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【習作】1レスSS集積所【超短編】

1名無しさん:2015/11/21(土) 00:23:52 ID:gr26XeI60
「SS書けたけどツイノベには長いし、1000文字には満たない…」
「投稿所の新着に載せる/自分の作品ページに1作置くほどでもない…、でも日の目を当てたい!」
「初作で躓いて変なイメージついたり、叩かれたくない…」
「まずは匿名でいいから反応を見てみたい…」

 そんな初心者や超短編作家の皆様! この度、談話室に『1レスSS集積所』を作成しました!
 初心者作家の叩き台から、本館作家の息抜きネタSS、そしてその感想など、様々なレスを投じてください。
 魔物娘さんたちといちゃエロちゅっちゅしたりほのぼのするSSをお待ちしております。

 【このスレのルール】
・SSの内容に関するルールは本館と同じとします。
・作品とその感想は1レスでまとめてください。特にこのスレでの連載は禁止します。
・基本的にここで作品を投稿しても匿名になります。匿名ゆえのトラブルのリスクは投稿前によく考えてください。HN・トリ付けは自己責任で。
・ほんわかレス推奨です!


他にも色々なスレがあります。目的に適したスレをご利用ください。

※魔物娘図鑑と関係ない話題でもOKです。
雑談スレ12:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1446028423/

※新刊同人誌の話題は解禁されるまでネタバレスレでお願いします。
ネタバレスレ:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11485/1294842422

※エロ魔物娘図鑑やSSに関する考察・妄想・ネタ話などはこちらへ。
エロ魔物娘図鑑スレ10:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1441958563/

※魔物娘の生態や世界情勢など、図鑑世界にまつわる考察はこちらへ。
魔物娘図鑑世界考察スレ6:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1411941292/

※SS作者さん特有のピンポイント過ぎて微妙な質問・相談などはこちらへ。
SS書き手で雑談しましょ 8:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1445590184/

2:2015/11/21(土) 00:24:31 ID:gr26XeI60
【作品の一例】
幼馴染の体にサキュバスの角と翼が生えた。
ある日、勇者として旅立ったはずの幼馴染が突如として私の家を訪れた。
もう数年は交わさなかった、他愛もないやり取り。それは私の心を躍らせた。
彼女は勇者としての冒険譚を紡いでくれた、辛く、寂しい旅路であったこと。
そしてその結びに私に告げた。自分はそうして、魔物に敗北したのだと。
彼女はそうして小ぶりな角、透き通る尾、翼を生やし、情欲に身を濡らして、淫魔としての姿に身をやつした。
私を救ってくれ、そう彼女は言った。
それはもしかしたら、この手で穢れてしまった魂を解放してくれということだったのだろうか。
その時の私はそれを思うことなどできなかった。悪魔の赤い瞳に魅入られた私は、紫の体毛の生えた肢体に吸い込まれるように抱かれた。
幼いころ想像もできなかった、たわわに実った果実を貪り、私は彼女の泉へと迎え入れられた。
そうして三日三晩の交わりの末、私は魔界へと連れ去られた。
ふと、思う。あの時の言葉は、私を人間として逝かせてほしいということだったのではないかと。
だが、ならばこれでよかったのだ。こんなに幸せそうに腰を振る、彼女を見て、思う。
そうして今は立派になった角と翼を撫でながら、すでに人ならざる私たちは、その思考を深く、深く堕としていくのだった。


こんな感じで、短くまとまるお話お待ちしてます!

33:2015/11/22(日) 22:11:02 ID:Axh1LfnA0
小さな頃、友達がいた。
その子はいつも走りまわっている元気な女の子で、じっとしている時も細く長い尻尾が代わりに暴れまわるくらいだった。
丸くて大きな耳は僕の足音を、村を出るときからずっと聞こえるらしい。
友達は、一緒に遊んでることは内緒だよ、と言った。
僕はその約束を守って、ずっと内緒にしていた。

ある日、友達は遠くに出かけると言った。
悲しそうに笑って。
最後に、うそつき、と言って去っていった。
その日の夜、父さんと母さんが僕を教会に連れて行った。
魔物の呪いを解くんだと言って。
神父様は延々と、魔物は恐ろしいものだと言い続けた。
僕にはいかめしい顔をした神父様のほうが恐ろしく思えた。

大人になって、僕は森の中で友達と再会した。
友達は驚いて逃げようとした。
でも、怪我をしていたみたいですぐに倒れた。
近づく僕に警戒する友達に手を差し出して、僕はこう言った。

