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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第107話☆

624魔法少女リリカルなのはStrikerS Burst:2010/09/10(金) 21:47:03 ID:VtP1GIJ2
「やっべえな・・・すっかり遅くなっちまった」
夜の市街地を赤毛の少女―ヴィータは走る。
非番だった今日は久しぶりに戦技教導隊に足を運んで、教え子達に抜き打ちの模擬戦をやっていたら、こんな時間になってしまったわけだ。
本人は外泊も考えたが、はやてを心配させる訳にもいかないので、こうして急いでいるのだ。
「っと、近道近道」
ここで、ヴィータは角を曲がって裏通りに入った。ここを通れば、10分は短縮できる。
すると、背後に何かが降り立つ気配がする。覇気とも殺気ともとれない雰囲気と共に。
「誰だ、お前は?あたしに何か用か?」
暗闇で良くは判らないが、ローブを被っていると思われるその影は、デバイスらしき手甲から鉤爪を繰り出して構える。まるで、こちらを挑発するように。
「無許可の私闘は御法度だから、武器をしまってちょっと局まで・・・っておわっ!?」
管理局に入隊してから10年。さすがのヴィータでも常識というのはその間に身についており、お決まりの勧告をしていた矢先に、影は飛びかかっていた。
とっさに軸線をずらして回避するヴィータ。代わりに斬撃を受けた壁には獣の爪で切り裂かれたような後がくっきりと残っていた。
「すると、お前が例の通り魔か!?」
「だとしたら、どうするんですか?」
影が口を聞いたことにもヴィータは驚いたが、それ以前に騎士としての闘争本能が舌なめずりしていた。
「ぶっ潰して、突き出すまでだ!!」
一瞬のうちに騎士甲冑をまとい、ヴィータはグラーフアイゼンを掲げて突貫する。
振り下ろされた鋼鉄の伯爵を、影はシールドで押し返し、反撃する。
それをヴィータは小柄さを活かして回避し、上空に戦場を移す。
一方の影はと言うと、『キュィイイン』と言う音と共に追ってくる。
「ロケットエンジンとは・・・ますます見過ごせねぇな・・・。アイゼン!!ロード・カートリッジ!!」
《エクスプロズィオン!!》
グラーフアイゼンの柄が伸展して内蔵されたカードリッジを激発。錐とブースターを搭載したラケーテンフォルムに変形する。
「ラケーテン・・・ハンマー!!!」
推進剤から生み出される加速でヴィータは高速回転し、そのまま影へ突撃する。
10年前の闇の書事件、その時なのはをノックアウトした渾身の一撃だ。
影は防御ではなく、回避を選択したようだ。だが、もう遅い。
「ぶち抜けぇ!!」
錐の先端が影を捕らえる。しかし、そこに引っかかってたのは・・・
「!?どこ行った!?」
ぼろい大きめの布。恐らく、影が羽織っていたローブだろう。
影を探そうと、あたりを見回すヴィータ。しかし、それは跡形もなく消えてしまったかに思われたが・・・・・・。
「残念。大ハズレです」
不意に上から声が聞こえたので彼女は上を向く。しかし、誰もいない。
今度は注意深く見上げてみる。
すると、影の主―ナンバーズとは似ているようで違う、機械的な外装を身にまとった褐色の肌の少女が、指一本でヴィータの『頭の上に』逆立ちしていた。手の甲には、デバイスのコアパーツだろうか、宝石のようなモノが輝いている。
「純粋オリジナルのカードリッジシステム、遠距離を度外視した白兵戦闘力、どれをとっても一級品ですが・・・・・・」
少女は指一本で跳躍し、ふわりとヴィータの目の前に現れる。底知れぬオーラに、彼女は言葉を失った。
『こいつ・・・なんだってんだ・・・?ナンバーズみたいに・・・まともな感情・・・いや、感情そのものが感じられねえ・・・・・・!』
「重大な欠陥を抱えています。まず第一に、ハンマーはその都合上、先端部分に攻撃力が集中します。唯一無二の業物でも、切っ先に獲物が触れなければ効果を成さないのと同じ。スリングショットでも、戦艦の主砲でも、当たらなければ只の飾りです。次に、得物の特性上、仕方の無いかも知れませんが、攻撃が単調すぎます。『自分は負けることなど無く、力も強い』。その自信の裏返しかも知れませんが、それは雲を突くような大男だからできる芸当。あなたのような小柄な者には相応しくありません。そして最後・・・。『あなたは、弱すぎます』。」
少女がこの言葉を発すると同時に爪を振るい、ヴィータの体からは鮮血が迸っていた。




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