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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆

1名無しさん@魔法少女:2010/01/27(水) 22:25:53 ID:PTO7s./k
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1259008244/

654ふぁす:2010/02/24(水) 02:41:52 ID:Pio8IOqo
投下途中でパソコンがトラブってしまいました。
投下の続きは24日23時すぎになります。申し訳ないです。

655名無しさん@魔法少女:2010/02/24(水) 08:42:16 ID:B9Q4Eh/.
>>654
待ってるよ。紳士待機で

656名無しさん@魔法少女:2010/02/24(水) 14:11:34 ID:zjC1lNEU
>>654
職場のトイレの中から待っていますw

657イクスピアリ:2010/02/24(水) 16:10:05 ID:9ms8RG4E
二週間ぐらいかかったけど完成
雷刃シリーズ最新話です

ふぁすさんの待ってから投稿したほうがいいのだろうか……

うぅむ……

658名無しさん@魔法少女:2010/02/24(水) 17:13:52 ID:wfp7O8OU
>>657
まだかなり時間あるし投稿しちゃっていいと思うよ。

659イクスピアリ:2010/02/24(水) 17:18:34 ID:9ms8RG4E
では投稿します


・雷刃シリーズです

・ライ=雷刃たん
という風にオリジナルの名前がついてます

・18禁のエロ指定

・デバイブあり

・合い言葉はなのフェイフェ……ゲフンゲフン雷刃たん

660雷刃がいる風景 〜優愛〜 前編:2010/02/24(水) 17:19:32 ID:9ms8RG4E
ライの封印騒動事件から一週間が過ぎた

「フェイトちゃん……」

「なのはも気づいてるんだね……」

翠屋にて働いているライを見ている二人

「ライちゃん……どこかよそよそしくなったよね。」

「うん。あの事件から私達と距離を置いてる。」

以前ならお姉さま、姉さんと言いながらどこに行くにもついて来たライが来なくなれば嫌でも気づく

「フェイトちゃん今日私の家に泊まれる?」

「母さん達皆本局でアルフはユーノの手伝いで無限書庫に泊まり込みだから大丈夫。」

「じゃあ今日の夜に。」

「うん。またねなのは。」

別れ際に視線だけでライを見たフェイトだったがそのま帰って行った



その日の深夜 なのはの部屋

3人仲良く寝ているなか真ん中にいたライが起き出す

「……」

そっと起こさないように抜け出ようとして

ガシッ!ガシッ!

「「どこに行くの(かな)ライ(ちゃん)?」」

両脇に寝ていたなのはとフェイトに捕まった

「え、えっと、そ、外の空気を吸いに……」

「こんな寒いのに行くのは不自然なの。」

「いくら何でもそれはないよライ。」

ズルズルと再びベッドに引きずり込み手をつなぎガッチリと捕まえる

「ライちゃん、最近私達やお父さんやお母さんにもよそよそしくなった……どうしてなの?」

「なのはは心配してるんだよライ。話してみて。」

心配そうに覗き込む潤んだ二人の瞳

「……僕は汚されたから。」

その一言
たった一言でなのはとフェイトは悟ってしまう

「そんな事ないよ。ライちゃんは汚れてなんかない。」

そっと右側から優しく愛しむように抱きしめるなのはの瞳から溢れる涙がライの頬を濡らしていく

「もしライが汚れてるなら私達が綺麗にする。だからもう私達から離れようなんてしないで。」

左側からフェイトがライの頬の涙を拭う

「お姉さま…姉さん……」

「ライちゃん、三人で一緒になろ。」

「私達もライと一緒だから。」

僅かな着擦れの音が静かに響いた

661雷刃がいる風景 〜優愛〜 中編:2010/02/24(水) 17:20:16 ID:9ms8RG4E
くちゅ、ぴちゃ、ちゅぷ……

「ふわぁ…お姉さまぁ……」

「ふふっ……ライちゃん可愛い。」

ライの耳を舐めなのはの細い指が縦筋の秘所をなぞる度にライは甘い声を堪えきれず漏らしてしまう

「可愛らしい乳首だねライ。さくらんぼみたい」

「ひゃっ!噛まないでよぉ姉さん……」

胸を舐め先端を甘く噛みながらフェイトの指はライの後ろに入っていた

「あふっ、お姉さまと姉さんだってぇ……濡れてるじゃないか。」

ぴったりと閉じられた二人の脚に手を滑り込ませクチユグチュと激しく動かしぷっくりと膨らんだ豆粒をギューッと摘みだす

「―――っ!らめぇ!」

耐えきれずぷしゃぁぁ、と撒き散らしイったなのはの体がビクンと跳ねる

「なのははクリ責めに弱いからね。」

くすくすと笑うフェイトの妖艶さにライとなのはの頬が赤く染まる

「それじゃあ準備は出来たからしようか。」

フェイトが手にしたバルディッシュ、レイジングハート、そしてライが見慣れた水色のそれを見せる

「バルニフィカス!?」

「セイがライの為に持ってきたんだ。今度お礼しないとね。」

三つのデバイスが回り展開される

「デバイブ展開」

連結した三つのバイブになりレイジングハートがフェイトの、バルニフィカスがなのはの、バルディッシュがフェイトの秘所にピッタリとくっつく

「「「…………」」」

ドキドキと胸を高鳴らせそれぞれデバイブとなった相棒に手を当てる

一瞬のアイコンタクト

それを合図に三人が同時に押し込んだ

662雷刃がいる風景 〜優愛〜 後編:2010/02/24(水) 17:20:52 ID:9ms8RG4E
「「っ!痛っ!」」

なのはとフェイトの秘所からは赤い一筋の血が流れ破瓜の痛みに涙が溢れる

「大丈夫だよお姉さま、姉さん。」

その言葉をきっかけにデバイブが起動
ゆっくりと動き出し三人の膣内を抉り深く深く突いていく

「やぁぁ!あうっ!ひゃあうぅぅん!」

抜けそうになった瞬間バルニフィカスから固定用のベルトが伸びなのはの腰に巻きつく
フェイトとライも同様にデバイブが固定され悶え乱れ狂う

「だめぇ!激しすぎる!イっちゃう!イっちゃうよぉ!」

「ふ、深い!奥まで突かれてる!」

ヴィィィィィィンと激しく振動しなのはが縋るようにライに抱きつきフェイトも同じように抱きつくとライもまた二人に抱きつく

そしてその時はくる

「あにゃぁぁぁぁぁ!」

「ふわぁぁぁぁ!」

「イくぅぅぅぅぅ!」

ブシャァァァァァ!と激しく漏らす
デバイブから魔力による疑似液が吐き出される

「あぁ…なのは…あかちゃん…出来ちゃう……」

「い…っぱい…出された……」

「お姉…さま…姉さ…ん……」

三人が意識を失うと固定ベルトが外れる
ズルリと抜け落ちデバイブとなっていたデバイスは待機形態へと戻る

ブピュ、と三人の秘所から疑似液が溢れだし月が三人を照らしていた




翌朝
起きたライは窓を開け換気する
ベッドには眠る最愛の姉二人

「……」

手にはバルニフィカス

「……僕も守るためにまた戦う時は力を貸してくれるかいバルニフィカス?」

《あなたの願うままに》

チカチカと光るバルニフィカス

「ありがと。またよろしくバルニフィカス。」

風が吹きライの水色の髪がなびいていた

663イクスピアリ:2010/02/24(水) 17:23:30 ID:9ms8RG4E
以上です

ここでエロ書くのは初めてだから評価が怖い
(--;)ビクビク



ライを管理局に入れるならどこかなぁと悩むこの頃

664ふぁす:2010/02/24(水) 23:10:22 ID:yrLywx4g
昨晩はお騒がせいたしました

再度投下させていただきます

・クロノ×エイミィ、なのは×フェイトの男女、ガチレズ混合話
・コスプレ、キャラ崩壊注意
・NGは「前世夫婦の御乱心」でお願いします
・前編にエロはありません

レスを無駄にして申し訳ありません



>>イクスピアリ氏
ライたんハアハア……




すみませんでしたorz

665前世夫婦の御乱心 前編(1):2010/02/24(水) 23:11:14 ID:yrLywx4g
―――何で、都合よくエース二人とアースラの艦長と管制官がオフなのかはツッコんではいけない。


 ある日の鳴海市、ハラオウン家の居間にて、なのはとクロノはテーブルを挟んで、向き合っていた。なのははエースとしての顔を脱ぎ捨て、だらだらとテーブルに突っ伏している。
反対に、クロノは鳴海市の新聞に目を通しながら背筋をぴんと伸ばしていた。けれども、その瞳にいつもの光はない。

「あー……なのははもう駄目です……」
「……駄目だとか、アースラの中で言うんじゃないぞ」
 艦内の士気が下がって、僕の仕事が増えるからな。そう言葉が続くのだろうが、彼はあえて口にしなかった。
「クロノ君と違って、フェイトちゃんが足りてないのですよー」
「待て、それじゃあフェイトと僕が何かあるみたいじゃないか」
 心外だ。クロノは手にしていた新聞を畳みながら、なのはに抗議する。
新聞から視線をなのはに移し、げっそりとしている彼女を睨みつけた。
「そういう意味じゃないですよー……恋人というか婚約者と同じ職場で毎日イチャイチャできるクロノ君がうらやましくてしょうがないのですよー」
 なのははクロノの視線など気にせず、ゆるゆるだらだらしながら言葉を続ける。ここでいう恋人とはエイミィ・リミエッタで、彼の婚約者であり、仕事のパートナーでもある。
しかも、同居中というおまけつきである。今のなのはにとってはとてもうらやましい境遇に思えた。
何しろ、彼女は日本の中学三年生にも関わらず、二日連続徹夜の任務に追われた後だった。そのため、判断能力や思考能力が落ちていた。
「毎日イチャイチャできるほど、僕も暇じゃない」
 では、クロノは冷静かといえばそうではなかった。クロノも、なのは同様に仕事に忙殺されていた。やっと一息ついての、たった一日のオフである。明日の早朝から、また仕事である。
まだ仕事が残ってるからと、アースラに残ろうとしたエイミィを無理やり連れ帰ったのは何のためなのかは、あえて触れないでほしい。触れてくれるな。
というか、婚約したことをいつ知った。そうツッコむべきだが、その気力さえない。
「はあっ……」
 なのはとクロノが同時にため息をつく。自分で進んで選んだ道とはいえ、恋人とろくに触れ合うことができないというのは、なかなか辛いものがある。
なのはは仕事が忙しくても、学校で会えるではないかとツッコもうかと少し考えたが、あとが怖いので、クロノは黙ることにした。
「フェイトちゃんとラブラブしたいよー……可愛いフェイトちゃんとイチャイチャしたいよお……」
 ここもスルーすべきところである―――大事な義妹に手を出す不届き物はこの手で氷漬けにしてやりたいものだが、成長した彼女相手では戦略と戦術を用いても火力不足を補いきれない。正直、フェイトの義兄として悔しい。

666前世夫婦の御乱心 前編(2):2010/02/24(水) 23:12:22 ID:yrLywx4g
「フェイトちゃんに着てほしくて、こんな可愛い服を用意したのに! 肝心なフェイトちゃんがエイミィさんと出かけてたら意味がないよ!」
 なのはの目にはうっすらと涙が浮かんでいる。きらきらと輝く瞳は美しいが、何分理由が不純すぎる。いつの間にやら彼女が手にしている服は、世にいうメイド服。
しかも、フェイトが着用していなくてもわかるほど、丈が短い。それはもう、フェイトの前に使用していたバリアジャケットが目じゃないほどに。どこの風俗嬢だ。
彼女は、他人の義妹に何を着せる気だ。男が女性に服を贈るのは脱がせるのが目的だというが、女性が女性に服を贈る場合はどうなのだろう。
「なのは……」
「でも、ここにいてくれたとしても、さすがに着てくれるかどうか……」
 丈が短すぎることに関しては自覚があるらしい。
彼女はさらに語る。無理やり着せようにも、スピードの早いフェイトを、スピードを重視しない自分が追いかけることができるのか。どうすれば、帰ってきたフェイトにこれを着てもらえるのか。切実過ぎる彼女の言葉に、クロノは呆れながらもその情熱ゆえに聞き入ってしまった。
 それがいけなかったのかもしれない。クロノの中に一つの考えが浮かんでしまった。
それも、すべては有能な人間に仕事を持ち込む管理局のせい。いつもは冷静沈着なクロノの判断力が落ちて、変な方向性にこじれてしまったのも、全部時空管理局のせいであった。そうに決まっている。
「なのは……」
「なぁに? クロノ君」
「僕の願いを一つ叶えてくれたら、君の願いを一つ叶えるよ」
―――時空管理局提督兼艦船アースラ艦長、クロノ・ハラオウンの目がうす暗く光った。







―――前世夫婦の御乱心―――





「たっだいまー」
「ただいま」

667前世夫婦の御乱心 前編(3):2010/02/24(水) 23:13:32 ID:yrLywx4g
 時刻は午後三時。なのはがフェイトに会いに来た時間は正午過ぎ。見事に入れ違ってから三時間が経過し、フェイトとエイミィは自宅のドアを開けた。両手には買い物袋。
その種類は、アパレル関係から食料品まで多岐に渡る。両手が塞がれているにも関わらず、エイミィは元気な声を玄関に響かせた。
「あれ? なのはちゃんが来てるみたいだね」
「え、なのは?」
 靴を脱ぎながら足元へ目をやると、見覚えのある靴がきちんと揃えて並べてあった。ちょこんと並んだなのはの靴に、フェイトの目がキラキラと輝く。
フェイトは本当になのはが好きなのだなと、こういう彼女の姿を見てエイミィは微笑ましく思っている。
「じゃあ、買ってきたお菓子と、新しいフレーバーの紅茶でも入れて、おやつにしようか」
「うん! わたしも手伝うよ、エイミィ」
 本当に嬉しそうにフェイトはニコニコと笑っている。
そういえば、なのはは昨日一昨日と任務のために学校を休んでいるのだった。管理局の仕事でも会えない、学校でも会えない。
たった二日のこととはいえ、彼女にとって長い二日間だったに違いない。
ならば、二人に楽しい時間を提供してあげるのが、時空管理局局員の先輩にして、年長者の務めであろう。
「よーし、お姉ちゃん頑張ってお茶の準備しちゃうぞー!」
「ありがとう、お義姉ちゃん」
「うっ……」
張り切るエイミィに、フェイトは微笑みかける。美少女に満面の笑みで、『お義姉ちゃん』なんて呼ばれたら、クロノではないが軽く動揺する。
「…って、フェイトちゃん……気が早いよ」 
「だって、わたしのお義兄ちゃんのクロノと結婚するんだから、エイミィはわたしのお義姉ちゃんでしょう?」
「いや……うーん……ああっ、もうお義姉ちゃんで良いよ」
 確かにエイミィはクロノと結婚の約束をした仲であるが、実際に結婚するのはまだ少し先で、フェイトの発言はいささか気が早い。
事実はそうであるが、口にした途端、フェイトにキョトンとした顔をされる。
自分がエイミィを姉と呼ぶのは当然という顔をしている。あまりの堂々とした発言に、エイミィは折れた―――そういえば、闇の書事件の後の花見の際に、やたらと自分を姉と呼びたがっていたなと、彼女はふと思い出した。
 あの時、冗談で言った言葉が本当になるとは、エイミィ本人も考えてはいなかった。
それどころか、クロノがあんなに男前に育つとは思ってもいなかった。
 いや、当時から男前ではあったか。

668前世夫婦の御乱心 前編(4):2010/02/24(水) 23:14:26 ID:yrLywx4g

「ふふっ」
「幸せそうだね、フェイトちゃん」
「うん、幸せだよ」
 エイミィの左手の薬指に光るエンゲージリングを瞳に映し、フェイトの口から笑みがこぼれる。
大好きな人がそばにいて、大好きな家族がいてくれて、もう一人―――もしかしたら、もっと大切な家族が増えるのだと思うと、フェイトは幸せで仕方がない。



