したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

お題で文章を書くスレ

1幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 09:44:16 ID:CMWqW9pg0
【習うより】文章の書き方相談スレ【慣れろ】より派生されたスレッド

・誰かがお題を提示し、それを元に文章を作り、他の方が意見をするスレッドです。
・安価方式ではなく、気に入ったお題に乗る形でいいでしょうか。

とりあえずのお題は、元スレッドより、
「チルノとの平和な会話」

23ヵ月更新(ry:2008/06/14(土) 11:33:35 ID:ex71HR2o0
チルノとの平和な会話 〜ゆかりんver〜

⑨「あたいったら最強ね!!」
紫「ほんとに?」
⑨「当たり前じゃない!!」
紫「ほんとにそう思ってるの?」
⑨「もちろん!!」
紫「じゃあなんで白黒や霊夢に勝てないの?」
⑨「う、・・・そ、それはきっとあたいが強すぎて勝負にならないから手加減してる」
紫「へぇ、じゃあ私とやってみる?殺し合い」
⑨「わ、わかっ―――――」
大「チルノちゃんストーーーーップ!!」
⑨「ほぇ?」
紫「なによ、邪魔しないでくださる?」
大「邪魔したのは謝ります、ですが殺し合いをするなんてひどすぎませんか?」
紫「あら、あなたはチルノが負けると思ってるの?」
大「はい」
紫「ずいぶんハッキリというのね・・・」
⑨「大ちゃんひどい・・・」


よし、書いた!!
・・・ってあれ?平和な会話じゃなくね?

33ヵ月更新(ry:2008/06/14(土) 12:16:37 ID:ex71HR2o0
チルノとの平和な会話 〜超絶平和主義α〜

⑨「あたいったら最強ね!!」
霊「はいはい」

―完―

チルノとの平和な会話 〜外来人〜

外「うぅ・・・ここはどこだ?」
⑨「あたいったら・・・」
外「ん?」
⑨「最強ね!!」(バーンッ)
外「あ、なんだ夢か」
⑨「ちょ、ちょっと!!しっかりくっきり無視しないでよ!!」
外「ぇー、だってこれ夢だし・・・」
⑨「夢?あたいまだ寝てるの?」
外「いやー、というより俺が寝てるんだな、ところで君、なんて名前?(⑨だと思うけど)」
⑨「あたいは宇宙最強のチルノよ!!」
外「んじゃ俺は史上最弱のヲタクで(やっぱり⑨か)」
⑨「へぇ、おたくの名前はヲタクって言うんだ」
外「親父ギャグ自重wwwww」
⑨「あたいが親父ギャグを言うと夏でも冬になるって白黒が言ってた!!」
外「それは皮肉じゃないか?w」
⑨「ところでヲタク、親父ギャグって何?」
外「・・・・・・・・」


これなら平和だよね?w

4完結させて暇な名無しさん:2008/06/14(土) 14:29:58 ID:1Dzy8iRE0
チルノとの平和な会話〜平和編〜

⑨「平和だね」
霊「平和だわ」
魔「平和だぜ」
⑨「まねするなーっ」
霊「真似って言われても・・・」
魔「暇だから何かしてくれよ。宴会芸とか」
⑨「芸?芸かは知らないけど蛙なら凍らせられるよ」
魔「寒いぜ」
霊「寒いわ」
紫「ほんとに寒いわねぇ」
⑨霊魔「居たの!?」


いい落ちが浮かばなかったorz

5幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 15:28:41 ID:G7I5oqAA0
これってそういう会話だけのスレなの?
てっきりノベルや小説式の文章でお代をこなすのかと思ってた。

63ヶ月更新(ry:2008/06/14(土) 15:43:00 ID:JvJFaTAkC
>>5
どっちでもいいんじゃないの?俺はテーマが「チルノとの平和な『会話』」だったから会話だけにしたんだぉ

一応次のお題を考えてみた
「探偵ごっこ」

7幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 16:15:31 ID:1DsRrGF2O
ちゃんと地の文を入れて書くスレだろ
文章スレの派生なんだからネタスレとは違うと思うんだが

8幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 17:27:41 ID:bTmVToqUC
ちょっと待て、会話だけの文章は文章じゃないと?
そんなことはないと断言しておく
地の文が苦手な人だって参加する権利があると思うんだ。
それに>>1が特に指定してないんだからどっちでもいいじゃない

9幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 17:40:11 ID:JEq0HeRA0
でも、正直こう言う台本タイプの文章は酷いと言わざるを得ない

10幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 17:48:28 ID:01kQZiHk0
>>8
会話だけの文章はノベルとは呼べない
地の文が苦手なら尚更ここでアドバイスをもらうなりして勉強すればいい

11幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 18:23:26 ID:p/Ek0fEk0
会話だけで伸びてる幻想入りもあるけど
そういうのはどうなんだ?

12幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 18:40:51 ID:G7I5oqAA0
>>1のお題を書いてみた。
批判罵倒等はちょっとだけ受け付ける。

「おーい、お茶が入ったぞ休憩にしたらどうだ?」
神掛かったタイミングで、私たちの会話に割り込むように慧音がお茶を入れた事を告げた。
その直後、チルノが畳の上で大袈裟にズッこける。
「あら、ありがたいわね」
少し苦笑いしながらお茶を入れてくれたことに対してお礼を言って見たが、
うつ伏せにこけていたチルノは解せない様子でムクリと起き上がり
「うぅ…慧音ってば空気読め!」
可愛らしい顔が怒りに満ち、頬を膨らませ凄い剣幕で慧音に喰って掛かった。
当の慧音は湯のみが乗ったお盆を持ったまま立ち尽くし、キーキーと怒るチルノに困惑した表情
で私とチルノを交互に見ながら、は?え?と言った声を上げている。
微笑ましかったが、徐々に慧音が少々不憫に思え、私はチルノにこう言った。
「帰り道に少しだけ教えてあげるから、ほら、落ち着きなさい」
言葉を聞くや否や体をこちらに向け、先程まで頬を膨らませて怒っていた顔はどこへやら。
「ホント?絶対だよ!」
そう私に強く訴えかける表情は、笑顔に満ち溢れていた。

出演:
八意 永琳
チルノ
上白沢 慧音

1312:2008/06/14(土) 18:44:50 ID:G7I5oqAA0
しまった。最後
笑顔に満ちていた。
の方が良かったかも。

製作推敲時間約1時間。
久しく文章に触れてないと、時間かけてこの程度の物しかかけなくなる。
ノベルの人は頑張ってくれ。
ちなみに、この会話のネタは秘密な。

14幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 21:03:32 ID:ex71HR2o0
>>10
アルェ?(・Д・) (つД-)ゴシゴシ (・Д・)ポカーン
どう見ても「お題で『文章』を書くスレ」に見える、「お題で『ノベル』を書くスレには見えない」んだがどう思うよ
それに
>会話だけの文章はノベルとは
会話だけのも文章って認めてるやんwwwww

15幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 21:16:13 ID:G7I5oqAA0
話題を振ったのは俺だが会話文だけだとしてもノベル文だとしても
他の人が意見を出せるなら、こんなんどうよ?胸を張って言える文章を書けば良いじゃない。
俺はそう思ってノベル文を張った。会話の人もそうだよな?
1の意見も聞きたいがとりあえず、スレの流れを戻そうか。

16sage:2008/06/14(土) 21:25:49 ID:Ep/qNUC.0
>>14
とりあえずむかついたのはわかるが落ち着け、その言い方(煽り方?)だと馬鹿に見える

文章だろうとノベルだろうと作品で使うような文章を書いて、それに対して意見・アドバイスを出し合うためのスレ……じゃないのか?
前スレからの雰囲気見た感じだとそんな感じじゃないかと思う
評価してもらう場合は何に使う文章か書いておくといいかもね

お題は結構大雑把な(細かくてもいいけど)もので、そこからどういう内容を考えるか……というスレにもなりそうな予感

17幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 21:28:55 ID:mC8OWNNg0
1です。う〜ん、けんか腰で話すと楽しくないよ?
菓子でも食べて落ち着きましょう。
とりあえず、スレッドを立てた身としては、会話だけでも問題なしだと思います。
ただ、会話だけで地の分がないと、イメージがし難いから、苦手な人も多いと思います。
だけど、善し悪しだけを問えば、「具体的な規定が無い」ので、問題ないのでは。

18幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 21:42:56 ID:N6iR6RCQ0
まぁお題を出した人が「会話のみで」とか「会話だけは禁止な」とか
規定出せばいいんじゃないか?
何も書いてない場合はどっちでもいいという事にしておこうぜ

>>16
落ち着くのはお前さんもだ
sageを入力するのはメール欄だぜ

19幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 21:49:01 ID:G7I5oqAA0
>>18
それいいな
無記入の場合は好きなように、か。

20幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 21:52:38 ID:Ep/qNUC.0
>>18
すまん、実は今までsageのやり方わかんなかったんだが…入力部分をよく見てなかったわ
これからは気をつける

21幻想入りした名無しさん:2008/06/14(土) 22:59:50 ID:nmAfPgU.0
けど実際、会話だけの文章はどこについて意見すれば良いんだ?
台詞回しとかは人の好みが出過ぎるし、自分で磨くしかないと思うんだが

22完結させて暇な名無しさん:2008/06/15(日) 00:23:57 ID:mTAd3hgI0
会話文だけで出しといてアレだけど、
そういうのはキャラ同士の口調の違和感のあるなしとか、
「東方」っぽさとかで見ればいいんじゃないかな。
でも流石にギャグだとそれも当てはめにくいか・・・

23幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 00:54:13 ID:7kph7bUQ0
>>21
確かにそうだな・・・
せめてシチュエーションとか周りの雰囲気が分からない限り、
どういう判断をすればいいのか困惑するよな

>>22
東方っぽさと言っても、やはり人それぞれ東方に対してのイメージは違う
自分が東方っぽく書いたつもりでも、他人からすれば変だと感じられる時もある
ギャグは・・・ってか、ここにギャグ作者いるのか?w

セリフオンリーに対しては賛否両論あるみたいだな
一個人としてはセリフオンリーは好かないが・・・

もし、『セリフだけとか何コイツw』的な考えを持ってるなら
そのセリフに自分で色々文章を付け足したり削ったりして便乗投稿してみるとか
どうだろう?(主に、風景描写や心理描写を書き足して)
ただ他の人の文章を批評するのではなく、自分なりに改良したものを載せる事で
腕を磨く良いチャンスになると思うんだが・・・

24幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 02:15:23 ID:IyHF6TYQ0
>>18
私的には、提案に賛成です。
今後は、お題を出す方の指示に任せるという方向でよろしいでしょうか。

>>22
それは…かなり難しいのではないでしょうか。
そもそも、多くの方がZUNさんほど独特な会話を作れないでしょうし、
作ったとしても、出来損ないみたいなものになる可能性のほうが高いのでは。

あと、お題についてですが、大まかなものだけでなく、本スレにあった霊夢との会話のように、
おおまかな流れが同じで表現を各自が肉付けしていく、という形もありでよいでしょうか。

25幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 07:13:07 ID:yyr.2iQQO
ひとつのテーマをお題として出す場合はこんな感じ?