「また一緒に遊ぼう。大人には内緒で」

友達は瞬きをした後、泣きながらうなずいた。
相変わらず元気な友達の尻尾は、やっぱり落ち着きなく暴れていた。

4名無しさん:2015/11/23(月) 00:27:37 ID:lhPK7Qc20
あぁ、これは良いスレだぁ(恍惚

5名無しさん:2015/11/23(月) 04:24:26 ID:vbjS/HOk0
最初の例からしてあれだけど……
書き込まれていない短いだけの文章と、目的以外を削ぎ落とした先鋭的に短くまとめた文章とは
違うよね。短編ってのは単に短いだけの寸足らずな文章と違うで。

俺ならもっと削ぎ落とすけれど、問題は文章が目的とするかだよな。
>>2と言い、>>3と言い、これらの主題はなんだろな。

単に情景だけを何となく描写しただけってのは文字数の無駄でしかないし、投稿所とかで評価さ
れていない作品の一つの典型なんじゃないの。それが長くても短くても余り関係ない。

6名無しさん:2015/11/23(月) 04:50:50 ID:VktEOvds0
 われわれは何を間違えたのですか。

 あなたさまの賜られました御ことばのままに、われわれは生まれ、暮らしてきました。
 われわれは、すべての隣人を愛し、無私と清貧と敬虔に努め、慎ましやかに日々を送り、主神さまの御統べになられる世界とひとびとのあるべき正しさのための祈りに、この身を捧げて暮らしてきました。
 すべての祈れるひとのため、そしてすべての祈れぬひとびとの分までをわれわれが祈り、主神さまの愛される世界を愛し、主神さまの御救いを信じることを誓い、もって主神さまの御手が、あまねくすべてのひとびとを御守りくださいますようにと願って。
 われわれの祈りが、この世界を支える一助となっているのだと信じて。

 朝も夜も、晴れの日も、雨の日も、風の日も。
 大雨が村を洗い流した日も。蝗が空を埋めて畑も森も不毛の土地に変えてしまった季節も。地が揺れ城が崩れ国が瓦礫の山と化した年も。長い日照りが川を池を湖を枯らし、誰もが飢え渇き苦しみ骨と皮だけになっていった時代も。
 われわれは祈り続けました。ただ、祈り続けました。このちいさな修道院から、全世界へ。
 われわれの無私なる祈りこそが、なおもこの世界を支える一片の力であるはずだと信じて。

 ですが、いま思えば、われわれの祈りなど、災禍に対していったい何の意味を成したのでしょう。

 主神さまの御救いを説いて回ったわれわれに対して民が言った、この嘘吐きどもめという罵りのことばも、当然のものであったのかもしれません。
 なにも起きなかった。何も変わらなかったのですから。
 われわれの祈りは、何ももたらしてなどくれなかった。
 われわれは無意味だった。

 われわれは何を間違えたのですか。
 主神さま。
 われらが世界の主たる御方、天に御座し、いつの日かわれらを至高楽園へと御救いくださる御方よ。
 どうかいま一度、われわれひとの子らへ、その御ことばを賜られますよう。わたしめがそう願うことを、どうか御許しになられますよう。
 主神さま。
 いつからか、主神さまはわれわれの世界へ愛を賜られることをおやめになられたのではありませんか。
 その無比なる御力でわれわれの敵、魔物どもを討ち滅ぼし、その無類なる御威光でわれわれに降りかかる恐ろしき災いを払いのけられることを、おやめになられたのではありませんか。
 それは、なぜなのですか。
 われわれの祈りだけでは甚だ不足だとおっしゃられるのですか。
 それとも、われわれがあなたの御ことばに背いたとおっしゃられるのですか。
 主神さま。
 どうかいま一度、われわれひとの子らへ、その御ことばを賜られますよう。
 われわれは何を間違えたのですか。

 主神さまが御救いを差し伸べられるよりも早く、あの、恐るべき魔物どもが、再び魔界を広げんとする企みのもと、そうした災禍の降りかかった土地へと堰を切って攻め寄せました。
 民と苦しみを共にした十字軍に、戦うための力が残されていようはずもなく、彼らは次々に、魔物どもの軍勢へ屈し、抵抗空しく飲み込まれていったと聞きます。
 わたしの故郷も、そうして魔物どもに無残にも踏みにじられました。

 ですが、つい先日のことです。
 故郷に魔物どもに踏みにじられたはずの故郷に残した妹から、わたしの下に、手紙とパンと、それから大量のジャガイモが届けられたのは。
 それをここに届けたのは鳥の魔物でした。
 見たこともないほど白く上質な紙。かすれひとつなく美しい筆跡。かごの中で熱ささえ保ったままのパン。信じがたいほど大きく実の詰まったジャガイモたち。
 そして間違いなく、その手紙に記された文字は、見間違おうはずもない、懐かしい妹のそれ、そのものだったのです。

 主神さま。
 われらが世界の主たる御方、天に御座し、いつの日かわれらを至高楽園へと御救いくださる御方よ。
 われらが世界へ、かつて無限なる愛を賜りくださっていた御方よ。

 主神さま。

 われわれはいつから間違えていたのですか。

7名無しさん:2015/11/23(月) 11:31:59 ID:lhPK7Qc20
>>5
お手本みせて下さい!!

