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ふゆのアルバイト

3よんよん:2009/12/15(火) 22:16:43 ID:???
稲沢さんと自分の分のお茶をわざわざ盆に置き、僕は部屋にもどってきた。
『はい、お茶です・・』
『ありがと。ねえ、ところで鈴村君は家族とかいるの?』
『え、家族ですか?まぁ普通に父と母、あと妹がいます』
『あ、妹さんいるんだ』
『うんまぁ・・・あ、もうそろそろ帰ってくるかもしれないなぁ』
妹が帰ってきたら、稲沢さんのことをどう紹介すればいいんだか。もちろん友達というべきなのだが変に勘違いされて、父さんや母さんに告げ口されても厄介だ・・・僕はそんなことをふと考えていた。
『ふーん、もう少しで帰ってくるんだ。それじゃ早くしないといけないな』
『え?何か言った?』
『ううん。なんでもないよ。それよりお茶さめちゃうよ、鈴村くん?』
小声で稲沢さんが何か呟いたことが少し気になったものの、僕は勧められたお茶をゆっくりと口につけた。
『それでいったい今日は何のようなんですか?』
『この格好でわかんないかなぁ?ほら、今日はクリスマスイブでしょ?』
『うん・・』
毎年、僕にとって無意味な日だ。先ほど彼女が名前をあげたトシも同様でたいがいは二人で時間を潰しているのが恒例になっているくらいである。
『だ、か、ら・・ね?今日は鈴村君と一緒にクリスマスイブを過ごそうかなって思って♪』
『・・え?ええええ!?』
『あ、もう・・そんなに驚かないでよ。外まで声がもれちゃうよ?』
『ご、ごめんごめん・・えっと、でもそれってどういう意味・・?』
『そんなこと聞いちゃうの?』
稲沢さんはゆっくりとベッドから立ち上がり僕の手を握った。
『あ・・』
『あ、鈴村くんの手・・あったかい』
稲沢さんはそのまま僕の手を引っ張り、ベッドの隣に座るよう促した。もちろん僕はそれに従う・・しかなかった。
『ねぇ?』
『ハ、ハイ?!』
『お茶、おいしかった?』
『ハ、ハイ・・!』
自分で淹れたお茶においしいも何もあるわけじゃないが、僕は彼女の声に従うように声をあげた。彼女の言葉に頭が舞い上がっているのか、少しずつ正常に物事が考えれなくなっているような感覚になっていた。


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