お題「胡瓜の美味しい食べ方」
条件1:シリアス
条件2:描写を細かく
(※条件がないなら書き方も雰囲気も自由。)

1シーンだけ書いて、それをお題にするってのもいいかも?
やりたい人が同じシーンを自分の文章に直して書いてみるパターン。
出題者は、他の人が自分の文章をどう読み取ったのかとか判るし面白いんじゃないかな。

26幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 10:20:03 ID:zXmj41k20
>>25
お題が難しすぎてワロス。

ところで俺の>>12についてはなんか無い?
いや、無いならないで良いんだが。流れた感がある。
いや無理に批判してくれって訳でもないが、話題転換のために
書いたけど話題変わってなくて俺涙目。

27幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 10:21:04 ID:S0KB8drU0
>>26
個人的には動画ノベルにはくどいかな、と思う
もうちょいひらがな多くして、表現を直感的に分かる「たとえ」に変えるといいかも

28幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 10:27:31 ID:zXmj41k20
>>27
文章が硬いってことかー。
自覚は無い事も無かったけど、やっぱり分かる人には分かるものかこれ。
サンクス、よく言われるんだが直らないなぁ、これ。

29幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 10:46:49 ID:S0KB8drU0
具体的に俺のセンスでノベル向けに校正すると

神掛かったタイミングで>見ていたようなタイミングで、見計らったようなタイミングで
畳の上で大袈裟に>大げさに
チルノは解せない様子で>納得がいかないようで、納得のいかない顔をして
凄い剣幕で>真っ赤な顔で
困惑した表情>困り果てた顔

こんなもんかなと思う
凄いって言葉は便利だが、大抵の場合は凄さが伝わりにくいので
別の言葉に置き換えるといい
万能すぎる言葉は話し言葉では便利だが、ノベルにすると不便な言葉に早代わりする

30幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 10:48:16 ID:S0KB8drU0
言い忘れた
畳の上で大袈裟に>大げさに

大袈裟と大げさは一緒じゃないか!と思うかもしれないが
ノベル向けにする上で「漢字を開く」というのは非常に大切なことらしい

31幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 10:57:22 ID:7kph7bUQ0
>>26
勝手に自己流に書き直し&一部改変してみた

「おーい、お茶が入ったぞ。休憩にしたらどうだ?」
ちょうどよいタイミングで、慧音がお茶が入った事を告げる。
その直後、チルノが畳で滑って見事にコケた。
「あら、ありがたいわね」
永琳は苦笑を漏らしながら慧音に対して礼を言ったが
うつ伏せにコケていたチルノは、起き上がると慧音に対して文句を言った。
「うぅ…けーねってば、空気読め!」

慧音は、自分からしてみれば何も文句を言われるような事をしていないので、
お盆を持ったまま少し困惑していた。
「私、何かマズい事でもしたか?」
小声でそう言いながら、永琳の方へ視線を送る。
永琳は軽く微笑んで、首を横に振ってみせたが
チルノがギャーギャー喚き立てるのにうんざりしている様子だった。

「帰り道に少しだけ教えてあげるから、落ち着きなさい」
とりあえず口先の約束だけで、チルノを鎮める。
永琳の予想通り、チルノはすぐに暴れるのを止めると
「ホント?絶対だよ!」
と念を押してきた。

お茶を飲みながら、永琳は帰り道でどんな空論を話してやろうか
のんびりと考えていた。

32幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 11:19:38 ID:S0KB8drU0
うん、かなり読みやすい
漢字の多用はやはり避けるべき項目の一つだな

33幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 12:06:38 ID:MpRgYsAA0
「おい、茶が入ったぞ休憩するといい」
チルノが声を出すのと同時に、慧音が声をかけた。
チルノは畳の上で見事に転んだ。頭は大丈夫だろうか。ひどくなると困る。
「あぁ、有難う」
軽く会釈をし、慧音に礼を言う。
チルノは頭をさすりながら立ち上がり、
「うぅ…けーね、少しは空気読め!」
不満たらたらの顔でサイレンのようにがなりたてている。
慧音は状況がつかめず、俺とチルノの顔を眺めている。
「…何か、したのか?私が。」
「いや。ただ、あいつが変なだけだ。」
「そうか」
合点がいったという顔で、返事をした。
それはいいが、いい加減に静かにしてもらいたい。
「チルノ、静かにしていたら、帰り道には教えてやる。」
ピタッと鳴り止み、ビー玉みたいにキラキラした目でこちらを見る。
「ホント?絶対よ!絶対!」
約束を交わして、ふと、妹を思い出した。

34幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 12:36:26 ID:zXmj41k20
>>29-32
勉強になったぜ。
胡瓜と探偵ごっこは俺の頭だとネタが出てこんので
他のお題を待つ事にする。

35胡瓜のおいしい食べ方(苦闘編):2008/06/15(日) 13:13:43 ID:i084kzXA0
調味料や秘伝のエキスが入った様々な壷や
色々な調理器具が眠っている台所に私は立っている。
目の前の四角い板、まな板の上には夏の王「胡瓜」が鎮座していた。
私はこれから全身全霊をかけて夏の王に戦いを挑む。
手に持つ武器は一升瓶。
瓶を振り上げ王とにらみ合う。
狙うは・・・腹だ!
瓶は狙い通り王の腹に直撃し鈍く生々しい音を立てた。
その一撃を皮切りに次々と打撃が叩き込まれていく。
瓶の動きが止まり、その先端から王の体液がしたたり落ちた。
四角い板の上には叩かれて柔らかくなった無残な姿が残っている。
だが私はまだ勝ったわけではない、王を口に運ぶまでが勝負なのだ!
私は瓶を床に置き、引き出しを開けて不気味に輝く厚みのある刃、包丁を取り出した。
そう、武器の交換だ。
優しく手を添え、刃を首の辺りにあてがう。
そして・・・刃はギロチンのように体と頭を二分した。
亀裂が入った白い断面が見える。
そこは瑞々しく輝いており、夏の頂点に君臨する者の威厳をまざまざと見せつけられた。
私も負けてはいられない、体を大雑把に三つ四つと切り離していく。
切った場所から爽やかな夏の匂いを漂わせ私の食欲を掻き立てる。
気付けばよだれが口の端から垂れ始めていた、負けてしまいそうだ。
口が意に反して暴走を起こす前に、切り離された王の身体を
秘伝のエキス入りの壷に無我夢中で放り込む。
ぽちゃんという水の跳ねる音色が心地よく壷の中を響き渡った。

壷の中を覗き込む。
王はこの中で更にその美味しさを増すだろう。
今の私にはそれを待つしかできない。
明日の朝には美味しくなった御姿を拝見できるだろう。
ふふふ、明日が楽しみだ。



ごめん、無駄に長くなっちまった。

36幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 15:07:55 ID:n5469nWA0
>>26
例題としてだしたつもりだったんだ。
自分でも難しいと思ったお題には難題って書くってどうよ?
>>12について、一つだけ。
チルノが何でずっこけたのかイメージし難かった。

>>35
おぉ、すげぇ。
シリアスと言えばシリアスだけど
こういうのって真面目に書けば書くほどギャグっぽく見えるのが不思議だよなぁ。
なんだろうか、トマトの人みたいな感じ。
無感情(登場人物が無感情って意味ではなく)を意識しつつ
淡々と書くといいかもしれない。

俺も>>26>>35を、自分なりに書き直してみようかな。
遅くなると思うけど。

37幻想入りした名無しさん:2008/06/15(日) 23:05:22 ID:f/6DAEqw0
音速が遅い私が>>1のチルノのお題を書いてきたよっ!
忌憚の無い感想をくれると嬉しいですよ

「きゅうりの美味しい食べ方って、何だと思う?」
その日の食事の始まりは、そんなチルノの疑問の声と共に始まった。
ちらり、とチルノの方を眺めてみれば、普段の能天気な表情とは反対のしかめ面で、
食卓に並んだきゅうりの浅漬けをじいっと睨んでいる姿が目に入る。
なるほど、苦手なのかきゅうり。
そのあまりにも嫌そうな表情できゅうりを睨んでいる姿を見ていたら、思わず口から笑いが噴出してしまった。
「ちょっと、何で笑ってるのよ、私は真剣なのよ!」
睨みつける相手を胡瓜から私へと代えて、チルノはむきー、っと怒りをあらわに声を荒げている。
ああ、いかん。
余りにも微笑ましすぎる。
この状況で笑うなと言うのは、酷と言う物だろう。
「もうっ、あんたに聞いた私が馬鹿だったわっ!」
何時までも笑いを収めない私に、呆れと怒りの混じった口調でチルノは言う。
そしてまたチルノはむむう、等と唸りながらきゅうりの浅漬けを睨み始めた。
その微笑ましい姿を眺めながら、先程の問いに付いて考える。
きゅうりの美味しい食べ方。
なんだ、実に簡単な問いではないか。
こうして、会話を共にし、笑い合える相手と共に食べれば良い。
そうして食べた食事が、不味い訳が無い。
勿論好き嫌いと言う物はあるのだろうが、少なくとも一人で食べるよりはよっぽど美味しいはずである。
さて、一応の答えは出たのだが、それをチルノに告げるのはもう少し後にしよう。
今はまだ、チルノの微笑ましい姿を眺めて、ゆっくりとしていたい。
そうして私は、にやにやとした笑みを顔に浮かべてチルノを眺め始めた。
はてさて、この小さな氷の妖精が、答えに辿りつくのは一体何時になる事か。
それはまだ、少し先のお話。

38幻想入りした名無しさん:2008/06/16(月) 01:01:42 ID:zcmCPJ9s0
なんという文章力と題材センス・・・
>>37は間違いなく人気のある幻想入りノベリストと見た

>その日の食事の始まりは〜と共に始まった
その日の食事は・・・に変えた方がいいね

>口から笑いが噴出してしまった
普通に『噴出してしまった』だけでいいと思います

>この状況で笑うなと言うのは、酷と言う物だろう
→この状況で笑うなと言うのは、酷だろう。

>笑いを収めない
→笑うのを止めない
(収めるの使い方が俺自身よくわからないので間違ってるかも)

>今はまだ、チルノの〜チルノを眺め始めた。
『眺めて〜眺め始めた』に少し違和感があるような無いような
『笑みを顔に浮かべて、またチルノを眺め始めた』にするといいのかも

