それは変な人につきまとわれるからなのです」

リィンが人差し指をピンと立てて的外れな解説をする。

「例えばリィンが生まれる前の事なのですが、『ユーノく〜ん、子作り手伝ってや〜』と無限書庫や宿舎に押しかける変態さんが居たそうです」

保健体育の授業を受けているアインハルトは、リィンの言葉の意味を飲み込んで、理解して、それから顔を真っ赤に染める。
子供はキャベツ畑だったりコウノトリだったり生体ポッドだったりから連れてくる物と考えている初等部三人娘は
アインハルトが顔を染めた理由を理解できなかったが、要はストーカーであると理解する。

「それで、ユーノさんは無事だったんですか?」

リオの問いにリィンは首を上下に振る。

「ユーノさんがまだ独身なのが、その変態さんの魔の手から逃れた何よりの証拠です。
噂ではフェイトさんがその変態さんを撃退したそうですが、
当時はやてちゃんがリィンのフレーム設計をユーノさんに手伝ってもらいに訪ねていましたから、きっとはやてちゃんも活躍したはずです」

ユノはやをごり押しするリィン。
因みに当のはやては、シフォンケーキのお返しにと、ユーノにショートケーキの苺を口移しで食べさせようとした結果、
フェイトに頭を鷲掴みされて裏庭まで引きずられて行ったところだ。
結婚しなくとも子供が生まれると知っているアインハルトは、リィンの説明が説明になっていないと感じたのだが、
まぁ、事が大きくなっていないようだから、実際どうにか収束できたのだろうと納得する事にする。

「……成程、理解いたしました」

奥歯に何か挟まったようなアインハルトの表情ではあったが、リィンはドヤ顔で頷く。
そのドヤ顔が、無限書庫大好きを自認するリオの対抗意識に火を付けた。

「私も、ユーノ司書長がもてすぎて困る話聞いた事があります」

彼女は右手を大きく挙げて、友人達の意識を自分に向けさせる。

「他にもストーカー事件があったのですか?」

二人も三人もストーカーに付きまとわれるというのは一般人には想像も出来ない事態だが、無限書庫の司書長だってそれなりに有名人だから有り得ない話ではない。
だが、リオは首を左右に振ってアインハルトの言葉を否定する。

「ストーカーとはまた違う話なんです。
ユーノ司書長はさっきも話した通り、ミッドチルダ考古学士会の会員で、その上スクライア一族の出身なんですよ」

リオの言葉に頷くアインハルト。

230ユーノ司書長はMMK 2:2013/01/31(木) 22:59:09 ID:OlMDeHCA
「ですから遺跡鉱山でロストロギアの発掘を指導する事も多くて、ロストロギアを略奪しようとする次元犯罪者の襲撃を受ける事もあるそうなんです。
勿論そんな事が起きたら直ぐに、管理局から犯人の捜索やユーノ司書長達の警護の為に部隊が派遣されるんですが」

そこでリオは言葉を句切る。

「かなりの高ランク魔導士とのお話でしたが?」

「だからと言って文官が襲われているのに、応援を派遣しないわけには行かないものなのです」

アインハルトの疑問に定型文的な答えを返すリィンだが、
ユーノの場合、旅行先での水問題よりも更にセンシティブに魔力適合不良を起こしやすいフェレット(人気者)体質で、
必ずしも発掘現場で最良のパフォーマンスを発揮できるわけではないという事情もある。

「そ れ で」

話の腰を折られたリオが、少し不満げに語気を強めて口を開く。

「実行犯の担当執務官が犯行現場の調査を部下に押しつけて、護衛と称してユーノ司書長と二人っきりになろうとする事がよくあるそうなんです」

うわぁ、とアインハルトは管理局のダメッぷりに引く。
一方コロナはパッと顔を明るくしてリオの言葉を引き継ぐ。

「あ、それ私もティアナさんから聞いた事がある。普段はとても優秀で尊敬できる人だそうですよ、その人」

「それは、その、最早魔性の魅力ですね……」

周囲にまで迷惑が及ぶというのはなかなかに無い、それ故にアインハルトはユーノをそう表現する。
念のために断っておくと、ユーノになのはとの談笑を中断させ、彼をダイニングから廊下へと移動させた電話の主、
即ちクロノはユーノと二人きりになりたがる趣味はない。

「そう言う話なら私もとっておきのを知っていますよ」

「まだあるんですか?」

驚くアインハルトにヴィヴィオは自信ありげに頷いた。

「はい、昔ユーノ司書長が管理外世界でロストロギアの回収をしていた事があるそうなんです。
で、その管理外世界で寝ているところを現地の女の人に攫われて檻に監禁されてペットにされた事があるそうなんですよ」

コロナとアインハルトの脳裏に陵辱系BL本の表紙的なイメージ、
即ち両手を皮手錠で拘束されてワイシャツがはだけた姿で石畳の牢獄に閉じこめられた金髪碧眼の青年の姿がありありと浮かび上がる。
生唾をごくりと飲み込んで、アインハルトは問い掛ける。

「魔法は、使えなかったのですか?」

「ロストロギア回収で無理をして衰弱していたのと魔力適合不良を起こしていたそうなんです」

「……よく脱出できましたね」

「ハイ、偶然ロストロギアの捜索に訪れていたフェイトママの活躍で管理局に保護された
のが
フェイトママとユーノ司書長の出会いだって、フェイトママが教えてくれました」

「フェイトちゃ〜ん、ちょっとOHANASHIがあるの〜」

    おわり

231超硬合金:2013/01/31(木) 23:02:21 ID:OlMDeHCA
この世界ではどうやらフェイトさんが半馬身、他の二人よりリードしているようです。
お目汚し失礼いたしました、ではまたいずれ。

232名無しさん@魔法少女:2013/01/31(木) 23:54:45 ID:YgCKmKig
GJ
三人娘ひどいwww

233名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 00:46:12 ID:p3NXhTQI
>「あ、それ私もティアナさんから聞いた事がある。普段はとても優秀で尊敬できる人だそうですよ、その人」
普段「は」優秀で尊敬できる、と発言する辺り、ティアナ達は隊長陣の正体理解しちゃってるのか

アインハルト、君に他人をストーカーだの襲撃犯だのの話題で顔をしかめる資格は無いと思うんだ
ヴィヴィオが育ての親の正体知ったら「私ユーノさんの子供になる」とか言いそう…
・・・で、はやては何処まで逝ったんだろうか?ww

234名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 01:04:16 ID:FUKMOVzs
三人娘がいろいろ問題行動してるなww
あとリィンII、キミは当事者だwww

235名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 01:09:25 ID:1rj3VmdY
ティアナの立ち位置いい、GJ!
しかしMMKと同じノリなのは妹の決め台詞じゃ?

236名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 07:58:46 ID:AdHbVzzQ
年少組が大人組の正体を知ることが無いことを切に願う
ところで、なんでみんなリインのことをリィンって言うん?

237名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 17:22:27 ID:RU3VyA5.
リインといえば今月の娘タイプのピンナップのリインが出るとこ出て凹むとこ凹んだメリハリのある身体つきに成長していて驚いたよ
あと5年もしたらアインスに追いつけるかもしれんな

238名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 22:14:50 ID:CnO3qdpY
フェイトの情報操作が巧みだw
はやても仕官なんだから頑張って工作しなきゃ
なのはさんは安定のごり押しでお願いします

239ザ・シガー ◆PyXaJaL4hQ:2013/02/01(金) 23:17:57 ID:UmgXroS2
遅れてしまい申し訳ない。

というかその・・・寝てましたwww

今から投下します。


ユーノ祭投下用第一弾、短編、非エロ、ビグロ、タイトル『不変愛〈カワラズノアイ〉』

240不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:20:32 ID:UmgXroS2
不変愛〈カワラズノアイ〉


 それは一体いつからそこにいたのか、それ自身にすら分からなかった。
 ぬばたまの闇の中に潜み、静かにただ時を過ごす。
 意識は鮮明で、生み出された時から一寸の切れ目さえなく自身と周囲を認識し続けていた。
 もし人のような情緒があったのならば、長すぎる孤独と闇、広大な空間を前に狂してしまっただろう。
 幸か不幸か、それには人並みの感情的な起伏は存在しなかった。
 代わりにある程度の知能、自身の存在目的だけは把握していた。
 しかし目的を達しようにも『対象』がいないのではどうしようもなかった。
 ゆえに、それは待つ。
 いつか自身の生み出された目的を達する為に。
 暗黒の中で粘液を纏う体をくねらせながら。
 そんな風に過ごして幾星霜。
 静寂の待機が破られたのは唐突だった。



 魔力で作られた微かな光源の照らすそこは、埃と黴の混じった臭いに満ちていた。
 地下深くに埋まった深遠な遺跡の園。
 四方を囲む石には細緻なレリーフが施されており、先史時代の高度な文明のほどを思わせる。
 そこを行くのは二人の男女だった。
 手元で魔法陣を展開し、探査魔法を行うブロンドの青年が、連れの女性に視線を向ける。

「これは、本当に凄い遺跡だよなのは」

「そうなの?」

「うん。ここまでこの年代の遺跡が完璧に残ってるなんて初めて見たよ」

「へぇ」

 ユーノの言葉に、なのはもちらりと周囲の壁面に視線を移す。
 考古学に疎い彼女には皆目検討もつかない不可思議な模様や絵、文字の羅列が凄まじい密度で左右の壁に床、天井までひしめいていた。
 なのはからすればある種不気味な様であるが、古代に栄えた今は亡き人の英知に想いを馳せるユーノからすればまったく反対に見えるのだろう。
 遺跡の中に入ってからというもの、彼の声がいつもより活力に満ちているのを感じる。
 
「ユーノくん、なんだか嬉しそうだね」

「まあ、ね」

 改めて指摘され、ユーノは少しだけ照れくさそうに笑った。
 彼のこんな顔を見れるだけでも、貴重な休日を潰してまで付き合った甲斐もあると、なのはは思う。
 こんな風に、管理局の仕事を離れた時にも遺跡を巡り過ごすのも、悪くはない。
 一応、形式的な理由といては無限書庫司書長の護衛という名目ではあるが。
 漫然とせんなき事を考えながら、なのはは照明用の魔力球をまた一つ生み出した。
 事前に探査した時トラップの類は何一つ見つからなかったから、特に警戒する事もない。
 だからだろう、なのはは天井から音もなく落ちてきたそれに気付かなかった。
 
「いつッ!」

 首筋に感じた痛みに、思わずなのはは声を上げた。
 そっとうなじに手を当てる。
 血は出ていない、指先で痛みの生じた肌に触れるが、特に跡らしい跡も感じなかった。
 筋でも違えたのだろうか、なのはは疑問に首をかしげた。

「どうかした?」

 前方を行く青年が振り返り、心配そうな視線を向ける。
 心配させぬようなのはは首を振って、ぱっと笑顔を見せた。

「ううん、大丈夫。なんともないよユーノ君」

「そう。なら良いんだけど」

 それきり、二人の間でその話題は終わった。
 もし体に起こった異変をすぐさま察して適切な治療をしていれば、その後起こる全ての悲劇は回避されただろう。
 だがそれは仮定の話で、なのはの脊髄の中を這い進むそれを知る術は、どこにもなかった。



 最初の変化は一週間後の話だった。

241不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:22:29 ID:UmgXroS2
 バリアジャケット姿のなのはは、教導の最中にレイジングハートを持つ手の先に違和感を覚えた。
 左手の人差し指の先端から、じくじくとむず痒いような痛みが走る。

「ん?」

 利き手の左手には自然と強く力がかかり、杖となった愛機を握る手には、時に行き過ぎて痛みを感じる場合もある。
 だがその時の感じ方はいつもと違った気がした。
 空を舞い、魔法を使いながら、なのははそれを漫然と意識した。
 教え子に誘導弾を用いる最中に、レイジングハートを右手に持ち替えて、軽く左手を目の前にかざして見た。
 人差し指の先からは鮮やかな朱色が滴っていた。
 傷はない、それは指の肉と爪の間から漏れていた。
 
「あ。血、出ちゃってる」

 右手一つでレイジングハートを構え、マルチタスクの多重思考で魔法を使いながら、血の流れる指を白いバリアジャケットで拭う。
 真っ白な生地にじわりと広がる赤色。
 その時かかった力はほんの僅かだった。

「……え?」

 だというのに、綺麗な彼女の爪は、あっけなくぽろりと落ちた。
 教導を行う思考とは別のところぞわりとした怖気が疼いた。
 それは痛みから来るものではない、爪が剥がれたというのに、痛みがまったくないからだった。
 


「あれ? なのは、怪我したの?」

「あ、ユーノくん」

 意外なところで意外な声を聞き、思わずなのはの声は上ずった。
 無限書庫は本局内にあるが、本局施設そのものが広大すぎる為に出会った事はほとんどなかった。
 入局十年以上になるが、片手の指の数より少ない。
 自然と豊かな胸の奥で鼓動が高鳴るのを感じる。
 
「うん、ちょっとね。教導中に。大した怪我じゃないけど」

「そうか、なら良かったんだけど」

「そういうユーノ君は、今日はどうしたの? 書庫とは方向違うよね」

「ああ、ちょっと生物化学研究所のほうにね」

「え? そんな所に何か用なの?」

 ユーノの専門は考古学であり、生物化学などまったくの畑違いもいい所だ。
 この疑問は実に自然なものだろう。

「この前の遺跡で発掘した資料をちょっと調査に出してきたところなんだ」

「生物に関わるものだったの? あの遺跡で見つかったものって」

「まあね」

 そう言って、ユーノは手に持っていたカバンから一枚の書類を取り出した。
 遺跡の壁画に刻まれた象形文字を模写し、さらにその下列に翻訳が記されている。
 断片的に記述されたその文面を見て、なのはは思わず顔をしかめた。
 それは女性が見て気分の良い類の代物ではなかった。

「えっと……つまりあの場所を作った文明の人たちは、怪物を作る研究をしていたの?」

 その種の知識の薄いなのははそう結論付ける。
 彼女の答えにユーノは顎先に指を当ててしばし考えた。

「怪物、という言葉は適切かどうかな。そう呼べなくもないかもしれないけど。彼らが目指していたのは人間の適応性をより高めるためのものだから」

「適応性?」

「どんな環境にも耐えられるように。人間という種の肉体的な制約をなくそうっていうね。確かにその結果は、きっと怪物みたいな様かもしれないけど」

「へぇ」

 ユーノの言葉に、なのはは曖昧な微笑を浮かべた。
 人を怪物のようにする事に腐心した太古の研究者、大昔のマッドサイエンティストとでも言うべきものだろうか。
 何にせよロマンスのある話ではなかろう。
 それを察したのか、ユーノは早々にこの話題を切り上げた。

「じゃあ、僕はそろそろ行くね」

「あ、うん。じゃあね」

「ああ。そうだなのは、また今度暇があったら……だけどさ」

「なに?」

「遺跡の発掘とか、付き合ってくれないかな」

 そう頼むユーノの顔は、わずかに朱色に染まっていた。
 告げられたなのはの顔も、一瞬でぱっと赤くなった。
 付き合ってくれないか、その語に何か別の意図を連想してしまうのは、年頃の乙女らしい思考か。
 照れ隠しに僅かだけ視線を逸らし、そっと栗色の髪を掻き上げながら、彼女は答えた。

「う、うん……別に良いけど」

「そう、ありがとう。じゃあね」

「うん」

 踵を返し去っていくユーノの背中を見送りながら、なのはは胸の奥で疼く形容しがたい甘い心地にため息さえ漏らした。
 空を駆け砲撃を用いる、そんな戦いならばいとも容易くこなすと言うのに、事それが男女の関係となると……
 もはや爪の剥がれた指先の事も意中から忘却し、なのははユーノへの想いを募らせたのだった。



 果たして、それから二週間ばかり経った。

242不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:23:07 ID:UmgXroS2
 最初はそうでもなかったが、この頃になるとなのはの中に芽生えた違和感は徐々に大きくなっていた。
 剥がれた左人差し指の爪は未だに生える兆しがない。
 痛みもまた同じく、どれだけ経過しても生じる事がなかった。
 その癖、爪を失った指が使い難いかというとそんな事もない、それが余計に不気味さを煽るのだ。
 管理局の医務課へ診療希望を提出するのも当然と言えた。

「どうですか、シャマル先生」

 と、なのはは問う。
 担当した医務官はシャマル、闇の書事件以来、かれこれ十年来の付き合いのある相手である。
 信頼する彼女の言葉を、なのはは縋るように待った。
 明らかな傷を負って痛みの生じないという怪奇の答えを求めて。
 だがあにはからんや、返ってきたのはなのはの求めたようなものではなかった。

「それなんだけどね……なんて言ったら良いか分からないんだけど。なのはちゃんの体、異常はないわ」

「え? で、でも、私の指こんな風になってるのに、ぜんぜん痛くないんですよ」

「確かに、そうなんだけど」

 シャマルは困り果てたように眉根を寄せた。
 目の前に起こした空間投影ディスプレイに表示された、諸々のデータ。
 なのはの体、痛みを生じるはずの指先、痛覚を伝える筈の神経。
 それらを精査したスキャン結果だが、異常を示すものは何一つない。
 そう、何一つ。
 だからこそ異常なのだ。
 まるでなのはの体自身が、傷を傷と認識していないような。
 シャマルには、今の時点で打てる手立てはなにもなかった。

「今はまだ何も言えないわ。もしかしたら装置の故障かもしれないし……もう一度他所の機械でデータのチェックをしてみるから、もうちょっとだけ待ってもらえるかしら」

「……はい」

 告げられた言葉に、なのはは頷くしかない。
 医療という分野ははあまりにも専門外であり、シャマルにも分からない事がなのはに分かる筈もないのだから。
 だが自分の中で何かが起こっているという事実の曖昧な輪郭が、心に不気味な影を落とした。
 しかしなのはにはまだ知る由もなかった。
 これが、まだ自分に起こる変化のほんの始まりに過ぎないという事が。
 


「ほらヴィヴィオ起きて! 朝だよ!」

「んぅぅ……もうちょっと寝たいよぉ」

 それはいつもの朝だった。
 学校へ行く義娘を起こしに、なのはは白いシーツにくるまってきゅっと丸くなった可愛い姿へ、大きな声で呼びかける。
 朝に弱いのか、ヴィヴィオは窓から注ぐ朝日から逃れるように余計シーツをかき集めてしまう。
 
「ほら、遅刻しちゃうよ?」

「やぁだぁ……もっと寝たいよぉ」

「もう!」

 駄々を捏ねるヴィヴィオにしびれを切らしたなのはは、やや乱暴にシーツを引き剥がしに掛かった。
 温もりを奪われそうになって、ヴィヴィオは当然の反応としてシーツをぎゅっと掴んで反抗する。
 その時かかった力は、決して強いものではなかっただろう。
 だからこそなのはは信じられなかった、一瞬理解する事ができなかった。

「……ぇ」

 左手を見た。
 自分の利き腕。
 先ほどまでシーツを掴んでいたその指先、ヴィヴィオの抵抗に対して、力をこめた五指。
 それが歪に歪んでいた。
 ぐにゃりと、普通ならありえない方向に曲がって、おまけに残る四枚の爪もまた剥がれ落ちて。
 痛みは――ない。