―――その幸せも、あと数分の間だけの話である。


「あれ? クロノ君たち、いないのかな?」
「え? でも、クロノの靴も玄関にあったよ?」
 義姉妹仲良く玄関から廊下へ進み、キッチンまで足を進めると、想定外にそこは静かだった。エイミィはてっきり、なのはとクロノが談笑しているものだと思っていた。
それはフェイトも同様で、不思議そうにあたりを見渡している。
「なのはぁ…? ……え? エイミィ! 危ない!」
「へ?」
 キョロキョロと視線を動かしていたフェイトが異変に気づく。
誰もいないにも関わらず、誰かに見られているような、そんな気配。
何かが近づいてくる気配に、戦闘で培われてきた反射神経を用いて、咄嗟にエイミィを背にかばったが―――時空管理局提督の肩書は伊達ではなかった。
「バインド……?」
「この光は………」
 二人の身体を縛る、澄んだ青の魔力光。よく見知ったその色は、二人の眼前に迫る。フェイトは反射的に解除を試みるが、もがけばもがくほど青い光は彼女の軟肌に食い込んでいく。
「くっ……」
「何……どういうこと……?」
 フェイトにも、エイミィにも状況は掴めなかった。何故彼のバインドが、二人を縛り挙げているのか。
 その答えはあっさり出てしまう。出てほしくなかったと、後悔することになるが。
「さっすがクロノ君。わっかりやすい!」
「わかりやすいとか言うな……」
 どこからともなく、なのはとクロノが姿を見せる。
クロノの手にはS2U、なのはの手にはレイジングハートが収められていた。あたりになのはの魔力が散る。
桜色に光る球体は、エリアサーチのためのものか。
 二人の目的が見えず、フェイトは彼らの様子を伺った。バリアジャケットではないということは、戦闘が目的ではないということか。
というよりも、二人が穏やかに会話を続けていることが気にかかる。
 警戒態勢を見せているフェイトに、なのはは一瞬だけうす暗い笑みを浮かべる。
彼女の表情の変化はほんのわずかな時間で、フェイトはそれに気付かない。すぐに明るい笑顔を見せ、フェイトに話しかけた。
「フェイトちゃん、エイミィさん……ごめんね?」
「な……のは? どうして……?」
「わたしとクロノ君のわがままに、少し付き合ってほしいんだ!」
 人の話など聞いていない。不思議に思うフェイトをおいてけぼりにし、なのははクロノに何かを促していた。
クロノはほんの少しだけその場を離れ、どこかへと姿を隠す。それも、ほんの少しの話だ。すぐにまた姿を見せ、その手には二着の衣服がかかっていた。
「クロノ君……?」
「クロノ?」
 女性の衣服を両手に抱えているクロノ・ハラオウンという、やや面白い光景を、二人は不審がる。そんな二人をよそに、なのはは良い笑顔を見せている。
「じゃじゃーん! 高町なのは、お給料をはたいて二人にプレゼントデース」
 異常なほどテンションが高い。これが徹夜二日明けのエースオブエースの姿である。彼女の言葉とともに、クロノの手にある衣類の形状が明らかになる。
クロノが二人に見せつけるように広げたその服は、メイド服。襟と袖にフリルがつき、ふわっふわのスカート。
色はシックだが、装飾過多である。それも超ミニスカートという二段オチ。

669前世夫婦の御乱心 前編(5):2010/02/24(水) 23:15:29 ID:yrLywx4g
なのはが給与をはたいて購入したと言っているが、実際金銭を払ったのはフェイトの分だけである。
もう一着の代金を支払ったは誰なのかは、フェイトが絶望するから言わない方が良いだろう。
「わたしはフェイトちゃんに着てほしいだけなんだけど、クロノ君たっての希望でエイミィさんの分もありまーす!」
 勃ってのではない。これでは誰が購入したか、丸わかりでる。
エイミィの呆れた顔がクロノの心に突き刺さるが、それで引くような彼ではなかった。彼もなのは同様、お疲れなのだ。
「な、なのはの分は?」
「もちろん、ないよ?」
 この悪魔め。誰かが心の中で呟いた。
 心の中で呟くだけである。誰だって、命は惜しい。
そんな誰かの心の中の呟きにも気付かず、なのはは先ほどまでのフェイトのようにニコニコと笑っていた。ほんのり頬を染めているため、ユーノあたりが見たらハートに直撃。クリーンヒット。ときめきの魔球である。
だが、その笑みの理由はあまりにも汚れている。中学三年生にしてその期待はあまりにもアレであった。
「く、クロノ君の分は?」
 エイミィが恐る恐る尋ねる。もちろん、答えはノーである。誰も、ユーノのような美少女面をしていない、クロノのような成人男子のメイド服――しかも、超ミニスカート姿など見たくはないだろう。
 話をそらそうとしても無駄である。エイミィの答えを待たずして、そっと彼女の肩に手をかける。
彼に続くように、なのはもフェイトの肩に手をけ、そして、首をかしげる。
「こ、困ったなぁ……バインドで縛りあげちゃったら、着替えさせられない……」
 話を聞いてと言いながら、砲撃魔法をぶっ放すのもどうかと思うが、話を聞かずに行動に移すのもどうかと思われる。
スピード戦に強いフェイトを拘束するためにクロノに助力を頼んだのは良いが、バインドで縛られてフェイトの服を脱がすことはできない。
エースオブエースにしては珍しく、後のことを考えてはいなかったのだ。常だったら、レイジングハートとともに後の後のことまでも考えているなのはであったが、睡眠不足が祟ったためか、考えなしである。
レイジングハートは沈黙を守り、彼女の手助けも考えられない。
 困った。

「って、ええええ?」
 思案顔であったなのはの表情が驚愕へと変わる。それもそのはず。バインドで拘束されて―――しかも、彼の性癖が出たのかフェイトより一層深く縛られているエイミィの服を、クロノがするすると脱がしていた。手慣れている。あまりにも手慣れている。

670前世夫婦の御乱心 前編(6):2010/02/24(水) 23:18:11 ID:yrLywx4g
「クロノ君、どうやって脱がしてるの!?」
 驚くなのはの表情に、クロノはキョトンとする。彼としては当たり前のことをしているつもりだったらしい。そんなことをできるのは、常日頃から縛っているからなのかもしれないが、それ以上詮索しない。そんなことよりも重要なことがある。
「クロノ君! わたしに教えて、服の上手な脱がせ方!」
「ん? ああ……まずは袖を……」
「あたしを使って説明するなー!」
 まっとうなツッコミである。クロノはなのはに説明するために、わざわざもうすでに脱がせていた上着をもとに戻し、再び脱がせる。せめて図解であればマシであるが、実演である。エイミィはなのはに見られているという羞恥から、顔を真っ赤にしながら抗議をする。縛られていることに対する抗議はどうした。恥ずかしさのあまり、何かをうっかり忘れているエイミィとは反対に、フェイトは静かに縛られていることに抗議をしていた。
「……っ……なのは…クロノ……こんなこと、止めようよ……」
 瞳を潤ませ、涙ながらに懇願する。こんなことはおかしいと、しゃくりをあげながら訴えるフェイトに気づいていながら、彼女の義兄はそれを黙殺した。



 恋人への欲望>>>>越えられない壁>>>>義妹の涙である。


 疲れているためか、いつもは決して見せない欲望があらわらになっている。それでも、表面上はいつもと変わらない。身体的に表れていない分いくらかマシではあるが、変わらないから、かえってフェイトにとっては苦痛であった。
逆に、エイミィは慣れていた。
(何で、あたし……彼と結婚しようと思ったんだろう?)
 左手の薬指に光る指輪に陰りが見えたような気がした。
今更の話であるが、いくら男前で、エリートで、仕事もできる男とはいえ、緊縛趣味のある旦那はどうなのだろう。
 恋人にして婚約者であるエイミィが自分との結婚について、思いなおそうとしているとも気付かず、クロノの手は下着へと伸びていた。
しかし、そこで止まる。クロノはエイミィを庇うように、腕の中に閉じ込めた。
「これ以上は教えられない」
「えー……まだコツが掴めてないよぉ……」
「エイミィの裸を、僕以外の人間は見なくて良い」
 キリッとした凛々しい表情。直視すれば、大概の女性が彼に惚れてしまいそうだが、言っていることは割と最低である。
それに、他の人間が見なくて良いと言っている割には、彼女の肌はだいぶ外部に露出している。
彼にとって下着は最期の理性か。ツッコミどころはたくさんあるが、なのはは納得いった様子で頷いた。
「そうだね、好きな人の前だから……だよね!」
「ああ」
 変なところで友情を育んでいる気がする。ある意味彼らも義理の兄妹あるが、彼の本当の義理の妹はハラハラと儚い涙を流している。
「うう……エイミィが可哀そうだよぉ……」
「言わないで、フェイトちゃん……」
 もうすぐ義理の姉になるエイミィの代わりに、フェイトは涙する
。義姉が身に纏っているのはブラジャーとキャミソール、パンツに靴下と、割とマニアックな組み合わせにできあがっている。その姿のまま、義兄の腕に抱かれて、辱めを受けている義姉に涙が止まらない。それ以上に、義兄のダメダメっぷりに涙が溢れる。
 だが、それどころではないということに、彼女は気づいていない。義兄が恋人であり婚約者であるエイミィを世に言うお姫様だっこでどこかへと運んで行く。
エイミィが普通の格好をしていれば、どこの少女漫画だ的な光景であるが、今の状況ではあまりにもアレである。エイミィがじたばたと抵抗しようとするが、それすらも抑え込んでしまう。
 ぱたりと、隣の部屋のドアが閉まったと思ったら―――。
「いやあああああ! ちょっ、何パンツ脱がせようとしてるのよおおおおおおお!」
 あまりにも不穏な義姉の声が聞こえてくる。下着を脱がそうとしてるのはもちろん義兄だ。
続いて、バチーンと乾いた音がフェイトたちの耳に届く。どうやらバインドは一度解除したらしい。
それもそうか。バインドを維持する魔力も、タダではない。
その性癖ゆえに、エイミィの身体を不必要なまでに縛りあげていたバインドは解かれたようだが、自分はどうだろう。
義兄であるクロノに縛られた自身の身体に視線をやる。解かれていたら良いなと思ったが、残念なことに解かれてはいなかった―――どうやら、恋人に触れるのに手いっぱいで、こちらのことなど気づいていないらしい。

671前世夫婦の御乱心 前編(7):2010/02/24(水) 23:19:34 ID:yrLywx4g
「ううっ……義兄さん……」
 再び、フェイトの目から涙がこぼれおちてくる。あんな男が自分の兄だなんて。
普段の彼だったら、兄妹として大好きだし、尊敬もしているが、今の彼は軽く軽蔑する。
 今にも脱水症状を起こすのではないかと心配になってくるほど涙を流し続けているフェイトをなのははじっと見つめていた。そう、エイミィの痴態が眼前からなくなろうが、フェイトの危機的状況は変わらないのだ。というよりも、もとをただせば、疲れ果てたなのはがフェイトにコスプレをさせて、正しくコスチュームプレイをしようとしたのが発端なのだ。
バインドを使用できる、なのはの欲望に影響された義兄より、オリジナルの欲望を持ち続けている彼女の方が、フェイトにとっては危険なものだった。
「フェーイトちゃーん」
「きゃああ!」
 いきなりなのはに抱きつかれ、フェイトは驚きの悲鳴をあげる。正面から抱きつかれ、なのはの腕がフェイトの首へと回される。まるでキスをするような体勢で、フェイトはドキリと心臓を高鳴らせた。
「えへへ、久しぶりのフェイトちゃんだ」
「なのは……」
 二日ぶりの大好きな人の顔のアップに、フェイトの心臓はどんどんと早まっていく。
「フェイトちゃん、お願い……わたしの望み、少しだけで良いから叶えてほしいんだ…」
 キラキラと瞳を輝かせてこちらを見つめてくるなのはに、フェイトの心臓はドキドキする。それこそ、なのはの『望み』がなんであるかが霞むくらいに。
「ねえ、フェイトちゃん?」
 そう言って、なのははフェイトにキスをする。触れるだけで、優しいキス。
啄ばむようなそれに、フェイトの心拍数は急上昇するしかない。それくらいに、フェイトはなのはのことが大好きだった。
「うん、良いよ」
 思わず、思ってもないことを言うくらいに。
「ありがとう! フェイトちゃん!」
「わたし、なのはのために何かしたいんだ…!」
 もう、すっかりなのはの『望み』がなんであるか忘れている。
 なのはの『望み』は『フェイトに超ミニスカートのメイド服を着せる』であるが、久しぶりの恋人との触れ合いで彼女の頭はいっぱいだ。チョロイ。
しかも、口には出していないが『フェイトに超ミニスカートのメイド服を着せた挙句、その姿の彼女とセックスをしたい』などとなのはが思っているなんて、今のフェイトには考えもつかないことだった。
 恋人に密着されてメロメロになっているフェイトをよそに、なのはは別の部屋に引っ込んだ『だだいま取り込み中』なクロノに話しかける。「クーローノーくーん、フェイトちゃんのバインド外してー……エイミィさんにセクハラ中のクーローノーくーん」
 さらりと毒を吐く。それでも、クロノは丁寧に義妹のバインドを解除する。これで、簡単に服を着せられる。なのははニコニコ笑いながら、そっとフェイトの服を脱がしていった。

なのはは少しチョロイが、素直で可愛いフェイトが大好きだった。




続く

672ふぁす:2010/02/24(水) 23:24:25 ID:yrLywx4g
投下終了であります

一か所改行がおかしいですが、心の目で見てください
都築……いいえ、続きこそエロありだと……

673名無しさん@魔法少女:2010/02/24(水) 23:41:15 ID:cRimB.YE
だめだ、早く何とかしないとwww

尻にしかれてるようでちゃんと首輪はかけてるクロノに少し尊敬できたww

674名無しさん@魔法少女:2010/02/25(木) 00:34:51 ID:G1IEVmkQ
どいつもこいつも酷ぇwwwww
糞ワロタ

675名無しさん@魔法少女:2010/02/25(木) 02:14:38 ID:fAq0Oa.Q
>イクスピアリ氏
まさかの3P、だと!?
つーかデバイブ吹いたwwwwお茶返せwwwwww
次回作も楽しみにしてますよ!

>ふぁす氏
GJ、いくら徹夜明けだからって二人とも壊れすぎだろ……
後編のエロも期待しております。期待しております。
大切なことなのでry

676名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 06:53:41 ID:5YkJcfFA
1日放置とか……こんなんじゃあ…満足できねぇぜ…

677名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 08:48:16 ID:El2N.dDY
>>676
俺たちの満足はこれからだ!!

ようやくPSP買ったがザフィーラルートいいな。
ザフィーラ×リィンフォース、ザフィーラ×ヴィータと妄想できるし何気にマテリアル's3人全員と闘ってるから絡ませ放題だしな
つか、星光さんだけど、ショートヘアのなのはさんがこんなに可愛いとは思わなかった

678名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 09:41:41 ID:OOQuYFjs
>>677
初見で星光さんがカードキャプターさくらに見えたのは秘密だ!

679名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 10:28:33 ID:rKVIhX0s
>>678
先祖がえりですね、わかります

680名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 11:59:51 ID:ir5QAU0k
シードキャプターなのは、はじまります
リンディ「こにゃにゃちわ〜!」

681名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 13:08:29 ID:Q1fb.so6
PSPないからわからんのだが、なんで星光さんだけ髪型違うの?

682名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 13:48:58 ID:OOQuYFjs
特に説明は無い
ゲーム内でもスルーされている

683名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 16:07:48 ID:ywaBAbzI
キャラに合わないからじゃないか?

想像してみ
なのはのツインテールで
「我が魔導の全てをかけて」

とか言われても背伸びして難しい発言してるだけの可愛らしい存在になるじゃないか?
ツインテール補正で


じゃなかったら制作側が付け忘れただけ(笑)

684名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 16:08:06 ID:ywaBAbzI
キャラに合わないからじゃないか?

想像してみ
なのはのツインテールで
「我が魔導の全てをかけて」

とか言われても背伸びして難しい発言してるだけの可愛らしい存在になるじゃないか?
ツインテール補正で


じゃなかったら制作側が付け忘れただけ(笑)

685名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 18:38:58 ID:afRt9yb6
まぁたぶん、
「邪魔ですね」
の一言で自分でバッサリじゃね?

686名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 18:46:02 ID:afRt9yb6
逆に考えるんだ、なのはさんの髪型のほうが間違ってると!
実はかつらだったとk(

687Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/02/26(金) 21:36:40 ID:v3n0RK6I
Ω テールだけ取り外し可能なんだよ!
Ω ΩΩ な、なんだってー!?

という訳で投下したいんですがよろしいですかのう。

688名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 21:37:02 ID:qgXPK6P2
待ってました!

689Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/02/26(金) 21:43:30 ID:v3n0RK6I
よっしゃ行っちゃうよー
予告してたイクスバやるよー

・SSX終了*年後(各自で妄想して下さい)
・イクス×スバル
・ガチエロ
・拙作「ロストロギアは使いよう」の続編です。でも前編の知識は特に必要ありません。

690ロストロギアは使いよう! 1/8:2010/02/26(金) 21:44:08 ID:v3n0RK6I
『近し者よ、我の最も隣におわす者よ、その姿紅玉の神通に拠りて、至上に輝かしき時を紡ぎ出せ!』
詠唱と共に、隣の人間が幼児化する。
但し、対象が女性か中性的な美青年のみ。即ち!!
「小さくて可愛い子なら性別なんてどうでもよかったんだよ、この呪文の作成者……」
呪文を発見したとある司書長の呟きである。
古代ミッドで『呪文集』を意味する言葉「イルビラキラ」が名づけられ、今も彼の家で個人的に保管されているらしい。
それ自身は魔力を持っていないから暴走する心配もなく、かなり脱法的だが一応勝手に持っていても問題はない。
今やミッドチルダでは、いくつかの呪文はアダルトグッズの一つに数えられるくらい、ポピュラーなものになっている。
流布したのはどこぞやの捜査官という話だが、怖くて誰も確かめた者はいない。
そして、今日も今日とてまた一人。また一人。

「あの、イクス?」
「はい」
「あたし、どうして小さくなってるんでしょうか?」
例によって一週間ほど無理矢理休暇を取らされたスバルは、イクスヴェリアへ連絡を入れたところ、
スバルの家に行きたいというので迎え入れた。ちなみにティアは遠い次元世界に出張中だった。
――その、僅か三十分後の話である。
スバルはじっくりとこれまでの経緯を思い出す。
彼女を家に上げて、お茶を出して、お菓子を持ってきて、近況を語り合って、その後トイレに立ったのだ。
そこまでは何も変なことはなかったが、そういえば出る時にドアノブが高かったような?
居間に戻った時、全てが大きく見えた。
何かがおかしいと思えば、その時初めて意識にフィードバックするもので、今更のように服がダブついていることに気付いた。
特に胸がぶかぶかだ。ぺったんこになり、ブラジャーなんて必要ない。
背丈は、大体イクスヴェリアと同じくらい。というか目線の高さが同じだ。
「スバルは聞いたことがありませんか? 人を小さく、いえ、若くできる魔法のこと」
「あ、ああ! それだったんですね! そっかぁ、話には聞いてたけどこうなるのか……って」
スバルは固まった。目の前ではイクスヴェリアがニコニコしている。
何か大きな意思を感じた気がした。というのも、少女の手が伸びてきて、頭を撫でたからだ。
「あぁ、可愛いです、スバル……」
「もしかしてそれだけのためにー!?」
恍惚とした表情を浮かべてなでなでしてくるイクスヴェリアに、スバルはもう色々と諦めた。
そうか戦闘機人でも小さくなれるのか、と場違いな感想が脳裏に浮かぶ。
久しぶりに会ったことだし、まあいいか。そう考えて、身体を委ねた。
思い返せば、この時もう少し怒っていた方が良かったんじゃないかと軽く落ち込むことになるのだった。

「えへへ、ちっちゃいですね、スバル」
「そ、そうですね……」
さっきからそればかりだ。よっぽど、自分くらいの背丈の人間が増えたことが嬉しいのだろう。
ヴィヴィオはいつも遊びに行っているようだが、彼女は「友達」であって「恋人」ではない。
年の差カップルだけに、普段は従妹か何かに見えてしまう。
特にティアと一緒にいると、事情を知らない局員から凄く微笑ましい目で見られることがある。
子供は男と女の間にできるものなのだが、そこはそれ、下世話な噂は沢山のヒレをつけて泳ぎ回るのだった。
「ああ、食べちゃいたいくらいです」
「あはは、ホントに食べないで下さいよ」

691ロストロギアは使いよう! 2/8:2010/02/26(金) 21:45:06 ID:v3n0RK6I
さっきから、二人はソファに座っている。膝の間にスバルを据えて、冥府の炎王はご機嫌だ。
先史、そんな二つ名を冠していたとは思えない、ふにゃふにゃに蕩けた満面の笑み。
それを見られただけでも儲け物かもしれない。だって、他の人には絶対に見せそうにない表情だから。
抱きしめてくるその温もりを感じながら、スバルは少女の腕に触れた。
すべすべで、柔らかい。それに、甘い香りも伝わってくる。イクスヴェリアを見上げると、極楽そのものの楽しそうな顔だった。
頭を撫で続けていていつまでも飽きないというのは、一種の才能ではないのだろうか。
例えばスバル自身なら、とっくに胸を揉んでいる頃だが……
「うぅ、もう我慢できなくなってきました」

──我慢していただけだった!!

恍惚は自分自身を焦らしつつ、美味しいものを最後まで取っておこうという思考回路の現れに過ぎなかったのだ。
しかも、『美味しいもの』は目の前にある、計り間違っても食いっぱぐれることはない。
「食べちゃってもいいですよね?」
「あ、でも、あたし、こんなちっちゃいし……んっ」
「んむっ、んちゅ……ちゅぱっ、んんっ……」
少女に唇を奪われる。
クリスマスの一件から何度か身体を重ねていたが、その度にイニシアティブはイクスヴェリアが持ち続けていた。
ティアとなら、絶対主導権を取れる自信があるし、実際そうだったのに──但しイクスがいない時に限る。何だこの※印。
一頃、ティアの休暇で毎日の如く淫蕩に耽っていたが、結局イクスヴェリア一人がいるとスバルは総受けになるのだった。
今回に到っては幼児化して思うように力を発揮できず、戸惑うスバルの口に、イクスヴェリアの舌が割り込んでくる。
瞬く間に甘く溶かされた身体に、心がついていかない。
キスだけでスバルは上気し、息遣いが荒くなる。一体どこで覚えてきたのか、舌を絡めて唾液を吸い上げてくる。
呼吸をするのも忘れて、ディープな口付けに耽る二人。
濁りのない澄み切った瞳がまっすぐスバルを見つめて、恥ずかしささえ覚える。
口を離して軽く息を継ぐと、また長いキスに突入した。
愛情だけではない、恋慕だけではない、淫靡な水音が耳から脳髄を侵食していく。
身体全体が熱く火照って、言うことを利かなくなる。
やがてキスが終り、銀色の架け橋が口と口との間に垂れると、スバルは脱力してクタリと横になった。
軽くなった身体とはいえ、イクスヴェリアに苦労しつつも抱き上げられて、ベッドまで運ばれてた。
お姫様抱っこなんて、一度やったきりだったような気がするが、当の本人は甚くお気に入りのようだ。
スバルはベッドに寝かしつけられると、少女は何やらポケットから手袋を取り出していた。
サラサラの触感であることが光に反射することですぐ分かる、サテンの白手袋。
一体何が始まるのかと思いきや、手袋を頬に当てられた。
滑らかな肌触りとは裏腹に、何か不穏な予感。イクスヴェリアは軽く微笑むと、頬の上で手袋を滑らせた。
「ひゃぁっ!?」
予想していたのとは全く違う感覚。今、スバルは振動を感じた。バイブしている端末で撫でられたような、細かい振動。
一方、イクスヴェリアの方は予想通りの表情をスバルがしてくれたことに満足したようだった。
「これは、ナノレベルで微細化された発振回路を埋め込んでいるんです。要するに、手袋型のローターです」
何故浮世離れした生活を教会で送っているイクスヴェリアが、ローターだの幼女化の呪文だのを知っているのか、
そしてそんな知識をどこから仕入れてきているのか……スバルは一瞬分かりかねた。
「ま、まさか……」
「ご明察ですね、スバルさん。全部、ティアナさんに教わりました」
『初めて』の時も数え難き回数の握手を交わした二人である。知識と技術を共有するのは言うまでもないのか。
時々、ティアの部屋から妖しい本やグッズが出土していたが、この手袋もそんな宝箱の一つだった可能性は否めない。
ちなみに、元々の出所ははやてだという。元部隊長を恨んでいいのかそれとも称えればいいのか、スバルは分からなくなった。

692ロストロギアは使いよう! 3/8:2010/02/26(金) 21:45:45 ID:v3n0RK6I
「ちなみにこれ、蛍光灯の光でも動作する優れものなんですよ」
「へー、凄いですね……ってそうじゃないでしょうイクス!?」
有無を言わせず、口に手袋の指先が突っ込まれた。そのまま内部でスイッチが入り、振動が口蓋を襲う。
舌と歯が同時にぶるぶると甘い衝撃を与えられ、今までにない独特の感覚がスバルに芽生えた。
等身大になったスバルとイクスヴェリア。二人の少女が織り成している姿は、端から見れば背徳的にも見えるだろう。
舌を摘まれて、バイブレーションを与えられる。新たな性感が開発されていく愉悦に、スバルは鳴いた。
「ふふっ、今日は堕ちるのが早いですね、スバル」
「しょ、しょんなこと、いったってぇ……」
もう、呂律が回らなくなってきた。イクスヴェリアは相変わらずニコニコクスクス微笑んでいる。
こうなると、もう冥府の炎王は止まるところを知らないのだ。
「スバルの胸、私と同じくらいぺったんこになっちゃいましたね」
「い、いや……見ないでぇ」
サラサラの手が、僅かな膨らみを撫で始める。
いつまた手袋が震え出すのか、スバルは軽い恐怖に怯える一方で、それを求めている心もどこかにあった。
抱き上げられて、イクスヴェリアは後ろに回る。
腋の下から伸びてきた指先が、だぶだぶになったシャツのボタンを一つ一つ外していった。
明らかに慣れた手つきでブラジャーを脱がせられる。一体どこで覚えてきた。
はだけられた胸を直に触っていると、イクスヴェリアはおもむろにスバルの蕾を摘んだ。
「あひゃぁ……ふぅっ……」
「可愛い鳴き声ですよ、スバル。もう、それだけでイっちゃいそうです」
胸の突起が硬くなるまで、執拗にくにくにと揉み込まれる。初めての感覚に、スバルは喘ぎ、悶えた。
尖りがはっきり目立ち、赤く膨らんだのをイクスヴェリアは感じ取ったのか、振動が加えられた。
ローターのような無機質な動きではなく、温かみさえ感じられる、自由自在な指の動き。
「あらあら。もうこんなに乳首が硬くなってますよ? スバルは本当にえっちですね」
「あ、あたし、えっちなんかじゃな……にゃい……ちがう、ちがいます、イクスぅ……」
説得力がないと一蹴される。手首を超え、肘を越えて二の腕まで覆う白手袋は、スバルの脇腹にも振動を与え続けていた。
全身が性感帯になったみたいだ。いつもの倍、いや三倍も五倍もの快感が脳を揺さぶる。
「ふふふ、あの呪文はですね、掛けられた相手を強制的に発情させる効果もあるんですよ。
だから、スバルが今『求めている』のは、凄く自然なことなんです。何も間違っていないんです」
手のひら全体で、胸を包み込まれる。
マッサージのような気持ち良さと、愛撫を受ける気持ち良さとが入り混じって、スバルの声は何度も上ずった。
次第に、熱い感覚が昇りつめてきた。乳房があった辺りと、その先端の突起と、二つの波が同時に押し寄せてくる。
今はまだバラバラに来ているだけだけど、もしも重なったら……
熱を帯びた身体が、何かを避けようと捩られる。
でも、イクスヴェリアは許してくれなくて、乳首を何度もバイブする手袋に引っ張られた。
摘み上げられ、捏ね回されて、とどめとばかりに指先を押し付けられた時、スバルの中でうねっていた波が重なった。
「いやぁっ、イクス、イクス、あたし、イっちゃう……胸でイっちゃうぅ……!」
びくん! 跳ねた身体は小刻みに震え、こみ上げてくる絶頂のパルスが、胸から突き抜けていく。
呆けた顔で舌を垂らしていると、下顎をを持ち上げられてくいと回された。
その先にあったのは、イクスヴェリアの唇。同じ大きさになった顔が触れ合って、幾度目かのキスが始まる。
力は抜けきっていて、されるがまま。舌を絡まれて、少女から送られたねっとり濃い唾液を飲み下す。
手を挙げて、スバルはイクスヴェリアの髪に触れた。
小さくなってしまった指先が、決して多くない量の毛を梳いていく。本当なら、もっといっぱい掬えたのに。
とろとろに蕩かされてしまう、長い長いキスが終っても、イクスヴェリアの愛撫は続いた。
首筋から背中へと、噴き出した汗を拭き取るように、指が、手のひらがなぞる。
時折、小刻みに与えられる振動が、神経を溶かし尽くす。
もはや立つこともできない愉悦の中で、イクスヴェリアはその手をスバルの太ももへと持っていった。

693ロストロギアは使いよう! 4/8:2010/02/26(金) 21:46:36 ID:v3n0RK6I
「小さくて、ぷにぷにです。やっぱりスバルは可愛いですね」
以前はイクスヴェリアの腕二本分はあったはずの太ももも、今は頼りない細さ。
その代り、筋肉のついていない柔らかさがある。塩でも揉み込むように、力の入った指先が肌の中に沈んでいった。
イクスヴェリアの手が足先に向かうに連れて、するりと彼女はスバルの横をすり抜けた。
行きがけの駄賃とばかり、脱げかけていたショーツをするりと剥がされ、足首に引っ掛けられる。
真正面からスバルと向き合い──半開きになった足から、無毛の秘裂を覗かれている──、少女はニコリと微笑んだ。
「苛め甲斐のあるところですね……でも、そこにはまだ触ってあげません」
「え、それってどういう……ひぃっ!」
突然、足裏を振動が襲った。いやらしい手つきのイクスヴェリアは、足指に絡めて強烈なバイブレーションを次々と送ってくる。
未知の感覚は、重ねられた愛撫によって性感へと変わり、痺れる悦楽が内股に溜まる。
足首、ふくらはぎへとサテンの白手袋は段々スバルの一番敏感なところに迫ってきた。
内股に振動が当てられると、ずっと溜められていた性感が刺激されて、スバルは嬌声を上げた。
「スバル、これくらいで叫んでいては、これからが大変ですよ」
「こ、これから?」
期待と不安を半分ずつ混ぜた顔で、イクスヴェリアを見上げる。絶対に鬼畜な顔が、そこにあった。
少女の意思が全てで、スバルはその奴隷なのだ。
有無を言わせず、少女の指がショーツへと伸びる。軽く触れられただけなのに、焦らされ続けたスバルは歓喜の声を漏らす。
ぐっと真ん中に指を押し付けられ、程なくして離された。イクスヴェリアの顔がにんまりと歪み、「やっぱり」と呟く。
「な、何がやっぱりなんですか、イクス?」
「……いえ、スバルは思った通りに淫乱だったのだと、失望していたところです」

スバルは、こめかみに思い切り金槌をぶつけられた気がした。
淫乱? そんな、えっちなんかじゃ……
「ここからこんなに糸を引くなんて、えっちな娘じゃなきゃ無理ですよ? それに、私と同じくらいの歳なのに」
恐る恐る、視線を足の付け根に移す。そこには、粘つく銀糸が秘唇と指の間で繋がっていた。
小さくなり、少女に戻ったスバルの乱れた姿は、認めたくないほど背徳的で、認めなければならないほど淫靡だった。
いくら否定したくても、目の前に現実がある。スバルは頭を振って、目の前の光景を拒否した。
「嘘、嘘です! あたしは、えっちな娘なんかじゃないです!!」
「そうは言っても、おまんこをトロトロにしている人に言われたって説得力、ありませんよ」
卑猥な単語を口に出され、スバルの頭にはまた一つ、愉悦のヴェールがかかった。
まだ初潮も来ていないだろう子宮が疼いて、少女に見つめられている場所が熱を持ち始める。
イクスヴェリアは、おもむろにスバルの秘裂に指全体を押し付けると──振動を加えた。
「いやっ、あぁっ、あああああああああああああぁっ……」
スバルは目を見開いた。待ち望んでいた刺激に狂喜し、口の端から涎が垂れる。
幼い秘唇に突きつけられた、脳を揺さぶる快感に、スバルの腰は浮く。
「にゃぁっ、あぁっ、ひぁ、ふああぁっ……」
敏感な粘膜を白手袋が上下に動き、その度に甘い痺れがゾクゾクと沸きあがってくる。
それは、常識では考えられない快感だった。
「でも、これくらいでは済みませんよ」
「え、イクス、まさか……そこはやめ……やめへえぇ……」
つぷり、とイクスヴェリアの指が膣内に入った。バイブレーションが粘膜を蹂躙し、ピンクのノイズが視界に混じる。
そんな中で、少女は冷静に感想を述べた。
「流石にきついですね、指が二本しか入りませんよ」
「あっ、当たり前、です……うあぁっ!!」
狭い膣中で、振動する指が捻られる。同時にピストンも始まって、下から突き上げられる性感が身体を支配した。
津波のような愉悦の中で、しかしスバルは物足りなさも感じていた。
その正体を明かしてしまうのは、イクスヴェリアに屈服してしまうこと──でも、多分もう彼女は知っているはずだ。
スバルの身体を淫らしく開発してきたのは、他ならぬ冥府の炎王なのだから。
「スバルは、本当はこっちを弄って欲しいんですよね?」