一応批評してみたものの、良く出来てる文章だと思いますよ。
羨ましいですorz

39幻想入りした名無しさん:2008/06/16(月) 09:09:18 ID:/vwy/5Mc0
>>35
徹底して調理っぷりを書こうとしてる辺りが好感。
「王」のみずみずしさが今ひとつ伝わらないかも。

>>37
うまいと思う。
というか、きちんと「いい話」になってるところがすごい。
気になったところは、描写を細かくという意味では、その細かさが少し感じられない。
「〜し始めた」が適切に使えていない、といったところか。


ひとつ書いたが全然描写が細かくないので掲載を断念するぜ……

40幻想入りした名無しさん:2008/06/17(火) 22:07:18 ID:3iDCIotc0
ノリで書いたら酷いことになってしまった…
お題からも外れてるし…
もっと文をコンパクトにできないかなぁ…

さて。昼ごはんは何にしよう。
そう思い立ったとき、ふと、昨日の夕食のときに残しておいた、
キュウリの浅漬けを思い出した。まだ冷蔵庫にあるはずと、白い扉を開ける。
棚の一番上に、それはあった。
ラップをした皿の中には、大きめに切ったキュウリがごろりと転がっている。
棚の一番上にて深緑の裸体を晒すその様は、まるでこの冷蔵庫の支配者とでも言うかのように威厳(のような何か)に満ち溢れていた。
……まあ、この冷蔵庫の中には、このキュウリしか食べ物が入っていない。
確かに支配者。彼の貸切状態だ。庫内の冷気を独り占めして、さぞかし満足であろう。
だがしかし、お前は今から私に食べられるのである。どうだ、恐怖せよ。そしてその味を増すがいい。
ひんやりとする冷気に甘んじていたキュウリを、私は無残にも冷蔵庫から引き離した。
他人の不幸は蜜の味、という何かの言葉を思い出したが、まことにその通りだ。
耳をすませば聞こえてくるようだよ。この哀れなキュウリの、「食べないで、食べないで」という悲痛な懇願が。
だが私はそれを無視する。無視して、気づかないふりをして、うっかり食べてやるのさ。恐怖せよキュウリ。
ああ、なんだか今日の昼食は幸せな気分で迎えられそうだ。
弾むような足取りで食卓に着き、皿に被せてあったラップを外す。
透明で脆く、柔らかなそれは、キュウリにとってバリア、シールド、ATフィールド。所謂、最後の防衛線。
私はそれを、残酷にも人差し指と親指だけで剥ぎ取ってやったのだ。悔しかろうキュウリ。
冷蔵庫の支配者が、ほんの数秒の間に、搾取される哀れな隷属へと成り下がったのだ。
これ以上の不幸はあるまい。不幸は蜜の味だ。それを搾取する私の腹は、それだけで満腹になってしまいそうだ。
さあ、ショータイムだ! 私は彼に死刑宣告を下す!
そう、「いただきます」という、残酷無慈悲、残虐非道、
悪魔でさえ尻尾を巻いて逃げ出し、神でさえ腰を抜かす、禁忌の言葉を……!
…………。
……だが、うむ。
一人暮らしを始めたばかりで、食事の時の無音に未だ慣れない私は、
中古で買った十四型のテレビに電源を入れた。ブラウン管の向こうから、
昼の番組特有の、明るい口調が耳に入ってくる。
うむ。やはり、食卓は明るくなくてはな。キュウリの浅漬けだけという虚しさも、
可愛らしい女性アナウンサーの声にかき消されて――
「うわ〜すごい! 見てくださいコレ、肉汁がこんなに! フォークで押すだけでこんなに……。
じゃあ、ちょっといただきますね…………。ん〜! 口の中でとろけちゃいます〜」
…………ブラウン管の向こうでは、今をときめく新人女子アナウンサーが、
その可憐なお口で松坂牛を頬張り、たどたどしい口調でグルメレポートをする姿が映っていた。
私のお腹が――キュウリの恐怖を蜜にして満たされていたはずのお腹が、切ない悲鳴を上げた。
小さなボロっちいテーブルにぽつりと置かれた、キュウリの浅漬けに、私は視線を落とす。
すっかり見慣れた光景である。
……とりあえず、キュウリを食べよう。泣くのはそれからだ。
その前に私は、私の不幸を蜜にするような、
幸せ顔の女子アナを視界から抹殺するため、テレビの電源を落とした。

長文すみませんでした

41幻想入りした名無しさん:2008/06/18(水) 20:24:19 ID:axPjL30Q0
>>38.>>39
おおっと、37です。
まずは批評ありがとうございます。
あとあれです、自分はマイナー幻想入りノベリストですよっ。
まあ、そんな事は置いといてですね。
確かに、自分でも見直してみたら所々おかしい所がありますね。
二重表現やら、の使い方やら、色々ともう少し精進しなくては。

それにしても、自分の文の感想が来るとこう、何とも言えない嬉しさ的な何かが来ますね。
このスレ栄えると良いなあ

42幻想入りした名無しさん:2008/06/19(木) 07:38:36 ID:oN7po/OQ0
 雲ひとつない青空のまんなかに、太陽が満面の笑顔を浮かべていた。
 夏の、とある正午のことである。凪であり、ほんの二日前に梅雨明けを迎えたばかりの本日に、雪の妖精などがうっかり出てきてしまったものなら、たちまち水たまりになってしまいかねない、それほどの猛暑である。
 涼しい縁側で、凍らんばかりに冷えた麦茶を傍らに、袖と裾をまくって、おおきな団扇で扇いでいたい……幻想郷に住まううら若き乙女の誰しもが、そんな怠惰に耽りかねないこの時。誰もに慕われ、また理解されない博麗の巫女の行動は、もし告げようものなら万人を瞠目させかねない奇行であった。

 油蝉の輪唱を聴いて、太陽はますます笑顔になっている。
 幻想郷に濯ぐ、川の基点となる湧水。たとえどれほど暑かろうと、儚い諸手を差し入れれば背筋が震えるほど冷たい清流の辺に、いつもの紅白衣装に身を包んだ霊夢はいた。
 すくい上げた水で、汗の滲んだ顔を洗う。幾度か、水面に入れては顔へを繰り返し、頬の熱が下がったころ、水浴びする白鳥のように首を横へ振り、水気を飛ばした。
 当然、冷えた顔もすぐに、太陽のお節介によって暖かくなってしまう。この水の助けがなければ、霊夢は今頃のぼせ上がって土左衛門だろう。
 そんな瀬戸際に、なぜこうもまぶしい笑顔のまま立っていられるのか?
 その答えは、麦茶の代わりに霊夢の傍ら、草原に突き立てられた小さな杭と、それに結ばれた縄の先にある。
 そうそう千切れる様子のない荒縄は、小さな湧水池へと伸びていた。杭と対になる端は大きめの笊をつなぎ止めている。底まで覗けそうなそこで清められているこの笊こそ、暑気を吹き飛ばす、言わば霊夢の希望なのである。
 熱に浮かされて、はたまたお預けされた犬のように、霊夢は頬を紅潮させながら息を荒げる。
 ついつい、膝を地について四つん這いになり、その清水を、笊のなかをのぞき込んでしまうほどに。
 誤魔化すように再び顔を洗うが、もう辛抱がたまらない。頃合いだろうと心の中で強引に踏むと、霊夢は飛び込むような勢いで、袂が湿るも厭わず、激しいしぶきを立てながら細腕を水へ突っ込んだ!
 優雅に水浴びする白鳥から、疾風の如く獲物を狩る燕のように!
「来た……ッ!」
 喜色満面。霊夢は、水中からつかみ取ったものを天へ掲げ、太陽に負けぬほどに眩い笑顔を浮かべる。
 柔らかな掌に、節くればった硬さが伝わる。弦月に似た形をしていて、水濡れだけの所為とは思えぬほど艶やかで、青々としているそれは、そう。妖怪退治の報酬である、採れたて新鮮の胡瓜である。
 恋する乙女よろしく胸を高鳴らせた霊夢は、思わず慎みを忘れて、口元に手を引き寄せながらに胡瓜にかぶりつく。
 もし、もしもこの音を間近で聞いたなら、それこそ喉を鳴らさずにはいられない、小気味のよい音!今、この幻想郷において、霊夢はまさに勝ち組だった。
 真珠のような歯に噛み割られ、瑞々しく弾ける果汁。断面からは青緑の美しい果肉を覗かせる、今や蜜月の如く甘いこの胡瓜の歯ごたえといったら、もう!
「美味しい――……」
 歓喜に幼い喉を震わせて、霊夢は万感の想いを口にする。
 清流に磨き上げられたこの胡瓜。道中の疲れも、太陽の力をも忘れるほどのこの旨味!
 もはや瞳の端に涙すら浮かべて、惜しみながらも胡瓜を嚥下した霊夢は、その胸に食べかけのそいつを抱きしめ、絶頂感の余韻に震えていた。 
 そしてその笑顔のまま、霊夢の体が傾斜する。
 先程の比ではない水しぶき。それもそのはず、体重まるごと勢いをつけて、霊夢が水へ突っ込んだのだ。
 胡瓜の味に酔いしれるあまり、自分がのぼせ上がっていくのを失念した霊夢は、太陽の手痛い叱責を喰らう羽目となったのである。

 一刻の後、川下へ流れ着いた巫女は、無事人里の者に救助された。
 英雄であるその巫女の顔は、まるで比類なき大妖怪を退治した後のように、満ち足りた笑顔であったそうな。

43幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 00:06:35 ID:Pwg3gIbA0
>>1 のお題で書いてみました
指摘もらえるとありがたいです(´・ω・`)


