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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第100話
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1249470848/
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3
『主との交尾』
「ディバインバスター!!!!!!!!!!」
その後、
「酷いよ、なのは。ガリューの気持ちも考えてあげて。面倒を見てた小さな子が成長したら手を出したくなるのは仕方ないよ。
むしろ、手を出すために面倒見るよ。大きくなるまで待ちきれないよ! ……違うよ? エリオの事じゃないよ?」
フェイトさんもディバインバスターを喰らいました。
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以上、お粗末様でした。
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>>814
確認しました。
>>820
まあ、オチはなんとなく読めてましたよ……読めてましたが……
笑ったww GJです
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>>野狗氏
ちょ、ガリュー自重wフェイトそん超自重w
全く喋れなくてもメガーヌさん辺りは普通に会話をしてそうな気がするのは何故なんだぜ?
>>69スレ264氏
了解です。要らん世話で済むようでしたらそれが何より
タイミング的に急かすような書き込みになってしまいましたかね。お許しあれ
交代要員の件は、アテにならない保険程度に気に留めておいておくんなまし
保管作業お疲れ様でした。毎度お世話になってます
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>>820
GJwww
だがあえて言わせてもらう。
フェイトさんにはスターライトブレイカーを撃つべきだろう
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雷刃がアホの子で可愛いんだがwどうしようww
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>>814
いつもありがとうございます、乙です。
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ガリューがひどいと思ったらフェイトそんはいつも通りだったでござる!
保管庫の保管、いつもありがとうございます。
というわけで喉風邪引きつつ失礼します。白鯨です。久しぶり過ぎて泣ける。
短編を投下したいと思います。
作品傾向は、
・欝でダーク
・グロでシリアス
・過去捏造で過去編
・ゲンヤ×クイント
要するに「ゲンヤさんはどうして嫁を殺したであろう、戦闘機人を引き取ったのか」というネタです。
そのための捏造ですが、嫌な予感がする人は
「罪と業と人と」でNG推奨。
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「罪と業と人と」
新暦58年、第23管理世界アルマ=リエラ
悪臭がする。
腐ったハラワタと煮えた鉛と人間の生活臭が混じった、どうしようもない悪意の匂い。
今日は生きられたと喜んで飯をカッ喰らう我が身さえも、明日にはこの惨禍の一紛れでしかないという予感。
第23管理世界で巻き起こった内紛……ひとつの大陸を舞台にした凄惨な紛争は、ここに来て泥沼の泥沼に陥りそうだった。
ニュースではどこかの国の高官が、
「もう衛星軌道から絨毯爆撃した方が安上がり。原住民相手の地上戦は不経済だ」
などと本音を洩らしマスコミに叩かれて辞任したとか何とか。
世界の治安を護るべき魔法使いたちの古巣……時空管理局は表向きの介入を拒絶し、この世界は主要次元から見捨てられつつある。
対人用大口径ライフルのバナナマガジンを持って戦場を駆け回っていた青年も、今度ばかりは安堵の溜息をつけた。
近くでゲリラ活動に精を出していた山村を襲撃――通路が限られているお陰で、思いのほか楽に200人の村は壊滅した。
武器を手に出てきた男連中は、青年の手にしたオルセア武器工廠製の対人ライフルに残らず撃ち抜かれ、血の海に沈んだ。
続いて女・子供・老人が裏口から山野に走り出し、木造モルタルをぶち抜く重機関銃の掃射を前にバタバタと薙ぎ倒された。
泣き喚く声さえも迫撃砲の着弾にぐちゃぐちゃに掻き乱され、トンと生命の息吹は村から絶えていた。
さて、仕事だ……この村を襲撃した兵士たちは表向きこそ傭兵部隊としてこの地域に侵入したが、
その実は時空管理局印の指令書を手渡された局員で、若者もそういう汚れ仕事を押し付けられた一人だった。
まともな感覚なんぞ娑婆に置いてくるように暗示を受け、大概の鉄火場を潜ったせいで狂ってしまったけど。
この地獄絵図は堪えた。連中が後生大事に抱えていたはずの“レリック”とかいうロストロギアだけが目的だったが――。
「いくらなんでも、やりすぎじゃないか?」
呻くように呟いた。
「そんなことはないさ。彼らは抵抗勢力だった。レリック爆弾は地上建造物のみならず地下のインフラまで吹き飛ばす代物だ。
あれが検査を通り抜ける巧妙な偽装網に乗ってテロリストに渡れば、何千人と言う人間と社会基盤が吹き飛ぶのだよ」
それを聞き咎めたのは、傭兵隊長ということになっている逝かれたハゲ頭の紳士。
この傭兵連中と同じように迷彩服を纏った長身、にも関わらず武装はカービン銃と馬鹿でかい人斬り刃の野蛮なデバイス。
何処の部族の戦士長か……威厳と狂気を孕んだ緑色の瞳が、ニコリと笑いながら青年の後頭部に刃を押し当てた。
野蛮で物騒で残忍なマスターの性質を体現した武装――ほんの少しの力を入れるだけで、脊柱や頭蓋骨が真っ二つになる。
いや、骨どころか鉄筋の入った建材や合金製のデバイスメタルさえも切断するのを間近で視て来た。
生きたままコンマ数瞬で食肉工場的な肉塊へ変わる人間の“群れ”。
だから、心底この上官が、“恐ろしい”……!
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「ゲンヤ君。君の家族には補償が支払われ、子供たちも無事に学校へ行けている。
そして君は狗のように忠実に戦い殺し犯し、道具として生きる。ギブ・アンド・テイクが成り立つじゃないか」
何がギブ・アンド・タイクだくそったれ!
楽しんで人殺しをしていた気狂いと一緒にするんじゃねえぞ、お○んこ野郎が!
……この<連隊>ってのはこんなクソ溜めなのか!
罵倒を必死に我慢しつつ、ゲンヤ・ナカジマと言う名の貧民出身の局員は唸った。
彼は所謂『第97管理外世界』からの移民であり、極東の島国で差別される身分階級の血筋だった。
山ノ神……天狗だとか言う亜神に擬えられた導師の一族が、戦国時代の終わりと中央政府の設立によって貶められた成れの果て。
どういう経緯かミッドチルダに移民した後も彼らの境遇は格別変わらず、現代ミッドの貧民として数えられていた。
それから抜け出す手段――時空管理局の士官候補生待遇/紛争地帯での“ちょっとしたアルバイト”。
食い物がなく飢えて学校にも行けず、このままではクソろくでもない人生に身を投じそうな弟たちの存在。
だから決断した。新暦56年の夏ごろ、ハゲ頭の上司に連れられての出立……以後、戦場続きの悪意塗れの人生。
だからと言って。納得できない、否、だからってこんな虐殺が許されていいのか!?
