したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

(*`Д´)ノ!!!スレ的オリジナル・ネット小説販売所

1名無しさん@おーぷん:2015/05/12(火) 10:27:24 ID:ORiTd2es
ここは(*`Д´)ノ!!!スレ的オリジナルネット小説を販売しております。ベンツくん関連・余談雑談・東亜等々から湧き出た小説など、貴方のオリジナル溢れる作品を発表し、読者が購入していく場所です。こちらの通貨は、感想やレスが代金となっております。皆様、よろしゅう。楽しんでね♪

※その他のルールは、サブ板ルールに準じます。
※人の嫌がること、ダメダメダメヨー。
※コテさんを登場させるときは、あらかじめ、そのコテさんに了解を得ましょう。それがきっかけでトラブルになった場合、本人同士で解決ヨロ。解決の自信が無い方は、設定を変えましょうネ。
※エロを投稿する場合は、題名や冒頭に【エロ注意】など入れて下さい。エロの基準がわからない場合は、その旨表記。
※ネット小説のオススメなどは、小説スレでご紹介お願いします。
こちらは、オリジナル作品発表となっています。

じゃんじゃんバリバリ書くんだよ(*`Д´)ノ!!!

167アマデ:2015/08/11(火) 09:07:33 ID:rn7vLXEM
イザベル様
私この図書館知ってますw
ステキな建物なんですよね〜
って自信をもって言えるくらいはっきりと脳内再生できます
まるで、匂いまでも思い出せそうですw
時間の流れがあきらかに扉の向こうと違う空間
ん〜〜〜んステキ♪d(*⌒▽⌒*)b

168イザベル:2015/08/12(水) 14:48:30 ID:9M9GsIHY
Labyrinth Library 第4回 迷宮をまもる人々

個性的な図書館をまもるのは個性的な人々である。
あまり社交的でない私は、まだこの迷宮の守り人達とは話す機会が持てないでいる。そんな私をまるでメール越しに見透かしているかのように、親友は彼らについて生き生きとした描写を届けてくれる。
守衛席に居ることの多い、熊谷さんと相嘗さん。ふたりとも司書兼守衛で、ときどき迷いこんでくる非会員の人々を、物柔らかにかつきっぱりと、通せんぼする。まるでお父さんと話してるような気がするとは彼女の弁、相嘗さんの得意分野は写真・印刷編集デザインである。後者についてはさすがの親友も絡みようが無く、もっぱら写真集を紹介してもらうのだという。「素敵なオオカミの写真」という彼女のリクエストに、相嘗さんが教えてくれたのはブランデンバーグ『ブラザーウルフ』だ。彼女は駐在先にもその写真集を持って行った。熊谷さんの場合は、歴史。司書席の隣の木製の回転椅子になぜか熊谷さんが座っていて、そのときのテーマ札は「海戦」。親友は喜びのあまりテーマも気にせず相談者席に座ったらしい(彼女のことだ、話の糸口はうまくつかむのだろう)。サラミス、レパント、アルマダ、トラファルガー、日本海…数々の有名な海戦を手製の資料に面白い挿話を交えて解説してくれたそうだ。
女性司書は三人。優しいお姉さんのような音山さんは音楽全般に詳しい。こんな曲なのですが、とハミングしたら曲名を教えてくれたりするとか。特に鍵盤楽器が得意で、この図書館の音楽関係の蔵書は古典が中心であるけれども、実はドラマや映画の主題曲からゲーム音楽にいたるまで豊富な知識を持つ人らしい。舞台芸術に強いのは天出さんだ。オペラ、演劇、ミュージカル、バレエ、舞楽、能楽、文楽…およそ舞台上で演じられるものは何でも彼女の守備範囲だとのこと。明るく表情豊かな人である。そして、会員の顔をすべて覚えているという噂の伝説の司書、風見さん。文学全般に詳しくて、目元の涼しい、きりっとした女性だ。その眼差しに湛えられているのは強すぎる光…。厳しいひとなのである。だが、親友はこの風見さんと特に仲が良いみたいである。あるいは彼女が一方的に風見さんに懐いているだけなのかもしれないが。

169イザベル:2015/08/12(水) 14:50:02 ID:9M9GsIHY
あるとき、巡回整理中の風見さんがとある書架で立ち止まったまま小刻みに肩を震わせている姿に遭遇した親友はしのび足で近づき、ささやいた。「風見さん、なにしてるんです?」それまで必死で笑いをこらえて読みふけっていた風見さんは急にいつものクールな表情に戻り、手にした本をぱたんと閉じて、その本の背表紙を親友の鼻先に突き出して言った。「P・G・ウッドハウスの『それゆけ、ジーヴス』この最終章の面白さは大人じゃなきゃわからないわね。あなたも早くここまであがってらっしゃい」
口をとがらす彼女に、後で司書席に来たらいいわよ、と言い残して風見さんは背筋を伸ばして悠然と歩き去った。その後、司書席でなにがあったか。貴女ならきっと夢中になるんじゃないかしら、この図書館の蔵書には無いけれど、と言いながら風見さんは彼女に有川浩『図書館戦争』を紹介した。それ以来、親友は有川作品に夢中だ。

そして最後に、忘れてはならない人がいる。謎の人物“リチャード”。
「君はもうリチャードに会ったか?」とわが親友。なんと大げさなと思いながら、外人さんが司書席に居るのは見たことないよ、と返信すると
「数ヶ月間姿を見せないときもあるからね、あの人は。リチャードは正真正銘の日本人」

