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孤空の月〜崩れゆく廃坑〜

91羅刻:2011/03/20(日) 23:11:20
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アイリは倒れた自分の上に乗った歌藤玲を見つめこの状況を脱する手段・・そして今までの玲の事を思

い出していた。

「僕の術は」

「直接血を吸った者の心を支配する。
 その傷口に己の血を落せば永久に服従するグールとなる。」

いつから洗脳されていたのだろうか・・出会う前・・最初から?
今までの行動が演技だとは信じたくはない・・少なくとも今のような露骨な敵意を見せはしなかったは

ずだ。
永久に?・・いや、それが嘘という可能性も―――
「――攻撃する勇気もないか」
様々な思考を巡らせつつ・・まだ自分が姿を確認できない男の意識がこちらに向いたことでそれは途切

れた。
男との会話が続く、そこでグレイが大きく息を吸うのが眼に入った。
その瞬間アイリの頭にズキッと痛みが走る、攻撃が・・来るッ!
玲が自分から意識を外したと同時に手に持ったナイフを離し、両耳を塞ぐ。
―――辺りに轟音が響き渡った。


目の前で両肩を撃たれ、怯んだ玲を見て驚くもののアイリは手から落ちた短剣を素早く拾い、すぐさま

相手の背中に回り腕を固める!
玲は痛みで悶えつつも地面に叩きつけられる形となった。
そこでアイリは初めて敵である男と顔を合わす―――否、初めて?
グレイがすぐさま相手の懐に潜り込みアッパーを放とうとしている、同時に男は剣を抜こうとしたが接

近した体に阻まれる。
グレイのアッパーが男に直撃!顎を破壊ッ・・宙に飛ぶ・・?
「ッ!?」
グレイは驚いた、確かにその拳は男の顎に直撃した・・しかし顎を粉砕する音はせず、ぐにゃりとした

拳に妙な感触を覚える。
男はそのまま着地し後ろに下がり再度剣の柄を握る。

―――アイリは知っていた。その男の顔を。
この任務に赴く前に眼を通した行方不明者をまとめたファイル。
そしてその名をすぐさま叫ぶ。

「―――イスミ・グァン!!」

そのままグレイを斬ろうとしたその男はなんとも形容しがたい表情を浮かべ、一瞬だけ動きを止めた。


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