8名無しさん:2015/11/23(月) 19:26:17 ID:7yhAzjgI0
>>5
1000文字未満でまともな起承転結出来たらそれこそ名人芸よ。
ここまで短いと多分そぎ落とすとかいうレベルにもならん。
そういう実験場というか、廃棄場的な場所と考えるべき。

主題も何も、たぶん書いてあることがそのまま書きたい事だよ。
普通は裏にテーマとか仕込める文量じゃない。
狙ってそれが出来る力量なら、たぶん此処を使う必要のない人だ。

9名無しさん:2015/11/24(火) 16:22:47 ID:RyUtejzc0
チャットでさらっと書いたのが残っていたので、折角だから書き込んでみます。
これ、投稿は名無しが基本ってことで良いのかな?


友人との電話記録
________________________

ん、おお、久しぶりだな。元気か?
俺は…まあ、ぼちぼちだ。
…いや、ちょっと最近妙な事が多くてな。
うん?聞かせろってお前…、そんな面白い話じゃないぞ?
あー、家の傍にゴミ捨て場があってな、いつも通り夜中にゴミを捨てに行ったんだが、どこからか視線を感じたんだよ。
ちょっとおっかなくてな。
見渡してみたらよ、ゴミ袋の中から人形がこっちを覗いてんだよ。
フランス人形っていうのか?青い瞳がこっちをじぃっと見てるみたいだった。
普段ならほっとくんだが何故か妙に気になってなぁ。
なんとなく人形をもって帰っちまったんだよ。
え?なんでって言われてもなぁ…。
あんな可愛い人形、放っておけるわけないだろ?

んで、それからだ。俺の周りに妙な事が起きだした。
どこからともなく声が聞こえるんだ。
「私を見て…私を捨てないで…私を愛して…」ってな。
不気味だろ?おまけに、ちょっと奥の方にしまっておいた人形が気付いたら枕元に置いてあるんだよ…。
人形か?ああ、それからはずっと枕元に置いてるよ。
寂しそうだったからな。女の子を泣かせる訳にはイカンだろ?

え?人形を捨てろって?
馬鹿言うな!あんな可愛くてきれいな娘を捨てられるわけがねぇだろ!
あの人形…あの娘はな、いつも一人で、寂しい思いをして…
…なんだ?俺はなにを言ってるんだ?スマン、どうかしてたみたいだ。
あぁ、そうだな…捨てないと、いけないよな…
ん?ああ、スマン。あの娘が寂しがってる。電話、切るぞ。
________________________

その電話が切れた後、彼は行方をくらました。
噂によれば、人形のように美しい少女と、夜の闇に消えていったらしい。

10名無しさん:2015/11/24(火) 18:48:59 ID:Kfqfijrs0
-桜桃藍苺-


僕は彼女を見て、「ブルーベリーみたいだね」と言った。
すると彼女は、「チェリーが何言ってるのよ」と笑い返した。


僕達が六歳だったとき。
幼い二人は、そう言ってお互いを茶化しあった。
学び舎を目指し、肩を並べて歩く、桃色の唇と、藍色の唇。
僕は人間で、彼女は魔物。言わずもがな、種族の違う生き物だ。

最初のうちは、僕もその違いを不思議に思っていた。
でも、日が経つに連れ、それも次第に気にならなくなっていった。
彼女は僕と同じで、笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだりした。
それを見て、幼心ながら分かったのだ。あぁ、僕達は同じなんだな、と。


僕達が十歳だったとき。
彼女と一緒に、慣れた道を歩いて学校に向かっていると。
不意に、彼女が石に躓いて、転んでしまいそうになった。
僕は咄嗟に手を伸ばして、その腕を掴み、彼女は事なきを得た。

ほっと胸を撫で下ろす僕。対し、彼女は目を見開いていた。
転びそうになったのが、そんなにびっくりしたのかと思ったけれど。
見つめていると、何故か、次第に彼女の顔が赤くなり…そして、笑顔になった。
「ありがとう」。その一言を境に、僕達は手繋ぎで歩くのが日常になった。


僕達が十四歳だったとき。
いつもと変わらぬ通学路。だけど、今日は彼女の様子がおかしかった。
ずうっと下を向いて、ダンマリ状態。僕が話し掛けても、返ってくるのは空返事。
何かあったのかと心配していると、突然、彼女は顔を上げて僕に問い掛けてきた。