694ロストロギアは使いよう! 5/8:2010/02/26(金) 21:47:11 ID:v3n0RK6I
指先で軽く、身体中で一番敏感な突起をつつかれる。
本当に軽く触れられただけに過ぎないのに、スバルはビクリと小さな肢体を反応させた。
秘芯はその包皮から顔を出して、真っ赤な真珠の先端を曝け出していた。
「スバルは、根元の方が好きですか? それとも、先っぽ?」
白々しい質問だった。ニコニコと余裕の微笑みを崩さないイクスヴェリアは、ビクビクと震える秘芯の輪郭をなぞる。
スバルの呼吸が拍を置く度に、その軌跡はどんどん小さくなっていき、遂にはクリ皮に指をかけられた。
「らめぇ……らめれす、しょんなとこ、剥かれたらぁァ!?」
頭がおかしくなってしまいそうな快感を止めてくれと哀願するも、その願いは聞き入れられなかった。
少女の頃に戻った身体。幼い淫核は感度も爆発的に上がっているのに、その本体をぴょこんと剥かれる。
「ふふふ、スバルのお豆、まるでおちんちんみたいですよ。いっぱいに腫れてて、えっちなバイブを欲してる……」
「言わないれ、言わないれぇ……」
回らない舌で懇願し、頭を振る。汗ばんだ肌から飛び散った雫が、一つ二つシーツに染み込む。
茹蛸のように真っ赤になった顔は、ただ小さな少女を見つめることしか出来なかった。
そのイクスヴェリアは、またしても焦らすように、内股に舌を這わせた。
「ひぅっ」
密やかに、けれど愉悦を求める小さな蕾には一切触れてくれない。
自分で摘んで、心行くまで撫で回し、扱き、捻っていたいのに、今はもう腕さえ持ち上げられない。
唾液をたっぷりと含んだイクスヴェリアの舌が、足の付け根を舐め回している。
少女からなすがままに身体を弄ばれることの背徳的な快楽は、スバルをより燃え上がらせた。
ただ、同時に軽い恐怖も感じる。既に桃色の霞で思考が覆われてしまっていたが、訪れる悦楽に気が狂ってしまいそうだ。
腰、というか、秘部の一点を押さえつけられて、スバルは呻く。
度重なる懇願は、まるで届いていない。いつの間に耳栓を填めたのか不思議に思うほど、スバルの願いはスルーされた。
やがて、白手袋はクレバスへと戻ってきた。ぴたぴたと恥ずかしい汁をすくい上げられては、指で伸ばして笑っている。
羞恥でまた顔に朱が差し、血が上ってまた一つ理性が失われていく。
「おねがい、イクスぅ……触って、触ってよぉ……」
涙が流れる。イクスヴェリアはまだ許してくれない。どんなに願っても、発情した身体を慰めてくれない。
少女はそれすらも楽しんでいる様子で、僅かな振動を途切れ途切れに与えてくるだけで、肝心の場所へは何も刺激をくれない。
「認めたらどうですか? スバルは誰よりもえっちで淫乱な女の子なんですよ」
「いやら、いやらぁ……」
最後に残った、米粒のような理性が、最後の留め金になっていた。
しかしイクスヴェリアは、それさえも容易く外してしまい、スバルの心を裸にしてしまった。
「では、仕方ありませんね。スバルが言いたくなるまでバインドで固めて、私はお散歩にでも出かけることにしましょう」
「えっ……?」
イクスヴェリアの手が軽くスバルの手首に触れる。一瞬で浮かび上がった光の輪はスバルを拘束して、離さなくなった。
同じように、足首にも。四肢を動かせなくなったスバルへ、少女はにっこりと微笑む。
「おしおき、です。スバルがいつまで経っても素直にならないから」
それだけを言い残して、イクスヴェリアは立ち去った。後には何も残らない。
静寂が部屋を包んでしばらく経った頃、スバルの顔が蒼褪めた。
「え、う、嘘でしょう、イクス……?」
答えは返ってこない。空しく響いた声が、壁に跳ねただけだった。
何度も呼びかけても、イクスヴェリアは帰ってこなかった。
「イ、イクスー! あたしが、悪かった、から、お願い、戻ってきて下さいー!!」
弄られない身体が耐え切れないほどの熱を帯びて、スバルは半狂乱になって叫んだ。
全身の感覚が一点に集中して、疼きが疼きを呼ぶ。
淫核は今にもはちきれんばかりに勃起して、開発され発情した果実は、早く誰かに食して貰いたそうにひくひく震えていた。

695ロストロギアは使いよう! 6/8:2010/02/26(金) 21:48:44 ID:v3n0RK6I
それからたっぷり半時もかかったか、ようやく帰ってきた時、イクスヴェリアはさも何事もなかったかのような顔をしていた。
「あ、スバル。そろそろ自分に素直になれましたか?」
白手袋はつけたままだ。限界をとっくに超えて焦らされた身体のどこにサテンの生地を触れられても、スバルはびくりと震える。
しなやかな指が秘唇に伸びてクリトリスを摘み、軽い振動を加えられると、悦びに鳴く。
「もしかして、スバルは男の子に生まれてくるべきだったのかもしれませんね?」
否定の言葉を言いかけた唇を、またキスで塞がれる。
口内を蹂躙する舌の動きに翻弄されていたと思えば、イクスヴェリアの指はまた秘豆を押さえつけ、バイブをオンにする。
叫び声を上げることもできず、ただひたすら少女に戻った身体を弄ばれた。
銀糸を口でも秘部でも引いて、イクスヴェリアは妖しい笑みを作った。
「スバルは変態ですよ。私と大して変わらない身長で、胸もこんなに無くて……
それなのに、クリトリスだけはこんなに勃起させて、凄く淫らしい」
クスクスと笑いながら、真っ赤に充血した淫豆を捏ね回される。
耳元で「ヘンタイ」と囁かれ、耳たぶを甘噛みされた瞬間、スバルに残っていた最後の理性が決壊した。
「変態でいいです……変態で、いいですからぁ……あたしのこと、もっと苛めてぇ……」
枯れかけた声で懇願し、情けを求める。
イクスヴェリアはようやく納得してくれたのか、バインドを解いてくれた。
そして、思い切り抱きしめられる。少女の暖かさが身に染みるようだった。
まだまだ子供らしい、高めの体温。長い髪から漂ってくる、どこか懐かしい匂い。
力の砕けた腕で、スバルもイクスヴェリアを抱き返した。いつか、母親に抱かれたことを思い出す。
でも、今ここにあるのは、親子の愛ではなく、恋人との情愛。
暖かさはいつしか熱さに変わり、全身を覆う疼きとなった。
「あ、あの、イクス……?」
涙を浮かべた瞳で上目遣いに見上げると、イクスヴェリアはにっこりと微笑んだ。
今度こそ、許してくれた顔だった。
「ええ。イヤになるほど愛しますよ、スバル」
「イクス……イクス、大好きー!!」

それからのイクスヴェリアは、過酷な責めをスバルに課した。
泣こうが喚こうが、何度イっても絶対にその手を止めることはなかった。
「……ひゃぁぁぁぁっ!!」
「スバル、まだ三回目ですよ? あと最低でも七回はイって頂かないと」
ベッドの上で、スバルはイクスヴェリアに翻弄されていた。
こんなに小さいはずの少女に、いいように淫核を嫐られて、ふつふつと沸く性感は止まることなく爆発する。
本当なら自分より幼いはずの存在なのに、スバル自身が小さくなったせいで、頭の中が混乱する。
背徳を遥かに上回る愉悦の波にさらわれて、ただただイクスヴェリアの責めに全てを任せていた。
「動物みたいに腰を振って、後ろからおまんこいじくられて、気持ちいいですか?
スバルは、ズル剥けになった変態クリトリスをシコシコ扱かれて、恥ずかしくないんですか?」
どこで覚えてきた言葉なのか、スバルは知る術もない。
ただ、フル稼働で振動を与える白いサテンの手袋にだけ、意識が集中していた。
外に出て行ったのも、充電のためではないかと勘ぐるほど、その細かさと激しさは今までの比ではなかった。
肌に接着剤で張り付けたような密着感。それでいて、バイブレーションが与える悦楽は、想像を絶していた。
イクスヴェリアは、スバルを四つん這いにさせて、後ろから一番敏感な粘膜をこれでもかと弄っている。
利き手はずっと刺激を待ち望んでいた淫核を徹底的に扱かれ続け、
もう片方の手はしとどに愛液を垂らす蜜壷に指を三本も挿れて、膣中を掻き回している。
Gスポットと秘芯を同時にバイブされた瞬間など、明らかに何秒か意識が飛んでいた。
虹色に煌くスパークはいつまで経っても消えてくれず、痙攣した身体はもうバインドなんて要らなくなっていた。

696名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 21:49:07 ID:HnLZ766c
大事なことなので(ry

697ロストロギアは使いよう! 7/8:2010/02/26(金) 21:49:20 ID:v3n0RK6I
肘から上の感覚も抜け、音を立ててベッドに倒れこむスバル。
イクスヴェリアは冷ややかに「まったく、堪え性がないですね」とクスクス笑いながら、また淫核を扱き始めた。
「いやあああああぁぁぁっ、もうっ、やめてえええええええええええぇっ……クリトリス、敏感すぎる、からあぁぁぁぁぁ……」
「嫌です」
一瞬で拒絶された。今にも発狂しそうなのに、快楽地獄は終らない。
ぐちゃぐちゃと淫らな水音を立てる秘所からは、
もうティーカップを二つも三つも満たせるくらいの愛液が垂れて、シーツを汚していた。
イクスヴェリアはそれを手のひらに集めると、文字通り蜜を吸う蝶のように啜った。
粘性があるからこそ立つちゅるちゅると響く音が、スバルの顔をまた赤くした。
「んっ……スバルのえっちな汁、凄く美味しいですよ。甘酸っぱくて、スバルらしい味」
スバルは仰向けに寝かせられ、そのまま秘芯にしゃぶりつかれた。
何度も何度も白手袋のバイブでイかせられ続けた勃起豆は、腫れ上がって収まる気配もなく、
コリコリに尖った突起を口の中で転がされて、スバルはただ喘ぐしかなかった。
唇の柔らかさも、口腔の熱さも、舌のザラザラとした感覚も、今のスバルには区別がつかない。
ただ、淫核に与えられる刺激が強烈すぎて、ひたすら絶頂の津波に飲み込まれるばかりだった。
「あはぁぁっ、ひああぁぁぁぁっ、んんんっ、んにゃあああぁぁぁぁ……」
「いっぱいおかしくなって、いっぱい鳴いて下さいね、スバル」
イきっぱなしになった身体は、頂点に上り詰めたまま決して下ろしてくれない。
愉悦の拷問にどっぷりと漬けられて、スバルは発狂するほどの喘ぎ声を引き絞った。
意識が混濁する。膣壁を擦られるのが気持ちいいのか、クリトリスを扱かれるのが気持ちいいのか、
それとも、その全部に送られてくるバイブが気持ちいいのか、全然区別がつかない。
「イくっ、イっちゃうぅぅっ……おまんこも、クリトリスも……おかしくなっちゃうぅぅ……
ああっ、ああぁぁぁっ、ああああああああああああああああああああああぁぁぁぁっ!!」
「ふふふ、素敵な顔ですよ。男の子みたいに大きなお豆弄くられて、こんなにいっぱいえっちなお汁を垂れ流すだなんて、
ホントにスバルは淫乱の変態ですね……」
最大まで振動が膨れ上がった白手袋を秘芯と蜜壷へ同時に当てられた瞬間、スバルは意識から手を離した。
暗転する世界を眼の奥で見ながら、スバルは麻酔を打たれたような睡魔に身を委ねた。

***

「ん……ここは……」
スバルが起きた時、辺りは真っ暗だった。手探りで端末を探し、時計機能を表示する。
明らかに数時間以上眠っていたと見え、日付はとっくに越えていた。
更に手を動かすと、小さな腕に触れた。誰のものなのか、記憶が飛んでいて思い出せない。
ようやく見つけたスタンドの紐を引くと、ぼんやりと部屋の中が明るくなった。
どうやらスバル自身の部屋にいるようで、傍らで可愛く寝息を立てているのはイクスヴェリアだった。
段々と記憶が取り戻されていき、寝る寸前まで、隣にいる少女から凄絶な責めを受けていたことを思い出した。
記憶が吹っ飛ぶほど淫らな言葉で苛めてきたイクスヴェリア。
怒濤のような快楽を脳裏に浮かべるだけで、スバルは顔を真っ赤にした。
下腹部に違和感を覚えてシーツをよく見ると、どっちのものか分からない愛液でぐちゃぐちゃだった。
でも、イクスヴェリアを無理に起こすのも酷な話だ。深夜なんてとっくに終って未明になっている。
取り敢えず後処理だけ簡単に済ませて、シャワーを浴びると、改めてイクスヴェリアの顔を見た。
思わず抱きしめて守ってあげたくなってしまう、あどけない笑み。
それがスバルを相手にすると突然豹変してしまうのだから油断できない。ただ、今は単なる少女、愛すべき眠り姫だ。
唇に軽くキスをして、その可愛い笑顔を眺めていると、突然気づいてはいけないことに気づいてしまった。
手の大きさが、まだイクスヴェリアと同じ。と、いうことは?

698ロストロギアは使いよう! 8/8:2010/02/26(金) 21:50:47 ID:v3n0RK6I
胸を触ってみる。やっぱり小さい。腹に手を触れてみる。訓練などしていなかったかのようにぷにぷにだ。
「……あれ? あたし、まだちっちゃいまま?」

あれから数時間、イクスヴェリアも起き出してきて対処法を聞いたが、
もごもごと口を濁されて芳しい回答が得られなかった。絶対知っているはずなのに。
夜が明けて、太陽が真ん中に来て、夕方になってもイクスヴェリアが帰らないのを心配して、セインがやってきた。
誰から感染ったのか、しばらく前に比べて小言が激増していた。
袖の短くした修道服にショートカットをいからせて、少し舌っ足らずな声が耳に響く。
「シスターシャッハに怒られんのはスバルじゃなくてあたしなんだからね? そこら辺分かってる?
大体、いっつもいっつもイクスを連れ回して、朝帰りどころか夕帰りって、一体何やってるの?
……まさか、不純異性、いや、不純同性交友?
ねぇ、分かる? 『あたし』がツインブレイズ喰らうんだからね?
妹からボコボコにされる気持ち、ちょっとは理解して欲しいなぁ……ってあれ、スバル、小さい?」
小言に夢中になっていて、全然身体の変化に気付いていなかったようだった。
スバルは適当にごまかして、そそくさと部屋の中に戻ろうとしたが、イクスヴェリアは何故かそれが気に入らないようだった。
きゅっ、とシャツの袖を掴んできて、スバルは止められる。
明らかに身長が並んだ二人。セインは短い髪を振り乱して現実と戦っていたが、イクスヴェリアの一言であっさり敗北した。
「セイン『も』、小さい女の子が好きなんですか?」
玄関で鼻血を吹かれたのは困ったが、これで何とか黙っていて貰う口実は作れそうだ。
明らかに同意を示したセインに手を差し伸べると、スバルは白い歯を見せて言った。
「お互い大変だね」
喧々囂々と意味のない盛り上がりを見せた後の去り際、イクスヴェリアは小さくスバルに耳打ちした。
セインには絶対に聞かれたくない類の話だった。
「スバルが元に戻る方法なんですが、少々困ったことがありまして」
「はい?」
「私では──つまり、女の子ではできないんです。解除の条件は、『中に出すこと』、要するに膣内射精です」
……頭が真っ白になった。では、二度と戻れないではないか。
焦点が定まらなくなって固まったスバルに、イクスヴェリアは続けた。
全身をゾクゾクさせるあの甘い声で、空気の振動が耳を撫でていく。
「だから、明日のうちに両性具有の呪文を使って、スバルにいっぱい中出ししてあげますね……
お胎が膨れるくらいどぴゅどぴゅ出して、妊娠するまで注ぎ込んであげますよ。
あ、それとも性転換の方がいいですか? どっちも面白そうです」
開いた口が閉じない。背筋に熱い電流が走って、ふつふつと子宮が疼きだす。
秘芯も反応して肥大し、ショーツに擦れて立っていられなくなりそうだ。
「ぜ、前者でお願いします……」
セインに手を引かれ、子供らしく帰っていくイクスヴェリア。
だが、その眼も心も、既に冥府の炎王としての尊厳と実力を取り戻していた。
立ち尽くす夕闇の中、まだ小さいままな身体のスバルは、
下腹部の熱が呼ぶ愛欲と、胸に沸いた恋慕のせめぎ合いに翻弄された。
「ごきげんよう、スバル」
「ご、ごきげんよう、イクス……」
振り返って妖しい視線をスバルに送った少女は、軽く手を振りながら微笑んだ。
今までにない胸の高鳴りを感じながら、スバルもイクスヴェリアへ手を振り返す。

中途半端に焦らされたような愉悦を残されたまま、冥王は角を曲がって消えた。

699Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/02/26(金) 21:54:27 ID:v3n0RK6I
以後、シリーズごとに末尾の「!」が増えていく。かもしれない。
抜けたら作者の勝ち、抜けなきゃ作者の負け。
前回「おとなのは×ショタユーノ」を希望されたので、
長編がてらそっちも書いてみようと思います。
ではまた。

>保管庫司書様へ
これと前の作品は独立しているので、『短編』のコーナーに収録して下さい。

700名無しさん@魔法少女:2010/02/26(金) 23:38:00 ID:DQQxcaqI
大切な(ry
桃子母さんや寝起きなのはみたい髪を下ろした星光ちゃんとかイメージしたらすごくかわいいんだけど

701名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 00:02:02 ID:zvdxWhPo
ぐっじょおおおぶ!!
良い、ほんと良い、まじ最高。

イクス×スバルって、一瞬ちょっと、それはないだろ、と思ったけど全然悪くない。
精神も肉体も快楽で攻め立てられるスバルのエロいことエロいこと……
ほんと良い腕してらっはる。
これは是非とも、スバルが攻めに回るなんてパターンも見てみたいっすねwww


そして、個人的にはヴィヴィオ陵辱の続きを超期待してます。




>>700
強制はしないし、するつもりもないけど、投下直後に雑談ネタ振るのはあまり推奨しない。

702名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 00:39:27 ID:MJJPd0Rg
>>699
イクスぅぅぅぅぅ


おとなのはさんとショタユーノ…
なのはさんから全力全開な無自覚で酷すぎる逆セクハラと性的児童虐待にさらされるのですね
ユーノ裏山

703名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 01:26:26 ID:W.zXn/NA
ユーノはなのはにどのぐらい搾り取られるんだろう
むしろ満タンまで注ぎ込むかも知れんが

何を、とはあえて言わない

704名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 10:24:14 ID:AC/n.xOs
ガソリンを女性の子宮に注ぎ込んでから火をつけるというのか・・・
北斗の拳でそんなの見たような

705名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 13:50:44 ID:XcZ02xbw
クロノ「いかん!いかんぞぉぉお!」
ユーノ「いきなりどうしたのさ?」
クロノ「この新主人公トーマはいずれヒロインとにゃんにゃんするに違いない!」
エリオ「なんでですか?」
クロノ「うん、まずはユーノのように一人旅や遺跡発掘設定、エリオのように姉のような保護者が居る設定、そして僕のように暗く思い過去に悩む設定だ!」
ユーノ「見事に三人の設定使ってるけどそれが?」
クロノ「それが原因さ!」
二人「へ?」
クロノ「シリーズの三人キャラを使った設定!つまりはハーヴェイの再来!」
エリオ「はぁ…(同族嫌悪ですかね?)」
ユーノ「ふ、ふ〜ん…(半分自己嫌悪だね)」

梅逃げ

706名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 17:42:28 ID:MJJPd0Rg
>>705
ユーノとエリオが冷たいな
クロノ哀れw
まぁ、妻帯者だし当然の反応であろうか

707名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 18:49:33 ID:FjhIT33A
妻帯者だなんて……此処では些細なことだ

708名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 18:56:34 ID:Ab.Vf5pc
妻?フェイトさんのことですね

709名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 19:21:12 ID:Ivqv.B0c
リンディさんはいつまでもピチピチだし
養子のフェイトさんは尻

つまり「ハラオウン」姓が付くことによってエロさがパワーアップするうえに
恒久的に持続するようになるのだ!

