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新アルテミスアナザーストーリー by BiBi

1BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/17(木) 20:09:42
ab.0001.info.01

『はじめに』

 こんにちわ。BiBiといいます。ネット小説『生体実験』のアナザーストーリーを、ここ『したらば掲示板』に投稿していた者です。

ずっと投稿をサボっていましたが、また性懲りもなく再開させていただきます。しかも前回の続きからではなく、無謀にもオリジナルストーリーの設定を大幅に変更するという、アナザーにあるまじき暴挙をともなっての、最初からの再スタートとなります。

なお、この物語は、『SM小説 生体実験 (以降、『生体実験』、またはオリジナルストーリーと呼びます)』のアナザーストーリーです。オリジナルストーリーを既読である事を前提に書かれています。当アナザーの前に、オリジナルストーリーをお読み下さい。

下記の注意事項 >>2->>5 をお読み下さい。

429BiBi ◆8cBPUextJk:2019/09/30(月) 22:19:44
ab.0352.Lamia.birth.07.01

『ラミアー 出産実験07』

 ヒトの妊娠出産には約10ヶ月を要する。この10ヶ月というのは胎児が成長するための期間であると同時に、母体の出産準備期間でもある。

強制妊娠薬を投与された由梨香の子宮内では、由梨香の卵子とラミアーの精子の結合体は、わずか2週間でヒトの胎児並みの大きさに成長した。この2週間という期間は、母体である由梨香の身体が出産準備をするには、あまりにも短すぎた。

 ラミアーの実験体になった由梨香は、奴隷という立場は変わらなかったが、健康管理では最高の待遇を受けていた。アンドロイドが身の回りの世話をし、清潔な衣服、栄養管理の行き届いた食事、衛生的で快適な居室が与えられた。

かように快適な生活を与えられた由梨香だが、本人が満足しているかというと、実はそうではなかった。由梨香への拷問は一切禁止され、由梨香自身もオナニーができないように貞操帯を装着された。拷問もオナニーも許されない日々は、この重症の真性マゾにはむしろ辛かった。

「ダメ、もう我慢できない」
両手で股間を擦るが、貞操帯のせいで何も感じない。仕方なく胸に手を這わすが、胸にもプロテクターのような物が装着されていて、乳房に触れる事ができない。

430BiBi ◆8cBPUextJk:2019/09/30(月) 22:22:17
ab.0353.Lamia.birth.07.02

 由梨香の健康管理は主に医療用アンドロイドが行っていたが、定期的に医師のアスクレピオスが回診をした。

「Yurika、体調はどうだ?」

「あぁ、お願いします。由梨香を虐めて下さい。どんなひどい拷問をされてもかまいません」

「ダメだ。オマエを拷問するのは禁じられている。諦めろ」

「じゃあ、せめてフェラチオだけもさせて下さい!」

「ば、馬鹿を言うな! 俺ごときが、ラミアー博士の実験体にそんな事できるはずないだろ!」

アスクレピオスが回診に来るたびに、由梨香は拷問を懇願したが、その願いが叶えられる事は決してなかった。

「あ?! あぉおおお?!」
由梨香の陣痛は突然始まった。
「あ、あぉおおお……。い、痛い。痛……ふぅううう……」
さまざまな拷問を受けてきた真性マゾも、陣痛は初めてだった。額に玉の汗を浮かべて、床の上に横たわった。
「あぁ……。い、痛いけど……なんか気持ち良い……」
10分ほど後、粗末な食料を運んできたアンドロイドによって、床の上にうずくまる由梨香が発見された。

431BiBi ◆8cBPUextJk:2019/09/30(月) 22:24:00
ab.0354.Lamia.birth.07.03

 由梨香はそのままラミアーの実験室に運ばれた。実験室には、ラミアーの他、助手としてビーナスの姿もあった。

由梨香は、用意された分娩台に、文字通り妊婦のように寝かされた。仰向けで、両手はバンザイをするように頭の上にのばし、両足は支脚器と呼ばれる台の上にのせた。ただし産婦人科のそれと異なり、両脚を股関節が外れそうなほど大きく開かれ、手足を拘束されている。貞操帯は外され、全裸になっている。

2週間という異常な短期間で母乳を出せるようになった乳房は、いびつな形に膨隆し、まるで美容外科医の下手な豊胸手術を受けたようだ。乳輪と乳首は使い古した十円硬貨のような色になっていて、それを中心に青い血管が乳房全体に広がっている。下腹部は風船のように膨らみ、皮膚は針で突けば破裂しそうなほど引きのばされている。

「フフフ。どんな物体が出てくるか楽しみだわ」
由梨香を見下ろすラミアーの目は、文字通り実験用の標本を見るようだ。『子供』ではなく『物体』だ。『生物』ですらない。

「ところでラミアー、名前は考えた?」
そう尋ねるビーナスに、ラミアーが首を傾げた。
「名前? 何の事?」

「子供の名前に決まってるじゃない。アナタが父親でしょう、ラミアー?」
「あははは。そのジョーク、面白いわ」

「まぁ、冷たいのね。それなら私が考えてあげるわ。2人の名を合わせて、ユリアーというのはどう?」

「あらあらまぁまぁ、素敵な名前ねぇ。Yurika、赤ちゃんの名前が決まったわよ。ユリアーちゃんよ?」
由梨香の額に浮かんだ脂汗を、ラミアーが撫でた。
「ちなみに名付け親はビーナスよ」

産みの苦しみに必死に耐える女を見下ろしながら、2人のネオガイア星人は楽しそうに談笑していた。

432BiBi ◆8cBPUextJk:2019/09/30(月) 22:26:13
ab.0355.Lamia.birth.07.04

「ねぇ、Yuria。陣痛はつらい?」
「ハァハァハァ……。辛いけど、気持ちいいですぅ」

「ふふふ。良かったわね。もうすぐここからユリアーちゃんが出てきて、ママになるのよ? 楽しみねぇ」
ラミアーが由梨香のオマンコを乱暴にこすりあげた。拘束された両脚がガクガクと震える。
「あおぉおおお……。由梨香がマ、ママ? うれしい、由梨香うれしいですぅ」

「アハハハ。面白いわぁ、この地球人」
ラミアーがおかしそうに笑った。

「ねぇ、ラミアー。いつになったら産まれるの?」
「もうすぐのはずだけど。待ってるの退屈だし、ゲームをしない? ルールは簡単。2人でYurikaの乳房を搾るの。母乳が多く出たほうが勝ち。ディナーを賭けましょう?」
「ふふふ、面白そうね。じゃあ私は左の乳房ね」
2人のネオガイア星人は各々、陣痛に苦しむ女の乳房を搾り始めた。

パンパンに張った乳房が、2人の手の中で拉げた。ビーナスはさすが解剖医だけあって、乳腺の構造などを熟知しているのだろう。いかに
も臨月といった感じの黒ずんだ乳首から、白い母乳が間欠泉のように噴き出した。一方ラミアーはというと、母乳は出るには出るが、明らかにビーナスよりも量が少なかった。

搾乳ゲームはビーナスに軍配があがった。
「負けちゃったじゃない! この役立たず!」
ラミアーが由梨香の乳房を平手で叩きのめした。掌がなめすたびに、母乳が飛び散った。

433BiBi ◆8cBPUextJk:2019/09/30(月) 22:27:46
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-433 ラミアー出産実験06〜07

434BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:29:41
ab.0356.Lamia.birth.07.05

 由梨香は分娩台の上で、快感とも苦痛とも区別のつかない声で喘いでいた。陣痛が始まって、すでに30分近く経つ。

「ねぇ、ラミアー。アナタの事だから実験を失敗する事はないと思うけど……、破水しないというのは変じゃない?」

そう尋ねる友人に、ラミアーはニコリと微笑んだ。

「そういえば話していなかったわね。強制妊娠薬を使うと、破水しないのよ」

「そうなの? 知らなかったわ。それにしても、いつになったら出てくるのかしら……」
ビーナスが退屈そうに欠伸をした。

「たしかに、このまま待っていても退屈ね」
ラミアーが時計をチラッと見た。
「いっその事、子宮に腕を突っ込んで引っぱり出そうかしら」

「えぇ! そんな事して、実験に影響しないの?」

「大丈夫よ。必要なのは生まれくるサンプルの遺伝情報だけだから、どうやって出てくるかは関係ないわ?」
ラミアーが由梨香を冷酷そうな目で見降ろした。この高名な科学者にとって、由梨香の胎内に生まれた命は、文字通り『サンプル』にすぎないのだ。

 2人のネオガイア星人の会話を聞いて、由梨香は、陣痛に歪む顔をパッと輝かせた。
「あぁ、由梨香、嬉しいですぅ」
喘ぎながら、手足を拘束された腰を上下に振り始める。分娩台の上にボタボタと淫液がこぼれ落ちた。

435BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:30:51

ab.0357.Lamia.birth.07.06

 ラミアーが4本の指を揃えて、由梨香のオマンコに当てた。見ると、陰唇がおねだりするようにヒクついている。

「あらあらまぁまぁ、ずいぶんと嬉しそうね。覚悟はいい?」
「は、はい。由梨香、覚悟はできてい……ぎゃあああああああああ!」

由梨香の口上が終わるのを待たずに、ラミアーが腕を突っ込んだ。一突きで、手首を超えて肘の手前まで膣の中に侵入した。

「あらあらまぁまぁ、子宮口は開いてるみたいだけど、さらに押し広げて腕をねじ込んであげるわ」
ラミアーは腕をグリグリと回転させながら、さらに深くねじ込み始めた。

「うぎゃああああああ!」
由梨香が仰向けに拘束されたまま、首を滅茶苦茶に振った。分娩台に頭が打ちつけられて、ガンガンと音をたてた。

436BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:31:36
ab.0358.Lamia.birth.07.07

「ギッ?! ぶぎゃあああああああああ!」

気の弱い者が耳にしたら悪夢にうなされそうな絶叫が、室内の空気をビリビリと震わせた。宇宙船オリンポスに来てから様々な拷問を受けてきた由梨香も、子宮に腕を突っ込まれるのは初めてだ。

「あははははははははは。白目剥いてるわ。そんなに痛いの?」
ビーナスが由梨香を見下ろしながら、おかしそうに笑った。

「あらあらまぁまぁ。ママになるために必死に頑張っているYurikaを笑うなんて、ビーナスったら酷い人ねぇ」
「あははは」
悲痛な絶叫に、2人のサディストの哄笑が重なる。


「ギャォオオオ! じ、じぬ、じんじゃうぅぅぅ」
ラミアーが子宮内で手を動かすたびに、由梨香の口から怪鳥のような悲鳴が迸った。ラミアーの手に腹筋が押し上げられて、下腹部がウネウネと脈打った。

「フフフ。大丈夫よ。これ位じゃ死なな……」
ビーナスが由梨香の股間を覗き込んで、
「まぁ、すごい量の出血だわ? ごめんねぇ、やっぱり死んじゃうかも……」
心配げな表情を浮かべた。しかし目と声は楽しそうだ。

437BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:32:14
ab.0359.Lamia.birth.07.08

「あがぁあああ……、イ、イイの。じんでもいいから、もっとやって!」
由梨香は鬼の形相で叫んだ。見ると、涙と鼻水、そしてヨダレでベトベトだ。

「あらあらまぁまぁ、何てこと言うの? Yurikaはこれからママになるんだから、命は大切にしなきゃダメよ?」

「アハハハ。ラミアーって、意外と笑いのセンスあるのねぇ?」

「ビーナスったら、『意外と』だなんて、失礼ねぇ」

「ギャォオオオ! ぎ、ぐぎぃぃぃ……」
由梨香は、手足の拘束を引き千切らんばかりにのた打ち回りながら、絶叫を放ち続けた。
「ふぎゃあああ……、おぇえええ!」
子宮内に侵入したラミアーの腕が胃を押し上げた為、由梨香が嘔吐した。

「ユリアーちゃんに指先が触れたわ。今から引きずり出し……」
一瞬、ラミアーは怪訝そうな表情を浮かべた後、妖しく冷酷そうな笑みを浮かべた。
「あらあらまぁまぁ、これは想定外の出来事ねぇ」

「どうしたの?」
「ウフフフ。面白い事になりそうだわ。楽しみにしていて、ビーナス」
小首をかしげるビーナスに、ラミアーがウィンクを返した。

「さぁ出ていらっしゃい。ユリアーちゃん」
ラミアーが微笑んだ。表情と声音は優しいが、やっている事はどんな凶悪犯も泣き出す鬼畜の所業だ。

438BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:32:47
ab.0360.Lamia.birth.07.09

 ラミアーはユリアーを掴むと、腕を引き抜き始めた。ズルズルという音が聞こえてきそうだ。引き抜かれる腕の表面は、粘液と血にまみれている。

「ぎゃあああ! ふぎゃあああああああああ! ヒィィィ!」
由梨香が両目を大きく見開いた。赤く充血して、目の焦点は合っていない。噛み合わされた上下の歯が、ギリギリと音をたてた。

由梨香の下腹部がいびつに盛り上がり、それが足の付け根に向かって移動し始めた。ラミアーの腕が手首の部分まで引き抜かれ、陰唇との隙間から血の色をした粘液が大量に流れ出した。

「ンギィィィィィィィィィ!」
由梨香の目がグルリと反転した。ホラー映画の悪魔に憑依された女さながらの顔は、イベントコンパニオン時代の由梨香を知る者が見ても、本人だと分からないだろう。

439BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:33:44
ab.0361.Lamia.birth.07.10

 ラミアーの腕が、オマンコからズルリと引き抜かれた。両手の間に『それ』が挟まれている。

 地球人梅本由梨香の卵子。そしてヘビ型星人と融合したネオガイア星人ラミアーの精子。この2つが結合して生まれた物体。ユリアーと名づけられた『それ』は、人間の新生児とほぼ同じ姿をしていた。

 ビーナスが興味津々といった様子でユリアーを見つめた。
「ヘビ型星人らしい部分は見られないわね」
このネオガイア星人の女医の言う通り、ユリアーにはヘビのような尻尾は生えていないかったし、口から覗く舌もヒトのそれと変わらない。

 へその緒らしきものがユリアーの身体に巻き付いていた。
「ほら、家畜らしく自分で噛み切りなさい」
ラミアーはそう言うと、へその緒を由梨香の口に挟んだ。由梨香は半ば無意識のうちに、それを歯で噛み切った。

「妊娠実験は成功したみたいね。おめでとう、ラミアー」
そう言うビーナスに、ラミアーが意味深な笑みを返した。

440BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/06(水) 20:35:16
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-440 ラミアー出産実験06〜07

441BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 20:51:17
ab.0362.Lamia.birth.07.11

「どうしかの、ラミアー?」

「さっき子宮に腕を入れたときに分かったんだけど、Yurikaは双子を妊娠してるのよ」

「えぇ?! 双子? するとまだ子宮の中には……」
ビーナスが由梨香に視線を移した。たしかに下腹部は、まだ大きく膨らんでいる。

「じゃあ2人めも引きずり出す?」

「うふふふ。2匹とも引きずり出すのは、少し芸がないわ。ビーナスは解剖医だから、地球人の身体の構造にも詳しいんでしょう?」

「えぇ。地球人の身体はネオガイア星人とほぼ同じ構造をしているから詳しいけど、それがどうかしたの?」

「地球には、帝王切開といって、子宮を切り開いて胎児を取り出す出産方法があるのよ。ビーナスがやってみない?」

「あら、素敵。私にやらせてくれるの?」
ビーナスがブルーの瞳をキラキラ輝かせた。

442BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 20:51:56
ab.0363.Lamia.birth.07.12

 由梨香は分娩台の上に大の字に寝かされた。脂汗に濡れた胸が呼吸に合わせて上下し、天井の照明を反射している。

 ビーナスがアンドロイドに、手術器具を用意するするように命じた。運ばれてきたワゴンの上には、手術器具が整然と並べられている。

ビーナスが、ワゴンの上からメスを手に取ると、
「ネオガイア星ではなく地球の手術器具を使うわ。その方が痛みを与える事ができるわ。もちろんYurikaには麻酔は使わないわ」
金属の鈍い光沢を放つ手術器具をうっとり
つめながら、独り言のように呟いた。

麻酔なしで手術をされる――、常人なら恐怖で気が変になりそうな状況だが、由梨香は、ビーナスが持つメスを粘りつくような目で見つめている。早く身体を切り裂かれたくてたまらないのだ。

443BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 20:52:41
ab.0364.Lamia.birth.07.13

 ビーナスが由梨香の臍の下あたりにメスの刃を当てた。
「覚悟はいい?」
由梨香の返事も待たずに、メスを下腹部に向かって一直線に滑らせた。

由梨香の身体がビクンと硬直した。刃の軌跡に沿って皮膚が裂け、赤い血が滲み出てくる。硬直が数秒間続いた後、
「きゃあああああああああ! お、おなかが、由梨香のおなかがぁああ」
悲鳴が室内に響き渡った。

「大げさねぇ」
ビーナスが冷ややかな笑みを浮かべた。血をガーゼで吸い取ると、皮下脂肪に覆われた腹筋が露出した。イベントコンパニオン時代から細身だったが、宇宙船オリンポスに連れてこられてから更に痩せて、脂肪は申し訳程度しかない。

ビーナスが、先端がワニ口のようになった鉗子で、腹筋をつまみ上げた。由梨香の口から、引きつったような悲鳴が漏れる。腹筋の真ん中にメスで小さな切れ目を入れると、ハサミで縦に10センチほど切り裂いた。左右の腹筋の境界線を正確に切ったので、出血は意外と少ない。内臓の生温かいニオイが、周囲に漂い始めた。

由梨香の呼吸に合わせて、腹筋の切れ目から内臓がはみ出した。見ると、腸がゆっくりと動いている。
「膀胱が邪魔ねぇ」
ビーナスが腸を腹腔内に押し戻すと、オシッコで膨らんだ膀胱を鷲掴みにした。由梨香の股間から、黄色い液体がジョロジョロと流れ出た。

444BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 21:49:45
ab.0365.Lamia.birth.07.14

 腸と膀胱をかき分けると、子宮が露出した。毒々しい赤紫に変色している。先ほどラミアーに子宮内を乱暴にまさぐられた為、出血しているのだ。

ビーナスがワニ口の鉗子で子宮を引っぱり上げて、ハサミで切り開いた。

「ふぎゃあああああああああ!」
由梨香の悲鳴が響きわたった。拘束された両脚がガクガクと震えて、股間から膀胱に残っていたオシッコが間欠泉のように噴き出す。由梨香は悲鳴を迸らせながら激しく身体を捩ったが、ビーナスは優秀な解剖医なので、ハサミの刃が子宮内を傷つけるような事はなかった。

「あら、羊水がないわ? これだと破水しないはずね」
ビーナスが子宮の中を覗き込んで、感心したように呟いた。

445BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 21:50:54
ab.0366.Lamia.birth.07.15

「フフフ。強制妊娠薬を投与すると、ただでさえ2週間で胎児が大きくなるでしょ? それに加えて羊水まで溜まると、子宮が大きくなりすぎて母体に負担になるのよ。だから羊水が溜まらないように薬を改良したの」

「強制妊娠薬の開発だけでも難しいのに、そんな改良まで加えていたなんて……。ラミアーって普段はバカっぽいけど、やっぱり天才なのね」
事も無げに話す友人を、ビーナスは感心したように見つめた。

「あらあらまぁまぁ、バカっぽいだなんて失礼ねぇ」
ラミアーが拗ねたように口を尖らせた。もちろん怒ってなどいない。このネオガイア星随一の権力をもつ科学者に向かって『バカ』と言えるのは、ゼウスを除けばビーナスくらいで、むしろ『バカ』と言われるのを楽しんでいるのだ。

「ねぇ、ラミアーが死んだら、私に脳を解剖させてくれない?」

「あらあらまぁまぁ、怖い事を言うのね。なんだか、目が本気っぽいわよ?」

「本気よ」
ビーナスは真面目な顔で答えると、分娩台の由梨香に視線を戻した。由梨香はというと、半ば意識を失っている。
「じゃあ取り出すわね」
ビーナスが、子宮の中に手を突っ込んだ。由梨香が半ば意識を失ったまま、引きつったような声を発した。

ビーナスが子宮の中を指先でまさぐった。
「あら、元気に動いているわ」
子宮の切れ目から手を引き抜き始めた。由梨香が口をOの字に開いて、嗄れた息を吐いた。声にならない悲鳴だ。拘束された手足がブルブルと震わせる。

呼吸が荒くなり、隙間から腸がボコッとはみ出した。
「ちょっと、腸が邪魔なのよ! 何度いったら分かるの?」
ビーナスが由梨香の顔を平手で打った。あまりにも理不尽な仕打ちだ。

446BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 21:52:04
ab.0365.Lamia.birth.07.14

 ビーナスの手が子宮から引き抜かれた。血まみれの物体が握られている。ユリアーと名づけられた、先に取り出された物体と形が似ている。
「オスメスどっちかしら……。あら、ユリアーちゃん、弟ちゃんでちゅよぉ?」
ビーナスがユリアーに微笑んだ。その笑顔だけを見ると、出産を祝福する産科医か助産婦のようだが、由梨香にした事は鬼畜の所業と変わらない。

「ラミアー、この子の名前は何にするの?」
「そうねぇ……、じゃあ私の『ラ』とYurikaの『リカ』を合わせて、ラリカにしようかしら」
「安易なネーミングねぇ」
「あらあらまぁまぁ、失礼ねぇ。これでも一生懸命考えたのよ」

 こうして、ネオガイア星人と地球人、そしてヘビ型星人の遺伝子を併せ持つ2つの生命体、ユリアーとラリカが誕生したのだった。2体は、医療用アンドロイドによって手際よく産後の処置を受けた後、保育器に入れられ、静かに寝息をたて始めた。

 由梨香はというと、白目を剥いて失神していた。呼吸に合わせて弱々しく上下する胸の動きで、なんとか生きている事だけは分かるが、顔は蒼白で、唇も血の気を失っている。生きながらにして地獄巡りをした哀れなマゾ女の成れの果てだ。

由梨香も医療用アンドロイドに治療を受けた。実はビーナスは用済みとなった由梨香を廃棄処分するつもりでいたのだが、ラミアーがユリアーとラリカに由梨香の母乳を飲ませてみたいと言い出して、廃棄処分とならずに済んだのだ。もっとも死を免れた事が、この哀れなマゾ奴隷にとって幸せかどうかは、誰にも分からない。

447BiBi ◆8cBPUextJk:2019/11/26(火) 21:53:31
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

448BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/17(火) 09:23:47
ab.0366.unemployed.001

『吉岡1』

 吉岡親子は、近所でも有名なクレーマー一家だった。店でも病院でも鉄道会社でも、クレームをつけては代金を踏み倒す常習者だ。

母親の輝子は無職のバツ1。息子の輝夫(42歳 独身)は、小さな保険代理店で、歩行者に保険のパンフレットを配るアルバイトをしている。ただし親戚や友人には、大手商社で保険と法律の仕事をしていると騙っている。

歩行者にパンフレットを配るだけの簡単な仕事も、輝夫は長く続かなかった。輝夫は盗撮の常習犯で、勤務先の保険代理店の女子トイレに盗撮用のカメラを仕かけた事がばれて、解雇されたのだ。

 解雇された後は定職にも就かずブラブラしていたが、ある日、出会い系サイトで知り合った女からサイドビジネスの話を持ちかけられた。

449BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/17(火) 09:24:23
ab.0367.unemployed.002

 待ち合わせ場所のファストフード店に着くと、40代と思しき女が待っていた。女は八谷早苗と名乗った。

 早苗はサプリメントを扱うネットワークビジネスに手を染めていた。しかしネットワークビジネスなどで利益がでるはずはなく、手元には借金と大量の在庫だけが残った。今は、出会い系サイトなどを使って、在庫を売りつけるカモを探す日々を送っている。今回のカモが輝夫だ。

輝夫が席に着くと、早苗がパンフレットのようなものを取り出した。

「アメリカの有名な学者が書いた、サプリメントに関する論文です。アメリカの学者ですよ。凄いですよねぇ、ウンウン」

早苗は、自分の言葉にウンウンと頷きながら、パンフレットのページをめくり始めた。パンフレットは、科学誌ではなく明らかに自家製の物だが、写真やイラストがカラーでプリントされていて、著名な科学誌よりも立派に見えた。

 早苗は、ひとしきりサプリメントの話を終えると、今度はテーブルの上に紙を広げて、ピラミッドのような絵を書いた。あとは、『夢はありますか?』から始まり、『画期的なビジネスだ』とか『夢を叶えるチャンス』だとか一方的に語り始めた。

 早苗が熱く語っている間、輝夫は、テーブルの下にスマホを忍ばせて、早苗のスカートの中を盗撮していた。

生まれて今まで定職に就いたこともない輝夫は、初めからビジネスなどに興味はなかったのだ。早苗の誘いに応じたのも、あわよくばSEXできるかと期待しての事だった。

吉岡が性的興奮を覚える対象は、主に女子小学生とアニメキャラクターだが、中年女にも変態的な欲情を燃やした。

450BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/17(火) 09:24:54


ab.0368.unemployed.003

 異変が生じたのは、盗撮の枚数が100枚を超えた頃だった。店内に女の奇声が響き渡った。

「ひぇええええええ!?」

怪鳥のような奇声を発する中年女の指さす先に視線を移すと、窓の外に奇妙な格好をした3人組が立っているのが見えた。その3人が見た事もない銃を乱射している。さらに奇妙なのは、銃で撃たれた人間が跡形もなく消えてしまうのだ。

パニックに陥った客が、一斉に出口に殺到した。その客を押しのけるように、店員が我先に外に逃げ出した。

「うわぁあああ、うわぁあああ……」
輝夫は悲鳴を発しながら、早苗の身体を盾にしてその後ろに隠れた。
「ちょ、ちょっと離してよ! キモオタのマザコン!」
早苗が輝夫の手に噛みついた。
「痛い、痛い、痛いぃぃぃ!」
輝夫が大げさに悲鳴をあげながら、早苗の後頭部を拳で何度も殴った。

 3人組が、店内に取り残された仲の良さそうな母娘に銃を向けた。母親は娘を庇うように抱きしめながら、気丈にも、3人組を睨みつけている。どんなロクでなしでも、その姿を見たら、なんとかして助けたいと思うに違いない。

輝夫は、3人組が親子に銃を向けている隙に、盾にしていた早苗を蹴り飛ばして店から1人で逃走した。

451BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/17(火) 09:25:33
ab.0369.unemployed.004

