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アバッキオのビデオ棚

1とりあえず管理人★:2008/01/09(水) 19:33:56 ID:???

         _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |
   | l| l  /     .::     ,,l !l |     やあ ようこそ「アバッキオのビデオ棚」へ
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |    ここではあんたの持ち込んだ妄想をムーディーで映像化している
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |        まずは>>2のガイドラインを見なよ
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐       さっそくあんたの妄想をリプレイしながら・・・
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-       萌え話でもしようや・・・
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、
::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'" )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}
::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
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 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //
  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´
  (フl」<) ',          ノ   } }

260億泰くんちの家庭の事情1/3:2009/09/08(火) 21:17:42 ID:v1Zyp5xc
ミキタカが拾ってきた妙な隕石。
そいつは、「カーズ」って名前の化け物だった。
判明してから、まあ色々と悶着はあったわけだけど。
そいつは宇宙に放り出されてから、頭がパーになっちゃったみたいだ。
戻れないって気づいてから、自分を守るために考えるのをやめた。
露伴先生が彼の記憶を読んだ限りではそういうことだったらしい。
「……お互い年はとりたくないのう」
そうやって呟くジョースターさんは、どこか寂しげだった。

「カーズ」は……
億泰くんのお父さんをとても気に入り、問題なく暮らしている。
億泰くんもそれでいいと思っている。
……いやまあ、それじゃダメだと思った『人』も居たわけだけど。
『人』? 人、かなぁ。まあ少なくとも、元は人だったよね、うん。

『億泰くんちの家庭の事情』

「今帰ったぜえ」
仗助の能力で、雨風はしのげる程度に直った家に、今日も帰ってきた。
「うー」「にゃー」
リビングでごろごろ転がっているのは、いつも通り親父と猫草だ。
いつも通りの光景。それが変わったのは、二ヶ月くらい前からだ。
「……」
テレビをじっと見つめていたそいつが、こちらを向く。
それから、赤ん坊がハイハイするみてえに俺に寄ってきた。
「おー、よしよし、今日も元気そうだな、カーズ」
ネコやなんかにそうするみてえに、俺はそいつの頭をよしよしと撫でた。
カーズ。元は仗助の親父さんが命を賭けて戦ったへるめっとなんとかって化け物。
七夕の日に、ミキタカが流れ星と間違えて拾ってきたそいつに、
承太郎さんや仗助の親父は警戒しまくっていたんだが。
「……ちっ。こいつの記憶はほとんど消えているじゃあないか」
ヘブンズドアーを使った露伴先生が、つまらなさそうに言ったことで、緊張は解けた。
何の資料にもなりゃしない、とぶつぶつ愚痴っていた横で、
仗助の親父がなんだか寂しそうだったのを覚えてる。
んで、そいつに関しては、一応行き先が論議されたんだが、
一時的に俺んちに置いてたら、俺の親父に懐いちまってた。
俺も、まるでネコかなんかみてえな動きをするコイツが、
実験動物にされるってのもなんかイヤーな気分だった。
……で、結局そのまんま月一の報告書提出を条件に、俺んちにいることになったわけだ。

261億泰くんちの家庭の事情2/3:2009/09/08(火) 21:18:40 ID:v1Zyp5xc
「億泰。帰ってきたら手洗いうがいをしろと言っているだろう」
はぁ、とため息が聞こえて、俺は珍しく考え事をしてた自分に気づく。
「ああ、悪い悪い兄貴」
前掛けエプロンをつけ、こちらを睨む相手に、俺は慌てて謝った。
「お、今日はカレーかー。カーズ辛いの大丈夫だっけな」
「何食っても同じだろうその化け物は」
ムッとした表情を見せる兄貴を見ると、とても信じられない。
目の前の兄貴が、もう十年も前に死んじまってる幽霊だなんて。
「ほら、早く手を洗ってこい。皿は並べておくから」
「あーあー、わあってるわあってるって」
やたら心配性な兄貴は、今年の盆に帰ってきてから、
カーズと一緒に暮らす俺が心配で、ずっとこちらに留まったままだ。
正直、家事やってもらえん、俺の代わりになって
報告書を作ってもらえんのも、俺としちゃあありがたいからいいんだけどよぉ。
地獄のエンマさまとか、そーいったもんに怒られねえんだろうか?

手洗いうがいと、ついでに着替えを済ませて飯を食う。
食卓に座っているのは、俺と兄貴に、親父に、カーズ。
猫草は外の日が暮れ始めたためか、すでにうとうとしている。
口に入れるカレーは、甘口。あの頃と変わらない、兄貴の味。
『二人』で暮らし始めた頃、兄貴がレシピと首っ引きで作ったカレー。
「なあ、兄貴」
「どうした、億泰」
兄貴はやることがないからテレビを眺めている。幽霊だから、飯は必要ないらしい。
あと、生きてる奴に触られると体がもげちまうらしいから、
どんな動きをするか分からねえ親父やカーズにも早々近寄れねえ。
つうか、カーズに兄貴は見えてんだろうか?
「知ってるか?」
「何をだ」
「ウチってよぉー、『お化け屋敷』って呼ばれてるらしいぜぇ」
ニカッと笑いながら、小学生の話から拾った話題を告げる。
「まぁ、確かにそうだよなあー。お化け、いるもんなあ」
ひひっと声をあげつつ、カレーをぐちゃぐちゃと混ぜて口に運ぶ。
「……全く、お前の話はいつもくだらないな……」
兄貴が呆れたように笑う。俺も釣られて笑う。
いつもと、変わらない食卓。
「あー、楽しいなあ」
けらけらと笑いながら、俺はふと呟く。
テレビで『ご長寿特集』なんてやってたからだろう。
「何十年後にもよぉー、こうやって笑えてたらいいなあ」
俺の言葉に、兄貴がぎょっとした様に目をむいた。
何だろ、俺なんか悪いこと言ったのかなあ。
「ん、どうかしたのかあ、兄貴?」
「……結婚くらいしろ」
少し口ごもった後で、兄貴がそう言った。
「ははっ、こーんな家に嫁に来てくれるよーな奴いっかなあ。
 飯も上手でなおかつ美人でカワイイ子でよぉー」
兄貴は押し黙ったまんまだ。
「あー、でも兄貴がいりゃあ嫁さんいらねえかなあ」
「な、何を言ってるんだお前は! 早く食え、片付かないだろ!」
あー、兄貴怒らせちまった。顔が真っ赤だ。
「へーい」

