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お題で文章を書くスレ

65幻想入りした名無しさん:2008/06/23(月) 16:39:00 ID:ubDY08nI0
お題 海 妄想がなぜか爆発。トンデモなので注意。

まだ日も昇らぬ薄闇の中、少女は目を覚まし布団から起き上がる。
箪笥の引き出しを開け、いつもの巫女服を取り出す。次々と。
一着、二着、三着……
すべて取り出した後に底にある桐の箱を取り出す。そしてまた元通りに服を仕舞って行く。
箱を抱えたまま、隣の部屋へ。
寝巻きを脱ぎ、箱の中の服を身にまとう。
白のカットソーにライトブルーのデニムパンツ。その上から赤のカジュアルジャケット。
寝巻きを畳んで箱に収め、そのまま裏口へ向かう。
途中、隠し戸の裏から靴と籐編みのバッグを取り出し、神社の裏手から鳥居をくぐる。
その瞬間、空気が変わった。
目の前には苔生した石段が在り、その下には人気のない集会所が見える。
手入れが行き届いているとは言えないその石段を下り、集会所の隣の車庫へと向かう。
バッグから鍵を取り出す。錆びて軋む鍵を開け、シャッターを持ち上げると、1台の軽トラが止まっていた。
鍵を持ち替え運転席の鍵を開ける。そこには。
「遅かったわね」
「何であなたがここに居るのよ」
紫色のスーツを着た女性が一人。助手席に座っていた。
「外で何か有るといろいろ不味いのは解ってるでしょう?護衛よ。護衛」
言わんとする事も解る。追い返したところでどうせ着いてくるのだろう、言い合うだけ無駄だ。
「まぁいいわ……」
そうとだけ答えて運転席に乗り込む。ハンドルを握り、キーをまわす。
「シートベルトはしてよ、罰金払うのは私なんだから」

砂利を敷いただけの道を抜け、行き違いもできないような道、中央線のある道、二車線の道と進むにつれ、
自らの住む世界とは異なる風景へ変わってゆく。

そして、たどり着いた。
幻想郷から最も遠い場所。

駐車場に車を止める。展望台から見える景色は一面の青。
潮風が、少女の髪をなでていく。
「わざわざ見に来た割には、楽しくなさそうね」
背後から掛けられる声にも、そっけなく
「私にも思うところはあるのよ、いろいろとね」
それきり黙ってしまう。
その視線はずっと、ずっと遠くを見ていた。


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