 輝夫は、豚のような喘ぎ声を発しながら、ひたすら走り続けた。自分が助かる事だけを考えた。あの親子や早苗の事などどうでも良かった。

10分ほど走った所で、自転車に乗っている小学生を見つけた。小学生を突き飛ばして自転車を奪い取ると、それに乗って家に向かった。小学生用の自転車は乗りづらく、輝夫はペダルを漕ぎながら、「クソ」とか「ボケ」といった罵声を発し続けた。

 家に着くと、トイレの中から母親の声がした。

「輝夫、どこ行ってたんや? さっき外で『ドン』って音がしたけど、何の音か分かるか? 鼓膜が破れたって言いに行ったら、金になるでぇ」

「し、知らんわ」 

「そぉか、じゃあしゃあないな。クソ出したら、駅前のうどん屋に行くでぇ。先月食ったきつねうどんで腹痛くなったって、店員に言うんやでぇ。分かったか?」

「うるせぇ、ババァ!」

「親に向かって、何やその口のきき……あ、出るわ!」
輝子の怒鳴る声に、放屁の音が続いた。

「親っていうなら小遣いよこせ、ババァ!」
輝夫も怒鳴り返して、自室に閉じこもった。

452BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/17(火) 09:26:06
ab.0370.unemployed.005

(何やったんや、あれは?)
ベッドに寝そべって、ファストフード店での出来事を思い返したが……、
(それよりも、さっきの中年女のパンツ画像や)
すぐに考えるのをやめて、ポケットからスマホを取り出した。

小学生用の自転車でも移動できるような距離で人が消滅する事件が起きたにも関わらず、今の輝夫には危機感は全くなかった。この危機感のなさが、42歳にして無職でいられる所以だった。

 スマホの電源をONにすると、ズボンをずり下ろして横にティッシュの箱を置いた。

(あの中年女……、サナエたんは、絶対ボクに気があるわ)

八谷早苗とのSEXを妄想しながら、オナニーを始めた。1分もかからずに、42年間女に一度も触られた事のないペニスから汚液を噴き出した。

精液を拭いたティッシュを床に捨てると、別の盗撮画像を物色し始めた。

(あ、あの変な3人組も写ってるわ)

そこにはグレイの犯罪者の姿がくっきりと写っていた。輝夫はそれを画像投稿サイトに投稿した。

453BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/17(火) 09:29:54
◆ 目次 ◆
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>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

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>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

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>>187-217 動物園の理沙

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>>322-364 グレイ襲来

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>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

>>448-453 吉岡

454BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/20(金) 19:28:46
ab.0371.unemployed.006

『吉岡2』

 公安捜査官の城山朋子は、グレイの犯罪者3人による襲撃を、反政府グループによるテロだと勘違いしていた。

目撃者への聞き込みによると、奇妙な格好をした3人組が銃を乱射していたという。

警察が現場に到着した時には、犯人グループの姿はなかった。自衛隊にも出動要請が出されたが、渋滞のため現地には到着していないという。

(民捨党政権になってから、政府が出動を要請ても、自衛隊の派遣が遅れる事が多いわねぇ。人員不足なのかしら……)

そんな事を考えながら、朋子は聞き込みのファイルに目を通し始めた。

「銃の乱射事件にしては、死体どころか血痕すらないんです。そして行方不明者は数十人。麻酔銃かガスでも使って、動けなくなったところを誘拐したんでしょうか?」
そのファイルを覗き込みながら、後輩の白木雪枝が首を傾げた。

「犯人は3人よ。そんな大勢を誘拐できるとは思えないわ。ホント、不可解な事件だわ」
朋子は疲れたように、自分の首筋を揉んだ。

「そういえば……、先輩。最近、行方不明者が多い気がしませんか?」

「そうなの? 特に気にした事はないけど」

「行方不明者の多くが若い女性なんですよ。OL、スチュワーデス、コンパニオン、看護婦、それにSMクラブの風俗嬢などもいます。場所は北海道から沖縄まで、日本全国です」

「日本全国!? そんな広範囲で、若い女ばかりが行方不明か……。犯罪が絡んでいるとしたら、大規模な人身売買組織の犯行も考えられるわね」

455BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/20(金) 19:29:21
ab.0372.unemployed.007

 朋子は仕事の合間に、ネットへの投稿を調べていた。日本政府や企業などへの批判的な投稿の中から、内容が過激で具体的なものを抽出する。

「あら? これは……」
朋子は、投稿された画像の1つに目をとめた。

『エイリアンがモスドナルドあぼーんWWWWWW』

(頭悪そうなタイトルね。でも写ってるのは、襲撃されたファストフード店だわ。日付も一致してる)

朋子は投稿画像を調査を依頼した。その結果、画像に合成や修正などの形跡はみられない、という事が分かった。

(どういう事なの? とりあえず投稿主に会って話を聞くしかないわね)

 公安はプロバイダや通信業者に個人情報の提供を強制できるので、それが輝夫の投稿だという事はすぐに分かった。さっそく朋子は白木雪枝を伴って、吉岡家に出向いた。

玄関のチャイムを押すと、ガラの悪そうな女が出てきた。輝夫の母親だ。朋子は輝夫との面会を求めた。

456BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/20(金) 19:29:57
ab.0373.unemployed.008

「輝夫さんですね。年齢と職業を教えていただけますか?」
雪枝は丁寧に訊いた。昔と違って最近の警察関係者は、敬語を使える程度のスキルは身につけているのだ。

「42歳で、職業は……、商社で保険と法律の仕事をしてます」

「商社で? たしか以前お勤めだった保険代理店はお辞めになったと聞いていますが、別の商社に再就職を?」

「え、あ、はい」

「そうですか。まずは再就職おめでとうございます」
雪枝は笑顔を作ってから、さりげなく右手で髪をなでた。

 朋子と雪枝はお互い、いくつかの合図を決めていて、右手で髪をなでるのは『嘘だ』という意味だ。実は輝夫が無職である事は、公安ですでに調べがついていたのだ。

(こいつ、嘘をつくタイプだわ。見栄のために嘘をつく奴は、保身のためなら平気で嘘を吐くわ)
朋子はさりげなく輝夫の部屋の中を観察した。

「先日この近所で人が行方不明になる事件が発生しましたが、その現場にいましたね? 画像投稿サイトに、輝夫さんの投稿がありました」
と、雪枝。

「え、あ……」
輝夫の目が泳ぐ。

「ご心配なく。輝夫さんに過失はありません。むしろ、そんな危険な状況なのに、事件解決のために容疑者を撮影したのはご立派です」

雪枝が、いかにも感動したという風に瞳を輝かせた。鏡を見ながら何度も練習して身につけたテクニックで、女にモテなさそうな男を尋問する時に効果を発揮する。

457BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/20(金) 19:30:40
ab.0374.unemployed.009

「でも輝夫さん、できれば投稿サイトへの投稿ではなく、私にその画像を見せてくださいませんか?」

「い、いいよ」

輝夫はスマホを雪枝に手渡した。すでに頭の中では、(この捜査官たんは絶対ボクに気がある)と妄想を始めている。

朋子と雪枝は、スマホの保存フォルダを開いた。そして、そこに保存されている画像を見て、眉をひそめた。

「輝夫さん、これはどういう事ですか?」

輝夫のスマホには、明らかに盗撮とわかる女たちの画像がギッシリと収まっていた。しかもその大半が、大人の女ではなく、女子小学生だった。

「え!? あ、あ……、それは……知らない間に誰かがボクのスマホに送信してきた画像で……」
輝夫の目が、以前にも増して泳ぎ始めた。

「少し話を聞かせてもらえますか? それから、このスマホをお借りできますか?」

「え? スマホを?」

「私が確認したいのは、輝夫さんが撮影した3人組に関してです。他の画像には興味ありません」

輝夫は、公安捜査官の2人にスマホを差し出し、モスドナルドでの出来事について話し始めた。

458BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/20(金) 19:31:52
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459BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/27(金) 18:40:13
ab.0375.unemployed.010

『吉岡3』

 朋子と雪枝は、輝夫から話を聞き終えると、吉岡家を後にした。

「吉岡輝夫の話、どう思います?」
公安への帰りの車の中、雪枝はハンドルを握りながら、助手席に座る朋子に尋ねた。

朋子は、押収した輝夫のスマホをいじる手をとめた。

「盗撮の証拠を見られた吉岡は、自分が助かるために、私たちの機嫌を損ねまいと必死だったわ。少なくともモスドナルドの件では、嘘をついているとは思えないわね」

「巧妙に嘘をついている可能性は?」

「盗撮画像を保存したスマホを、公安の私たちに渡してしまうような男よ。辻褄の合う作り話をとっさに考えるような知能はないわよ」

「なるほど」

「それにしても、すごい数の盗撮画像だわ。しかも女子小学生か中学生の画像ばかり。変態というよりも変質者ね。あら、大人の女もいるわ?」

「あ! その女……」
雪枝がスマホのモニタをチラリと見て、小さく驚きの声を発した。

「前に行方不明者が多いと話しましたが、その1人に似ているんです。何かのイベント中に行方不明になったコンパニオンで……、名前はたしか……梅本です。まさか吉岡が人身売買組織のメンバー!?」

「それは絶対にないわ。あそこまで低スキルな男を受け入れる組織なんてないわよ」
朋子は確信をもって答えると、
「でも気になるわね。雪枝、Uターンよ。吉岡にこの画像の女の事を聞くわよ」

460BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/27(金) 18:40:45
ab.0376.unemployed.011

 朋子と雪枝は吉岡の家に戻ると、輝夫に由梨香の事を事情聴取した。

「ユリカたんは、いきなり消えちゃったんだよ」

「消えた? どういう事ですか?」
雪枝が質問した。内心では(キモイわね。なにがユリカたんよ!)と毒づいていたが、表情は穏やかだ。

「ボクがスマホを触ってる間に消えちゃったんだよ」

「キモイ変態男が現れたから逃げたとかでは?」
横から朋子が質問した。雪枝がギョッとして、先輩の顔を見た。

「キモイ男……? そんな奴は現れなかったけどなぁ……」
輝夫が呆けたような顔で、天井を見上げた。

461BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/27(金) 18:41:16
ab.0377.unemployed.012

 再び、公安へ戻る車の中。雪枝は運転しながら、笑いをこらえていた。
「先輩。あそこでいきなり『キモイ男』って……。もう、ビックリしちゃいましたよ」

「フフフ。ごめんごめん」
朋子はクスクスと笑った。
「吉岡はすぐにカッとなるタイプだから、皮肉を言って逆上させれば、何か聞き出せるかと思ったのよ。まぁ結果は、皮肉に気づく知能すらなかったらしく、逆上作戦は失敗したけどね」

「どうしてカッとなるタイプだと分かるんですか?」

「吉岡の室内を見た? 壁の低い所が、あちこち凹んでいたわ。吉岡がカッとなって蹴ったからよ」

「なるほど」

「まずは公安に戻って、一連の行方不明者の件も含めて、もう一度検証してみるわよ。今日は残業よ、雪枝」

462BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/27(金) 18:41:49
ab.0378.unemployed.013

 朋子と雪枝は、公安に戻ると早速、最近の失踪事件に関する資料を見直した。

「梅本由梨香の他には……、阿部理沙、女子大生。工藤明日香、スチュワーデス。これも怪しいわね」

「先輩、今はスチュワーデスじゃなくて、CAというんですよ」

「CA?」

「美人が多いですね。それを考えると、人身売買組織の干与も考えられるんですけど……。モスドナルドとは別の事件かしら?」

「分からないわ。でも一番分からないのは、人間が一瞬で消えている事よ」

朋子が首を傾げた。梅本由梨香がいきなり消えたという目撃証言は、吉岡以外からも得ている。モスドナルドに関しても、変な3人組に銃で撃たれて消えた、という証言がいくつもあるし。

「まるで……、SF映画とかにでてくる瞬間移動とか物体転送とか、あんな感じなのよね」

「実は宇宙人の仕業とか……」

その推理は当たらずも遠からずだったが、公安捜査官が報告書に『瞬間移動した』などと書ける訳がなかった。

463BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/27(金) 18:42:23
ab.0379.unemployed.014

 2人は、公安の職務を果たしながら、独自に一連の謎の失踪事件の捜査を続けた。しかし捜査が進めば進むほど、テロ組織や人身売買組織が関与している可能性が低くなっていった。そもそも、犯人の正体が誰であろうと、人間が跡形もなく消滅するというのが考えられないのだ。

(どういう事なの? 私たちの常識を超えた何者かの仕業としか考えられないわ? まさか本当に宇宙人の仕業とか……)

朋子は正体不明の不安を感じていた。

464BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/27(金) 18:43:45
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465BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/31(火) 20:54:52
ab.0380.Homecoming.02.01
『地球奪還作戦会議』

 メビウス博士は自室で、地球のアダルト動画を見ていた。画面では、メビウス博士お気に入りのポルノ女優が口とオマンコ、さらにアナルの3穴を犯されている。

「観るたびに思うが、地球人にしておくには勿体ないほどの美女だな。しかも3穴同時とは……、きっとマゾに違いない!」
我慢できずにズボンを脱ごうとした時、通信機の呼び出し音が鳴った。

「誰だ、こんな時に……」
不機嫌そうに回線を開くと、ソクラテスの顔が像を成した。
「メビウス博士、地球奪還について会議を開きたいんだが、今から来てくれないか?」

「地球奪還? 分かった。今は実験の最中だから、あと……」
メビウス博士は、アダルト動画の残り時間を確認すると、
「20分ほどで、そっちに行くよ」
と答えて、回線を切った。

466BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/31(火) 20:56:04
ab.0381.Homecoming.02.02

 地球奪還作戦は、前に会議でピタゴラス博士がグレイに関する懸念を提言した結果、ネオガイア宇宙軍の総力をもって地球を一気に制圧するという当初の計画から、地球のどこかを拠点として徐々に支配領域を拡げていくというものに変更された。

そこで作戦の要となるのは、アテナが開発中の、人間をマゾに変えるマゾ化薬だった。もし地球人全てにマゾ化薬を投与できれば、地球奪還作戦は一気に完了するのだ。

マゾ化薬のプロトタイプはすでに完成していて、その効力は実験体の梅本由梨香で証明済みだった。問題は、1人ずつ注射が必要な事だった。マゾ化薬を地球奪還作戦に使うには、一度に多数の地球人に投与可能な、例えば大気中や飲料水に混入できるものに改良する必要があった。

マゾ化薬の改良は困難を極めた。しかしアテナは、試行錯誤の末、ついに飲料水に混入して使用可能なマゾ化薬の開発に成功した。

467BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/31(火) 20:57:39
ab.0382.Homecoming.02.03

 この新型マゾ化薬開発の報告を受けて、地球奪還作戦の会議が再び開かれた。出席者は、ヘラクレス提督、ピタゴラス博士、メビウス博士、ソクラテス、ウラノス博士、ペルセウス、そしてアテナの7人だ。クロノス博士は今回も欠席した。

 アテナは、新しいマゾ化薬の説明を始めた。それによると、この飲料型マゾ化薬は、飲み水を媒介にして人体に吸収されるので、プロトタイプの注射型マゾ化薬と違って、都市の水源に流せば広範囲の地球人に一度に投与が可能だった。

広範囲への投与が可能な反面、飲料水で成分が希釈されるので、効果の持続時間と強さでは、注射型よりも劣る事が分かった。注射型が、半永久的に人間を真正マゾに変えてしまうのに対して、飲料型は、持続時間は数か月と短く、強さも『少しマゾッ気のあるタイプ』に変える程度だった。

また、注射型マゾ化薬と同様に、製造コストはかなり高くついた。一度に多数の人間に投与できるので、注射型マゾ化薬と比べると1人当たりの単価はかなり抑える事ができるが、それでも中規模の都市1つか2つに使用するのが限界だった。

このように、まだまだ改良の余地を残す新型マゾ化薬だったが、ヘラクレスをはじめ全員が、開発者のアテナの功績を称えた。

468BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/31(火) 20:58:42
ab.0383.Homecoming.02.04

 そんなヘラクレス達以上に新型マゾ化薬の完成を喜んだのが、アテナの友人アルテミスだった。

アルテミスは、新型マゾ化薬の話を聞かされると、おもわずアテナに抱きついた。

「アテナ、おめでとう。すごく嬉しいわ!」

「ちょ……、アルテミス!? どうしたの?」

 アルテミスがこの時間軸にタイムトラベルする前の世界では、マゾ化薬の開発は、製造コストがかかりすぎるという理由で、地球人の奴隷化という本来の目的に使用される事なく頓挫してしまったのだ。だからアルテミスは、この時間軸世界で友人の研究が無事に実を結んだ事に、感激したのだ。

しかしそのような事情を知らないアテナは、アルテミスがあまりにも大喜びしたので、面食らってしまった。

469BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/31(火) 20:59:34
ab.0384.Homecoming.02.05

「まだ改良の余地はいっぱいあるんだけど……、でも嬉しいわ。ありがとう」

アテナも、アルテミスの背中に両手を回した。2人の乳房がくっつき、ひしゃげる。

「マゾ化薬はいつ使うの?」

「さぁ。私の仕事は開発までで、ここから先は軍の仕事だから、分からないわ。多分、どこかの都市に使用するんだろうけど……」

「でも素晴らしいわ。マゾ化薬で地球人の反抗がなくなれば、ネオガイア星人も地球人も戦争の犠牲にならずに済むもの」

(地球人が犠牲にならずに済む……? アルテミスったら、下等生物の心配をしているの? 変な子ね)
アテナが一瞬だけ訝しげな表情を浮かべた。

 アテナは知らなかったが、アルテミスには、タイムトラベルする前の記憶がある。もとから地球人の奴隷になりたいという願望を持っていた事に加えて、シンディや真理子などの地球人から調教を受けた事で、アルテミスは知らず知らずの内に『地球人好き』になっていたのだった。

470BiBi ◆8cBPUextJk:2019/12/31(火) 21:01:46
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>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

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>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

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471BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/02(木) 09:05:55
ab.0385.Homecoming.02.06

 オリンポスが地球の衛星軌道上に停泊してから数か月が経とうというその日、地球人、とりわけ日本人の運命を左右する会議が開かれた。

会議室に集まったのは、ヘラクレス提督、ピタゴラス博士、メビウス博士、ウラノス博士、ソクラテス、アテナ、そしてペルセウスの7人だ。今回もクロノス博士は欠席していた。

「諸君」
ヘラクレスが全員の顔を見回した。
「オリンポスが地球の衛星軌道上に停泊して、随分と長くなる。マゾ化薬もアテナ君のおかげで、ほぼ実用可能なレベルになった。そろそろ故郷の星である地球の奪還作戦を本格的に始動させて良い頃だと思うが、どうかね?」

「うむ」
ソクラテスが頷いた。
「となると、最初に決めなくてはいけないのは、地球のどこを作戦の拠点にするかだが。いい場所はあるかね?」

「それなんだが……、うってつけの場所を見つけたよ」
ピタゴラス博士はそう言って、手元のコントローラーを指で操作した。

472BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/02(木) 09:07:51
ab.0386.Homecoming.02.07

 テーブルの上に地球の立体映像が現れた。見ると、一か所だけ赤く点滅している部分がある。

「ここだ。見た目は小さな島だが、これでも一応は国なのだよ。名前は日本という」

「日本? たしか例のグレイの犯罪者が襲撃した国だったな。ピタゴラス博士、なぜ日本がおススメなのだね?」

「理由は、日本には軍隊がないのだ」

「軍隊がない!? 驚いたな。そんな国家があるのか……」

「うむ。これが日本の政治機構だ」
ピタゴラス博士がコントローラーを操作すると、各自の目の前に、日本の行政組織の体系図が表示された。

「内閣……外務省……最高裁判所……、ふむ。たしかに軍隊がないな」

「この……、自衛隊というのは何だね?」

「名前から察するに……、自然衛生隊の略だろう。いずれにしても環境汚染や伝染病などを担当する部署だ。奪還作戦の支障にはならないよ」

「国民はどうなのだ? 国に軍隊がなくても、国民が武装しているのではないかね?」

「実は日本人も、銃刀法という法律で、銃はもちろん刃物の所持も禁じられている。つまり日本という国は、国家も国民も戦う術を持っていないのだよ」
ピタゴラス博士は、一呼吸おいて全員の顔を見回した。
「どうだね? 我々の拠点にするのに、最適な場所だと思わないかね?」

「おぉ……、素晴らしい」
全員がピタゴラス博士の発見を拍手で称えた。

473BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/02(木) 09:08:44
ab.0387.Homecoming.02.08

「では次の議題は、日本のどの都市を地球奪還作戦の拠点にするか、だな」

「日本の首都、東京はどうだ?」

「残念ながら、飲料型マゾ化薬の製造コストからいって、東京全域の水源に使用するのも難しいですわ。もう少し小さな、中規模の都市なら問題ありませんが」
と、アテナ。

「うむ。では、どこにするかな……。適当な都市があればいいのだが……」

「特に候補地がないのなら……」
ペルセウスが何かを思い出したかのように、人差し指をピンと立てた。
「先日、アルテミスが休暇で行った街はどうだろうか? 名前はたしか……、さざなみし市だ」

「ほぉ、アルテミス君が? どこから、さざなみ市という名前が出てきたのかね?」
メビウス博士が怪訝そうに首を傾げた。

「さぁ……、分かりません。そういえば、オリンポスが地球に向けて最後のワープをする前にも、『さざなみ市がどうこう』と話していたな。あの時は、私のことを『長官』と呼んでいたし」

「そうか。じゃあ、まぁこれも何かの縁だ。地球奪還作戦の拠点は、さざなみ市でいいかね?」
ピタゴラス博士が全員を見回した。異論をとなえる者はなかった。

 こうして、ピタゴラス博士が自衛隊と銃刀法を誤解した為に、日本は宇宙人による侵略という未曽有の災厄にさらされる事となった。そしてアルテミスが休暇をさざなみ市で過ごした為に、さざなみ市民がマゾ化薬の対象となってしまった。

474BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/02(木) 09:09:40
ab.0388.Homecoming.02.09

 アルテミスは、地球奪還作戦の拠点に選ばれた都市の名前をアテナから聞かされて、小さくため息をこぼした。

(この世界でも、オリンポスはさざなみ市に降下するの? これは偶然? それとも必然? 時間軸が変わっても、さざなみ市に住む地球人は辛い思いをするのね)

アルテミスは、オリンポスの降下先にさざなみ市が選ばれた原因が自分だとも知らず、さざなみ市民に少しだけ同情した。

475BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/02(木) 09:11:13
◆ 目次 ◆
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>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

>>448-464 吉岡

>>465-475 地球奪還作戦会議

476BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/08(水) 20:26:41
ab.0389.Cyclops-P.11.01

『キュクロプスP』

 ネオガイア星人の解剖医アテナは、ひどく怒っていた。

話は、数時間前、新造のキュクロプスPのテスト飛行を終えたアルテミスが、訪ねてきた時にさかのぼる。

「アルテミス、傷はすっかり治ったみたいね。ウラノス博士のパーフェクトソルジャー実験のおかげね」

アルテミスの身体は、衣服の上からではあるが、傷一つない。アテナは安心したように微笑んだ。

「超合金の頭蓋骨はどう? 違和感はない?」

「えぇ、ないわ。私の頭って、超合金と相性がいいみたい」

「そう、良かったわ」

先のグレイとの交戦で頭蓋骨にひどい損傷を受けたアルテミスは、超合金の人工頭蓋骨を移植され、その後ウラノス博士の手によって不死身のパーフェクトソルジャーとして蘇った。

不死身体質には、体内の異物を排出する作用がある。銃弾などはもちろん、精液や病原菌も異物として排出されるので、アルテミスが妊娠したり伝染病にかかる事はない。

ピアスや医療用のインプラントも排出される。しかし理由は不明だが、異物であるはずの超合金の頭蓋骨だけは排出される事がなかった。そして不死身体質であるにもかかわらず、本来の頭蓋骨が再生する事もなかった。だから今も、アルテミスの頭皮の下には、超合金の頭蓋骨が埋まっているのだ。

477BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/08(水) 20:27:37
ab.0390.Cyclops-P.11.02

「今日はアテナに相談があって来たのよ。アテナは解剖医だから、専門分野とは少し外れるけど……」

アルテミスは、キュクロプスPのテスト飛行で、操縦桿が淫液で滑って抜けてしまった事を、アテナに話した。

「操縦桿が滑らないように、キュクロプスPの操縦中だけ、淫液が分泌されないようにする方法はないかしら?」

アルテミスの話を聞いて、アテナは眼を丸くした。

「ちょっと待って、アルテミス? つまり……新しく製造されたキュクロプスPのシートにも、まだアレが生えているの!?」

「そうよ?」

「…………」

あっさりと答えるアルテミスを、アテナは何とも言えないといった表情で見つめた。

478BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/08(水) 20:28:36
ab.0391.Cyclops-P.11.03

 ここで話は、現在に戻る。場所はロボット研究所のメビウス博士の部屋。

室内にいるのは、アテナ、アルテミス、メビウス博士、そして偶然というか運悪くその場に居合わせたピタゴラス博士の4人だ。

「メビウス博士、一体どういう事ですか!?」
アテナがメビウス博士のテーブルを手で叩いた。バンッという音が響き渡る。
「キュクロプスPの操縦桿の件は、先日お話ししましたよね?」

「あ、う……うむ。あれは操縦桿を挿入するという画期的な……」

「先日もお聞きしましたが、それのどこが画期的なのですか!?」

「いや、それはだな……。アルテミス君のような美女が、敏感な……ウググ、な、何だね、ピタゴラス博士?」

ピタゴラス博士が慌てて、メビウス博士の口を手で押さえた。
「まぁまぁまぁ、メビウス博士。ちょっと2人で話さないかね?」
そして、メビウス博士を部屋の隅に引っ張って行った。

479BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/08(水) 20:29:23
ab.0392.Cyclops-P.11.04

「メビウス博士、正気かね? アテナ君はアルテミス君の友人なんだぞ?」
メビウス博士の耳元で囁く。
「キミが以前私に言った、『美女が肉穴を操縦桿で突かれるのが、サディストのロマン云々』なんて台詞を彼女に言ったりしたら、間違いなくセクハラで訴えられるぞ?」

「うむ。それは困るな」

「何の相談をしているのですか?」

アテナの鋭い声に、ピタゴラス博士の額に汗がスジをひいた。地位でいえば、メビウス博士やピタゴラス博士の方がアテナよりも上だが、セクハラ裁判に関しては、高い地位はむしろ不利な条件となりうる。