「貴方って、好きな女の子とかいる?」。
それは彼女らしからぬ、余裕のない尋ね方で。やや鬼気迫るものがあった。
しかし、慌てて僕が答えると、表情は一転、ぱぁっと花咲き満開。ウキウキ気分。
どうしたというのか。一人悩む僕が答えを得たのは、その日の放課後になってからだった。


僕達が十八歳だったとき。
いつもの道が、明日からは、いつもの道ではなくなってしまう。
その寂しさに、少し瞳を潤ませていると。コツンと、彼女が僕を肘で突いてきた。
何かと思って視線をやると、彼女はチラリとこちらを見上げ、少々不満げに呟いた。

「私は、ずっと一緒でしょう?」。
そう言って、プイと横を向いてしまう彼女。まさか、道にヤキモチを妬いたのか。
苦笑しつつ、僕は彼女の肩を叩き、振り返ったふくれっ面に…そっと、キスをした。
触れ合う唇。柔らかな感触と共に流れ込んでくるは、彼女との青春の日々。甘酸っぱい味。

僕は彼女を見て、「ブルーベリーみたいだね」と言った。
すると彼女は、「チェリーが何言ってるのよ」と笑い返した。


僕達が歩む今。
大人になった二人は、そう言ってお互いを茶化しあった。

11名無しさん:2015/11/26(木) 01:33:34 ID:MGB9RDFQ0
「はぁ……」
 USBメモリに眠った大量のデータを前にため息をつく。
 沢山のSSを書いていく中で、没になった作品とも呼べない文章の残骸の山。
「――どれから、消すか」
 偶々目に付いた一つをダブルクリックし、中身を確認する。
 日付を確認すると、文章を書き始めてすぐの頃の代物だった。
 まだ、物語に自分を代入しようなんて無茶なことを考えていた時代。ヒロインの造形なんて当時自分が憧れていた先輩そのままだ。
 ある女の魔物と、人間の勇者の恋物語。二人は心を惹かれあいながらも、それぞれの宿命によって対立し、剣を向け合っていた。
 物語は、少年の勇者が魔物に剣を向けるところで止まっていた。
「これは、駄目だな」
 よくあるロミオとジュリエットの変形だ。仕上げた所で、並みの文章にしかならないだろう。人から評価を貰うには程遠い。
 何より、恥ずかしくて仕方がない。ウィンドウを閉じて、即刻ゴミ箱に叩き込んで忘れるのが正しい対処法だろう。
「……くそっ」
 だが、ウィンドウを閉じようとした手が止まる。
 文章の中から――ヒロインが、少年が自分を見つめているような気がしていた。
 私を――僕を幸せにしてくださいと。彼らが訴えていた。
「ねえ、君が物語を書くならさ――えへへ、私も出して欲しいかな、なんて」
 先輩の顔が、浮かぶ。
「仕方ない、書いてやるか」
 頭の後ろをぽりぽりと掻き、文章をうちこんていく。
 長年SSを書いていたおかげで、何処までもスムーズに話は進む。
 戦いの果て、少女と少年はお互いに剣を捨て、抱きしめあう。
 辺境の村で、過ごす二人は――幸せに笑いあっていた。
「私は、ハッピーエンドが大好きなんだ」
 ――ええ、先輩の大好きなハッピーエンドです。
 お話が出来たら、見せるという約束をしていましたね――3年も遭っていない今となっては、もう、無理な話ですが。
「……そんなことはないよ」
 ふと、後ろから声が聞こえた。
 想像していたヒロインと同じ声。
「私は、君が書いてくれた作品を食べるのがずっと楽しみだったんだから」
 振り返るとそこには、先輩が居た。
 作品と同じ、透明な羽とピンク色の髪を持った先輩だった。
「――私達、リャナンシーはね。上質な物語がご飯なんだ。きっと、君なら美味しい物語が書けるって信じてたよ」
 でも、こんな作品で大丈夫なんですか?
「君の愛が、一番こもってるもの。美味しいに決まってるよ」
 先輩は、にっこりと笑ったのだった。

12名無しさん:2015/11/26(木) 07:18:09 ID:molYy1SI0
>>11
うわあああ
いい話だけど
没になったネタが、消したSSが俺を、おれを…
そんな目で見ないで…

