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【差別か】 獣人の砦 【平等か】

1木野:2011/01/27(木) 22:26:26
ラドリオ王国から北に進んだ砂漠の広がる地。
砂の海と呼ばれるほどに砂漠以外何も無いこの地に
大きな墓標のような砦が建てられていた。
その砦に砂上用輸送車が入ってきた。砂風で砂まみれになった
重く堅い扉が開けられる。

「出ルンダ。ジュージン共!」
脇に大型の銃のようなものを構えた看守が輸送車の中に向かって叫ぶ。
モソモソと獣人達がまばらに輸送車から降りてくる。

『監獄から墓場まで』
そういわれるこの砦に連れてこられた獣人達は脱走しても砂漠でのたれ死ぬしか
ないといわれるこの地で永遠ともいえる刑期を過ごしにきた者たちばかりだ。

「イイカ。オトナシクしてるんだぞ。デナケレバ・・・」
脇の銃器を振りまわし、看守は獣人達を小さな監獄へと閉じ込めていく。

「・・・ッチ。」
そんな獣人達の中にひときわ体格の大きい獣人がいた。

8木野:2011/04/28(木) 23:29:30
「リデ様!脱走者です。Aフロアの獣人3体が逃げ出しました!!」
「ほぅ・・・あの牢屋を破壊するとはA級以上だったか。」
リデは手元の透明なガラス盤に手をかざす。すると、3つの赤い点が映し出された
「逃げる先は一番近くの出口か。ならば、あの「門番」をぶつけるとするか・・」
ひとつの盤面をなぞる。するとその盤面は砕け散った
「リデ様・・・まさかあいつを・・?」

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「さて、残された時間はおよそ7時間だ。」
「死刑の正午マデカ?関係ナイ。脱走シテルからな。」
「それがそうもいかないよ。死刑の時刻は死神カラスがもっとも活動が盛んになる
時間帯だからね。さすがに君が怪力の持ち主だとしても空を覆いつくすばかりの
数の死神カラスを全部相手にはできないだろ?」
「なんや・・・そんなぎょーさんおるんかい。トン丸の骨すらのこりそーにないやんか!」
「だからこそ、迅速に逃げて・・・捕まらないことだ!」

「いたぞ!」
ラル達の前には大きなゲート。それを遮るように多くの守衛が固まる。
「いくで!とん丸!!」
レキテルの下半身をささえていたとん丸は走った勢いのまま飛び上がり、
クルクルと空中に舞った。
次の瞬間、レキテルの身体から電撃が放たれた――――

9腐れ飯:2011/05/21(土) 23:58:34

随分と五月蝿い。

首輪に振動が伝わる。

阿呆な人間共の騒々しい声が聞こえる。剣呑な叫び、荒っぽい足音。

結局、こう必死になって、最終的には自分に頼るのだ。

「馬鹿らしい」

でもまぁ、自分以外がこの砦で好き勝手してるのはあまり良い気分ではないな

暗い部屋に振動がコダマする。



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「あかん!どっちや!」
「しまったナ…守衛ヲまいテいたラ変な場所ニきてシマッタ」
「この砦だけでもこのデカさ…さすがとしかいいようがないね」
自分たちが奥に戻っていないことは確かだ。レキテルは自分たちの走ってきた方向を思い
返す。トン丸は少しだが息をきらしている。無駄に放電をしすぎたようだ。
「外に出たところでもっと危険になる…ここは一回休むか…」
「アホかい!止まってたら捕まってまうわ!今度はあぁ簡単に牢屋ぶっこわせんとこにぶち込まれんで!」
「ところで無駄にでかいナ…なんだここハ…」
出たところは牢屋もなにもないホールだった。砦にこんな場所が必要かと考えるとそうは
思えないほど無駄に広い空間だった。天井も高く、ドーム状になっている。道もいくつか
に分かれていた。
「…おい、あれ!」
ギルが指をさす。すると階段の続く穴があり、そこから光が漏れていた。
「出口!」
「結局がむしゃらのつもりガ、間違ってはなかっタということカ。」
「ぼさっとしてるとさっきみたいのがゾロゾロ来るで!はよせな…」
トン丸が跳ねるとたった二歩でホールをよこぎり出口の前にたどり着く。
そのまま通り抜けようと首を少し階段へと突き出した瞬間

悪寒に全身を包まれた。

一瞬のことだ。しりぞく。レキテルは咄嗟の判断をしてトン丸をさすがだと思った。ホー
ルの中心に着地し、そのまま勢いで後方に2〜3歩後ずさりをする。
無意識に体に電流を流す。
「どうした!?」というギルの声に気付いたのも、その後だった。
「あれみてみぃ!!」
ギルは出口に目をやる。
なにやら壁のようなものができている。

「…ギロチンカ…」
ラルが小さく呟く、ギルは息をゴクリと音がするほどハッキリと飲んだ。
「ただじゃ逃がさないということか…」

今度は右斜め前から気配をかんじた。
ズーンズーンと重く大きな音が等間隔に聞こえる。
三人はただその方向をじっと見つめるばかりだ。しかしいつでも闘えるようにと足をじり
じりと地面とこすりあわせていた。

姿を現す。

「うお…お…おおおおおおおおおおお!!」

大きな顔。髪の毛は生えておらず、スキンヘッドだ。眉間にしわが尋常じゃないほどよっ
ており、まぶたも大きく目の半分以上を隠していた。
口もおおきく、唇が厚い。
中年以降の顔…

をした巨大な亀…


…………

「きもちわるっ!!」

レキテルは思わず叫んだ。

10kino:2011/05/23(月) 10:05:52
「クルゾ・・!」
そのまるで人面亀ともいえる獣人は声をあげずに
口だけを大きくあけるとその分厚いうろこのような皮膚でつつまれた
頭を横になぎはらってきた
「ひぃっ・・!?」
突然のことに身動きが取れずにギルが逃げ遅れる
「ふせるんや!」
そのギルの前にとん丸が飛び込み、レキテルが電撃を放つ
低い振動音とともに亀の頭の軌道が逸れ、ギルの帽子だけが吹き飛ばされた

「ナンテ風圧だ。アタッタラひとたまりもナイナ。」
ラルは身をかがめながらのけぞった亀の首にしがみついた。
そのまま巨大な亀の首を渡り、甲羅の上まで走りこむ。
「いいで!そのままやっつけてまえー!!」

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「ほぅ・・・なかなかの連携だな。」
ドームの上方の一枚の鏡から、リデはレキテル達の様子をうかがっていた。
「ですがリデ様、所詮A級のやつらがあつまったところで
S級のやつには・・・」
「級分けなど、所詮単体での話にすぎん・・・。
出口に兵を回しておけ。」
「・・・ハッ」

リデは鏡の一つにうつるギルに気付く。
「・・こいつは・・・まさかな。」
よくみようと鏡を覗き込んだ瞬間、ギルの姿は巻き起こる砂埃に隠されるのだった


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