170イザベル:2015/08/12(水) 14:51:07 ID:9M9GsIHY
落ち着いた物腰、上品な面差しの初老の男性、軽くウェーブのかかったふさふさの銀髪。整髪料は使わずに、あくまで手ぐしで整えましたという感じの、ロマンスグレーの君、あだ名はリチャード(親友母による命名である)。
元会社経営者で悠々自適らしい。
職員ではないらしい。
よく木製の回転椅子席に座っているが、いつも出している札が違う。「和歌」とか「絵画」、「般若心経」だったりするらしい。
リチャードが「和歌」の札を出しているときに親友のお母さんが話をしたらしい。リチャード・ギアのリチャード。机に肘をつき左右の指をゆるく合わせ、まっすぐにこちらの瞳を見つめて恋の歌の説明をしてくれると、内容も頭に入ってこないほどドキドキしてしまうらしい。ある冬の日、親友母はリチャードのタートルネックの黒いセーターにブラウンツィードのジャケット姿に魅せられ、自分の夫に同じ格好を要求しようとしたらしい。
名前はシノダらしい。
親友の話を聞いていると、まるで司書席の近くで張り込みをしていたのではないかと思ってしまう。さぞかし目立っていたことだろう。高校生会員はほとんどいないというのに。…ということは私も目立っているのか!なんだか緊張してきた。ふるまいには気をつけなくては。リチャードに関する話を続けよう。
リチャードは自由奔放なので風見さんに監視されているらしい。
風見さんからはミスターと呼ばれているらしい。
「ミスター、その書類はそこではなく、こっちです」と叱られていたことがあるとか。
木製の回転椅子席で居眠りするリチャードの肩に、風見司書が定規で通りすがりにピシッ!まるで禅寺における座禅修行を見るようだったとか、椅子に座ってくる〜んと回っているところを風見司書にガシッと正面向きに固定されていたとか。テーマ札は三角柱を横にした型式なのだが、リチャードが席についてその札を置くときに、うっかり反対向きに置いたのをめざとく見つけた親友。そこには「くどくの禁止、くどかれるのも禁止」と手書きで書いてあった。あれは多分、風見司書によるものだと。その手書きの訓示はリチャードが気がつくまで、しばらくの間デスクの上でさらしものになっていたとか。
 そのほか、前庭の手入れをリチャードがしているところを見かけたこともあると親友は言う。そのときはオールドローズの手入れに関する講義を受けたそうである。

171リチャード:2015/08/12(水) 15:04:20 ID:kIRjo6Jg
ワシ、カッコ良すぎじゃね?
本当のことだから仕方ないね、監視付きもねw
(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

172名無しさん@ベンツ君:2015/08/12(水) 15:19:46 ID:D6IEXZJ6


♪o熊o.。oO(リチャード…カクイイ…
(* ゚(エ)゚) 、、、
( つ旦O) (。゚o゚)
と_)_)∈ミ∞ノ

173モニカV3:2015/08/12(水) 15:25:48 ID:fsWHlKiE
風見女史、面倒くさそう〜〜〜(*`Д´)ノww

何だか、どこかで会ってるようなデジャヴがするのですが、きっと気のせいですよね(;^_^A

174はるか:2015/08/14(金) 02:39:03 ID:iRZ/huec
司書役ーー(゚Д゚;)  知識ないですー(~_~;)
考えてもいなかったので恐れ多いですが、出演できてうれしいです(∩´∀`)∩
 
風見さんとリチャードさんのやりとりは、エルミタージュでのお話とリンクしていて
面白かったです♪(・´∇`・)ノ〝ε=ε=φ
反対向きに置いてしまったテーマ札・・
リチャードさんは一体いつ気づいたんでしょう(∩´∀`)∩

175イザベル:2015/08/14(金) 09:13:30 ID:uzfHfhsc
>>174
ハルカさん、読んで下さってありがとうございます
リチャードはね,
わざと間違ったわけじゃないけど、まわりの反応楽しんでたんですよきっと( ゚д゚)
で、風見さんがあわてて訂正させたとおもいますね(^.^)

176アマデ:2015/08/14(金) 10:27:47 ID:OIQNA35s
おーΣ(・口・)司書!
お任せ下さい(*`Д´)ノ



ごめんなさい<m(__)m>嘘つきました<m(__)m>

音山さんステキ♪風見さんステキ♪
リチャードさん、余裕あるステキなオジサマ♪
「くどくの禁止」だけじゃないとこもいいですねww
さすが風見さん、ちゃんとツボは抑えてるわけですね(o≧▽゚)
熊谷さんと相嘗さんも渋いですね♪
司書も守衛もこなすなんて、出来る男たちだわ♪
おまけにイケメン(*^-^)

本を楽しむのに疲れたら、図書館の人達の観察
おもしろそうですね〜♪

177イザベル:2015/08/18(火) 23:14:08 ID:6zc5LCFI
Labyrinth Library 第5回 図書館の君

その日私は、物語の各帖に登場する衣装などの染めが再現されているという『源氏物語の色事典』(吉岡幸雄)をお気に入りの場所で読みたくなり、本を抱えて2階へと向かった。この本によると、源氏物語は”紫の物語“である。桐の花も、藤の花も、元服のときの元結の紐も紫。源氏の君の婚礼の日に左大臣は、元結の紫が色あせぬように(わが娘から御心が離れぬように)と願う。日本人は昔から大事なものは丁寧に包み込む。お姫さまも美しい色で幾重にも包まれる。桜襲(さくらがさね)の美しさといったら、女の子なら誰しもうっとりとしてしまうことだろう。でも私は葡萄襲(えびのかさね)も高貴な感じがして好きである。布だけでなく紙の染めにも目を奪われる。立文とは美しく染めた紙に書いた手紙をさらに別の紙で包んで上下を折り返したもの。その立文には季節の花の小枝を添えたりする。手紙を細く折って、直に小枝に結ぶのも略式だが風情がある。現代ならば過重包装だといわれてしまうのだろうが、大切な物ほど麗々しく包みたいと感じる気持ちは今も昔も変わらない。それをもったいない!と一刀両断されるのは少し納得がいかない。
窓辺の猫足の革張椅子に座って王朝の雅びを堪能し、そろそろ家に帰らねばと思いつつも“葡萄襲”に影響されたのか、その前にあの木製の美しい壁付燭台を眺めてから、と思った。その燭台には葡萄の模様の透かし彫りがされていて、鉄柵門の葡萄柄といい、よっぽど葡萄が好きだったのであろうこの洋館の主の念の入れように感心する私だった。その葡萄柄の燭台が取り付けられているのは音楽の書架の横の壁である。音楽は好きだけれど音楽関係の書籍はあまり手にすることが無い。私がその書架をめざすときはただもっぱらその燭台を眺めたいときである。今日もそのためだけに私はそこへと向かった。

そして、あのひとがいたのだ。

天窓から差し込む柔らかな光を受けながら
そのひとは
端正な横顔をみせて、永遠の書架にたたずむ。
その細くしなやかな指先がたどる先にはいったい何が書いてあるのだろう
あのひとはなにを読んでいるのだろう