13名無しさん:2015/11/26(木) 08:31:28 ID:Ra5OeaN60
「出たな一つ目の化け物め!覚悟しろ!」

「こんな薄暗い洞窟までご苦労なことだな?勇者さんよ」

「お前を討伐しろとの命だ。いくらカワイイとて容赦はせん!」

「かわいい?」

「?!……な、何だ今のは、口が滑ったのか!?」

「おいおい、魔法が簡単に効きすぎじゃないか?」

「くっ……これが”暗示”か、姑息なマネを!」

「ふふふ……さて勇者さん、アンタに言っておくことがある」

「なんだ!」

「オマエには半年前に生き別れた妹がいるな」

「だからどうした」

「ワタシだ」

「なに?」

「だからそれはワタシだ」

「ふん、何を言う!そんな戯言を真に受けるものか!」

「初恋だったパン屋の娘とはその後どうだ?告白はしたのか?」

「なっ……」

「勇者稼業に身をやつしている所を見ると……上手くはいかなかったらしいな」

「なぜ、お前がそれを……!」

「オマエのことなら何だって知っているさ。なにしろ、妹なんだから」

「ち、違う……俺の妹は人間だ!魔物なんかじゃない!きっとこれは――」

「ゲイザーならではの”暗示”のせいだってのか?」

「そ……それ以外に何がある!」

「……」

「俺は、そんな魔法になど……!」

「なあ……もういいかげん、楽をしてもいいと思わないか?」

「……なんだと?」

「ただ使い捨てられる奴隷の私たちに、真っ当な道なんて用意されていなかった。
 弱者がさらに下層の弱者である私たちを責め、鬱憤を晴らした。はけ口にした。
 それでも、ニンゲンであることに意味があるのか?」

「何を……」

「身分を得ようとして、出身を詐称し勇者に成ろうとした兄さんを私は止めた。
 そんなもの、ただ少し呼び名が変わるだけで、やはり奴隷でしかなかったからだ。
 それでも兄さんは……私の生活を、身体を守るために、自分を犠牲にした……」

「ち……違う、」

「私は、もう兄さんが傷付くところなんて見たくないんだ。
 身体が弱くてまともに働けない私をかばって鞭打たれるのも、身を粉にして働くのも……。
 だから私は、魔物になったんだ」

「……どうして、どうしてだ?アンメル……」

「兄さん。確かに私は魔物になった。けれど、それでも貴方の妹なんだ。
 私を信じてくれないのなら、この場で斬られたっていい。
 だからもう一度、一緒に暮らそう」

「……アンメル……」

「この洞窟にいると、また他の”勇者”が来るかもしれない。
 さあ行こう、兄さん。 とっておきの場所を用意してあるから――」

14名無しさん:2015/11/27(金) 01:46:14 ID:hf3LICoA0
「また、茶碗蒸し」
 食卓に置かれたそれを見て、少女は渋い顔をした。
「あたし、これ嫌いだって言わなかったっけ?何度も何度もさ」
「……前より美味しく出来たと思う」
「そういう問題じゃないっての」
 渋い顔で茶碗蒸しを掻きこむ少女。
 たとえ苦手なものでも、食卓に置かれたものは全て食べる、それが少女の癖だった。
「今度は、喜んでもらえるように頑張るとするよ」
「この、努力の方向音痴め。それともあたしが嫌がる姿が見たいってのか?」
 笑いながら食器を片付ける男に、少女は渋い顔をする。
 こうして毎日苦手なものを出されていたら、嫌がらせを疑う所だ。
「そうでもない。君が悲しいと僕だって嫌だよ」
「――ちっ」
 だが一点を除いて、男は完璧だった。
 食卓に並んだものは、茶碗蒸しを除いて、すべて少女の好物だった。
「あのさ」
「――何だい?」
 鯖の味噌煮に口をつけながら、少女は自らの疑問を口にする。
「どうして、毎日茶碗蒸しが出るんだよ」
「……恩返し、かな」
「訳わかんない……」
 呆れたように、少女はため息をつく。
「うん、僕も良く分かってないんだ……でも」
 男は、自分の分の茶碗蒸しをひと匙すくって口へと運ぶ。
「これが、本当の君の好物な気がするんだ――こうして、恋人を亡くしてしまった僕に、こうして尽くしてくれる君の、ね」
「……バカみたい。今日は顔合わせたくないから、入ってこないで」
 少女は、吐き捨てると彼女の部屋へと戻る。
 外は、日が沈みかけていた。
「今日は、新月――」
 窓の外を眺める少女の姿は、一刻前とは似ても似つかない地味な存在へと変わっていた。
 彼女は、ドッペルゲンガーであった。恋する人を喪った男の元に現れ、その理想に擬態し、寵愛を得る魔物。
「茶碗蒸し、美味しかった……」
 彼女は、茶碗蒸しが大好きだった。
 一度だけ、この姿を曝してしまった彼女に、彼が差し出したのが茶碗蒸しだった。
 家出して、勝手に上がりこんだと苦しい嘘をつく彼女を疑いもせず、外は寒いからと作ってくれたのだ。
 冷えた体に、あたたかく柔らかいそれが、どこまでも心地よかった。
「がんばら、なきゃ」
 優しい男性だ。醜く擬態する存在にとってはもったいないほどに。
 故に、彼女は一人の少女を演じ続ける。彼を、失望させないために。
「また、朝が来る」
 朝になると、彼女の擬態は完璧に戻る。
 茶碗蒸しが大好きな舌も、嫌いな料理と感じる舌へと変化する。
「――少し、悲しいな」
 彼女の頬を、涙が濡らしていた。

