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怪盗66号活動報告書 および被害レポート

55PON:2022/11/12(土) 23:35:21 ID:zT/6pqs2
11月12日

『本日、院長様とお約束をした成木と申します』
スーツの男性が姿を見せたのは、クリニックの診療時間前だ。
『お待ちしておりました。それではこちらへ』
たおやかに挨拶をする女性スタッフに案内された部屋では、既に女性院長が待っていた。

『お忙しい中、お時間を頂きありがとうございます。では早速、こちらの器具なのですが』
挨拶もそこそこにセールスマンが取り出した物は、ハンディクリーナーのような代物だった。
『私共が開発した、医療用顕微鏡とCTスキャナを兼用する商品です。大規模病院に限らず、美容クリニックでの利用価値も高いかと』
『兼用・・・ですか?こんなに小さな機械で?』
目を丸くして驚く女性院長は、手渡されたスキャナをまじまじと眺める。すると、男性はスッと手を差し出した。
『良かったら、私の手を読み取ってみてください』
スキャナのモニターにセールスマンの肌が映し出される。画像は驚く程に鮮明だった。
『こんなに・・・それにしても成木さんの肌、すごくツヤツヤ。産毛も皺も全然なくてまるでマネキンみたい』
『あぁ、よく言われますね』
美容のプロが感嘆を上げて褒めるが、彼は気にもしない様子で受け答えた。
『どうでしょう、手だけではなく全身も映してCTをご覧になっては』
『そう、ですね・・・あっ、ナンナちゃん。ちょっと来てもらえる?』
さすがに男性を相手にするのは気が引けた院長は、部屋の扉を開けて近くに居るスタッフを呼び込んだ。

『えっと、ここで立っていれば良いんですか?』
『そうね・・・やはり静止していた方が?』
ナンナに向かってスキャナを構えた院長が尋ねる。
『いえ、動画、静止画による違いはありません。ズームでも引きの画像でも、それから360度撮影も出来ますので』
『そんなに多機能だなんて、信じられないわ・・・』
『今や、医療器具の進歩は目覚しいんですよ。まだ私の所でしか実用化されていない、唯一無二の・・・っ、最新鋭機器で』
レクチャーを受けつつ、簡単な操作でスキャンを終える。そして、モデル役のナンナが部屋を出た所でモニターの画像を確かめた。
『どうです?これが彼女の肌質で、こうすると視点を変えることが・・・それから、画面を切り替えれば透視した身体の内部も』
あまりに現実離れした機械の説明に心酔する院長であったが、ふと身を乗り出して話す彼の異変に気付く。
『あの、成木さんの胸どうかされたんですか?』
訪問時、スラッとした細身の体型だったはずの彼の胸にはシャツを押し上げる膨らみが鮮明に浮かんでいた。しかも、白い生地には小さな茶色の突起が透けて、少し身動ぎするだけで震える柔らかそうな質感は、どう見ても女性の乳房そのものだ。
『ん?・・・あぁ、さすがに気付かれてしまいましたか』
それまでビジネストークをしていた男は、気でも触れたかのようにシャツの膨らみを鷲掴みして揉みしだく。その双丘に埋もれる指もまた、細くて長い女性的なラインを誇っていた。
『出来れば穏便に事を進めるつもりだったんだが、院長先生がHカップスタッフのナンナちゃんを選んじゃったもんな。さすがにこれ程の巨乳を隠し通すなんて無理があるか』
前傾姿勢を保つ彼が胸のボタンを外したと同時に、たわわな乳房が谷間を作りながらプルンと零れ出る。それは、まさに頭で想像していた通りのビジュアルであった。
『胸のボリュームも然ることながら、とても綺麗な肌でしょう?私のハンディスキャナに掛かれば、常にこのスタイルとマネキンのような肌質、ディテールを維持することをお約束しますよ』
男性が女性の胸を備えるという異様な光景に、言葉を失うばかりの女性院長。その反応が堪らない・・・そんな内心を覗かせる男は、首筋に指を這わせて卑しく嗤う顔を歪めながら捲り上げていった。
『楽しいねぇ・・・さっきモデルをしてくれた子が、今こうして貴女の目の前で恥じらいもなくHカップの女体を晒しているのも全て現実なんですよ。現代の科学技術って、常人には理解し難いことばかりだと思いません?ククククク・・・』
剥がれていくマスクの内側から、一目で若い女性の・・・さっきまでここに居た女性の物と判別出来る口元が覗く。ニヤリと口角を吊り上げるその顔は、セールスマンとは全く異なる、あるべきソプラノボイスで卑しい嗤いを零し続けた。


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