そう呻くように呟くと、優しげな瞳のハゲ上官――<連隊>/レジメントの司令官“クドリャフカ”が告げた。
「そうか。ところでそこに子供がいるようなんだが」
「イエス、サー。地下の防空壕に潜んでたみたいです」
良心の欠片もない同僚の声が、ゲンヤを凍りつかせた。
軽機関銃を突きつけられ地上に引きずり出される、単一民族主義者のゲリラの子供。
全部で五人。この大陸で根強い抵抗運動を続ける先住民の幼子。
親や祖父が滅茶苦茶な死体になって転がる光景に泣き出したいのに、銃と兵隊が怖くて声も出せないらしい。
相変わらずクドリャフカに「脳漿を生きたまま掻き乱される刑罰」の予告とばかりに刃を突きつけられるゲンヤに、
「――なあ、ゲンヤ。君のライフルで彼らを一人ずつ撃ち殺したらどうだろう?」
心底楽しげで冷淡で悪魔じみた響き……「きっと楽しいぞ」なんて台詞がつきそうな具合に、やつが告げた。
嫌だ。
どうして子供を“俺が”殺さなくちゃいけないんだ。
武装集団や喜んで自爆テロをする大人はいい。
でも子供は嫌だ。
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「ああ、それはいい。割礼とか童貞喪失みてぇなもんだ」
「昨日の僕にさよならって?」
「ナカジマにはちょっとその辺りがたりねぇからな」
ゲンヤ・ナカジマという男に残った最後の良心を闇で塗り潰すように、
ニコニコと他の兵隊さえもが、狂いきって戻れなくなった顔で言う。
味方はいない。誰一人として。
「五秒だ。五秒待つから決断したまえ、ゲンヤ」
クドリャフカの声が脳裏にひんやりと染み付き、五秒という時間で己の死と見知らぬ子供の死を天秤にかける羽目に。
一秒。
反逆の方法を考える……どれよりも自分が脳漿をぶちまける方が早い。
二秒。
逃げ出す方法を考える……どうやってもバラバラ死体になって終わり。
三秒。
諦めとパニックが急に押し寄せてくる。
四秒。
長くて無骨な銃身を構え、銃口と照準を左端の子供に向けた。
五秒。
ばごん。ばごん。ばごん。ばごん。ばごん。脳が/肺腑が/臓腑が零れた。
「上出来だ、おめでとうゲンヤ」
――呪われてしまえ。
◇
夢だった。
重く閉じられた瞼を開ければ、あの悪意の満ちた悪臭をもう嗅がなくて済む。
とびっきり現実感のある夢であり、ついでに脅迫観念じみた衝動が湧き上がるほどにおぞましいが。
起き上がって時計を確認、視界の端の壁紙――ベージュ色の内装のはず――に血の斑模様が見えた。
きっと気のせいだと思いながら、ゲンヤ・ナカジマ青年はシャワールームにのそのそと歩いていく。
服を脱いで扉を開いた瞬間、鏡に映るもの――黄色人種の顔/手に巨大なライフル/彼を睨む幼子の群れ。
鏡の前に並んだ子供たちが、一斉にナイフを構えて突進してくる。
「ケラケラケラケラ」と可愛らしい笑い声、恐怖に駆られて銃口を腰だめに、ただ滅茶苦茶に撃ちまくった。
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ばごん。
頭部を吹っ飛ばされた子供がナイフを腹に突き刺す。
ばごん。
胸骨ごとごっそりと肉を抉られた子供がナイフで臓器を抉る。
ばごん。
腹部から臓腑を零しつつ、背中を滅多刺しにする女の子。
ゲンヤが呆然と座り込むと、すべて幻覚だったと知れる……恐怖に冷や汗を掻きながら、青年は涙声で謝罪した。
「ごめんな、痛かったよな、俺が、俺が……!」
カチカチカチカチ、と歯を打ち鳴らすのは何故か。
自分でも分からずに彼は泣いて許しを請うた。
時折起こる発作であり、悪夢のような色がゲンヤ・ナカジマの原風景だった。
三時間後の朝――新暦62年、第1管理世界ミッドチルダ。
クラナガンで美味い朝食を食わせると評判のオープンカフェ。
その席の一つを二人で分かち合う二十歳前後の女の子に、ゲンヤは問い詰められていた。
理由はカフェテラスでの朝食に、彼が四十二分も遅れてきた理由であり、要するに「時間にルーズ過ぎない?」って意味だ。
そのように解釈しつつ、ゲンヤは相手の美人――凄い武道家で知られる同僚のクイントに謝った。
「もうっ……どうしたの?」
「あー、いや、すまん。夢見が悪かったんだ、ちょっとな」
「……それって……?」
血色の良い整った顔の、白く滑らかな頬をぷりぷり膨らませる彼女は可愛らしい。
それは兎も角として……「夢」一つでやつれ果てているというのは、尋常ではないとクイントは気づいたようだ。
しまった。失言だったな……クイントは妙にこういう勘が鋭いから困る。
「なんでもないって。昔、ちっとばかし厭な目を見てね――」
“少しばかり”?
嘘をつくなこの悪魔め、お前はそうやって自分を誤魔化すのか。
親の名を叫ぶ子供に銃を突きつけ、引き金を引いたのは誰だ?
そうだお前だゲンヤ・ナカジマ二尉お前には罪がたっぷりあるじゃないか――――。
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「本当にどうしたの、ゲンヤ?」
気づくとクイントに目を覗き込まれていた。コーヒーカップを持った手がガタガタ震えていたらしい。
あと一歩間違うとキスでもしそうな距離に戸惑いつつ、青年は身を大きく引いた。視線を逸らす。
クイントとは男女の仲では決してない。友人以上の好意を互いに抱いてはいたが、それで恋人に落ち着くわけでもないのだ。
「なんでもない。本当に、なんでもないんだ」
心中の暗部を曝すわけにもいかぬ。
だからゲンヤ・ナカジマはオープンカフェの代金をクイント基準――かなり大盛り――で置くと、
足早にその場を立ち去った。背後でクイントが何かを叫んでいたが、彼の耳には呪詛しか届いていなかった。
……仕事に没頭すれば、まだましかもしれない。
それが間違いだった。
◇
むーん、と擬音がつきそうな不機嫌オーラを噴出し、クイントはぶすくれた顔でデスクについていた。
首都防衛三課――稀代のストライカー(エース中のエースに与えられる称号)たる隊長から「ゼスト隊」と呼ばれる部隊だ。
その昼時オフィスに漂う不審な空気は、すべて彼女が醸し出すオーラが原因である。
肉体系の隊員は昼食を理由に足早にオフィスを去るほどの、恐るべき空気。
クイントの相棒たる部隊随一の清純派、メガーヌ・アルピーノがおずおずと尋ねた。
「あのバカ……」
「どうしたの、クイント……?」
「あーうん、聞いてよメガーヌ。ゲンヤ・ナカジマっているでしょ、陸士隊士官の。あいつがさーもうっ……」
以後、ゲンヤがいかにステキな異性で、しかし不満点がある態度を今朝取ったか、ということを聞かされるメガーヌ。
あまりの不憫さに周りの局員たちも目を伏せたりしているが、自重しないのがクイントの流儀。
そのような問答を続けていると、不意に三課の実質的隊長、ゼスト・グランガイツが近づいてきた。
急に乙女モードに突入するメガーヌの頬が、上気した。
「あぅ、た、隊長……」
「あ、隊長お疲れ様ですー」
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妙に不機嫌っぽいゼストの様子に首を傾げつつ、クイントとメガーヌは挨拶。
開口一番、この最強を謳われた騎士は衝撃的な事実をクイントに伝えた。
「――ゲンヤ・ナカジマ二等陸尉が倒れた。いってやれ、クイント」
「は――あ、はい! でも、仕事――」
「こちらでなんとかしておこう。何、きな臭い事件の匂いを掴んだのでな」
ゼストがそう呟いたときには、クイントの姿はオフィスから消えていた。
グランガイツ姓の騎士は、不器用な笑みを零した。
「……恋する乙女はなんとやら、だな」
したり顔でうなずくゼストに、メガーヌ以外の全員が突っ込んだ。
……じゃあ気づいてやれよ隊長、と。
美少女に頬を染めて見つめられて気づかないこの男、実は相当な特異体質である。
グランガイツ一尉はしかし、最悪の部類と思われるニュースに顔を引き締めていた。
このテロからようやく安定してきた都市を騒がせかねない病巣(ヴァイラス)、それを叩く上で些細だが重要な情報源こそ――。
「さて、悪党は俺かもしれんな」
――ゲンヤ・ナカジマであった。
何気なく廃棄都市で起こった殺人事件の捜査状況を整理していたゲンヤの目に飛びこんだのは、ある意味最悪の事象だった。
事件自体はありふれたもので、強盗強姦暴行事件、なんでもござれのチンピラが複数名、夜間のうちに殺害されたというもの。
ナイフや短剣などの刃長短い刃物による犯行、という以外に着目するところはなく、犯人がすぐ捕まりそうな単純な事件だ。
ああ、でも。重要なのは複数ある目撃証言のうちの一つだった。
廃棄都市の「マーケット」……認可された武器を横流しに近い形で売りさばく男の証言。
明朝に店を訪れた客の、恐ろしい印象を語る。
――そりゃあもうおっかない旦那でして。ええ、禿頭に緑色の、夜魔みたいな瞳で。
――なんかブルブル震えてる気の毒な坊主をね、楽しそうに弄んでて……
――ナイフの扱いがどうこう、って……
クソッタレ。どうして今更。
行方不明になったあんたが、“人でなしのクドリャフカ”が!
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そう思った瞬間、腹部に痛みを感じた。
何回も、“子供にナイフで刺殺され”、何度も蘇って刺され続ける――異常な恐怖感と絶望感。
楽しげな笑い声をBGMに、
呪詛を呻き続ける犠牲者の群れが、
ああそうだ俺が殺した俺が悪い俺も人でなしだよだからゆるしてくださいおねがいですいたいんだいたいっ!