243不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:24:02 ID:UmgXroS2
 この前と同じように、まったく苦痛はない。
 それがいっそう不気味だった。


 そっと力を指にこめる。
 呆気ないほど簡単に、折れ曲がった筈の左五指が元の形へと戻った。
 まるで軟体生物、タコやイカの触手かと思えるほどだった。
 



「どうかしたのママ?」

「え!? べ、別に……なんでもないよ。さあ起きてヴィヴィオ」

「うん」

 母の普段と変わった様子を布団越しに察したのか、むくりと自分から起きたヴィヴィオに、そう促すなのは。
 異常な左手はそっとシーツで隠した。
 今はいつもどおりの様となった指を。
 自分の中で一体何が起こってるのか、不安はさながら泉に湧く水のように尽きなかった。



「なのは、それどうかしたの?」

「え? ううん、別になんでも。ちょっとね」

 フェイトにそう聞かれ、なのはは左手を右手で隠した。
 包帯に包まれた左手。
 これ以上おかしい事がおきないように、早く治るようにと、添え木を当てて包帯を巻いた。
 医者に診せるという事も考えはしたが……出来なかった。
 人に今の自分の体を見せる事に、過剰なほどの恐怖心があったからだ。
 自分自身でも、腕を見たくないという心理も働いていた。
 そうしていれば治るのではないか、という不確かな期待、いや、願望もあった。
 どんなに儚く脆いと分かっていても。
 自室のベッドの上の腰掛けて、なのはは漫然と腕を見下ろす。
 利き腕の左、二十年近く使い続けたそれを、今や自分は何か形容し難いおぞましいものを見る目で見つめていた。
 ぼんやりとした意識を覚醒させたのは、携帯端末のコール音だった。
 慌てて右手で取り出し、着信先を確認するや通話ボタンをオンにする。

「ゆ、ユーノくん?」

『こんばんはなのは。今大丈夫?』

「うん、大丈夫だけど」

『明後日って、たしか休みだよね? なら、また一緒にどうかなって』

「良いけど。遺跡の発掘とか?」

『そんな感じ。良い?』

「えと……うん、良いよ」

「分かった。じゃあ詳しい時間とか場所はメールしとくね」

「うん」

 通話をオフにし、なのはは端末をベッドシーツの上に下ろした。
 不安だらけの心に差し込んだ一条の光。
 胸に微かな安らぎを得て、ふっと笑みが浮かんだ。
 


 照りつける陽光も暖かな森の中には、木々の梢から挿し零れる木漏れ日が、新緑の鮮やかさと相まって美しく映えていた。
 薄く茂った草を踏み分けながら、近くの清流で冷気を帯びた心地よいそよ風を受けるのが心地よい。
 なのはは深く呼吸をしてさわやかな大気を味わい、気持ちよさそうに天を仰いだ。

「良いところだね」

「そうだね。僕もここを歩くのは好きなんだ」

 申し訳程度に鎮座する苔だらけの宮殿跡を観察しながら、ユーノがそう告げた。
 二人は今、ある管理世界に存在する古代遺跡へと訪れていた。
 遺跡発掘という名目でこそあるものの、太古の遺跡群はそのほとんどが苔と木の根、雨と風に侵食され尽くされており、やる事と言えば風雅な文明の憂愁を見ながらの散策程度である。
 それはほとんどピクニックと変わらぬものだった。
 自然と湧き上がる疑問に、なのはは思わず聞かずにはいられなかった。

「ねえユーノくん。今日はこんなところで良かったの? いつもなら、もっとちゃんとした遺跡とかに行くんじゃないのかな」

 当然といえば当然の問いかけだったろう。
 ユーノはしばし、その言葉を吟味するように目を瞑り、やや恥ずかしそうに頬を染めて、答えた。

「いやね、フェイトからなのはが最近少し元気ないって聞いて……それでここにつれてこようって思ったんだ」

「……え? それって」

「だからさ、ここなら気分も落ち着くし。ちょっとは元気になってくれるかなって」

「……ユーノくん」

 はにかみながらそう告げる彼の姿に、なのはは胸が詰まった。
 自分が案じられていたという事が素直に嬉しい。
 ユーノの朴訥さに温かい気持ちが湧き上がる。

244不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:25:59 ID:UmgXroS2
 目じりに浮かぶ涙の雫をそっと指で拭い、花のような笑顔を彼へと贈る。

「ありがとう、ユーノくん。凄く……嬉しい」

「……なのは」

 目と目を見つめ合い、心のどこかで感じる、今二人はお互いの心を共有しているという認識を。
 今なら、素直にこの気持ちを伝えられるのではないだろうか。
 そんな気さえした。
 ただ一言、好きだ、と伝えるだけで。
 しかしそのたった一言を伝える時間を、残酷な運命は引き裂いた。
 森に響き渡る、鈍く軋む金属の駆動音。
 脆い遺跡の石壁が爆ぜるように吹き飛んだ。
 のっそりと姿を見せる、おぞましい程に肥大化した鋭い節足。
 間違えた進化の果てに生まれたようなその威容は、古代の文明が作り出した蟲にような防衛兵器の一つだった。
 赤い硝子製の複眼が周囲をサーチし、眼下に佇む二人分の人影を認識する。
 不気味で虚ろな機械仕掛けの目に捉えられ、なのはは意思などない筈の機械から、敵意を感じた。
 侵入者を殺戮する為に再び起動した機械蟲が、腹部装甲をパージしてスマートグレネードの砲身を取り出した、その一刹那の瞬間に、なのはは即応した。
 教導官として、武装局員として培った戦いの経験のたまものだ。
 包帯に包まれた左手が胸元のレイジングハートを掴み、デバイスモードになったその杖先を向けるまでに掛かった時間は正に瞬く間であった。
 蟲型兵器が攻撃を行うより遥かに速く、なのはとその愛器が生み出した魔力砲撃の衝撃と閃光が天空まで一直線に全てを貫く。
 轟々と鳴り渡る砲撃の残響、物理破壊を選択された魔力の余韻がびりびりと大気を震わせ、次いで破壊されてただの残骸になった古代兵器のパーツが地面へと舞い落ちた。
 全てはほんの一呼吸の間に発生し、一呼吸の間に完結した。
 まだ防衛兵器の類が生きていた事も驚きだったが、水際立ったなのはの対応はなお驚くべきものだったろう。
 頼もしい彼女の様に、ユーノは嘆息する。

「凄いねなのは、一瞬であんな兵器を破壊するなんて。君が一緒で良かったよ。……なのは?」

 そこで、ようやくユーノは気付いた。
 なのはのおかしな様子に。
 小刻みに体を震わせ、その顔は正に蒼白の呈であった。
 一体何があったのか。
 まさか傷を負ったのか……ユーノは慌てて彼女に近寄った。
 案じるユーノの不安を、凄まじい悲鳴が引き裂いた。

「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 声の限りに、なのはの悲痛な叫びが迸る。
 だがその声よりなお、ユーノはある一点に目を釘付けにされた。

「な、なのは……どうしたの、それ……その『手』は」

 それは、なんという事だろうか。
 なのはの手、左手、かねてより異常を見せていた手。
 果たして何と呼ばわるべきか。
 かつて白くなめらかだった五指は、既にその限りではなかった。
 ずるずると音を立てて、レイジングハートの杖を握るのは……赤黒く、異様な粘液か粘膜かに覆われた、指の名残を見せる触手。
 ときおり血管の脈動をしては蠢く触手の指、手首も前腕もまた同じだ。
 肉の鞭を幾条も束ねたような異形の姿。
 太くおぞましい肉塊のうねり。
 それが手首の先から肩まで、なのはの腕を覆っていた。
 いや、腕を覆うというのは御幣があろう――もはやなのはの腕が触手なのだ。
 強い魔力を駆使し、緊張が代謝と共に変化を促進させたとは、ユーノにもなのはにも分からない事だった。
 ただ分かるのは、人のあり方を失った腕。
 そして残酷な変化は、より加速する。

「やだ……やだやだやだぁ! 見ないで、ユーノくん……いやあああ!!!」

 ごりゅ、ばき、めちぃ。
 肉を撓らせ骨が軋む音色が響いた。
 腕全体まで進んだ変容の加速は、もはやとどまる事をしなかった。
 肩までだった肉塊と触手のうねりが、次に胸と首筋まで至る。
 服を千切り肥大化するおぞましく醜い肉の塊を前に、ユーノに出来たのはただ呆然とする事だけだった。

「なの、は……」

 虚ろな声音が、彼女の名を呼ぶ。
 それを聞いた刹那、なのはは悲鳴を噛み殺しながら、触手となった指でレイジングハートを強く握った。
 展開される桃色の魔方陣。
 転移魔法の術式だと分かったのは、彼女の姿が目の前から完全に消失してからだった。
 そして、場には静寂だけが残った。
 立ち尽くすユーノ一人と、破壊された鉄の蟲と、森と、風。
 ただそれだけが残った。



 なのはが失踪してから、二週間ほどの時間が過ぎた。

245不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:26:49 ID:UmgXroS2
 あまりにも信じ難い話ではあったが、ユーノはその全てを余さず管理局に報告した。
 当初は彼がなのはを殺害したのではないかとも疑われたが、一切の証拠がなく、また嘘発見器や取調べに対する反応でも容疑は確定されなかった。
 なのはの多くの友人、知人は、失踪した彼女を懸命に探した。
 とりわけフェイトは長期の休暇を申請し、執務官の仕事をなげうってまで探し続ける程だった。
 だが、一向になのはの行方は知れない。
 もしかしたら、もう永遠に分からないのかもしれないという諦観が誰の胸にもあった。
 そんな日の晩だった。

「……」

 ユーノはその日もまた、空中投影ディスプレイに映し出される失踪者情報を流し読みながら、収穫の乏しさに眉根を寄せていた。
 何杯目かも忘れた薄い不味いコーヒーを啜り、デスクチェアの背もたれに体を預ける。
 天井を見上げる双眸は虚無めいていた。
 反芻される、あの日の出来事、最後に見たなのはの姿。
 彼女は今――
 迷走する思考を中断させたのは、来訪者の存在を知らせる玄関のベルだった。
 億劫に感じながらも、今開いているディスプレイと玄関先のカメラを繋げる。
 だが画面に表示されたのは、ぬばたまの闇だけだった。
 玄関に訪れた来客は、カメラを破壊したか、何かを被せているのだろうか。
 悪戯、そんな事を思いながら、ユーノはいちおう声をかけた。

「どなたですか?」

 ユーノの言葉に、相手は答えなかった。
 静寂が、一秒、二秒と続く。
 いい加減に彼が画面を切ろうかと思った、その刹那。

『ユゥ、の゛ くん』

 声が、聞こえた。
 粘ついた、声帯を丸ごと異様な別生物の器官に挿げ替えたかのような、声音。
 だがその気色の悪い筈の響きの中に、ユーノは懐かしい声の、微かな、本当に微かな名残を感じた。
 
「…………なのは?」

 そう、かつて彼の心を癒した、あの鈴振るような甘い声。
 確かに今しがた聞こえた残響に、その名残があった。
 ユーノは駆け出した。
 椅子をひっくり返すのも構わず、一目散にドアへと目掛けて。
 なのはが居る、今ここに、探し続けた彼女が。
 靴を履く時間さえ惜しみ、ユーノはドアノブに手を掛けた。
 その瞬間だった。

「ヤ、め゛テ!!!」

 異音に暗く粘ついた彼女の声が、ユーノを制した。
 冷たいドアノブを捻り、あと少しで戸を開けるというところで。
 これを開ければ、なのはに会えるというのに。

「どうして……なのは」

 詰問するユーノの言葉に、ドア一枚隔てた先に居る彼女は、再びしばらくの逡巡を経て、答えた。
 
「わ、タし……今、スゴク変なノ゛ もう、ムかし゛のわ゛たシじゃ……ない、の……」

 震える響きは、嘆きと悲しみに満ちていた。
 ユーノは言葉に詰まった。
 なんと言えば良いのか、なんと応えれば良いのか分からない。
 硬直する彼に先んじて、なのはは言葉を連ねた。

「ダカラ、もう゛イクね……サよう゛なラ゛」

 その瞬間、分かった。
 これは今生の別れだと。
 なのははこれを期に、今まで自分と繋がっていた世界の全てと決別するつもりなのだと。
 そう理解した時、ユーノの脳裏に二つの選択肢がよぎった。
 ドアを開けるか否か。
 しかし逡巡はほとんどなく、彼は答えを選んだ。

「なのは!!!!」

 彼はドアを、開けた。
 そして見た。
 なのはを。
 もはや往時とはかけ離れた、その姿を。

「や、ヤダ……み゛ナいデ……」

 悲しみ、恥らうなのは。
 乙女の繊細な心には、変わり果てた今の姿を人に見られるのは、ましてや彼に見られるのは、到底耐えられない事だった。
 かつて医学的な検査を前にまったく異常を見出せなかった体はもう絶対に普通の人間のそれには戻れないだろう。
 そう理解したからこそ、なのはは今まで自分の過ごした世界から離れる決意をした。
 それでもなおユーノの元に訪れたのは、彼にだけは最後の別れを直接告げたかったからだ。
 しかし、姿だけは見られたくはなかった。
 見られてしまえば、ユーノの中にあった自分の昔の、きれいだった頃の記憶まで醜くなってしまうような気がしたから。
 
「なのは……」

 ユーノはまじまじと、なのはの姿を見た、見続けた。

246不変愛〈カワラズノアイ〉:2013/02/01(金) 23:28:54 ID:UmgXroS2
 赤黒い肉、浮き上がる血管、粘膜と粘液、吐き気を催す悪臭。
 嫌悪された。
 そう、なのはは感じた。
 彼にそんな風に思われるのは、どんな苦痛よりなお辛かった。
 だがそれが単なる杞憂であると、すぐに分かる。

「……ッ!」

 粘ついたなのはの声帯から、驚きの吐息が漏れた。
 もはやかつての名残さえないその体が、優しく抱きしめられる。
 ユーノの手が、肩をそっと抱き寄せた。

「ばかだよ、なのは……君はばかだ……こんな事、僕が気にするわけないのに」

 頬に彼女のおぞましい粘液がつくのも構わず、ユーノはなのはを抱きしめた。
 彼は怒りさえ感じた。
 自分は――その程度の事で君を毛嫌いするような男だと思われていたのだろうか。
 そんな事でこの秘め続けた気持ちは薄れるというのか。
 姿形など、なんの事があるのか。と。
 もう今のなのはの容姿は、人の原型を留めていない。
 だがそんな事など関係はなかった。
 ユーノが彼女を愛したのは、見た目などではない。
 その心に惹かれたからこそ、彼女を愛したのだから。

「ユ゛ぅノくん……いい゛ノ? わタシ……こンな゛」

「いいよ」

 言葉に、一切の迷いはなかった。
 彼はなのはを抱きしめて、髪を撫でてやった。
 かつてなめらかに流れた艶やかな栗毛、今や異常な進化をした蚯蚓かと思えるような触手の繊毛を、悪臭漂う粘膜を、構わずに。
 
「なのは、君にずっと言いたかった事があるんだ」

「……」

 震える彼女の肩を抱きながら、そっと耳元に、かつて耳があったと思わしき場所へ、囁く。

「ずっと君が好きだった。愛してるんだ、なのは。君とずっと……一緒にいたい」

 偽ざる恋情の言葉、永遠の愛の誓い。
 なのはは戦きと喜びに震えた。
 彼は、迷わない。
 自分を選ぶ事に、こんな様の身を愛する事に。
 なのはもまた応えた。
 言葉ではなく、彼を抱きしめ、キスをする事で。
 ユーノもまたなのはを強く抱きしめながら、宣誓するように言った。

「なのは。ずっと、一緒に居よう。ずっと、二人だけで」

 もはや、それ以外の言葉など何もいらなかった。
 そうして、二人の世界は完結した。




 以降、ユーノ・スクライアの行方は一向に知れない。
 管理局に無限書庫の司書長を辞任する旨だけがメールで送られたのが、公式に残る最後の彼の記録となった。
 彼がどこへ行ったのか、どこへ消えたのか、知る者は一人としていない。



終幕

247ザ・シガー ◆PyXaJaL4hQ:2013/02/01(金) 23:31:43 ID:UmgXroS2
投下終了。

今気付いたけど >>239 ビグロってなんだよどこのジオン公国のMAだよ、微グロだよ。


あとユーノ祭用SSなのにユーノというかなのはの描写が多かったのもなんだ、その・・・すまぬ。
でもいちおうユーなのSSなので構わないかな、という感じに思っておりますのでご容赦を。

248名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 23:35:24 ID:owCGbmuQ
ビグロって書いてたからネタSSだと思って読み進めたらこれだよ

249名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 23:38:02 ID:owCGbmuQ
乙いうのわすれてた
なんだっけ、あれっぽい
クトゥルフ系エロゲのナントカの唄

250名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 23:38:37 ID:eivSctQs
GJ!悲劇だがGJと言わざるを得ない(つД`)
しかし手がタコみたいになるところとか微グロというよりちょっとホラー

251名無しさん@魔法少女:2013/02/01(金) 23:40:26 ID:lt9Q.rQ2
諸星大二郎の暗黒神話思い出した。古代人もどうせ残すならかわいいモンスター娘になるロストロギアを残せばいいのに・・・

252aaa9on ◆0BE0O9eFKI:2013/02/02(土) 01:53:56 ID:GIl3zpRc
お久しぶりですaaa9onです。トリップキー初めて使ったけどうまくいったかなぁ、はどうでもいいとして
お久しぶりな理由は筆が遅いんです本当に……
ユーノ祭に参加したいぞ〜と書いていたのに、いつの間にやら、2月2日に
まぁ内容が終盤ユーノから外れちゃったし逆に良かったかも(このお祭りいつ終了なんでしょう?話の流れから一日限りかなぁと思ってこう言ってるんですが、違ったらすみません)
と言うか、あれこれチガクね?ってなったら、お祭り関係ない作品ってことで一つ
ユーノ、トーマ、エリオでギャグ
ワード的には一部エロかもしれんが、内容はエロくないよ
相変わらずの駄文ですがどうぞよろしくお願いします

253秘密の会合 ◆0BE0O9eFKI:2013/02/02(土) 01:54:30 ID:GIl3zpRc
町のはずれのたいして流行ってもいなさそうなバーに一人の男が入ると、既に中にいた男が無言で、手招きをする
入ってきた男もまた、無言のまま、それにしたがう
今日、この店で行われるのは、とある物の交換
それは絶対に知られてはいけない取引だった
二人が言葉少なく、注文を終えると、相手に念話を送る
『きてくれたね。例のものはちゃんと持ってきたかい?トーマ』
『はい。バッチリです。そちらも持ってきてくれましたよね?ユーノ司書長』
『もちろんだよ』
互いに確認を終えると、ホッと息を吐く
二人の名はトーマ・アヴェニールとユーノ・スクライア。片や見習い魔道師、片や無限書庫司書長と言う、一見無関係な二人を繋ぐのは、とある趣味だった
マスターから、酒を受けとると、ユーノは一度周囲をうかがってから、認識阻害の結界を張る
周囲から見えるが意識されなくなる高等な魔法だが、結界魔道師でもある彼にとっては容易いことだった

