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ふゆのアルバイト

22よんよん:2010/01/24(日) 16:29:58 ID:???
『い、稲沢さん・・?』
僕は慌てて鏡を覗きこんだ。するとどうだろう、鏡に写る稲沢さんも僕の動きに合わせて同じような動きをする。
ゆっくりと僕は右手を自分の頬にあてる。やはり鏡に写る稲沢さんも手を頬にあてた。
『まさかこれって・・!』
おそるおそる僕は視線を下へと向けた。
異様なほどに晴れ上がった二つの胸がすぐに見えた。赤いミニスカートから伸びる素足はどう見ても男性のものではない。
・・いや、僕のものではなかった。
『これは・・あ、声も違う!?』
自分の声なんてあまり聞きなれないものではあるが、今の自分の声が男のものではないことはわかった。
そう、つまりは・・僕は稲沢さんになってしまっている!?

「にぶちんだね、お兄ちゃんは。あ、今はお兄ちゃんって呼ぶのもおかしいかな。稲沢さん♪」
後ろで嬉しそうに妹が声をかけてきた。
『小冬・・?』
妹のその調子を見てわかった。妹が俺にこんなことをしたんだと。
いや、だがいったいどういうことなのだろうか。魔術?奇術?いったい妹はどうやって僕の姿をこんなふうに変えてしまったのか。
『・・・あっ』
僕はそこでようやくある事を思い出した。
『そうだ!あの時、トシがいたんだ!』
僕が眠る前に見た稲沢さん・・あれは偽者だった。トシは精巧なマスクを被り、僕を欺いていたんだ。
『まさか・・この稲沢さんの顔は、マスク!?』
「正解だよ、稲沢さん♪」
クス・・と笑うような仕草を見せる妹に、やはり僕は何かの違和感を感じていた。
『小冬・・?僕にこんなマスクを被せたのは・・お前なのか?それとも・・』
トシがやったのか?そんな事を考えていくうちに僕は目の前にいる妹が怖くなってきた。
目の前にいる妹は本当に僕の妹なのか?・・もしかして今目の前にいるのは、今の僕と同じように誰かが変装した誰かではないのか、ということだ。
『まさか・・お前、トシ・・なのか?』
「何を言ってるの、お兄ちゃん♪私がトシさんに見える?」
妹は、証拠でもあるの?と言わんばかりにクスクスと鼻で笑っていた。


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