頭に浮かんだその文章に自分自身でどぎまぎして、そしてほとんど同時にそのひとがふと顔をあげたので、私は思わず書架の陰に隠れてしまった。書架に本を戻すコトンという音がして、また別の本を取り出す音、コトンという音・・・そしてしんと静まりかえった。
書架の陰からのぞくとその姿はすでになく、あわてて通路に出てみると、そのひとは軽快な足取りで階段を降りていくところだった。司書席の前を通り過ぎるときにさっと手をあげて挨拶し玄関へと向かうその暗緑色のジャケットの背中を、私は2階の手すりから身を乗り出して見送った。

178イザベル:2015/08/18(火) 23:14:55 ID:6zc5LCFI
その日帰宅してから、私はすぐに親友へメールを送った。翌日彼女から返信があった。
───そのひとを“図書館の君”と名づけるべし
そうする!
───どんな人?身長・体格・顔立ち・服装・声を報告せよ
お父さんよりは背が高かったと思う。細身。横顔しか見てない。鼻のラインが綺麗だった!服装は暗緑色のコーデュロイのジャケット。コーデュロイじゃなかったかもしれないけど、そうあって欲しい。白い高めの襟が見えてた。ブラウン系のズボン。声なんかわかるわけない。
───次はいつ会えるのか
わかるわけないでしょう。
───名前を司書さんに訊いたりしたらダメだよ。規約に反する。
そんなことしないよ。司書さんとろくに話したこともないし。
───どんな本が好みなのか
これは・・・知りたい。がんばってみる。

 図書館の君に出会って以来、今まで以上に足しげく私は迷宮図書館へと通った。もう守衛席の熊谷さんにも緊張せずに挨拶できるようになった。まず2階へ上がって回廊から1階の書架を眺め回す。あのひとがいたらすぐに見分ける自信がある。そして音楽の書架のあの場所に行く。ひょっとしたらまた会えるかもと思って。残念ながら空振り続きであるが。そこはバロック音楽の書架で、中でもあのひとが立っていた場所はバッハの楽譜棚だった。バッハが好きなのかな?どの楽譜を眺めていたのだろうか。適当に手に取るにしても、どれにしようか。とにかく大量にあるのだ。
「なにかお探しですか」
やさしげな声に振り向くと、音山司書が笑顔で立っていた。
「いえ、なんとなく眺めていただけです」と私はあわてて手を振って答えた。
「なにか楽器は演奏なさるの?」
「ピアノを習っていますけど、あまり真面目な生徒ではなくて・・・」
Jポップ音楽のほうが弾いてみたいなあ、などと思いつつ漫然と続けている習い事だ。
「バッハの鍵盤楽器作品の中ではピアノ独奏曲も好きなんだけど、コンチェルト(協奏曲)も素敵なのよ」
ええと1000番台だから、と言いながら音山司書は楽譜の背表紙を目で追って、一冊の楽譜を書架から取り出した。
「このチェンバロ協奏曲第一番BWV1052、BWVというのはバッハ作品番号のことで、全作品に番号が割り振られてるの。現代ではチェンバロではなくてピアノで演奏されることが多くて、私もそのほうが好きですね」
音山司書はあたりを少しうかがって、他に誰もいないからいいわよね、とつぶやきながら
「第1楽章の出だしはこんな感じ。ほんとはもっと速いけど」
そういって、楽譜を目で追いながらハミングしてくれたのだ。
「第2楽章は暗いのよね。きれいなんだけど滅入っちゃう。第3楽章が一番わたしは好きなの」
ら〜ららら・ら・ら・ら・・・・
アレグロだからもっと速く歌わないとだめだけど無理だわ、と楽しそうに言いながら音山さんは楽譜を元の場所へと戻した。
「わたしも第3楽章がいいです。第1楽章もドラマチックだけど、第3楽章のほうが疾走感があってかっこいいですね」
「そうでしょう?機会があれば演奏を聴いてみてくださいね」
そして急に生真面目な口調になって音山さんは続けた。
「私どもの図書館では、器楽独奏譜以外にもオーケストラやアンサンブルの総譜のコレクションも充実させております。館内でその曲を聴きながら目で楽譜を追うという楽しみ方は残念ながらしていただくことはできませんが、館外でたっぷりと聴き込んだうえで、頭の中で再生しながら総譜をながめてみる、というのも一興ですよ」

その日私は、さっそくユーチューブでBWV1052を聴いた。

179ポール:2015/08/18(火) 23:33:36 ID:odUSPqAY
その君は誰なんだ( ゚д゚)
よくそこまで勿体ぶった書き方ができるな、イザベル。謎が謎を呼ぶ展開、続きを期待してしまうね。音山さん なんかとてもしっかりしているぞw

180モニカV3:2015/08/19(水) 00:00:51 ID:M5a.mORk
その気持ち、分かります!
何故だか自分でも分からないけど、大事なものを見つけたと雷に打たれたような瞬間て、あるんですよね!
理由なんて全く分からないのに、ハッとしてしまう自分に狼狽えるというか…

言葉も交わしたことの無い、見た目は全く好みでは無い男の子に一目惚れした経験がある私には、主人公の気持ちがダイレクトに伝わって来ましたw

181イザベル:2015/08/19(水) 07:25:38 ID:4z0mm7vs
ポール、モニカ、読んでくれてありがとうございます(^.^)
バッハの君は30歳前後?という設定なので
渋好みの女子高生ですねw

182アマデ:2015/08/21(金) 13:10:13 ID:g5pU6yWQ
>そのひとは軽快な足取りで階段を降りていくところだった。
地下?地下に行ってるの?ワクワク♪o(^o^o)(o^o^)oワクワク♪

乙女の心をさらっていく人
わかるわ〜理屈じゃないんですよねw
そこだけキラキラしてるの☆^∇゜)
音山さんとは親しいのかしら?
きになる〜〜www
音山司書はやりますねーこういうことですか?
https://youtu.be/sGHgLvb5PYE
イヤホンなら音楽聴いてもおkにしてほしいですねp(´⌒`。q)