262億泰くんちの家庭の事情3/3:2009/09/08(火) 21:20:16 ID:v1Zyp5xc
飯食った後、仗助が俺んちを訪ねてきた。
F―MEGAの最新作が出たっつうんで持ってきてくれたんだ。
「……しっかしなんつうか、相変わらずなれねぇ光景だよなぁ」
俺が遊ぶ横で、カーズがころころと転がしてて、俺は時々その頭を撫でる。
「そうかぁ? 慣れちまえば犬や猫みてえで可愛いぜえ?」
「……そんなもんなかなあ」
「そんなもんだ」
「お前らもうちょっと画面から離れてやれ」
飲み物を持ってきた兄貴に叱られる。
「目を悪くするぞ」
「あーヘーキヘーキ」
「平気じゃない。俺の知り合いでもF―MEGAが好きな奴がいるが、
 そいつも、結構眼鏡かけていた」
「兄貴の知り合いー? 幽霊じゃねえか、俺らは大丈夫だって」
「……F―MEGAが好きな死人?」
仗助がなんか首を傾げた隙に、俺は一気に加速する。
「よっしゃ勝った!!」
「ああ、億泰てめえええええ!!」
ぎゃあぎゃあとわめく仗助と、そのまんま取っ組み合いになった。
「ええいうるさい、夜中に暴れるな!!」
兄貴に怒られても、俺達は止まらない。
多分、何十年経っても、俺達はこんな風に馬鹿やってんだろうな。
俺と仗助はダチで、カーズがきょとんとこっちを見てて、
親父が困ったようにしてて、猫草が迷惑そうにしてて、
兄貴が俺達を叱り飛ばす。
きっと、変わらない関係なのだろう。


―――――――――――――――――――――

投下終了。兄貴より大分背が伸びた億泰とかも書きたかったんだけど入れられなかった。
やまなし。おちなし。いみなし。あとカーズ様影薄すぎて意味ねえ。

263一巡後名無しさん:2009/09/08(火) 23:14:04 ID:RPRX6EsU
満載の小ネタに受けたwww
いいないいな

そういえばジョセフとカーズは『再開』になるのか
ジョセフを思い出せないカーズがせつない…

264一巡後名無しさん:2009/09/19(土) 18:02:06 ID:jt5Sf1Lg
カーズ様をかわいいと思ったのははじめてだw
面白かったよ!

265キス合戦 1/3:2009/10/28(水) 00:06:36 ID:n7jzDnug
____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |               
 | |                | |           ∧_∧  5部のアバッキオ×ナランチャです
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  本スレの流れに萌えて過去ログ読んでたら出来ました 
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

266キス合戦 2/3:2009/10/28(水) 00:07:10 ID:n7jzDnug
どこにでもあるような、平凡な部屋。その中心のテーブルに沿って置かれたソファーの上に、銀髪の男と黒髪の少年が座っていた。
少年はソファーに座る男の膝の上に乗り、盛んに男に向けて喋りかけている。
身振り手振りを交え、楽しそうに笑いながら語る姿は、彼を年齢より幼く見せていた。
一方男の方は気怠そうな表情で、よそ見などしながら少年の話に相槌を打っている。だが、彼が退屈などを感じている様子はない。
むしろ微妙な表情の変化や声の調子からは、少年との会話を楽しんでいるように感じられる。
彼らの話のテーマはあちらへこちらへと移り変わり、纏まりというものはないに等しい。
それでも少年は飽きることなく語り、男も飽きることなく返事を少年に返した。

どれぐらいそのやりとりが続いただろう。何かあったのか、男が少年の名前を呼んだ。ヘアバンドから跳ね出た、少年の髪を引っ張りながら。
気分よく話しているのを遮られたからか、髪を引かれたためかは分からないが、途端に不機嫌そうになった少年は、軽く睨むようにしながら男の方を振り返る。
そのつんと尖った唇に、男はそっと口づけを落とした。下を向いたためか、男の髪が二人の顔の横に垂れ、銀のカーテンを作り出す。
突然のキスに、少年の瞳に困惑の色が浮かぶ。それを尻目に男の舌は安々と少年の口内に侵入し、その舌を絡めとった。
そのまま舌と舌を絡めあわせ、彼は少年の口をじっくりと味わう。静かな部屋の中に、くちゅくちゅと淫らな水音が響く。
少年はその音が嫌いなのか、眉間に軽く皺を寄せた。だが、口内を犯される快感に、次第に刻んだ皺を解き自ら舌を絡ませ始める。
お互いの舌が歯列をなぞり、頬の裏を愛撫する。舌だけが別の生物になったかのように、口の中で暴れまわる。
呼吸を忘れているのか、それとも快感のためか少年の顔は赤く染まり、その目は潤んでいた。

やがて男の舌が少年の口から抜き取られ、長い長いキスが終わる。
まだ赤い頬のまま、いつの間にか体に回されていた男の腕を掴んで少年は不満の声を発した。どうやら不意打ちでキスされたことが悔しいらしい。
その様子が可笑しく感じたのか、男は喉の奥で小さく笑いながら少年に謝罪した。
それでもまだ不満なのか、彼は男に背を向け、その体にもたれかかりながら頬を膨らませる。男はその頭を、やや乱暴な手つきで撫でていた。
しかしすぐに少年の瞳に悪戯小僧のような輝きが灯った。ぐるりと体ごと男に向き直り、訝しげな表情を見せる男の、その唇にもう一度口づける。
今度は男が驚く番だった。少年の舌はするすると男の口に潜り込み、歯をこじ開けると舌を軽くつつく。そして入ってきた時と同様に、素早く口内から離れていった。
口を離した少年は、男に勝ち誇った表情で笑ってみせる。どうやらこれは、先程のキスの意趣返しらしい。
対する男は、少し頬を赤らめていた。予想外の攻撃に対応できなかったのだろう。憮然とした表情で、笑う少年を見つめている。
そんな彼の態度に満足したのか、少年は体の向きを戻し、前に向き直ろうとした。しかしその動きは、男の手によって阻まれる。今度は正面から、触れるだけのキスをする。
唇と唇が離れた時、男の顔には得意気な微笑みが浮かんでいた。負けじと少年も、男の唇に再度口づける。それが終わるとまた男が少年に口づけを送った。
何度も何度も、そのやり取りを繰り返す。
まるでキャッチボールでもするかの様に、男と少年はキスを交わした。穏やかなキスには穏やかなキスが。激しいものには、それ以上に激しいものが。
その内に、少年の体がソファーに横たえられた。このやり取りが更に過激なものになるまで、それ程時間はかからなかったようだ。
これから行う行為への期待とほんの少しの恐怖が混ざった視線で、少年は男を見た。それに気づいたのか、男は少年の頭を軽く撫で、額にキスを落とす。
それだけで、少年の顔から不安の色が消え人懐っこい笑みが戻ってくる。彼はもう一度、男のくちびるに口づけた。男もそれに応じるように、少年の体に手を伸ばした。