エィミィさんもきっとさらに美しく、エロくなっているに違いない
カレルとリエラの将来も楽しみだ

710名無しさん@魔法少女:2010/02/27(土) 21:45:51 ID:lup9ZlBA
カレルとリエラがそれなりに出てくるSSってこれまであったっけ。
二人が割と出張る話を書く予定だからキャラ被らないよう読んでおきたいんだが。

711野狗 ◆NOC.S1z/i2:2010/02/27(土) 22:05:14 ID:/wfRQjdo
変なデンパ来ました。
非エロで三レス予定です。

タイトルは「ばなな」

あぼんは鳥かIDで

712野狗 ◆NOC.S1z/i2:2010/02/27(土) 22:05:49 ID:/wfRQjdo
   1

 飯・即・食
 それがスバルとギンガ、二人がただ一つ共有した真の正義だったはず――

 などという話は一切ない。
 いくらスバルといえども、テーブルの上に置いてあるおやつを見つけ次第食べるなどと言う恥知らずな真似は週に一度くらいしかしない。
機嫌の悪いときは週に二度。
 しかし、置いてあるおやつを見て期待に胸を膨らますのは、スバル的には正義である。ジャスティスである。ウィナーでありビクトリーである。

 そして今日も、スバルのテンションは上がる。

「バナナ、バナーナ」

 それも無理はない。とたまたま台所に入ろうとして奇行を目撃したウェンディは思う。
 今日のおやつはバナナなのだから。
 バナナ、である。
 なのはが聞いたなら、「は?」と言うだろう。
 はやてが聞いたなら、「うううう、ゲンヤさん、そないに貧乏やったんやぁ……みんなエンゲル係数が悪いんやぁ」と泣き出すだろう。
 フェイトが聞いたなら、「やっぱりバナナはおやつに入るんだ」と聖祥小学校時代からの十年以上の疑問にピリオドを打つだろう。
 バナナなど、地球日本ではぶっちゃけありふれたものである。好き嫌いや嗜好は置いて、少なくとも贅沢品ではない。
そしてそれは、ミッドチルダでも同じである。
 が、しかし。
 このバナナはバナナが違うのである。
 スバルの前にあるのは、正確には「スプールスバナナ」である。これは、ミッドチルダでも普通に見られるバナナとはバナナが違うのだ。
 まさに、バナナ・オブ・バナナズ、管理局の白いバナナ、雷刃のバナナ、イノーメスバナナなのである。
 一言で言って、美味い。
 二言だと、超美味い。

「♪バナナバナーナ♪」

 歌になった。
 テンションはひたすら上がっている。絶好調である。
 頭に横から指をぐりぐり突っ込んで「最高にハイッてやつだぁあああっ」と叫びたいくらいである。
 今なら一人でマリアージュ2000体と戦える。2001体いると負ける。2001年は宇宙の旅。
 そんなスバルはなんだか楽しそうだな、とウェンディは思う。
 しかし、実のところウェンディはそれほどバナナが好きではない。
 ナンバーズ時代にお風呂に入ろうとしたら、突然現れた厚顔無恥なドクターがバナナをぶら下げていたので睾丸鞭の刑に処したとか、
そういうシモネタではない。そもそもドクターはバナナというより獅子唐である。もしかするとサヤインゲンかも知れない。
 何故さやいんげん、もとい獅子唐だと知っているかというと、ナンバーズ長姉の教えである。のろけとも言う。実は単なる酔っぱらいだが。

「いい、ウェンディ? 男は大きさとか堅さじゃないの」
「酔ってるッスね、ウーノ姉」
「良いから聞きなさい、大切なことなのよ」
「えーと、トーレ姉やクア姉、チンク姉のほうが」
「ダメ。こういう話をトーレは無視するし、クアットロはマジギレするし、チンクは真っ赤になってフリーズするのよ」
「えーと」
「良いから聞きなさい」
「いや、あの、ウーノ姉……」
「殿方が大きければ大きいなりに、小さければ小さいなりに女性の器は伸びたり縮んだり対応するものなの。それが愛なのよ、ラブなのよ。
愛さえあれば逸物とか名器なんて噴飯ものなのよ。テクニックや大きさだけに拘って性豪ぶる男なんてとんだFU××野郎で、
睦み事の囁きも受け入れずに名器ぶる女はピッチ・ビッチャー・ビッチストなのよ」
「いや、ホント、ごめんなさいッス、勘弁して欲しいッス、ウーノ姉」

713野狗 ◆NOC.S1z/i2:2010/02/27(土) 22:06:28 ID:/wfRQjdo
 2

 純粋に、ウェンディはバナナの味が好きではないのだ。もにょもにょした食感がダメらしい。
 というわけで、ウェンディにとってバナナはかなりどうでもいい。それでも知識としては、スプールスバナナが凄いということは知っている。

「♪バナナバナーナ♪」
 ♪ズンチャッ♪ズンチャッ♪

 ワルツの伴奏がついたような気がするくらいにスバルはノリノリだった。
 そんなにあのバナナは美味しいのか。
 ウェンディは、テーブルの上に置かれたバナナを凝視する。凝視したところで、どうにもならないのだが。

「あれ、そんなに美味しいんスか?」

 疑問は膨らむ。

「♪バナナバナーナ♪」
 ♪デケデケデケデケッ♪

 どうやら、エレキのリズムになったらしい。
 古き良き日のグループサウンズ。最近で言うならゴーオンジャー。

「スバルが壊れていくッス」

 ウェンディは素直だった。
 というか、いくら美味しくてもバナナ一つで壊れる戦闘機人って。
 いやそれよりも、つまり、このスバルに壊されたチンク姉はバナナ以下なのか。ドクター涙目である。
 スプールスバナナ恐るべし。


「♪バナナバナーナ♪」
 ♪チャッチャッチャラーラ♪

 そうこうしているうちにスバルのノリノリカウンターが限界突破してマンボになったので、思わず、

「♪うっ♪」

 ノってしまったウェンディ。
 スバルの動きが止まる。
 ギギキっと音がしたような錯覚を覚えて、ウェンディは凍り付く。
 スバルが自分を見ている!

「……見た?」
「い、いや、何も見てないッス」
「……振動破砕って、痛いらしいよ」
「すいません。見てました。勘弁してください」
「見たんだね」
「はい。不本意ながら」
「……振動破砕って、痛いらしいよ」
「どっちにしても!?」

 どうやら、見たら死ぬ系の悪魔だったらしい。
 ウェンディピンチ。ぶっちゃけ、ティアナに相対したときよりピンチ。というか、あれはピンチではなかった。
未だにどうして負けたのかよくわからない。なんか謎の力が働いたのだろう、というのがノーヴェ、ディードと話し合った結論だ。
 許してもらう方法を必死で考えるウェンディ。
 
 ――考えろ、考えるッスよ! ウェンディ! ここを華麗に突破して、アホの子呼ばわりを返上するッス!

 とっくに某雷刃に奪われているような気もするが、ウェンディは必死だった。
 これほど必死になったのは、クアットロにシュールストレミングの缶を開けろと言われたとき以来である。
その後、全ナンバーズによってクアットロが袋叩きにされそうになったのは記憶に新しい。
恐るべき匂いによりガジェットは破壊され、ナンバーズは全員引きこもりになり、後始末は泣きながらドクターがやった。

 ――そうッス!!

 その時、ウェンディに天啓閃く!

714野狗 ◆NOC.S1z/i2:2010/02/27(土) 22:07:02 ID:/wfRQjdo
  3

「ただいま」

 チンクとディエチが連れ立って帰ってくる。
 ノーヴェはまだ道場にいるらしい。

「誰もいないのかな?」
「さあ。まあいい、ディエチ、荷物を先に台所に頼む」
「うん」

 ディエチは、チンクから買い物袋を預かると台所へ向かう。
 そこでは……

「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
 ♪ドンドコドコドコッドンドコドコドコッ♪

「……ウェンディ? スバル?」
「……見た?」
「……見たっスね?」
「な、何も見てない。見てないから」
「……振動破砕とディバインバスター、どっちが痛いかなぁ?」
「……それは楽しみっスねぇ」
「ごめん、見てた。許して」
「ディエチ、見てたッスか?」
「うん。ごめん」
「……振動破砕とディバインバスター、どっちが痛いかなぁ?」
「問答無用!?」



「ディエチ? いつまで台所に……」

「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」

「ひっ!?」



「ただいまぁ。あれ? みんな何処行った? チンク姉?」

「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」

「ち、チンク姉?」



「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」
「♪バナナバナーナ♪」



「ただいま。あれ、みんな何をやっているの? あ、バナナ。いただきます」
「あ」
「あ」
「あ」
「あ」
「あ」
「あ。おいしい。なにこれ。あー、スプールスバナナか。なるほど」
「あれ」
「あの」
「ギンガ姉さん?」
「ギンガ?」
「ギン姉?」
「……あ、ごめん。全部食べちゃった」



 その夜、高級バナナを探して深夜スーパーをハシゴするギンガの姿があったとか……

715野狗 ◆NOC.S1z/i2:2010/02/27(土) 22:07:32 ID:/wfRQjdo
以上お粗末様でした。

なんだこれは…………

716ザ・シガー:2010/02/28(日) 00:13:02 ID:Yfcdc46o
野狗氏投下乙ぅ

うわ、なんだろう……一人で誰もいないと思って鼻歌を口ずさんでるところを知人に見られる気恥ずかしさ。
めちゃくちゃ共感できちゃったんだがww
んで、ナカジマ家の子らが可愛いのなんの。
特にラストのギン姉に激しく萌えた。
やっぱりギン姉はいいのう……もっとエロとか増えるといいよ!


しかし、ドクターの唐辛子発言とかひでぇww
せめて魚肉ソーセージくらいは、さww




さぁて、投下祭でわっしょいしてるところで、俺も投下しますかね。
ヴァイシグ、短編、エロ、タイトルは『烈火の将のメイド日和』

717烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:13:49 ID:Yfcdc46o
烈火の将のメイド日和


 冬もじき終わる、そんな時節だった。
 これが最後の勢いと、粉雪を孕んだ大気が寒風となってビルの谷間を駆け抜ける。
 そんな中を、人々は皆足早に家路に着く。
 男、ヴァイス・グランセニックもまたそんな一人だった。
 我が家たるマンションの一室にたどり着くや、彼はそそくさとドアを開こうとした。
 そしてドアノブを握った瞬間、気づく。
 今朝家を出た時はしっかりと掛けた筈の鍵が開いている事に。
 空き巣、という可能性は即座に消えた。
 通路側に面したキッチンの窓から明かりが漏れ、なんとも美味しそうな料理の匂いが漂うのを感じる。
 誰かが料理をしている証拠だ。
 ヴァイスの家の鍵を持つ人間は、彼を除いて二人。
 事前に連絡を聞かなかった事を考慮し、彼は即座に相手が誰かを憶測した。


「ただいまー。ラグナ、来てたのか?」


 妹の名を呼びながら、彼はドアを開けた。
 だがしかし、彼の予想は一瞬で裏切られる事になる。


「おかえりなさいませごしゅじんさま」


 と。
 かなり棒読み気味なそんな台詞と共に頭を垂れた女性が帰宅した彼を出迎えた。
 黒を貴重とした派手さのない服装、清楚さをかもし出すロングスカート。
 豊満でめりはりのある身体を包むフリル付きのエプロンに同じくフリルのカチューシャを装着したポニーテールの頭。
 顔はどこか恥ずかしそうに紅潮し、はにかんだ笑み。
 どこに出しても恥ずかしくないメイドが、そこにはいた。
 そんな女性の姿に、ヴァイスは愕然としつつ、問う。


「な、なにやってんすか……シグナム姐さん?」


 妹以外にもう一人、自分の部屋の合鍵を持つ者。
 数年来の上司にして、プライベートでは恋人でもある女性、シグナムに。





 メイド姿のシグナムは、格好だけでなくその所作や家事の腕も中々に見事だった。
 一人暮らしの男らしくやや不精気味なヴァイスは、無論自宅も散らかっている。
 だがそれが、シグナムの手によって綺麗に整頓され、今では塵ひとつない。
 そして普段は手軽なインスタント食品で済ませる事の多い食卓も、栄養バランスの取れた立派なメニューが作られ。
 さらには食後のコーヒーまで完璧に淹れられるという様だ。
 普段の生活様式ではまず味わう事のないその充足に、ブラックコーヒーの苦味を味わいながらヴァイスは思う。


「いや、すいませんね姐さん」

「気にするな、これも約束だ。ご主人様」

「ちょ、その呼び方はどうにかなんないんすか?」

「こうした方が気分が出るだろう?」


 食事の後片付けをしながら、どこか悪戯っぽく、同時に少し恥ずかしそうな表情でシグナムは言った。
 言いながらもてきぱきと食器を台所に運び、てきぱきと後片付けを進める姿はもはや熟練の家政婦さながら。
 剣だけでなく家事の腕前もそれ相応にあるという、彼女の意外な事実にヴァイスは胸のうちに感嘆を覚えた。
 そして、また同時に思う。


「しかしまあ、姐さんも律儀っすねぇ」

「気にするな、それが性分だ。どんな些細な事とて、約束を違える事はできん」


 約束。
 それこそが、今こうして烈火の将を家政婦たらしめている理由であった。





 事の始まりは先週の日曜日の事だ。
 職場では上司と部下である二人も、私生活では愛し合う恋人同士。
 ならば出来る限りの時間は共有するのが自然である。
 一人暮らしであるヴァイスの家にシグナムが足を運ぶのも珍しい事ではない。
 そして、きっかけは食事中に見ていたTVだった。

718烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:14:21 ID:Yfcdc46o
 とあるスポーツ中継、二つのチームの試合。
 一方は毎年優勝を狙える強豪チーム、もう一方は毎年最下位争いに甘んじる弱小チーム。
 奇しくも前者はシグナムが好きなチームで、後者はヴァイスが好きなチームだった。
 応援するチーム同士の対決に、その勝敗を二人は予想した。
 もちろんだが、両者の意見は真っ向反対。
 シグナムは強豪チームが勝つと信じて疑わないし、ヴァイスは弱小チームが勝つことを切に望む。
 こちらが勝つに決まっている、いいや今日こそはこちらが勝つ。
 まったくくだらない言い合いだった。
 そんな時、彼女は戯れにこんな事を言った。
 “もしそちらが勝てば何でも好きな事を聞いてやる”と。
 食後に飲んだアルコールのせいもあってか、物静かなシグナムにしては剛毅かつ大胆な物言い、バトルマニアの気性。
 同じくアルコールをたっぷり煽っていたヴァイスがこれに応じぬ道理はなく。
 望むところだ、と彼は受けてたった。
 そして、勝敗は意外な結末を迎えた。
 降水確率十%以下だというのに突然降り始めた豪雨、大量の雨によりぬかるむグラウンド、ぬかるみに足を取られて負傷してしまった強豪チームのエース。
 まるで神の気まぐれか、はたまた悪い冗談か、それとも奇跡か。
 幸運の継ぐ幸運によって弱小チームは順当な予想を大きく覆して大勝利を収めた。
 試合終了後の勝利者インタビューを見ながら、シグナムもヴァイスもあまりの事に呆然とテレビ画面を見つめていた。