「大ちゃん、’しぬ’って何?」
 あまりにストレートすぎる質問。しかし、質問してきた本人は何も理解していないようで、きょとんとした顔をしていた。
「チルノちゃん、いきなりどうしたの?」
「こないだね、あの白黒にね、言われたの。お前はいくら溶かしてもしなないなって」
「……平気なの?」
「さいきょーのあたいには痛くもかゆくもないもん!」
「あはは、そっか」
 誇らしげに胸を張る少女。その姿が微笑ましくて、つい口元が緩んでしまう。
 そんな少女が”死”という単語を発したのに、私は少し、嬉しくも感じていた。
 彼女は悪戯が好きだ。それも、たまに度が過ぎてしまうくらいに。それが最悪の場合にだってなることもある。もちろん、そんな事が起きるのはほとんどない。というよりは、ないと言い切っていいくらいでもある。
「チルノちゃんは、今、生きてる、でしょ?」
「? あたりまえじゃない」
 ”死”という言葉があれば”生”という言葉が存在するのは間違いないのだ。
「それがなくなっちゃうの」
「どーいうこと?」
 彼女は死ぬということを知らない。だから、生きているという事を深く考えたりはしない。ただ、彼女が誰かの生を奪うとは考えられない。
「うーん……例えば、私が死んじゃうとするでしょ?」
「えぇ! 大ちゃん、しんじゃうの!?」
 でも、死んでしまうという事が、彼女に少しでも伝わったら、生という物をちょっとは考えてくれるかもしれない。だけど、きっとすぐに忘れてしまうんだろう。それでも構わない。考えるという時間が、彼女には大きな物になるだろうから。
「だから、例えの話だってば」
「それを先に言ってよ!」
 言ったんだけどなぁ、という言葉は私の胸に閉まっておくことにした。言っても彼女には効果がない。
「もしね、私が死んじゃったとしたら、もうチルノちゃんとは、会えないの」
「え……?」
 私がその言葉を言ってから、彼女は固まってしまった。さっきまで興味津々に開いていた目と口は閉じてしまった。
 しばらくすると、彼女の目からは大粒の涙が溢れていた。しかし、それを私に悟られたくないのか、手の平で何度もこすっていた。
 これには私も驚きを隠せなかった。
「ど、どうしたの?」
「や、やだよ! 大ちゃんがいなくなっちゃうなんて!」
「大丈夫だよ。いなくなったりなんかしないよ」
 それでも彼女はしばらく泣いていた。というよりは、涙が止まるのを待っていたようだ。
「大ちゃん……」
「何?」
 彼女は最後の涙を拭うと私をじっと見た。でもそれは、睨んでいるわけではなかった。
「あそぼ!」
「へ?」
 唐突な事だった。彼女は急に私の手を掴むと飛び始めた。
「大ちゃんがいなくなっちゃう前にいっぱいあそぶの!」
 少し赤くなってしまった目をしながら、彼女はもう笑っていた。
 さっきまでのことなど忘れてしまったのだろう。いや、忘れている訳ではない。だけど、考えてくれたかどうかでいえば、やっぱり考えてくれてはいないのかもしれない。
 でも、 ”しぬ”なんていう未来を思い悩むより、今流れている時間を無我夢中で遊ぶ。
「うん」
 その方が、彼女らしいのかもしれない。

44幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 00:59:33 ID:fkUEEN820
>>42
徹底してバカを描写してやるぜ、という作者のやる気がとてもうかがえた。うまい。
導入部が妙に野暮ったい、それを除けばするりと読めた。突っ込みを入れたい。
セリフの部分や、勝ち組といった言葉が、難しい単語とギャップがある。
情景描写と霊夢主語を、一文に混ぜない方がいいかもしれない。

>>43
一人称が、それなりに書けている、と思うが、ところどころ不必要な「私」がある。
具体的にひとつ上げれば、「私の胸に」の「私」はいらない。
また“”や‘’の使い方が気になる。使い分けはどんな風に考えていたのかな?
ところで、よければぜひ花映塚のチルノをクリアしてください。

45幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 12:38:42 ID:Pwg3gIbA0
>>44
 指摘ありがとうございます(´・ω・`)
 確かに不必要な部分が多いかも……気をつけます
 ””と’’の使い分けはミスでしたorz
 なんで二つ使ったんだ、自分(´・ω・`)
 
 原作をしかとしたっぽいですね……すいませんでした
 花映塚もう一度やり直してみます(´・ω・`)
 
 本当にありがとうございましたー

4644:2008/06/20(金) 13:07:08 ID:fkUEEN820
>>45
話の筋はきちんと通ってるので、書けた文章を音読すると、ミスが減らせるかも?
最後のは原作無視を問い詰めてるわけでなくて、ちょうど花映塚のチルノEDが、
「死について」だったから、非常に参考になるかなと思ったですよ。

47幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 16:04:59 ID:z9moQPZQ0
>>43
二次創作でこういうテーマを扱うのは流石に自重すべきだと思う。個人的に。
書くにしてももうちょっと遠回しに語らせて欲しかった

4842:2008/06/20(金) 16:34:42 ID:aqqmerW.0
ではお題を。
「海」
 ※直接登場するキャラクターの固有名詞を使ってはいけない
これでお願いします。

>>44
指摘ありがとう。一文に詰め込みすぎてしまうのは悪い癖だなあ……

49幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 18:05:18 ID:Pwg3gIbA0
>>47
 以後気をつけます(´・ω・`)
 二次創作でああいうテーマはあまりよくなかったんですね……すいませんでした

50幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 20:56:55 ID:fkUEEN820
>>40
コメントするの忘れてたので。
とりあえず、前半がくどい。何か詳しく書くということに頭を取られている印象を受けた。
おそらく主人公が急にテンションを上げた理由が分からず、ついていけないのも要因のひとつ。
しかし、後半のテレビの肉を見て悲しくなる様子は転がるような文章で読みやすい。
対比も効果的だと思う。
こんなところです。

51幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 21:49:39 ID:fkUEEN820
言ってばかりではあれなので、自分の文章力を晒す。
>>48 お題「海」※キャラの固有名詞不可。
 卑怯な手を使ったので注意。

 気づけば川面に釣り糸を垂らしていた。
 ひとつ、岩に腰を下ろして、川を見つめていると、その川が揺れ動いているように思えた。いや、実際のところ、岸が近づいては遠ざかりしている様子が、目に映っていた。辺りを見回すと、まずぽつぽつと岩墓の転がっている様が映った。あるいは、その岩の間に、不思議に点々と咲く赤い花が。
 私はここがどこであるかを思い当たり、それからふう、とため息をついた。
「釣れるかい?」
 後ろからかかってきた声は、少しクセのある女性の声だった。彼女にも心当たりがあった。
 私は振り返らなかった。
「いいえ」
「そりゃそうだろう」
 あくびをかむような話し方でそう言うと、彼女は私の隣に腰を下ろした。
 そのまましばらく、二人で川を眺めていると、なぜか自分の口から言葉が漏れた。
「この川は……どこへつながっているんだろう」
 彼女は、突然の私の言葉に反応することはなく、ぽい、とひとつ、川に何かを放り投げた。
 それがおそらく古びた貨幣であることを、水面の波紋が流れに消えてから、私は思い出した。
 たっぷり取った沈黙の、さらに後で、彼女は言った。
「きっと、海にでもつながってるのさ」
 私は頷いた。
 それならきっと、川に落ちても迷わない。

52幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 23:24:18 ID:Pwg3gIbA0
>>48
 の、お題でまた書いてみました(´・ω・`)
 指摘あればお願いします〜

 地面を叩く音。呼吸をする度にいつもと違う何かが肺に入ってきた。
 少し重い瞼を無理やりあげつつ、外へはいずって出てみる。
「ぬおっ、雨だ」
 雨音が響き、呼応するかのようにして蛙が鳴いていた。
 昨日の夜から蛙が少し鳴いていたのを思い出す。そういえば蛙は雨が降るという事が分かるらしい。一度その原理を探ってみたいが、人工物でなければばらしても何も分からないだろう。
 しばらく脳が正常に作動するまで待つ。立ち上がってみると、足元がふらついた。もしかしたら寝すぎたのかも
しれない。まだ、半分夢を見ているようだ。
「川はどうなってるんだろ」
 ふと頭をよぎった疑問を確かめに行くことにした。もしかしたら氾濫しているのかもしれない。氾濫してる中を流されるのはいささか危ないか。
 でも、もしかしたらいつもより遠くへ行けるのかも?
 そんな事を考えてると気分が良くなってきた。そもそも雨は嫌いじゃない。今日は楽しい一日になりそうだ。
「これはまた……随分と」
 ちょっと分かった顔でぼやいてみる。実際は何も考えていないけど。
 川は氾濫こそしていないものの、かなり増水していた。今日は危険な川下り?
「この川って何処に繋がってるんだろ」
 今度はそんな疑問。いつもより、遠くにいけるということは、いつもでは見なれない所に行けるということだ。し
かし、それは一体どこなんだろう?
「うーん……海には繋がってるんでしょ、きっと」
 とりあえず勢い任せに川に飛び込んでおく。
「あ、朝ご飯食べるの忘れてた」
 時既に遅し。

53幻想入りした名無しさん:2008/06/20(金) 23:27:04 ID:Pwg3gIbA0
>>52

見なれない所→見れない所
でした
すいません(´・ω・`)

54幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 00:22:34 ID:QuR3YHMI0
>>50
40の者です
前半は仰るとおり、詳しく書くことに執着しすぎました
半ばでオチが見えてきて、その勢いで書き上げたのがまずかったのかな
重きを置くのは冒頭も同じなのに……
やっぱり、文章は勢いだけで書くものじゃないですね

ご指摘、ありがとうございました

55幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 00:37:12 ID:QuR3YHMI0
>>54
重きを置くのは冒頭も同じ、というのは
前半の描写を、主人公の内面に向ければよかったかも
という意味です
そうすれば、ハイテンションの理由の説明にもなっただろうし……

54を読み直したら、なんか言いたかったことと違う気がしたので加筆しました
やっぱり文章は勢いだけじゃ書けないww
改めて、ご指摘ありがとうございました

結構このスレ賑わってるみたいで良かった
またいつか、お世話になるかもですー

56幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 01:35:30 ID:7xmwZ9aA0
お題「海」をもとに。:長いです。突っ込みどころ多いです。ごめんなさい。

私はここ、幻想郷に着てから、ひとつの楽しみを見つけた。
それは、何かの弾みに私がここに持ち込んでしまった大量の本。
図鑑やら絵本やら。を、ある少女に見せること。
「恐竜ってかっこいいわね!」
水色の髪をした、少し風変わりな少女。蛙が好きなのだと言う。
彼女は好奇心旺盛で、新しいものを見せると、すぐに興味を示す。
「よし、アタイの次にさいきょーだと認めてあげるわ!」
彼女を知恵が足りないと言う方も多いようだが、そうではない、
よくも悪くも子供なのだ。そう、
「…ねぇ、他には持ってきてないの?」
飽きっぽいところとか。まさに子供だと思わせてくれる仕草。
思わず、微笑をもらしてしまう。
「これなんてどうだ?」
差し出した本は、海洋図鑑。
この地には海がないと聞いたから、新鮮ではないかと思ったのだ。
「かいよーってなに?」
「海洋とは…簡単に言うと海で…」
「膿?」
そうだ、まずは海という言葉から説明しなければいけない。
「海ってのは、広くて塩辛い…湖みたいなものだね。巨大な水溜りだ
 まぁ、詳しいことは、その本に書いてあるから、読んでみてくれ。」
湖と聞いて、あまり物珍しいものではない、などと文句を言いながら、ページをめくり始める。
だが、一枚、一枚とめくるごとに、その顔は驚きと、未知との出会いの喜びで染まっていく。
「何、このデカイ魚!」
「鯨だな。魚みたいだけど、人間に近い生き物らしい」
「本当に、海にはこんなのが住んでるの?」
「ああ、何万匹もすんでいる。…今はちょっと減ってるらしいけど」
彼女は目を丸くする。想像できないような話だったのだろう。
そんな彼女の様子を、微笑みながら見つめていた。
だが、次第に、自分の残酷さに気づいてしまう。
「アタイも海に行きたい!」
「どうやったら行けるの?」
彼女は次々に問いかけ始めた。
「教えて!」
どうすればいいのだろう。
どう答えればよかったのだろうか。私は、
「…いつか、連れて行ってあげるよ」
嘘をついた。
「ホントね、約束よ!?」
彼女が目を輝かせる。
「ああ」
嘘をつく。
「ごめん、今日はこれで戻らないと。日も暮れかけてるし。」
「そうね…じゃあ、また今度ね!」
はらはらと手を振り、背を向ける。
彼女は子供だ、忘れてしまう。
嘘をつく。
いつか、いつか連れて行こう。海は本当に美しいのだから。
嘘をつく。
貝殻を耳に当て、砂で城を作り、友人と語らい、高台より海を見渡し、鯨を見つけ、
彼女は本当に楽しむのだ。海を。
嘘。分かっている。
私はどうしょうもない悲しみに襲われ、目の前が海に沈み、見えなくなった。