さて、彼らの間に会話らしい会話が戻ってくるのは、一体いつ頃になるだろう。

267キス合戦 3/3:2009/10/28(水) 00:08:10 ID:n7jzDnug
____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |               
 | |                | |          ∧_∧   終了。お粗末さまでした
 | |                | |     ピッ  (・∀・ )まさにやまなしおちなしいみなし
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

268一巡後名無しさん:2009/10/29(木) 20:52:18 ID:X8dbqMec
萌えた…!!体格差有りの膝だっことかキス合戦とかたまらん
ナランチャ相手だとアバッキオが大人っぽくてカッコいいなあ

269プリン 0/8:2009/12/24(木) 22:58:23 ID:o5LxcFKo
やまなしおちなしいみなし、
燃えスレ+荒木ランド+プリン妄想を仗助・ジョルノ・早人でお送りします。
5部多め。
初代妄想スレ、混部スレのネタをたくさん拝借しました。
この場を借りて謝罪と御礼を申し上げます。

270プリン 1/8:2009/12/24(木) 23:02:10 ID:o5LxcFKo
「女性と、義務教育中のかたと、バトル参加者のかた優先デス!数が少なくて
申し訳アリマセン」
 治療班の控室へ向かっていた仗助は、聞き覚えのある声を耳にした。杜王町の
隠れた名店『トラサルディー』店主が人垣に囲まれている。何の騒ぎかと横目
で見ていると、足元から仗助を呼び止める声がした。
「仗助さん、まだ残ってるよ」
 そう言ってニッと笑うのは、川尻早人だ。人垣を慎重に、かつ素早くすり抜け
た彼の手には、小さな陶器のカップとスプーンが握られている。問い質すより
も早くそれを仗助に押し付け「待ってて!もう1個もらってくる!」と、タフ
な小学生は人垣の中へ姿を消した。
 『トラサルディー』の刻印が入った小さなスプーンと冷たいカップ、カップの
中には卵色の固体。匂いを嗅いで、仗助は呟く。
「プリンじゃねぇか」


治療お疲れさまでした、おやつの前には手を洗うこと!
「って、トニオさんから伝言だよ」
思わずフリーズする仗助に、早人は笑ってスプーンを口に運ぶ。
「大丈夫。僕も洗ってないから、怒られるときは一緒だよ」
それは全ッ然大丈夫ではなく、怒ったトニオは悪鬼のごとく恐ろしいのだが。
 仗助は恐々とスプーンでプリンを掬った。コンビニで買えるものとは違い、
しっかりした密度のあるそれは、ひんやり冷たくて異常なほどに美味だった。
「グレート……ッ」
 パールジャムは混入されていないようだ。とくに身体に変化はないが、優しい
甘さと卵の風味がやけに染みる。

――馬鹿にして悪かったなァ、億泰。こりゃあグレートに『うンまァァァーい』ぜ!

「もっとォォォ」だの「うめーじゃねェーーかクソッ」だの、女の子達の力強い歓声だの、
休憩所のテーブルのそこかしこから溜息と感嘆が洩れるのを聞いて、早人と仗助
はクスクスと笑った。ほんの少し誇らしい。『トラサルディー』は彼らの住む杜王の
名店なのだ。
 早人も紅茶のカップでつくられたプリンを一心不乱に口へ運ぶ。肝の座った少年
だが、プリンを頬張る様は普通の小学生だった。仗助は、何だか微笑ましいと思う。
「『トラサルディー』のカップを総動員シマシタって、トニオさんが」
見回せば、周囲のテーブルで大事そうに捧げ持たれるプリンのカップは、エスプレッソ用あり、スープカップやマグあり、計量カップに手の平サイズの小鍋ありと多種多様なバリエーションだ。
「おお」
「エニグマって便利だね」
「まァなあ〜、悪用さえしなきゃなァ」
仗助は慎重にプリンを掘り進み、ついに底に敷かれたカラメルへ到達する。
いそいそとプリン本体へ絡め、頬張った。うっとりと唇からスプーンを引き抜き、
「卵の香りといいよー、適度な甘さと絶妙なほろ苦さといいよぉー…ほんっとぉ〜〜に」
くぅ、と何かを堪えるように仰向いて目を抑える仗助に、隼人が唱和する。
「美味しいよねー…」
「うっめーよな〜〜…」
2人は盛大に溜息をつく。その横を、濃い色の上下を身につけた細身の影が
通り掛かった。
「…なにがです?」
ジョルノ・ジョバァーナは仗助の手元をひょいと覗き込んだ。

271プリン 2/8:2009/12/24(木) 23:04:50 ID:o5LxcFKo
「ジョルノぉ〜〜…」
お疲れさん、と仰向いたままの仗助が手のひらを向けた。
パシンと音を立てて手のひら同士を合わせるリアクションを望んでの動きだったが、ジョルノはそれを握手のように握る。
そのまま手を数回上下させるジョルノの視線は、完全にプリンへと固定されていた。
「うっめぇ〜〜んだ、この、プリンが……ッ」
「…そうですか」
応える口調は平静だったが、早人は彼がプリンへ注ぐ、熱い、熱すぎる視線を見て取った。
ジョルノの澄んだ青い目で、プリンは今にも穴が空きそうなほど凝視されている。
仗助もそれに気付いたが、彼が言葉を発する前に、慌てふためいた早人が立ち上がった。
「あっ、あの、僕もう1つ貰ってきま」
す、の音と同時に、休憩所の奥でトニオが、カランカラーン、とベルを振った。
「品切れデスー、皆サン、アリガトウゴザイマシタ!
ゆっくり召しあがッテくだサーイ…もっと沢山作りたかったのデスが……スミマセンー」
カップ総動員に飽き足らず、アイスキャンデー売りのようなハンドベルまで用意した辺りに、
トニオのこの無償ケータリングにかける情熱が感じられた。
が。
「……」
「……」
「……」
早人は立ち尽くし、仗助は姿勢を戻して丸い目を見開く。
「あー…」
早人が悲しげに眉を下げた。
「ありがとう、そんな顔しないでください」
ね、とジョルノに微笑まれ、早人が言葉もなく高速で首を振った。
年上、しかも金髪碧眼の小奇麗な人物に優しい言葉を掛けられ、動転しているようだ。
「僕はいいですから。隣、座っても?」
肩に手を置かれて座るよう促された早人が、またブンブンと首を振った。
早人の小学生らしい反応は、本日2回目だ。よしよし、と仗助は内心で頷いて救いの手を差し延べた。
「早人よー、スプーン貰ってきてくれねぇーか?」
その言葉に一気に顔を明るくした早人は「うん!」と大きく頷いて、トニオの元へ駆け出す。
「あ」
行っちゃった、とその背中を見送るジョルノを、仗助は自分の隣に座るようテーブルを指で叩いて促した。
「いーからよォ〜、座れって」