183イザベル:2015/08/21(金) 13:41:47 ID:3aIo4MKM
>>182
アマデさん、読んで下さってありがとうございました(^.^)
階段は1階と2階をつないでいます
半地下については番外編でw

イヤホンは・・・カシャカシャ音をうるさく出してなければ
私の仕事先でも認められております
ですが、このラビリンスでは建物と蔵書とそこにいる人の気配を
常に感じて欲しい、という気持ちが私にはありますので敢えて、禁止w
妄想図書館ですから(^.^)
イヤホンしてると
「ワタシに話しかけないで」というオーラを出してしまうから( ゚д゚)

184はるか:2015/08/21(金) 20:16:25 ID:QKKdnHzw
横顔の素敵な図書館の君に、また会えるといいですね(・´з`・)/
本を戻すコトンという音が響く、この静寂な場とは対照的な主人公の心の中が面白いです

音山さん すごいですね ポールさんの言う通りしっかりしてる!
クラシックに詳しそうだし優しい(・´з`・) 

曲をを覚えた上で楽譜を目で追うというのも楽しそうですね。

バッハをハミングとは楽譜を見てだったのですね 
すでにバッハの作品が頭に入っていてハミングする場面を想像していました。

私もユーチューブで聴いてみたけど、1・3楽章が好きです。
2楽章は聴いているうちに何度も意識なくなりました(・´з`・)/
楽しく読みました。ありがとうございます(∩´∀`)∩

185JB:2015/08/21(金) 21:22:21 ID:e2.wsmsw
>>184
はるかさん、読んでくれてありがとうございました(^.^)
コンチェルトも聴いてくれたのですね
すごく嬉しいです
あの1・3楽章をアレグロでハミング
ぜったい難しいですよね( ゚д゚)

いまから続き投下します

186イザベル:2015/08/21(金) 21:28:23 ID:3aIo4MKM
Labyrinth Library 第6回 君をたずねて

今日も会えないのだろうか。階段を上がるのも億劫である。いつもなら聞こえてくる書物からの呼びかけもいっこうに心に届いてこない。背表紙をただぼんやりとながめながら1階の書架の間を歩き回る。滅多にないことだが一冊の本も選ぶことができずに、閲覧席に座り込んだ。つまらない。もう帰ろうかな。そのときである。なんとなく視線を感じてふと司書席のほうへ目をやると、例のあの回転椅子に…

リチャードとおぼしきその上品な紳士が、肘をつき顎のあたりで両手を組みながら、微笑みを浮かべてこちらを見つめていた。そしてその組んだ両手の片方でかすかに手まねきしたのだ。私はあわてて、自分の背後を見回した。わたし?紳士は頷いている。なにか叱られるようなことをしていただろうかと不安になりつつ、私は相談席へと歩いていった。するとその紳士は、さっと立ち上がって優雅な物腰で椅子をひいて、どうぞ掛けて、と言った。
「あ…ありがとうございます」
叱られるわけではなさそうである。
「可愛いお嬢さんとお話しできるのはひさしぶりだ」
茶目っ気たっぷりにウィンクする。私は思わず机に出ていたテーマ札の裏側をのぞきこんでみたが、例の訓示は無かった。そのとき、紳士の左手がのびてきてかたんと札を裏返した。訓示が…あった。札をもとに戻してリチャードは、すまし顔にちょっと大げさな身振りで胸に手を当てて言った。
「もうここに、しっかりと刻み込んであるからね」
 リチャードの腕時計は素敵だな、と眺めながら同時になんで自分は呼ばれたのだろうかと思った。
「いや、あなたがつまんなそうにしていたものだから。私もちょうど、つまんないな〜と思っていたところでしてね」
「あ、はい…」
「放課後にこの図書館に来るとは、良い趣味をお持ちですね。最近の女子高生はみんなでパフェ食べに行くとかケータイいじってばっかりなのかなと思っていたけど」
初対面なのに話しやすい人、はいるものだ。先ほどまでの緊張はどこへやら、私の口はなぜかまわった。
「学校でずっと一緒なのに放課後も、というのは息が詰まるというか、別に仲が悪いわけじゃありませんけど。家に居てもメールで常につながってる、そんな必要もないと思うし。クラスメイトにはこんなこと言えませんけど。でもひとり、そんな話も出来て、本の話も出来る友人がいるけど、今その子は海外に住んでるんです。この図書館を紹介してくれた人なんですけど」

187イザベル:2015/08/21(金) 21:29:45 ID:3aIo4MKM
「さびしい?」
「そんなことないです。ひとりで本読むのが好きだし。でもまあ少し…」
「おとなの人と話せばいいんじゃない?」
「え?」
「ここの司書さん達のことですよ。わたしは職員じゃないけど」
「このまえ音山さんと話しました」
「あの人、素敵な声してるでしょ。ここの司書さん達、面白い人がそろってますよ。隣にいる人なんか、噛むほどに味が出るんだから」
司書席の風見さんが、書類仕事をしながらこちらを見て、ぼそっと、わたしはスルメじゃありません、と言った。
 リチャードは、ほらね、今日のテーマについて少しくらい話さないと怒られちゃうかなあ、と言いながら足元をごそごそして何かを取り出そうとしていた。私はあわててテーマ札を確認した。「絵画」。
「あなた絵は好き?」
「くわしいわけじゃありませんけど。観るのはわりと好きです」
「好きな画家は誰ですか?」
困った。嫌いじゃない、という程度なのに。ふと思いついて、私は答えた。
「ユトリロとか」
「これはまた渋い好みですね。どうして好きなの?」
「ただ美術の教科書に載っていて、素敵だなと思って。それにこの図書館の建物の壁の色が似ているし」
「なるほど。それは気が付かなかったな。他には?」
必死でひねりだしたのは、フェルメール。
「真珠の耳飾の少女、ね。あの絵はファンが多いですね。日本の画家はどうですか?」
思いつかない。この人の絵はどうかな、と言いながらリチャードは一冊の展覧会の図録を取り出してぱらぱらと頁をめくり、私のほうへ開いてよこした。その頁に載っていた絵の題名は「青柿」。青々とした葉と実をつけ、枝垂れかかる柿の木の枝が画面いっぱいに描かれ、その枝の下から黒猫が顔をのぞかせている絵であった。
「猫はね、そこにいるだけで主役になってしまうから。この『秋晴』も」
本物はもっと大きくてもっと色鮮やかだけど、というリチャードの声を頭の上でききながら、わたしはくいいるように図録をながめた。リチャードがまた別の頁を開いてみせてくれた。さまざまな植物の絵。
「根元の部分を描きこまない、こういう描き方は西洋人には無理なんじゃないかなと私は思うのです。専門家じゃないから適当に言ってるだけですが。すっきりとして美しいですね。西洋絵画の植物画は大抵、花瓶にいけてあるとか、切花として机の上におかれてるとか、花束になっているとか、そのようなのが多いように思います。地面に植わっている植物なら根元や地面のあたりを埋め草のように描きこむ事をしなければ、西洋人は気分が落ち着かないのではありませんかね」
「着物の柄、のようです」
「まさにそんな感じです。我々日本人なら、すんなりと美しいと感じますね」
私は図録の表紙を確認した。画家の名前は「山口華楊」。
「2階に行っていろいろ探してみたらどうかな」
わたしは丁寧に御礼を言った。席を立つときに、リチャードがまた恭しく椅子をひいてくれた事はいうまでもない。