子どもたちの一人が、ひどく陰惨な笑みで、脳漿を零しながら告げる。
――しねばいいのに。
「嫌だっ!」
最悪の呪詛を突きつけられ半狂乱で跳ね起きると、力強く筋肉質な女性に抱きとめられた。
青と青紫の中間色のように。光に透けて艷やかに輝くブルーのロングヘアと、彼女の匂い。
現実の証。それでも視界を掠める無数の亡者と悪鬼が、
冷たい瞳の殺人集団の声が、犠牲者の呪詛が、それでも生きようと足掻く自分が、
怖かった。
「落ち着いてゲンヤっ、貴方はここに居る、だから落ち着いて!」
「たすっ、けてくれ、いやだ、ころしたくないっしにたくないっ……!」
錯乱している。あのタフで皮肉屋のゲンヤ・ナカジマが、溺れ藻掻く少年のようだった。
クイントはもうどうしたらいいかわからなくなって、ただゲンヤを抱きしめ続けた。
「……ふー、はぁぁ……」
しばらくすると落ち着いた様子で、ゲンヤは冷や汗をびっしょりと掻いた額を拭いもせず、静かに深呼吸した。
クイントは自分がゲンヤを抱きしめて、その、ひどくエロティックに彼を誘惑しているように見えることに気づき、急いで離れる。
それでも一メートルも無い距離感。それが今のゲンヤとクイントの、ギリギリの境界線だった。
「……悪い。迷惑かけちまったな、クイント」
どうやらあの幻覚で倒れ、自宅まで運ばれてしまったらしい。不甲斐なさを感じつつ、ゲンヤは頭を下げた。
しかしクイントは引き下がらなかった。無理矢理、ゲンヤの顔を自分の目線と突き合わせ、物凄く低い声で言う。
「……なにがあったの、ゲンヤ?」
「……悪い夢だよ。それだけさ」
「どんな厭な目を見たら、ああいう絶叫ができるっていうの?」
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そんなこと、話せるものか。
怖かった。大好きな……笑えるくらい大切な彼女に、人殺しと蔑まれ恐れられるのが、あのフラッシュバックより怖かった。
ああそうだよ畜生、吊り橋効果でも何でもいい、俺は、ゲンヤ・ナカジマはクイントがすっかり好きになってたんだ。
じっと、彼女の緑色の――クドリャフカの野郎のとは大違いの綺麗な――瞳に睨まれて、もう観念した。
淡々と、どうしようもない現実に叩きのめされたくて。
◇
俺は貧民出身で、勉学の機会だってろくにない立場の弱者だった。
弟たちはもっとひどい。だから、悪魔に魂を売ったんだ。
ああ、都市伝説にあったろ? 紛争地帯で働くと出世出来る企業ってのが。
あれは時空管理局の流した噂だよ。そういう陳腐な噂の一つとして、手前らが行っている所業を処理した。
そうだよ……紛争地帯でのアルバイト――表沙汰にできない物騒な任務――を受ければ、そいつは帰国後、望んだ道への切っ掛けが得られる。
才能や実力だけで渡れるほど甘くない世間様で、それがどれだけ貴重な機会かは……あの頃の俺じゃなくても飛びつくだろうさ。
そういうもんだ。貧すれば鈍するし、真っ当な生き方への切っ掛けが得られるなら――そう思って、俺は志願した。
迎えに来たハゲにシゴかれて、使いものになると判断されたら即・戦場に行く羽目になるんだ。
そうだ、俺たちはただの捨て駒で消耗品……何処かの誰かの指先ひとつで動き、影働きで汚いことをいっぱいやって……そうして大勢死んだ。
それが裏だった。保証された権利をすべて実行できる兵隊なんてごくごく一部で、生き残った連中はみんな何処かが壊れちまってた。
……ゲンヤ・ナカジマって兵隊もな、その中で殺人への忌避感がぶち壊れた連中の一人だった。
理屈による自己の正当化と境界線の設定による安堵……“子供だけは”絶対に殺さない。
娑婆にいた頃の良心と、目に映る敵が大人ばかりだったことから、そういう条件を設定した。
でもな、でもなクイント。俺の手は汚れているんだ……。
何時しか俺が所属していた傭兵部隊<連隊>はこう呼ばれていた。
病魔の根源を表す<ヴァイラス>……その頃には<ヴァイラス>所属者の殆どが、殺人中毒者だった。
そうなるように、お上から派遣された指揮官……『クドリャフカ』は俺たちを調教していたんだ。
理由? すごくシンプルさ。お上連中専用に、どんな汚いこともやってのける隠密を復活させようってんだ。
ただの殺人嗜好者じゃ駄目だ。普段は忠犬じみて冷徹で、身の内に残忍で獰猛な化物を飼って、
GOサインが出た時だけ相手を食い散らかす悪魔みたいなのを、人工的に安定して作り出す実験。
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その過程で、俺は……良心と良識を打ち砕かれて――
――子供を、まだ箸も持てるか怪しい小さいのを、撃ち殺したんだ……。
「……俺は子供を殺しちまった。だから、だから……克服なんて、できるはずねぇだろ……」
話を黙って聞いていたクイントから目を逸らし、ゲンヤはガタガタと腕を震わせた。
俺が殺した。俺が子供を、ぶち抜いたんだ。血の海に沈めた後は、もう何もかもどうでもよかった。
殺してから半年ほどは安定した殺人兵器だったが、時期に限界が来た。
すぐに悪夢と幻覚と幻聴と、罪悪感という途方も無い怪物が、ちっぽけな精神を犯した。
もう<ヴァイラス>の求める存在でないとみなされ、故郷のミッドチルダに帰国。
一応のアフターケアは受け、これ以上の深刻化はないと太鼓判を押されたが、
同時に病巣はゲンヤ自身の手でしか除去できない微妙な位置に落ち着いた。
ほどなくして、戦争犯罪の処理などで傭兵部隊が告発されそうになるも、終戦直前の軌道爆撃で散り散りに吹っ飛んだと聞いた。
思い――自分もその爆撃のシャワーの中で息絶えるべきだったという確信と生き続ける限りのしかかる亡者の怨嗟。
これで終わりだ。そう思い、クイントへ目線を向けると――
「――泣いて……いるのか?」
「バカ――本っっ当に……!」
透明な涙がエメラルドの瞳から筋になって曲がれていた。
クイントはゲンヤの肩を掴むと、怒鳴り立てた。
「ねぇ、ゲンヤ自身が許されちゃいけない、って思ってるのはわかった。でもね、それで贖罪のつもり?
誰かが貴方に撃たれて死んでマイナス、ついでに撃った貴方も程なく死んでマイナス、それをかけ算してプラスにするとか思ってるわけ!?」
「そんなわけねぇ。死ぬように生きるくらいしか、俺は……方法が無い」
手立てが無いように思えていた。だから、こうするしか無いだろう……?
なのに、なのに――彼女は、クイントは、ゲンヤを見据えてこう言った。
「じゃあなに? 罪の無い人が苦しんで、貴方はしたくもない殺人をしましたすいませんって頭を下げて、それでハッピーエンド?
冗談じゃないっ! 全員、本当は受けたくも無い苦悶を我慢して、それで八方丸く収まるワケないでしょ!」
反論したかったのに、彼女に呑まれている自分がいる。
綺麗なブルー・ロングヘアが揺れて、彼女が泣いていた。
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「……ねえ、ゲンヤ。生きたい?」
「生きたい。生きたいのに、生きれば生きるほど痛いんだ……どうすれば、いいのか、わからないんだよ……」
「そう。
――で、」
突如として、この宇宙に存在するいかなる赤色巨星より真っ赤だろうな、ってくらいの赤面。
クイントの白い肌が真っ赤に染まっていき、その言葉が飛び出た。
「私と結婚する気はある?」
はい? 理解するのが遅れるほどの予想外な発言……結論から言えば最高にアリだ。
クイントは美人だし料理も美味いし、掃除とかに問題があるタイプじゃない。
肉体派で大飯ぐらいなのがやや心配だが、そこは他の美点との兼ね合いから諦めよう……って待てよ。
「哀れみからか? それとも秘密の共有で動揺してる?」
「――――デリカシーあるの、このバカゲンヤっ! 違うわよあーもうっ!
貴方は結構の好みのタイプだしそんな爆弾抱えたまま放り出したら私の目覚めが悪いし!
つまり、あれね、愛憎を超えた運命っていうかそんな感じ!!