272プリン 3/8:2009/12/24(木) 23:07:08 ID:o5LxcFKo
席についたジョルノは溜息をつき、仗助を咎めた。
「……本当に、いいのに」
大急ぎで戻ってきた早人が、息せき切ってスプーンを手渡す。
「はい、スプーン!」
「…ありがとう、すみません」
爽やかな笑顔で告げられた言葉に顔を赤くした早人は、ギクシャクと席に着く。
「ほら」
仗助はジョルノと自分との間にカップを置いた。
「仗助、僕は本当に、いいです。これはあなたのプリンです」
「よくないですよ!」
ジョルノが言うなり、早人が真剣な面持ちで反論した。
「よくないです。このプリンは、本ッ当に美味しいんです。これを食べないなんて、
人生損するよ! ……僕は食べ終わっちゃったから、あげられなくて、すごく……あのー、ごめんなさい食べちゃって」
しどろもどろで話す早人の声は徐々に小さくなっていったが、最後に彼はきっぱりと言う。
「だってプリン、好きですよね」
ジョルノは言葉に詰まった。
「……僕はそんな顔をしていましたか?」
「してました」
「思いっきり、してた」
「……一瞬ですよね?」
「長かったです」
「ガン見してたよなぁ」
「うん」
思ってたんだけどよ、と仗助が疑問を呈した。
「ジョルノはもっと考えてる事を言えばいーと思うんだよなァ」
ジョルノは首を傾げた。
「あっそれだ! ほら、今何考えたか言ってみなって!」
「……分かりません」
「何が?」
「きっと癖なんです。確かに、あまり考えている事を言葉にしていないかもしれない。でもそれは癖なので、」
「なので?」
「…癖だから、自分では分かりません」
そりゃあそうだなー、と仗助が笑った。
「じゃあ次。オレのプリン見て、何て思った?」
「“プリンだ”って」
「そのまんまだなァ。そのプリンは、ジョルノ君にとってどんな感じ?」
「“暖かい黄色がキレイで、つやつやしていて、美味しそう”……何ですか、この質問」
「気にすんな。つーかよー、プリンにキレイって言うやつ初めて見たぜ。
 うまそ〜〜なプリンなワケね?」
「ええ」
「プリン、好きなんだよな?」
「…ええ、とても好きです」
「どれくらい好き?」
「好きな食べ物は、と聞かれたら、最初に挙げます。ブリュレに近いものも、固めのものも、何でも好きです」
「そっかそっか。で、ここにはなんと、ジョルノの好きな、しかも美味しそうなプリンが! 目の前に!」
「……そうですね、美味しそうです、とても」
呟きながら、ジョルノは自覚する。
『欲しい』という感情だ。ジョルノが言葉にしないのは。
そしてそれを、仗助は言わせようとしているのだと。
「っしゃ、最初ッからいくぜ。『このプリン、すっげ〜〜うめェー!』」
「……『美味しそうなプリンですね』」
「『そりゃもう、グレートに美味いぜ』」
「………」
早人は成り行きを真剣な顔で見守っている。
ジョルノは苦笑した。
「……『ひとくち欲しいです、仗助』」

――無駄な事はしたくなかったんだ。

ジョルノは思う。
『欲しい』と口にするだけで与えられる、そんな環境ではなかった。
幼いジョルノが欲しいと願ったものは、何一つ手に入らなかった。
それは物心つく以前から。
安心も優しさも、一緒に居てほしいという望みすら。

欲しいと思う心は無くならなかったが、ジョルノはそれを言葉にしないまま成長した。
だってあまりにも無駄だから。

――とっくの昔に、過去など乗り越えたと思っていたのに。

それは、今となっては職業病といえるのかもしれない。
ジョルノの苦笑は僅かに翳りを帯びていた。
それに気づかないふりをして、仗助はイヒヒと笑う。
「どぉぉぉーしよっかなァー」
「!」
「あっ、嘘! 冗談だって!」
はいどうぞ、と仗助はプリンを手で指し示した。

273プリン 4/8:2009/12/24(木) 23:11:24 ID:o5LxcFKo
ジョルノはプリンを一匙すくい、そっと口に滑り込ませる。
卵の存在をはっきりと感じられる、固めのプリン。
かといってボソボソしているわけではなく、舌の上をなめらかに滑る。
カラメルは爽やかな香ばしさで卵とミルクの風味と溶けあい、ジョルノの鼻を優しくくすぐった。
ジョルノは呻き、嘆息する。
「美味しい……!」
「だっろォーー!?」
「ですよねー!」
自然と顔がほころぶほどに、美味しかった。
仗助と早人はジョルノの表情を見て、口々に言った。
「だから言っただろー?」
「食べなきゃ人生損だよって!」
はい、とジョルノは頷いた。
イタリアにも、こんな素晴らしいプリンは存在しないに違いなかった。
プリンを作ったのは杜王町のレストランなのだと、早人が誇らしげに説明した。
何度も頷くジョルノに、仗助は言う。
「ほら、考えてること言えって」
「ああ、はい。イタリアに戻る前に、もう一度食べたいです。
 プリンも一人で一個、あと、お菓子以外の料理も、『トラサルディー』で」
甘い物が好きなナランチャも、ミスタも、トリッシュも、歓声を上げるに違いなかった。
「皆喜ぶと思います」
そりゃいいや、と仗助は笑った。
「幹部と、親衛隊と、あとこっちに来ているチームも連れて行きたい。
 ……すごい人数になります。お店は貸し切りにできるかな」
「大丈夫じゃねぇ? 普段あんまり客いないぜ」
「こんなに美味しいのに?」
「場所が悪いんですよね、墓地の近くだし」
それなら、大騒ぎになってもきっと大丈夫だろう。ジョルノは安心する。
「杜王に来たら、オレ達にも声かけろよなぁ。
 オレんちは無理かもしれねーけどよー、億泰んちならでけェから大丈夫。寄ってきなよ」
「ああ、それは……いいんですか?」
「いいって! 絶対!」
とても楽しそうだとジョルノは思った。暗殺チームの面子にも、杜王の住人に懐いているのが居たはずだ。