188イザベル:2015/08/21(金) 21:31:37 ID:3aIo4MKM
 少し前までのつまらない気分はどこかに吹き飛んで、私は意気揚々と2階へ上った。絵画の書架でその画家の画集を見つけると壁際の椅子に陣取ってゆっくりと堪能した。ほかの画家もみてみよう。きょうはまだ時間があることだし。そしてふたたび日本画の書架へ戻ってみると、あのひとがいたのだ。見覚えのあるジャケット。いくらなんでも話しかける勇気は無い。不審がられるだけである。でも、本の趣味を探る、それくらいなら許される、はず。

 壁にもたれ画集を広げながら私は観察を続けた。一冊の画集を熱心にながめている。そしてぱたんと閉じて書架へ戻し、通路のほうへ出て行った。わたしが確認できたその画集は熊谷守一という画家のものだった。回廊へ出てみると、“図書館の君”は玄関へは向かわず、歴史の書架の間に入っていくのが見えた。
 会いだしたら、会えるものだ。私の“調査”はとんとん拍子にはかどった。ヨーロッパ史、なかでもイタリア史に興味があるらしいとか、現代日本の文筆家では、串田孫一や辻邦生を好んでいるようだとか。自然と私もそのひとが読んでいた本やその周辺にある書物を手にとってみるようになった。塩野七生のイタリア著作集のうち、そのひとが手に取ったのは『わが友マキャヴェッリ』『海の都の物語』『コンスタンティノープルの陥落』であったが、私はその隣の『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』というなんとも華麗な題名に引き寄せられた。いま私の本棚にはその文庫版が置いてある。そして串田孫一と辻邦生、このふたりの書き手の紡ぎ出す美しい文章に私はずっと魅了されている。辻邦生作品の並ぶ中に『永遠の書架にたちて』を見つけて、私は運命を感じた。
熊谷守一の画集は勉強机のすぐ手の届くところにいつも置いてある。

会えないとつまらないとか、そんな気持ちは無くなった。
会えたときは、“図書館の君”あなたは私の水先案内人、そう思う。
でも一度くらい言葉を交わしてみたいな、とも思う。

189イザベル:2015/08/21(金) 21:32:44 ID:3aIo4MKM
その日私は、初めて舞台芸術の書架へ行き、ある目的があって書物の背を目で追っていた。
「なにかお手伝いしましょうか」
明るく親しみのある声に振り向くと、司書の天出さんが立っていた。話をするのは初めてである。
「こんにちは。雅楽の舞台写真をながめたくて探しているんです」
「雅楽ですか。ええとこのあたりかな」
この図書館の司書の人と話すと何かいいことが有る、もう心からそう思うようになった私は思い切って話し続けた。
「源氏物語が好きなのですが、紅葉の賀の場面で、源氏と頭の中将がふたりで“青海波”を舞うんです。それを見たくて」
「なあるほど青海波ね。これに載ってるかな。あ、ありますね」
その写真集は大判で手で支えるには少し重く、天出さんは平台のところへ持っていった。自然と天出さんとふたりでながめることになったが、まったく緊張していない自分に驚いた。
「青海波は滅多に演じられないと聞いたことがありますよ。なんでも衣装を用意するのが大変だという話でしたけど。たしかに豪華な衣装ですね」
「天出さんは雅楽の舞を観たことがありますか」
「一度だけあります。宮内庁式部職楽部の公演」
「ああ、うらやましいです。どうでしたか」
「雅楽の舞は、腕の動きがシンプルだけど、だからこそ衣装の美しさが決め手だと思いましたね。左右の袖で模様が違っていて、向きを変えただけでも万華鏡みたいに華やかさが変化したり。足さばきは腕にくらべて躍動感があります。そして面をつけての舞。ひとならざるものが舞うまるで異空間に自分がいるように感じましたよ」
ゆっくりごらんになってね、そういい残して天出さんは立ち去った。 やはり宮内庁の人が舞うのを観てみたいものだと思いながら、私は本を棚に戻し、1階へと下りていった。
 「源氏物語絵巻」の図録を書架から出して閲覧席に向かう途中、“図書館の君”が司書席で風見さんと言葉をかわしている場面に遭遇した。玄関へと向かうその後姿を見送って、私はお気に入りの閲覧席で図録をしばらく楽しんだ。もうそろそろ帰らなくてはと図録を書架へ戻し、きょうはリチャードが居たので、相談席まで行って挨拶をして玄関へ向かって歩いていると、私の背中を、抑えた感じの静かな声がおいかけてきた。
「今度の土曜日3時ごろに来てみたらどうかな」
振り返ると書類を抱えた風見さんがいて、きょとんとする私を置いたまま立ち去った。
なにか高校生向けのイベントでもあったかなと首をひねりながら、私は迷宮図書館を後にした。


「教えてあげたんだ。風見さん、優しいねえ」と篠田は言った。
「だって彼女、しょっちゅうついてまわってるんだもの。走り出したいのをこらえている姿がいじらしくて。でも決して話しかけることはしないし、図書館の外へまでついていこうとはしない。そのあたりがきわめて常識のあるお嬢さんだと思うの。高校生会員は少ないから目立っているのに気がつかないのかしら。それに・・・私は彼女の親友から頼まれてもいますから」

