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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
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その冬の日、無限書庫の空調設備が壊れた。
「…………寒い…………寒い…………寒い…………寒い…………とにかく寒い」
ぶっ壊れたテープレコーダーのようにぼそぼそ同じ単語を呟きながら、ユーノはいつもの三倍増しの速度で仕事
をこなしていた。
朝からずっと部屋の中にご滞在中の寒気は、身が切られるほど厳しい寒さというわけではないが、しんしんとし
て重たく、皮膚から染みこみ骨にまで至ろうとしている。
特にキーを打つため防寒のしようがない指先は、ぴりぴりとした痒さを感じつつあった。
「しもやけ、覚悟しといた方がいいかな……」
あと、腹の回りにべたべた貼りつけたホッカイロによる低音火傷。
とにかく一刻も早くこのシベリアもどきな書庫を出なければ、とかじかんだ指を必死で動かすユーノ。
そこへ、まったく予期していなかった訪問者がやってきた。
「ユーノ君、寒いのにお仕事ご苦労様」
「なのは?」
恋人の到来に、一瞬だけ寒さと帰宅への渇望を忘れてユーノは手を止めた。
なのはの格好は教導官服ではなく私服。手にはバッグと魔法瓶を持っている。
「フェイトちゃんとメールしてたら無限書庫が大変なことになってるって聞いたから、差し入れ持ってきたの。ユー
ノ君達が帰っちゃったら意味ないから急いで、あんまり手の込んだ物は作れなかったけど……」
言いながらなのはは魔法瓶を開け湯気の立つ中身をカップに注ぎ、バッグからはラップに包まれた物を出した。
「こっちはコンソメスープで、これはおにぎり。炊き立てのに保温魔法かけてきたからあったかいよ」
「わざわざ持ってきてくれてありがとう。すごく嬉しいよ」
「そんなたいしたものじゃないけど……。おにぎりは中身梅干のしかないし」
寒中炊き出しそのままな差し入れである。
なのはが言った通り、おにぎりだけでなくスープもあまり手の込んだではなかった。匂いからしておそらくイン
スタント。申し訳程度に具として葱が入っているだけ。
それでも今の凍えきったユーノにしてみれば、フルコースのようにありがたい食べ物だった。
口にしたスープは、冷たくなった唇には火傷しそうなぐらい熱く感じられたが、身体を暖めたいという欲求が勝っ
た。あっという間に一杯飲み干してしまう。
飲み込んだばかりの液体が、腹の中でじわりと広がり芯から身体が温まり、強張ったからだがほぐれる。涙腺ま
で緩んで思わず涙が流れかけた。
恋人が魔王でも般若でもなく菩薩で女神に見え、ユーノの頭は自然と下がった。
「本当にありがとう」
「ユーノ君、そんな頭まで下げなくても」
「約束するよ。来月は絶対にデートを仕事ですっぽかさない。残業もできるだけしない。デートのお金も全部僕が
持つ」
「…………そんなに寒かったんだ」
あまりの感動っぷりに若干引き気味のなのはが、二杯目を注いでくれる。渡してもらう時に、ユーノの手がなの
はの指に一瞬だけ絡んだ。
ここで好きな男の子の手が触れたことに驚いたなのはがカップを落として大騒ぎ、などという段階はとっくの昔
に卒業しているので何もハプニングは起こらなかったが、ユーノが触れた部分をなのははしげしげと眺めていた。
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