――そうだ、仗助の父親も杜王町に寄ってくれるだろうか。招待してもいいだろうか。
  それなら空条氏にも声を掛けてみよう。ポルナレフさんはきっと来てくれる。

ジョルノはいつになく明るい気分になって、脳裏には招待したい人物が次々と思い浮かんだ。
この新しい友人の陽気さは、ジョルノにとってとても優しく、眩しかった。
それに甘えてみようとジョルノは思う。
「食べ納めに、もう一口ください」
宣言して勝手にプリンを掬ったジョルノに、仗助が悲鳴を上げる。
「ギャアアアア! おま、それ一口か!? 取りすぎ! 取りすぎだって!」
喚きながらも、仗助はジョルノを止めようとはしなかった。
早人が爆笑した。

274プリン 5/8:2009/12/24(木) 23:13:43 ID:o5LxcFKo
「で、これからどうする?」
プリンを分けあって食べ終える頃には、休憩所はがらがらに空いていた。
今日の午後は試合が開催されない。参加者は皆、思い思いの場所へ移動したのだろう。
「ジョルノは明日の打ち合わせ、終わったんだろ? なら暇だよな?」
「ええ。相手が康一君ですから、それはもうスムーズに。午後は予定がありません」
「オレも。億泰は兄貴にくっついてるしよォー、あんまり一家団欒の邪魔しちゃ悪ィからなー」

そう言う彼から提案。
せっかくテーマパークがくっついてるんだし、遊びに行こうぜ?
と。

「早人はどうする? 母ちゃん達は?」
あー、と早人が眉を下げた。
「デートに行ってもらったよ」
おお、と仗助が目を丸くした。
「熱々だな」
「……うん。ママは『泊まりがけでお出かけ!』って張り切っちゃってさ。
 でもから回りして、2人でマゴマゴしてるから、デートしてきなよって言ったんだ」
早人はふくれた。
「僕をダシにしないで、たまには2人で遊べばいいんだよ! 本当、世話が焼けるんだから!」
じゃあオレらと一緒に行こうぜ、と仗助は笑う。早人は嬉しそうに同意した。
「ジョルノの仲間も一緒にどうよ?」
仗助がごく普通に誘った。彼らをギャングと知っているにも関わらず。
「人数多いほうが楽しいぜ!」
お前のとこの、あの白いスーツの人、クールでカッコイイよなぁ!
仗助は何の屈託もなく言う。
「彼、けっこう熱いし天然ですよ?」
答えながら、ジョルノは想像してみる。
テーマパークのロゴの入ったポップコーンのバケツを、首から下げたブチャラティ……いやアバッキオが彼の荷物を持とうとするだろう。
それにしょっちゅう手を突っ込むナランチャは、もう一方の手で風船の紐を握っている。
おまえ1人で食い過ぎだとアバッキオが怒る。
ミスタとトリッシュも買い食いに余念がなく、トリッシュは太ってしまうと嘆く。
フーゴは珍しそうに辺りを見回して、仗助を質問責めにするだろう。
仗助もイタリア人の自分たちに負けないくらい、背が高い。
図体の大きな青年達が、真昼のテーマパークを闊歩する。
ああ、その光景の、なんて明るいことか!
でも、ナランチャによく言っておかなくてはいけない、とジョルノは思案した。
観戦中から、彼はこの日本の青年の髪型に強い興味を持っていた。
下手なことを言わないように………するのは、至難の技だろう。岸辺露伴でも居ないかぎりは。
だからジョルノは答える。
「…うん、僕だけ行きます。いいですか?」
もちろん!と早人が笑った。仗助も。
バトルの開催は今日だけではない。
明日も、明後日も、まだずっと続く。

――だから皆とは、また行ける。いつでも行ける。そうだ、明日の試合が終わったら、皆で行けばいい。

275プリン 6/8:2009/12/24(木) 23:15:59 ID:o5LxcFKo
「思いっきり遊ぼうぜ、お祭りみたいなモンなんだからよォー!」
ああそうか、とジョルノは納得する。
これはお祭り。
「オレ、チョリトス食いてェーなー」
「僕は『世界一巡コースター』乗りたい!」
「『ポルナレフランド』!」
「『クラッシュマウンテン』!」
「夕飯は『ホルホースシュー』で食おうぜ!」
「わあ!それいい! あ、レッドホットチリペッパレードと時間かぶらないようにしなきゃね」
「“ロックと電飾の競演”なー。アイツ調子に乗りすぎて山車から落ちねーかなァ、心配だぜ」
「2人とも詳しいですね」
「ホテルの部屋に、ガイド置いてあったぜ?」
ゆうべ熟読しちまった、楽しみでよー、と仗助が肩をすくめた。僕も、と早人。
彼らは楽しむことに関して、ジョルノよりも長けている。
自分は何をしたいだろうかと、ジョルノは考えた。
遊園地に行くのは初めてだった。観覧車はあるだろうか? メリーゴーランドも?
楽しもう、とジョルノは思う。そして思ったままのことを口にする。
「楽しみましょう」
口にして、年相応の顔で笑った。
「本当に、楽しみです」
そう、これはお祭り。
ずっと続くお祭りなのだから。