「……で、どうするんだ?」


 とは烈火の将の言葉。
 何を、何故、と投げかけられたヴァイスは一瞬思案し、そして察する。
 試合開始前に交わした約定に他ならない。
 だが、どうする、と言われても困る。
 元よりヴァイス自身もまさか本当に勝ってしまうなんて想像していなかった。
 それに今更恋人に何か特別にお願いしたい事なんて、正直に言ってあまりない。
 既に口付けはおろか、もっと深い愛の契りも交わしている。
 一瞬、結婚、という言葉が脳裏を過ぎったが、それはいつかもっとちゃんとした場面で言おうと胸にしまいこむ。
 明らかに迷い顔のヴァイスに、シグナムはきりっとした眼光で、さっさと言え、と告げていた。
 ああもう、何でも良いか、っていうかメンドクセー。
 そう判断したヴァイスは、とりあえず視界の隅で見ていたテレビ画面のCMに登場した衣装を見て即決。
 

「じゃあメイドさんで」


 と、言った。





 そして現在に至る、という訳だ。
 飲み終えたコーヒーカップをソーサーの上に置きながら、食器洗いに専念するメイド姿のベルカ騎士へとヴァイスは口を開く。
 

「ところで、その服どうしたんすか?」


 彼の問いに、シグナムはポニーテールの髪をふわりと揺らして顔だけ振り返る。
 口元に微笑を浮かべた彼女がするそんな仕草は、それだけで無性に男心をくすぐる破壊力。
 だが彼女自身はそんな事など露ほども知らず、濡れた手でエプロンの裾を持ち上げた。


「ん? これか? これは一応、騎士甲冑だ」

「騎士甲冑、なんすか?」

「ああ、本で調べてこういう風にデザインを変えただんだ。さすがに……実物を買うのは気が引けてな」


 その言葉に、シグナムがコスプレ衣装の店に足を運んでメイド服を所望する様が一瞬夢想する。
 なんだか妙に笑えて、ヴァイスは口元に手を当てて笑い声を押し殺した。
 そんな彼に、食器洗いを再開したシグナムが後ろを向きながら声を掛けた。


「あ、もしかして……やはり似合っていなかったか?」


 と。
 自分の服装と、メイドの真似事をする様に対する問い。
 不安と期待の入り混じった言葉。

719シロクジラ:2010/02/28(日) 00:14:50 ID:SIzIK3IQ
野狗氏GJです。
ほのぼのしているようで内容というかキャラはシュール系というテンションが実に。
こういう味もあるんですなあ。とラーメンに桃屋のラー油入れたような気分です。

さて私も投下します
新作っぽいネタ完成。
今回の作品は作者の脳みその煮え具合が密接に関係しており、ウフフアハハ。
つまり変態ネタ満載です。
内容はタイトルで想像できるかと。

注意事項
・キャラの変態化
・ギャグ……エロ?
・オナニーシーンがある
・そもそも正規ヒロインの存在感0
   …書き連ねるとすごい悪臭が。

NGは「シロクジラ」のコテで。

720烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:15:01 ID:Yfcdc46o
 ヴァイスは即答する。


「そんな事ないっすよ。凄く似合ってます」


 嘘偽りない信実だった。
 鋭い美貌を持つ生粋のベルカ騎士たるシグナムと、ひらひらのフリル付きエプロンを纏ったメイド。
 主人に仕えるという点以外、どう考えても似合わない組み合わせに思える。
 だが実際はどうだろうか。
 清楚で落ち着きのある立ち振る舞い、行き届いた家事の腕前。
 普段の凛々しく勇ましい姿が嘘のように、今の彼女はなんとも実に正しくメイドだった。
 ヴァイスの言葉に、シグナムは幾分か嬉しそうな恥ずかしそうな色を孕んだ声音で答える。
 

「そうか? なら、良かったのだが……」


 よく見れば耳たぶがほんのりと上気して赤くなっている。
 彼に褒めてもらえたのがよっぽど嬉しいらしい。
 凛とした大人の女の雰囲気を漂わせる彼女が見せる、うぶな反応は普段とのギャップもあってとても愛くるしい。
 瞬間、ヴァイスは強烈にシグナムが欲しくなった。
 思い返せばこの一週間、ろくに二人の時間は取れずキスもしていない。
 そう思うや、自然と足は彼女の元へと進み、後ろから抱き寄せるように腕を腰に絡ませる。


「ちょ、ヴァイス?」


 突然の事に驚き、シグナムは思わずびくりと身を震わせた。
 だが、ヴァイスは構わずその豊麗な肢体に指を這わせる。
 くびれたウエストを撫で、その上でエプロンを押し上げて山を作っている乳房をなぞり、白く艶やかな首筋に達し、顎先に添え。
 そして後ろに立つ自分へと顔を向かせ、強引に唇を奪った。


「んッ……」


 突然の口付けにシグナムは身体を強張らせるが、それも一瞬。
 彼女は従順に愛する男のキスを受け入れ、舌を絡ませる。
 重なった唇の合間からは舌と舌が絡み合う淫らな水音が響き、空気は甘く爛れていく。
 しばし、二人は時を忘れて互いの唇に溺れるように没頭した。
 そして口付けの時間は、終わりは始まりと同じく唐突だった。
 透明な唾液の橋をかけながら、そっとヴァイスが顔を離す。
 甘い口付けが恋しいのか、シグナムは軽く舌を出して物欲しそうな顔をした。
 だが、そんな彼女の耳元で囁くヴァイスの声。


「じゃあ、続きはベッドで、な?」


 彼の言葉に、シグナムは言葉ではなく小さく頷いて返した。





「さて、それじゃあどうしようか……」


 ベッドに腰掛けて、ヴァイスは言葉を連ねながら目を細める。
 瞳に宿るのは冷気さえ感じるような獰猛な光。
 情事の時に見せる彼の一面、普段の飄々とした顔が嘘のような黒く冷たく情欲に燃える雄の様。
 シグナムは、自分に向けられるその眼差しに下腹部が熱を帯びるのを感じた。
 そんな彼女の爛れた期待に答えるように、ヴァイスは口元を吊り上げて笑みを作り、言う。


「じゃあ、メイドらしく奉仕でもしてもらおうかな」


 言葉と共に、彼は大きく両脚を開いた。
 その所作と言葉が告げる意、シグナムに求める性的な愛撫。
 彼女は頬をうっすらと赤く染めながらもこくりと小さく頷き、ヴァイスの脚の間に跪いた。

721烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:16:10 ID:Yfcdc46o
 そしてゆっくりと、だが淀みなく手を彼の股ぐらに伸ばすとファスナーを下ろしていく。
 既に張り詰めていた男の怒張は解放されるや、雄雄しく天を突いて屹立した。
 見慣れたものだとは言え、シグナムは思わずごくりと唾を飲む。
 漂う蒸れた性臭、エラの張ったカリ首、浮き上がり脈動する血管、太く硬い幹。
 正しく凶器と称して有り余る肉棒のその威容に目を奪われる。
 そして彼女は、これが見た目以上に凶悪であるという事も十全に知っていた。
 一体幾度、この凶器で突かれ、抉られ、掻き乱されて、快楽の果てに追いやられたのだろうか。
 そんな詮無き事を思いながらシグナムは硬くなった肉棒へと奉仕を始めた。
 強すぎず弱すぎない、絶妙な力加減で握り、軽く上下に扱きあげながら亀頭に舌を這わせる。
 先端の鈴口に、カリ首に、裏筋に、今まで覚えこんだ彼の性感帯の隅々を舌先で舐めあげていく。
 メイド衣装の一部である手袋が幹を擦る音と、シグナムの舌が剛直を味わう水音。
 荒い息遣いも交えたそれらが、静かな部屋に淫猥な響きとなって奏でられた。
 

(ん……もうすぐ、出るのか)


 奉仕を続けながら、シグナムはヴァイスがもうじき達するのを感じ取った。
 剛直の張り詰め具合、幹の震え、舌先に広がる我慢汁の味の変化、彼女はそれらの変化から彼の絶頂のタイミングを完璧に熟知しているのだ。
 限界が近い事を察したシグナムは幹を扱く手と亀頭を吸い上げる。
 瞬間、ヴァイスの口から呻きに近い声が漏れ、同時に彼女の口の中で熱い精が弾けた。
 口の中に広がる塩見を帯びた苦味、独特の臭気。
 だがシグナムはそれらを少しも嫌がらず飲み干す。
 

「んぅ……ぷはぁ」


 口を離せば、肉棒との間に唾液と精液の交じり合ったカクテルが橋をかける。
 味わった精の余韻に陶然としながら、シグナムは眼前の剛直がまだその硬さを微塵も失っていない事に気づいた。
 一度くらいの射精では満足しないその強欲とも呼べる威容。
 下腹部の子宮が一段と熱を帯び、疼く。
 この熱を、口でなく“ここ”に注いで欲しいという浅ましい欲求が、彼女を騎士でなく女へと変えていた。
 頬は上気して赤く染まり、瞳はとろんと蕩けていく。
 そして、そんな彼女に、酷薄な微笑を浮かべたヴァイスの声。


「ふぅ、気持ちよかったですよ、姐さん。それじゃあ、今度はこっちの番っすね」


 言うや、彼の瞳はギラついた輝きを見せる。
 雄の眼。
 雌を喰らう情欲に燃える、男の眼差し。
 そして続くのは、いつもと違うどこか冷たい口調の言の葉。


「まず立って、それからスカートをたくし上げてもらおうか」


 静かだが高圧的、最初から反論を許さぬ残響。
 それは年下の部下ではなく、一人の男が自分の女へと命じる意思。
 逆らう事などできない、しようとすら思わない。
 シグナムは無言にて、ただ彼の言う通りにする事で答える。
 静かに立ち上がり、丈の長いスカートの裾をたくし上げる。
 そうして現れた景観に、ヴァイスの口から、ほう、と感嘆の声。
 ロングスカートの下に隠されていたシグナムの肢体は、それほどに色めいていた。
 引き締まった下腹部、肉付きの良い腰から尻へのライン、そこからすらりと伸びるむっつりとした太股。
 それだけでも男を滾らせて止まない女体の美観だというのに、さらにそれを彩る装束もまた淫猥だった。
 両脚を包む黒いストッキングに、それを腰から吊るすガーターベルト、それらに色を合わせた黒のレース地のショーツ。
 彼女の肢体は既に見慣れているヴァイスだが、それでも今目の前に晒されたその様に、一段と劣情が燃え上がるのを感じずにはいられない。
 そして、彼は言った。
 嗜虐なる愛欲のままに。
 

「こりゃまた、エロい格好だ。しかも……中身も劣らずいやらしいときてやがる」


 言葉と共に伸びる手。

722烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:17:26 ID:Yfcdc46o
 ヴァイスの指はゆるりと動き、シグナムの股ぐらに触れた。


「……んぅぅッ」


 そして静かな部屋に、ぬちょり、と響く小さな水音、上ずった女の喘ぎ。
 ストッキングにまで垂れる湿り気が、何とも言えぬ発情した雌の良い香りを漂わせる。
 濡れるシグナムの女を、ヴァイスは責めた。


「俺のをしゃぶって興奮してたのか。なんとも、酷い淫乱メイドだな」

「やぁ……ちが、ひゃぁッ!」

「違わないだろう? 後から後から、どんどん溢れてくるぞ?」



 彼女が発しようとした否定の言葉を、甘い快楽が中断させた。
 下着を浅くずり下ろし、彼の指がより深く、より激しく膣肉を掻き分ける。
 指を締め付ける感触が面白いのか、責められるシグナムが愛しいのか、言葉も愛撫も加速を止める事はない。
 蜜壷を抉り、陰核を転がし、秘裂をなぞり、恥じらい喘ぐ様をたっぷりと言葉で苛めてやる。
 淫らでいやしい、恥知らずな淫乱、そんなに入れて欲しいのか、達したいのか。
 既にいつもの部下としての、年下の後輩としての仮面は脱ぎ捨てて、彼女を愛し支配する一人の男としての顔で。
 ヴァイスは入念に愛撫を成す。
 いつもならもう我慢できずに押し倒し、獣のように貪っているのだが、今日は我慢する。


「さて、こんなもんかな」


 言葉と共に彼は指を秘所から引き抜いた。
 指と秘裂の間に透明な蜜の糸が引き、シグナムの顔が責められている時よりも苦しげになった。
 ヴァイスはタイミングを合わせ、彼女が達する寸前で愛撫を止めたのだ。
 自分を焦らして苛める気なのだと、シグナムはすぐに察する。
 そして背筋がぞくぞくするのを止められなかった。
 普段は凛々しく気高いベルカ騎士である彼女だが、男との情交においては被虐的な性癖が垣間見える。
 身も心も激しく責め立てられるほどに乱れ、深く快楽の中に沈んでいくのだ。
 もっと苛めて欲しい、もっと責めて欲しい。
 決して守護騎士の仲間や主、部下や同僚には見せられない、知られてはいけない、彼女の淫猥な恥部。
 それを知る唯一の男は、知っているが故に、期待に応えた。


「物欲しそうな顔してるな。それじゃ、そろそろ本番と行こうか」


 ヴァイスの発した言葉に、その意に、シグナムは瞳をさらに蕩かせて、ごくりと唾を飲んだ。
 本番。
 これから犯される、犯してもらえる、貫かれる、注がれる、蕩かされる。
 昂ぶる期待に下腹部が熱くなり、子宮が疼き、秘所から伝う蜜が量を増した。
 だが、ヴァイスが次に発した言葉は意外なものだった。


「メイドらしく、自分から跨って、俺を満足させろ」


 と。
 彼が欲したのは、騎乗位、自分が上になっての行為だった。
 二人が床の上で身を重ねる時、その主導権は大概ヴァイスにある。
 故に自然と彼がシグナムを責める形になり、騎乗位などの体位で交わる事は少なかった。
 今日はこの服装、メイドという雰囲気を重視するという事だろうか。
 シチュエーションはさておき、普段する事のない形での結合に彼女の胸中には期待と不安がない交ぜになる。
 だが、彼女に拒否する権利などないし、する気もなかった。
 言われるままに、請われるままに、シグナムは彼の言に従う。
 既にびしょ濡れになったショーツを脱ぎ、スカートの裾を腰のところで押さえて尻を彼に腰の上に下ろしていく。
 背後がちゃんと視界に入らないので挿入できるか心配だったが、ヴァイスが尻肉を鷲掴みして軌道修正。
 果汁で濡れそぼる秘裂に小さな水音を立てて亀頭が押し当てられ、互いの熱が伝わりあう。
 位置が正しい事を悟り、シグナムはそのままゆっくりと腰を下ろしていった。


「んぅ……はぁぁ」


 鼻にかかった甘い声を漏らし、メイド姿の美女騎士は喘ぐ。
 待ちに待った結合、愛する男のいきり立った肉棒に貫かれ、痺れるような快感が身を焼いた。

723烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:18:02 ID:Yfcdc46o
 体重を掛けて根元まで剛直を飲み込み、亀頭の先端で子宮口を叩かれた瞬間、シグナムは背筋に電撃が走るのを感じた。
 

「はぁあッ!」


 背を弓なりに反らせ、全身をしならせ、震わせ、一際甲高い嬌声がこぼれる。
 昂ぶりきったシグナムの身体は、たった一突きで達してしまったのだ。
 膣肉はまるで、美味しい美味しい、と言うように肉棒を締め付けて愛液が一層と溢れる。
 結合部から滴る蜜、自分の剛直を食む媚肉、喘ぐ雌に、ヴァイスは快楽に酔い痴れながら嗜虐の炎を加熱させていった。


「はは、もうイったのか? ったく、本当にとんでもない淫乱メイドだ」

「そ、そんなこと……ひぅ!!」


 否定の言葉を遮る快楽、後ろから伸びた手に服の上から乳房を強く揉みしだかれた。
 豊満な乳房を力強く揉み、先端の肉豆を指先でこりこりと弄りながら、ヴァイスは彼女の耳元に顔を寄せ、囁く。


「良いから早く動いて俺を満足させろ――い・ん・ら・ん・め・い・ど」


 一言一言を区切って、シグナムの被虐心をたっぷりと嬲る低い声。
 彼の言葉責めに、淫蕩な雌騎士はぞくぞくと肌が粟立つのを感じる。
 肉も魂も、その全てを彼に貪られる悦び、マゾヒズムの充足が愉悦を呼ぶ。
 淫靡で背徳的な悦びのままに頷き、シグナムはヴァイスの言葉に従った。
 快楽の余韻に震える脚に力を込め、腰を振る。


