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ふゆのアルバイト

13よんよん:2009/12/21(月) 00:11:36 ID:???
『それよりお兄ちゃん、今日の私・・変じゃないかな?』
突然妹さんはわけの分からないことを聞いてきた。
しかし俺は鈴村ではない。普段の妹さんのことをよくは知らなかった。なにせ下の名前すら知らないのだから。
『変かって言われてもね。・・そうだないつもより積極的な感じがするよ』
これはあくまで俺の主観であるが、妹にしては兄に対して少しべったりすぎる気がした。いわばブラコンにすら感じ取れる。
といっても今の俺も妹さんにべったりなのだからシスコンといえるかもしれない。
『ああ、やっぱり・・』
妹さんはそういうと言葉少なめにブツブツと呟いていた。

何かおかしい・・

妹さんはモジモジとするように顔を下に背けては、俺の顔を突然見たりしている。
『・・・』
俺はケーキと紅茶をむさぼりながら、妹さんのことを考えていた。
妹さんはこの家に帰ってきてからずっと俺の様子を伺っているようにみえる。
またケーキを買ってきたといっているが、両親が戻るのを待たず兄と二人で食べるなんて選択肢を普通取るだろうか
試してみるか? 俺はふと頭によぎった言葉を妹さんに言ってみたくなった。どうせ下手なことを言ったとしても困るのは鈴村本人であって俺ではない。
『なぁ、一つ聞いてもいいか?』
『・・な、なに?』
『今日のクリスマスイブだけど、一緒に過ごさないか?いや、トシもいないしさ、今日は一人なんだよ』
もし妹さんが兄のことを好きだとしたら・・・まさかそんなはずはないと思いつつ俺はそんな意地悪な質問を言葉を変えてしてみた。
『・・え、うそ・・・』
『嘘じゃないさ。俺もお前のことは好きだしな』
妹さんは愕然とした状態で言葉を詰まらしていた。
思った以上に俺の言葉にショックを受けたのだろうか。いや普通ならありえない。
普通の感覚でいうなら『冗談いわないでよ』とか『頭おかしいんじゃない?』くらい言われてもおかしくないくらいだ。
なのに妹さんは顔を赤らめたと思ったら、次第に紅潮から蒼ざめた様子へと顔を変貌させていた。
『い、いや・・・そ、そんな・・』
『は?ど、どうしたんだよ』
妹さんは兄に対して恋心を抱いている・・そんな可能性があるかと思っていたが、どうやら状況はもっと複雑であったらしかった。
しかし俺はその状況を理解することはなかった。
「本当に最低ね・・」
俺の背後から突然『妹さん』の声が聞こえたからであった。

ドンッ!

にぶい音が俺の頭が聞こえた。と同時に俺は椅子から転げ落ち意識を失った・・・
最後に見えたのは、テーブル対面で泣くそぶりをみせる妹さんと、背後で鈍器のようなものを持った妹さんの二人の顔であった。


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