5751:2008/06/21(土) 05:34:01 ID:PK83StcA0
ここ書いてる人って同じ人ばっかりだとやーね。
>>52
ちょっとネタ被ってるw
なんとなく表現がくどいところがあるかも?
例「あげつつ → あげて」「呼応するかのようにして → 呼応して 呼応するように」でおkかと。
独り言が多いのと、脳って知ってるのかが気になる。
全体わくわくしている雰囲気が出ていると思う。

>>56
詩的な感じなので評価が難しい。まず、描写云々はこの文章では関係がないことが分かる(そういう風にできていない)
句読点の使い方がところどころおかしい。
「嘘をつく」を挿入文のように使っているが、今ひとつくどさを感じる。ただし、主人公が自分に酔っている文章なので、使い方は正しい。
いやあ、冷静に考えてみると、そこまで悲しみに襲われるような話ではないはずなのだが、
「残酷さ〜」の辺りから暴走が止まらずに行ってるところがすごい。

こんなところです。

58幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 09:35:34 ID:J0UpYhyM0
すまん、眠いと俺が暴走するみたいだ。
今見直すと、かなり後半くどいな。主人公じゃなくて、俺が酔っ払ってる。

幻想と現実が交じり合う日は来ないってのは、結構悲しい気がする。
ただ、海を見せられないことが悲しいのではないねん。
ここらへんは、かなり個人差があると思う。

というか、何というか、暴走していてごめん。

59幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 10:09:20 ID:bV6WfcdA0
>>57
 指摘ありとんです(´・ω・`)
 わくわくしてるというか、テンションが上がってる感じが出てればいいなーと思ったので。
 自分の文章は全体的にくどいのかな?
 気をつけよう(´・ω・`)


>>56
 個人的な感想ですが
 同じ文章や言葉を重ねるのは詩的な方法ですから、くどく感じるかどうかは多分人次第だと思います
 自分はあまりそういう風には感じなかったので(´・ω・`)
 「嘘をつく」
 を連続させるだけじゃなくて
 「嘘ついた」
 「嘘をついている」
 「嘘をついてしまった」
 みたいに語尾をちょこちょこ変えてみても深み深みに入ってる感じが出るかなーとか思ってみたりしました(´・ω・`)
 でも、これも見る人によってはくどいんだろうなぁ(´・ω・`)

60幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 12:57:40 ID:PK83StcA0
>>58
自分の場合は、東方って根本は能天気な世界だと思ってるからかもしれん^^
もうひとつ、セリフでキャラが誰かすぐ分かるね。どう読んでも\アタイ/
暴走は、使い方次第ではある種の武器。後はどうやって引き込むかだと思う。

>>59
全体がくどいのではなく、文章表現上、くどい部分が見られる。
なので、そこで時々つまってしまうことがある。
あと、にとりだよね?

61幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 17:50:03 ID:bV6WfcdA0
>>60
 一発で分かり辛いってことですか(´・ω・`)?

 一応、にとりで書きました
 ところで、幻想郷に海ってあるんですか(´・ω・`)?

62幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 18:33:53 ID:Z10gqSYE0
無いからこそのお題な気がするね、海
最新話書き終わったら私も挑戦してみよう
キャラの固有名詞を禁止と言うのは、
そう言う物を使わずともその人と判る様な描写ができるかどうかが試される気がする

63幻想入りした名無しさん:2008/06/21(土) 18:55:42 ID:PK83StcA0
>>61
分かり辛いこともあるし、分かるんだけど、同じ表現を重ねたり、ちょっと飛躍してたり、
もっと別の表現をした方がよさそうなところがある。

幻想郷は海がないっていうよね。

64幻想入りした名無しさん:2008/06/22(日) 18:24:52 ID:AnwLk6K.0
>>63
 そこらへんに関しては人の捉え方にもよるのだろうか
 表現の方法って人それぞれだから、感じ方も人それぞれかとも思った
 でも、あきらかにおかしければ直す必要あり、か(´・ω・`)
 >>62 が言うように、それ故の海なのかも

65幻想入りした名無しさん:2008/06/23(月) 16:39:00 ID:ubDY08nI0
お題 海 妄想がなぜか爆発。トンデモなので注意。

まだ日も昇らぬ薄闇の中、少女は目を覚まし布団から起き上がる。
箪笥の引き出しを開け、いつもの巫女服を取り出す。次々と。
一着、二着、三着……
すべて取り出した後に底にある桐の箱を取り出す。そしてまた元通りに服を仕舞って行く。
箱を抱えたまま、隣の部屋へ。
寝巻きを脱ぎ、箱の中の服を身にまとう。
白のカットソーにライトブルーのデニムパンツ。その上から赤のカジュアルジャケット。
寝巻きを畳んで箱に収め、そのまま裏口へ向かう。
途中、隠し戸の裏から靴と籐編みのバッグを取り出し、神社の裏手から鳥居をくぐる。
その瞬間、空気が変わった。
目の前には苔生した石段が在り、その下には人気のない集会所が見える。
手入れが行き届いているとは言えないその石段を下り、集会所の隣の車庫へと向かう。
バッグから鍵を取り出す。錆びて軋む鍵を開け、シャッターを持ち上げると、1台の軽トラが止まっていた。
鍵を持ち替え運転席の鍵を開ける。そこには。
「遅かったわね」
「何であなたがここに居るのよ」
紫色のスーツを着た女性が一人。助手席に座っていた。
「外で何か有るといろいろ不味いのは解ってるでしょう?護衛よ。護衛」
言わんとする事も解る。追い返したところでどうせ着いてくるのだろう、言い合うだけ無駄だ。
「まぁいいわ……」
そうとだけ答えて運転席に乗り込む。ハンドルを握り、キーをまわす。
「シートベルトはしてよ、罰金払うのは私なんだから」

砂利を敷いただけの道を抜け、行き違いもできないような道、中央線のある道、二車線の道と進むにつれ、
自らの住む世界とは異なる風景へ変わってゆく。

そして、たどり着いた。
幻想郷から最も遠い場所。

駐車場に車を止める。展望台から見える景色は一面の青。
潮風が、少女の髪をなでていく。
「わざわざ見に来た割には、楽しくなさそうね」
背後から掛けられる声にも、そっけなく
「私にも思うところはあるのよ、いろいろとね」
それきり黙ってしまう。
その視線はずっと、ずっと遠くを見ていた。

66幻想入りした名無しさん:2008/06/23(月) 17:21:08 ID:ubDY08nI0
その2
夕闇の中、一人の男と女が向かい合って話をしている。
女のほうは、頭まで着物で覆いその表情を伺うことも出来ない。
男のほうは、商人の前掛けを付けているあたり、そのままの職業なのだろうが。
「塩10俵、乾物類が5俵、全てで……このくらいで如何ですかな」
差し出される算盤を一瞥し、女は言う。
「……いつから足元見れるようになったのかしら?」
「そ、そう申されましても。こちらとしても正規の仕入との調整もありまして……価格もこのところ下がり気味な傾向に。」
「それだって十分な利益は得ているはずでしょう?その正規とやらの仕入れ値を知らないとでも?」
男はわずかに覗く眼光に射すくめられる。
「分かりました……では、これで」
差し出される算盤。
女は無言で、五の珠を一つ押し下げる。
「それは……ご勘弁を……これでいかがでしょうか」
4つの壱の珠のうち、2個を下げる。
「……いいわ、交渉成立ね」
男が懐から皮袋を取り出し、中身を揃えて女に渡す。
「またよろしく頼むわ」
そう言って女は暗闇の中に姿を消した。


「おーなんか今日の宴会はツマミが豪勢だな、なんかいいことあったのか?」
「別に何もないわよ。それより、呑みに来るばっかりじゃなくて偶にはお賽銭入れていきなさい」
「残念だったな、財布は落とさないように持ち歩いてないぜ」

67幻想入りした名無しさん:2008/06/23(月) 23:11:56 ID:KVj1TrKY0
>>65、66
れ、霊夢のカットソーだと! ゆるせ(ry
妄想爆発とのことだったが、意外と面白かった。発想がいい。
前半と後半のつながりが分かりにくいのと、車庫のシャッター、軽トラだけでも十分な衝撃があるので、
景色が幻想郷とは別のものに変わっていく、と書くより、海に近づいていく描写をしたほうがよいと思う。
細かいことだが、心情が地の文に書き込まれているのと、算数字は漢数字に直したほうがよいと思われる。
また後半部の文章は少々崩れている感じがするので、もう少し丁寧に書いてもよいと思う。

68幻想入りした名無しさん:2008/06/24(火) 01:36:55 ID:FF8OVzrw0
よし、一応次のお題も準備しておくか。
お題「妖怪の山」
条件1:情景描写を中心に。
条件2:できれば話にオチをつけること。(できれば、で)

69幻想入りした名無しさん:2008/06/30(月) 21:15:49 ID:p0WuimPA0
あげ

70幻想入りした名無しさん:2008/07/01(火) 22:02:25 ID:K8ReuvgI0
私も>>48のお題を書いてみたよっ。
また忌憚のない感想をお願いしますですよ。
斜め上の方向に行ってしまったのは自分でも自覚しております、しょんぼり。


本の海は広大な世界だ。
深く、深く、私の全てを飲み込む様に、その世界には果てがない。
凪の様な、穏やかな世界。
そんな世界と同化する様に、私は静かに本を読む。
それが今まで続いていた私の日常で、これからもきっとそんな日常が続いていくのだと、私はそう思っていたのだが、どうやらそれは間違いだったようだ。
今日もまた、穏やかな海に嵐が吹き荒れる。