結界が張れたことを確認すると、ユーノは一枚のメモリーチップをトーマに手渡す
「おぉ!これは……」
トーマがそれをスティードにセットし内容を見ると、感嘆の声をあげる。空間ディスプレイに表示されたのは、何枚もの写真だった
それらは全て、幼き日の高町なのはを撮ったものだ
ただし、そのアングルは丸で地を這う小動物が撮ったかのように低く、彼女のスカートの中をはっきりと写している
そして、何枚もの写真の中でも、彼が特に注視したものは、温泉を背景に、彼女の張りのある肌を余すところなく全て写しだしていた
「気に入ってもらえたかな?」
ユーノがそう問うと、トーマは大きく首をたてに振る

「そうだろう。僕の自慢のコレクションだよ」
ユーノが満足そうにうなずくと、ユーノの前に、一枚のメモリーチップが差し出される
ユーノはデバイスを持ってはいないが、彼ほどの魔道師になれば、チップ内のデータを自らの魔法で表示することなど造作もない
「これは……なかなか大したものだ」
表示されたのは、豊満な体つきの女性の裸体
シュトロゼック4thーリリィ・シュトロゼック、彼女はリアクターであり、人間ではないのだが、今のユーノにとって、それは取るに足らないことだった
むしろ、人でないがゆえに人ではなしえない完璧なプロポーション
そして、美しく、それでいて優しげな顔、それらを考えれば、彼女が人間でなかったことと、彼女を作った人の造形センスに感謝したいくらいだった
そんな彼女の裸体が、はっきりと、しかもあらゆる状況、あらゆる角度から自在に撮られているのだ
「すごいな……これは。しかし、どうやったんだ?」
ユーノは、放尿中のリリィを正面から写した写真を指して聞く
「いやぁ、おれは相棒に恵まれてますから」
トーマはそう言ってスティードを優しく撫でる
それを見たユーノは、納得した顔で、写真に目を戻す
しかし、複数の写真に目を通しているうちに、その表情からは、笑みが消え、疑問が浮かび、段々と不快感を浮かばせる
「……彼女の写真が見あたらないんだが?」
言われてトーマは、バツの悪そうな顔になると、すぐさま、もう一枚のチップを手渡す

254秘密の会合 ◆0BE0O9eFKI:2013/02/02(土) 01:55:02 ID:GIl3zpRc
「君も人が悪いな。トーマ。僕が何も言わなかったら渡さないつもりだったろ?」
ユーノはそう言ってトーマを軽くにらむが、直ぐに、まぁいいさと言って、メモリーの中身を表示する
トーマとて本当に、渡さないで済むとは思っていなかったが、それでも、そんなことを期待したくなるほどに、このデータは危険だった
表示された写真に写っているのは、まだ幼いオッドアイの少女
名を高町ヴィヴィオと言う
先ほどまでの写真と比べると、裸体はなく、枚数も少ない
しかし、ほんの数枚ではあるが、スカートから覗く少女の下着や、全身が汗に濡れ肌に張り付いたことで、透けて見えた、乳首が写しだされたものを見つけると、ユーノは、トーマの手を取り、涙ながらに、ありがとうと繰り返した

彼女自身はともかく、その両親と、師匠のせいでガードが異常に硬く、こういった写真は、スティードを駆使するトーマでさえ滅多にとれないのだ
それを知っているユーノにとって、これら写真は、人生最高の宝と言っても過言ではない
ユーノは一通り感謝をすると、食い入るように写真を凝視した

トーマもまた、幼き日の、なのはの写真に視線を戻そうと思ったが、視界の端に見知った顔を見つけ、そちらを向く
目につたのはエリオ・モンディアル
長い付き合いでもあったので、いつものように、。つい声をかけてしまった
しかし今は結界の中
エリオは確実に呼ばれたのに呼んだ本人が見つからない、ことに戸惑いを見せる
彼の感覚は鋭い、このままでは、この結界に気づいてしまう
町中での魔法の無断使用は違法で、彼は局の魔道師だ
トーマはとっさに自分とユーノの空間ディスプレイを閉じ、結界を分断する
今まで探していたエリオがトーマを素早く見つけるとよってくる
なんとかなった、トーマはそう思った

しかし、不運は重なるものトーマが、ついエリオを呼んでしまったこともそうなら、エリオが来た瞬間に、ディスプレイを閉じられたユーノが、僕の秘蔵写真がっ!と言ってしまったことも、また不運としか言いようがないだろう
「秘蔵写真ってなんですか?ユーノ司書長?コレですか?」
そして、エリオは疑問のままにユーノの前に置いてあった、チップの中身を見てしまう
そこに置かれていたのはユーノに最初に渡されたチップ。すなわち、リリィの肢体を余すことなく写した写真集だ。
それの中身を見てしまったエリオは、慌ててディスプレイを閉じると顔を真っ赤に染め上げ、うつむき黙ってしまう

そして、慌てたのはエリオだけではない。いや、むしろユーノとトーマの方が慌てていた
しかし、そこはさすがに年長者、ユーノが落ち着いて、対策を打った
うつむくエリオの肩に手を置き、君も好きだろ?と諭すと言う前代未聞の方法によってで、であるが
エリオは、それにさらに慌てて否定の言葉を繰り返し、挙げ句ストラーダに同意を求めてしまった
しかし、それはあまりにひどい墓穴だった
デバイスには性格があり、ストラーダはエリオに合わせた、つまり真っ直ぐな性格のデバイスなのだ
そして、人もデバイスも真っ直ぐでは嘘がつけないのだから
『はい。マスターはキャロとフェイトさんにしか興味がありません』
とストラーダが答えてしまったとしても仕方のないことだ

255秘密の会合 ◆0BE0O9eFKI:2013/02/02(土) 01:55:54 ID:GIl3zpRc
一瞬の沈黙が降りる
エリオがキャロに気があることは、ある程度予想できた
しかし、母親代わりであるフェイトにまで劣情を抱いていたとは
その驚きに、ユーノとトーマが浸っている中
エリオは自分が助かる方法をマルチタスク全開で考えていた
そして導き出した答えはただひとつ
「それはいいとして、さっきの写真はなんですか?その、明らかに無修正で違法もののような……と言うか盗撮しました感満載の画像でしたけど」
話題を変える、それも相手が最も反応するであろうものに

エリオの企み通り、ユーノとトーマは先程の話など忘れたかのように、慌てふためき言い訳を重ねる
後は、お互いこのことは忘れましょう、そう言うだけでエリオの完璧な作戦は決まるはずだった
「でも、これぐらい君だってやったことあるだろう!」
ユーノのこの一言がなければ
『いいえ。マスターはきちんと相手の許可を得て撮っています』
そして、ストラーダが無駄に正直な一言を言わなければ

またもや沈黙が降りる
ユーノは破れかぶれの一言がまさか的を得ているとは、思ってもいなかった
しかし、このデバイスは言ったのだ、相手の許可を得て撮っていると
しかし、いくら人工知能を備えているとは言っても、所詮はデバイス
言葉は額面道理にしか使えないはず、つまり、ストラーダはこう言いたかったのではないか
相手の許可を得て撮れる写真しか、取っていない
つまりやましいことはないのだと

しかしそうなれば、困るのはやりユーノとトーマ
すぐさまストラーダに確認をとる
「それ、普通の……エッチくない写真だよね?」
『いいえ。一般に配布するにはモザイクと18禁指定が必要な物かと』
エリオはこの時、本気でこの駄デバイスをへし折ろうかと力を込めようとしたが、ストラーダが腕から抜き取られていることに気づく
取られたと気づいた時には、すでに遅し、ユーノに操作されたストラーダから空中に表示されていくのは、エリオとキャロのあられもない姿
つまる所は、ハメ撮りの写真である
裸や、セックス時は当たり前、中には、緊縛、放尿、浣腸、フリードを使ってのサンドイッチ等危険なプレイの時のものまで有る
エリオは人生の終わりだと、膝を折り両腕をつく
こんな時、フェイトさんは助けてくれるだろうか?なのはさんなら?部隊長……は駄目だ面白がって広めるに決まってる
そんな、意味もないことを考えながら、乾いた笑いを浮かべる

しかし、何時の世にも救いというものはある
今のエリオを救ったのは、他でもないユーノだった
「君のいけない趣味は分かった。まぁ了承するキャロもキャロだけど、人の趣味はそれぞれだ。気にすることはない」
そう言ってエリオの肩に手をおいたのだ
エリオは感激のあまり涙すら流しそうになった
「だからこの写真、もらっていい?ぼくらのもあげるからさ」
この一言さえなければ
すがるようにトーマを見ると、トーマもまたユーノに同調するように、大きく首を縦に振り、挙句コピーするためにスティードとストラーダを両手に持っている

エリオにとってこの質問は一択なのだ
断れば、バラされるかもしれないのだ、今度は悲しみの涙を流しながら、エリオは首を縦に振った
ついでに、くれるというデータにもちょっと興味もあった

256秘密の会合 ◆0BE0O9eFKI:2013/02/02(土) 01:57:04 ID:GIl3zpRc

そして、データのコピーがすべて終わり、帰ろうかという時に、トーマがまた知り合いを見つける
高町なのは、キャロ・ル・ルシエ、リリィ・シュトロゼック、珍しい取り合わせな上に、こんな寂れたバーで合うなんて、偶然にしては出来過ぎている
咄嗟に、逃げようと思ったその時には、ユーノたち3人の体はバインドで宙に浮いていた

「時空管理局です。公衆の面前で、卑猥な違法画像を公開している3人組がいるとの通報できました。ちょっとお話、聞かせてもらえますか?」
なのはが代表して、定型文を述べる
しかしその瞳は、ユーの一人しか見てない
他の二人も同じく、キャロはエリオ、リリィはトーマだけを見ている
「ユーノ君、いつの間に撮ったのかしら無いけど、いい度胸してるよね?ちょっと私と個人的にお話しようか?」
なのはは、バインドされたユーノの襟首を掴むと、路地裏に消えていった
おそらく、ユーノは生きて帰れないだろう

「エリオ君、写真そのものはいいとして、交換っていうのは、どうかと思うなぁ……ちょっと無効行こう?ヴォルテールも会いたがってたし……ね?」
こうしてエリオはフリードに咥えられて、空の彼方キャロと消えていった
一度は地面に降りられるかもしれないが最終的にはお星様になっていることだろう

「トーマ……」
リリィが近寄ってくる
トーマの心が恐怖に染まる
「……えいっ」
最後は自分かと全身を恐怖に震えさせていたのトーマを待っていたのは、リリィの可愛らしいデコピンだった
しかも、全くといっていいほど、力を込められていない
こうなると逆に怖いものだ

「えっと、リリィ……怒ってないの?」
トーマは恐る恐る聞いた
たとえリリィに、何をされたとしても、文句は言えないが、この理由の分からない状況はかんべんして欲しかったのだ
「怒ってるよ?トーマが通報されて、危うく犯罪者になるところだったんだから……これからは心配、させないでね」
リリィは、的はずれな返事しか返さない
とぼけているのではなく、コレで素なのだ
そこでトーマはようやく思い至った
リリィは実験施設にいたとき裸だった
そしてそこでは、いろいろなことがあったはずだろうし、写真や動画とて大量に取られたはずだ
とすれば、こういったことに羞恥を抱かなくなったとしても当然だろう
「ごめん、リリィ……これからは気をつけるよ」
トーマは胸を撫で下ろす
完全に詰んだかに見えたが、自分は助かったのだ
外では爆音が響いたり、周辺住民が巨大な龍だと叫んだりしているが関係ない
2人の尊い犠牲の上に、自分は助かったのだと生の喜びを噛み締め、あわや泣き出そうかというところで、肩にリリィとは別人の手がかかっていることに気付く
そして、その手に握りこまれた、原型の分からないほどにぼろぼろな小動物と、何よりそれを持ち、この短時間で戻ってきた女性に心の底から恐怖した
しかし、自分は被害者から許されたのだと自分自身に言い聞かせ、向き直る

「なんでしょうか、なのはさん。こっちはもう、話が終わりましたが……?」
努めて冷静に言えたとトーマは自分を心のなかで褒め称えた
しかし、トーマは喜びのあまり忘れていた、いや、忘れようとしていたのだ
最も危険なもう一人の被害者を
「そう……いつ、ヴィヴィオにあったの?」
高町ヴィヴィオの存在を

トーマの表情は完全に凍りついた
これはヤバイ、娘を対象にしたのは本人を撮るよりやばい
母は強し、それが管理局のエースオブエースならなおのことだろう
そして、トーマとなのはの付き合いは、さして長くない
幼馴染も同然のユーノでさえ、あれなのだ、助かるわけがない
全身をバインドされて、連れて行かれる中、ボロボロの小動物がピクリと動いたのが見え、安堵を覚えた所でトーマの意識は途切れた

257aaa9on ◆0BE0O9eFKI:2013/02/02(土) 02:05:40 ID:GIl3zpRc
あとがき的な何か〜別名言い訳〜
最初はユーノとトーマでギャグって感じで思いついてたんですが、何故かこうなった
一応、ユーノ君生きてるのは、なのはの愛情ですよ?死後硬直じゃないのよ?
中盤まで書いて、落ちに困った結果がコレだよ
ザ・シガーさん、素敵な企画に感謝すると共に、祭りの趣旨に外れかねない作品なことの謝罪を

皆様、お目汚し失礼いたしました
意見、感想、批判に文句全部募集中です♪あ、罵声は勘弁ねw
では、またいつか〜

258名無しさん@魔法少女:2013/02/02(土) 04:15:07 ID:IH/5doAo
シガー氏GJ
ニトロな純愛ですねw
ただ、ビグロのせいで、この話のなのはさんがビグザムと化しユーノから離れていくIFを妄想しちゃいました。
声はもちろんドズル。

259黒天:2013/02/02(土) 10:07:00 ID:WrfcSAt6
皆さん、良作投下で何よりです。
黒天です。私も投下するです。

260夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 10:08:30 ID:WrfcSAt6
メインカップリングは「ユーノ×リインフォース」ですが、「恭也×忍」「ザフィーラ×アルフ」の要素もあり。
ちなみにこの『夜刀浦奇譚』から『『黒翼の天使の恋の歌』(リインフォースが無限書庫に勤めてラブコメルート)or『黒翼の天使の堕ち行く先』(リインフォースが無限書庫に勤めず機動六課成立直前、高官達に陵辱されるルート)に分岐します。

時空管理局本局のラウンジは、お昼時でそれなりに賑わっていた。
「なのはをデートに誘ってOKを貰ったって? よかったじゃないか」
「う、うん・・・アリサも一緒だけど」
いつもの如く黒尽くめの格好である、執務官クロノ・ハラウオンは、テーブルに腰掛け、向かいの席に座る金色の長髪の少女フェイト・テスタロッサに対し、普段どおりの無愛想な顔で答えた。フェイトも黒のシャツに黒いスカートと黒尽くめだった。
「で、でも・・・いいのかな。ユーノだって、なのはの事・・・」
「あのフェレットもどきの事は気にするな。恋愛は戦争というだろう。敵に情けをかけてどうするんだ」
件のフェレットもどきーー無限書庫司書長ユーノ・スクライアに関する懸念を、クロノは実にあっさりと切り捨て、ブラックコーヒーを啜り、更に言葉を続けた。
「・・・大体、なのはに対して積極的にアプローチしないアイツが悪い。というか請求していた資料はどうしたんだ」
「ここにあるぞ」
横合いから第三者の声が聞こえてくる。
その声の主――長い銀髪と紅い瞳、雪の様に白い肌を持ち、豊満な肢体を白のブラウスと、黒いスカートに包んだ美女――『夜天の書』の管制人格リインフォースは手に持っていた分厚い資料を机の上に置いた。

261夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 10:09:20 ID:WrfcSAt6

古代ベルカの負の遺産『闇の書』――正式名称を『夜天の書』
管制人格リインフォースの本体である『夜天の書』のバグを修復する方法が見つかったのだが、しかし、『闇の書』の防衛プログラムを撃滅する際、本体である『夜天の書』の中枢も致命的な損傷を受け、彼女は緩やかな自己崩壊の危機にあった。
そこでバグを治した上で、崩壊していく『夜天の書』から別の本に意識や人格を移し変え、新生したのが今の彼女だった。

「無限書庫に寄ったついでに私が預かって来たぞ」
「あ、ああ・・・ありがとう。身体の調子はどうだ?」
「全く問題は無い。ユーノのおかげだ、彼が居なければ・・・私はここに居なかった」
クロノからの問いに対し、微かに頬を染め、嬉しそうにリインフォースは言った。
バグを修正する方法を無限書庫から見つけ、意識や人格の転移術式を編み出すのにユーノは多大な貢献をした。

「ユーノ君が居なければ、リインフォースはこの世に存在していない」とは、守護騎士の参謀であるシャマルの言である。


「そのユーノは何処に?」
「ここに居る」
クロノからの問いに、リインフォースは大胆にもブラウスの前を肌蹴けた。
白い肌と黒いブラジャーのコントラストの破壊力は抜群で、クロノは言葉を失う。
リインフォースの深い胸の谷間に、フェレットが挟まり、安らかな寝息を立てている。
「・・・な、なんて所に入れてるんだっ!?」
「我が主が仰るには、こうするのがユーノの疲れを癒すのに一番いい方法だそうだ」
どうやら夜天の主こと八神はやてが仕掛け人らしい。

「とりあえず主だからといって、はやての言う事を鵜呑みにするのはやめた方がいい」
「だが、ユーノは心地よさそうに寝ている。それに・・・こうしていると私もユーノの温もりを感じて心が満たされる」
「そ、そうか・・・」
背後に立つフェイトの視線が痛い。
余り長い間見ていると、エイミィに『クロノが鼻の下を伸ばしてた』と伝えられかねないので、慌てて眼を逸らしクロノは話題転換を図る。
「し、しかし・・・ユーノは抵抗したりしなかったのか?」
「抵抗などする筈が無い。徹夜明けで朦朧としていた所を眠らせ、ここに入れたのだからな。徹夜する原因を作ったのは、誰か・・・言うまでも無い事だな、執務官殿?」
切れ長の眼を細め、リインフォースは微かに皮肉を込めてクロノを見遣る。
彼女の言う通り、ユーノが徹夜する原因はクロノが行う資料請求にある。
その量は半端な物ではなく、この間まで物置同然だった無限書庫から、それを見つけ出すのは至難の業だった。ましてユーノは他の司書達の分まで、仕事を引き受けるので疲労は雪達磨式に蓄積していく。

262夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 10:09:54 ID:WrfcSAt6

「う・・・そ、それについては、すまないと思っている」
「・・・本当にそうか? ユーノだから大丈夫だと決め付けたり、体よくユーノを便利屋扱いしていないか?」
気まずそうなクロノに、リインフォースは非難めいた眼差しを向ける。
物凄い美人のリインフォースだが、威圧感も半端ではない。
歴戦の執務官であるクロノの背に、冷たい物が奔った。
「そ、そういう事が無いと言えば、嘘になるかもしれないが・・・これからは気をつける。
稼動したての無限書庫に頻繁に資料請求するのは、流石に酷だったな」
氷の刃の様な視線を受け、クロノは顔を引き攣らせながら答えた。
とはいってもクロノが無限書庫を活用して、相応の実績を上げている為、徐々にだが無限書庫に資料請求する者が増えている。このまま行けば、司書の負担は更に増大して、過労死する者が出てきてもおかしくない状況にある。
無論、真っ先に過労死しそうなのは、他ならぬユーノだ。
「悪いと思うならば、私を無限書庫に配属する様に手配して欲しい」

