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ふゆのアルバイト
26
:
よんよん
:2013/07/12(金) 23:28:08 ID:???
『はい、それじゃあとは頑張って一人で脱いでよ』
小冬はそう言って僕の背中をポンと叩いた。
あわてて背中の辺りに手を当てると、何か薄いものが背中から剥がれている。
『これは・・』
どうやらこれが変装スーツらしい。まるでセミが蛹から脱皮するかのように背中のあたりがぱっくりと割れている。
力いっぱい引っ張るとそれは鈍い音を立てながら、ゆっくりと裂けていった
『これなら抜け出せるかも』
まだ稲沢さんの声で一息、声をあげ、ゆっくりと慎重に皮をはいでいった。
『これでなんとか・・おい、小冬、手伝ってくれよ・・』
あまり変な体勢になっているため、腕がつりそうになったため、僕はあの怪しげな妹に声をかけた。
『小冬・・?』
ハッとなって僕は目をあけた。いつのまにか部屋には妹がいなくなっていたのだ。
『いない?どこに・・?』
物音も立てずに妹は忽然と消えた。まるで幽霊のようだ。
『クソ、もう少しだってのに・・』
腕が疲れるほど変装スーツはかたく、力いっぱい引っ張ってもなかなか裂け目が広がらない。
どうやらこのあたりが裂け目の限界なのだろう。
『これ以上引っ張るより、抜け出した方がいいか・・』
グギギギ・・・と背中の裂け目をうまく体勢をかえつつ、頭を出そうとする。
かなり小さな裂け目なのか、なかなか全体が出てこない。
それでも時間を十分にかけ、僕の頭はようやくその裂け目からぶわっと飛び出した。
『やった・・!』
まるで卵から飛び出したひよこのように僕は天井を見上げた。
勢いよく頭を飛び出したためか、長い髪の毛がブルブルっと左右に揺れ落ちた。
『え?髪の毛?』
ふと目の前の鏡が見えた。そこには稲沢さんのクシャクシャになった抜け殻の上に、妹の友人である三浦彩夏のきょとんとした表情が写っていた。
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