END

276プリンおまけ 7/8:2009/12/24(木) 23:20:40 ID:o5LxcFKo

荒木ランドは、夜。

 * * *

「リーダーリーダー、夜8時以降は『大人の』荒木ランドなんだよ」
「一人で行け」
「えー。プロシュート〜、あれ、居ない」
「さっきペッシ連れて出てったっつーの! なんで気付かねェーんだよクソッ!」
「バトルフィールドの下見だとよー。せっかちだよなァ〜、しょーもねー。お、夕飯、ここどうだ?
“『魅惑の悪役ルーム』…セクシーなポールダンスと歌のショーで貴方のハートを圧迫祭☆夜8時以降はディナーとともに!”」
「許可しないィー! キャストの9割、男だろ絶対ー!」
「ディナー美味いよ? ほら衣装もナターレ限定verだしっていうかオレ出るし」
「み、見たくない……」
「衣装っつーかほとんど紐じゃあねーか!どこがナターレ!?」
「これに電飾が付くんだ、ベリッシモ華やかだろ」
「うるせーなお前ら…屋台の修理手伝えよ。ジェラートここ溶接」
「了解ソルベ。リゾット火花飛ぶからどいて。ギアッチョ、次壊したら1人で直せよ」
「……………わりィ。…なァ、看板変えねェ?『ジェラート&ギアッチョの激冷★スイーツ』って、
 ダサすぎねえかコレ。デザインもソープの看板みてーだしよォー…」
「ちょ、誰もオレの勇姿を見に来ないのか?」
「「「屋台なおすのが先」」」
「……リゾットー」
「………精一杯、稼いでこい。ここで見守っている」
「……うん頑張る」
ホテルの部屋で、大工作業は夜を徹して続けられた。


 * * *


「もしもしボス、ドッピオです。夜中にすみません、あのー、緊張しちゃって眠れなくて。指示の通り、ちゃんとプロフィール読みました。
 でもこのキラって人、何なんです……滅茶苦茶やばい人じゃないですか、ギャングよりタチ悪いですよ、連続殺人鬼なんて……僕どうしたらいいんですか。
 ちゃんとできるかなあ……それにこの女の子達……気合い入ってるにも程がありません? こっちの子なんて腕にタトゥー入ってますよ?
 バチカンの修道女も、面構えからして主役補正がバリバリ感じられるんですけど……ボス、ああもう僕どうしていいか、」
「早く寝なさい」
ぷつん ツー ツー ツー ……
「ああッ! ボスー!?」
嗚呼ドッピオ、そんなこと、私にだって分からないんだ!
ディアボロはどうにかして試合を回避したい。が、策が思いつかない。
ホテルの部屋で、彼らの苦悶は夜を徹して続けられた。

 * * *

スクティツはダブルのお部屋ですでに寝ている。
サレズケは飲みに行った。ついでに1部タウンの飾り窓をひやかしている。
ポルポは昼からずっとホテルのレストランに居座っている。もう一生ここに居たい。
チョコセッコは大人の荒木ランド、『チョコ先生のスプラッター・ハウス大人ver』ではしゃいでいる。

荒木ランドの夜は更けていく。

277プリン終了 8/8:2009/12/24(木) 23:22:45 ID:o5LxcFKo
お粗末様でした。
改行ミスった……読みにくくてすみません。長くてすみません。
うん、好きなんだ、プリン…あと5部…
ぶぉんなたーれ!荒木ランドは永遠!ノシ

278一巡後名無しさん:2009/12/25(金) 00:05:49 ID:XVWSobT2
GJ! ついニヤニヤしながら読んでしまった

279一巡後名無しさん:2009/12/25(金) 01:36:02 ID:ckO3qL6.
ベネなクリスマスプレゼントをどうもありがとう!
ホテル備え付けのガイドブック見たいよ欲しいよ

第8試合前のひとコマだったのかw
ボスのアドバイス的確なようなそうでもないような
ロンリークリスマスがほっこりあったかくなりました。グラッツェ!

280First・Experience 1/5:2010/08/11(水) 11:10:06 ID:PDqyIn8Y
ジョルディア
GER解除パラレル
ピュア15歳とダーティー33歳のハートフル同棲物語



西日の射すこの部屋は夕焼けを見るのに最適だな。
窓際に椅子を寄せぼんやりと外を眺めながら遅い昼食をとる。
重たい鐘の音が鳴ったかと思えば下の広場には学生たちが溢れてきた。放課直後は特に人の往来が激しい。
人の波が落ち着いた頃、両手に本を抱えた少年が遠く校舎の方から歩いてくるのが目に入る。
夕日を受けて一際目立つ金の髪。この部屋の主だ。


俺がここに来てから半年ほどになる。
当初は錯乱していたため記憶が少しばかり定かではないが…。少なくとも自分の名と境遇について、を思い出してから半年だ。

レクイエムを受け無数の死を味わっていた俺はある日偶然この町へ戻ってきた。

薄汚い路地裏で次の終わりを待っていた俺を見つけたのが、ジョルノ・ジョバーナ ―この町の住人兼学生、兼パッショーネボス― だった。
心身ともにボロ布のようになった俺を見かねてか、奴はレクイエムを解除しここ、学生寮に住まわせるようにした。
(後日、曖昧な状態で聞いた会話―恐らく幹部のミスタとのもの―によると路地裏でうずくまる俺の姿が「誰か」を思わせるものだったらしい)

ボスとなった後も学生を続けていたことには勿論、何よりここで俺と生活を供にすると知った時(正確にはしてきた、と気づいた時)には驚いた。
俺の監視には便利だったと言うがこの狭い部屋で男2人は慣れるまで大変だったんじゃあないか。

まあ、なんだかんだで奴には感謝しているな。落ち着いた今となっては人並みの生活を幸せだと感じられるまでになった。
以前の俺だったら些細なものとしか思わなかったろう。
この部屋からの眺めもバゲットも…。

281First・Experience 2/5:2010/08/11(水) 11:11:25 ID:PDqyIn8Y
「それ僕の夕食です」
いつの間にか家主が帰ってきていた。
こちらを一瞥すると、両手に抱えた本を机に置く。

「大量に借りてきたな」
積まれた本の中に今朝自分が注文した題を幾つか見つける。
「課題が出たんで必要になったんです。一度に借りた方が持って来るのが楽なので」
楽なのか?運搬が?なかなかに重量感があると思うんだが…まあ軽々と運んでいた奴が言うのだからそうなのだろう。
夕食に手をつけた詫びとしてココアを入れると(こいつは意外にも甘党だ)ジョルノが机の上を整頓し始める。
本を選別し、窓際に俺用の本を置いてくれる。自分のものは本棚の空きスペースへ。見たところやはりジョルノ自身の本より俺用の方が冊数が多いな。ありがたいことだ。

作業を終えるとジョルノは俺の注文したうちの一冊の文庫本を眺めるように開く。
そして思い出したように口を開く。
「そういえば先日、組織の本部に女性が尋ねてきたんです」
本部に直接…とすると要人か。女性はいたかな。俺の知る人か?
「――…さん、知ってますよね。もうずいぶんと呼ばれていないから挨拶に来たと言ってました」
聞き覚えのあるその名前に俺は苦笑いをするしかなかった。
「あ、そう…。それで?」
ココアを片付いた机に置くとジョルノが会釈をする。律儀な奴だ。
「それでも何も。ボスが代わって必要は無くなったことを伝え、帰ってもらいました」
「ほう」
懐かしいな。彼女は俺がかつてギャングのボスとして、いや男として「必要」としていた言わばプロの人だ。因みになかなかにグラマラスな美人だ。