「ひぁッ……あああ!!」


 雌がその身を上下すれば、自然と彼女を貫く雄が媚肉を容赦なくそのエラの張ったカリ首で抉り、掻き乱す。
 先ほど達したばかりで敏感な身体を容赦なき快楽の電撃が駆け抜けて、甘く蕩かせていく。
 もはや理性など意味を成さず、シグナムはただ欲するがままに動いた。
 上下に左右に、膣肉を抉る肉棒を求め、強く激しく腰を振りたくる。
 たくし上げたスカートの裾を強く握り、髪を振り乱し、雌は乱れた。


「ふぅんッ……ひゃぁあんっ! ああぁ……ああああ!!」


 鼻に掛かった甘い声で鳴き、喘ぎ、悶え、シグナムは一気に腰の動きを速め、彼を求めた。
 思考は既に桃色に染まり、快楽に溺れきっている。
 早く行きたい、たどり着きたい。
 たっぷりと体重を掛けて剛直を味わうほどに、悦楽の頂が近づいているのを察して、シグナムはさながら発情した雌のように必死に屈伸を繰り返す。
 あと少し、ほんのあと数回突かれれば、イケる。
 身を焼く快楽のままに、烈火の将は身体を沈めようとして……できなかった。
 後ろのヴァイスが彼女の腰を掴み、動きを制したのだ。
 あと少しで達する事が出来たのに、それを止められたシグナムは髪を振り乱し、眼にいっぱいの涙を溜めて懇願する。


「や、やめて……後生だから……焦らさないでくれ」


 振り返り、眉尻を下げた力ない表情で哀願するが、ヴァイスは彼女のその様に口の端を吊り上げて微笑。
 凄まじく嗜虐的な黒い笑みを浮かべ、言った。


「違うだろう? 淫乱メイドは淫乱メイドらしく、ちゃんといやらしくご主人様にお願いしなきゃ」

「そんなぁ……」

「嫌なら今日はここでおしまいだ」


 彼のその言葉に、一切の嘘偽りはなかった。
 シグナムがだんまりを決め込めば、本気で終わらせる気だ。
 恋人同士、目を見ればそうだとすぐ分かった。
 ヴァイスは言わせたいのだ、自分が淫らに堕ち、彼の女であるという事を。
 もはや理性など肉欲の波に飲まれた雌騎士は、淫乱メイドは。
 次の瞬間、堰を切ったように彼の望むままに口を開いた。


「わかった……いう、いうからぁ! わたしはぁ、スケベで淫乱なマゾメイドですぅ! だから、いかせ、ひゃあああ!」


 言い切るより前に快楽の洪水が身をつんざく。

724烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:18:40 ID:Yfcdc46o
 シグナムの言葉を受けたヴァイスが手を離し、体重のままに腰が沈んだのだ。
 瞬間、シグナムは達した。
 凄まじい悦楽の電流が身を引き裂き、背筋を駆け巡っては脳髄に満ちていく。
 エプロンに包まれた乳房を、ぶるん、と音がしそうなくらい揺らし、背を折れんばかりに仰け反らせ、瑞々しい女体の隅々がしなる。
 蜜壷はその肉ヒダの一つ一つを蠢かせ、己を貫く雄をこれでもかと食み、咀嚼し、締め付ける。
 媚肉を貫くヴァイスもまた、その快楽に限界を迎える。
 押し殺しきれぬ呻くような声を漏らし、腰が浮くように震えた刹那、白濁の脈動が雌騎士の中へと解き放たれた。
 どくどくと溢れる粘着質な白い洪水、とても一度射精したとは思えぬ盛大な射精。
 身を内側から焼くような甘い灼熱に、シグナムは蕩けきった顔で恍惚と震えた。


「はぁ……せぇし、すごぉ……」





 激しく交わった後の心地良い気だるさのまま、二人は肌を寄せ合って一つのシーツに包まっていた。
 あの後も二人は何度も何度も互いを求め、存分に愛と肉欲を満たした。
 もはやシグナムのメイド服は精の白濁でたっぷりと汚れてしまい、今の彼女の身を包むのはガーターストッキングと髪につけたカチューシャだけ。
 メイド姿とはまた違った趣に、内に秘めたフェティシズムを刺激されたのか、ヴァイスは一段と燃えたようだ。
 ベッドの上で彼に身を預けながら、もし機会があればまたこんな風にするのも悪くないと、シグナムは思う。
 と、そんな時だった。
 今まで静寂に満たされていた部屋に、光と音が生まれる。
 発生源はベッドに正面に鎮座する一つの家電製品、テレビ。
 どうやらヴァイスがリモコンを操作してスイッチを入れたようだと察し、彼女は問うた。


「どうした?」

「いや、ちょっと明日の天気予報を……」


 言いながらヴァイスはせわしくなくチャンネルを変えて行き、そして指を止める。
 シグナムが何気なく視線をテレビに向けると、そこには天気予報やニュースではない番組が映っていた。
 それはスポーツ観戦の生中継で、奇しくもこの前賭けの対象にしたチームの試合だった。
 妙な縁を感じるその光景に、ふとシグナムの口元に微笑が宿る。
 そして彼女は、愛する男の顔を見上げ、告げた。
 
 
「なあヴァイス」

「なんすか?」

「いやな、どうせならまた賭けないか?」


 彼女の言葉に、ヴァイスは苦笑する。
 画面を見れば両チームの得た得点が表示されており、それは馬鹿馬鹿しいくらいにヴァイスの応援するチームの不利を明示していた。


「……今度は明らかにこっちが不利なんっすけど」

「一度勝ったんだから、譲っても良いだろう? それにまだ負けと決まったわけじゃない」


 静かな口調の中に有無を言わさぬ迫力を込め、囁くシグナム。
 どうやら負けず嫌いのバトルマニアの癖が出てしまったらしい。
 こうなった彼女に逆らう事もないと、ヴァイスは不承不承と頷いた。


「はいはい、分かりましたよ」

 
 と。
 そして二十分後、試合終了を告げる審判の声が上がり、見事なくらいにヴァイスは敗北を喫した。
 そんな彼に、シグナムは朗々と告げた。
 今度は自分の番だと。





「今帰ったよー」


 帰りを告げる声と共に、八神はやては玄関を開けて我が家へと帰り着いた。
 だが彼女の顔に浮かんだのは、仕事を終えて家に帰り着いた安堵ではなく、不可解そうな疑問の表情。

725烈火の将のメイド日和:2010/02/28(日) 00:19:20 ID:Yfcdc46o
 なにせ彼女の目の前にいたのは、なんともありえない格好の人物だったのだから。


「お帰りなさいませお嬢様」
 

 と。
 そう告げて深々と頭を垂れたのは誰あろう、ヴァイス・グランセニックだった。
 そしてその台詞もさる事ながら、格好もまたおかしい。
 ワイシャツに蝶ネクタイ、そしてベスト。
 なんというか、一言で言えば執事的なものである。
 とうか、なんでヴァイスが自分の家でそんな事してるのだろうか。
 はやてはぽかんとしたまま、思うままに問うた。


「あ、あの、なんでヴァイス陸曹がうちでにおるん?」


 その疑問に答えたのは、ヴァイス本人ではなく、居間から訪れたシグナムだった。

 
「ああ、ヴァイスは今日一日うちで執事をやる事になりまして」

「なんでまたそないな事を……」


 ちらりとヴァイスに向けられるはやての視線。
 彼は少し困ったような、それでいて少し楽しそうに苦笑を浮かべ、言った。


「まあ……ちょっとした約束でして」



終幕。

726ザ・シガー:2010/02/28(日) 00:21:02 ID:Yfcdc46o
はい投下終了。
なんかもう、522氏のSSのメイドシグナム見て突発的に書きたくなって書きました。
シグナム姐さんのSSなのに胸をあまり活用できなかったのだけが少し残念。

次回は念入りに使いたい所存。

727シロクジラ:2010/02/28(日) 00:25:41 ID:SIzIK3IQ
       / ̄ ̄ ̄\
     / ―   ― \
   / ;;;(◯)::::::(◯);;;\   ・・・・・・
  |      __´___    |
  \     `ー'´   /
やってしまいましたね。いろいろすいません。
・・・というわけで今晩は無理っぽいので、ではでは。
割り込み、失礼しました。

728名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 02:12:58 ID:02XIt6Oo
フェイト・・・・・・その疑問を十年抱えるって・・・・・・www

729ふぁす:2010/02/28(日) 02:48:33 ID:aw4IOs6Q
あえて空気を読まず投下いたします
「前世夫婦の御乱心 後編」はしばしお待ちを

・キャラ崩壊系ギャグ?
・クロノ×エイミィ前提でクロノ&ヴェロッサ
・NGは「友人が珍しく直球です」でお願いします

730友人が珍しく直球です:2010/02/28(日) 02:49:44 ID:aw4IOs6Q
自分の友人、クロノ・ハラオウンは世間的には男前で通ると思われる顔だちである。黒髪に青い目、別の友人の世界の言葉でいうところのエキゾチックな容姿とも取れなくもない。もうすぐ二十代に突入する息子がいるとは思えない美しい母親と、やはり男前で通る父親の間に生まれたのだから、美形にもなるだろう。
 身長は高身長というわけでもないが、人並みにはある。無愛想ではあるが、根は優しく、世話焼きだ。
 しかも、仕事もできる上に、地位もある。それ何て完璧超人――といったところである。
 そう思う、ヴェロッサ・アコースは、そんな友人のいろんな面を知っている。それこそ、心のどこかが腐っている大きなお姉さんたちがハアハアと呼吸を乱す程度には。管理局勤務のどこぞのオペレーターの女性たちがそういう話をしているのをたまたま聞いてしまった時は、さすがのヴェロッサでもちょっとへこんだ。某夜天の主に愚痴を呟いたら、ポンポンと肩を叩かれ、『それはな、美形に生まれてしまった男子の宿命や……』としみじみ呟かれてしまった―――中の人はガチオタである彼女らしい発言である。


 それはともかく、ヴェロッサは彼の色々な面を知ってた。たとえば性癖とか性癖とか性癖とか性癖とか。





―――友人が珍しく直球です――

「やっほー、クロノ君」
 ある日のこと、ヴェロッサはアースラの食堂へと姿を現した。クロノに頼まれた用事の報告をするためだが、ぶっちゃけさぼりである。
 少年期からの友人であるクロノに会いに来るのは、真面目すぎて息抜きをする時間をあまり取らない彼の息抜きを促すためだ。もちろん、自分自身も友人であるクロノに会いたいからであるが。
 手のひらをプラプラとさせ、片手には甘さ控えめの手作りケーキを乗せ、ヴェロッサはクロノに近づいた。けれど、クロノは彼の登場に気付くことなく俯いたまま。彼の明るい色の長髪も、明るい色のスーツも、声も十二分に存在感を発揮しているが、それでもクロノはヴェロッサに気づいていなかった。
「クロノ君?」
 クロノのすぐ横まで足を伸ばしたヴェロッサは、彼の顔を横から覗き込む。虚ろな眼差し。ただぼんやりと、手にしたコーヒーカップを見つめていた。
「どうかした?」
 何か問題でもあったのだろうか。そう思い、ここしばらくのアースラのスケジュールを思い出してみるが、彼らほどの実力者たちが何か問題を起こすような仕事はなかったはずだ。
 では、プライベートはどうだろう。母親との関係は良好のようだし、義妹であるフェイトとも仲が良い。ほんの数日前、通信で話した際には、母子ともに元気でいると笑っていた。まあ、数日の間で喧嘩した、なんてこともあるかもしれないが、彼らの家族関係なら、すっぱり綺麗に元の鞘に収まっている気がする。

ならば――――。
「彼女と、何かあった?」

731友人が珍しく直球です(2):2010/02/28(日) 02:50:47 ID:aw4IOs6Q
 ピクリと、クロノの身体が反応する。気付いていないようで、気付いていたらしい。それならば、何かしらリアクションしてほしいものだが、そこはあえて置いておこう。
「黙ってちゃ、何もわからないよ?」
 まるで子どもに言い聞かせるようにヴェロッサは言う。クロノは観念したのか、そろそろと頭をあげた。視線もヴェロッサへと向けられるが、瞳に光はない。俗に言うレイプ目である。
「…………エイミィが口をきいてくれない」
「それは大変だね。忙しいだろうに、艦長が休憩してて良いのかい?」
「仕事での会話はしてくれる……だが、その他の会話は一切………」
 してくれない。そう続くのだろうが、クロノはそこまで言って、再び俯いてしまう。つまり、艦橋で仕事の話でなら会話が成立するが、その他では無視を決め込んでいるらしい。
「エイミィ……」
 クロノは、そう切なげに呟いた。
 エイミィ・リミエッタ―――ヴェロッサの友人・クロノの恋人で、アースラの管制官である。彼らは士官学校時代からの友人であったのだが、ヴェロッサも知らぬ間に、いつの間にやらできあがっていた。どうして恋仲になったのか聞いても、クロノは照れて答えてはくれない。
母であるリンディと、義妹であるフェイトとその使い魔であるアルフが共に住んでいるため同棲ではないが、同居している二人である。
 なかなか進んだ恋人関係であるが、そうであるが故に仕事以外で口をきいてくれない苦痛は、想像に難くない。仕事だけでも会話がある分、いくらかマシであるが、艦長であるクロノがここまで落ち込んでいたらアースラは仕事にならないのではないだろうか。そう疑問を口にすると、クロノは重々しく口を開く。
「まともに指揮もできないのなら休憩に行ってはいかがですか? なんて言われて……」
 だからこそ、艦長が食堂でと落ち込んでいるのか。これは重症だ。
 いつもならば生気に満ちあふれた瞳で、元気に仕事をしているクロノだが、ぽっきり折れた時の反動はひどいものだ。これではただの腑抜け。そんな友人の姿を見たくないと、ヴェロッサはいらない世話を焼く。
「良かったら、何で彼女がそこまで怒ったのか、聞いて良い?」
 ヴェロッサは首を傾げた。すると、クロノはやはり重々しく、口を動かす―――のちにヴェロッサは思う。聞かなければ良かったと。





「後ろ手に縛って、後ろから犯して、中出しした……」




 普段の彼だったら絶対に口にしない言葉がヴェロッサの耳に届く。そこまで彼は落ち込んでいるのか。ヴェロッサは友人の落ちぶれた姿に心がざわつく。
 
 そりゃ、怒られるわ。

 そうツッコめたらどんなに良いことか。ヴェロッサは頭を悩ませる。
 彼の性癖は知ってた。真面目な性格の反動ともいえるその性癖に、エイミィはよくついていけると思っているのは、内緒である。
 ヴェロッサはしばし考え、クロノの肩に手を置いた。そして、大きく息を吸い、口を開いた。


「うん。君らの性生活については何もツッコまないから。たとえ、君が緊縛趣味であろうが、年上のお姉さんに責められるのが大好きだろうが、実はロリコンでしたとか言い出しても、僕は君の友人であることを止めないよ☆」
 そう、一息で口にし、ダッシュで逃げた。ああ、無責任。無責任結構。




――後日、ヴェロッサはアースラの中に空の薬莢が五個転がり、クロノのリンカーコアが抜かれかけた事件を知るが、それはまた別の話である。



732ふぁす:2010/02/28(日) 02:52:20 ID:aw4IOs6Q
投下終了です

息抜きしたので、「前世夫婦」の方の続き(エロ)を頑張りたいと思います

733前スレ522:2010/02/28(日) 06:34:15 ID:Zp7UNpyo
前スレ522

>>ザ・シガー氏
お疲れ様です。

あの騎士甲冑のデザインを好きに変えられるとは……そんなステキな機能があるとは驚きですw
じゃあ時と場合と本人の気持ち次第で色んなコスプレが楽しめるわけですねwww

あとおっぱいもいいけどあのむっちむちの太もももいいと思うんですよ。
戦闘中であろうと太ましい御御足を魅せる姐さんが最高です。

734名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 11:30:06 ID:XKLoldxY
ふぁす氏投下乙
ちょwwクロノなんつう緊縛趣味してんだよwww
さすが、二期で師匠の猫姉妹を緊縛して漫画でもフェイト相手にバインド使った男なだけはあるwww

735名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 16:24:43 ID:WeHetbqs
元々傾向あったけど尻のほかに緊縛属性も固定化されてきてないかこの変態提督め……
ふぁす氏GJです

736名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 18:00:25 ID:etTM/QkQ
まぁあの世界においてバインド系の魔法の効率的な運用って死命を決しそうだし
緊縛趣味はある意味当然かもなぁ
ユーノも多分緊縛趣味だろうし、そしてユーノのバインドのほうがやらしそうなんだがw

737名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 18:03:53 ID:w7/4/fTc
レストリクトロックで触手プレイ?