で、はいかイエスで答えて!?」
ゲンヤは腹を決めつつ、突っ込む。
「それどっちも肯定だろ」
「このクイントさんにここまで言わせてノーとか、殴って喚いてお金巻き上げて良いレベルよ?」
ゲンヤは今日、初めて心からの笑顔で彼女に向き直った。
答えなんて、決まっているじゃないか。
ここまで暗部を打ち明けた上で、俺を伴侶に選んでくれる女だ。
ならば。
「こっちから土下座して頼みたいことだよ、まったく」
お互いに笑顔になって、それでもゲンヤの手は震えていた。
それでも腹の奥でドロドロと蠢く、得体の知れない狂気に似たモノが叫ぶ。
粘りつくような不快感が込み上げて、それでも泣きたいくらい幸せで。
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そんなときに、クイントが――未来の女房が優しく言った。
呪いのように切実に、
「……ゲンヤ。貴方が自分を赦せないのなら、」
祝いのように響き渡り、
「子供を引き取るの。
闇の淵で何もかも諦めてしまった、罪や咎に塗れてしまった子供たちを。
罪の無い子供を一〇〇人殺したなら、より多くを殺すかもしれない子供を一〇人真っ当に育てる。
それが貴方の贖罪――」
ゲンヤ・ナカジマを“浄化”した。
◇
-
アレから何年も経って本当に、いろいろなことがあったのだと思う。
二人の娘を得た。クイントの遺伝子から作られた人間兵器・戦闘機人の子供を。
本当の親子のように、優しい時間が過ぎたのだと思う。
クイント――ゲンヤ・ナカジマの妻クイント・ナカジマは死んだ。
戦闘機人プラント突入と、首都防衛三課の壊滅――ゲンヤに救いをもたらし、綺麗事を現実にした女は逝った。
彼女が言うところの「罪や咎に塗れてしまった子供たち」によって。
ゲンヤ・ナカジマはそれでも、誰も憎むことが出来なかった。
出来ない約束があったから。
「……約束、守ったよ。ギンガとスバルはさ、お前の跡を継いで局員だ。俺はしがない佐官だがね」
応えなんてあるはず無い。
ミッドチルダ統合政府首都クラナガン郊外の墓地。
何処かしんみりとした墓地は静かで、あいつの幻影が見えるようだった。
非番の休日だというのに、誰にも言わずに抜け出してきたゲンヤは、晴れ渡った青空を見上げ呟いた。
「また、さ……子供、うちで引き取ることにしたんだ。聞いて驚け、戦闘機人だ。うちには妙な縁があるのかねぇ?
今度は四人も一度にくるって話でな、女ばかりだから“ナカジマハーレム”だの言われて落ち着かねぇの……
焼くなよクイント、俺はお前一筋だ」
これが、
「俺は――お前を殺した機人を娘にする。ああ、それが……俺の」
――ゲンヤ・ナカジマの業(カルマ)。
終着点だった。
-
終了。
チンク・ナカジマ……女房殺したかもしれないのを娘に?
不可解だった。都筑さんの方針が「優しい世界」とはいえ、如何にも納得しにくかった。
そしてウブ○タだの元軍人のノンフィクションだの、エグい話を読了。
この時点で七〇%は完成してましたが、さらに電波が降ってきてこういう話に。
つまりコンセプトは「ゲンヤ・ナカジマの許容」はどこからくるのか? ってことですね。
凄惨で魔法少女らしさが無い過去パートですが、このくらいじゃないと納得が行かないというのが一つ。
後半のクイントのセリフに繋げるには、このくらいヘヴィな方がギミックとして映えるのだろう、というのも一つです。
つーわけで新年初なのはSSはこれです。イカれたギャグや、
エリオがルーちゃんもメガーヌさんも孕ませるエロとかもやりたいなーと思いつつ、いろいろ再始動準備でした。
以前書いたSSと関連もあったりするわかりにくい話ですが、こういう話の投稿の場としてパロに深く感謝を。
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GJです!
ナンバーズを引き取ったのは寛容だっただからではなく贖罪のためだったから、という解釈はすごいしっくりきます。
今年も楽しみにしてますよー
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>>839
まぁ…これは…ちょっと評価するならば……GJしかないな
クドリャフカさんが上司じゃなくても戦争やってて、歪まない人間ってのは絶対いませんわな
最低でも訓練で勝手やったティアナを見る目が濁りきるぐらいには、歪んでしかるべき
それをクイントで救済というのは適当で、上手くまとまりましたなぁ
重ねてGJ
そして、そうですよね、グランガイツ隊長は石部金吉を地でいくあんな特異体質って描写しちまいますよね
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お、重いなぁ…
しかしGJですた
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ここは本当に懐が広いな。GJ
ところでマテリアルが可愛くてしかたない件について
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贖罪にして妻との誓いの末での、養子化か。
素晴らしいですねぇ。
クイントの母性というか、慈しみも心温まる話だ。
ゲンヤの過去描写が少々凄まじすぎましたが、本編保管話としては最高です。
GJでした本当に、次回投下も心よりお待ちしてます。
てか、気付いたんだけどクドリャフカってトーレ姉のSSに出てきたキャラですよねww
まさかあっちとクロスしてたのかwww
あっちの話も大好きで更新待ってますよ!
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GJっす!
そうか、「軍の狗」だからクドリャフカか
わふーが出てきて困るw
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>>839
GJ!
なんというかどろどろしていて、引き取った理由もただの優しさじゃなくて贖罪ってのがツボだった。
これなら納得出来るなー。
しかし、あの禿が関わっていたのかよw
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初投稿です。
タイトル「asterism」
・はやて主役の短編
・エロ
・設定等はあまり原作に忠実とは言えません
そこまでひどい描写は無いと思ってますが、八神はやて好きは一応注意してください。
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無数の次元世界を束ねる時空管理局。
管理局に所属する軍隊は、優れた魔導師のみで構成されている。
その軍隊は、誰にでも扱える質量兵器の使用を禁じる事によって、比肩する勢力を持たない大きな武力となった。
だが、魔法という個人の才能に大きく依存した力を用いる際に、様々なリスクが発生するのは言うまでも無いことだろう。
その為に管理局は、魔導師の待遇に頭を悩ませてきた。
その苦心が生んだ産物の一つが、特別慰安施設――誰にも知られること無く、己の秘めた欲望を開放できる場所――を提供する事だった。
時空管理局本局 古代遺物管理部 機動六課部隊長 八神はやて
それが彼女の肩書き。
若干19歳にして、部隊長であり、SSランク魔導師でもある。
だが、今ここにいる彼女はその仮面を捨て去っている。
「ふうぅ・・・あ゛ぁ・・・あ、あ、あ――」
その声と同じくらい簡素なベッドが悲鳴のような軋みを鳴らす。
ベッドの上には手を拘束され、目隠しをされた男と、その上に跨って一心不乱に腰を振る女。
はやての表情は、まるで動物が餌を捉える時のようだった。
「気持ちええ・・・んあぁ゛〜・・・うんっ・・・ん・・・」
啄ばむ様なキスと貪る様なキスを交互に繰り返して、ベッドを揺らす。
薄暗い部屋に響くのは粘液の音と不快に軋むベッドと、もはや媚声とは言えない捕食者のそれだけ。
「ハア・・・っ。はっ、はあっ、・・・ふぅう・・・」
はやてが動きを止めて、倒れこむように男の胸に抱きつく。
今日、彼女がこの施設を訪れてどれだけの時間が経っただろうか。
男の胸にだらしなく寄りかかり、ぽかんと開いた口から舌を出して、はやては荒い呼吸を整える。
その体中に冷たい汗がコーティングされていた。
はやては、この部屋に入ってから、まるで欲望を満たすだけの人間に成り果てたかのように行為に耽る。
外の目が届かないこの場所では、唯一の他人である相手を気遣う必要すらなかった。
望む侭、望むことだけ、必要な動きだけを繰り返し、好きな言葉だけ発する。
はやてはほんの少し休んだ後、出した舌を男の乳首に這わせだした。