リインフォース自身の処遇はまだ決まっていない。
一番新しい『闇の書』事件で死亡したのはクロノの父クライドのみであり、命に関わる程の負傷者も出なかった。そして次元世界には凶悪な犯罪者が蠢き、管理局は万年人手不足。以前ほどの圧倒的な戦闘能力は失ったのだが、魔導書の管制人格としての卓越した情報処理能力は健在で、人事部を管轄するレティが欲しがっている。


最早、存在しない呪われた魔導書より、目先の犯罪に対処を。
これが次元世界に住まう、大多数の人々の本音であり、『闇の書』の悪名は現在進行形で活動を続ける数多の犯罪結社や凶悪な違法魔導師の存在によって、歴史の中に埋もれつつあった。


「僕の一存ではどうにも出来ない。だが何とか上に掛け合ってみよう」
「そうか・・・私としては、恩人であるユーノの役に立ちたいのだが」
「リインフォースが無限書庫に配属されれば、ユーノの負担は減りそうだね」
何かとリインフォースはユーノの事を気にかけているが、このまま彼女が無限書庫に配属されて、ユーノとの距離が近付けばーーー

―――ライバルが減るかもしれない。
なのはをめぐる恋敵は少ない方がいい。
そんな打算がフェイトの心の片隅に沸き起こる。


「それでは、『深海旅団』の資料は確かに受け取った」
「確かに渡した。私とユーノはこれから海鳴に行く。月村家から招待を受けたのでな」
クロノとリインフォースの会話を聞いていたフェイトは、月村家というキーワードに反応した。確か月村家次女にして、親友であるすずかもユーノの事を気にかけていた筈。

「えーと、ユーノって・・・もしかして、結構もてる?」
いつもの通り仕事人間振りを発揮して、資料を片手に執務官の職務に向かう義兄を見送りながら、フェイトは呟く。


確かに顔立ちは整っているし、性格はいいし、包容力はある。
男らしいーークロノ、ザフィーラ、恭也が持っているーー精悍さには欠けるが、優良な物件なのは確かだった。
リインフォースの方に視線を転じると、胸元に収めたユーノの頬を突付いている。
一見、無表情だが、その紅瞳は穏やかに細められ、口元は微かに緩んでいた。

「ところでリインフォース、旅行って・・・何処に行くの?」
好奇心に突き動かされ、フェイトは問いかけてみる。
問いかけられたリインフォースは流麗な銀髪を靡かせ、フェイトの方を振り向いた。
ユーノの頬を突付く楽しみに水を差されたせいか、リインフォースは若干、不機嫌そうに切れ長の瞳を細めながらも、律儀に答えてくれた。

「確かーー夜刀浦という所だったな」

263夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 10:10:33 ID:WrfcSAt6

――――――夜刀浦。
千葉県の東海岸、海底郡に位置する地方都市。
人口は20万人、海に面した土地で名門飯綱大学を抱える。
特産品は佃煮、ピーナッツ、等々。

歴史的には、古来より強大な土地神である人頭蛇身の「夜刀神」を祀る土地として、この名前がついていた。 室町時代には激しい所領争いがあり、馬加頼姫と尾崎重昭が夫婦となり、この土地に住まう神の力を借りてこの土地を平定したと言われる。
海辺にはこの地を治めた一族の家老であった倶璽家の末裔が建てた缶詰工場があり、街を潤していた。

「街全体が特殊な形をしており、呪術都市であるという噂が絶えない・・・か」
手の中の本――夜刀浦の簡潔な歴史を記したもの――を閉じ、ユーノは辺りを見渡した。彼が今、居る場所は夜の海辺の砂浜であり、特殊な海流の影響を受けて、世界中の水死体がこの街の海辺に集まると言われている。
幸いな事に、ユーノの視界には、水死体は見あたらないが、確かにこの都市には何処と無く、陰惨な空気に満ちていた。

「ユーノ、ここに居たか」
その陰惨な空気を裂く様に、涼やかな声が背後から聞こえてきた。
「リインフォース、どうしたの?」
「もう夕食の時間だ、速く皆の所に戻るぞ」
リインフォースは、穏やかに、淑やかさと妖艶さが同居した笑みを浮かべた。




そして今、『紫天の書』の一団をエルトリアに見送り、時期は春休み。
海鳴市の名家、月村家の誘いを受け、ユーノはこの夜刀浦を訪れていた。
本来ならば、無限書庫の仕事があったのだが、リインフォースに無理矢理に拉致される形で、ユーノは強引に同行させられていた。
何故かリインフォースはユーノに対してだけ、この様にやたらと押しが強い。
何となく、ユーノはリインフォースの方に視線を向け、慌てて眼を逸らした。

リインフォースは女性としては長身の部類に属する為に、お互いの身長差からユーノとしては必然的に見上げる形になり、視界に飛び込んでくる。

彼女の圧倒的なボリュームを誇る、胸が。
白いブラウス越しでも解る、はちきれんばかりに実った果実。

「どうした? 成程、胸をまじまじと見て・・・この、ムッツリフェレット」
「ご、ごめん」
「まあ、気にするな」
咎める様な口調とは裏腹にリインフォースとしては、特に怒っていなかった。
ユーノの赤くなる様が初々しくて、可愛く思えてくる。
年齢の割りに老成していると思える部分があるユーノだけに、そのギャップは新鮮に感じられ、何というか、母性本能を擽られてしまうのだ。

「とりあえず、速く旅館に戻るぞ」
「う、うん・・・」
ユーノの手を取り、リインフォースは少し離れた場所にある旅行中の滞在場所である旅館に向かって歩き始めた。

264夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 10:11:03 ID:WrfcSAt6


「ふぅ、お茶が美味しいな」
旅館の一室のソファーの上に座った緋襦袢姿のリインフォースはお茶を啜った。
エルトリアに旅立った『紫天の書』の一団達を見送り、彼女自身、こうして消滅する事無く、現世に存在できる事が夢の様だった。だが、これは夢ではない。



お茶は程よい熱さだし、旅館の料理人達が腕を振るった料理も実に美味だった。
この旅館『鷹樹庵』は不況の煽りを受け、経営が傾いて、潰れる一歩手前だった所を、月村家が資本を投入し、立て直したという経緯があった。
それ故に、本格的な営業は一週間後という事情もあって、今回の旅行で殆ど貸しきり状態で使えるのだ。今、彼女が着ている緋襦袢もこの旅館で売られている品である。

ちなみにメンバーは八神家からはやて、リインフォース、シャマル、ザフィーラ。
月村家からは月村姉妹。高町家からは恭也。
そしてザフィーラに同行する形でアルフ、リインフォースに引っ張られる形でユーノ。

ノエル、ファリンの自動人形姉妹は、メンテナンスも兼ねて、月村邸の地下室で休眠しながら、機械によるチェックを受けている。

その他の者達―――なのは、フェイトはアリサの招待を受け、英国のバニングス家が所有する保養地で羽を伸ばしている。

シグナムは聖王教会・管理局が擁する猛者達の挑戦を片っ端から受け、決闘三昧。ヴィータはそれにつき合わされている。
クロノはいつもの如く執務官の職務に没頭。

高町夫妻、美由紀は喫茶翠屋で大勢の客相手にてんてこ舞だろう。



「それにしても・・・リインフォース、胸が以前よりも大きくなってない?」
「ああ、それは私が移植の儀式の際、夜天の主の権限を行使して身体データを弄くって、サイズを変更させたんよ」
白襦袢姿のシャマルの問いに、リインフォースの横に座っていた、同じく白襦袢姿のはやてがまるでチェシャ猫の様な笑みを浮かべながら答えた。

「ああ、成程、という事はシグナムとリインフォースの胸のサイズが逆転してるっていう事なのね、はやてちゃん?」
「うん、そうやでシャマル。ちなみにリインフォースの胸は、91のEカップや。これは、
これは・・・まさに至宝やでーーーーーー!!!」
そう叫びながら、はやては、リインフォースの膝の上に乗ると、その‘至宝’をむんずと掴んだ。掌には収まりきらないボリュームの膨らみがこね回される。
「・・・あ、主、はふぅ・・・ん、はぁ、だ、駄目です・・・あ、んあぁっ・・・」
「ここか、ここがええんやろ? 何や、この大きさは? ふひひっ・・・これはたまらんで」
襦袢の布越しでも解る、暖かさと柔らかさ、そして絶妙な弾力。
完全にセクハラオヤジモードのスイッチが入った夜天の主は尚も、絶世の美貌を誇る魔導書の化身の乳房を弄ぶ。それによってリインフォースが、悩ましい声を上げる。

265夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 10:11:42 ID:WrfcSAt6


「・・・えーい、もう辛抱たまらへんっ!!」
「え、あ、主、きゃあぁぁっ!!」
リインフォースのあまりの妖艶さに理性が飛んだはやては、リインフォースが強く抵抗できないのをいい事に、彼女をソファーの上に押し倒し、圧し掛かった。
「・・・あ、主、こ、こんな場所では・・・あ、ひあぁ、あふぅ、んあぁん・・・」
「こんな場所じゃなかったらええんか?・・・感じやすいんやなぁ、リインフォース」
爛々と眼を輝かせ、はやては笑う。今、この場に居るのは、八神家の面々だけなのでやりたい放題だ。ましてリインフォースの肌は朱色に染まり、形容しがたい程の淫靡さを醸し出している。襦袢の裾が捲れ上がり、白くスラリとした脚が露になった。

益々、鼻息を荒げたはやては、魔力を用いて身体能力をブーストしてリインフォースの‘魅惑の三角形’を黒のショーツ越しに爪先で軽く押し、ズリズリと前後に動かした。
「・・・は、はあぁ、んん・・・は、あぁ、んぅぅ・・・あ、主、も、もう許して下さい・・・」
「そんなに頬を上気させて・・・この色っぽさは反則やでぇ・・・ぐふふっ」
完全に悪役の笑みを浮かべ、はやてはリインフォースの襦袢の前を肌蹴けた。
黒のブラジャーに包まれた豊かな胸が露になり、はやての手が極上の果実を執拗に揉み解す。側で見ていたシャマルも徐に、不穏な笑みを浮かべ、リインフォースの太腿に手を這わせていき、ショーツの中に突っ込んだ。
「あらあら、もう・・・こんなに濡れて・・・はしたないわね、リインフォース」
「シャ、シャマル・・・や、止めてくれ、は、恥ずかしい・・・ん、あぁん・・・」
恥ずかしそうにビクビクと身悶えるリインフォース。
そんな彼女のスカートをシャマルは捲り上げ、グッショリと濡れた黒のショーツを横にずらし、淫蜜を滴らせる淫穴に指を突っ込んだ。
「こんなにお汁を垂らして・・・本当にエッチなんだから・・・」
「あ、んあぁ、ひぅん・・・ふあぁ・・・あ、主、シャマル、も、もう許して・・・下さい・・・」
「まだまだ、これからやで・・・それ、ご開帳や」
リインフォースは弱々しく抵抗するが、はやての蛮行を止めるには至らなかった。
ギラギラと血走った眼ではやては、リインフォースのブラジャーをズリあげた。
純白の透き通る様な美肌に、薄く青い血管が浮かんで、思わず、はやての目が釘付けとなった。そして、何よりも、その大きな膨らみが、柔らかそうに、揺れた時、はやての性的昂奮は最高潮となった。本能の赴くままに、その魅惑的な膨らみを、掌で優しく包み込む。と、その弾力のあまりに甘美な感触に、もう病み付きとなってしまう。
白い乳房の頂点に可愛く乗った、小さなピンク色の突起が自己主張し始める。

266黒天:2013/02/02(土) 10:19:19 ID:WrfcSAt6
何かNGワードに引っかかった様です。
一旦ここできります。

267名無しさん@魔法少女:2013/02/02(土) 12:06:23 ID:M4vKqkNs
黒天氏は確か前もNGワードに引っ掛かってなかったっけw
今度は何が引っ掛かってるんだろ

268黒天:2013/02/02(土) 12:12:24 ID:WrfcSAt6
それが解らないんですよ。
何が原因で引っかかってるか解ればいいんですけど。

269空の狐:2013/02/02(土) 12:28:25 ID:WePCPrRA
初めましてこちらに来るのは初めてなのですが、投稿してもよろしいでしょうか?

270名無しさん@魔法少女:2013/02/02(土) 12:50:27 ID:EO4E5kz.
投下自体は気にすることじゃないが、今は中断してるみたいだし半日〜一日待ってみるとか?

271名無しさん@魔法少女:2013/02/02(土) 12:50:54 ID:yyS1JCq6
>>266
黒天氏、>>269へのアンサーよろしく

272黒天:2013/02/02(土) 12:56:12 ID:WrfcSAt6
私の方は時間かかりそうなので投下してもOKですよ。

273空の狐:2013/02/02(土) 12:56:41 ID:WePCPrRA
きるってそういうことなんですか。すいませんよくわかってなくて……

274空の狐:2013/02/02(土) 13:06:59 ID:WePCPrRA
では、初投稿ですが、内容はユーノ×シュテルです。非エロです。

275タイトル『星光さんがやってきて』:2013/02/02(土) 13:09:47 ID:WePCPrRA
 その日、ユーノは久しぶりに我が家へと帰ってきていた。
 エクリプス関係の問題はあれど、ユーノの努力の結果、無限書庫は相当整理が行き届くようになっており、よほどのことがなければ司書長であるユーノが出張る必要もなくなってきた。
 それに、重要参考人が何人も連行され現在六課も一段落したため、余裕も出てきたのもあるだろう。
「ん〜、今日はゆっくりとお風呂に入って、たっぷり寝よう」
 ふっふっふ、とユーノは笑う。久しぶりの休みの間に存分に羽を伸ばそうとしていたら、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「はーい?」
 折角の休みなのに、誰だろうと思ってユーノは応対のために玄関へ向かう。そして、ドアを開ければ……
「お久しぶりですね師匠」
 落ち着いた声。茶色いショートカットに蒼い瞳以外は自分のよく知る幼馴染と殆ど変らない姿。
「シュ、シュテル?」
 そこに遥か遠き地に旅立った星光の殲滅者、シュテル・ザ・デストラクター(大人.ver)が立っていた。

 とりあえず、シュテルの登場にユーノは混乱しながらも彼女を部屋に招き入れた。
「へえ、エルトリアからこっちに来ることができるようになったんだ」
「ええ、まだ長い時間は無理なのですが」
 そう、エルトリアの環境もだいぶ環境改善が進んできた。おかげで彼女たちも少しの間ならエルトリアから離れることができるようになった。といっても長くて数日程度ではあるが。
「他のみんなは?」
「今は特務六課にいますよ」
 みんな元気ですとシュテルは笑った。

 一方特務六課。
「へイト、僕と勝負だー!」
「だから、私はフェイト!」
 相も変わらずアホの子なレヴィに突っ込むフェイト。
「あ、もしかして、フェイトさんの生き別れの妹さん?!」
「違うよ?!」
 半泣きになってフェイトはエリオの勘違いを否定する。まあ、そっくりではあるからそんな勘違いをされても仕方ないこともないが。
「久しぶりですねトーマ、リリィ」
 そして、ユーリは数少ないこっちの知人の一人であるトーマとリリィに挨拶していた。
「えっと、ごめん、だれだっけ?」
 だが、あの出来事を夢として処理されてしまっていたトーマにとってユーリは見覚えはあるものの、名前も知らない女の子としか捉えられなかった。
 誰だったかなと必死に思い出そうとするものの、霞がかっていていてしまい思い出せない。
「そんな、私のこと忘れちゃったんですか?」
「そ、そんなこと言われても……」
 うるうるとトーマを見つめるユーリにトーマは罪悪感で右往左往してしまう。
「おのれ、あの塵芥、いつの間にユーリを籠絡したのだ?!」
「雛鳥はいつか巣出つもんやで」
 誤解し歯軋りするディアーチェにはやてはにやにやと勘違いを助長させるような発言をする。
 もしかしたらおもろいことになるかなあとはやてはほくそ笑む。
「あれ? シュテルどこいったのかな?」
 そして、一人相手がどっかに行ってしまったなのはは少し寂しそうだった。
 六課は賑やかだった。いろんな意味で。

276タイトル『星光さんがやってきて』:2013/02/02(土) 13:10:39 ID:WePCPrRA

 ふーんと相槌を打ちつつユーノはコーヒーを飲む。
「ところで、その姿は?」
「これは、私たちも成長するようでして、それでいつの間にかここまで大きくなっていました」
 えへんと自慢げに、いつの間にか大きくなったなのはと同じくらい豊かな胸を張る。
 へえっとユーノは驚いてから、そういえばヴィータも闇の書の呪縛から解き放たれてからちょっとだけ背が伸びたと喜んでいたことを思い出した。
「エルトリアの状況はどうかな?」
「少しずつですが、人の住める環境は整ってきています。死蝕に関してもだいぶ対策が進んできていますね」
「そっか、ちょっと安心した」
「みんなの努力の成果です。ところで師匠、約束を覚えていますか?」
 と、唐突にシュテルはそんなことを言いだした。
「約束?」
 果てなんだったろうかとユーノは記憶の糸を辿る。だが、あの時の記憶はなぜだかはっきりとは思い出せない。ユーノは覚えてないが、
 それも記憶操作の弊害だった。時間操作という超技術を隠蔽するために、大まかな記憶は残っているものの、細部は曖昧にされている。
 いつかの再会ではなく、なんかあっただろうか?
「手合わせの約束です」
「あー!」
 シュテルの言葉にユーノはやっと思い出した。かつてシュテルはユーノに負けたときにいつか師匠越えを果たすと宣言していたのを。
「できればすぐにでもお願いしたいのですが」
 今度は負けませんとシュテルは自身満々に宣言する。
「僕、実戦を離れてだいぶ経つんだけど……ま、いっか」
 せっかくエルトリアくんだりからやってきたのだ。無碍にするわけにもいかない。
 それに、シュテルにとってどうやら自分は越えるべき山のようであるし、それなら果たさせてあげようとユーノは電話を取る。
「もしもし、僕なんだけど、ちょっと訓練室貸してくれないかな? うん、ありがとう。この埋め合わせはいつか精神的に」
 と、昔馴染みに頼んで、訓練室をユーノは借りたのだった。

 翌日、久しぶりのバリアジャケットの感触を懐かしみながらユーノは準備運動をする。普段から遺跡探索などで体は動かしているものの、こういうのは久しぶりだから念入りに。
 そして、準備を終えた二人は向かい合って構える。
「師匠、戦う前に一つ提案があります」
「提案?」
 はい、とシュテルは頷いてその提案を述べた。
「負けたら勝った方の言うことを聞くなんてどうでしょうか?」
「はは、それはいいね。楽しみだよ」
 答えながらもユーノは自分が勝つ姿を想定していない。故にシュテルがどんなことを言うのかを想像した。
 真面目な彼女はいったいどんなことを言うのだろうか? なんとなくイメージ的に本を読んでそうだからなにか本を貸してほしいと頼むのか。それともエルトリア関係か。
「では、いざ!」
 そして、ユーノがいろいろと想像を膨らませていたら、シュテルが飛び出す。
「ブラストファイアー!」
「プロテクトスマッシュ!!」
 シュテルvsユーノ、次元を超えて師弟対決の火蓋が切って落とされた。

