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ふゆのアルバイト

4よんよん:2009/12/15(火) 22:17:21 ID:???
『よかったぁ。ねぇ、それじゃ・・鈴村君におもしろいものを見せちゃおうかな』
『おもしろい・・?』
『うん、鈴村君なら絶対に驚くと思うよ?』
彼女がこの家にきただけで驚きだというのに、まだ何かあるのか、僕は彼女の顔を呆然とした状態で見ていた。おそらく今の僕の顔を鏡に写したら、気持ち悪いほどにニヤついた顔になっていることだろう。
『クス、心の準備はいい?』
『大丈夫だよ〜・・』
自分の言葉とは裏腹に、僕は恐ろしいほどに酩酊していた。
今思えばなぜこのタイミングで気付かなかったんだろう。僕は自分のお茶に睡眠薬を盛られていたことに・・
『それじゃいくよ〜。ククク・・』
彼女にふさわしくない気持ち悪い声で稲沢さんは、突如として自分の鼻をつまみあげた。
『クク、よくみとけよ?』
つまんだ指を離さず、彼女の指はそのまま前のほうへと引っ張っていく。まるで鼻の伸びたピノキオのようにゆっくりとゆっくりと鼻を伸ばすような仕草をしてみせる。
いや、事実鼻は伸びていた。日本人である彼女はもちろん欧米人のような鼻の高さがあるわけでない。それがなぜかつままれた指に沿って鼻が長く伸びていたのだ。
だがここでようやく僕は気がついた。伸びているのは鼻じゃなくて、顔全体だったのだ。
まるで洗顔パックがゴムのように剥がれていく。そんな感覚である。しかし洗顔パックとは違うのは、それが顔面だけではなく頭全体であることであった。
『あ・・・?』
僕はだらしなく開いた口のまま、稲沢さんだった者を見ていた。
彼女の顔はもはや稲沢さんの顔の形ではなくなっていたのだ。頭が剥げ落ちてしまった彼女の顔だったものは首から下に垂れ下がっている。
そして洗顔パックの中から出てきたのは、宇宙人でもなく、僕の見知った顔だったのだ。
『よう!クク、今年も野郎が相手で残念だったな。』
ヤツはニカっとした顔で僕に笑いかけた。
『ト、トシ・・?!』
稲沢さんだと思っていた者の正体・・それは僕の男友達のトシであった。
『どうだ?びっくりしただろ。まぁ、稲沢だと思ったまま眠るるよりはこうサプライズがあったほうがいいと思ってな。正体明かしちまったが、まぁ悪く思うなよ』
トドメの一撃に、トシはサンタ衣装の中に隠し持っていた催眠スプレーを僕に焚きつけたのであった。


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