 アテナはピタゴラス博士たちを鋭い視線で睨んでから、隣に立つ友人に同情を込めた視線を移した。

「アルテミス、アナタも遠慮する事ないのよ? あの操縦桿は、ネオガイア宇宙軍の任務というよりも、明らかにメビウス博士の趣味よ? 嫌なら嫌と言いなさい」

そう言って、アテナはアルテミスの手を両手で握りしめた。

480BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/08(水) 20:30:20
ab.0393.Cyclops-P.11.05

「実は……」
アルテミスは、アテナとメビウス博士を何度か見つめてから、アテナの手を握り返した。
「私、実はマゾヒストなの。私の願望は、地球人に虐めてもらう事なの」

「えっ、そ、そうなの!?」
突然の友人からの告白に、アテナは驚いた。

驚いたのはピタゴラス博士やメビウス博士も同じだった。

なにせネオガイア星人は人口の大半がサディストで、マゾヒストは極々少数派だ。それが、白兵戦の天才と謳われる現役の兵士がマゾだというのだから、驚くのは無理もない。

「今まで秘密にしてきたの。ごめんなさい」

「い、いいのよ。別に悪い事じゃないんだから」

「だから、キュクロプスPのあの操縦桿は、嫌ではないの。むしろ……、あんな素敵な物を作ってくださったメビウス博士に感謝しているくらいよ」

「そ、そう……」

本人の口から『嫌ではない』と聞かされて、アテナは納得するしかなかった。こうして、メビウス博士は訴えられずに済んだのだった。

 ピタゴラス博士の判断で、アルテミスがマゾだという事は、直属の上官であるペルセウスにだけ伝えられて、他のネオガイア星人には伏せられた。

481BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/08(水) 20:32:59
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482BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/15(水) 21:43:20
ab.0394.Cyclops-P.11.06

 数日後、アルテミスは手書きのイラストをもって、メビウス博士のもとを訪れた。

「メビウス博士、例のキュクロプスPの操縦桿が滑ってしまう問題で、お伺いしました。アテナには淫液の分泌を止める方法について相談したのですが……、これなら……」

アルテミスは、好きな男に手書きのラブレターを渡す女子高生のような表情で、持参した紙をメビウス博士に渡した。

「きっと問題は解決しますわ?」

メビウス博士は、受け取った紙を見て、そのまま固まった。10秒近く時間をおいてから、
「こ……これは……」
と呟いて、言葉を失った。

紙に描かれていた物は、ラブレターとは似ても似つかないものだった。

483BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/15(水) 21:43:51
ab.0395.Cyclops-P.11.07

 アルテミスが自分の居室に帰った後、メビウス博士はピタゴラス博士に会いに行った。

ピタゴラス博士の居室で、2人の科学者は、テーブルをはさんでかれこれ10分近くも無言で向かい合っていた。テーブルの上には、アルテミスから受け取ったメモが置かれている。

「メビウス博士。本当に、これを作る気かね?」
沈黙をやぶったのは、ピタゴラス博士だった。

「…………」
メビウス博士は無言のままだ。

「まぁ、パイロットのアルテミス君本人の希望なら仕方ないが……」

「…………」

「アテナ君がこれを知ったら、アルテミス君本人の希望だとしても、さすがに激怒するだろうなぁ」

「…………」

2人は、同時に溜息をこぼした。

484BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/15(水) 21:44:56
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485BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:23:24
ab.0396.Cyclops-P.11.08

 さらにその数日後、アルテミスは、ロボット研究所のメビウス博士に呼ばれた。

ロボット研究所に現れたアルテミスを見て、メビウス博士は感心したように唸った。アルテミスは軍用のコートをマントのように羽織っていたが、この美女が着ると、機能性のみを追求した地味な軍服がトップブランドのそれに見えるのだ。

 メビウス博士はアルテミスの美貌にしばし見とれていたが、ハッとして咳払いをした。
「先日キミからもらった提案を参考に、キュクロプスPにいくつかの改良を加えたよ。ところで……」
声のトーンをやや落とした。
「この新しいキュクロプスPの事を、アテナ君は知っているのかね?」

「いえ、彼女にはまだ話していません」

「そうか。さて、どうしたものか……」
メビウス博士は、困った風に天井を見上げた。

486BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:23:55
ab.0397.Cyclops-P.11.09

 アテナは、グレイの犯罪者が襲来した時にアルテミスの出撃に心ならずも同意してしまい、結果的にアルテミスが瀕死の重傷を負ってしまった事に、無意識のうちに責任を感じていた。それからというもの、アルテミスの身体が傷つく事に強い拒否反応を示すようになっていて、パイロットへの負担が大きいキュクロプスPの操縦システムにも、内心では反対しているのだ。

「アテナは、私が不死身体質の真性マゾだと知っています。だから問題ありませんわ?」

そう言うアルテミスに、メビウス博士はゆっくりと首を横にふった。

「アテナ君がキミの身を案じるのは、友人だからだ。その気持ちは、キミが不死身のマゾであっても変わらないよ」

「そう……ですね」

アルテミスは今になって、パーフェクトソルジャー処置から覚めた時に見たアテナの焦燥しきった顔を思い出して、胸がしめつけられるような気持になった。その一方で、自分の身を案じてくれるアテナの気持ちが、嬉しくもあった。

結局、新しいキュクロプスPの事は、今はアテナには伏せておく事になった。

487BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:24:33
ab.0398.Cyclops-P.11.10

「まぁアテナ君の件はひとまず置いておいて、まずは新しいキュクロプスPを見てくれたまえ」
メビウス博士がコントローラーを操作すると、壁がスライドし、包茎ペニスそっくりなキュクロプスPの機体が現した。

「少し大きくなりました?」
アルテミスが怪訝そうな表情を浮かべた。

「気づいたかね? 以前は全長6メートルほどだったが、この新しいキュクロプスPは約8メートルある。大きくなった分、パワーと装甲が大幅に強化されている」

そう説明するメビウス博士の声は、誇らしげだ。

「それから、例のErectionモードだが、キミが苦痛でなく絶頂を迎えたら起動するように変更したよ」

Erectionモードは、パイロットが苦痛を感じるとキュクロプスPの出力がアップするという、一種の緊急対処システムだ。しかし、パイロットがアルテミスのような真性マゾだと、苦痛ではなく快感を感じてしまうので、Erectionモードが正常に起動しない――という不具合が、グレイの犯罪者との戦闘で明らかになった。

ちなみにアルテミスがこの時間軸にタイムトラベルする前の世界では、ヒト型巨大ロボット兵器キュクロプスに、パイロットが絶頂に達するとパワーアップする『加速装置』という機能が備わっていた。

488BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:25:04
ab.0399.Cyclops-P.11.11

「では実際にキュクロプスPの新しいコクピットを見てくれたまえ」

キュクロプスPの仮性包茎の包皮を思わせる外殻が後ろへめくれた。文字通り、包皮がむかれたように見える。機体から数枚のプレートがせり出して、タラップのように床とコクピットを繋げた。タラップは以前はなかった機能だ。

「メビウス博士。この後すぐに、新しい操縦桿を試してみたいのですが、かまいませんか?」

「ん? あぁ、かまわんよ」

「それだと、コートが邪魔ですね」

「ん? そうだな」
メビウス博士が首肯した。たしかに股間に挿入するキュクロプスPの操縦桿には、ロングコートは邪魔になる。

 アルテミスが、コートの襟元を結んでいる紐を、指先でつまんだ。挑発的な瞳でメビウス博士を見つめながら、ゆっくりと紐を引っぱり始める。紐がほどけて、コートが足元に落ちた。

「アルテミス君……!?」
コートの下から現れたアルテミスの姿に、メビウス博士が両目を大きく見開いた。

「操縦桿を挿入しやすいように、スカートとパンティは脱いできました」
コートの下から現れたのは、片手で乳房を隠しただけの全裸の女体だった。

489BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:25:37
ab.0400.Cyclops-P.11.12

「たしかにスカートとパンティは邪魔だが、まさか上半身まで何も身に着けていないとは……」
メビウス博士は、眼前の女体から目を離す事ができないでいる。

「そんな……、上半身まで裸だなんて恥ずかしすぎます」
アルテミスが、片手で乳房を隠しながら、いかにも恥ずかしそうに顔を横に向けた。
「下半身は何も身に着けていないけど……、胸には」
数秒間の沈黙の後、
「これを着けています」
乳房から手を離して、頭の後ろで両手を組んだ。

「…………!?」
メビウス博士が、あんぐりと口を開いた。

たしかに、上半身は何も身に着けていない、という事はなかった。乳房の先端には、ニップレスが貼られていた。ニップレスというのは、乳房に貼って乳首を隠すのに用いられるシールだ。

「これなら、乳首が見える心配はありません」

「たしかに乳首は見えないが……」

 アルテミスが付けているニップレスは、サイズが1円硬貨ほどしかなく、かろうじて乳首を覆っているだけだ。桜色の乳輪は完全にはみ出ていて、米粒ほどもあるモントゴメリー腺がボツボツと散在している。むしろ何も付けていないよりも卑猥に見える。

メビウス博士がゴクリと唾を飲み込んだ。何回飲み込んだのか、もう本人にも分からない。

「恥ずかしいから、そんなにご覧にならないでください」
そんな言葉に反して、アルテミスは乳房と腋下を見せつけるように、自ら胸を反らせた。メビウス博士にはマゾの性的嗜好を告白済みなので、卑猥な行為に躊躇はない。見ると、むき出しになった腋の下で、髪と同じ色の腋毛が汗でじっとりと蒸れている。

490BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:26:14
ab.0401.Cyclops-P.11.13

(あぁ、見られているわ。今ここでオナニーをして見せたら、どんなに快感かしら……)

アルテミスは、オナニーの衝動を必死に抑えた。今ここで少しでもオマンコに手を触れたら、潮をまき散らしながら絶頂を迎えるまで手の動きを止められる自信はない。淫液が溢れているのは、手で触れなくても分かる。クリトリスも破裂しそうなほど勃起しているだろう。

「コクピットに……向かいます」
やや上ずった声で伝えると、アルテミスはタラップをのぼった。歩を進めるたびに、タラップの上に淫液がボタボタと滴り落ちる。最上段までのぼり、コクピットの中を覗き込んだ。

「あら? 博士、シートの数が……」

「うむ。この新型キュクロプスPは、定員が2人に増えているのだよ。ただし、機体を操縦するのは1人だけだから、もう1人のシートは予備だがね」

先代のキュクロプスPはパイロット用シートが1つだけだったが、この新型キュクロプスPには2つある。

パイロット用シートは、SMクラブの三角木馬のように座面が尖っている。普通の者なら、座るのを想像しただけで、おもわず両足を閉じてしまいそうだ。もう1つは普通のシートで、座り心地も良さそうだ。2つのシートは、対面式になっていた。

491BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:26:52
ab.0402.Cyclops-P.11.14

 アルテミスはコクピット内に入った。キュクロプスPの外殻が自動で閉じて、タラップが機体内に収納された。

アルテミスはコクピット内部をぐるりと見まわした。先代のキュクロプスPよりも機体が大きくなった分、コクピットのスペースもかなり広くなっている。シートが2つに増えたが、窮屈感は全くない。

天井も適度に高く、長身のアルテミスが立っても頭から10センチほど余裕がある。メビウス博士が、パイロットのアルテミスの体格に合わせて設計したのだ。

 アルテミスは瞳をキラキラ輝かせながら、コクピット内を見回した。キュクロプスPのコクピットには、いくつかの変更が加えられていた。

 パイロット用シートには、手で握るレバーやボタンの類は見られなかった。その代わり、天井から腕輪が2つ垂れ下がっている。電車の吊り革のようにも見えるが、天井とつないでいるのが金属製の鎖なので、SMの手枷という印象のほうが強い。

シートの左右ににも、足輪が、馬具の鐙(あぶみ)のように取り付けられている。

腕輪と足輪には脳波センサーが備わっていて、これを介して、パイロットは機体の細かな操作が可能になる――と、メビウス博士が説明してくれた。

 さらにチューブが1本、天井から生えている。長さは約1メートル、太さは直径5センチくらい。先端がパイロットの顎下あたりにくるように、『し』の字にカーブしている。メビウス博士によると、このチューブはキュクロプスPのレーザー砲のコントローラーで、パイロットはフェラチオをするかのようにこれを口で咥えて、レーザー砲を操作するらしい。ご丁寧に、チューブ先端は亀頭の形をしている。

 カメラが、シートの正面に2つ、シートの上に1つ取り付けられている。正面の2つの内1つはパイロットの顔を、もう1つは全身を映すように配置されている。シートのカメラは上を向いていて、パイロットがシートに跨れば、その股間を真下から捉えるだろう。カメラの映像と音声は、メビウス博士の端末に中継される。

492BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:27:34
ab.0403.Cyclops-P.11.15

 かように個性的なキュクロプスPのコクピットだが、最大の特徴は操縦桿にあった。

キュクロプスPのパイロット用シートの座面には、3本の操縦桿がそそり立つように生えている。サイズは、1本が鉛筆くらい、残り2本は大きめのトウモロコシくらいある。パイロットは三角木馬のようなシートに跨り、細い1本を尿道に、太い2本を膣と直腸に挿入して機体を操るのだ。

このユニークな操縦桿は、設計者のメビウス博士に言わせると画期的な操縦システムだが、実は重大な欠陥があった。操縦中に、淫液で滑って抜けてしまうのだ。

今回、アルテミスは、その欠点を解決する方法をメビウス博士に提案したのだった。

493BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:28:16
ab.0404.Cyclops-P.11.16

『アルテミス君。操縦桿は君から受け取ったメモの通りに設計したのだが、本当にそれでいいのかね?』

アルテミスは操縦桿の1本を握った。触感を確認するかのように指に力を込めると、妖しい笑を浮かべた。そのまま、手で上下にこすった。

操縦桿から手を離して、手のひらを見た。皮膚が裂けて、血がにじんでいる。傷は不死身体質によって3秒とかけずに跡形もなく消えたが、握っただけで皮膚が裂ける操縦桿とは一体……?