よう、また来たぜ、と何時も彼女はそう言って此処に来る。
少し生意気そうな笑顔で、蜂蜜色の髪を納めた黒い帽子を揺らして、何時もの様に私の本を片手に持って、彼女は今日も此処に居る。
何時もの様に、そんな言葉が出てくる程に、彼女が此処に来る様なったのは一体何時の頃からか。
思い返してみるとそう遠い昔でもない筈なのに、何故だかずっと昔から彼女は此処に来ている様な、そんな錯覚をしてしまいそうになる。
きっと、彼女が余りにも強引な奴だからだろう。
何度追い返しても、何を言っても、彼女はまるで気にした様子を見せない。
ふふん、と強気な笑顔で、無理矢理に私の世界へと居座って行き、気付けばあっさりと居なくなっている。
嵐の様な奴だと、そう思う。
「ん、どうした?」
じっと、そんな事を考えながら見つめる私の視線が気になったのか、彼女は読んでいた本から顔を上げた。
きょとん、とした表情で、彼女は私を見ている。
そんな無防備な表情を見せられると、最近は怒る気力も失せてしまう。
ふぅ、と一つ溜息を付いてから、別に何でもないわ、と彼女に告げた。
「そうか」
一言呟いて、彼女はまたも本を読む。
その本に没頭する横顔を眺めながら、私は心の中で呟いた。
どうやら、この嵐はしばらく止む気配を見せる事はなさそうだ。
しかしまあ、それも悪くはない。
凪いだ海の様な、静かな時を過ごすのも好みではあるが、嵐の様な一時も、彼女と共にならそう悪いものでもない。
私も随分と変わった、いや、変えられたものだと苦笑する。
この幻想郷には、人の心を穏やかにする様な力があるのかもしれない。
私の友人、あの誇り高い少女も、此処に来てから随分と変わったように思える。
それが良い事なのかどうかは、私には判らないけれど。
それでもきっと、悪い事ではない筈だ。
ふふ、と思わず笑いがこぼれた。
ふと、視線を感じて顔を上げると、彼女がにやにやとした顔で私を見つめていた。
緩んだ表情を見られたと思うと、ちょっと恥ずかしい。
「……なにかしら」
「いんや、別になんでもないぜ」
にやりと笑って、彼女はそんな嘘をついた。
からかう様に、続けて彼女は言葉を放ち、それに対して私が言葉を返す。
そんな日常が、今の私の過ごす日々。
穏やかな海に、賑やかな嵐が吹き荒れるように。
今日もまた、そうして私の世界は緩やかな時を刻んで行く。

71幻想入りした名無しさん:2008/07/01(火) 22:27:44 ID:hgR6eRZc0
>>70
表現に少し疑問が。前提となる「本の海」は、想像すると本があふれかえっている様子だと思うが、
これは本棚にはきちんと並べられてないって印象になるけれど、いいのかな?
また、「嵐」と評している割に、後半部分でそれほど魔理沙が「嵐」っぽくないかと。
それから、一文ずつ改行しているが、その一文が少々長くてくどいと思う場面もあった。
「海」を図書館に置き換えるような発想は面白い。全体の構成としてはそれなりにまとまっている。


しかし、やっぱり68のお題は難問だったか……

72幻想入りした名無しさん:2008/07/01(火) 23:12:14 ID:hgR6eRZc0
>>68 テスト的な感じで書いてみる。

 すでに日の高い頃、空はなお澄み切って広い。遠くには、黒い影が群れを成す。目下の滝には霧が立ち上り、その隙間から、緑色の帽が現れるや否や、消える。
 さすがに鳥たちの情報網は早い。あわ、くあ、という小さな鳴き声のやり取りが私の耳にも届いた。解読の必要もなく、余所者を警戒する声である。
 ここで見つかってはまずい、と、慌てて川辺をめがけ、降下する。
 天を仰ぐ。薄緑色に木の葉を透かして、日の光が降り注ぐ。それを避けて、ちょんちょん、と石を渡る。
 振り向けば、滝が水面を落とし、激しい音を立てている。その手前、滑らかな岩を豪快に叩く流れに逆らって、一尾の魚が跳ねた。
 ひゅう、と抜ける風に、はらり、と葉が一枚、川面に舞って落ちた。
 清清しい気分だった。
 こんなにも美しい匂いと、音と、視界と、空気を得たのは久しぶりのことである。
 区切りばかりの、毒に満ちた「あちら」と比べ、なんと満ちた世界だろう。
 私は目いっぱいに呼吸をした。吸い込んだときに、まるでこの地の力が私に流れ込んでくるような感覚が、そして吐き出したときに、その力が自分から溢れくるような思いが、した。
 自然、頬が緩み、私はそのまま笑い声を発した。
「ここならば、いける。私を追いやった人間どもに復讐するチャンスが」
 と、漏らした言葉に応じるように、ちゃぽ、と水面が揺らいだ。
 顔を出した少女は、帽子を右手でくい、と直すと、私を見て言った。
「こんなところに新参?」
 急に出てきた驚きを悟られないよう、私は胸を張った。
「そ、その通り。強い、強い水妖だぞ!」
「ふーん、で、その水妖さんが、なんかようかい」


いかん……すべった……

73幻想入りした名無しさん:2008/07/02(水) 00:06:09 ID:FezMmxmg0
一応、追加お題「飛行」
東方といえば飛ぶ巫女さん、ということで。
条件:登場人物、二人以上から。

74幻想入りした名無しさん:2008/07/02(水) 22:36:45 ID:cBQ8ze2I0
>>48のお題で書いてみた……けど長くなり過ぎた。
一応アップローダに上げたから気が向いたら読んで欲しい。
しかし一人称が難しいって話は聞いてたが……成る程、確かに書き難いな。
それっぽいはしてみたが全く自信ない。

ttp://www10.uploader.jp/dl/koki74/koki74_uljp01373.txt.html

75幻想入りした名無しさん:2008/07/03(木) 01:37:21 ID:IjzSOzFY0
>>71
おおっと、批評ありがとう!
ぬう、本の海の辺りはもう少し描写を増やして捕捉した方が良かった、のかな
本の海、と言う言葉を前提として話を作ったのでその辺り色々と少し不自然な所があるのかもしれない
もう少し何とか出来た様な気もする。
誰が誰だが判らない、と言うような事はなかった様なのでそこは一安心。

魔理沙の辺りは、ううむ、私の描写レベル不足です。
何をせずとも、ただ居るだけで、「私」の世界を変化させてしまう様な存在。
そんな様な意味合いがほんのりと伝わる様に嵐と称してみたのです。

やはりまだまだ私は精進が足りないようだ。
判り易く、でも私なりの味のある文章を目指して頑張れ私っ!

76幻想入りした名無しさん:2008/07/03(木) 04:16:42 ID:pseFXkDc0
>>75
受け取るイメージの問題だとは思うんだけど、幻想郷自体が限定的な世界だから、
(つまり、結界で区切られているし……幻想入りは乗り越えまくってるけど^^)
「海」やそれに伴う「嵐」って言葉が、相当広いもの、荒々しいものに感じられるのがひとつ。
「嵐」は激しい雨風に、荒波が加わって、小舟を破壊するくらいの力がありそうだから、
「ほんのり」伝えるには適当な言葉なのかな? と思ったのでした。

77幻想入りした名無しさん:2008/07/05(土) 12:10:51 ID:5VT6X2K20
あげ

78幻想入りした名無しさん:2008/07/09(水) 23:48:22 ID:MT.GSapA0
後半ダレるのは悪い癖だね。今回もイメージが沸いたので
トンでも注意、そして有りがちなネタ お題は「妖怪の山」

「くそ、囲まれたか」
 茂みの奥に伏せ、音を立てぬようにしつつも、男の目は周囲を油断無くうかがっていた。
 辺りを徘徊する異形、明らかにこちらを捜し求めている。
「そうだな……」
 その男のそばには額から血を流す男が一人、傷は浅く血は止まりかけているが、何かに引っ掛けたように皮膚が裂けている。
 いまでこそ見つかりこそはしていないものの、周囲は異形に埋め尽くされていた。
 懐を探ると一枚の護符、後は一振りの御神刀のみ。
 この状況を切り抜けるには、いささか心元無いとしか言いようが無い。相手は鋭い嘴に爪、力もこちらとは比べ物にならないのだ。
「なぁ……たしか攫われたのはお前の妹さんだったよな?」
 傍らの男が、不意にそう切り出した。
「そうだ……おい、何をする気だ?」
 自分の剣を手元に引き寄せ、ゆっくりと身を起こす。
「だったらお前さんが行ってやるべきだ、後は頼んだぜ?」
 止める間もなく、にやりと笑って男は茂みから飛び出す!
「居たぞ!こっちだ!」
「麓からも回り込め!見失うんじゃないぞ!」
 怒鳴り声に翼鳴りが巻き起こる。うねりとなったそれが次第に遠ざかっていく。
「くそ……」
 男は周囲から気配が引いたのを確認し、その騒ぎに乗じてその場から遠ざかった。

 目指す祠は目の前にある。指定の刻限まではあと少し。
 見張りは確認できない。
 茂みから茂みに、闇から闇へと渡り扉の前に辿り着く。
 刀を握り締め、勢いよくその扉を押し開けた。

「あ、お兄ちゃん」
「あやや、今回は本命が1位ですか」
 囲炉裏を囲んでお茶を飲んでいる女の子が二人。
「はいはい、護符を確認しますよー……ハイ、本物ですね。
 ではそっちの縄切っちゃってください」
 そのうちの一人に護符を手渡す。少女はその御符を確認して傍らの柱を指差す。
 男は言われるままに、柱に巻かれる縄を手にした剣で切った。
「お疲れ様でしたー。今回はうちらの負けですねー、宴会の酒が減るのは寂しいですが」
 そんなことを言いながら、手にしたカメラで写真を撮る。今回の優勝者インタビューとか言っていたがさらりと無視された。
「豆大福おいしいよ?お兄ちゃんも食べる?」
「いらん、帰るぞ……」
「わかった。写命丸さん、お茶ご馳走様でした」
 ぺこりと少女は頭を下げて。男の後ろに付いて祠から出て行く。
 そんなとき、ゴーンと、時間切れの鐘の音が山に響き渡った。
「もうちょっと楽しめばいいと思うんですけどねー……あ、賞品渡すの忘れましたか」
 後で届ければいいことですか、と追うこともせず、祠の後始末をするのであった。


 村の代表が「攫われ」て、男衆が助けに山に入る。
 捕まって御符を取られれば村へ強制送還。
 真夜中までに祠に辿り着ければ、村の衆の勝ち。「お宝」を持って帰還する。
 辿り着けなければ集まった御符の数だけ、村が身代を払う。
 そんな祭りも終わりを告げて、また山に静寂が戻ってくる。


