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百面相の誘惑は止まらず

38PON:2014/03/20(木) 11:32:47 ID:8HqSlHdI
『あらっ、どうされたのですか?このような場所で・・・』
『お・・・おぉ、やっと来たのか』
10分以上待っていた達明に声を掛けたのは、スーツに身を包んだ佐野杏子だった。
『もう御用がお済みでしたら、一緒に参りませんか?』
すぐに戻ってくると言っておきながら・・・と言いたくなるのを堪えつつ、問い掛けに応じる。今度は佐野杏子に変装し、正体を明かさぬまま小芝居を打つなどして、何をするつもりなのかと様子を窺う。だが、考えれば佐野杏子に変装して自分を外に連れ出したのだから、杏子に変装し直すのも当然かとも思い、話を合わせてエレベーターに乗り込んだ。

今回も、他に誰も乗っていない。今度は、服を脱ぐのか、変装を変えるのか、痴態でも晒すつもりなのか・・・と行動を予測する。
『河原様は、あまりお飲みにならないのですか?』
『今日は、それどころではないのだ。それを一番・・・』
『そうでしたか、本日はお忙しく居られるのですね。では、普段はお飲みになられるのですか?』
酒を飲むどころではないことは、貴様が一番良く知っているだろう。そう言おうとした所で、重ねて質問を投げ掛けられた。
『まぁ、人並みに・・・だが、チビチビと呑むのが性に合っているな。私が、賑やかな店を好きなのは、既に知っているのではないのか』
『そうですね・・・常務の米田もよくご一緒させて頂いているそうで、河原様とは綺麗な女性の居るお店で楽しく過ごす飲み仲間だと申しておりました』
いきなり当たり障りのないことを聞かれ、何を考えているのかと思いながら調子を合わせる。だが、これまでと比べどこか様子がおかしいと感じていた。そもそも、これまで百面相が起こした行動自体が、おかしい話ではあるのだが。
そうして思案を巡らせるうちに、目的階に到着してしまった。


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