15名無しさん:2015/11/28(土) 02:05:54 ID:ZxczQJQk0
「じゃあ、右のカードで」
「……本当にそれでいい?」
「ええ」
 ポーカーフェイスを貫く先輩の手札からカードを一枚ドローする。
 リッチ――魔術の深奥を究めた死の賢者であり、魂を分割した彼女の表情からカードを類推するのは不可能だ。口先で誤魔化そうにも年季が違う。僕のような常人は観念して引くしかないのだ。
「ジョーカー、ですね」
「……うん」
 案の定引いたカードはジョーカー。二人ババ抜きの敗者は僕で確定のようだ。
 この手のゲームで僕が勝てたためしはない。
 数えた事はないけれど、多分五十敗以上はしているはずだ。
「……罰ゲーム」
「分かっていますよ」
 事前に負けたほうが勝ったほうの言い分を聞くという約束だ。
 勝てない僕にとっては、ゲーム後の彼女の命令はいつもの行事と化していた。
「……温泉、連れてって」
「今から、ですか?」
「……うん。私も、君も疲れてるから。温泉が良い」
「分かりましたよ、先輩」
 彼女の命令にしぶしぶ頷く僕。
 その隣で、彼女の魂が封じられた箱がカタカタと揺れていたのだった。

――

「良い湯加減」
「そうだね、ほかほかだ」
 数時間後、旅館の一室。
 窓際に置かれた二人用の湯船で僕と彼女は肩を寄せ合う。
 普段入る風呂よりも少し熱めの湯が、ぴりぴりと肌を刺激する。
 昼ごろは曇り空だった空模様は一転して美しい夜空が広がっていた。
「――ねえ、君」
「どうしましたか?」
 肩に手を寄せながら、彼女は小さな声で囁く。
 風呂場の縁に置かれた経箱がかたかたと揺れていた。
「……わざと、負けてる」
「どうして、そう思ったんですか?」
「……経箱を見れば、勝てた」
 経箱、彼女の魂が封じられたそれは、彼女の感情によって動いている。
 ババ抜きであれば、強く揺れたほうをとれば良かった。彼女は言外にそう語っていた。
「僕は、先輩には勝てませんよ、絶対」
「……何故?」
「負けたときの楽しみが、無くなっちゃいますから」
 先輩が言いつけるのは、いつも二人でどこかへ行くことだったり、楽しめる事だった。
 罰ゲームといいながら、実際には彼女とのデートだったのだ。
「……そう」
 湯船に口を沈めながら彼女は呟く。
 ぷくぷくと、小さな泡が水面に浮かぶ。
そんな先輩に肩を寄せ、外の景色を眺める。
浮かぶのは、見事な満月だった。
「――先輩、月が綺麗ですね」
 何の気なしに、放った言葉。
「……意味、分かって言った?」
 経箱がかたかたと、大きく揺れて、湯の中に落ちた。

16名無しさん:2015/11/29(日) 01:23:24 ID:yApLYVaU0
「……ぐ、ぐう……」
 猛烈な咽喉の渇きで俺は目を覚ました。
 全身が汗でぐっしょりと濡れている。
 よろよろと立ち上がって台所の水をがぶ飲みすると、咽喉奥に引っかかるような痛みが走った。
「風邪、ひいたか……」
 這いずるように布団に戻り、布団を被りなおす。
 薬を飲みたいところだが、生憎常備薬は無い。
「寝る、しかないな……」
 こういうときは、人間の持つ自然治癒力に頼るしかない。
 俺は再び目を閉じるのだった。

