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RPGキャラバトルロワイアル11

679世界最寂の開戦 1 ◆wqJoVoH16Y:2013/04/29(月) 01:23:22 ID:RwfT774k0
波打たぬ響きが止み、静寂が訪れる。
都合六度ともなる放送だが、その威は何ら衰えることはない。
むしろ告げられ名が一つ増えるたび、音に乗るその感情は火にかけた鍋が煮詰まるように純粋に、強大になっていく。

【にくい】

水気のない砂や枯れた草は微風に巻き上がり、不規則に散乱した石や岩の破片は天頂に昇った太陽に煌々と灼かれている。
置換も代替も出来ぬ奔流の通り過ぎた先には、やはり死せる沈黙が広がっていた。

「……つー訳だ。あいつらは、死んだよ。俺が起きた時には、もう」

その沈黙を揺らすように、アキラがぼそりと呟く。
崩れた石礫の中に交じる、明らかに人工物めいた調度の石細工の破片。
その一つに背を預けて座り、アキラは大きく息をついた。
再び、沈黙が大気に淀んでいく。立ち尽くす者も、アキラと似たような岩に背を預けている者も、
震えと共に五指を握りしめるか、顎に汗を伝らせながら喉を鳴らすか、
それに準ずる動作をするばかりで、言葉を発する者はいない。
天頂の陽光は白く、熱い。

「……で、そろそろ教えてくれねえか。なんでそいつらここにいる」

嘆息の後、沈黙を破ったアキラの声が、ここにいる5人のうち、3人の身体を残る2人――ピサロとカエルに向けさせる。
2人はアキラへと身体を向けたまま不動をつらぬく。
「黙ってねえで、なんとか言えよ。何があったかは知らねえがこっちは――う”、ぬぃ……」
起き上がろうとしたアキラの体が、尻が地面から浮くか浮かないかというあたりで再び沈む。
腿の銃創や後頭部の瘡蓋など、あちらこちらの傷が陽光に劣らない熱を放っていた。
「ヒールタッチじゃ、限界かよ……」
「お、おい! 大丈夫か――」
ストレイボウがアキラに駆け寄ろうとするのを阻むように、カエルが一歩前に出る。
それとほぼ同時に、ピサロもまたアキラへと近づいた。
イスラとアナスタシアは座ったまま、微動だにしない。
「ケアルガ」「ベホマ」
ストレイボウが合間に入ろうとするよりも速く、2人がアキラの傷に掌を重ねると、二つの魔力光がアキラを包む。
柔い光、最上級の回復魔法の中で、アキラの傷から熱が霧散していき、そして傷そのものも幾分かに減じていく。

「お前ら……いや……そういうことかよ……糞……」


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