「はい。これなら、もう滑って抜ける事はありません」
アルテミスは、潤んだ瞳で新しい操縦桿を見つめた。

3本の操縦桿の表面が、長さ3ミリほどの小さな棘でビッシリと覆われている。先ほどアルテミスの手のひらの皮膚を切り裂いたのは、この棘だった。

494BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:28:50
ab.0405.Cyclops-P.11.17

「メビウス博士、すぐに新しい操縦桿のテストをしたいのですが、かまいませんか?」

『ん? あぁ、かまわんよ』

新型キュクロプスPのテスト飛行が行われる事になった。アルテミスがシートに跨った。ブルーの瞳は、これからする事を想像して、妖しく潤んでいる。天井から垂れ下がる腕輪と左右の足輪に、手首と足首を通した。ここがロボット兵器のコクピット内でなかったら、SMクラブの三角木馬の上で両手を吊るされた生贄の女にしか見えない。

まだ操縦桿は挿入しない。

『外部モニターを起動します』
妙に艶っぽい女の声と同時に、アルテミスの視界からコクピット内の光景が消え、周囲に、キュクロプスPの外の映像が広がった。まるでキュクロプスPの機体が透明になったようだ。

「これは?」

『キュクロプスPの外部モニターです』
アルテミスの問いに、先ほどの声が答えた。声の主は、キュクロプスPを管理するAI【Cyclops】だ。
『立体映像ではありません。外部の光景を、パイロットのに網膜に直接照射しています』

(網膜に照射?)
アルテミスは興味深げに、周囲をキョロキョロ見回してみた。すると映像もそれに同期して変化した。天井から顔の正面まで伸びている『し』の字型のレーザー砲のコントローラーも、視界の邪魔にならない。

まるでVRゴーグルのようだが、VRゴーグルが顔を向けた方向にだけ映像が変わるのに対して、キュクロプスPのそれは眼球の動きにも対応していた。

一点を凝視すると、その部分が拡大され、その対象までの距離が表示された。視野の隅には、レーダーなどの各種モニターと、バックミラーのように背後の映像が描出されている。死角は全くない。

495BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:29:24
ab.0406.Cyclops-P.11.18

 コクピットに意識を向けると、コクピット内が、外部の映像に重なるように半透明で描出された。正面に視線を移すと、予備シートが見える。パイロット用シートと予備シートは、対面式に配置されている。予備シートに座った者には、パイロット用シートに跨るアルテミスの全身が丸見えになるはずだ。

 コクピットに意識を向けたまま真下を見ると、三角木馬のようなシートと、そこからそそり立つように生える3本の操縦桿が見えた。トウモロコシほどのサイズの1本を凝視すると、映像が拡大された。サボテンのように、無数の棘が表面を覆っている。
(敏感な部分が、これで串刺しにされるのね)
思わず、コクリと唾を飲み込んだ。

496BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:31:03
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>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

>>448-464 吉岡

>>465-475 地球奪還作戦会議

>>476-496 キュクロプスP11

497BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:36:38
ab.0404.Cyclops-P.11.16

加筆修正です
***************************

『アルテミス君。操縦桿は君から受け取ったメモの通りに設計したのだが、本当にそれでいいのかね?』
通信機のスピーカーから、メビウス博士の困惑気味の声がした。

アルテミスは操縦桿の1本を握った。触感を確認するかのように指に力を込めると、妖しい笑を浮かべた。そのまま、手で上下にこすった。

操縦桿から手を離して、手のひらを見た。皮膚が裂けて、血がにじんでいる。傷は不死身体質によって3秒とかけずに跡形もなく消えたが、握っただけで皮膚が裂ける操縦桿とは一体……?

「はい。これなら、もう滑って抜ける事はありません」
アルテミスは、潤んだ瞳で新しい操縦桿を見つめた。

3本の操縦桿の表面が、長さ3ミリほどの小さな棘でビッシリと覆われている。先ほどアルテミスの手のひらの皮膚を切り裂いたのは、この棘だった。

498BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/21(火) 20:37:42
◆ 目次 ◆
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>>6-9 プロローグ

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>>85-107 キュクロプスP01〜04

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>>476-498 キュクロプスP11

499BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/31(金) 18:59:26
ab.0407.Cyclops-P.11.19

 斜め下に視線を移すと、手元のモニタを食い入るように見つめるメビウス博士の姿が見えた。シートに取り付けられたカメラが、アルテミスの股間を真下から映しているのだ。

アルテミスは妖しい笑みを浮かべると、両膝を左右に大きく開いた。相撲の四股立ちのような姿勢だ。真下のカメラは、オマンコだけでなく肛門も余すところなく捉える事ができる。

「メビウス博士?」

アルテミスが話しかけると、メビウス博士はハッと顔を上げて軽く咳払いした。

『ご、誤解しないでくれたまえ。キミのオマン……、じゃない性器に見入っていたのではないぞ?』

「はい。新しい操縦桿を観察しているのですね?」

『そ、そうだ。もちろんそうだ。今後の量産化に向けて、操縦桿のデータを取らなくてはならないのだよ』

アルテミスがクスッと笑うと、両脚を大きく開いた体勢のまま、肛門をヒクつかせてみせた。通信機から、『ゴクリ』とメビウス博士が唾を飲み込む音がした。

「ところでメビウス博士、このレーザー砲のコントローラーはどう使うのですか?」

アルテミスは、コクピットの天井から鼻先まで『し』の字を描きながらのびている、太さ5センチほどのチューブの先端に視線を移した。先端の形状はペニスの亀頭にそっくりだ。

『うむ。まずはデモ映像を見てくれたまえ』

500BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/31(金) 19:00:18
ab.0408.Cyclops-P.11.20

 アルテミスの視野の一角に、ブロンド美女の姿が描出された。ブロンド美女の顔前にも、ペニスにそっくりなコントローラーが映っている。これも網膜に照射されている映像だが、そうとは思えないほどリアルだ。

『こんな風に舌先で先っぽをペロペロすれば、照準を調整できるのよ?』
ブロンド美女は【Cyclops】の声でそう告げると、コントローラーの先端に舌を這わせ始めた。舌の動きに合わせて、正面の照準ポインターが移動した。

レーザー砲のコントローラーのデモ映像だが、ブロンド美女がペニスそっくりなコントローラーを『美味しいわ』とか囁きながら舐めるので、アダルトビデオのフェラチオシーンにしか見えない。

『先っぽを吸うと、レーザーがドピュって出るわ』
ブロンド美女がコントローラーの先端を強く吸った。柔らかそうな頬が、キュウっと窄まる。同時に、映像の中で、照準ポインタに白濁した粘液が降り注いだ。もっとも実際は、粘液ではなくレーザーが標的を襲う。

ブロンド美女が、蠱惑的な笑みを浮かべた。見ると、唇の横から白濁した粘液が糸をひいている。
『デモ映像は、これでオシマイよ?』
ブロンド美女とコントローラーの映像が消えた。

501BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/31(金) 19:01:07
ab.0409.Cyclops-P.11.21

『では操縦桿のテストに移るが……、本当に大丈夫なのかね?』
デモ映像が終わると、メビウス博士が困惑気味に訊いた。

メビウス博士が困惑するのも当然だった。先ほどはアルテミスのオマンコとアナルの映像におもわず見入ってしまったが、そこに棘だらけの操縦桿を挿入するとなると、話は別だ。

「はい。私はネオガイア宇宙軍の兵士です。覚悟はできています」

メビウス博士とは対照的に、アルテミスの声からは強い決意が滲み出ていた。ただし台詞は兵士の鏡のように立派だが、本当は早く操縦桿を挿入したくてたまらないといった様子だ。

「メビウス博士は、棘で覆われた極太バイブを女体の急所に突っ込まれた女がどんな悲鳴をあげるか、データを取って下さい」

『いや、バイブではなく操縦桿なのだが……。もしこんな事がアテナ君に知れたらと思うと、気が気でないよ』
メビウス博士はますます困惑気味だ。キュクロプスPの卑猥な操縦システムの件では、アテナから猛烈なクレームを受けてからまだ日も浅い。

そんなメビウス博士の言葉は、アルテミスには届いていなかった。この真性マゾの頭の中は、棘で覆われた操縦桿で挿入したらどんな苦痛を味わえるか、その事で一杯だった。見ると、操縦桿の上に淫液がボタボタと滴り落ちでいる。

「博士、操縦桿を挿入してもかまいませんか?」

『う、うむ。では始めてくれたまえ。無理せず、ゆっくりと挿れ……』

(あぁ、もうダメ。待ちきれない!)
アルテミスは、メビウス博士が話し終えるのを待たずに、シートの上に一気に腰を落とした。

502BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/31(金) 19:02:03
ab.0410.Cyclops-P.11.22

 アルテミスの身体が鋭角の座席に落ちるドスンという音と、ブチブチッという肉が引きちぎるような音がした。棘で覆われた3本の操縦桿が、膣と直腸、そして尿道に根元まで突き刺さった。

「グギャアアアアアア!」
キュクロプスPのコクピット内に、絶叫が響きわたった。

三角木馬のような座面に股間から落ちただけでも相当な苦痛なのに、棘で覆われた操縦桿で敏感な部分が串刺しになったのだ。とても耐えられる痛みではない。

「ひ、ひぃぃぃ……。私のオマンコがぁ……」
アルテミスが身体を仰け反らせた。天井と腕輪を繋げる鎖が、ジャラジャラと音をたてた。床の上には、滴り落ちた血が、赤い斑点を描いている。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
やがてアルテミスの吐息に、甘い響きが混じり始めた。見ると、出血も止まっている。操縦桿を挿入されたまま、不死身体質が傷を治したのだ。

『だ、大丈夫かね?』
しばらく沈黙を保っていたメビウス博士が、心配そうな声で尋ねた。シートのカメラを介して、アルテミスの血まみれの股間が見えているのだ。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

『アルテミス君!?』

「はぁ、はぁ、はぁ……だ、大丈夫ですわ。これくらいの苦痛、耐えてみせますわ」
アルテミスは、先ほどの悲鳴とはうって変わって、甘く蕩けるような声で答えた。口調も『ですわ』調になっている。アこの真性マゾには、被虐の欲望に火がつくと、口調が『ですわ』調に変わる癖があった。

『それならいいのだが……。では飛行テストを始めてもいいかね? 前回の飛行テストと内容は同じだ』

「は……はい。いつでもどうぞ?」

壁の一角が開いた。外は、真空の宇宙空間だ。ただしバリアによって気密は保たれているので、急減圧の心配はない。

アルテミスが操縦桿を挿入したまま、腰を前に突き出した。敏感な粘膜を操縦桿に擦れれて、おもわず甘い吐息がもれる。キュクロプスPが宇宙空間に飛び出した。

503BiBi ◆8cBPUextJk:2020/01/31(金) 19:07:50
◆ 目次 ◆
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>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

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>>322-364 グレイ襲来

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>>476-503 キュクロプスP11

504BiBi ◆8cBPUextJk:2020/02/24(月) 00:14:32
ab.0411.Cyclops-P.11.23

 宇宙空間にリングがいくつも出現した。宇宙船オリンポスから投影された立体映像だ。テスト飛行では、アルテミスはキュクロプスPを操って、これらのリングをくぐり抜けなくてはならない。それ自体は前回のテストと同じだが、今回は操縦桿が無数の棘で覆われている。

『大丈夫かね?』
メビウス博士が、さっきと同じ質問をした。ただし今回は、声が心配そうだ。

博士の手元のモニタには、コクピットのカメラを介してアルテミスの姿が映っている。アルテミスが不死身体質の真性マゾだと分かっていても、ネオガイア宇宙軍の兵士が股間を血まみれにしているのだから、心配にもなるというものだ。

「はぁ、はぁ、はぁ。だ、大丈夫ですわ」
メビウス博士とは対照的に、アルテミスの声は甘く蕩けるようだ。

成人男性の人差し指第一関節ほどのサイズに勃起した乳首を見れば、アルテミスが欲情している事は明らかだ。見ると、乳輪に散在するモントゴメリー腺も、米粒大に膨らんでいる。クリトリスの状態は、股間が血まみれなので確認できない。破裂しそうなほど勃起しているか、あるいは操縦桿の表面を覆う棘に抉り取られてしまったか……。

505BiBi ◆8cBPUextJk:2020/02/25(火) 19:49:21

ab.0412.Cyclops-P.11.24

『それなら良いのだが……。ではテスト飛行を始めてくれたまえ』
メビウス博士が躊躇いがちに、テストの開始を命じた。同時に、宇宙空間に浮かんだリングが不規則に動き、その内の1つが点滅し始めた。

アルテミスが操縦桿を挿入したまま、腰をひねった。キュクロプスPが急加速し、点滅するリングをくぐり抜けた。続いて、別のリングが点滅を開始。キュクロプスPが小さく旋回、2つめのリングをくぐり抜けた。