--

 ぴちゃり、ぴちゃりという小さな水音で俺は目を覚ます。
「--あ、起きちゃったか」
「……エル……」
 視界の端に、黒い肌と尖った耳が特徴的な美女……ダークエルフにして、幼馴染のエルが俺の額に濡れたタオルを乗せていた。
「ごめんね、昨日無茶しちゃったからこんな風に……」
「いや、良いんだ。昨日のアレは気持ちよかったし……」
「--ううん、パートナーの体調を見切れなかったんだもの、私の責任だよ――寝ている間にお薬、座薬を入れておいてあげたんだけど……効いたかな?」
「あ、ああ……大分ラクになった」
「……良かった」
 優しく頭をなでながら、彼女は囁く。
 普段責めるときとは違う、柔らかくて、優しい声。
「だから、頑張ってもっと元気にしてあげるね」
 しゅるり、と小さな衣擦れの音とともに、彼女は布団にもぐりこんできた。
 熱を持った体温に比べて、エルの身体は、心地よい冷たさをもって俺の体を包み込む。
「な、何を……!?」
「んー、魔力をリンクさせるの。私達の身体は頑丈だから……すぐに良くなるよ」
 彼女は悪戯っぽく笑うと抱きしめる力を強くしてきた。
 縄とは異なるけれど、心地よい拘束。
 出ようとも思えない、甘い牢獄。
「――その、ありがとうな、エル」
「……ふふ、お礼は治ってからたっぷり貰うから、今は私の中でゆっくりと治してね……」
 耳元で響く吐息交じりの甘い声に自然に瞼が下がっていく。
「大好きだよ」
 それが、完全に睡魔に支配される前に聞こえた彼女の最後の言葉だった

17名無しさん:2015/11/29(日) 11:33:45 ID:yApLYVaU0
 ふにゃり。
「ん……?」
 ぷるっ、ぷるんっ。
「んん……?」
 胸元に感じた違和感で、バフォメットは目を覚ました。
 眠い目をこすると、外はまだ暗い。幼女はまだまだ寝ている時間だ。
「全く、どうしたのじゃ?」
 違和感の源、胸元を探る少女。
 --ぷるんっ。
「……っ!?」
 彼女の手のひらの上で圧倒的な存在感を持つ肉の塊が二つ、そこにあった。
 信じがたい事実を前に、眠気が二秒で吹き飛んでいく。
「ば、馬鹿なっ!?」
 少女はよろよろとベッドから這い出し、姿見を覗く。
 今の肉の塊、脂肪の塊は気のせい。鏡を見ればいつもの自分が居る……そんな希望は--。
「胸が、大きくなってるのじゃ……っ」
 粉々に、打ち砕かれていた。
 普段完璧を自称するボディライン。
 無駄な脂肪のついていない、美しい幼女の肢体。
 自慢のプロポーションが、無残にも損なわれていたのだった。
「う……うう……」
 胸についたそれは、あまりにも大きすぎた。

18名無しさん:2015/11/29(日) 11:34:58 ID:yApLYVaU0
ま、間違えて途中で書き込むボタンを押してしまった……orz

19名無しさん:2015/11/29(日) 19:37:46 ID:yqsGkca20
「…あ〜あ、ヒデェもんだ…」
彼はそう言ってフーッと紫煙を吐き出した。目線の先には、真っ二つに折れた船体と、投げ出された仲間たち、そしてそれを我がモノにしようとする、海の魔物たち。
「もう少し、長生きしたかったんだけどなァ…」
「ヘェ、こんなモンを吸っておいてかい?」
背後からの声に振り向けば、船首飾りに組んだ腕を乗せ、じとり

20名無しさん:2015/11/29(日) 19:39:29 ID:yqsGkca20
俺も>>18と同じ間違いをやってしまった…ごめん
携帯からは無理だ…

21名無しさん:2015/11/29(日) 20:34:00 ID:yApLYVaU0
>>20
事前にどこかに書いた文をコピーして貼らないと誤爆します……orz

海の魔物に捕まると煙草が吸えなくなりそうですね。
まあ、もっと気持ちいいことが出来るようになりそうですが……

22名無しさん:2015/12/11(金) 17:24:43 ID:jIbTUxOk0
月の無い――夜、ですね。
……驚きましたか?これが、私の本当の、姿。
小さな背、黒い髪、怪しく光る紅い瞳。
地味な黒いワンピース。
それが、私です。誰も歯牙にもかからない、小さな魔物。
勇者様、あなたの隣で戦っていたのは、私なんです。
あなたの初恋の魔法使いに化けて、騙していました。
彼女は、旅の途中で不治の病にかかっていました。
冒険なんてとてもできないくらい、重い病気です。
だから、貴方の旅についていく事が出来なかった。表向きは薬で誤魔化していましたが、体を偽る事は、限界がありました。
「――ねえ、わたしの代わりに、彼を支えて欲しいな」
そこで、彼女は影武者を立てることを考えました。
旅の途中に見つけた、誰かに化ける事の出来る魔物。
見た目だけでなく――心まで、偽って誰かに成りすます、影の魔物。
私に後を託し……彼女は目を閉じました。
……剣を抜きましたか。
そう、ですよね。
貴方は――勇者様、ですから。

――黙れ。

……。
ごめんなさい。
本当に、ごめんなさい……。

――黙れ!

……本当は、真実を伝えないほうが、良かったのに。
どうして、私はこの姿を曝したのでしょうか?

