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魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第99話

240鏡の中の狂宴 2/10:2009/06/14(日) 21:32:54 ID:MHNWU86U
「まあまあ、ミッドを救った英雄様じゃないですか。世論が許しませんよ?
その代り、面白い計画があるのですが……」

中身だけを聞けば単純なものだった。
なのはから一時的にヴィヴィオの親権を切り離し、矯正施設で教育させようというものだ。
「重大すぎるミスを犯した張本人ですからね。クビかどっちかと聞かれれば素直に頷くでしょう。
高町にも立場ってモノがあるし、管理局を追われて行き着く先は極めて限られている」
何も永遠の別れじゃないんですから、と強調すると、上の顔は疑問符に満ちた。
「で、それが何になるというのだね?」
「そりゃもちろん、『我らがエース・オブ・エース』を強請るネタにするんですよ。
本人は絶対堕ちないでしょうが、娘なら簡単でしょう?」
加虐を存分に含んだ笑みを浮かべると、会議場は彼の意図に気付いたようだった。
「この一件、私に任せて頂けませんか?」

満場一致で拍手が沸き起こったのには、なのは──はやて側の人間も混じっていた。
最上層の利権構造に食い込むための協力。
人の意思とは、あまりにも脆いものだった。
「あぁ、当然ですが『生活の様子』をフィルムに収めようと思います。
愛する娘さんがどんな暮らしをしていたのか、母親としては気になるところでしょうからねえ……」
ニヤリと笑った彼の口の端からは、悪意そのものが漏れ出していた。

***

そうして『矯正施設』なる場所に送られたヴィヴィオの生活は、泥濘を極めた。
僅かに一畳半の部屋。そのうち和式のトイレが半畳で、残りは何もない。
天井は異様に低くて、大人なら始終屈まなければならない程だ。
その片隅にはカメラ。ヴィヴィオを観察しているのはいわずもがなだった。
内側から大量のボルトで止められたダクトが一つあるが、当然脱出の可能性はゼロ。
窓はなく、明かりは裸電球が一つ、常に薄暗いまま灯り続けている。
空調はやや高めに設定され頭がボーっとする一方で、常に同じ光を与える電球は時間の感覚を失くしていく。
「出して、出してよぉーっ!」
何度もドアを叩き、泣き叫んだが、出してくれるどころか人間の姿すら見かけなかった。
三方が真白な壁に囲まれ、残った唯一の出口であるドアもまた白く、鍵は閂か何か、
とにかく小学生に開けられる代物ではなかった。

食事もパサパサと味気なく、常に飢えと渇きの中にあった。
郵便受けのような場所から出てくる盆は器と一体化したタイプで、箸一本載っていない。
手掴みで食べるしかなかった。
味噌汁が入った汁椀だけは別だったが、これもまた鎖に繋がれている。
徹底した管理ぶりだった。
何度となく『郵便受け』から手を伸ばしてみたが、どうしても床のペタペタとした感覚以外の何かを触ることはなかった。
それが終ると、盆を回収される。一度それを拒否したら、唯一の灯りを消されてしまった。
半狂乱になって叫び続けても許してくれず、泣き疲れて眠り、そして再び目覚めた頃、やっと裸電球が復活した。
のっぺらぼう、ひたすらに何もない時間を過ごさなければならない苦痛に、
ヴィヴィオは何度も悲鳴を上げ、身体を掻き毟った。




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