277タイトル『星光さんがやってきて』:2013/02/02(土) 13:11:37 ID:WePCPrRA

「真・ルシフェリオン・ブレイカー!!」
「うわあ!!」
 ブレイカーの炎にユーノは飲み込まれる。
 結局、ユーノの想像通りにこの戦いはシュテルの勝利であった。
 ユーノの十年以上のブランクもあるだろうが、それ以上にシュテルの成長が大きかった。
「はは、負けちゃったね」
「ですが、流石は師匠です。容易には勝たせてくれませんでした。本当に十年間前線から退いていたなんて思えませんよ」
 楽しそうにシュテルは答える。その顔には爽やかな笑顔が浮かんでいる。
 やっぱり、シュテルの表情は大きく変わらないものの割りとコロコロ変わる。そこらへんも常に笑顔のなのはとの違いかななんてユーノは観察する。
 そう言う意味では外見は似ているけど、なのはとはまた違った魅力を持った女の子なんだよなあとユーノは思っていた。
「じゃあ、約束だね。どんなお願いかな。僕にできることならなんでもするよ」
 ユーノの言葉にシュテルは考えて、それからちょっとだけ頬を赤らめる。
「で、では師匠の自宅に戻ってからでお願いします」
 なんで家に? それに、なんで頬が赤くなったのかな? とユーノは不思議に思った。
 この時、もう少しその理由を踏み込んで考えていれば……いや、すでにシュテルの提案に頷いた時点でユーノは手遅れだったのだ。

「では、師匠、お願いがあります」
「うん、なにかなシュテル?」
 自宅に戻ったユーノはシュテルからのお願いを聞こうとしていた。
 そして、ちょっとだけシュテルは躊躇してから、
「そ、その、私と結婚を前提にお付き合いしていただけませんか?」
「うん、わかった」
 シュテルのお願いにユーノは普通に承ってから……固まった、
 今、シュテルはなんていったかな? 結婚を前提にお付き合い? あまりに唐突な言葉にユーノは混乱する。
 いや、まてその前に今自分はそれを受け入れる発言をしてしまっていたよね?
「あ、あの、シュテル、それはちょ、ちょっと……」
 慌ててユーノはシュテルの発言に待ったをかけようとしたが、
「なんでも聞くといいましたよね?」
「うっ」
「それに頷きましたよね?」
「ううっ!」
 シュテルが一個一個ユーノの逃げ道を塞ぐ。さらには、
「ルシフェリオン」
『All right. 〈負けたら勝った方の言うことを聞くなんてどうでしょうか?〉〈はは、それはいいね。楽しみだよ〉 〈そ、その、私と結婚を前提にお付き合いしていただけませんか?〉〈うん、わかった〉』
 しっかりとデバイスのルシフェリオンに録音されていた。
「はい、謹んで承ります」
 逃げ道を塞がれたユーノは粛々とシュテルに頭を下げた。

278タイトル『星光さんがやってきて』:2013/02/02(土) 13:12:24 ID:WePCPrRA
 そして、シュテルとユーノのお付き合いが始まった。残念ながらまだ二人とも責任のある仕事を預かっている身であるために一ヶ月に一度会える程度ではあったが、ゆっくりとお互いのことを知っていった。
 ごくたまに魔王様が二人の襲撃を行ったものの、それもユーノとシュテルによってなんとか撃退されている。
「実は、初めて会った時からお慕いしていたのです」
「そうなの?」
 はいとシュテルは頷く。
「恐らく、ナノハが最初から持っていた好意に引きずられてしまったのもあるのでしょうが、あなたが私を撃ち落とした時からはっきりとあなたのことを意識しました。『この人しかいない』と」
 シュテルのまっすぐな告白にユーノは恥ずかしそうに頬をかく。あの時点でシュテルが自分のことを思っていてくれたなんて想像すらできなかったのだ。
「僕はシュテルほどはっきりとした思いはなかったと思うな。最初は君にとって失礼なことだろうけど、『なのはによく似た女の子』程度の認識だったと思う」
 そのユーノの告白にそうですかとシュテルは頷く。
 人間の第一印象は良くも悪くも容姿に左右されてしまうのだから、自分の姿がナノハを基にしている以上仕方のないことだとシュテルは納得する。
「だけど、また会って、君と付き合うようになってから変わっていったかな。なのはとは違う魅力あふれる女の子だってわかったんだ。君がそばにいてくれて今の僕は幸せだよ」
 そっとユーノはシュテルの手を掴む。
「ありがとうシュテル」
「私こそありがとうございます。師匠……いえ、あなた」
 きゅっとシュテルがユーノの手を握る。
 そしてユーノは空を仰ぎ見る。ああ、いい青空だなあと。エルトリアの空を。
 ユーノ・スクライア二十八歳、三年間のお付き合いの末にシュテルと結婚。無限書庫司書長を辞任した後にエルトリアに移住する。そして、エルトリア復興に尽力する。

Fin.
 


「Fin.じゃないのー!!」
「だ、誰かなのは抑えるの手伝ってーーーー!!」

279空の狐:2013/02/02(土) 13:13:35 ID:WePCPrRA
以上です。駄文失礼しました。
よろしかったら感想とかコメントを頂きたいなと思います。

280黒天:2013/02/02(土) 13:16:15 ID:WrfcSAt6
シュテルん、大勝利。GJですた。
なのはさんと何処で差がついたんだろう。

281夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:23:57 ID:WrfcSAt6
字数減らして投下してみます。


「・・・こんなに大きいのに、かわいいサクランボやなぁ、凄く感じてるんやね・・・硬く尖ってるで、リインフォース」
「わ、わざわざ・・・仰らなくても、あ、主・・・ひあぁぁっ!!」
「・・・意地を張らずに素直になっちゃえばいいと思うんだけど、ねぇ・・・」

282夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:25:20 ID:WrfcSAt6
シャマルは笑いながら、リインフォースの淫口に入れる指を二本に増やすと、クチュクチュと掻き回す。
それに反応して腰を浮かせる様な動きで、リインフォースは肢体を敏感に反らせた。
更にシャマルは、指で淫核を擦りあげてやるとーー

283夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:26:00 ID:WrfcSAt6
あぁん、や、やめ、シャ、シャマル、そ、そこは・・・ぁあ、んあぁっ・・・」
太腿の付け根の柔肉を痙攣させ、リインフォースは甘い声で喘ぎ、鳴いた。
秘所から溢れ出す蜜の量が増した。
その儚げな美貌には、狂おしい程に発情の色が浮かび上がっている。
体内を灼熱の様に炙ってくる火照りに抗う術はリインフォースには無い。

284夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:26:52 ID:WrfcSAt6

「・・・あ、主、そ、そこを舐めては・・・シャ、シャマル、ゆ、指を入れるな・・・ひぅ、あふぁん・・・あ、んあぁ、だ、駄目ぇ・・・ひ、はあぁん・・・」
はやてには乳房を揉まれ、その頂点の突起を吸われ、チュパチュパと舐められる。
シャマルには淫核を擦られ、淫穴に指を突っ込まれ、ズボズボかき回される。
一方的に身体をもてあそばれ、リインフォースは成す術無く、快楽の頂点に押し上げられていく。豊満な肢体の表面に汗が浮かび、甘い匂いが振りまかれる。
「も、もう・・・イ、イク、あ、んああぁぁーーーーーーー!!」
やがて限界に達したリインフォースが甲高い嬌声をあげて、絶頂に達した。
ビクビクと身体を震わせ、リインフォースは荒い息を吐き、意識を手放した。

285夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:27:26 ID:WrfcSAt6
湯上りの、薄っすらと朱に染まった美女の裸身がバスタオル一枚を巻きつけただけで布団の上に横たわっている。
海鳴市の旧家として名高い月村家長女、月村忍。
豊満な肢体と、艶やかな紫黒の髪が実に魅力的だ。
「・・・恭也ってば、落ち着いちゃって。もう、慣れちゃったのかしら?」
「あくまで見かけだけだ。本当は早くお前を味わいたくて昂ぶっているんだ」
「じゃあ、遠慮せずに・・・味わって」
忍に巻きついたバスタオルを、彼女の恋人たる高町恭也は、優しくそっと剥ぎ取る。
「あっ・・・」
眼を逸らした忍の顔が羞恥の色に染まる。
2つの豊かな膨らみが、恭也の眼前に晒される。
薄く青白い血管が浮き出ている魅惑の果実。
その頂点に浮いている、桜色の突起。あまりの妖艶さに見ているだけで喉が渇き、頭の奥が燃える様に熱くなってくる。

286夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:29:07 ID:WrfcSAt6
「んっ・・・ふあぁ、きょ、恭也ぁ・・・ん、んあぁ・・・」
自然と手が伸びて、豊かな膨らみに触れると、忍の口から甘い声が漏れた。
そのまま、ゆっくりと掌で捏ねる様に、忍の胸を揉みしだく。
感じているというよりも、マッサージされて心地良さそうな吐息。
「・・・何だか余裕が出てきたわね」
「これでも、かなり抑えているんだが」
揉みしだく内に、忍と恭也の呼吸が徐々に荒くなってくる。
それを自覚しながらも、恭也は恋人の大きな胸に指を埋める度に、自らの自制心が溶けていくのを感じた。
「ねえ、恭也、キスして・・・」
求めに応じ、忍に覆い被さり、唇を重ね合わせる。
まずは軽く唇同士を触れ合わせて、唇を割る様に舌を差し込む。
咥内の温かさと,甘い唾液の味に興奮しながら、暫しの間、恭也は忍の唇を貪る。
「んちゅ・・・ぴちゅ、れろ、ちゅぱっ、れろっ・・・んむぅ・・・」
長い口付けを終えて、唇を離す。
恭也と忍の舌が、光る銀色の糸で結ばれていた。
何処か陶然とした表情の忍は、とてつもなく妖艶だった。
その妖艶さに惹きつけられ、恭也は片方の膨らみに顔を寄せて、桜色の先端に舌を這わせる。忍の声が上擦り、より激しく悶え始める。
「んんっ・・・そ、そこは・・・」
忍がより敏感に反応する場所を探して、ゆっくりと責めあげる。
同時にもう片方の手では、豊かな胸を捏ねながら中指で頂点の桜色を軽く擦りつつ、円を描く様に弄くる。忍の息が徐々に荒く、甘くなる。
恭也の動きに合わせて、豊満な肢体が震える。
胸に伸ばしていた手を、恭也は下へと這わせる。
肋骨、括れた腰、肉付きのいい太腿。そして太腿の付け根。
「んあ、そ、そこは・・・あふぁっ・・・」
恭也の指が湿った感触を感じ取る。
口を半開きにして、忍が切なそうに身体を揺する。
「胸を揉まれて、感じていたのか・・・」
「い、嫌ぁ・・・態々、い、言わないでぇ・・・」
そう言われても、指は止められない。
そのまま股間の縦筋に沿って、淫蜜の絡んだ指を上下にゆっくりと動かした。
「ん・・・はぁっ、ちょ、ちょっと、きょ、恭也・・・ふあぁ、ひぅん・・・」
指を往復させる度に、白い太腿の付け根から漏れ出す淫蜜の量が増し、指の動きがスムーズになっていく。そのまま勢いに任せて、割れ目の上にある小さな淫核を指で強く押してみる。忍の体が弓の様にしなった。
「・・・やり過ぎたか?」
「んん・・・はぁ、んん・・・ふあぁっ・・・」
身体中を駆け巡っていた快感と痛みの大波は去ったらしく、忍は焦点の合っていない視線を天上に彷徨わせつつ、熱い息を漏らした。
「・・・ちょっと痛かったけど、気持ちよかった・・・ねえ、もっとして・・」
忍の微笑みに頷きつつ、恭也は再び胸と下半身に手を伸ばす。
慎重に指を動かしながら、淫核を撫で上げる。
「んん・・・あぁん、んはぁん・・・そ、そこ・・・」
強い刺激を感じるらしく、焦らす様に軽く触れていく。
拒む様に、太腿がギュッときつく閉じられる。

287夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:29:49 ID:WrfcSAt6
「・・・さ、触り方がいやらしいんだから・・・ど、何処で覚えたのよ、んあぁ・・・」
「それは企業秘密だな」
恭也とて健全な日本男子である。
本だとか、DVD(一部、父の秘蔵品含む)だとかから得た知識だと言えるものか。
返事の代わりに、胸の先端を口に含み、舌の上で転がしてみると、一段と激しく忍の身体が震えた。もう顔だけではなく、忍の肌全体が熱を帯びた様に熱く染まっていく。
徐々に高まって行く忍の反応を見て取り、恭也もペースを上げていく。
身体を弄り回される度に、忍は小刻みに痙攣した。
「はぁ、も、もう身体がおかしくなり・・・そう、ふあぁ、んふぁッ・・・」
荒い息をつきながら、忍が切羽詰った声を上げーーー
「きょ、恭也ばっかり、ずるい・・・」
「おい?」
呼吸を整えながら、忍が恭也の股間に顔を埋めてくる。
殆ど抵抗する間もなく、恭也はズボンを下ろされ、一物を引っ張り出された。
「今度は私の番なんだから・・・」
艶かしい仕草で唇を舐め、忍は両手を使って、恭也の肉棒を扱き始める。
痛いほどに屹立した肉棒越しに、火照った笑みが見えて恭也の背筋にゾクリと快感が走り抜けた。既に先走りの汁で濡れていた肉棒は、卑猥に濡れ光っていた。
「本当に大きくなってる・・・素敵」
爛々と瞳を輝かせる忍の指が輪を作って、上下に軽く肉棒を扱き上げる。
たったそれだけで、凄まじい快感が走り抜けて恭也の声が上擦った。
その反応に気をよくしたのか、妖しいな笑みを浮かべつつ、忍は指を動かす。
「どんどん溢れてくるわよ・・・恭也のお汁・・・」
媚薬でも飲んだ様な陶酔した表情で、忍は肉棒を只管に扱き続ける。
彼女の手に、先端から溢れる先走りが付着して、卑猥な音が奏でられる。
「それじゃ・・・そろそろ、こうしてあげる・・・ん、ちゅ・・・」
忍の更なる攻撃。舌がゆっくりと肉の幹をなぞり上げてきた。
先端から根元までを丹念に、大胆に、舐めあげてくる。
「どう、気持ちいいかしら?・・・んむ、ちゅぱ、れろぉ・・・ん、れろ、はむ・・・」
口が動いているその下で、指が唾液と先走りを掻き混ぜて、節くれだった肉幹を執拗に刺激してくる。何度も肉棒の先端に、口付け、レロレロと舐めまわす。
「んん・・・もっと、刺激してあげる・・・んちゅ、れろぉ・・・はむぅ、んちゅる・・・」
先の方に息を吹きかけ、指と舌で緩急をつけて刺激を加えてくる。
恭也は思わず、声をあげそうになるが、男の意地で何とか堪える。
忍の方も、恭也の感じるポイントを的確に捉え、集中的に責めてきた。

288夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:31:03 ID:WrfcSAt6

「はぁ・・・んむ、ぺろ、ちゅぱっ・・・れろ、れろ・・・はむ・・・」
「くっ・・・忍、もう・・・」
下腹部の辺りに甘い痺れが走り、恭也は自らの限界が近い事を悟った。
彼の様子を見て取り、忍はさっきよりも激しく顔と手を動かしてくる。
「んちゅっ・・・いいわよ、好きなだけ出して・・・」
「くぅっ・・・出るぞ・・・」
張り詰めていた理性の糸が限界を迎え、断ち切られる音が恭也の脳内に木霊した。
肉棒の先端が爆発する様な感覚に襲われたのと同時。
「・・・んんぅっ!?」
忍の顔と手に、恭也は自らの欲望の全てを吐き出していた。
迸る白濁の樹液を避けようともせず、忍は正面から受け止めた。
脈動が完全に収まるまでは、数十秒を要した。
「ふふっ・・・一杯出たわね」
熱に浮かされた様な表情で微笑み、忍は身体に付いた汚れを拭き取り、寝台の上に薄っすらと紅潮した身体を横たえる。
「ねえ、まだ頑張れる?」
投げ出された手足と、嫣然とした微笑み。
誘う様に揺らめく忍の瞳に、心臓が高鳴る。
恭也は心を射抜かれた様な錯覚を覚えた。
「ああ、まだまだいけるぞ」
相当の量を吐き出したばかりだと言うのに、恭也の一物は硬度を失っていなかった。
忍の流麗な髪を指で梳き、その身体を抱き寄せた。
「んっ・・・」
「上からの眺めはどうだ?」
忍は恭也に言われるがまま、寝台の上に寝転がった恋人の肉棒をまたぐ。
すらりと肌触りのいい太腿を恭也の無骨な手が撫でると、甘い声が漏れた。
微かに恥ずかしそうな笑みを浮かべながら、忍の腰が落ちてくる。
忍の淫筒が、恭也の肉棒を加え込んだ。
潤っていて、挿入は思った以上にスムーズだ。
「んふぁぁん、お、奥まで来てるぅ・・・んあぁ、はふぁん・・・」
切ない喘ぎ声を漏らしながら、忍の女穴は肉棒を奥へ奥へ引きずり込み、ズリズリと擦り、ネットリと締め付けてくる。
包み込む様に柔らかく、締め付けられる度に、恭也の全身に甘い疼きが広がる。
「くっ・・・忍っ!!」
上に圧し掛かる忍は、ゆっくりと腰を前後させ始める。
あまりの心地よさに、下に居る恭也の腰までもが無意識に動き出してしまう。
忍の充実した尻肉を引き寄せる様にして、恭也はよりお互いの身体を密着させる。
そして押し付けつつ、時折、捻りも加えつつ、肉棒の先端で最奥部を抉り、弄くる。
「んっ、は、はぁん・・・お、奥の方、そんなに・・・突かれたら・・・」
「ここが感じるのか、本当に淫らだな」
言葉で辱め、同時に肉棒で深い部分を穿る度に、忍はより激しく敏感に跳ねる。
愛しい女性を感じさせている嬉しさと、もたらされる快感で腰が溶けそうになる。
徐に恭也は、忍の白魚の様な手を取り、ぺろりと舐めてみた。
それだけの刺激でも感じるのか、忍は小さく震え、悩ましく喘いだ。

289夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:31:36 ID:WrfcSAt6

「ん、や、やめ・・・そ、それ、お、おかしくなるぅ・・・はぁん・・・」
夢中になって、愛しい彼女の指を愛撫しながらも、恭也は腰を突き上げる。
「も、もう駄目、そ、そろそろ・・・」
腰を打ち付ける時の水音が大きくなり、切羽詰った喘ぎが聞こえてくる。
人を乗せたまま、下から上に突き上げるという重労働な体位で結合しているが、御神の剣士として鍛えられた恭也にとっては、別に問題は無い。快感で昂ぶっているのならば、尚更だ。結合部から音が鳴り、淫蜜が弾け跳ぶ度に、恭也は自らの下腹部から熱い絶頂の衝動が滾々と沸きあがってくるのを感じた。
「・・・く、忍、俺もそろそろ・・・限界だな」
余裕の無い声が漏れる。
自らの荒い吐息が目障りに感じ、恭也は何故か可笑しくなった。
「・・・いいわよ、来て、私の中に全部・・・!!」
忍も絶頂に向けてのカウントダウンが始まっているのだろう。
恭也の上で身体を支えている脹脛が、引き攣った様に固まる。
「くぅ、もう・・・!」
射精の衝動を我慢できない。
飲み込んだ肉棒が抜けそうになるギリギリまで忍は腰を上げ、その次の瞬間、何の合図も無く、忍が勢い良く腰を下ろすのに合わせて、恭也は勢い良く忍の一番奥まで突き入れた。これがお互いにとって、最後の一押し。
「はん・・・んふあぁーーーーーーーー!!」
甲高い絶頂の喘ぎを漏らした瞬間、忍の締め付けが一段ときつくなり、恭也の脳髄をくすぐった。恭也の眼前にある豊麗な肢体が、背骨が折れ曲がるのではと錯覚する程の勢いで仰け反り、激しく痙攣する。
「・・・う、おぉぉ・・・!!」
恭也の頭の奥も真っ白になり、弾ける様な射精が始める。
噴水の様に吹き出た精は、忍の淫壷を隙間無く埋めていく。
「ん、んあぁ・・・ま、まだ出てる・・・はぁん・・・ひあぁん・・・」
快感の大波に身体を幾度も震わせながらも、恭也は忍の尻を強く掴み、絶頂の余韻に堪える。やがて絶頂の余韻が去り、両腕から力を抜く。
「んっ・・・ふぁぁん・・・」
夢現の様な表情で、忍が吐息を漏らす。
唇の端から垂れた唾液が、恭也の引き締まった胸板の上に滴り落ちる。
「凄く気持ちよかったわよ、恭也」
顔を寄せ、穏やかに微笑む忍。
上気して、しっとりと濡れた忍の身体。
抱きしめると、何とも言えない、いい匂いがする。
「でも、この程度では終わらないでしょう?」
舌なめずりをしながら、恭也の股間に身体を寄せた忍は未だに固いままの肉棒を、豊満な胸の間に挟み込み、涎を垂らして潤滑油にして、両手で乳房を揺らし始めた。
深い胸の谷間でニチュニチュと卑猥な音が鳴った。

290夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:32:10 ID:WrfcSAt6
「ビクビクと脈打って・・・暴れん坊さんね」
「・・・そういえばユーノを引っ張って来る様に、リインフォースを唆したのはお前か」
「唆したとは人聞きが悪いわね。彼女は、元々、ワーカーホリック君だったユーノ君の事を心配してたの。だから私の提案は『渡りに船』だったわけよ」
乳房で痛いほどに屹立した肉棒を扱き上げながら、忍は悪戯っぽく笑う。
どうやらユーノは、忍の眼から見て、愛妹すずかの花婿候補のトップらしい。

「すずかとユーノ君の距離を縮める試みに協力してくれるわよね、恭也?」
「ああ、別に構わん。ユーノはなのはに執心らしいが、こちらの方は望み薄だからな」
『なのはが欲しくば、私を倒して』云々と気炎を上げる父の姿を脳裏に思い浮かべながら、恭也は神妙な面持ちで頷いた。もっとも、士郎とて半分は冗談だろう。
言い換えれば、もう半分は本気という事だが。
それを抜きにしても、なのはがユーノの気持ちに全く気付いていない上に、フェイトが同性ながら、なのはにアタックしている現状から鑑みるに、ユーノの恋が実る確率は限りなく低い。それ以前に、ユーノのなのはに対するアプローチは積極性に欠ける。
もっとハッキリ言うならば、フェイトや士郎と遣り合ってまで『なのはと結ばれたい』という意欲が感じられなかった。より正確には『なのはと結ばれなくても仕方ない』と言った方が適切かもしれなかった。

「・・・というより、ユーノの年頃で色恋沙汰は時期尚早と思うんだが」
「そうだけど、いい花婿候補は早くから確保しておいた方がいいでしょ?」
両手で乳房を左右から圧迫して、肉棒に刺激を与えながら忍が笑う。
乳房の谷間から突き出た先端に舌を這わせ、快感を送り込む。
「それに、すずかがユーノ君をゲットできるかはあの娘次第・・・ユーノ君って、多分、天然のジゴロの匂いがするのよね」
「・・・うくっ、そうか?」
「そうよ、現にリインフォースが引っ掛かっているじゃない。今は弟みたいに想っていても、これからどうなるか解らないわよ?」
熱い吐息を肉棒に拭きかけ、忍はチュパチュパと意識的に音を立てて先走りを吸う。
その間も、左右の乳房を忙しなく動かし、肉幹に擦りたて、扱くのも忘れない。
「・・・ふふっ、こんなに熱くて・・・逞しい、胸の間でビクビクしてるわ・・・んちゅぅ・・・」
陶然とした表情を浮かべ、忍は奉仕に集中し始めた。
絶妙な弾力と柔らかさ。とてつもなく心地よい感触が、限界まで膨張している肉棒を余す所無く包み込む。白く滑らかな肌が張り付き、肉幹の表面が引っ張られる。

291夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:32:46 ID:WrfcSAt6
「ん・・・はぁ、こんな感じでいいかしら?」
「あぁ・・・凄くいいぞ」
こうして双乳の温もりを感じているだけでも、恭也の中で射精の欲求が高まってくる。
我ながら敏感すぎると思ってしまうくらいだ。
「ん、恭也、もっと、気持ちよくなって・・・んむ、ちゅぅ、れろ、ん、はぁむ・・・」
麗しい唇から伸びた舌先が、張り詰めた肉棒の先端を嘗め回す。
その一方で忍は焼けそうな程に熱い吐息を漏らし、身体を前後に揺らす。
「んあぁ・・・な、何だか私も身体が熱くなって・・・あ、ん、んちゅっ・・・」
「はぁっ・・・もう、俺ももう出そうだぞ・・・くっ!!」
火照りの増してきた柔肌が、唾液塗れになった肉棒を素早く何度も擦る。
射精が近い事を悟った、忍が乳房を潰さんばかりの勢いで寄せ、肉棒を圧迫する。
腰まで痺れる様な快感が広がり、包み込む柔肌を押し返す程の勢いで、肉棒が熱く痙攣した、その刹那。
「んん・・・はぁ・・・恭也の熱いのが、んあ、あふぁぅっ!!」
左右から圧迫してくる乳房に促される様に、熱い迸りを解き放っていく。
火照りった忍の顔が白濁に染まっていく。
「・・・はぁ、こんなに一杯、出して・・・素敵」
顔に張り付いた精液を舐め取り、忍はうっとりと呟いた。
その余りの妖艶さに、恭也は衝動的に忍を布団の上に組み伏せていた。
「あんっ・・・もう恭也ってば、いいわよ。思う存分、私を貪って」
妖しく揺らめく瞳。それに誘われる様に、恭也は淫蜜を溢れさせる恋人の淫穴に肉棒を押し込んでいた。緩急をつけて、突き始める。
「・・・ん、あふっ、い、いい・・・気持ちいい、あん・・・ひぁうん・・・」
部屋の中に女の蕩けきった声が木霊した。




「ここが『深海旅団』の本拠地か」
「正確には、本拠地“だった”だね」
クロノは周りを見渡し、その横を歩く猫耳に茶色の短髪の女性リーゼロッテはクロノの言葉を訂正した。
「それにしても本当にここが『深海旅団』の本拠地だったのか?」
「無限書庫の情報では、そうなってるけどねえ」
今、彼らが居るのは、とある無人世界。
世界の殆どを海が占め、クロノ達が立っているのは浜辺に近い陸地の部分だ。
以前から捜査していた、周辺の世界から女子供を浚っていた邪教集団『深海旅団』の本拠について無限書庫から確実な情報を得て向かってみれば、生贄を捧げていたであろう石造りの祭壇は、周りに立てられていた鋼鉄の柱数本諸共に溶け崩れ、無惨な姿を晒している。


「恐らくここで物凄い天変地異が起こって『深海旅団』は壊滅したのかね」
「そういえば、『深海旅団』の物と断定できる事件が最後に起きたのはいつだったか。エイミィ、記録を調べて貰えるか?」
『OK,ちょっと待ってね』
リーゼロッテの意見に頷きながら、クロノは上空に待機している艦船アースラに向けて、通信を送った。程なくして答えが返ってくる。

292夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:33:20 ID:WrfcSAt6
『クロノ君、解ったよ。時期はえーと、丁度、ジュエルシード事件が起きる少し前だね』
「もしかしたら、その時、既に『深海旅団』は実質的に壊滅していた可能性もあるな」
エイミィからの報告を受け、眉間に皺を寄せてクロノは考え込む。
この邪教集団に関しては、彼とて全ての情報を把握している訳ではない。
現時点で、この『深海旅団』に関して解っている情報を纏めると、次の様になる。
・複数の次元世界に跨る、大規模な組織であった事。
・生贄として、女子供を浚い、海の祟り神デイゴンに捧げていた事。
・組織の構成員には、魚や蛙の様な容姿をした者が多かった事。

「組織そのものは潰れても、幹部が生き残っている可能性も検討しないとね」
リーゼロッテの言う通り、生き残りの幹部が新たに組織を復活させる可能性も視野に入れる必要がある。組織復活の為、今まで鳴りを潜めていたというのもあり得る線だ。

そもそも今回、クロノ達が動いたのは『深海旅団』の首領だと目されていた男の腐乱死体が、一週間程前に、奇妙な像と共にミッドチルダの首都クラナガンの海辺の砂浜に打ち上げられたのが切欠だ。


これからどう動くべきか、クロノが眼を瞑って思考を巡らせていると、懐にしまっていた次元間通信機が振動している。通信機のスイッチを入れると、空中にディスプレイが展開され、リーゼロッテと良く似た、但し、髪は長い女性の姿が映し出された。
リーゼロッテの姉、リーゼアリアだ。
『クロノ、ロッテ・・・首尾はどう?』
「『深海教団』の本拠地は壊滅。恐らくはコレでこの案件は、ケリがつきそうだ。一抹の不安は消せないが」
『とりあえず、一旦、本局に戻ってきて』
「そうだね、これ以上、ここに居ても仕方無さそうだし」
アースラの方に連絡を入れ、クロノとリーゼロッテは歩き出す。
その途中、クロノは実に奇妙なーー‘ガラスの大地’とでも形容すべき場所がある事が幾つかある事に気がついた。特に大きな ‘ガラスの大地’の中心に、巨大な黒い影が焼きついている。姿は人間の物に近いが、数十メートルにも及ぶ大きさは怪獣と言った方が相応しい。恐らく、この影の持ち主こそが『深海旅団』が崇める海の祟り神デイゴンとやらか。

祭壇に捧げられた生贄を求め、海から上がってきた所を、超高熱を受け、この世に影だけを残して蒸発したといった所か。
「・・・それにしても、これ程の熱を生み出す物とは何だ」
クロノの頭に浮かぶ疑問符。
影の大きさを見ても、デイゴンは相当の巨体。
それを跡形も無く、消滅させられる程の熱量を生み出す物とは。

293夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:36:12 ID:WrfcSAt6



第一に連想するのは核爆弾。幾つかの次元世界は保有しているが、それが流出したという話は聞かない。もし流出したならば、噂くらいは聞いてもいい筈だ。
第一、核爆弾ならば、放射能は検出されないのは奇妙だ。
アースラの機器でも放射能反応はゼロだ。

第二の可能性は火山の爆発。
だが、この無人世界の火山活動は活発とはいえず、近くに火山も無く、溶岩が噴出した形跡も無い。


「まさか小型の太陽が出現し、デイゴンを葬ったとでも」
自分ながら、何とも馬鹿馬鹿しい意見だ。
とにかく答えの出しようが無い。まだ知られていない自然現象と結論付けて、クロノは空中に待機しているアースラに向けて飛翔した。



「んん・・・私は気を失っていたのか」
意識を失っていたリインフォースは眼を瞬かせ、薄暗い部屋に視線を巡らせた。
寝息が2つ聞こえてくる。はやてとシャマルの物だ。
彼女達を起こさない様に、リインフォースは身体を起こした。
「寝付けないな・・・少し辺りをぶらついて来るか」
布団の上で安らかな寝息を立てている、はやてとシャマルを起こさない様に、とリインフォースは立ち上がると、部屋を出た。

淡い灯りが照らす廊下を歩いていると、向こうから小柄な影が近付いてくる。
紫黒の長く、軽いウェーブがかかった髪の少女、月村家次女。
月村すずかだ、リインフォースと同じ緋色の襦袢を纏っている。
「あ、リインフォースさん、どうしたんですか?」
「寝付けなくてな。お前こそどうした?」
「ユーノ君とお話がしたくて、部屋に行ったんですけど、居なかったんです。もう夜も遅いから、寝ようかと思って」
確かに廊下の壁に備え付けられた、年代物の時計の針は夜の10時。
こんな時間帯にユーノは何処に行ったのか、気になるが、ユーノならば、心配ないだろう。後でユーノの部屋に様子を見に行ってみよう。
「それじゃ、リインフォースさん、おやすみなさい」
「ああ、お休み。我が主とシャマルはもう寝ているから、起こさない様に頼む」
「はい」
すずかと別れて、リインフォースは『鷹樹庵』の部屋割りを頭に思い浮かべた。

一階「大部屋:はやて、すずか、リインフォース、シャマル」

二階
「二人部屋:恭也、忍、」
「二人部屋:ザフィーラ、アルフ」

三階
「二人部屋:ユーノ」
この旅館は三階建てで、彼らが使っている部屋以外はまだ改装中だった筈だ。
二階に上がってみると、恭也と忍の部屋からは、艶かしい嬌声、男の雄叫びが微かに漏れ聞こえてくる。邪魔しては悪いので、気配を殺して通り過ぎる。

294夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:36:51 ID:WrfcSAt6
その1つ部屋を挟んだ、ザフィーラとアルフの部屋は静かな物だ。
というよりも気配を感じない。
窓に視線を向けてみると、並んで歩いている、黒の甚平を着込んだ褐色の肌の男とGパンにタンクトップを身につけた赤毛の女が見えた。
夜風にあたりながら、夜の街の散策を楽しんでいるらしい。
以前は自分もザフィーラと一緒に、夜の海鳴市を散策したものだが、この頃はその回数も激減した。その分、無限書庫に行く回数が増えたのだが。
「・・・三階に行ってみるか」
もしユーノが寝ていたら、引き返して布団に入って寝てしまおう。
起きていたら、少し雑談に付き合って貰おう。
そんな事を考えながら、三階に上がると、ユーノの部屋の明かりがついている。
「ユーノ、入ってもいいか?」
「リインフォース? うん、いいよ」
了承を受け、リインフォースは障子を開け、部屋に足を踏み入れた。
一方、ユーノは寝巻き姿で、布団の上に胡坐をかき『夜刀浦の歴史』という本を開いていた。その他にも彼の周りには、本が数冊散らばり、雑然とした雰囲気を形成している。厚さも様々、文庫本だったり、ハードカバーだったりするが、それらの本には、ある共通点があった。
「・・・この都市の歴史に関する書物か?」
「古本屋さんで買って来たんだ。結構、遅くまで開いてるんだね」
成程、すずかがこの部屋を訪ねた時、ユーノは古本屋に行っていたのか。
何となく興味を引かれ、リインフォースは一冊を手に取った。
「私も読んでみていいか?」
「うん、いいよ」
『夜刀浦に潜む、海の祟り神』というタイトルの本を手に取り、開く。
内容は古来より、夜刀浦には豊漁や金塊と引き換えに、生贄を要求する海神の伝承が伝えられており、その海神の呪われた血を受け継ぐ人外の怪物が闇の中を跋扈しているという物だった。
「・・・悪魔崇拝に近い物を感じるな」
流し読みしただけだったが、リインフォースはそんな印象を抱いた。
地球に限らず、次元世界を見渡せば、似た様な事例は割と多い。
次元世界最大規模の宗教である聖王教会の異端派が、主流派の弾圧を受け、生贄を悪魔に捧げて、主流派の滅亡を祈願したという記録が無限書庫に残されている。

「人間の考える事は、何処か共通する物があるという事かもね」
「ふむ、成程」
ユーノに相槌を打ちながら、リインフォースは身を乗り出し、別の本を手に取った。
その際に、緋襦袢の前が肌蹴けてしまい、豊満な胸の谷間がこぼれ出た。
「・・・ちょ、ちょっと、だ、駄目だよ、それ・・・」
「ん、ああ、すまない」
正直、白い肌と黒いブラジャーのコントラストは凶悪だと思う。
眼前の魅惑の‘果実’から眼を逸らすユーノが可愛く思えて、リインフォースは更に追い討ちとも言える言葉を口にしていた。

295夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:37:29 ID:WrfcSAt6
「お前のそこ、随分と大きくなっているな」
「あ、あぁ・・・お、お願い、見ないで」
ユーノの股間は寝巻きの上からでも解るほどに、雄雄しく“テント”を張っていた。
恥ずかしくて隠そうとするユーノだったが、リインフォースは気にした様子も無く、微かに唇の端を釣り上げながら、耳元に唇を寄せてくる。
耳朶に熱い吐息がかかって、ユーノの鼓動が速くなる。
「私がお前のここ・・・扱いてやろうか?」
「え、そ、そんな・・・」
「遠慮するな。お前のおかげで、私はこの世に残れた、そのお礼がしたいんだ。男は女にコレを扱かれると気持ちがいいのだろう? それとも・・・私では不服か?」
不服な訳が無い。リインフォースの様な美女にそんな事をされれば、大抵の男は舞い上がるだろう。それはユーノとて例外ではなく、理性で誘惑を振り払おうと試みるが、上手くいかない。そうしている内に、リインフォースの手が寝巻きのズボンを勢いよくパンツ諸共にズリ降ろし、勃起した一物を引っ張り出していた。
「駄目、駄目だって・・・」
「気にするなと言っている・・・それにこんな状態では収まりがつかんだろう?」
リインフォースの方も幾らか興奮しているのか、息が荒く、その息が肉棒の先端に降りかかる。細く白い指が、血管が走る肉幹を優しく扱いてくる。
「う、はぁっ・・・太いな、それに凄く固いし、熱い・・・皮も向けていて、可愛い顔に似合わず、逞しいな・・・お前のここは、とても立派だ、ふぅ・・・・」
「可愛いって・・・う、嬉しくない」
「気にしているんだったな、すまない・・・何なら、ショーツで扱いてやろうか?」
湖の騎士が購読している、怪しげな雑誌――好奇心に駆られて読んだ――に載っていた試みを提案してみる。その魅力的な提案に、ユーノの理性は太刀打ちできない。
「お、お願いします・・・」
微かに頬を染め、リインフォースは頷き、一旦ユーノから離れる。
緋襦袢の中に手を突っ込み、前屈みする様に黒いショーツを脱いだ。
シュルリと聞こえた布が肌を滑る音が、とてつもなく淫靡に聞こえた。
リインフォースが左・右の順番で脚からショーツを抜き取る時に見せた、銀色の薄い茂みが一瞬だけ見えて、ユーノの心臓の鼓動が速まった。
「さあ、足を開いてくれ」
「う、うん・・・」
黒いショーツが肉棒を覆い、その上から指で優しく包まれる。
女性の下着の柔らかな質感と、リインフォースの指先に、肉棒はビクビクと震える。
リインフォースの温もりが残るショーツに肉棒を包まれ、ユーノはとてつもなく興奮していた。スリスリと指を滑らせ、リインフォースがショーツ越しに肉棒を優しく扱く。

296夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:38:07 ID:WrfcSAt6
「はっ・・・ん、んん・・・」
ビリビリと意識を痺れさせる様な快感が続き、ユーノの口からは快感に翻弄される息が漏れる。リインフォースの指に少し力がこもり、その刺激を受けて先走り汁が滲み、ショーツに卑猥な染みを作る。
「あふっ・・・この匂い、いやらしいな。頭がくらくらしてくる・・・」
「う、そ、その・・・」
「気にするな、寧ろ雄の匂いで嫌な匂いでは・・・ん、はぁん・・・」
紅い瞳を興奮に潤ませ、リインフォースは手の動きを加速させた。
それにより、肉棒がますます太さと硬度を増す。
「お前の汁で私のショーツ、ヌルヌルになってしまったぞ。気持ちいいんだな」
「す、凄く・・・気持ちいいです」
ユーノの顔を観察しながら、リインフォースは先走り汁で滑りの良くなったショーツで先端を擦ってくる。更にカリを指の腹で扱かれ、肉棒が断続的にビクビクと脈打った。
「こんなにビクビクと脈打って・・・もう出そうなのか、遠慮なく出していいんだぞ」
「あっ・・・ひぅ、あぁ、リ、リインフォース・・・・・」
せり上がる快感に思わず身体が震え、ユーノは歯を食いしばる。
尿道を熱の塊が込み上がってくる。それを察知したリインフォースの手の動きに溜め込んだ物が突き抜ける様に飛び出した。
濃厚な白濁の樹液が黒いショーツと、細い指をベトベトに汚して行く。
「・・・凄い匂いだな、ん、はぁ・・・・」
そう言いながら、リインフォースは手を動かし、残っていた精液を搾り出そうとする。
ニチュニチュと卑猥な音が響き、肉棒から白濁が溢れ出る。
「ふふっ・・・私の下着がお前の精液で、こんなに汚れてしまったぞ」
「ご、ごめん・・・」
「気にしなくていいとい言っただろう? 私が自らの意思でしたことだ」
白濁液で汚れたショーツを手の中で弄びながら、リインフォースは切れ長の紅い瞳を微かに潤ませ、ユーノに気付かれない様に太腿をもどかしそうに擦り合わせた。
「それにしても・・・随分と溜まっていたらしいな。無限書庫の仕事で処理している暇が無かったのか?」
「う、うん・・・」
精への目覚めも早いユーノは、精通もかなり早かった。とはいっても、いつもは自分で“処理”をしていたのだが、女性に、ましてリインフォースの様な素晴らしい美人に、手で肉棒を扱かれるのは、初めてだった。
「溜め込みすぎるのはよくないぞ・・・言ってくれれば、私が・・・いや、何でもない。仕事の疲れを取る為にも速く寝てしまえ。邪魔して悪かったな」
「あ、うん・・・お休みなさい」
途中まで言いかけた言葉を引っ込め、リインフォースは立ち上がり、部屋を出て行く。
立ち上がる際に、緋襦袢の裾が捲れ上がり、白い太腿がチラリと見え、ユーノの心臓を高鳴らせた。流麗な長い銀髪の後姿を見送り、ユーノは布団の上に寝転んだ。

297夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:38:37 ID:WrfcSAt6
「・・・眠れそうにないや」
あの白い太腿や胸の谷間が、なのはとの想い出に上書きされ、脳裏に焼きついてしまった。それくらいの強烈さがあった。
部屋の明かりを消しても、一向に眠気は訪れない。
それどころか、暗闇の中で、眼を閉じるとリインフォースの白磁の様に透き通った肌が鮮明に浮かび上がって来る。股間のフェレットがまた鎌首をもたげてくる。
「・・・なんて節操なしなんだ、僕は」
結局、もう一回、ユーノは股間の滾りを自分で鎮める事になった。





「ふぅ・・・水が冷たいな」
部屋に戻る途中、リインフォースは女性用大浴場に行き、冷たいシャワーの水を全身に浴びた。冷たい水が珠となり、皇かな肌の上を滑り落ちていく。
「・・・あ、んふぁ、火照りが消えない・・・」
切なげに熱い吐息を漏らし、リインフォースは脚の付け根に右手を触れさせた。
指先に伝わるのは、熱く湿った感触。
「濡れてしまってるのか、私は・・・」
ユーノの肉棒を手で扱いている時、その熱さと硬さ、そしてむせ返る様な濃厚な雄の匂いによって、火照った身体の奥がジンジンと疼く。リインフォースは恐る恐る指を、蜜を漏らし始めている淫穴に突っ込み、かき回してみた。
「はぅんっ!?・・・あ、んあ、ひぅん・・・・」
指先を軽く突っ込んだだけなのに、全身を稲妻の様な刺激が駆け抜け、思わず左手に持っていたショーツを握り締めてしまう。
その刺激によって、リインフォースは大浴場の床に崩れ落ちた。
「はぁ、んぅぅ・・・だ、駄目・・・ゆ、指が止まらない・・・・」
這いつくばる様な姿勢のまま、下肢の付け根で指が妖しく蠢く。
指先は花弁を弄り、幾重にも重なった肉襞をなぞっていく。
彼女自身意識していないのに、指先が勝手に心地いい場所を探り当ててしまう。
淫穴に再び指を差し入れると、思わず嬌声が漏れ出て、大浴場全体に反響した。
「あ、んあ、あぁん・・・こ、こんな恥ずかしい声を上げるなんてぇ・・・身体が火照って、
疼きが収まらない・・・・あん、んん・・・」
この世の男達の股間をいきり立たせる嬌声を漏らしつつ、リインフォースは一層激しく股間を弄り回す。手首のスナップを利かせ、律動的に淫穴を穿る。
中で指を折り曲げ、ある部分を強く擦ると、鋭い快感が奔り、身体が引き攣る。
更なる快感を求めて、右手は敏感な淫核を探り当て、激しく擦り上げる。
声を抑えようとしても、鼻にかかった甘い声が漏れ出てしまう。
豊満な極上の女体が、薄っすらと朱に染まり、甘い香りを振りまく。
身体の奥から熱い物がこみ上げてくる。
リインフォースの右手は、別の生物の様に自らの秘所を弄り回す速度を上げていく。

298夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:39:10 ID:WrfcSAt6
「・・・熱い、身体が熱いぃ・・・あむ、ちゅぱ、この匂い、興奮するぅ・・・・れろ、んむ・・・」
いつの間にか、リインフォースは左手に持っていたショーツに舌を這わせていた。
猫がミルクを舐める様に、ユーノの精液の匂いを嗅ぎ、舐め取る。
「はぁ・・・はぁ、んちゅ・・・ぴちゃ、こんな浅ましい・・・でも、んむ・・・・」
節制の美貌を誇る魔導書の化身は、肉付きのいい尻を左右に軽く振りながら、無我夢中で股間を刺激する。激しい淫穴穿りに淫蜜が飛沫となって飛び散る。
「・・・は、んん・・・な、なんて浅ましい、でも美味しい・・・・はぁん・・・・」
数百年の流浪の時、リインフォースは散々男達の獣欲の餌食になった。
意識や人格を移し変えても、男の肉棒がもたらす快楽の凄まじさは彼女の根幹たる部分にしっかりと刻み込まれている。
そして、一際大きな快楽の大波がリインフォースを襲い、彼女を絶頂に押し上げた。
「・・・んあ、あ、あぁーーーーーーー!!!」
自らの秘所を弄りながら、リインフォースはうっとりとした表情で舌を伸ばすと、精液を美味しそうに舐め取った。
股間を弄くり回す指は更に激しく、更に卑猥な音を立てて、淫口をひしゃげさせ、同時にむっちりとした尻が跳ね上がりーーーー

「ひあっ!! んあぁーーーーーーー!!」
エクスタシーにのたうちながら、股間から透明な潮が噴きだした。
力なく崩れ落ちるリインフォースは頬を上気させ、満足げな息を吐いた。
弛緩した身体を気だるげに起こそうとした、その時――――



「随分、色っぽく乱れてたわね」
「・・・――――・・・!?ッ」
後ろから聞こえた声に、リインフォースは背中に氷柱を突っ込まれた気分になった。
慌てて振り向くと、そこには一糸纏わぬ姿の忍が人の悪い笑みを浮かべていた。
硬直しているリインフォースを見遣りながら、忍が近付いてくる。
「ど、どうして・・・」
「恭也と楽しんでたんだけど、汗をかいちゃったからシャワーでも浴びようかと思って来たんだけど・・・貴女のそんな姿を見せられたら、もう我慢できなくなっちゃったわ」
不穏な気配を纏い、忍は怯える極上の“獲物”を前に舌なめずりすると、一気に襲い掛かった。水音が大浴場に響いた。




「ん、あ、あぁっ・・・・や、止めてくれ、ん、んん・・・」
「そんな事を言っても、貴女のここはもう大洪水じゃない。それに乳首だって、こんなに・・・ん、私のと擦れあって、私もたまらない気分になってくるわ」
一糸纏わぬ豊満な女体が2つ、艶かしく絡み合う。

299夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:39:52 ID:WrfcSAt6
リインフォースと忍の、豊かな乳房が重なり合って、動く度に形を変えていた。
更に忍は、時折、自らの股間をリインフォースの股間に押し付け、擦り合わせる様に腰を動かしていた。
「そ、そんな・・・擦られたら、あ、んん・・・・」
「私も、あん・・・凄くたまらない気分になってくるわ」
忍が上で動く度、リインフォースの口からは甘い吐息が漏れる。
「いい声で鳴くわね。もっと聞かせて欲しいわ、その声・・・」
「も、もう止め・・・は、恥ずかしい・・・」
「でも、中途半端でやめたら、火照った身体を持て余しちゃうでしょう、貴女って一度火がついたら止まらないタイプみたいだし」
妖しく笑いながら、忍はリインフォースの首筋を舐め、身体をうねらせる。
重なり合っている乳房が淫靡に変形し、リインフォースの口から甘い喘ぎが漏れた。
いつしかリインフォースは自分から腰を動かし始めていた。
「ん・・・あぁん、いい、いいわ・・・」
「あふっ、んん・・・あ、あぁ・・・擦れて、あふっ・・・・」
唐突に忍はリインフォースの唇を奪い、逃げようとする舌を絡めとる。
ぺチャぺチャと舌が絡みつく音と、二人の熱い吐息が浴場内に響き渡る。
「も、もう私・・・熱くて、そろそろ・・・・」
「わ、私も、駄目ぇ・・・はぁん・・・・」
気持ちが高まってきたのか、リインフォースと忍の動きが加速していく。
その動きに連動して、二人の乳房はぶつかる様に揺れ、絡めた足にお互いの股間を押し当てて腰を振り続けた。
「んん、も、もう・・・い、イク、あ、んあ、ふあぁっ・・・・い、イクーーーー!!」
「わ、私も、も、もう・・・んん、あ、あぁーーーー!!」
一際大きな声を上げて、リインフォースの身体が仰け反った。
リインフォースの後を追う様に、忍の身体も弓なりに反った。
「・・・あ、ふぁ、はぁ・・・・」
「ん、はふっ・・・ん、ふぅ・・・」
二人は荒い息を吐きながら、どちらともなく唇を軽く重ね合わせた。
絶頂の余韻を楽しむかの様に、舌を絡ませあう。
十分に堪能した後、忍はリインフォースを抱き起こすと、ゆっくりと離れていく。
そして不意打ち気味に、後ろから抱きつき、その乳房を揉みしだいた。
「あっ、な、何を・・・」
「私よりも少し大きいかしら? それよりも、この透ける様な肌、それでいて人としての温もりも備えてるって・・・反則じゃない」
豊かな膨らみをこね回しつつ、紅くなった首筋に口付ける。
唐突な刺激に声を裏返し、リインフォースは切なそうに身体を捩らせた。
尚も忍は、手に余る双丘を執拗に揉み、その先端を指先で弾く。
忽ち、リインフォースは甘い鼻声を響かせた。

300夜刀浦奇譚:2013/02/02(土) 13:40:28 ID:WrfcSAt6
「ふふっ・・・固くなってる、それに」
忍の視線は、リインフォースの左手に注がれた。
左手から奪い取られるショーツ。
「たっぷりと濃厚な精液がこびり付いたショーツ、ユーノ君のオチンチン、これで扱いてあげたのかしら? そして、これの匂いを嗅いで興奮してたなんて・・・」
「そ、それは・・・・」
「あら、隠さなくてもいいわよ。この旅館に居る男性は三人だけ、恭也とザフィーラさん、ユーノくん。恭也は除外、ザフィーラさんはアルフと散歩に出たわ。消去法で残るのはユーノくんだけ。私も、恭也に同じ事してあげた事あるし」
言いながら、忍はリインフォースの耳朶を軽く噛んだ。
同時に、右手をリインフォースの秘所に伸ばし、淫核を抓り上げた。
「!?・・・あ、あぁ、や、やあぁ・・・ん、はう・・・」
「もしかしてユーノ君に惚れちゃったかしら?」
「ち、違う、ユ、ユーノは弟みたいな物で、む、無理をするから放っておけないだけで・・・あ、だ、駄目ぇ、弄り回さないでえ・・・」
「弟みたいな相手のオチンチン弄り回して、興奮するなんて・・・それとも自分好みに染め上げて、食べ頃になったら“頂きます”をするつもり?」
「ち、違う・・・わ、私は・・・・あ、ん、んん・・・ひあぁっ!!?」
言葉を濁すリインフォースの乳房の先端と、淫核を忍は同時に抓り上げた。
とてつもない刺激がリインフォースの脳髄を貫き、豊満な肢体が悩ましく身悶える。
その後も忍はリインフォースの性感帯を執拗に弄り回し、苛烈に責め立てる。
「ほらほら・・・いっちゃいなさい」
「あ、んあぁ・・・ひ、ひあぁ・・・んあぁーーーー!!」
程なくリインフォースは二度目の絶頂に達していた。
切れ長の眼に大粒の涙を溜め、力の入らない身体を動かし、必死に逃れようとする、リインフォースの姿は実に嗜虐心をそそる。
荒い息を吐きながら、忍はリインフォースを床に押し倒す。
「・・・も、もう許してぇ、お願い・・・・」
「ああ、こんなにたまらない気持ちになるなんて・・・」
眼をぎらつかせ、忍はリインフォースの肢体に舌を這わせていく。
舌が這いまわる感触に、リインフォースは敏感に反応し、か細い喘ぎを漏らす。
「・・・く、くすぐったい、あ、んあ、ふうぅ・・・」
眼をぎらつかせ、忍はリインフォースの乳房の先端に吸い付き、淫蜜を滴らせる脚の付け根に手を伸ばし、指を淫穴に差し入れ、緩急をつけて掻き回す。
その刺激にリインフォースの脳内は女の快楽に塗りつぶされ、その唇からは悩ましく蕩けきった嬌声が漏れ出し、浴場内に木霊していった。

301黒天:2013/02/02(土) 13:42:02 ID:WrfcSAt6
字数少し減らしてみたら投下できました。
何故だろう。とりあえず今日の投下は終わりです。
アインスさんは弄れる方だよね。

302SandyBridge ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 22:32:19 ID:VZuGbxak
なんか突貫で書けたのでもうちょっとしたら投下するかもです


(・ω・)

303空の狐:2013/02/02(土) 23:04:58 ID:WePCPrRA
黒天さんのアインスはエロくていいです!!

304SandyBridge ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:17:51 ID:JMMS8toY
ぁーぃ

では投下します

タイトルは 「肉食系女子」

305肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:18:39 ID:JMMS8toY
 時空管理局における情報部門の重要性は、闇の書事件、JS事件そしてマリアージュ事件を経てより強く認識されるようになっていった。
 無限書庫を単なる資料室としてでなく、本格的な諜報部門として活用するということである。
 その任務に最適である人材は、おそらく管理局のどの提督に尋ねても同じ答えが返ってくるだろう。

 最初に彼の名前を聞いたのは、妹からだった。
 ギンガ・ナカジマは、妹が一時所属していた特務部隊の隊長がかつて師事した魔法の師匠、として彼を知った。当時の妹はまだ見ぬその師匠に、とても憧れたのだという。
 その時は、彼女の話をそのまま聞くならば学者肌の勉学青年、という、清潔さはあるが少し気難しそうな男、というイメージだった。
 のちに、考古学会ではそれなりに名の知られるスクライア一族の出身で、現在は無限書庫での資料捜索を主に行っているということを、ニュース番組の報道やドキュメンタリー番組でのインタビュー映像といった形で知った。
 まさか自分がそこに配属されることになるとは、当時は思ってもみなかった。

 しかし奇遇というべきか、ギンガが所属する地上本部捜査局では、魔法を用いた事件の特殊性から、特に古代文献などの資料が重要な位置を占めるという一部の捜査魔導師たちからの声によって立ち上げられた秘密部署がすでに存在していた。
 そしてギンガはその秘密部署に、縁あって配属されることになった。

 ギンガの記憶の中では、彼、ユーノ・スクライアは、かつて自分も関わったJS事件で、いくつかの助言をしたというものである。
 ミッドチルダに伝わる伝承、聖王の秘密の一端を無限書庫から探し当てた。

 雑然とした執務室、というかただの空き部屋に机を置いただけのユーノの部屋で、ギンガは彼に面通しをした。

「ギンガ・ナカジマ陸曹です」

「軍曹(サージェント)さんが何の用かな」

「地上本部捜査局からの辞令をお持ちしました」

 いきなりの言葉に、ギンガはやや憮然として答えた。
 机の上に乱雑に広げた書類を指でつまむようにして眺めながら、傍らに出した検索魔法のウインドウを左手でブラインドタッチしている。
 高速でスクロールしているウインドウの文字は、ギンガにはまるで内容が読み取れないほどの速さだ。

 何を調べているのだろうか。

 数刻後、ギンガは驚愕の事実を知ることになる。

306肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:19:40 ID:JMMS8toY
 





 そういえば彼女の顔を見るのは何日ぶりだっただろうか、とユーノは思った。
 ついでに、普段の成人女性の姿をとっている彼女も久しぶりだ。
 ここ数年はこいぬフォームや少女形態でいることが多かったが、さすがにハラオウン家の子供たちも大きくなって、力仕事がふえて、大人の姿でないと手がかかるようになってきたのだろう。

 アルフは、念話ウインドウ越しでもわかるほどの青ざめた顔で、おそるおそるユーノに問うた。

「たたり、って……信じるかい?」

 数日前、たまたま夜中にトイレに起きたアルフは、誰かがダイニングで冷蔵庫をあさっているのを見つけた。
 またカレルかリエラがこっそりアイスを食べようとしているのかと思い、注意するつもりでダイニングに入った。