――黙れッ!

……勇者様。
その剣を振るう前に、ただ、一言――言いたい事があります。

……偽りしかない、私でしたが。
貴方を、愛している。

――それだけは、本当なんです。

23>>19再投稿御免:2015/12/12(土) 16:00:54 ID:Y3hUSXog0
「…あ〜あ、ヒデェもんだ…」

月の明るい夜だった。彼はそう言ってフーッと紫煙を吐き出した。
目線の先には、真っ二つに折れた船体と、割れた酒樽、投げ出された仲間たち、そしてそれを我がモノにしようとする、海の魔物たち。

「もう少し、長生きしたかったんだけどなァ…」
「ヘェ、こんなモンを吸っておいてかい?」

背後からの声に振り向けば、船首飾りに組んだ腕を乗せ、じとりした目線を寄越す女が一人。
その下半身は艶めかしく水を滴らせる八つの吸盤に覆われた足を、船の縁に絡み付かせている。スキュラだ。

「コイツは俺の恋人なんだよ、アコギな稼業をしてたが、そんな中でも苦楽を共にしてきた。」
「ふぅん、それならそいつぁ毒婦ってやつなのかねェ。」

そう言いながらスキュラは彼ににじり寄った。ほぼ筋肉の濡れた足がカトラスに絡むが、彼は何の気無しに煙を吹かしていた。

「アンタが、俺の奥サンかい? せめてコイツが無くなるまで待っちゃくんねェかな。」
「おや、てっきり魔物嫌いの教国民と思ったら」

スキュラは既に彼の両足に、蛸足を巻きつけていた。身を寄せ、2本の足も腰に抱きつき、人の腕を彼の肩に回し、残りの足で体を支えている。
既に捕らえた状況だが、もう一押しを魔物は待った。存外、慈悲はあるらしい。

「なんで海賊なんてやってんだい?」

そう、彼は海賊だった。仲間たちも皆そうだ。そして教国の船も親魔物国の船も襲う、荒くれ揃いだった。
そんな船が見逃されるはずもなく、とうとう天罰が下った。天とも魔のものとも知れぬ雷が、哀れな海賊船を真っ二つにしたのだった。
彼は、咥えた恋人を放して、言った。

「…不満だったのさ。俺たちは、元はしがない教国の漁師だったんだが、海はお前さん等のモンになっちまった。
 なのに教会は税を納めろと聞かない。お前さん等にも教国にも不満だった。
 だから俺たちゃ、船と酒と煙草を恋人に、賊になった。それだけのことさ。」
「…ふうん、なんだか忍び無いねぇ、お前さんのこと食べちまうのさァ。」

言葉とは裏腹に、バンダナの顔に、そっとスキュラは顔を預けた。濡れ髪からふわりと、甘い雌の香りがする。

「…別にお前さんらが心底嫌いなわけじゃねぇんだ…。ただ、こう、なんつーか…、素直にお前さん等のモノになるのに、ちょっと天邪鬼だった、てのかなァ…。」
「ふふっ、ああ、わかるよ。アタシも、そんなトコあるしさ。」

そういって、少しはにかむように、彼女は笑った。月に照らされる濡れ顔に、彼は心臓を縮ませた。
照れ隠しか、火を持つ手を口元に持っていこうとしたとき、沈みゆく船が、グラリ、と揺れた。

「アッ!」「きゃっ」

瞬間、彼は彼女の胸の中へと吸い込まれた。彼女の足に、そのまま絡めとられる格好になる。
穏やかな日の海のような、青く、それでいて少し甘えるような彼女の瞳に捕らえられる。

「あ〜あ、振られちゃったねェ」

彼女がふと瞳をそらした、その先には、火の消えた恋人が波に浮かんでいる。

「毒婦、なんて言って悪かったね。引き際をわかってる、いい恋人さんじゃないか。」
「…そうか、あァ、うん、そうだな…。」

名残惜しそうな瞳を水面に向ける彼の頬に、そっと、両手を添える彼女。
支えるものが無くなって、ずるずると斜めの甲板を滑り、海へ。
そんな中、彼は身を支える彼女の肢体と、青を湛える彼女の瞳に、魅入られていた。
海水に身を沈め、凍えるはずの彼は、ほんのりと身体を赤らめる。

「ふふっ、いい顔だねぇ…。前のよりもぉっと、口づけしておくれよ。」

舌なめずりをして、最後の息でする言葉で言われると、そのまま彼女の棲家へと引き摺り込まれていく。
彼は海と彼女のなか、ぬるぅりと、舌を絡めた、キスを交わす…。

そして彼は新たな恋人に抱かれ、青き海と瞳へと、溺れていくのだった…。

…後に残った葉巻は、波に揺られ剥がれていった。


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