何か言及されるかと待ち構えていると黙ったきり何も言ってこない。
ジョルノはブルーベリーのソースからココアへとバゲットの味を代えたようだ。
沈黙が流れる。
「…ジョルノは必要じゃなかったか、はは」かつての自分のプライベートを覗かれたような気まずさを振り払おうと軽口を叩いてみる。

282First・Experience 3/5:2010/08/11(水) 11:13:04 ID:PDqyIn8Y
沈黙は続く。
ちらりと対話相手を窺うとやたら細かくバゲットをちぎっている。そんな小ささではココアに浸した時持つ部分が無くなるんじゃあないか?
考えて、ふと気づく。
ほんのりと耳が赤い。
これは…今の会話でか?
「…僕はそういうのはいいんです」心なしかぼかした言葉で返答がくる。
ああ、さては。

「ジョルノもしかすると「そういうの」はまだか」あべこべにプライベートを覗いてやった小気味良さを味方につけ思い当たった核心をついてみる。
「いえ。人並みに、ありますよ」不自然なほど素早い返答だ。
つい笑ってしまう。分かりやすい奴だな。珍しく動揺を見せるということは「そういうの」に対して余程ウブなんだろう。
「いいじゃあないか。腹を割って話せよ。男同士だろう」
「ありますってば」少し語気が強まる。純情なわりに強情だな。

「いやーそうかそうか、ジョルノは童貞かー」直接的な表現を使うと奴の夕食はさらに小さくなった。
微笑ましい。もう少しからかいを続けてみることにしよう。しかし本当にそうか。
意外なような、そうでないような。
真似をして自分の昼食をちぎりながら相手に目を向けてみる。

と、奴はいつの間にか俺の側に立っていた。
穏やかながら毅然とした動作でバゲットを取り上げると手首を強く掴み俺の体を椅子から引っ張りあげた。
ああ、やり過ぎた、怒らせてしまったようだ。
ジョルノの次なる動作に内心少し怯えてしまう。
見た目に反して奴は腕っ節が強いのだ。
もう一方の手をどう持ってくるかに気を配っていると思いもよらない方向から脇腹辺りをつかまれる。
体が宙に浮いたかと思えば次の瞬間にはもう机に隣接した簡易ベッドに横たわっていた。

283First・Experience 4/5:2010/08/11(水) 11:14:36 ID:PDqyIn8Y
反射的に受け身を取ろうとした腕は見えない何かによってシーツへ縫い止められ
ている。
俺に遅れて奴がベッドへと歩み寄る。

自身のを失ってしまったため視認することは出来ないがどうやら今の一連の働きは奴のスタンドによるものらしい。

見えない圧力が無くなると同時に奴が俺に覆いかぶさってきた。
しまった、マウントを取られた。
さては念入りに殴るつもりか。
失言を後悔する一方、そんなに怒るようなことだったろうかと理不尽を感じる。
ナイーブな奴め。
乱暴に運ばれたためベッド縁で打った内股が痛む。

「…経験ぐらい……ありますよ」
頭上からは先ほどの会話の続きが聞こえてきた。
なんだ、まだ見栄を張るつもりなのか。
反論を許さない状況で議論をしようだなんて卑怯な奴め。だが俺は屈しないぞ。だいたいこんな行動をとった時点で僕は動揺していますと言っているようなも、

・・・・・・え、
驚愕で事態の把握が遅れたが頭上にあった奴の顔との距離は0になっていた。
おい、何やってんだこいつ。
固まる俺の眼前には金に縁取られた蒼い瞳があり、そこに呆けた表情の男が映っていた。
「どうしたんです、キスぐらいで情けない顔しちゃって…アンタこそ初めてだったとか?」
言ってやったぞ、みたいな顔をしているけれど…何言ってんだこいつ。
これはどういうことなんだ。
先程までの議論と今のこいつの言動はどう繋がるんだ?
疑問に対して明解な答えを与えてくれたのは出題者の奴自身だった。

俺の衣服が少したどたどしい様子でまくりあげられていく。
胸板に落とされる口づけは先程議題にしていた行為の始まりを予感させるに十分なほど色のあるものだった。
ああ間違いない…こいつは俺との『実戦』で経験の豊かさを示そうとしているんだ。
だがしかしこれはちょっと…いや、だいぶまずいやり方じゃあないか…他でもない俺にとって…。

284First・Experience 5/5:2010/08/11(水) 11:17:21 ID:PDqyIn8Y
ごめんこうむるとばかりに抵抗するも腕は動いてくれない。
見ればまくりあげられた衣服は手首の辺りでツタ植物に変わりベッド縁と仲良く結び付いていた。
便利なスタンドだと感心する気持ち半分、一張羅を失った悲しみ半分。
どちらも、首筋に這う舌の感触で即座に焦りへと変換された。

「待て、ジョルノ!お前は大きな思い違いをしている!」たまらず大声をあげてみる。
失言以降しばらく話していなかったため声はなんとも情けない調子になってしまった。
「…! 手順が違うとでも言うんですか。マニュアルに従ってやるだなんて馬鹿らしいと思いますよ」
馬鹿はお前だ!手順どうこうではなく相手からして間違えているんだよ。長い髪をしちゃあいるが俺は男で綺麗な面構えしたお前も男で…。
いや、そもそも童貞で無いことを示すため行為に及ぶって…結果オーライ思考じゃあないかそれ。
ああしかし、男同士はカウントに入るのか?

奴に言ってやりたいことはいくつも頭の中に浮かんでくるがその中の一つだって口にすることは出来なかった。
ビギナーズラックと言うべきか、奴は実に俺のツボを見つけるのが上手く…。
意図しない声を抑えるのに俺は必死で口をつぐむしかなかった。
まあそれも無駄なあがきだったわけだがな。

結果を言うと俺はこの年にして『初体験』をしたことになる。

――――――――――――――――――――――――――――

ああ、少年よ。名実ともに経験豊かな大人から一つだけアドバイスをあげよう。

気を配るべきは最中の相手のポイント探しでもなければ、事後のシーツの処理でもない。
何より先に確認しなければならないのは壁の厚みだ。ここが何処であるかだ。

おめでとう。

隣室にいた学友たちによって、明日からお前はプレイボーイの称号を手に入れる。

おめでとう、ざまあみろ。


おわり
突如として新ボス×旧ボスに萌えたぎった勢いで書いた
親子ほどの年齢差いやっほう!