190平泉:2015/08/21(金) 22:20:23 ID:LIviZhg6
寝ながら考えたにしては構想が固まっていますね、分かり易さの中の隅々にまで貴女の思いの丈が込められています。主人公が高校生というのが私を蘇らせたのですが、私の檄文と違って女性としての細やかさに満ち溢れています。この後の展開次第では、この迷宮図書館は稀代の名作になると思われます。私は神代から現代までを1000ページで書ききったのです。時間が掛かっても貴女は
じっくり仕上げて、皆を愉しませてほしいです。
貴女ならきっとできますでしょう。
頑張って下さい(。 ゚д゚)ノ♫

191イザベル:2015/08/21(金) 22:44:57 ID:3aIo4MKM
平泉先生、講評ありがとうございますm(_ _)m
あと一回分と番外編で終わる予定なのです( ゚д゚)けれど

先生、みじかすぎますかっ(´;ω;`)

192平泉:2015/08/21(金) 22:59:40 ID:LIviZhg6
イザベルさん
時の流れを止めるくらいのものができる予感がしますよ。私の1000ページは足らなかったくらいだと後悔しています。もはや私は書くことが出来ないのです、お分りでしょう。生きているうちに生きた証しを遺せる人は少ないのですよ、貴女はそのチャンスを自分の手で手繰り寄せたのですよ。
是非、書ききっていただきたいものです。

193アマデ:2015/08/21(金) 23:32:02 ID:g5pU6yWQ
>すまし顔にちょっと大げさな身振りで胸に手を当てて言った。
>「さびしい?」
リチャードってなんてステキなんでしょう.....ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♪
風見女史もナイスフォロー
からかっちゃダメですよ、ミスターww
ナイスコンビですね(o^∇^o)ノ

しかし、イザベル様博学ったらないですね♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
“青海波”は本物?の雅楽はようつべでしか見たことないですが
宝塚の「源氏物語」では必ずと言ってもいいほどそれっぽい場面が出てきますww
もちろんもっと早いですが何となく振りは似せてるように思います(^^♪
衣装も…豪華ですね♪

お疲れ様でした(≧∇≦)ъ

194モニカ:2015/08/21(金) 23:42:33 ID:NUWcUy..
何やらエラい先生が降臨されてて、書き込んで良いのか迷いますが、私だって読者だい(*`Д´)ノ!ということで、参入w

背伸びして出入りする大人の空間に、本当は少し緊張していた高校生ヒロインを、リチャードのふわりとした温かさがリラックスさせる辺りも、読者の緊張をも解く役目を果たしていて、実にいいですね
チラチラ出て来る司書達も、僅かな出番なのにその人柄や雰囲気まで上手く描写されてて、ニヤニヤしちゃいます
風見女史は、まず間違いなく声が低目でしょうねw

あと一回と番外編でたたむご予定ですか?
でも、この迷宮図書館は、ここを舞台に無限の物語が紡がれそうです♪
この舞台設定だけでも、良書になることは決定したようなものかと

妄想、万歳(*`Д´)ノ♪♪♪

195アマデ:2015/08/21(金) 23:47:04 ID:g5pU6yWQ
>>193
自己レス
>もちろんもっと早いですが
は、テンポがということです(^^♪
もちろん、オーケストラが演奏しますけどねwww

196JB:2015/08/21(金) 23:47:37 ID:3aIo4MKM
>>193
アマデさん、読んでくれてありがとう(^.^)
博学なんてとんでもないノシノシ
ようするに自分の好きなモノを詰め込んでるだけなんです
妄想だから(ノ´∀`*)
好きなモノと好きなヒトに囲まれたい
ただそれだけなんです(*`Д´)ノ

197JB:2015/08/21(金) 23:52:50 ID:3aIo4MKM
またあげちゃったorz

>>194
モニカさん、読んでくれてありがとう(^.^)
きちんとした女性がきちんと幸せになって欲しい
小笠原貴子さんもこの女子高生もw

モニカの声、アルトなんやね(^.^)

198リチャード:2015/08/21(金) 23:59:27 ID:LIviZhg6
それはとても贅沢な望みだね(。 ゚д゚)ノ
例え妄想でも実現できるって、素晴らしいことだよね(^∇^)

199はるか:2015/08/22(土) 00:09:40 ID:30foWIcQ
主人公の心はまわりの大人たちにお見通しだったのですね。
これからの事の流れを温かく見守ってくれそう
いいところで終わっているのでますます続きが楽しみです(・´з`・)/

200イザベル:2015/08/27(木) 08:46:56 ID:qeP.B/ic
Labyrinth Library 第7回 迷宮に導かれて

土曜日、午後2時。特にイベントらしきものの案内は出ていない。風見さんの教えは絶対に守ったほうが良いとなんとなく感じて、私は迷宮図書館へとやってきた。守衛席には相嘗さんが座っていた。親友からの依頼をお願いしなくてはならない。厚かましいと思われませんように。
───こっちのクラスメイトが日本の花とか自然の風景のきれいな写真をみせてくれってウルサイの。相嘗さんに何かお勧めの写真集を教えてもらってくれない?それと熊谷さんには戦跡ガイドみたいな本をたずねてほしい。週末に親とよく見て回るんだけど、歴史事情がわかってないとまるでチンプンカンプンなの

「こんにちは。お願いがあります」
「こんにちは。なんでしょうか?」
「友達から頼まれたのですが、相嘗さんに写真集を紹介してもらいたくて。あの、『ブラザーウルフ』の写真集を紹介してもらった子です」
「ああ、覚えてますよ。気に入ってくれたかな?」
「今、外国にいますが、あの写真集を一緒に持って行ったそうです」
「それは、お薦めした甲斐がありました。で、今度はどんなのがご希望なのかな?」
相嘗さんは心から嬉しそうにそう言ってくれた。こんな様子を見せてもらえると私もお願いしやすい。
「向こうの学校の友人から、日本のきれいな景色の写真を見せてと言われてるらしくて」
「きれいな景色、かあ。ちょっと漠然としてるね」
「すみません。花とか自然とか、とは言ってましたけど」
「なるほど。外国人がわかりやすいのはやっぱり桜、かな。あとは山なら日本アルプスか。里山の風景も知って欲しいし、神社やお寺もいいよね。よし、僕が外国人に紹介するならここを見せたい、こんな感じで選んでもいいでしょうか」
「はい、お願いします」
「承知しました。ただ、今日はこの席を離れるわけにはいかないのですが、急ぎますか」
私はあわてて言った。
「いいえ、来週になっても全然かまわないです」
「ありがとうございます。では来週、声をかけてくれますか。何冊か選んでおきますから」
 相嘗さんに御礼を言ってから、私は歴史の書架へと向かった。3時までにはまだ時間がある。とりあえず熊谷さんを探さないと、と思っていたら運の良いことに熊谷さんは歴史の書架の整理中であった。頭の中で言いたい事のリハーサルをしてから、私は話しかけた。