ちろちろと触れないように始まり、その動きが大胆に変わっていくと、その部分は唾液まみれになる。
男は必要以上に動く事も声を出す事も禁止されていたが、びくんと一つ体が跳ねてしまう。
それに満足したのか男に寝そべるような体勢のまま、はやての腰がまたくねりだす――
-
はやてが特別慰安施設の存在を知ったのは、嘱託としてではなく正式に管理局に所属して間もなくの頃だった。
管理局としては、当時幼いはやてが身に余るような多大な力を持つことを危惧していた。
単体でも強大な力を有するヴォルケンリッターを従え、フルパフォーマンスに威力を発揮できる状況下での戦闘能力は管理局の魔導師全員を見渡しても並ぶものは少ない。
そして、闇の書事件が引き起こしかねなかった影響。
これだけ揃えば、彼女に何の対処も施さないという選択肢は、管理局にはなかった。
その素行から、控えめに見ても特別慰安施設に興味を示すとは思えなかったはやてだったが、意外にも早い段階から頻繁にそこへ通うようになった。
歪な環境で育ってきた反動か、年齢故の興味本位か、ともかくはやての生活の一部に淫らな遊戯が根付いていった。
初めは恥ずかしそうにその裸体を預けていたのが、足しげく通う内、貪るように行為に沈むようになっていく。
彼女の『表』の快活さ、人懐っこさが一層深みを増していくのも同じ時期だった。
「ほらぁ・・・こういうのがええの・・・?」
はやては、しがみつくように小刻みに体を揺らしながら男の耳元で囁く。
先端だけを刺激するように、短いストロークを刻む。
「あ゛、ぅん・・・ん、ンぁ・・・」
鼻を通って出る悩ましげな声。
更に腰を振るスピードが上がる。
「くぅ・・・あ、はぁっ・・・」
感極ったような声。
それと同時に結合が無くなるギリギリまで、お尻だけを突き上げる。
そして、びく、びく、と体を跳ねさせながら、ゆっくりと腰を下ろし始める。
「はア゛あぁあぁぁ〜・・・」
まるで湯船に浸かった時のように息を吐きながら、少しずつ体を沈める。
男の胸に埋めた顔から涎をだらだら流しながら、いっそう力を込めて男にしがみつく。
「お゛んっ・・・・・・・・・お゛っ・・・・・・うぁ・・・、ん・・・っ」
体の跳ねと一緒に品の無い声が滑り出る。
はやては何度目かの絶頂を迎えた。
何もかもを放り出して、荒い呼吸を繰り返す。
虚ろに開いた目は壁を見つめている。
この部屋には何も無い。
はやては、この施設へ足を運ぶ度に、過度の装飾やコミュニケーションを省くようにし始めた。
今では、本当にベッドと物言わぬ相手がいるだけだ。
――しばらく体を脱力させていたはやてが、黙ってのそのそと体を持ち上げる。
そして、顔を男の方にすり寄せると、唇を合わせるだけのキスをした。
-
「はやて、おかえりー」
はやてが自室のドアを開けると、すぐに赤毛の少女が玄関へ走ってきた。
「ただいまや、ヴィータ」
「今日はいつもより遅かったのですね」
声を聴きつけてか、部屋からまた一人。
落ち着いた声色はヴィータと似ても似つかない。
「うん、いつものお説教と接待が長引いてもうたなぁ・・・」
「お風呂が沸いていますから、お入りになってください」
「ありがとな、シグナム」
はやてはシグナムに笑みを向ける。
そうすると、いつもお面のように固いシグナムの表情が崩れる。
「今日お風呂沸かしたのは、あたしだろ」
二人の会話を聞いて、少し不機嫌そうにヴィータが言った。
「あ、あぁ・・・そうだったな。すまん」
「偉いなぁヴィータ。それなら久しぶりに一緒に入ろか?」
「うん、入る入る」
荷物を置きに部屋へ行く途中の廊下、はやてが尋ねる。
「シャマルとザフィーラは?」
「急患が出て、先程そちらへ向かいました。ザフィーラも応援として一緒に」
「ご飯はできてるから先に食べてくれってさ」
そう言ってヴィータがキッチンの方を指差す。
「そうか、皆には迷惑かけっぱなしやなぁ・・・」
はやては、顔を伏せて言った。
「主はやて、私達は勿論、シャマルとザフィーラも迷惑だとは思っていませんよ」
「そうそう。あたしらは、はやての為にここにいるんだからな」
こんな会話は何度目になるのか、はやては閉じていた目を開けて言う。
「そ・・・うやったな、うん。皆ありがとうな」
震えそうな声をなんとか押さえ込んで続ける。
「よし、今日のお風呂は三人で入ろうか」
「三人だと、流石に狭いと思われますが・・・」
「まぁええやんか、嬉しい事言ってくれたから、今日は皆の背中を流したる」
はやては二人の背中を押して、お風呂場へ向かう。
「そ、それはともかく『新部隊』の方は上手く行きそうですか?」
「うん、きっと・・・きっと上手く行かせるよ」
はやては力強く答えた。
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これで終わりです。
色々と完璧な部分が多い原作に何かしら意味付けをしたかった感じです。
初めはエロメインに書こうとしてたのが、いつの間にかシリアス風味に・・・。
投稿に関してですが、何か間違えてるところがあれば教えていただけるとありがたいです。
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ようこそ、そしてGJ。
最近では攻めはやてって珍しいような。
はやてエロは僕が喜ぶ。
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俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!(ダレダヨ
じっくり堪能させてもらいました。
はやてがエロいのは大好物です。えっちなことに興味津々になる女の子はツボだたよ。GJ!
さて、はやユノでも書くか……
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おいでませエロパロスレ。そして投下乙&GJ
何となくだが、グリフィス君逃げてと言っておくぜw
攻めはやてが珍しいって言うか、はやてメインのエロ展開自体が(ry
投稿に関して、先に宣言しておくと便利なのは、
・主要キャラ
・ジャンル
・作品タイトル
くらいです。これは大丈夫でしたね
あとは、任意ですがコテを付けると保管庫司書殿の作業が少し楽になるかも知れない
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魔窟……じゃなかった、ようこそ楽園へ!
私たちエロパロ住民、通称変態……じゃなかった、紳士一同、心から歓迎するよ!
ってか、はやてエロ良いね、はやてエロ!
三人娘の中でも突出してエロ少ないので、投下あると嬉しいです。
しかも受けではなく攻め攻めだしね!
GJでした、次回投下などありましたらお待ちしておりやんす。
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感想ありがとうございます。
とりあえず大きな投稿ミスもなかったようで、一安心です。
コテはあった方が良いみたいなので「ヨコハマ」ということで。
エロメインで書いていくと思うので、投下の時にはよろしくお願いします。
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雑誌で映画版の紹介見て思った
ふざけんな。レズ厨に媚売るのも大概にしろや原作者とスタッフと田村と水樹は首吊れ
どんなキャラでもあんな扱いするのは演じる側や製作側がやって良い事じゃない さっさと業界から出てけ
言葉が汚いとかROMれと言われるかもしれないけど
ここにいるみんながホントの意味でリリカルなのはのファンだと信じて敢えて言う
あれでいいのか?あんなのを許していいのか?
ユーノとかクロノとかエリオとか、一部キャラの扱いがいいかげん酷過ぎるのに我慢の限界だよ、俺は
1人の人間が書く漫画ならまだいい。ゲームは買う人間の責任もあるだろう
けど、公共の電波に乗せる作品で、ましてや映画なんて大きな舞台をやってる連中があんなのなんて許していいのか?
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ROMってろ
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>>雑誌で映画版の紹介見て思った
肝心の映画見てねーじゃねえかッwww
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ハハハ、劇場版で見せ場カットとか、ゲームの出番が、とか万代書店でひとりだけフィギュアが余ってるとか
そういう不満は創作にぶつければ良いのだよ
オトコノコ好きは常に居る。魅せてみろッ!