 冷蔵庫の庫内を照らす黄色い照明に、果たして浮かび上がった彼らの貌。

 それは明らかに人間のものではなかった。





 最初は見間違いだと思った。夜中だったし、自分も寝ぼけていて、そのように見えただけかもしれないと思った。
 しかし、あわてて二人をベッドに押し込んですぐ寝るように言いつけ、自分もすぐさま自室のベッドに入って、それから片づけと掃除をしようと朝起きてダイニングに入ったとき、それは確かに昨夜の状態のままで残されていた。

 床に散らばった白い炭酸カルシウムの破片。凝固してフローリングの床にこびりついたタンパク質。
 無造作に引きちぎられたPET樹脂パックの中に、殻に穴の開いた状態で残っていたものもあった。
 カレルとリエラが、殻ごと生卵を食べていた──。

 いたずらか、とも思った。
 卵は割れやすくて、扱いに注意がいるので、それを割って遊ぼうとしていたのかもしれない、と思った。
 しかし床に散らばった生卵は、明らかに食べかけの状態と、手づかみで食べたときにこぼれたもの、という様相を呈していた。
 朝になって起きてきた二人の顔には、白身の粘りが乾いた状態でこびりついていた。
 二人は昨夜の出来事を覚えていないようだった。

 アルフはエイミィとも相談し、無限書庫にいるユーノに何か手がかりになる情報がないかと訪ねることにした。

 ユーノも含みを持たせた口調で、それを承諾した。

307肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:20:26 ID:JMMS8toY
 




 案件のあらましを聞かされたギンガは、これまで所属していた捜査局から送られてきた荷物をほどく間もなく、すぐさまユーノと共に調査を開始することになった。
 無限書庫に収められている資料から、過去に同種の事件がなかったかどうかを精査していく。

 とはいえ、ユーノが渡してくるたたき台を見ると、ギンガにはその意図がすぐに読めた。

「もう目星はついているんですよね?」

 目線を端末に落としたまま、ユーノは短くうなずいた。

「心当たりが?」

「あいつの子供たちにってとこでピンときた」

「あいつ?」

「クロノだよ」

 この司書長は、現在の管理局上層部にも知り合いが多い。それだけに、無限書庫を活用するための人脈として有用だと判断された。

「クロノ──クロノ・ハラオウン提督ですか」

 管理局次元航行艦隊提督、クロノ・ハラオウン。
 ギンガの身柄が直接関わったJS事件以外にも、執務官時代にPT事件、闇の書事件を指揮し解決に導いている。
 そのクロノの家族に何が起こったのか──

 ユーノは端末をいったん閉じ、書庫の本棚を動かして隠し扉を開いた。

「見せてやるよ」

 訝しみとわずかな恐れを含みながら、ギンガは従う。
 ユーノの眼鏡のレンズに、拡散する魔力光のスペクトルがプリズムのように映し出されている。





 冷たい鋼鉄の檻に、彼女は閉じ込められていた。
 四本の足には鉄球が鎖で結びつけられている。
 口には枷がはめられ、目は、荷役馬が着けるような布のマスクで覆い隠されている。
 けもの、だ。
 猛獣を、人間に危害が加わらないように閉じ込めている。

 耳が塞がれていても、気配は感じられる。

 誰かが、入ってくる。

「これは……っ」

 ある程度覚悟はしていたが、間近に現実に見せつけられたその光景に、ギンガは息をのんだ。
 無限書庫にはこのような場所もある。
 もともと、闇の書に対抗するために建造されたシステムである。収集される書物は普通の紙でできた本とは限らず、中には本の姿をした魔法生命体が紛れ込むこともある。
 そういった生き物を入れておく部屋も無限書庫にはあらかじめ用意されている。

「今別のチームに分析をさせているが、これも闇の書の残滓だ」

「ひと……人間……なんですか……?それとも……」

308肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:21:20 ID:JMMS8toY
 ギンガが見下ろす先には、段差の付けられた牢獄の鉄格子の向こう、赤い体毛に覆われた何者かの姿があった。

「残滓……闇の書が、蒐集していた……?」

「収集して、ただため込むだけじゃなく、実際にそれを用いた戦闘端末を生み出す。防衛プログラム自身もそうだった」

 ユーノは口元をゆがめ、嘲笑するように口に出す。
 それは自分に向けられた言葉でもあるのかもしれない。

「あの夜、防衛プログラムを転送するために触れた……“彼女”“も”そのひとりだった」

 アルフ。彼女がユーノのもとを訪れたとき、“それ”は既に手の施しようがないレベルまで彼女を侵食していた。
 どうにか話を伝え終えたとき、力尽きたように彼女の意識は乗っ取られた。
 ユーノはかろうじて彼女を無限書庫に封印し、そしてそのまま書庫の業務を続けていた。

 もはやヒトでは、いや、もともとの姿であった魔狼ですらなくなってしまっている。

 彼女の姿を、ギンガは管理局の映像資料でしか見たことがないが──海鳴市沖に現れた、闇の書の闇──自動防衛プログラムと、似た姿をしている。
 取り込んだ生物や魔法を抽象化した肉体を持ち、複雑に絡み合い、際限なく成長していく腫瘍細胞のような生命装置。
 ひたすらに増殖していくこと。それが生きる目的は、ある意味では純粋とさえいえる。

 感覚神経の機能はまだ残っているのだろう、自分のそばに現れた存在に対して反応しているような動きを見せている。
 鉄球のついた枷の内側にはスパイクが打ちつけてあり、肉に食い込むようになっている。さらに鉄球には別の鎖が取り付けられ、壁に打ち込まれたアンカーボルトにつながれている。

「どうしてこんなことを……」

「ほかにこれほどのものを置いておける場所がないからね」

 こともなげにユーノは答える。

 しかしそれは事実でもある。
 強力な魔法生命体を封印する機能を持つ施設、軌道拘置所は少なく、無限書庫であればその機能がある。
 監視のための人員も最低限ですみ、物理的な距離も近い。
 また取りあつかいのノウハウもある程度は備わっている。

 無限書庫は、闇の書と表裏一体のシステムであった。

「君がもらってきた辞令に同封されてたと思うけど──もし、僕にもしものことがあったらギンガ、君が僕を封印するんだ。
そのための術式は添付されているから後で確かめておいてくれ。カード型だからトリガーを打ち込むだけでいい」

 そのもしものこととは遠からず、必ず訪れ、もしも、とはただ正確な時期が不明であるという意味だ。

 アルフを封印した後、ユーノはすぐに自分自身を調べた。
 結果は予想通りだった。
 闇の書の残滓は、ユーノをも蝕んでいた。そしておそらくはシャマルも同様に、他の騎士たちよりも早くシステムの劣化が進行し、いくらもしないうちに行動に支障をきたすだろう。
 そしてシャマルだけではない、シグナムもヴィータもザフィーラも、共通のリンクを闇の書に持っている以上、同様に影響を受ける。
 シャマルへは別ルートで連絡を取り、守護騎士システムのシャットダウン、プロセスキルが可能かどうかを打診している。

「八神司令や、フェイト執務官は、このことを……」

「事後報告になってしまったけれど」

 ギンガはさらなる問いかけをすることができなかった。
 アルフとフェイトは、幼いころからずっといっしょに過ごしてきた家族だった。プロジェクトFによって人造魔導師として生み出された彼女のたった一人の家族だった。
 それが、今……。

309肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:22:20 ID:JMMS8toY
 闇の書の消滅が、完全ではなかった。
 もしかしたら、闇の書自体を破壊しても、それだけでは不完全で、闇の書に触れた人間が残っているだけでもいけなかったのかもしれない。
 アルフやシャマルだけではない、はやても、なのはも、フェイトもクロノも──彼らのうち、誰の中に闇の書の残滓が残っていないとも限らない。

 そこでふと、ギンガは思い出す。

「あの、ユーノさん……エイミィ、さんは……?もう、海鳴に戻られて……」

 ユーノは振り向き、ギンガはユーノの顔を見たが、眼鏡の向こうの目が見えなかった。あるいは、見たくなかった。
 翠の瞳が、もうすでに濁りはじめている。

「いや。一緒に来たんだけどね、一緒に来させた。そこにいるよ」

「そこ……って」

 親指で示した先は、アルフしかいないはず。毛むくじゃらになってしまってはいるが、かろうじて四つ足の動物のような姿が見える。他に誰かがいるようには見えない。

「腹の中にね」

「──!……し、失礼しますっ」

 さすがに状況に耐えられなかった。
 顔を伏せ、踵を返し、口元を押さえたギンガは書庫の中央回廊への扉を開け、唾液と胃液をこぼしながら逃げるように出て行った。

 開け放たれた扉がばね仕掛けで自動的に閉まり、その様子をしばらく眺めてから、ユーノはため息をついた。

 振り返り、見下ろす。顔がどこについているのかもわからないが、ユーノには、アルフが会話を求めていることがわかる。

「さて……。僕としても正直困っているよ。いや、後始末が面倒だという意味でね」

 枷でわずかしか動かせない前足を差し出すようにして、アルフはユーノの声にこたえる。
 このような姿では、言葉が通じるようには見えないだろう。しかし、意識は保たれているようである。
 粘ついた膿が呼吸につれて震える、湿った音が繰り返される。

「なのはには何て言うのかって?勘違いしないでもらいたいんだけど今の僕と彼女は特別な関係ではないんだよ、ただ旧知の友人ってだけでね。
僕はさしあたって無限書庫の業務を後任の司書長に引き継がなきゃいけない、それくらいの猶予は何とか稼いだ。
おそらく本局のほうでもプランは練っているはずだ、この無限書庫をみすみす失うような選択肢はとらないはずだ。
はやてもフェイトもそれは理解している。なのはは、まあ二人が何とか説得するだろう」

 これまでに調べられた情報で、闇の書の残滓はまずはやての手元に遺されていたシュベルトクロイツに、テキストになおしてわずか数行にすぎない程度の小さなプログラムコードが含まれていたことが判明していた。
 それ単体では何の機能も持たない小さなプログラムだったが、それがブートストラップローダのような役割を果たし、次元空間に散らばっていた闇の書のデータを集め、結合させた。

 闇の書は、もはや抹殺することが不可能な存在となっていた。

310肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:23:41 ID:JMMS8toY
 




 目を閉じると、初めて海鳴市で出会った頃のアルフの姿が見えた。
 まだ互いをよく知らず、どこか微妙な距離感があって、完全に心を許していなくて、並んでいても心のどこかで警戒しあっていた。アルバムを見せると、それをはやてたちにからかわれたこともあった。
 それからいくつかの出来事を経て、付き合いが長くなり、自然と近づいていった。
 最初はフェイトの姉のように見えて、すぐに使い魔だと気付き、それでも主人と従者というよりは、幼い王を補佐する侍女のように、自分を追い詰めがちなフェイトを助けている、姉妹の契りを交わした女学生のような不思議な魅力があった。

 胸が痛んでいる自分を、どこかで認めたくない感情がある。
 感傷に負けてしまうのはよくないことだという考えがある。

 とはいえ、本当に何も感じなかったとしたらそれはそれで人として冷酷すぎる、ともいえる。

 スクライアの一族に生まれ、遺跡を掘り、出土品の調査をして、そして管理局で働く、改めて考えてみると、自分のこれまでの人生の中で、誰か特定の人間に入れ込む、ということがなかった。
 相手にするのは土や岩、それから化石、といった無機物。人、といえば、学会や教育機関、研究機関などの人間ばかりで、自分とは住む世界が違う、と思った。
 今は本当に、違う世界へ引っ越そうとしている。

「フェイトのことなら心配しなくていい。今は、仲間がいる、友達がいる。ひとりじゃないんだよ。
同じように僕たちもひとりじゃない」

 本能に従う。姿は、見えないが、それでも手触りから、粘液に覆われた肉が触れているのがわかる。
 硬いじょうぶな皮膚の構造ではなく、敏感な粘膜がむき出しの部位。

「ユーノ……あたしのことが見えるのかい?」

「僕はそばにいるよ」

「怖いんだ、あたしは、忘れそうになってたけどあたしは所詮使い魔なんだよ……子供だって産めないはずなのに、闇の書の、機能がくっついて、後付けの子宮がぶら下がって、みっつ、いや、よっつもある……
どんなにフェイトが家族として扱ってくれていても、魔法が切れたらあたしは消えてしまう、フェイトは、使い魔の契約を解いてあたしを消すっていう解決方法を、気づいてないのか、それとも知ってるけど選びたくないのか」

 手を差し伸べる。指先に、ぬくもりが伝わる。

「指だけだとくすぐったいな。もっと思い切って」

「あたしの中に来てほしい、そうしないと不安でどうにかなっちゃいそうだよ」

 アルフの口に、鋭い犬歯がのぞき、もぎ取られたユーノの指先から手の甲、二の腕までへ肉を切り裂いていく。獣形態では不便なので、人間形態で、両手でユーノの肩を押さえ、前歯で肉を掴み、骨に引っかけて腕をとる。
 舌に乗るあたたかい肉と、喉に流れ落ちていく血液が、どこまでもいとおしい。
 弾力のある皮膚を奥歯ですりつぶし、体温でとろけた脂肪とよく咀嚼した筋肉を舌でこね、飲み込む。
 この年齢の男性としては無駄毛の少ないユーノの肉はとても美味しい、とアルフは思っていた。

「僕がこの姿でよかったね。フェレットだったら、食べる部分が少なくなってしまう」

 腕にしゃぶりつくアルフを、残った左手で頭を撫でながらユーノは抱きすくめる。筋肉が切れた状態でどうして関節が動くのかはわからない。
 血も、流れ出てはいるが尽きる様子はない。意識は残っている。

311肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:24:33 ID:JMMS8toY
「しっぽ、あぁ、撫でて……あたし、夢だった、うれしくて、気持ちよくて、イッちゃう……」

 ひじから先の、二本の骨が交差しているところの隙間を舐めている。犬歯で骨端の固くなっている部分に小さな穴を穿ち、漏れ出てくる髄液を口をつけて吸う。ひと舐めで、絶頂してしまうほどに気持ちいい。
 尻尾を振って、尻を振って、タンクトップの肩ひもがずり落ちて胸がこぼれ出る。
 乳房は、人体の他の部位と違って中にたくさんの乳腺が詰まっている。アルフのは特に多いだろう。
 独特の歯ごたえと舌触りがする。身体を折り、口をつける。アルフの味が、ユーノの口の中に広がる。

「ひぁぁ!おぉっ、そこ、そこぁぁっ、かんじるぅ……!」

「可愛いよ、アルフ。気持ちよくなってくれ……」

 最初に横乳をひと噛みし、それから、乳首を口に含んで噛み潰す。前歯に引っかけて乳腺を引きずり出し、舌と唇で挟んで内部の漿液を絞り出す。
 かすかにほろ苦さを含む血液の味。あたたかく、濃厚で、喉が鳴るほどのたまらない味。
 陰核をつまんで引っ張りながら、乳房に喰らいついている。
 乳腺がひっこ抜けた跡の孔をまっすぐまさぐり、脂肪を舐めとって、筋肉を噛みちぎり、肋骨にたどり着く。
 胸だけを攻めるのもいじらしいので、いったん顔を起こして、首元にも歯型をつけてやる。

「ひとつになれるよね」

「ああ。いっしょだ、いつまでも」

「フェイトや、なのはは……」

「すぐにこっちに来るよ」

 浮遊感と多幸感に包まれて、アルフとユーノは安らかに眠る。
 ハラオウン家の育児がひと段落したら、司書の資格を取って働くつもりだった。

 でも、これからなら、また違った形で書庫で仕事ができるだろう。

 ユーノはそのように作業指示書をつくり、無限書庫に構築するデータベースシステムの仕様要件を策定している。
 書き遺された後任の司書たちへの本を読めば、彼らはユーノがいなくても、自分たちで無限書庫の業務をやりくりし、システムを作り、運用を始めるだろう。
 それはユーノがそのように仕組んだのだ。こうなることを見越して。

 自分たちが姿を変えて生きていく、この未来のために。

312肉食系女子 ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:25:43 ID:JMMS8toY
 




 定期整備のためにドック入りしたヴォルフラムの艦長室で、はやてはギンガからの報告書を受け取った。
 無限書庫で新しい蔵書検索システムがカットオーバー(稼働開始)したという。
 今後、全局員がそれぞれのアカウントと権限で必要に応じて捜査資料にアクセスできるようになり、管理の一本化と、より迅速かつ円滑な業務の遂行が可能になるだろう、ということだ。
 そして管理局人事部は昨日付で、無限書庫前司書長ユーノ・スクライアの退官届を受理した。
 フェイトは今、ある事件の捜査で他の次元世界に出張している。
 なのはは、相変わらず教導隊で、各地の部隊を飛び回る生活だ。

 解決したと思われていた闇の書事件が再燃しかけた今回の事件は、はた目には未然に防がれた、という認識だろう。
 その影で何人かの人間が姿を消していても、ミッドチルダの一般市民のほとんどは、それを知る機会がない。

 艦長室のドアをノックする音が聞こえて、はやては艦隊士官の用語で、入れ、と返事をした。

「失礼します」

「うん、急に呼び出してすまんかったなリイン」

 リインフォース・ツヴァイも、すっかり参謀としての働きぶりが板についてきたところだ。
 まあ、それはここで云々することではない、とはやては思いなおす。

「さっそくでごめんやけど……リインにはこれからしばらく、新しい職場に行ってもらうことになる」

「新しい職場、ですか?」

「そうや……」

 跳ねる前髪ときらめく髪飾りが、無邪気に揺れる。ツヴァイは、この数秒後に発せられたはやての言葉に、それがトリガーとなって、人格プログラムを停止させられる。
 これ以降は、文字通りの管制人格として、ハードウェアたるデバイスを制御するだけの存在になる。

「先にユーノくんとアルフが行っとるから……くわしい話は向こうで聞いてな」

 蒼天の書と夜天の書を、無限書庫に転送し、所定の棚に装着しておく。この作業の手順は既に書庫の司書たちに伝えてある。
 ヴォルケンリッターがいなくなった今、はやてひとりが戦うためには、シュベルトクロイツ一本だけがあればいい。

 あとは、自分だけだ──。





Sackgasse.

313SandyBridge ◆UKXyqFnokA:2013/02/02(土) 23:26:29 ID:JMMS8toY
おわりです

ギン姉ってゲロ役が定着してる感ありですが気のせいでしょうか

闇本18話も進めておりますですよー

ではー

314名無しさん@魔法少女:2013/02/03(日) 00:01:48 ID:4T8nMSMI
あばばばば・・・ま、まさかの関係者全員あぽーん?
GJでした

315名無しさん@魔法少女:2013/02/03(日) 00:06:16 ID:3IQZnfLw
ナイス欝

316名無しさん@魔法少女:2013/02/03(日) 00:57:37 ID:PVEBl5Bo
なんという鬱。こうなっては性的な意味での肉食系女子を妄想せざるを得ない。

317名無しさん@魔法少女:2013/02/03(日) 00:57:42 ID:iCPWEehM
鬱な終わりでしたがGJです。さすがは呪われし闇の書、易々と消されはしませんか。
ってかユーノもアルフ喰っちまってる!ウロボロスよろしく食べて食べられての無限連環ですか?




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