「あの、すみません。相談があります」
熊谷さんは書架整理の手を止めて立ち上がった。
「なんでもお手伝いしますよ」
「会員である友人がいま外国に住んでいて、両親が戦跡をめぐるのが趣味でよく出かけるそうなんですが、歴史の解説が詳しくて役に立つ本を紹介して欲しいと言うのです」
「お友達はどこに住んでいるの?」
「英国です」
「英国かあ。古代ローマ支配下だった頃のハドリアヌスの壁の遺跡とか見てみたいな」
熊谷さんは書架に並ぶ本の背に目を走らせながらそう言った。英国内限定のガイド?それともヨーロッパ大陸も含めて?そう訊かれて私は困った。その点については彼女は何も言ってなかった。すると熊谷さんのほうから助け舟を出してくれた。
「飛行機なら数時間で移動できるんだからきっと大陸へも行くよね。もし僕だったら絶対に行くから、英国版と大陸版と両方探してみようか」
熊谷さんは数冊の本を選び出して渡してくれた。どれも皆、面白そうな本で、私は友のためにきちんとメモを取った。
私ははたと気が付いた。これで、リチャードを含めてこの図書館の主要人物全員ととおりいっぺんでない会話を交わしたことになる。ひょっとしてわが親友は、本音を語り合える数少ない友と離れた私のことを心配して、この迷宮図書館の人々と交流をもつように仕向けていたのではないか。私はすこし胸が熱くなった。帰ったらメールしよう。でもきっと彼女のことだ。帰ってくる返事はこうだろう。
───キミの事、そんなに気弱なヤツだと私が思ってるわけないでしょ
そうこうするうちに3時になった。でもどうしろというのか。館内放送がかかるわけでもない。風見さんに聞く、それしかないだろう。私は歩き出した。

201イザベル:2015/08/27(木) 08:48:00 ID:qeP.B/ic
司書席へと向かう私の足は突然止まった。
なぜなら、回転椅子に“あのひと”が座っていたのだ。
「バロック音楽」の札を出して。

私は司書席の風見さんがこちらを見ているのに気づいた。口元にかすかに微笑みを浮かべて。呆然と立ち尽くす私の肩にやさしく手が置かれて、リチャードの声がした。「お嬢さん。ご案内いたします」

 リチャードが椅子をひいてくれて、私はすとんと腰を降ろした。“図書館の君”は本やCDを鞄から取り出す手を止めて顔を上げた。そのひとは、一瞬おや?という表情を浮かべたあとに、穏やかな笑顔でこう言った。
「こんにちは、私は朝倉といいます。バロック音楽がお好きですか」
素敵なバリトンの声。切れ長の瞳。すっきりとした面差し。

(友よ、友よ、どうか力を貸して)

「あの、あんまり、じゃなくて全然、バロック音楽のことはわかってないのですが」
ちょっとでも興味が持てればと…最後は尻すぼまりにささやくようになってしまった。
「バッハとかヴィヴァルディとか聴いたことはありませんか」
そのときふと思いついたのだ。友の力か、音山さんのおかげか。
「バッハの、チェンバロ協奏曲第1番を最近聴きました。いい曲だと思いました」
ユーチューブでだけど…と心の中で思った。音山さんに紹介してもらったあとも時々聴いていたのだ。すると朝倉さんは、それはちょうど良かった、と言ってふたつのCDを見せた。
「きょうのサンプルとしてまさにその曲を持ってきたのですよ。チェンバロでなくてピアノによる演奏のほうが私は断然好きでして」
音山さんも確かそう言っていたな、私はぼんやりと思い出した。私が聴いたのはチェンバロのほうだ。朝倉さんは2台用意されたうちの1台のヘッドフォンを私に渡しながら言った。
「第一楽章を、2つの演奏で聴きくらべてみましょう。1曲聴きとおすのは時間がかかるので編集してきました」
朝倉さんはそう言って、私にヘッドフォンをするように身振りで示した。

音楽が流れ出す。
私は正面に朝倉さんが居ることが気恥ずかしくて、ヘッドフォンをしたまま伏し目がちになっていたのだが、ピアノと弦楽器が紡ぐ美しい音の連なりに呆然となって思わず朝倉さんの顔を見つめてしまった。朝倉さんは、頷いてくれた。

音が突然中断された。朝倉さんは笑いながら、私の顔に不満げな表情でもあらわれていたのか、ごめんね最後まで聴きたいだろうけどもう1枚のCDのほうも聴いてみてもらえるかな、と言った。

演奏が始まった。最初のCDに比べてテンポが随分と速い。ピアノの演奏は指がよく回ってとても上手なのはわかるけど。なんだか物足りない。全然良くない。

202イザベル:2015/08/27(木) 08:48:59 ID:qeP.B/ic
どうだった?感想を好きに言ってみて、と朝倉さんに言われて、私は考え考え頭に浮かんだままに話した。
最初の演奏のほうが断然好き、であること。
チェンバロによるものしか知らなかったが、ピアノのほうがずっと表情豊かな演奏になると思ったこと。
ピアノに弦楽器が寄り添うような感じ、がしたこと。ピアノの音が、真珠の粒が転がっているみたいだったこと。