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>857
必死過ぎてきめえwwww
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最後の2人は仕事なんだから無罪だと思うけどなぁ。
まあ、ないなら書こうが俺らの武器だ。
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>>856
乙。エロはやてちゃんがサクサク読めてよかった
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>>857
でかい釣り針だなw
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>原作者とスタッフと田村と水樹
それが嫌ならなのは自体みなきゃいいじゃん。
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スルーしようよ・・・
-
劇場版といえばプレシアさんのエロってあんまりないね
熟女のセクシーオーラむんむんなエロスを読んでみたい(*´д`*)ハァハァ
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>プレシア
手頃な相手がいないってのがでかい。
ナンバーズだって昔はスカとゼスト以外相手がいないんで全然エロが無くて、
ソープナンバーズで相手を無作為に選べるようになったあたりからようやくエロが増えてきた。
リニスと百合とかフェイトを陵辱とかネタは浮かぶが、そういうのは書き手を選ぶし。
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そこで、アリシアの生まれるときの甘ラブなエロスですよ。
うん、いろんな意味で良いネタだ
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プレシアさんみたいな熟女もいいが、マテリアル三人娘のフレッシュさもよござんす
誕生から数分
へたすりゃ数秒
世のペドたちが黙ってねぇ
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>>857はコピペになって色んなスレに貼られる
俺の占いは当たる
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とりあえず、雷光さんは愛すべきAHOのボクっ娘
星光さんは潔い闘争本能の発現
王は・・・まだ会ってない
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PSP持ってない俺は負け組か。
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なんとなく思ったことだけど、もしフェイトが雷光みたいな性格で暗い背景とかなかったら、普通の魔法少女物っぽくなるよな
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「すごく重い」(撮影用バルディッシュのレプリカを持ったエリオ談。「実際はもっと重いよ」とフェイトは言ってる)大鎌型マジカルステッキでガチ近接戦闘と、
黒がメインカラーで、露出度はMAXなコスチュームである限り、それはリリカルなカテゴリーだと思う
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以前saga方を初カキコでミスった私です
なのポのシャマル編クリアして妄想したのがなのは編ラスト後(とあるCG出るあのシーン)に高町家にお泊まりするフェイト
なのはとフェイトがなのはの自室で一緒に寝ようと布団をめくったら襲撃者がいて「なのはお姉さま!」とか言い始めて大混乱
原因がSLBと知ったフェイトが意気投合
なのフェイフェイ(襲撃者)が成立
なんてSSが浮かんだ
エロと非エロどっちにも派生できそうだが……
誰かが読みたいなら頑張ってもうちょい練ってみる
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僕っ子アホの子雷刃たんはゲームのみにしておくには惜しいキャラだよなw
アニメに出したら欝展開の重い空気を吹っ飛ばす…誰かに似ていると思ったら00のコーラさんかww
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>>876
さぁ早くSSを書く作業に戻るんだ
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>>877
コーwwwwwwwラwwwwwwwwww雷光ってそんな奴なのかwww
ゲーム持ってるけどシグナムとリインの最初の方しかやってないから知らん
あとリインルートきつすぎ
なのはのマテリアル戦で積んだ
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これは、買わねばならないのか。
マテリアルの性格を掴むためにも。
具体的にはフェイトと雷光でクロノの取り合いをさせるためにも。
-
劇場版「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」公開初日の舞台挨拶で、水樹奈々さんと田村ゆかりさんはこんな事を言ってました。
フェイト・テスタロッサ役、水樹奈々さん:
「(前略)テレビシリーズではずっとなのはとラブラブモードを演じることが多くなったので、久しぶりになのはとの距離を感じることになって“ハーッ”なんて思っていたんですけど、ここが始まりです。二人のなれそめのラブストーリーを、二人の出会いをぜひとも楽しんでいただければと思います」
高町なのは役、田村ゆかりさん:
「今、二人の距離とおっしゃっていましたが、なのははずーっとフェイトちゃんが好きだったんだよ。そんななのはの片思いストーリー、たまに変態のフェレットにちょっかいを出されますが、最後には思いが成就します(笑)。(後略)」
この二人はどうしてそこまで、なのはとフェイトを百合カプって事にしておきたいのでしょう?
なのははそんなアニメじゃないのに・・・。
これはリップサービスだろって思うかも知れませんが、はっきり言ってそれで喜ぶのは百合廚だけです。
何よりなのはの中の人である、ゆかりさんがユーノを邪魔者扱いした上に変態呼ばわりしたのが、とてもショックで悲しい気持ちになりました。
みなさんはどう思いますか?
-
ゲーム楽しそうだなww
こりゃ買うしかねぇ
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>>881
はいはいNGNG
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そんな事よりマテリアルズの(性的な)有効活用方でも考えようze!
独断専行で飛び出したリインがとっ捕まって、とかどうだろう?
はやてに成りすましてヴォルケンズを籠絡しようとする王とか、
フェイトに成りすましたもののクロノに掘られる雷光とかネタにはできそうだが・・・
星光さんだけはネタが出てきません。ナンデ?
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>>881
(後略)=
皆さん、そういう(感じで)よこしまな目で見てもいいですけど、それは3回目からにしてほしいですね。
お話に出てくる人と人とのつながりっていうのをすごく考えさせられますので、上映が終わった頃には隣の方と肩を組んでサ○イとかを歌ってください。
>>884
雷光に成りすましとか無理だろw
一瞬でバレるわw
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>>885
だから、掘られるんだろう。
最終的にはクロノの1人勝ちさw
>>884
無限書庫で働いてユーノを籠絡しようとするとか?
なのはが管理局の仕事をしている間、パーマンのコピーロボットみたいに通学しているけど、
学校で男の子相手に好き放題やるとか?
-
>>>>884
L(ふふふ、まんまとフェイト・テスタロッサとすり替わってやったぞ。これでもうマテリアルDに「塵芥」とかマテリアルSに「貴方には何も期待しておりません」って言われなくなるよ!)
アルフ「フェイト、これフェイトのケーキじゃないよね?」
L「え、う、うん僕のじゃないよ」
リンディ(僕…)
エイミィ(僕…)
アルフ(僕…)
クロノ「フェイト、ちょっと僕の部屋に来てくれるかい?」
-
>>887
GJだ兄弟。私の脳内も概ねそんな感じだ
L(管理局の魔導師・・・こいつを籠絡しておけば、闇の復活は近い!)
「クロノ兄ちゃん!僕と一緒にお風呂入ろうよ!!背中とか、流して欲しいな!!」
クロノ「・・・あぁ、良いぞ。背中と言わずじっくり隅々まで洗ってやろう」
そして帰宅したフェイト(本物)が見たものは!
-
蕩けきった表情でクロノにおねだりする雷刃ですね、わかりますw
星光さんだと普通に高町家に馴染んでそうで困る
-
星光さんは魔法版恭也兄さんっぽいなぁ
-
このスレの住人で映画に行った人は?
なにかSSのネタになりそうなのは転がってなかったかな?
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>>888
尻だな
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>>891
一期から新房臭とギャグシーンを抜いて2時間でまとめました。以上
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>>888
こういうパターンかも知れない。
L(管理局の魔導士を籠絡して、闇の復活を手伝わせてやる!)
L「クロノ兄ちゃん、僕と一緒にお風呂に入ろうよ!! 背中の流しっことかしたな!」
マテリアルクロノ「年頃の女の子がウンヌン(以下1時間の説教コース)」
-
ちょっと独断で性格をまとめてみる
若干ネタばれ注意かも?
星光さん=「負けたが、この戦いができただけでも生まれてきた価値はあった」と言い切る男前。
下手すると、生まれてから死ぬまで数分しかないのに。
戦うことに理由は要らず、魂が叫ぶから戦う人。でも、わりと理知的。シグナムさん系?
夜天の王=力はあるけど、計略的でないというか、脇が甘い感じ?
個人的には、王というより、姫な感じがある。
時代劇で、権力をかさにしてやり放題だけど、土壇場で家臣に見捨てられたり裏切られる的なアレ。
雷光さん=説明不要のアホっ娘でありボクっ子。
尻担当の大型新人。
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考えてみれば、ボーイッシュな娘はいてもボクっ娘は初登場だな。
期待の大型新人というか新参キラーというか。
しかし、マテリアル娘にも名前とか欲しいところだな。
この娘達はリリなの恒例、名前を呼んで(教えて)ができない。
自我に目覚めて成り代わりというのがオーソドックスな題材だろうか?