「怪我した人は居ませんかー」
 臨時派遣の薬売りが、祝勝会の会場にやってきた。
「おーこっちだ、傷薬はあるかい?」
 額に傷を作った男が呼ぶ。
「そのくらいつば付けときゃ直るだろうがよー」
「うるせー、転んで付いた傷なんか残せるかよ、体裁の悪い」
 野次を飛ばされるが、怒鳴り返しても締まらない話だ。
「はいはい、じっとしててくださいね、ちょっとしみますよ。」 
「捻挫に張る薬はあるか?」
「はいはい」
「角の爺さんが腰をやっちまったみたいだからな、後で寄ってやってくれよ。」
「わかりましたー」

 そんなこんなでこのお話はおしまい。

79幻想入りした名無しさん:2008/07/10(木) 02:20:46 ID:5NjKC6R60
>>74
遅くなったが、意見を。
男の性格みたいなものがモロに文章に出ているので、途中で読みづらく感じた。
伴って、情景描写が薄い感じがした。展開に重きを置きすぎているので、
秋風吹く海岸にゆかりん、という絵になる場面が薄く、男の混乱もやや唐突。
発想というか、展開と男の性格はよく表れていた。もう少し丁寧に書けばもっと面白くなると思う。

>>78
とりあえず「射命丸」な。それと、少々三人称が怪しい部分あり。
全体としては、前半部分の緊迫感が足りないため、あまりギャップを楽しめなかった。
お、オチでもうひとひねりくらいして、もっと落としてもいいと思うな。
会話文の混じり具合の割りに、読みやすかったのは好印象。

80幻想入りした名無しさん:2008/07/10(木) 12:29:47 ID:M6HoQK9g0
>>79
おお、ありがたい。流石にもう意見は望めないと思ってた。
どうやら物語の形式に捕らわれ過ぎてたのかな?
曖昧なイメージのまま海岸を書いたのも原因だな。反省しなくては。

あー、やっぱり唐突だったか。考えてる事が食い違ってる感を出したかったんだが……
例えば直接的な心の声の前に、仕草や状況で表す心理描写(「頬に冷や汗が〜」とか「絡みつくような不快感が〜」とか)で段階を作ったら多少それっぽく為ってたのかな?

81幻想入りした名無しさん:2008/07/10(木) 17:57:20 ID:5NjKC6R60
>>80
もう少し突っ込むと、「海」というテーマと展開がそぐわないかな、と思う。
つまり、この展開だったら別に「海」でやらなくてもいいんじゃないか、ということ。
そのために前半部分の描写が勿体ないことになっていると。

82幻想入りした名無しさん:2008/07/10(木) 19:39:31 ID:uTbhBgag0
>>81
なるほど、言われてみれば確かに。
最初は紫が幻想郷にない海を見に来て、それを通りすがりがナンパするってだけの話はだったんだ。
唯書いてる内に段々話が広がっていって、気が付いたらこう……。
最近プロット通りに作れなくなってたし、書く前からもっと確り決めておかなくちゃな。
ありがとう。

83幻想入りした名無しさん:2008/07/10(木) 21:31:52 ID:5NjKC6R60
とりあえず整理してみるよ!
現在までに出ているお題。
>>1「チルノとの平和な会話」 → >>2 >>3 >>4 >>12(派生で>>31 >>33>>37 >>43
>>6「探偵ごっこ」 → なし
>>25「胡瓜の美味しい食べ方」条件1:シリアス 条件2:描写を細かく
 → >>35 >>40 >>42
>>48「海」 ※直接登場するキャラクターの固有名詞を使ってはいけない
 → >>51 >>52 >>56 >>65.66 >>70 >>74
>>68「妖怪の山」条件1:情景描写を中心に。 条件2:できれば話にオチをつけること。
 → >>72 >>78
>>73「飛行」条件:登場人物、二人以上から。 → なし

84幻想入りした名無しさん:2008/09/18(木) 21:31:06 ID:9lvInP660
 期待ageさせてもらいますね



>>73のお題より「飛行」

「なあ、飛んでるのってどんな感じだ?」
「何?藪から棒に」
 怪訝な顔をこちらに向ける霊夢。
「いや、飛べない人間からしたらユメだからな」
 その身一つで飛ぶなんて事は外の世界では在り得ない。
 その在り得ない事を実行している感覚はどういうものなのか、俺にはまったく想像がつかなかった。
「ずいぶんとあっさりとしてる、只の移動手段ね」
「へぇ」
 どこか遠くを見つめながら湯飲みを傾ける。
 そこからは何の感情も窺えなかった。
 飛べる者、飛べない者。その境はなんだろうか。
「じゃあ、飛びたての頃はどうだった?」
 ……言ってから俺は何を聞いているんだろうと思った。
 そもそも霊夢は『何でもこなす万能』ってイメージだし、なにより空中で四苦八苦してる霊夢の姿が想像できなかったからだ。
「……」
 だが、返ってきたのは無言の返答。
 やはりどこか遠くを見つめて。
「……昔は。昔よ」
 誤魔化す様に音を立ててお茶を飲み、視線を空に戻した。
 つられて俺も眺めてみる。

 飛べないが故に。
 きっと飛んで行きたかった。
 どこか遠くに飛んで行きたかった。
 それなのに。
 得たものは『飛行』では無く『飛ぶこと』だったのだとしたら……。
「それは……」
 独り言のように洩らす。隣の霊夢に気付かれない程度に。
「……酷だな」
 それが俺の勝手な妄想の結論だった。

85幻想入りした名無しさん:2009/02/19(木) 22:14:16 ID:SkUePTnE0
お題、探偵ごっこで一つ。

「う〜〜〜ん………。」
「………なあもう良いだろ?」
「まだ! もう少し!」

さっきからずっとこの調子である。
というのも今日の昼、チルノのおやつが何時の間にか無くなっていて。
チルノが犯人を見つける!とか言い出し、
探偵といえば助手よね!と、不幸にも近くで昼寝をしていた俺が助手役をやらされる事になってしまったのだ。

「いやもう俺が新しいおやつ買ってやるからさ………。」
「………だって悔しいじゃん!」
「………………さいですか。」

強く出られないのには訳がある。
俺はこの娘に負い目を感じているのだ。
それにしても………昼間からずっとである。

………もう空はオレンジ色だ。

「………また明日考えれば良いだろ?」
「でも………。」
「明日また付き合ってやるから。」
「………ホント?」

やっと話がまとまりそうだ。
と内心ほっとしていると遠くの空から緑髪の少女が舞い降りてきた。

「あ、大ちゃん。」
「なにしてたの?もう遅いよ?」

俺は二人に背を向けた。
俺はこの場に居るべきではない。

「………って訳で犯人を探してたんだけど………。」
「おやつ?でもそれなら―――――」

「あのお兄さんが今朝食べてたけど。」

俺は走った。

86幻想入りした名無しさん:2009/02/19(木) 22:17:29 ID:1ViPteVM0
紙芝居作者で、文章の良し悪しに詳しくはないけど、「俺は」ばっかりすぎないか

87幻想入りした名無しさん:2009/02/19(木) 23:04:57 ID:tVS0OTpI0
とりあえず、最低限文章の書き方を学んだほうが良いと思う。
三点リーダや感嘆符、疑問符の使い方くらいは覚えることをお勧めする。

まあ、文章の書き方は人それぞれだけどさ。

88幻想入りした名無しさん:2009/02/19(木) 23:13:17 ID:SkUePTnE0
批評ありがとうございます。
成程、こんな感じでどうですか?

「う〜〜〜ん………。」
「………なあもう良いだろ?」
「まだ! もう少し!」

さっきからずっとこの調子である。
というのも、チルノのおやつが何時の間にか無くなっていて、
チルノが犯人を見つける!とか言い出し、探偵といえば助手よね!と
不幸にも近くで昼寝をしていた俺が助手役をやらされる事になってしまったのだ。

「いやもう新しいおやつ買ってやるからさ………。」
「………だって悔しいじゃん!」
「………………さいですか。」

強く出られないのには訳がある。
………ずっとこの娘に負い目を感じているのだ。
それにしても………昼間からずっとである。

………もう空はオレンジ色だ。

「………また明日考えれば良いだろ?」
「でも………。」
「明日また付き合ってやるから。」
「………ホント?」

やっと話がまとまりそうだ。
内心ほっとしていると遠くの空から緑髪の少女が舞い降りてきた。

「あ、大ちゃん。」
「なにしてたの?もう遅いよ?」

二人の少女に背を向けて歩き出す。
俺はこの場に居るべきではない。

「………って訳で犯人を探してたんだけど………。」
「おやつ?でもそれなら―――――」

「あのお兄さんが今朝食べてたけど。」

俺は走った。
 
 
すこしは良くなってると良いのですが………。

89幻想入りした名無しさん:2009/02/19(木) 23:25:57 ID:.C7L/37QO
>>87すみません、そうします

90幻想入りした名無しさん:2009/02/20(金) 09:57:29 ID:JuMo/hUw0
「うーん」
 可愛げのある悩んでいるのか疑わしいくらいの唸り声。唸っているだけで悩んでなんかいないんだろう、形だけだ。
 その形だけが一時間やそこらじゃあない、かれこれ何時間かも忘れてしまった。
「なぁ、もういいだろう」
「まだ、もう少しよ!」
 頬杖をつきながら文句を垂れる俺の眼前では氷精チルノが何の変哲もないただの皿をそれこそ皿のような目で凝視していた。
 叩いたり、上から見たり、横から見たり、骨董品の鑑定人さながらだ。
 なんでも大事に置いておいた彼女の“おやつ”が消えたらしい。
 食べ物の恨みは怖いとは言ったもんだ。勇んで“犯人探し”を始めたチルノは犯人を見つける探偵のつもりらしい。そして不幸にも近くで昼寝をしていた俺が助手とのことだ。 
「うーん、そうか。そういう可能性もあるわよね」
 独りで何を納得しているのか皆目見当もつかない。唸ってるだけで楽しいのだろうか。
 大して居る意味もない助手として仕方なく俺は名探偵の推理を待ってやっていた。
「なぁチルノ。犯人だってさ。飢死するくらい腹が減ってたのかもしれないだろ。情緒酌量ってことで許してやるとか――」
「“じょうちょしゃくよう”とか、そういうのはどうでもいいのよ。おやつが無くなったんだから」
「じゃあほら。俺が代わりにおやつ買ってやるよ」
「そういうのもどうでもいいのよ。犯人を見つけるんだから」
「どっちだよ」
 後先考えずにというより、後も先もどうでもいいんだろう。典型的な馬鹿だ。
 助手という肩書だけでこのまま寝てしまってもいいだろうか。どうでもよくなってきてバンザイのまま身体を地に預けると茜に染まった空が見えた。
 いい加減に腹が減ってきた。昼飯代りのおやつを食ってから何も食ってない。上半身を起して見ると今度は皿を元に置いてあった位置に戻して現場再現の真似事をしていた。
「なあチルノ、もう明日にしよう。ほら、もう疲れただろう。一晩寝れば綺麗さっぱり記憶からも抜け落ちて――」
「あっ!」
 話の途中で何を見つけたのかチルノが俺の後ろに向かって視線を投げた。
「ん……?」
 倣うように視線を向けると緑色の髪をした妖精が俺の後方を気ままに飛び去ろうとしていた。それを追うようにしてチルノが飛び出して声を掛けた。
 妖精の知り合いという奴だろうか。大仰なジェスチャーを交えてチルノは緑髪の妖精に事情を説明している。
「まさかなぁ」
 いやな予感がする。焦りを覚えながら内心でどうするかと思索しているうちに緑髪の妖精が視界に俺を留めてまっすぐに指をさしてきた。
「やっぱ、見られてたか……」
 チルノの顔が真っ赤になって怒りの涙を溜めた目が俺に向けられるのを尻目に俺は全力で逃げ出していた。


