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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第107話☆
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「おはよう、なのは、夕べは良く眠れた?」
「なのはさん、おはようございますっ! 元気そうで安心しました! あたしもルキノも心配してたんですよ」
「おはようさん! なのはちゃん、よう眠っとったなあ。実は、朝こっそり寝顔見に行ったんやで〜」
「はいー。リィンも一緒に行きましたですぅ!」
「なのはさん、体はもう大丈夫ですか? どこも痛くないですか!?」
食堂に顔を出すまでの短い道程でさえ、凄まじい歓待を受けた。
予想はできていたことだが、高町なのはの人間関係は社会的地位を除いても凄まじく広い。
プライベートでの人間関係が広く、そしてそれぞれ深い。
高町なのはの記憶は、自身の記憶と接近している。しかし、未だ違和感は拭えない上、情報の多さに混乱しそうになる。
もっとも、違和感を失い高町なのはと同一化するのも御免だが。
高町なのはらしい返答を行いつつ、都合が悪い所は体調不良を理由に誤魔化していく。
「ママー、朝ごはんいっしょに食べよう」
フェイトに連れられて、駆けてくる小さな影が一つ。
その正体が何であれ、今のこの娘は無垢で無知な只の幼児に過ぎない。
高町なのはは随分この娘に愛情を注いでいたようだが、私としては正直、すこし鬱陶しい。
それでも、突然拒絶ような言行は高町なのはとしての行動原理に違反する。
当分は妥協して擬似的な親子としての関係を続けなければならないだろう。
「うん。ヴィヴィオ、それじゃあ、一緒にいただきますしようか!」
「はーい、いただきま〜す」
小さな掌をぺちんと合わせて、不器用な手つきでフォークを目玉焼きに突き立てるヴィヴィオ。
私もパンを千切り、自分の食事を始めることにした。
湯気を立てるコーヒー。薄くバターを塗ったパン。新鮮なサラダ。
一口、一口、ゆっくりと噛み締める。
……覚えていた。とっくの昔に磨耗していたと思っていた筈なのに、覚えていた。
美味しい。
空腹の胃に、少しずつ嚥下した食物が染み渡っていくにつれ、私はその感覚をはっきりと自覚した。
飢餓感。食欲。そして、口中を駆け巡るこの味覚。
大抵の感覚は磨耗しきって消滅したはずの私だが、この感覚は私の奥底に確かに残っていた。
やはり、三大欲求の一つは強烈なのだろうか。
パンと、スープと、サラダと、コーヒー。決して贅沢な筈ではない朝食だが、極上の美味に感じた。
ふと、違和感に気づく。
サラダの中のセロリ。私は昔好き嫌いが激しく、セロリなど美味だと感じた事はなかったのだが、今は何の嫌悪も無く他の野菜と一緒に美味しく食している。
自身の感覚は残っていても、味わっているのは高町なのはの味覚。
彼女が好き嫌いなく、遍く食を楽しむ人間であることに少しだけ感謝した。
周囲を見回す。機動六課の食堂は和気藹々として、隊員達が各々に自分の朝食を楽しんでいた。
今朝は当たり障りの無いものを注文したが、食堂のメニューも中々に充実しているようだった。
他の部隊の事情まで細かく知っている訳ではないが、空で、陸で、様々な部隊で、同じように朝食が始まっているのだろう。
これが、この時代の朝食時の日常。
昔私が望んでいた、豊かで優しい食事の光景が、ここにあった。
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