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>>896
そこはあれだよ
人の数だけ彼女たちの名前があるんだ、と思えばいいじゃないか
しかし以前790辺りにあった発売前の性格予想の王だけ掠ってたね
SSはもうちょい待って
サイトの更新もあるからなかなか時間が……
おまけSS
雷刃「スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!」
なの「……(チラッと期待に満ちた目で見る)」
フェイ「……(顔を真っ赤にしながらバルディッシュを構える)」
フェイ「す、スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!」
雷刃「スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!」
フェイ「スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!(ヤケになって振り回す)」
なの「……(o^-')b」
-
>>893
小説版の中身を映像化もプラスだな
アリシアの「妹よこせ!」も新規
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>>897 作品投下する時以外はコテを外しておいた方がいいかと思われ。
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最近気づいたけどクロノってマザコンでシスコンでロリコン?だよな
どっかの赤くて三倍の人みたいだ
-
注意感謝
以後気をつけます
なのポのシャマル編ステージ2繰り返して雷刃たんを堪能してる
雷刃たん可愛いよ雷刃たん
-
親子丼も母娘丼も新たに妹影丼も余裕の執務官様です
本編じゃカタブツ言われてるけどそれは世を欺く仮の姿
-
じつはゲームには「偽フェイト」と「雷刃たん」の2人が存在するから、フェイト三人衆を相手にするのも可能カモネー
偽フェイト→性格はフェイトそのもの。ただし、初期のほうの不安定なな精神状態のときのフェイトのコピーなので、
精神状態は常にネガティブ。失ったときの事を考えて、幸せを怖がる。
-
522です。
拙作の『ガンバレ女の子』の後日談でシグナムを弄りたくて書きました。
タイトルは「続・ガンバレ女の子」です。
-
広大な次空を監視する局内とはいえ、事件さえ起こっていなければ基本的に平穏そのもの。
ちょっと廊下を歩いていれば井戸端会議の如く世間話や噂話に花を咲かせる女性たちがちらほらと。
「ねえねえ聞いた? ほら、エリオ三等陸士のこと」
「知ってる! 同じチームのスバル・ナカジマさんといい雰囲気なんだって」
「えー、エリオくんにはキャロちゃんがいるじゃない。 あの初々しさがよかったのに……もしかして三角関係?」
「そうでもなさそうなんだよね……いっつも3人でいるし。 ひょっとしたらエリオくんって甲斐性あるのかも」
「うんうん。 なんたってあのフェイト執務官の秘蔵っ子だからね」
特に好いた惚れたの話には敏感で常に最新の情報が入り乱れて局内をあっという間に駆け巡る。
―――が、しかしである。
その女性陣ですら裸足で逃げ出す逸話もこの局内には存在する。
カツンと廊下を鳴らす靴の音に女性陣が恐れおののく。
海を割るモーゼの如く女性陣を両壁に貼り付かせ、ど真ん中を歩く人こそがライトニング小隊の副隊長シグナム二等空尉である。
某世界の北欧神話を地で行く騒動を引き起こし、未だ爪痕を残すこの局内でこの話は禁忌とされ今に至る。
ちなみに彼女の保護者である八神はやてはその後始末に追われて本局へ出頭中だ。
死人が出なかったのだけは不幸中の幸いである♨
-
「ヴァイスがあんな不誠実な男とは思わなかったぞ!」
酒の席でシグナムが早速愚痴をこぼした。
普段は寡黙な彼女だが相当鬱憤が溜まっているらしい。
けどそれに付き合わされるヴィータとシャマルはウンザリしていた。
「聞いているのかヴィータ!」
「……聞いてるって」
しかしこう何度も何度も絡まれてはせっかくの酒もがまずくなるというもの。
散々愚痴を聞かされてきたヴィータは沸点が低くなっていて、さらには酒の勢いも手伝って今度は逆に絡み始めた。
「だいたいヴァイスが浮気したのはおまえにも原因があるんじゃねぇのか?」
「なッ……私にか!?」
「そうだ。 おまえがヴァイスを満足させていれば浮気なんてしねーって」
「そっかぁ。 ヴァイス君もシグナムとできないことを彼女にお願いしていたのかも」
シャマルに痛いところを突かれてシグナムが凹む。
言われてみれば色々と心当たりがあるからなおさらだ。
「そもそもおまえとヴァイスってあっちの方はどうなんだ?」
「あ、あっちの方……?」
やけに抽象的な物言いだが突っ込まれたシグナムが途端に言葉を詰まらせる。
「……ガキじゃないんだからやることはやってるんだよな?」
「そ、それは……もちろん……」
先ほどまでの勢いはどこへやら、やけにしおらしくなるシグナム。
めでたくヴァイスと結ばれてからの度重なる逢瀬を思い出して頬を赤らめるところはまさに女の子である。
滅多に見られない仲間の一面にシャマルが面白がってさらにツッコミを入れる。
-
「じゃあ二人はどんなふうにエッチしてたのかな?」
「どどど、ど、どんなふうって……そ、そこまで聞かなくてもいいだろう!」
「えーーー、ここは重要だよ。 ヴァイス君がシグナムのどこに不満があったのかわからないでしょ?」
ヴィータも同じ考えらしくうんうん頷いている。
当のシグナムも自分のどこに不満があったのかは知りたいようで、3人の中では一番大きな身体を縮みこませてボソボソと口を開く。
「それはその……ふ、普通に……」
どこまでが普通なのかはわからないが初々しいシグナムの反応が逆にイラっとくるヴィータ。
「だから普通ってなんだよ!」
「ふ、普通は普通だ!」
「もしかしてやるときは部屋を暗くしないとできないとかぬかすんじゃないだろうな! ヴァイスのちoこをしゃぶったりそのムダにでかいおっぱいで挟んだりしてないのか、ああ゛!?」
「んなッ!?」
具体的な行為を言われて真っ赤になって戸惑うシグナム。
特におっぱいのくだりにはなんとなくだが悪意を持って聞かれているようにも思える。
「そそそそそ、そんなことできるか!」
「はぁ……ったく、そんなんじゃヴァイスが浮気すんのも仕方がねぇな」
「ど、どういう意味だ!」
「ガキじゃあるまいし、今どきフェラとかパイズリくらい普通だろ普通」
-
ヴィータに言わせるとシグナムがしてきたエッチはオママゴトかそれ以下で、よくヴァイスが我慢してきたなと感心するくらいの純粋培養さである。
ためしにとヴィータが舌を出してアレを舐めるフリをしただけで撃沈してしまうくらいライトニング小隊の副隊長様はピュアだった。
「で、では聞くがヴィータ、おまえはしているのか?」
「当然だろ」
パイズリができるかどうかの是非は問わないがとにかくすごい自信で、ふふんと小さな胸を張って即答する彼氏持ちのヴィータ。
ちなみに相手がロリコンであるのは局内では割りと有名である。
こうしてヴィータ>シグナムな構図になってきた―――と思いきや、意外な伏兵がここぞとばかりに横槍を入れてきた。
「そうよねぇ、この前なんか局内でシテたもんね」
「なッ……なんで知ってるんだよ!」
「ヴィータちゃんのところは本当にお盛んなんだから」
どこぞのヤリ手バ×ァみたいにおほほほとシャマルが笑う。
「でもね、局内でするときは注意しないとダメよ。 みんなに気づかれないように結界を張るの大変だったんだから」
「そ、そうか……大丈夫だと思ったんだけどな」
さすがに局内で性行為に及んでいるのがバレたら始末書では済まされないのはヴィータもわかっていた。
けど彼氏がどうしてもとお願いしてくるものだから行為に及んだらしく、しかも思っていた以上に良くて周りが見えてなかったようだ。
そして話はまだまだ続く。
「でも『お兄ちゃんプレイ』には私も驚いたなぁ」
「ちょ、シャマル……」
「あのヴィータちゃんが『お兄ちゃん』って言いながら甘えるところなんて私も初めて見たわ」
あれを見たのかとヴィータは戦慄して頬を引き攣らせる。
自分でも似合わないとわかっていてもいざやってみると彼氏が思いのほか悦ぶからやらないわけにもいかない。
それにやらないときとは勢いも量も段違いで通常の3倍はあろうかと。
だから最近では自ら進んでやっているのだ。
-
「べ、別にいいだろ! それにシャマル、おまえだって医務室にくる男どもを手当たり次第に食ってん知ってんだぜ!」
「あら、あれは治療なのよ?」
悪びれもせず、あくまで治療行為と言い張るシャマル。
なんでも局員(男性のみ)の健康を守るために一肌脱いでいるらしい。
時には一肌どころか全裸になって、またある時には一肌も脱がずに行為に及ぶこともあるという。
「あれが治療かぁ? なんかフラフラになって出てきたのを何度か見たことあるぜ」
「う〜ん、ちゃんと薬を処方してあげてるのにヘンねぇ」
「なんの薬だよ。 5・6人がやつれて出てきたときなんかゾッとしたぞ……どんだけ搾り取ったんだか」
八百比丘尼よろしくいつまでも若々しくてお肌がツヤツヤなのは男の精気を吸い取っているとかいないとか。