その後も次々とリングが点滅し、キュクロプスPはそれらをくぐり抜けていった。失敗は1度もなかった。しかもそのペースが異常に早い。実際、アルテミスが30個近くあるリングを全てくぐり抜けるのに、3分もかかっていない。

『アルテミス君、ご苦労だった。やはりキミの操縦技術は神業だ』
メビウス博士は、手元のモニタに表示されたテスト結果を見ながら、感心したようにウンウンと何度も頷いた。
『これでテスト飛行は終了だ。オリンポスに帰艦して、傷の手当てをしてくれたまえ』

アルテミスはテスト飛行の終了を告げられで、落胆した。
(そんな……。せっかく棘だらけの操縦桿を敏感な穴に挿入したのに、もう終了だなんて……)
まだ1回も絶頂を迎えていないのだ。

506BiBi ◆8cBPUextJk:2020/02/25(火) 19:49:53
ab.0413.Cyclops-P.11.25

「あ、あの……、メビウス博士?」

『ん、何かね?』

「こ、このテスト飛行の目的は、操縦桿が滑って抜けないかどうかを調べる事です」

『うむ。今の飛行で操縦桿が抜ける事は1度もなかったから、目的は果たせたのだよ』

「ダメ! ダメです。まだダメです」
アルテミスは必死だ。
「そ、そうだわ。もっと激しい操縦でも抜けないかどうかを、テストする必要があります」

『う……む、まぁパイロットのキミが言うのなら、続けたまえ』

「はい、ありがとうございます。ありがとうございます」
アルテミスの顔が、歓喜に輝いた。

アルテミスは、ゆっくりと腰を持ち上げ始めた。尿道と膣、直腸から操縦桿がズルズルと引き抜かれる。操縦桿の表面は血まみれだ。敏感な粘膜を棘に擦られて、切なげな喘ぎ声をもらした。

507BiBi ◆8cBPUextJk:2020/02/25(火) 19:50:32
ab.0414.Cyclops-P.11.26

操縦桿を完全に引き抜いたところで、腰の動きを止めた。そのまま20秒ほど動かない。

『どうかしたのかね?』
アルテミスが動かずにいるので、メビウス博士が怪訝そうに尋ねた。

「テスト飛行の準備が終わるのを待っていましたの。でも」
アルテミスは、潤んだ瞳でコクピット正面のカメラを見つめるながら、
「準備ができましたわ?」
妖しい笑みを浮かべた。

『準備? 何の事だね?』

「さっきのテスト飛行で負った傷は完治しました。もちろん……処女膜も」
やや肉厚の形の良い唇に、舌を這わせる。

『…………』

「さっきのは準備運動みたいなものです。これからが本当の生体実験ですわ?」

『いや、生体実験ではなくテスト飛行なのだが……』
メビウス博士が訂正したが、これからする事で頭の中がいっぱいのアルテミスには、半ば聞こえていない。

見ると、白磁のような肌が、うっすらとピンクに色づいている。乳首は成人男性の人差し指第一関節ほどのサイズに勃起し、乳輪には米粒大のボツボツが浮かんでいる。

508BiBi ◆8cBPUextJk:2020/02/25(火) 19:51:30
ab.0415.Cyclops-P.11.27

股間は、今も血まみれだが、操縦桿の棘で抉られた傷は完治している。勃起したクリトリスが、包皮を突き破るように顔を覗かせている。

アルテミスのクリトリスは、平常時でも大ぶりだが、勃起時には人並外れて巨大化する。

感度も人並外れて敏感で、この部分を責められた時のアルテミスの狂乱ぶりは、実際に目撃した者でなければ絶対にわからない。

成人男性の人差し指第一関節大を優に超える肉突起が、ピクピクと脈打っている。針で突けば、破裂してしまいそうだ。

「オシッコの穴とオマンコ、そして肛門を無数の棘で覆われた3本のバイブでメッタ突きにされた女が、どんな風に泣き叫ぶか楽しんで下さいね」

『いや、さっきも言ったが、それはバイブではなく操縦桿なのだが……』
メビウス博士がまた訂正したが、やはりアルテミスの耳には入っていない。

(やっとこれを突っ込んで、好きなだけズボズボできるのね。あぁ、私、最後まで耐えられるかしら……)
何をもって最後なのか、耐えるのは苦痛か快楽か、それは本人にしか分からない。

アルテミスは、膣と尿道孔、そして肛門が3本の操縦桿の先端に接するように、腰の位置を調整した。オマンコから操縦桿の先端に、淫液がトロリと垂れた。

509BiBi ◆8cBPUextJk:2020/02/25(火) 19:52:32
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

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>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

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>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

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>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

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>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

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>>465-475 地球奪還作戦会議

>>476-509 キュクロプスP11

510BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 20:58:29
ab.0416.intermission

以下、>> - >> には、少しグロい描写があります。苦手な方は、お読みにならないように。これらはストーリーの展開には不要なので、読み飛ばしても全く問題ありません。

511BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 20:59:17
ab.0417.Cyclops-P.11.28

 3本の操縦桿を敏感な肉穴に挿入し、思う存分メッタ突きにする――、その時を、この真性マゾはどれほど心待ちにしていただろうか……。

操縦桿は全部で3本。サイズは膣と肛門用は大きめのトウモロコシほど、尿道用は鉛筆ほどあり、いずれも表面を小さな刺で覆われている。

アルテミスは『バイブ』と呼んだが、シリコン製のバイブと違って、操縦桿はアルテミスの人工頭蓋骨と同じ超合金でできている。取り外して武器にすれば、大男だって殴り殺せそうだ。

 アルテミスの股間は、血と淫液で汚れてはいるが、傷はすでに完治していた。もちろん処女膜も再生している。見ると、成人男性の人差し指第一関節ほどに勃起したクリトリスが、ピクピクと震えている。

 アルテミスは、3本の操縦桿の先端が尿道、膣、直腸の入り口に当たっている事を確認すると、下半身に力を入れて大陰唇と肛門をキュッと締めた。操縦桿を締め付けて、より強い痛みを得る為だ。

正面のカメラを見つめた。キュクロプスPのコクピットには複数のカメラが設置されていて、それらを介して、アルテミスの姿がメビウス博士の持つ端末に中継されている。

本当なら宇宙船オリンポスの船内に中継してほしかったが、アルテミスの性的嗜好は一部の者以外には秘密にされているので、その希望がかなう事はない。

512BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 20:59:59
ab.0418.Cyclops-P.11.29

 カメラに向かって妖艶にほほ笑むと、何の躊躇いもなく一気に腰を落とした。肉の裂けるブチブチという音がした。

「ぐぎゃあああああああああ!」
コンマ5秒ほどおいて、すさまじい絶叫がコクピット内に響き渡った。空気がビリビリと振動した。

操縦桿は根元まで突き刺さった。処女膜が無残に突き破られ、粘膜が操縦桿の棘に引き裂かれた。

陰唇と操縦桿の隙間から、ドクドクと血が溢れ出した。それとは別に、一条の赤い血が間欠泉のように噴出した。棘が動脈を切り裂いたのだ。

「ひぐぅぅぅ……、い、いいわぁ。なんて快感なのかしら」
常人なら悶絶しそうなほど痛みだが、アルテミスの口からもれるのは甘い吐息だった。Gカップの巨乳の頂点で、勃起した乳首がブルブルと震えている。

513BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 21:00:29
ab.0419.Cyclops-P.11.30
 
 アルテミスは、両脚を踏ん張ると、そのままゆっくりと腰を持ち上げ始めた。股間をくし刺しにし操縦桿が、ズルズルと引き抜かれていく。

「オォオオオ……オオオ……」
腹の底から響いてきたような低い呻き声をもらした。操縦桿と肛門の隙間から、直腸内に溜まっていた血が、ボタボタと床に滴り落ちた。

操縦桿が完全に引き抜かれたところで、中腰のような体勢のまま動きを止めた。

『どうしたんだね? 辛かったら中止してかまわんよ?』
アルテミスが動かないのを見て心配するメビウス博士に、
「はぁ、はぁ、はぁ。大丈夫ですわ。準備ができるのを待っているだけですわ?」
蕩けるような甘い声で答えた。

『準備? 何の準備だね?』

アルテミスは問いに答えるかわりに、正面のカメラを挑発的な目で見つめた。そのまま約10秒。

「あぁ……、準備できましたわ?」
準備――処女膜の再生――が終わると、一気に腰を落とした。3本の凶器が、再び敏感な肉穴を襲った。

「ひぎゃああああああ!」
顔を仰け反らせながら、悲鳴を迸らせた。
「フ、フフフ。す、すごいわ。こんな快感、私、もうやめられない」
左右の腿に力をこめると、そのままゆっくりと腰を持ち上げ始めた。

514BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 21:01:00
ab.0420.Cyclops-P.11.31

 ゆっくりと腰を持ち上げ、処女膜の再生を待ってから一気に落とす。アルテミスは、これを何度も何度も繰り返した。顔をのけ反らして、喘ぎ声と悲鳴を交互に発する。

(あぁ、こんな快楽がこの世にあるなんて……)

天井を見上げる瞳は血走り、半開きになった唇の間からヨダレが垂れている。

(ダメ。処女膜の再生なんか、もう待っていられない!)

腰を上下させるペースが少しずつ速くなり、床にできた血だまりの直径が1メートルになる頃には、狂ったように腰を上下していた。

「ぎゃっ、ぎゃっ、ひっ、ひっ、ぐひぃ! あぐあぐあぐっ! あひぃ!」

腰のグラインドにあわせて、Gカップの巨乳がブルンブルンと上下に揺れた。血しぶきが飛び散り、色白の乳房に赤い斑点が描かれる。すでに下腹部は血まみれで、陰毛にもベットリと血がこびりついている。

三角木馬のようなシートの上で、両手を吊るされた血まみれの女が半狂乱で腰を振りながら悶える姿は、SMというよりもホラー映画のワンシーンのようだ。

手枷のようなコントローラーに通した手首の先で、指が意味もなく開閉する。両目の焦点は定まらず、何度も白目に反転した。上下の歯が噛み合わされて、ギリギリと音を立てた。悲鳴が放たれるたびに、歯の間から泡状になった唾液が飛び散る。美しい顔は涙と鼻水、そしてヨダレでベトベトだ。

「イ、イイ! もっと、もっと、もっとよぉ! アヒィ! ヒィ! ヒィ! ヒィィィ……」

操縦桿の表面をびっしりと覆う棘が粘膜に食い込み、腰を上げるたびに、小陰唇と直腸が操縦桿に引きずられて外側にめくれた。腰を落下させるたびに、大陰唇と肛門が、体内へめり込んだ。

すでに陰唇は原型をとどめていない。操縦桿の表面には、棘で削り取られた小さな肉片がこびり付いている。直腸をえぐる操縦桿には、大便もベットリと付着している。

「ヒィッヒィッ、い、いい、堪らない……スゴイ、凄すぎるぅ……」

アルテミスは、女体の急所を破壊される地獄の苦しみに翻弄されながら、一心不乱に腰を振り続けた。

515BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 21:01:51
ab.0421.Cyclops-P.11.32

(あぁ、なんだか眩暈がするわ)

貧血を起こしていた。見ると、もとから白磁のようだった肌は白蝋のように白くなり、桜色の唇も血の気を失っている。

ただしアルテミスの不死身体質は造血機能も飛躍的に高めるので、この程度の出血で意識を失う事はない。それどころか腰の上下するペースは遅くなるどころか、ますます速くなっていた。

『うぅむ、すごい出血だ。大丈夫かね?』
通信機のスピーカーからメビウス博士の声がした。アルテミスの状態は、コクピット内に設置されたカメラを通して見えている。しかし興奮状態の真性マゾには、メビウス博士の声は聞こえていない。
『はぁ……。どうかアテナ君にバレませんように……』
メビウス博士は困ったように独り言を呟くと、そのまま黙り込んだ。

 何度目かの腰の突き上げで、尿道用の操縦桿が肥大したクリトリスをえぐり取った瞬間、アルテミスは全身を硬直させた。
「ぐひぃ! ひっ、ひ、ひ、ひくっ! い、イクッ! イグゥゥゥ!!」
もはや原形を留めていない秘裂から、潮が間欠泉のように噴出した。潮は血の色をしていた。

516BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 21:02:31
ab.0422.Cyclops-P.11.33

 アルテミスは三角木馬のようなシートに跨ったまま、絶えだえといった様子で、半ば失神していた。両手を吊るされていなかったら、シートから落ちてしまいそうだ。

(あ……あぁ……、こんなに気持ち良かったのは久しぶりだわ)
呆けたような顔で、自分の下腹部を見下ろした。シートも床も血の海だ。目を凝らすと、血に混じって小さな肉片と大便が散らばっている。

『ス君……ミス君……』

アルテミスは霞がかかったような目で、正面のカメラを見つめた。

『テミス君……アルテミス君?』

「あ……、ハ、ハイ、メビウス博士」
メビウス博士に呼ばれている事に、ようやく気付いた。

『アルテミス君、大丈夫かね?』

「はい、大丈夫です」

『そうか、それなら良いんだが。とりあえず操縦桿が滑って抜けてしまう事はなさそうだ。操縦桿のテストは終了だ』

「メ、メビウス博……」

『オリンポスに帰艦してくれたまえ』

メビウス博士は、アルテミスにみなまで言わせず、一方的に通信を切った。

517BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 21:03:01
ab.0423.Cyclops-P.11.34

