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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6
292
:
深紅の協奏曲 ―真実へ向かうための行進曲―
:2014/12/01(月) 13:57:26 ID:mNSIplWs0
からら、と障子を引く音がすると、開かれた先から香る宴の匂い。
座敷には、幾多の料理が並べられていた。とりどりの色が、視覚からも食欲を誘う。
「お待ちしておりました。準備はすでに出来上がっています!」
客人を招くために待機していた妖夢は現れた二人を出迎える。床に指を着け丁寧に頭を下げ、満面の笑み。
「ありがとう妖夢。まあ、今日もおいしそうねー。みんなの作る料理はいつもおいしいけれど」
「お褒めいただきありがとうございます! 閻魔様もどうぞ召し上がってください。おかわりはたくさんありますよ」
「うん、見ればわかります。……相も変わらず面白い量ですね」
それぞれの席の前に並んでいる料理の中、上座にはその何倍もの量が並べられている。
いそいそと幽々子がその前に着くと、先の妖夢の様な満面の笑みを浮かべ、
「さあさ皆さん、召し上がりましょう。今宵の邂逅に感謝をこめて」
その言葉と共に、映姫も小町も席に着く。……が、卓を囲むに歪な、空席。
「……あれ、あの子は?」
ようやくドッピオがいないことに気付いた妖夢は、外を見てきょろきょろと見回す。
周りには彼の姿はなく、幽々子たちが居た先ほどまでの部屋にはアンが立っているばかり。
厠にでもいったのか、とも思える不自然な消失に、彼女は思わず声を出す。
「何でも、一人で考えたいことがあるそうです。おなかが減ったら来ると言っていましたよ。……むしろ小町はどこですか」
「小町さん? ああ、もう少し飲むものが欲しいってことで取りに行っています。お客にそのようなことをさせられないって言ったんですが気にすんなの一点で」
そういうと、彼女らの入ってきた側とは反対の襖がががらと開く。
「うぇーい、妖夢、持ってきたよ、のものも……」
多量の瓶を抱え込むように持った小町が襖を開いた。その手は使えず、かといってそれを下ろした形跡はなく。
「あ、あはは……お揃いでして? ならば妖夢も呼んどくれよ、そうすりゃちゃんとやったのに」
「……何をちゃんとやるのかは知りませんが、そんなに焦るようなことはないでしょう、小町。さ、魂魄が用意したのです。食べようじゃありませんか。ほら、閉めて」
「あっはい」
言われるがまま、バツの悪そうにその両手の物を下ろそうとし、
「何をやってるんですか? 先ほどの様に閉めてみなさい。足で開いたように」
「いや、その、とっかかりとか無いし開きはまだしも閉めるのはちょっと、その、すいま」
「閉めなさい」
「あっはい」
その様子に、幽々子は堪えられず吹き出し、妖夢は我慢しようと顔を伏せているが、肩の小刻みを隠しきれていない。
楽しい時間は始まったところだった。
その空席を、開けたままに。
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