しかしそんな噂がまことしやかに流れても医務室のドアを叩く男性局員の姿は後を絶たないらしい。
二人の話が続く中、シグナムだけがついていけずにポツンと蚊帳の外。
あまりにも違いすぎる仲間の性生活にカルチャーショックを受けていたとき、ふとシャマルが中座してその場が一段落する。
「……お、おまえたちってすごいんだな。 その、あっちの方は……」
「そうか? もっとすごいヤツもいるぞ。 例えば―――」
「い、いや、言わなくていい……」
「そうか? 結構身近なヤツなんだけどな」
んーっと天井を眺めてそのすごいヤツのことを思い出すヴィータ。
人外魔境と化した局内も去ることながら遥か遠い存在になってしまった同僚にシグナムは畏怖すら感じていた。
「それよりもシグナム、おまえの方だ!」
「わ、私か?」
「ああ、いつまでもこのままってわけにはいかないだろ。 ヴァイスと続ける気はあるのか、それとも別れるのか……どっちなんだ?」
シグナムはいきなり二択を迫られ言葉に詰まる。
そもそも浮気をしたヴァイスへの怒りはあっても別れるという選択肢はなかった。
何しろ初めて(*^^*)の相手でもあるし、男と女の関係には疎いからそこまで頭が回っていないのが本当のところ。
けどよくよく考えてみると世間の常識では十分有り得るのだ。
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「男はあいつだけじゃないんだ。 もっといい男がいるかもしれねーぞ」
もしかするとヴァイスよりも誠実な男がいるかもしれない―――という考えがシグナムの頭によぎる。
だがそれも一瞬のこと。
不埒な考えを振り払って自分を恥じるほど彼女は一途だった。
「……ダメだ。 やはり私にはあいつ以外に考えられない」
「じゃあヴァイスを満足させるしかないな」
「ど、どうすれば……」
「決まってんだろ? おまえがあいつの欲求不満を解消させんのさ。 色々やりたいことあるみたいだしな」
ニヤリと笑うヴィータを前にしてシグナムはやはりそこに至るのかと盛大に凹む。
何しろヴァイスは青姦でコスプレ擬似レイプまでやらかす猛者で、躊躇せざるを得ない。
初心者のシグナムにとってそれはハードルが高すぎた。
「しかしだな、私はおまえたちと違って、な……何も知らないんだぞ」
「だよな。 教えてやってもいいんだけどヴァイスが自分の手で仕込むって手もあるからな……」
「わ、私が、ヴァイスに……?」
イメージとして先日のご乱交を思い出してティアナと自分を置き換えてみる。
猿轡をさせられて騎士甲冑服姿のまま尋問プレイを強要される自分―――
「できるかそんなこと!!」
「できるかじゃねえ! やるんだよ!」
「そうよシグナム。 諦めたらそこで試合終了だよ」
ここでようやく戻ってきたシャマルが頭に血が上った二人を宥める。
シグナムの隣に座って菩薩のような笑顔を向けると不思議と荒廃した心が落ち着く。
戦士タイプの二人にはなんだかんだ言っても空気を和ませるシャマルのような人間はありがたいのだ。
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「ん? ゴミがついてるぞ、シャマル」
ふと目に付いた糸くずをシグナムが取ってあげる。
管理局のスゴ腕とはいえ女性なのだから身嗜みには気を遣う。
特にシャマルは医務官として局内に勤めているから常に清潔にしなければならないのだ。
が、しかし―――
「……………………………………」
取ってあげた糸くずをじっと見つめるシグナム。
なぜだか見覚えがある―――と思ったら恥ずかしい毛だった。
「なんだこれはあああ!!!」
「はぁ、やっぱり食ってきたのかよ……」
「やっぱりってなんだ! 知っているのかヴィータ!?」
「だから男を食ってきたんだよ。 シャマルの好きそうなヤツがいたからな」
「こ、ここは店の中なんだぞ……」
よく見ると毛の色がシグナムともヴィータともシャマルとも違うため、火を見るよりも明らかだった。
シャマルはシャマルで「バレた?」と悪びれもせずに笑顔のまま。
自分とはあまりにも違いすぎる意識の差にシグナムは「ひょっとして私の方がダメなのか?」とさえ思うようになってきたのはもはや重症だった。
「でも今は私よりもシグナムよね」
「ああ。 ヴァイスの望みを叶えてやるためにもここは一肌脱いでやらないとな」
シャマルの吐く息がなんとなくイカくさく、ロリコン彼氏に開発されたヴィータがSっ気たっぷりな笑みを浮かべる。
シグナムは少女のように恐れおののく。
古代ベルカ総合AA+と古代ベルカ空戦AAA+の魔導師に挟まれては、いかな古代ベルカ空戦S−とはいえ逃げ場などありはしないのだ。
「ちょ、ちょっと待て二人とも……私はまだやるとは―――」
まだ何も知らないシグナムが二人の手で穢されていく……
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「俺だって最初は断ったんだよぉ……」
暗い夜道を歩く男が二人。
ヴァイス・グランセニックとグリフィス・ロウランの意外な組み合わせである。
どうしてこうなったのかというと、たまたま落ち込んでいるヴァイスにグリフィスが声をかけたのが運の尽き。
酒の席で愚痴を聞かされただけでなくベロベロに酔っ払ったヴァイスを家まで送り届けている途中だった。
「自業自得だ」
本当にその通りである。
断っていたのならどうしてこうなったのだと何度も問い質した。
しかしあの惨状を見てしまっては捨て置くこともできず、二人の再構築に力を貸そうとしていたのだ。
まあ謝ること以外できないのだが。
「ほら、家に着いたぞ」
ほどなくしてヴァイスの自宅に到着する二人。
後はベッドに放り込めば任務終了というところで事態は急展開。
自分も酔っているのか、ドアを開けたところで幻覚が見えた。
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「お……お帰りなさいませ、ご主人さ―――ま゛!?」
そこには烈火の将と敵だけでなく最近では味方にまで恐れられるようになったライトニング小隊の副隊長シグナム二等空尉がいた。
問題はその姿で、普段の凛々しい出で立ちとは遠く離れたイメージのメイド姿。
特におっぱい魔人と謳われる所以のおっぱいがはち切れるかと思えるほど胸元が開いたデザイン。
さらには頭に天使の輪っかと背中に羽までついているステキな衣装だから「誰?」と思わずにはいられない。
「グ、グリフィス……なぜ貴様がここに……」
幻覚かと思えるシグナムが血を吐くような声で、わなわな震えながら下から上へみるみる顔が赤くなる。
常人ならば停止した思考回路できっと幻でも見たのだろうと思うのだが、そこは八神はやてが本局へ出頭中のため留守居役を勤める機動六課部隊長補佐。
すばやく頭が回転してビシッと直立不動の姿で敬礼する。
「ヴァイス・グランセニック陸曹を連れてきました。 引継ぎ、よろしくお願い致します」
「ああ……ご苦労」
毅然とした態度を見せるグリフィスにつられてシグナムも敬礼で返す。
大人の対応で、メイド姿なのは気にしない。
自分は何も見ていないし聞いてもいないとグリフィスは頭の中で繰り返し、呆然とするヴァイスを引き渡してさっさと回れ右をする。
「それでは自分はこれで失礼します」
「ちょ、ちょっと待てグリフィス! こここ、これはだな……」
「なんでしょうかシグナム副隊長。 自分は何も見ていませんが?」
「だから違うんだ! 頼むからそんな笑顔で見るのはやめてくれええぇぇぇえええぇぇえ!」
その夜、ヴァイス宅から身を切り裂くほど哀しい女の叫び声が聞こえたという。
翌日―――
「あれ、シグナムまだ来とらんの? ヴィータ、シャマル、何か知っとる?」
「な、何も聞いてない……」
「わ、私もぉ……」
―――END
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以上です。
ほとんど勢いで書いたものですがありがとうございました。
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リアルタイムで久しぶりに読んだぜGJ。
何やってんすか、烈火の将wwwww
……あ。ちょっと腹具合悪いみたいなんで、医務室行ってきます。
今晩、シャマル先生の宿直でしたよね?
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GJ。GJだぜ兄弟
だがしかし、だがしかしだ
ここで終わりじゃねぇでしょう?これで終わりはねぇでしょう?
エロテンカイマダー?
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乙、猥談いいよ猥談。
どのキャラに目を向けても良い展開で続きそうな話だ。
しかし局内でお兄ちゃん・・・何その脳髄がとろけそうなプレイ。
俺と代われ。
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ヴィータの「お兄ちゃんプレイ」が見たい!
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