 メビウス博士は通信を切ると、疲れたように溜息をこぼした。

「ふぅ……。危ないところだった。通信を切らなかったら、アルテミス君は間違いなく、テスト飛行を続けたいと言い出していただろうな」

そして手元のモニタを見ると、また溜息をこぼした。モニタには、下半身を血まみれにしたアルテミスが映っている。

「これ以上続けて、もしもそれがアテナ君にばれたらと思うと、もう気が気ではないよ」

 アルテミスの友人のアテナは、キュクロプスPの操縦桿の件で激怒した事がある。その時は、アルテミスが自分の性的嗜好を告白して、なんとか怒りは収まった。しかし操縦桿の表面が棘で覆われている事を知ったら、さすがに黙っていないだろう。

「それにしても、まさかアルテミス君があそこまで乱れるとは……、とんでもない真性マゾだな」

別のモニタで、キュクロプスPの動きの録画映像を見た。映像の中で、キュクロプスPが宇宙空間をデタラメに飛行している。

(そういえば……)

アルテミスが腰を振るたびに操縦桿が不規則に動くので、キュクロプスPはデタラメに飛行する。しかしオリンポスには一度も衝突していない――、その事に、メビウス博士は気付いた。

(まさか半ば無意識のうちに、キュクロプスPをコントロールしていたのか……?)
メビウス博士は、アルテミスの操縦技術の高さを改めて知り、舌を巻いた。

518BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/09(月) 21:07:24
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

>>448-464 吉岡

>>465-475 地球奪還作戦会議

>>476-518 キュクロプスP11 (>>510-518 には、少しグロイシーンがあります。苦手な方はお読みにならないように。この章を読み飛ばしても、ストーリーの展開には影響ありません)

519BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/17(火) 20:42:00
ab.0424.intermission

>>3『注意事項』にも記載されていますが、このアナザーストーリー全編に登場する人物、団体、地名、設定、世界観、その他全てが架空の物です。パロディーですらなく、完全に架空の物です。同じまたは似た名称があったとしても、それはただの偶然です。

520BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/17(火) 20:42:44
ab.0425.Prime Minister Dabu.06

 ネオガイア星人が地球奪還作戦の準備を進めている頃、作戦の拠点に選ばれた日本は、新たに首相に就任した辞民党の駄部首相の大胆かつユニークな経済政策が功を奏して、史上まれにみる好景気に浮かれていた。

駄部首相の経済政策はダメノミクスと命名された。ダメノミクスは4つ政策で構成されていて、各々第一の柱、第二の柱、第三の柱、そして第四の柱と呼ばれた。

第一の柱では、少子化や年金問題といった辞民党政権下で起きた問題を、全て民捨党政権の失政によるものだという事にした。そのおかげで、辞民党への期待が一気に高まった。

第二の柱では、すでに破綻気味の年金を投入して、株価を引き上げた。年金破綻はさらに進んだが、株価上昇のおかげで、富裕層の懐は大いに潤った。

第三の柱では、平均賃金を正規雇用者だけの名目賃金で集計し、その一方で失業率を非正規雇用や休業者も就業者として集計して算出した。その結果、平均賃金が高くなり、失業率が低くなった。

第四の柱では、国の豊かさを示す指標の1つであるGDPの算出方法を変更して、計算上のGDPを引き上げた。

マスコミは、駄部首相のこの偉大な功績を毎日のように新聞の第一面で取り上げ、ネット上では、平日の真昼間から駄部首相を称賛する匿名の書き込みで溢れかえった。駄部首相は、民捨政権下で破綻した日本経済を立て直す、まさに救世主だった。

521BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/17(火) 20:43:51
ab.0426.Prime Minister Dabu.07

 経済政策に先立って、駄部首相の最初の仕事は、内閣閣僚の任命だった。官房長官には、管(くだ)氏が任命された。駄部首相が記者会見などで使用する原稿の漢字にフリガナまで付けてくれる、とても頼りになる人物だ。他の閣僚も次々と任命された。誰もが駄部首相の事を気遣ってくれる、まさに適材適所といえる人選だった。

「閣僚はこれでいいでしょう。あとは検察庁ですね」
と、管官房長官。
「そので問題が1つあります。検事長の黒腹の定年が迫っています」

「黒腹?」
駄部首相が何かを思い出そうとするかのように天井を見上げたが、頭の中には何も思い浮かばない。
「誰だ、そいつ?」

「辞民党の守護神と呼ばれる人物です。辞民党の不祥事を全て不起訴にしてくれます。駄部内閣を盤石のものとするには、この守護神を検事総長にしなくてはなりません」

「ならすればいいだろ」

「いえ、今の検事総長が退任する前に、黒腹検事長が定年を迎えてしまうので、それは無理です」

「じゃあどうするんだ?」
駄部首相はカッとなって怒鳴り散らした。駄部首相は炎のように熱い漢(おとこ)なのだ。

「検察庁法ではなく公務員法を適用すればいいんですよ」
それに対して、管官房長官は冷静だ。と言うよりも、もとから常にしかめっ面なので、感情を読み取れない。

「検察庁法? 何だ、それは?」
熱い漢がさらに苛立ったように語気を強めた。

(まさかご存じないのですか!?)
管官房長官は喉元まで出かけた言葉をグッと飲み込んで、
「まぁとりあえずは黒腹の定年延長を発表して下さい。法的な問題は法務大臣に任せましょう」
と進言した。

 数日後、黒腹検事長の定年延長が決定した。弁護士の資格を持つ法務大臣は、検察庁の人事に検察庁法ではなく公務員法を適用する前代未聞の人事について野党から追及されて、消え入りそうな声で『法の解釈を変更したから、全く違法ではない』と繰り返した。

522BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/17(火) 20:44:25
ab.0427.Prime Minister Dabu.08

 内閣改造で内堀を埋め、検事長の定年延長で外堀を埋めた駄部首相に次に必要なのは、いわゆるブレーンの確保だった。適材適所で任命された閣僚は確かに優秀だったが、それとは別に頭脳となり得る人材が必要だったのだ。

「そういえば1人、優秀な男がいます。かなりの変わり者で、周囲からは異邦人などと呼ばれていますが、能力面では申し分ありません」
と、管官房長官。

「どんな奴だ?」

「実はすでに官邸に呼んでいます。今からお会いになりますか?」

管官房長官に呼ばれて、首相執務室に入ってきた鶉山は、にこやかに微笑んだ。

「はじめまして、総理。防衛省の鶉山です」

「おぉ、防衛省か。よく来たな」
駄部首相は防衛省と聞いて、嬉しそうに顔をほころばせた。

愛国心の強いこの首相は、愛読書のコミックに登場する、世界征服を目論むマッドサイエンティストと戦う地球防衛軍の司令官に自分を重ね合わせる事が好きで、防衛省に思い入れが強かった。

523BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/17(火) 20:46:20
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

>>448-464 吉岡

>>465-475 地球奪還作戦会議

>>476-518 キュクロプスP

>>519-523 首相2

524BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/19(木) 17:50:16
ab.0428.intermission

>>3『注意事項』にも記載されていますが、このアナザーストーリー全編に登場する人物、団体、地名、設定、世界観、その他全てが架空の物です。パロディーですらなく、完全に架空の物です。同じまたは似た名称があったとしても、それはただの偶然です。

525BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/19(木) 17:51:05
ab.0429.invasion.001

『侵攻』

 駄部首相は今日も首相官邸でくつろいでいた。側近からはダメノミクス成功の報告が次々と届き、その一方で失敗や懸念材料を伝える報告は皆無だった。マスコミも毎日のように、ダメノミクスの成果を第一面で報道した。

ネットの匿名掲示板も、駄部首相を讃える投稿で溢れかえった。24時間365日、普通なら仕事や学校があるはずの時間帯でも投稿してくれる熱心な一般国民の活動に、駄部首相は感激した。

1週間前に秘書から手渡された予算案に関する資料にざっと目を通したが、書かれている内容がよく解らないので、見るのをやめた。

書棚から愛読書を1冊手に取った。駄部首相は勉強のために、毎日1冊ずつ本を読むのを日課にしていた。今日の1冊は、宇宙戦艦がエイリアンと戦うという内容のSFコミックだ。見ると、書棚には、大量のコミックがぎっしりと詰まっている。

(オレは宇宙戦艦の艦長だ。戦艦の名前は……ムサシ、ムサシがいい)
ページをめくりながら、主人公に自分を重ね合わせる。
(副官は……そうだ、中島亜矢だ。亜矢ちゃんはオレの副官で、恋人だ)
中島亜矢は、駄部首相のお気に入りの女子アナの1人だった。

コミックを読みながら白日夢に耽る、駄部首相の至福のひと時だ。その至福の時間を、電話の着信音が断ち切った。

「何だ? オレは忙しいんだ」
受話器を耳に当て、不機嫌そうに怒鳴りつけた。

「総理、大変です! テ、テレビをつけて下さい」
電話は管(くだ)官房長官からだった。

「テレビ? アニメの新番組でも始まったのか……?」
ブツブツ独り言を呟きながら、テレビをつけた。そしてテレビ画面を見て、口をポカンと開けた。

 テレビには、緊張した面持ちの中島亜矢が映っていた。
『先ほど、さざなみ市上空に現れた謎の飛行物体は、依然として……』
声も、どことなく引きつっている。

526BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/19(木) 17:51:56
ab.0430.invasion.002

 ここで、時間が少しだけ遡る。

1999年7月。宇宙船オリンポスでは、アルテミスがパーフェクトソルジャーとなり、由梨香が出産を終え、地球では日本の政権が民捨党から辞民党に移ってから、さらに幾日が経過した頃。

ついにネオガイア星人による地球侵攻が始まった。宇宙船オリンポスが、地球に降下を開始した。

 オリンポスにドッキングしてた2隻の小型宇宙船――調査宇宙船と拷問研究所の宇宙船――は、衛星軌道上にとどまった。

ネオガイア星人の大半はオリンポスに乗り込み、2隻の小型宇宙船には必要最小限の人員しか搭乗していない。ちなみに2隻とも、ステルス機能によって、地球人に発見される心配はない。

 オリンポスの降下先は、日本のさざなみ市だ。日本が選ばれたのはピタゴラス博士の勘違いが原因で、さざなみ市が選ばれたのはアルテミスの発言が原因だった。

 オリンポスは、ネオガイア星のステルス機能によって、地球のレーダーで捉える事はできない。これは船体を透明にする機能も備えていて、肉眼で見る事もできない。

しかし、このステルス機能は、地球に降下する時にOFFにされた。あえてその巨大な船体を地球人に見せつけて、威圧するためだ。そんな訳で、地球人がオリンポスに気づいたのは、さざなみ市上空の雲を突き破るように、全長1キロメートルの巨大な船体が姿を現した時だった。

空気との摩擦熱でオレンジ色に発光しながら降下してくるオリンポスは、まるで地球人類を滅ぼすために天上から遣わされた怪物のようだった。ちなみに『空気との摩擦熱』と呼ばれているが、実際は空気が船体と擦れあって発熱しているのではない。

 オリンポスは、さざなみ市の上空500メートルで停止した。

全長1キロメートルの宇宙船が高度500メートルに浮遊する光景は、まるでさざなみ市を覆いつくさんばかりだった。実際、船体で日光が遮られて、地上は夜のような暗さに包まれた。

人々は恐怖におののきながら、頭上を見上げた。しかしオリンポスが巨大すぎて、その形を視認する事ができない。

527BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/19(木) 17:52:28
ab.0431.invasion.003

 ここで時間は、現在に戻る。

この未曾有の事態に、真っ先に現場に到着したのは、警察でも自衛隊でもなくマスコミだった。

テレビ局のレポーターが、オリンポスをバックに実況中継している。テレビ局では、女子アナの中島亜矢が、緊張気味の面持ちで原稿を読んでいた。中島アナの隣には、番組のレギュラーコメンテーターを務める、タレントのマツ子デトックスが座っている。

「先ほど、さざなみ市上空に現れた飛行物体は、依然として上空に停止したままです。正体は不明です。さざなみ市の皆さん、落ち着いて行動して下さい」

中島アナは一気にまくしたてると、一呼吸おいて、更に神妙な表情を浮かべた。

「ここでCMです。CMの後は、芸能界のご意見番マツ子デトックスさんを交えて、モデルの蛇原優里さんの恋人発覚疑惑の真相を探ります!」

ジャジャーン♪
効果音が流れ、番組は30秒のCMに入った。

528BiBi ◆8cBPUextJk:2020/03/19(木) 17:54:02
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-9 プロローグ

>>10-16 監獄にて

>>17-24 ロボットバトル1 アナザー

>>25-32 並行宇宙

>>33-46 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-56 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

>>112-139 ラミアー 出産実験01〜05

>>140-150 SMスカウター01〜02

>>151-183 キュクロプスP5〜9

>>184-186 アルテミスの休暇

>>187-217 動物園の理沙

>>218-266 アルテミスの休暇(加筆修正版)

>>267-321 食糞実験

>>322-364 グレイ襲来

>>365-369 宇宙海賊2

>>370-390 パーフェクトソルジャー

>>391-411 首相

>>412-422 キュクロプスP10

>>423-447 ラミアー出産実験06〜07

>>448-464 吉岡

>>465-475 地球奪還作戦会議

>>476-518 キュクロプスP

>>519-523 首相2

>>524-528 侵攻


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