 悪意はない、こういう風に書くやつもいるんです程度に思ってくれ
 息抜き&シーン考えるのがめんどかったんだ

91幻想入りした名無しさん:2009/02/20(金) 10:30:55 ID:Z.U.NG2Y0
>>89
地の文増やすとやっぱ読みやすいな。乙

92幻想入りした名無しさん:2009/02/20(金) 16:35:51 ID:Z.U.NG2Y0
なんか安価ミスってた。>>90
あと>>88はセリフにリーダー使いすぎじゃね?
間を表したいのは分かるけどさ。

93幻想入りした名無しさん:2009/02/25(水) 18:07:21 ID:1cisu5AU0
 某幻想入りの作者でございます。一応、飛行というお題で一つ投下させていただきます。
 
「ねぇ、大ちゃん。なんでアタイは空を飛べるんだろう?」
「え?」
 日のあたる小高い丘で日向ぼっこをしている私に、チルノちゃんは何の脈絡もなくそんな質問をぶつけて来た。あんまりにも突然の質問だったから、私は気の抜けた声をこぼしてしまう。
 そんな私の態度に不満を持ったのか、チルノちゃんはぷぅ〜っと頬を膨らませる。そんなふとした動作が可愛らしくて、何となく卑怯だと思ってしまう。
「だって、アタイ達は気が付けば飛べてたんだよ?」
 それは確かにそうだけれど、あまりにも当たり前の事過ぎて疑問に思ったこともない。というか、チルノちゃんは何でそんな事を突然思いついたんだろう?
「ねぇ、チルノちゃん。突然、何でそんな事を疑問に思ったの?」
「今日のお昼ご飯に、目玉焼き食べたから」
 たぶん、チルノちゃん回路は私には解読不可能なんだと思う。
 チルノちゃんは顎に手をあて、眉を寄せ、一生懸命考えている。私もその隣で、同じポーズをして考え込んでみるけれど、全く分からない。
「むぅぅぅぅぅぅぅん、分からない! 大ちゃんは分かった?」
「うぅん、私も分からない。それよりも、そろそろ別の事して遊ぼう、チルノちゃん」
 そんな私の言葉に、チルノちゃんは不満そうな顔をした。
「もう! 大ちゃんも真面目に考えてよ!」
 うん、真面目に考えたいのは山々だけれど、これ以上この話題を長引かせると、知恵熱のせいで頭から湯気を出しているチルノちゃんが危険だと思うんだ。
 どうしたらいいだろう……そう思った私は、一つの名案を思いついた。
「そうだ! 博麗神社の巫女さんに聞いてきたら? あの人の能力は『空を飛ぶ程度の能力』だし、きっと詳しく教えてくれるよ」
「おぉ! 大ちゃん、まさにアイスアイディア!」
 これ、狙って言ってたらすごいんだろうけど、きっと天然なんだろうなぁ。
 気を取り直して、私は笑みを浮かべて立ち上がると、チルノちゃんに手を差し伸べる。難しい顔をして考え込んでいる姿は可愛いけれど、やっぱりチルノちゃんは笑っているのが一番似合っていると思う。
 私の手を一時見ていたチルノちゃんだったけど、すぐに手を握ってくれる。そして、立ち上がったチルノちゃんに私は言う。
「それじゃ、遊ぼっか!」
「うん!」
 勢いよく頷いて、チルノちゃんは満面の笑顔を返してくれる。
 チルノちゃんは氷精だけれど、その笑顔は太陽のようにポカポカしているんだ。
 こうして、無事に難題を解決した私は、チルノちゃんと日が暮れるまで遊んだ……けど、翌日、私は自分の言葉がどれだけ不用意な物だったのか思い知る事になる。
 翌日、同じ小高い丘でチルノちゃんは私にこう言った。
「ねぇ、大ちゃん。あの巫女がね、『馬鹿と煙は高いところに昇りたがるからよ』って言ってたんだけど、これって空を飛ぶ事と何の関係があるの?」
「…………」
 絶対、あの巫女は分かって言ったと思う。
 疑問符を頭の上に大量に乗っけながら考え込むチルノちゃんを見ながら、私は頭を抱えた。本当に……どう答えたらいいんだろう、この質問。
 結局、私は日が暮れるまで『分からない』の一点張りを貫いたのだった。ちなみに、一瞬でも「あぁ、なるほど」と思ってしまったのは、チルノちゃんには絶対に秘密だ。

94幻想入りした名無しさん:2010/01/18(月) 21:22:00 ID:dg/Jiw8M0
その日は何度目かの空を飛ぶ訓練だった。
“拾われない置き傘”というあだ名をひっそりつけられている先生曰く、「飛びたいという強い気持ちがおまえらを大空へ飛ばす!」らしいのだが、わたしにはきれいさっぱり理解できない。
別に、浮遊魔法が扱えないというわけではないのだ。
それどころか浮遊魔法は得意中の得意だし、会得してしまえばその魔法の運用はまず間違いなくクラスでトップレベルになれる。
そんなわたしを他人は天才と呼び、わたしにも天才の自覚があった。
同時に天才というものはどこか欠落しているのが世の常であるのだが、自覚があるわたしもやっぱりというか、例外ではなかった。
「サギシマ! どうだ、飛べそうか?」
「まったくもっていつも通りです、ネヴィル先生」
スタイルがいいのにダサいジャージ。
髪質がいいのに大して手入れしない。
竹を割りすぎた大雑把の権化みたいな先生は、わたしのもとにやってくるなりそんなつまらない質問をする。
何がつまらないって、わたしがどう答えるかなんて見ればわかるからだ。
本当につまらないが、まったく、先生らしいうれしい気配りである。
「そうかそうか。あぁいや、いいんだぞサギシマ。おまえの心はいつも熱く、ゴウゴウと煮え滾っている。先生にはわかる。おまえはクールに見えて、その実は誰よりも燃え盛っているんだとな! そうだとも、だからこそおまえはおまえの思うまま、心のままいればいい! ……あっはっは! なぁに心配するなサギシマ! おまえはいつだって全ての魔法を体得し、完璧にこなしてきただろう!」
「はい。誠心誠意気ままに挑もうと思います。ありがとうござ……」
びゅうん!
先生の暑苦しい応援を根こそぎ吹っ飛ばすように吹いた突風に、わたしは思わずお礼の言葉を切った。
それは自然の風ではない。
駆け抜けた一陣の“風”は急激な方向転換から上昇すると、こちらを見下ろす格好になって目一杯怒鳴る。
「おいこらぁ! そのクソ眠たそうな目で凝視しやがれシロサギぃ! これがオレの“未来への扉(ノックトゥーグローリー)”だぁ! ひゃっほぉぉぉい!!」
“風”改め少女、長い黒髪をばさばさはためかせて高空超速無軌道飛行。
どう見ても危険なのに、わたしの先生はこういうのをちっとも咎めない。それどころか。
「おお! 楽しそうだなぁニコル! どうだ? 空は気持ちいいか!」
「サイッコウですよ先生! オレはきっと空を飛ぶために生まれて来たんじゃないかって思いますよ! だってこんなの、今までどんなにハイな魔法を使ったって得られなかった……――そうか、オレは鳥? そうだ、オレは鳥! イエス、アイアムアペンん!?」
ぎりぎりで自分の過ちに気づいたらしいばかニコル。
レイリア先生以上に暑苦しい……というより騒がしい黒髪(ばか)に思わず【堕ちろ】と命令しそうになる自分を間一髪で抑えて、わたしは自分の修行に戻る。
飛行に限らず、わたしは誰かの成功例を見ることで何かを得ることはない。
全然使えない状態と、完璧に使える状態の二つ。この両極端を飛び越えるきっかけを観察行為に見つけることがないのだ。
では何がわたしを端から端へ飛ばすのかというと……。
「お。なんかニコルの挙動が怪しくなってきたな。そりゃそうだ。あんだけ飛ばしたら魔力変換が追いつかない」
「……ほんとだ」
生徒墜落の危機を、先生は空を漂う凧でも眺めてるみたいな調子でのんびりと解説する。
ニコルの動きが途端に鈍くなって、上昇と下降を不規則に繰り返していた。
飛行するために必要な魔力が切れかかっている。
飛行機なんかで言えばエンジンの残量が少なくなって、プロペラの回る速さが一定しなくなり、推進力や浮揚力が失われていく段階。
このままでは堕ちる。
あの高さからの自由落下なら一歩間違わなければどこから落ちても即死だ。
「ばかニコル。まったくしょうがないな」
イメージするのは飛びたいと思う強い気持ち。
とん、と軽く地面を蹴るわたしは、それまでの時間が嘘だったように空へと舞い上がる。
使ってしまえば完璧に使う。
わたしが落下を始めたニコルを捉えるのに時間はかからなかった。
「これがわたしの“未来への翼(フェアリィウィング)”。言うことはある、ニコル?」
「……ちぇ。礼ぐらいは言ってやるよ」
頬を赤らめてニコルがぶつくさと呟く。
わたしが魔法を使えるようになるきっかけは、たとえばこんなハプニング。
幸いわたしのクラスはお調子者が多いから、こんな風なきっかけには事欠かない。
「うん。今日もサギシマはいつも通りだな。来週からは人をくすぐる魔法に入ろうかね」
まったく、本当にいつも通りでつまらないけれど。
そんな日々が、わたしはたまらなく楽しいのだ。


息抜き。
普段書かないノリで書くと暴走することがわかった。

95幻想入りした名無しさん:2010/01/18(月) 21:24:02 ID:dg/Jiw8M0
連投申し訳ない。お題忘れ。
>>94>>73の飛行。

っていうか、投稿してから気づいたんだけど、もう一年近く放置されてたのかw


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板