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ふゆのアルバイト

10よんよん:2009/12/21(月) 00:10:06 ID:???
『あ、帰ってきたんだ?』
『うん、今日くらいは早く帰ってこないといけないかなって。お兄・・ちゃん、今年も一人なんでしょ?』
妹さんは俺をみるやいきなりそう話しかけてきた。しかしいきなり一人かどうかを聞いてくるとは、どういう妹なんだ・・?
『いきなり何いってるんだ。いつもこの日はトシとつるんでるじゃないか。まぁ、女っ気はないけどさ』
『あれ、そうだったかな。えっと、それじゃ、どうしようかな・・』
妹は突然何かを思案するように目を泳がせていた。俺や鈴村が毎年クリスマスにつるんでいるのを知らないのだろうか。
いや、それよりも俺をみるや、俺の予定を確認しにきているのは何か考えがあってのことじゃないだろうか?・・俺はふとそんな風に感じた。
『ねえ、お兄ちゃん。今日もそのトシさんと一緒に出かける予定なの?』
『いや、その予定はないけど』
俺がトシなのだから、鈴村と俺が出かけるなんてことはないし、俺もそんなつもりはない。
だからこそ今、俺は鈴村に化け、こうやって妹さんの帰りを待っていたんだ。
『だったら、あの・・クリスマスケーキを一緒に食べない?帰りに買ってきたんだけど』
『ケーキ?』
『うん、あれ・・?ケーキ、嫌い?』
『いや大好きだよ、いいな。よし、それでいこうか』
妹さんの様子がおかしい・・そんな気もするが、鈴村と妹さんがいつもどんな会話をしているかなんて俺は知らない。だから俺は妹さんに深くは追求しなかった。
いや、それよりも妹さんを寝かせるチャンスがまさか、あちらから持ってきてくれるとは思ってもいなかったことに俺は歓喜した。
『ケーキは台所か?』
『うん・・』
『じゃあ、紅茶でもいれておくわ。お前もさっさと着替えて一緒に食べようぜ』
『え、一緒に?あ、うん・・わかったよ』
一瞬、妹さんの顔が紅潮したかのように見えた。だが俺はそんな様子に目も暮れず、そのまま台所へと突進した。


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