285一巡後名無しさん:2010/08/11(水) 21:51:54 ID:yhNNmW2Y
最後のオチでお茶吹いた
案外いい勝負じゃないか新旧ボスw

286一巡後名無しさん:2010/08/25(水) 13:04:08 ID:uxbiw71M
「誰か」っていうのが過去のジョルノ自身なのか昔助けた憧れのギャングなのか、
はたまた他の誰かを指すのか考えると夢がひろがりんぐ

ボス、焦ってるならもっと本気出して抵抗しろよw

287一巡後名無しさん:2010/10/22(金) 00:38:53 ID:wJnMk6NQ
なんだこれ!なんだボス可愛いじゃあないか好きだ

288混部専用スレより 仗助+ジョルノ妄想 1/1:2010/12/02(木) 23:54:00 ID:wKXIcIOU
混部専用スレで出た、仗助+ジョルノの治療班コンビネタに萌えたあげく
妄想が暴走して書き散らかしたらこんなモノが出来ました
勢いで書いたので誤字脱字はご容赦下さい

直接投下するには勇気がなかったので
ワンクッションの意味を込めうpロダにあげる形を取っています
この形式に問題があるようでしたら申し訳ありません

ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/55064
パス:jojo

仗助+ジョルノのつもりでしたが、どう見ても×です
過去捏造、スタンドの独自解釈がありますので、苦手な方はご注意下さい
この二人は本当に萌え和む

289一巡後名無しさん:2010/12/03(金) 11:07:01 ID:tPQ8OEAM
>>288ぐっじょおおおおおおぶうううううううう!!!
こんな治療班コンビを待っていた…!
マッパ自重しないギャングスター様さすがです
そしてミスタ乙www

290一巡後名無しさん:2010/12/05(日) 15:16:35 ID:Q2GNBNE2
>>288
GJすぎる
これは素晴らしい

291一巡後名無しさん:2010/12/06(月) 22:31:26 ID:WXmSUqyo
>>288
あああああめっちゃ萌えた!
疲れもふっとんだよありがとう!GJ!!
ミスタは本当に乙ww

292一巡後名無しさん:2011/05/06(金) 01:14:36 ID:PG113jHg
燃えスレの過去ログを読んで辛抱できずにやらかしました
先にこの場をお借りしてお詫び申し上げます

tp://www1.axfc.net/uploader/File/so/62564.txt
パス:jojo

直接投下しなかったのは意外と長くなったからです…
内容は燃えスレ1のゲブ神&ハンドVSパープルヘイズ&サン戦です
カップリング要素は無い…はずです
初めて書いた散文なのでどうかご容赦ください
偉大なる先達である皆さまに多謝!

293一巡後名無しさん:2011/05/07(土) 09:21:38 ID:DOBZWHo.
>>292
GJ&乙です。
このカードを再び見れる日が来るとは。
凸凹で好きなタッグだったので非常に楽しかったです。
発想が戦局を左右するスタンド戦闘も良かった。
どっちのタッグもお疲れ様、と労いたくなりますね。

294一巡後名無しさん:2011/05/07(土) 22:45:18 ID:tZBKs/lc
クオリティ高いなあ
カプなしと注意書きして、棚投下でも良かった気がする

295一巡後名無しさん:2011/05/08(日) 07:59:29 ID:3sAVZpdk
初めて書いたと思えないいい戦いでした
やっぱりスタンドバトルは面白いなぁ

296ジョセフとブチャラティの誕生日を祝う名無しさん:2012/09/27(木) 22:29:08 ID:BG/Tudqc

    ┗衝撃┓
      ┏┗  三  ┗衝撃┓
               ┏┗  三

297ジョセフとブチャラティの誕生日を祝う名無しさん:2012/09/27(木) 22:30:22 ID:BG/Tudqc
ごめんなさい、誤爆しましたorz

298一巡後名無しさん:2013/01/07(月) 00:34:58 ID:San.om7s
誰か変態な承太郎×DIO様の話し書いてくれる人知らない?

299一巡後名無しさん:2013/01/07(月) 12:33:52 ID:EH2XTFq2
自分で書くか同人で探せ

300一巡後名無しさん:2013/01/07(月) 22:14:35 ID:v.puLD52
行き過ぎた妄想スレ辺りで熱くシチュエーションを語れば触発される人も出てくる   か も

301一巡後名無しさん:2013/01/08(火) 21:01:43 ID:SM2Cuh8.
ソレダ!
がんばれ>>298

302一巡後名無しさん:2013/04/15(月) 20:50:45 ID:HcM3bprk
ずいぶん前の話になるけどやっぱりプロシュート&ティッツァーノvs花京院&オインゴは熱かったよなぁ
続きはもう投稿されないのかな……

303一巡後名無しさん:2013/04/19(金) 11:59:11 ID:3ZHG.YqM
>>302
自分もその話は好きだったから続きを書いてくれたら読みたいわ

304一巡後名無しさん:2013/05/13(月) 21:02:57 ID:sIViwrqM
>>302,303
おまおれ。自分も未だに続きを諦めきれず、毎度期待しながらココ覗いてる
あの緊張感と疾走感、そして間に挟むギャグのクオリティときたらもう…

305一巡後名無しさん:2013/05/14(火) 00:50:22 ID:hdT03MwM
もうネタがあるなら書いちゃっていいと思うの
中断時点を第一分岐としてのIFネタとして

306一巡後名無しさん:2013/05/19(日) 21:49:53 ID:cGmj7Hvw
勝手に続きを書くっていうのはあんまり賛成できないかなあ
それに正直あの書き手さんだからこそのクオリティーだったわけで・・・

307一巡後名無しさん:2013/09/27(金) 13:35:59 ID:JNllHTDM
>勝手に続きを書くっていうのはあんまり賛成できない
同人界に居て何を言ってるんだお前は

308一巡後名無しさん:2013/09/28(土) 18:48:12 ID:5Yo13Xsw
投下された作品の続編より
他のチームのSSを書いてほしいなぁ
みつを

309一巡後名無しさん:2013/09/28(土) 23:32:43 ID:TTJq3pyA
>>307
お前が何を言っているんだ


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