738シロクジラ:2010/02/28(日) 18:29:05 ID:9TJgA7vc
シュールな落ちとシリアスな文体が酷い効果を生み出してて・・・実にGJでした。
そして投下したいと思います。

注意事項
・キャラの変態化
・オナニーシーンがある
・そもそも正規ヒロインの存在感0

NGは「シロクジラ」かIDで。

739シロクジラ:2010/02/28(日) 18:30:59 ID:9TJgA7vc
ユーノ君はオスメスどっち?
1話「執務官起動」


却説――このお話は倒錯と変態と狂気に満ちた微妙な並列次元の物語で、そこに魔法少女愛はなく――。
もちろんのこと前提条件からして異なるのだから、正史の如き展開にはならぬ、ならぬのだ!
BLもレズも赦さぬ!
慟哭せよ。汝らの趣味など、倒錯の前には夢幻の水滴也や。





次元航行艦アースラは、美男美女ぞろいのフネである。
クロノ・ハラオウン……無愛想なクールフェイスと少年らしい可愛らしさ、青年らしい凛々しさの混じった雰囲気が印象的な、
いわゆる一種のエリートと言うヤツだ。彼の朝はいつも――生理現象を如何に早く収めるかと言うことに終始する。
そう、すなわち!

「……朝ダチが収まらない……!」

時々、女の子と間違えられそうな顔で、とんでもないことを抜かす執務官。
健康でエロ妄想しがちな青少年諸君なら誰でも陥る、いわゆる一つの勃起(イグニッション)であった。
さてここで普通の学生ならば、誰もが秘密の隠し場所およびケータイ端末、私物の端末などにブツを持っているはずだ。
この場合、収める道は多種多様だ。


なけなしの小遣いを出して買ったエロ本、右手の扱き運動――賢者へいたる最短ルート。
この方法の欠点はエロ本と言う現物を使用する手前、敵(家族であろうと他人である)に遭遇した場合は言い訳無用たる点か。

或いはエロ動画による音声と映像、モザイクと死闘しながらの恐るべき運動――視覚+聴覚=射精。
エロ音声による騒音は思いのほか強力であり、一般的な術式に比べ、はるかに露呈する可能性が高い。


最終的に溜まってるとき、もっとも役に立つのはなんであろうか?
エロ本とエロ動画による自慰? それとも性処理器具による擬似セックス?

――甘い! 蕩けるように甘い!

そんなものは三千世界すべての人類が通った道!
ありとあらゆる文明が盛衰する中にあって、共通した進化の道筋なのである!
だが文明の利器なしでは、黎明の暗がりですら用を足せぬ代物に何の用があろう?


……なれば。息子(ペニス)勃起対策とはなんぞや?
それすなわち、最強無敵の青少年のみが持ちうる、必殺の奥義である。
あの若き情熱のみが為しえる、ありとあらゆる善悪を超越した性欲処理の究極系。


――思い浮かべよ――

――罪悪感が沸かない、欲情できる女体を――

――想像せよ、己に思い浮かべうる最高のシチュエーションを――


クロノ・ハラオウンと言う雄の優秀さは、禁忌(インモラル)という破滅を回避しながらのマルチタスクにある。

740シロクジラ:2010/02/28(日) 18:32:09 ID:9TJgA7vc
周りにいる美人たち、つまり巨乳未亡人(母親)、金髪美少女(義妹)、年上系(姉貴分)の顔を思い浮かべず、行為に没頭。
並列処理――巨乳・貧乳・虚乳――黒髪・金髪・銀髪――白い肌・浅黒い肌・黄色い肌――エンチャント。
雄雄しくそそり立ち先走りを垂らす亀頭と、右手の摩擦によるチャージング……精液の生成によって膨らんだ玉袋より、
次の一扱き(ワン・ポンプアクション)で液体が迸るだろう……レールガン。そうなれば雌雄は決するのみ……!
ついに、力を込めた扱きが蠢いた。同時に、電流のように背筋を射精感が駆け抜ける。
この瞬間、いつものクロノの脳裏には、最愛の(=その瞬間孕ませたい女性)の顔が浮かぶのだが――。
今朝というときは何故か、特に女性の姿が浮かばぬではないか。
あらかじめ引き出され、床に敷かれた3枚重ねのティッシュの上には、スズメの涙ほどの精液しか降らぬ。

……ポタ、ポタ。

僅かに、生臭さが鼻を突く。しかしその程度では消臭剤とお香による隠蔽は拭えない。
いつものクロノの量は軽くこの十倍、一射精でほとんど“ブッカケ”(日本発祥の精液コーティング文化)が成立するほどだ。
息子も硬度を保ったままだった。朝食まであと四半刻しかない。もう一度、精神集中は出来なかった。

「……不味い」

可愛い妹が起こしにきたとき、股間がもっこりしていたら心証は最悪。
最悪の場合、魔人リンディ・ハラオウンと悪魔エイミィによる尋問が待つ。
それだけは避けねばならない。闇雲な扱きによって生理的に発射されるのを待つほかないか。
そう覚悟して股間の肉棒兵器を握り締め、優しく一擦りした瞬間。
閃光(フラッシュバック)――優しく微笑む、蜂蜜色の髪・翡翠の瞳・細い体つきの――親友の姿が浮かんだ。
美少女のような可愛らしい顔に、やはり滅茶苦茶高い声、真っ白で染み一つない肌、細い割りに美味しそうな太もも。

(ああ言われてみればあの民族衣装も含めて限りなくエロ……いやいや待て!)

発射してはならぬ、と直感は告げた。今この刹那に撃てば、確実に、

――新たな性癖に目覚めかねない。

嗚呼、無常。しかし肉棒より愉快な感じで駆け上がるリズム。
溜まっていた灼熱の液体が、恐るべき速度で肉バレルから発射。
ぶびゃあああああ……白濁と言うかベージュ色の精液がティッシュに撒き散らされた。

「――くぅっ!」

強烈な反動――射精の余韻に浸りつつ、微妙に冷静な賢者モードに移行するクロノ・ハラオウン。
シャワーを浴びて着替えると、“ある一つの目的”を脳にインプットして歩き始めた――。
通信。

「どうした――」
『ど、どうしようクロノ……』

ギラリと眼が光った。




741シロクジラ:2010/02/28(日) 18:33:42 ID:9TJgA7vc
母親であり艦長であるリンディに、「急用が出来ました。有給使えます?」と聞くと「オッケー」だった。
どうやら有給が溜まりすぎて色々と処理が面倒になっていたらしい。
ちょうどフネも整備のためにドッグに寄港するところで、ミッド標準時間の昼には、クロノは地上の人であった。
季節は初夏に差し掛かった頃……携帯端末で目標の人物を呼び出すと、彼は失ったタンパク質を補充するように肉食をした。
各種ミネラルの摂取も忘れない辺り、流石。明日の戦いに備えるのは武人の勤めである。
パクパクと二個目のハンバーガーを食らい終えると、彼は公園の出入り口を見回した。
そろそろ時間のはずだ。まあ“男同士の”時間約束なんてのは、あまり当てにならないが。

さて、ここいらで少々昔話を始めよう。
すなわち何故どうして、実直真面目な少年であり青年であるクロノ・ハラオウンが、
一般常識から言って奇妙と呼べるレベルの奇行に及んでいるかを、だ。

多くの人間が知るように、クロノという少年は世間一般の標準においても稀な美少年である。
細く滑らかな漆黒の頭髪に加え、凛々しい表情を浮かべる整った顔、切れ長の目――。
ガッチリとし過ぎず、かといって細過ぎないと言う、理想的な体格も美しさに拍車を掛けているように思う。
尤も15歳から16歳に掛けての頃は身長に恵まれず、それこそ小学生レベルの背丈しかなかったのだけれど。
それも本人にとって気にすることだったもの、周りのお姉さま方にとっては可愛らしいと思える要素だった。
クロノは真面目で思い詰めやすい性格だったのも、周囲から弄られる理由となった。
まだ5歳にもなっていない幼子が無表情に、ただ悲壮さだけをにじませて、もう誰も泣かせないためだけに訓練を行うのだ。
当時、夫を亡くしたばかりの母親のリンディ・ハラオウンからクロノを預かったグレアム提督はこう述懐する。

『――彼は今まで見たどんな少年よりも努力家だったが、その努力が空回りしている様にも見受けられた』

実際のところ彼は潜在的な資質に恵まれながらも、それを生かしきれない土壌に足を踏み入れていた。
身体が出来上がっていない幼年期のハードワークは、真っ当な成長を阻害し、後々まで彼の身長に影響したほどだ。

ある意味においては愚かとも言えるし、ある意味においては早熟とも言えるそれは、
クロノ自身にも理解し難いこと――僅か7歳での性欲の発露――として如実に表れた。
ぶっちゃけると彼の魔法戦術の師匠である二人……リーゼロッテ・リーゼアリアに、とある休憩時間、グッと来た。
無論、精通さえしていない幼子である。当時から逸物は立派だったとはいえ、勃起しても何もでないし収め方もわからぬ。
そしてリーゼ姉妹はクロノの異常を察しつつ、手を出しはしなかった。
いきなりショタを襲ったりはしません、メェェルヒェンや漫画じゃあるまいし。
ただただ収まるのを待つしかなく、色々と気まずいことになったのを鮮明に覚えているとか。

742シロクジラ:2010/02/28(日) 18:34:15 ID:9TJgA7vc
閑話休題。
まあそういうわけで、クロノが子供から大人の階段のステップを登ったのは、管理局士官学校に在学中のことだった。
その頃には異性のエイミィや友人たちのお陰で、だいぶ人間らしい表情を取り戻していたのだが、
彼が“女性”というものを知ったのは、年頃の少年たちにありがちな猥談……通称「エロトーク」である。
まだキラキラした目で「僕たちどこから産まれてきたの?」とか美人のお母さんに訊けちゃうボーイズは、
まず保健の授業で男性と女性の身体構造について学び、妊娠とか避妊とか知って微妙に薄汚れていく。
慎みと恥ずかしさで沈黙の女子に比べ、精神的に幼い男子陣はオスの本能で大いに盛り上がった。
クロノは非主流派の真面目くんだったが、これによって男女の間に薄い壁ができたのがなお悪い。
男女について意識し始めたエイミィなどの共生派が口を利いてくれなくなり(よくあることだ)、
居心地の悪くなった真面目グループも主流派「エロトーカーズ」に合流、ついに男子の間に存在する絆を通じて汚染された。

――すなわち、伝家の宝刀「エロ本」の登場、ならびにネット世界からのエロ情報だ。

ありとあらゆる次元世界の閨の術、女性器と男性器を示す隠語に、男心を刺激する交尾の写真。
流れに身を任せ、いつか大人になっていく、とは詩文の一節だったか。
様々な知識を仕入れ目にすることでは男子一同、大いに盛り上がり股間を固くした。
だが股間を硬くすることだけで満足できぬのはオスの運命(さだめ)か、誰からともなく自慰という行為が広まった。
その中で初射精に成功する戦士も誕生したが、クロノ・ハラオウンはそれに手を出さなかった。
出せなかったのかも知れぬ。己という一個のオスの目覚めが、それまでの漠然とした価値観を壊すとわかっていたから。
後に夢精で精通を迎え、ただただ、そうあることを受け入れた矢先だった。
運命的に高町なのはという天使のような少女に出会い、悶々とした想いを抱えた挙句、オナニーした。
誰がどのように形容しようと、生々しく雄雄しく、ペニスを扱いて撃ち放ったのだ。
ひたすらに。

解放であった。

オスに生れたことの意味を悟るほどに、素晴らしかった。

ただ、己の精が放つ生臭さも凄まじいと知り、給料をはたいて消臭材の類を買った。
クロノ・ハラオウン15歳のときである。





あれから数年が経った。
クロノはあらゆるシチュエーションを脳内ストーリーでカバーし、家族や友人以外の人物で幾度となく抜いた。
金髪美人の義妹が最近の悩みの種だし、官能的な実母もすごいけど、肉親では抜かぬ。
最後の良心は理性と亡父の立派さに支えられていたのだ。だが、だがしかし……。

743シロクジラ:2010/02/28(日) 18:34:47 ID:9TJgA7vc
(まさかユーノで発射できるなんて! 朝立ちとはいえ節操無さすぎるだろ!!)

ユーノ・スクライアは十代半ばの年下、クロノにとってはいわゆる親友と呼ぶべき少年だ。
美少女と見紛う白皙の面、蜂蜜色の頭髪に華奢な肉体、少女のような声を持つが、ペニスがついてるし小便も立ってする。


――つまり男の子なのだ!


今朝、切羽詰った声でユーノから電話があり、ついつい会う約束をしてしまったが――。
……そしてどうするというのだ、自分は。
本気で悩みつつ、クロノは飲料水を飲み干した。

「……しかし、だ。今朝の《電磁射精(レールガン)》はなんだったんだ?」

ここにきて意味不明度MAXである。
そんなわけのわからないことを言われても困る人間の方が多いだろうに。
呟きは雑踏の中に飲み込まれ、遠い目をして街を歩む人々を見ていると、蜂蜜色の頭髪が見える。
白い肌にうっすらと汗が浮かび、緑色のくりくりした瞳がクロノを捕らえて離さない。
まだ十歳になっているかどうかの、小さな身体はその類稀な美貌と相まって、少女のようにも見えた。
結論――ドキッと胸がときめいた。

――前略、父上様。貴方の息子は親友に欲情しました。

何故か「それもいいんじゃね?」といい加減な答えのクライドが見えた。
なんかもう本当に、この世界どうなってるんだろう。

「クロノ! そこか!」
「……あ、ああ……どうしたんだ、急に?」
「……ここでは話せない」
「そうか」

二人は公園のベンチから立つと、ユーノの自宅へ向かって歩き出した。
無言である。
ユーノのほうは本気で悩んでるモードだったからで。
クロノのほうはマジで自分はショタコンだったのかと悩んでいた。
そうこうしているうち、何時の間にか無限書庫づとめに入ってから借りているという件の家についていた。
ソファーに座って出されたコーヒーを飲んでいると、目の前の席にユーノが座った。
……何故か居心地悪く感じていると、奴のほうから話題を切り出した。

744シロクジラ:2010/02/28(日) 18:35:24 ID:9TJgA7vc
「なあクロノ」
「なんだい?」
「実はボク……」

ユーノ・スクライアはさらっとすごいことを、真面目な顔で言った。
心なしか頬が赤いのは、羞恥ゆえだろうか。
あまりにもひどかったので、クロノは聞き返した。

「は?」
「――ボクは両性具有なんだよ!」

顔を真っ赤にしてシャウトしたユーノと、その発言を受け沈黙したクロノ。
9歳の少年は、親友からドン引きされているのかと不安に思いつつ、火照った頬で向かい合う。
数秒後、15歳の執務官が爆弾発言をかました。

「つまりフタナリか、滾ってきたぞユーノ!」

素晴らしい笑顔だった。

「端的に言って死ねばいいと思うよ?」


――これはユーノが「生えてる女の子」か「穴のある男の子」かを調べた男の物語。


続く。

745あとがき:2010/02/28(日) 18:38:46 ID:9TJgA7vc
新作です。クロノ×ユーノだよ! まただよ!
しかし前作の「司書長は女の子」よりネタ度と変態度は上。
気楽に書けるほのぼのを目指したら何故かこうなっていた……すべて古代ベルカの所為ですね。
こんなものを書かせて喜ぶか、古代ベルカめ……!
まあどっちかというと

ユーノは中性的→以前、実は美少女はやったなあ→シドニアの騎士→じゃあそっちだな。

と、意味不明な流れで決まりました。
・・・わあ業が深い。


あと保管庫で応援のコメントくださった方、ありがとうございます。
あちらのほうの番外編もきちっと終わらせたいと思いますので、お待ちください。

746名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 18:45:51 ID:Ki/NcCww
シドニアからかよwww
いやぁ素敵だ、とても

747名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 18:48:19 ID:32NYjDF2
GJ
相変わらずあなたは病気だな(褒め言葉)。
しかしこんなところで村正ネタ見ることになるとはw
電磁抜刀射精とかイヤすぎるw

748名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 19:11:10 ID:9bXvlgUU
GJ
レベルが上がってるww
しかも妙に自分と嗜好が合ってるのがすばらしい。業が深いな。

749名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 19:23:38 ID:YBVRAsAc
ハァハッハッハァ!
男が男を好きになるとはおもしれぇなぁ!
さて、今日もクソガキを泣かせてやるか…ハッハァ!!byV兄

750名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 21:23:07 ID:etTM/QkQ
ユーノきゅん逃げて><
変態執務官に犯されちゃう!!

751名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 21:42:03 ID:lp94j51A
駄 目 だ この世界変態しかいねえ! GJ!

752名無しさん@魔法少女:2010/02/28(日) 21:52:21 ID:uACmJqGk
>>751
何を今更?
ミッドも地球も世は全て変態が動かしている!

753CRR:2010/02/28(日) 22:28:36 ID:shBBjdT2
ちょっとお借りしますよ……

『夜天牌』シリーズを一部加筆・修正しうpしました。
保管庫司書様、保管庫の該当作品の修正よろしくお願いします。
ご指摘いただいた方ありがといございました。

ヤガミ 〜闇に降り立った夜天の主〜
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org693567.txt.html
ムダヅモ無き管理局改革 〜「響け終焉の笛!」勃発! ラグナロク大戦〜
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org693577.txt.html




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