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ジョジョの奇妙な東方Project.PAD6

143【第二部】〜Saint Babel Run〜第六話:2014/05/31(土) 21:19:38 ID:ueFU1mxw0
「(ーーーーーチルノにはああ言ったが…
『嫌がらせ』の意図も含んでやがるんだろーなァ…この『お喋り』にはよぉ…)」
それは恐らく、ホル・ホースとチルノ、二人が余計なヒソヒソ話で妙な考えを交わさせないため。
そして、この程度の挑発にも激昂しない、最低限の気の長さを持ち合わせているか確認するため。
「(ーーーーー今、『人里』は【幻想郷】最大の火薬庫だ…
『外来人』への不信、妖怪の連続殺人事件による人間と妖怪間の不和……
何よりも……、そんな状況にも関わらず隔離も許されねえ、力のバランスも全く釣り合っちゃいねェ…
一匹、たった一匹でもならず者妖怪が暴れたら、そんだけで退治屋が駆けつけるまで成す術もねェ……
イヤでも『牧場の羊』を想起させやがる、【幻想郷】の縮図じみた環境…!
不信が不信を呼ぶ悪循環も無理ねェよ、同じ人間同士ですらこんな状態なら即殺し合いだぜ…!)」
ホル・ホースの喉が鳴る。
脳裏にちらつく、『仕事』のため訪れた数々の紛争地での記憶。
乾燥、疫病、飢え、蝿、死体。
大人が子供を調教し、子供が子供を嬲り殺す、この世の地獄の特大パノラマ。
ヘマをやらかせば、自分自身がその火種になるやも知れぬという緊迫感。
それを押し切ってまでこの場に姿を晒しているのは、『二人組のスタンド使い』とやらが、里の面々に好意的に受け入れられている“らしい”、という新聞の記述に望みを託したからに他ならない。

と、その時である。
銃剣付きのライフルを握り、しかし銃口を空に向け引き金に指は掛けず、戦車の少女と共に二人をバリケードの後ろから遠巻きに監視していた自警団員らの間に、明らかにざわつきが拡がった。
「ッ…!
なあ、チルノ…いよいよ『責任者様』のお出ましだぜ。
事前に確認したこと、覚えてるな?」
「ーーーーー!
…分かってるわよ、【スタンド】のことは秘密。『弾幕』もホル・ホースが良いって言うまで撃たない…でしょ?」
「ああ…ゼッテェ破らねーよう、気ィ付けてくれよ。」
互いに顔は合わさず、呟くようにトーンを落とした声で、最後の確認を交わす。
二人の注視する先、整列した自警団員の列の奥。
『責任者様』が姿を現した。
「……!」
何より二人の目を引いたのは、『責任者様』の乗り物だった。
ふわふわと浮遊する雲に乗って移動する、足まで届く赤髪の、如何にも日本的な着物を纏った少女。
彼女は漂うようにのんびりと、二人のもとへと接近してくる。
「「ーーーーーーーーーーーーーーー」」
ゴクン、チルノの唾を呑む音が、隣のホル・ホースの耳に届いた。
無言で見守る二人の手前、少女は三メートルの所まで近付くと、動きを止めーーーーー


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