 朝倉さんは真剣な表情で、私の感想に耳を傾けてくれていた。そして、わたしも最初の演奏のほうが好きですよ、と言って話を続けた。
「最初のは非常に有名なピアニストで、後のは若手のピアニストです。そのほかに弦楽オーケストラの持ち味の差とかそんなことは置いておくとして、もっとも大きな違いは“弾き振り”かそうでないか、という点にあるのではないかと私は感じます」
「ひきふり?」
「ピアニストが自らも演奏しつつ、指揮もしているということです」
「そんなことができるのですか。ほとんど両手はふさがっているのに」
「ピアノを囲むように弦楽器群を配置してピアニストは客席に背を向けて弾きます。目で合図したり。コンサートマスターはピアニストの手元も見るのでしょうけど。すごいですよね」
「演奏を聴いていて、お互いに様子をうかがっているというか、うまく言えないですけどそんな気がしました」
「会話している感じ?」
「そう、そうです。そうか、だから優しく音符が絡まっているような感じがするのかなあ」
「優しく絡まる、素敵な表現です。蔦の絡まりとか、アラベスク模様とか、美しく織り上げたタペストリーを思い浮かべました。これは参ったな」
朝倉さんは軽く声を立てて笑った。そして、装飾音符を知ってますか?と言った。私はピアノを習っているので、知っていると答えた。
「この名人ピアニストは楽譜には無い装飾音符を自由自在に入れているようです。それが真珠の転がるような印象を与えたのかもしれませんね」
私が第3楽章の疾走感が好きだと言うと、朝倉さんは、では第3楽章を最後まで通して一緒に聴きましょうといってくれた。演奏を聴きながら目の前の朝倉さんと視線を交わすことに、私はもう気後れを感じなくなっていた。
ヘッドフォンをはずした後も頭の中で音楽が鳴り続けている。そんな私に向かって朝倉さんは、もう一曲準備してあるけれど聴くかどうかたずねた。ひとりでこの席を独占していてよいのだろうかと一瞬考えて周囲を見回したとき、司書席の風見さんと目が合い、風見さんが頷いてくれたような、気がした。私は、ぜひお願いしますと答えた。

203イザベル:2015/08/27(木) 08:49:58 ID:qeP.B/ic
「今度はバッハのヴァイオリン作品を聴いてもらいます。有名な“無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ”からパルティータ第2番のシャコンヌです。3人用意しました。いずれも名ヴァイオリニストです」
「無伴奏?」
「ヴァイオリン1本による演奏です。短い旋律をもとにした変奏曲になっています。最初の20小節くらいをアーヨ、シェリング、クレーメルの順に聴いてみましょう」
なんて華麗で緊張感にあふれた旋律。私は呆気にとられてしまった。なんだか凄いものを聴いているような気がした。そして演奏者が替わるたびに、曲の印象も大きく変わることに驚いた。言葉を失っている私に朝倉さんは何もたずねずに、次は中間部の華麗なトレモロの部分です、と言った。
これがヴァイオリン1本による演奏だというのか。とても信じられなかった。激しく美しく、心の底をえぐるような…
放心状態でヘッドフォンをはずした私に、朝倉さんはたずねた。
「どうでしたか」
「ヴァイオリン1本で弾いているということが信じられません。圧倒されました」
無伴奏なのでテンポの揺れもなにもかもが弾き手の自在である。どの音にアクセントをつけるか、どの音をためるか、どの音で切るか、弓使い、ヴィブラートのかけ方、それら次第で大きく印象が変わる。そしてこれは弦楽器の特性ですが、と朝倉さんは続けた。音を増幅することができる。たとえばピアノの場合、鍵盤を叩いて出した音は減衰していくばかりであるが、弦楽器は弓使いで音を切らずに大きく強くしていくことが可能である。重音を出す場合、楽器の構造上、弓で同時に捉えられる音は2つなので、3重音の場合は微妙にずれて発する和音となり、4重音は2音づつ2段階で鳴らす。これが劇的な効果を生む。そして3人の演奏を朝倉さんなりに短く表現すれば、
アーヨ 典雅・洗練された
シェリング 端正な
クレーメル まるでジャズ、没頭の境地、衝動と理性の間を行ったり来たり…

 「一気にしゃべってしまいましたね。混乱させたかな」
朝倉さんは気遣わしげにそう言った。
 「そんな事ありません。いま私、猛烈に感動しています」
 「じゃあ、最後に誰かひとりの演奏を通して聴きましょうか。10分以上かかるけど」
クレーメルの演奏を私は選んだ。理由は、話しを聞いていてなんとなく朝倉さんがそれを今聴きたいのではないかと直感で思ったからだった。朝倉さんは、渋い選択だと驚いていた。私はといえば、3人の演奏家のCD全てを両親にねだることをすでに心の中で決めていた。朝倉さんはクレーメルのCDのジャケットを私に見せた。
「かっこいいでしょ?バッハの自筆譜を使ったデザインになっています。この図書館の建物の壁の色みたいです」

204イザベル:2015/08/27(木) 08:51:04 ID:qeP.B/ic
いま立ち上がったら、ふらついてしまうかもしれない。そう感じるほどに、私は余韻に浸っていた。私の求めに応じて、朝倉さんはCDのリストを手書きしてくれた。
『J・S・バッハ ピアノ協奏曲全集』
アンドラーシュ・シフ(指揮・ピアノ)
ヨーロッパ室内管弦楽団

『J・S・バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』
フェリックス・アーヨ
ヘンリック・シェリング
ギドン・クレーメル(注2005年録音版)

「楽しかったです。バロック音楽、ヴァイオリンという楽器が好きになりそうです。ありがとうございました」
「こちらこそ楽しんでくれてありがとう。この間“現代詩”について高校生の男の子と話す機会があって、その子の感性に感心したことがあります。世代の違う人と話すのは実に楽しい」

 朝倉さんと会話ができて嬉しかった。でもそれ以上に新しい世界が目の前に広がったことが嬉しかった。わたしは音楽の書架へ行って、バッハの無伴奏の楽譜を探し、パルティータ第2番シャコンヌの頁を開いた。すごい。こんな音符構成になっているのか。まぎれもなく一本のヴァイオリンが鳴っていたのだなあ、と思った。
 1階へ降りてみると、図書館の君の姿はもう消えていた。朝倉さんが最後に言っていた事を思い返してみた。朝倉さんは現代詩にも詳しいのか…と考えてからふと思った。
 ひょっとして、そういうことではなくて…
私は司書席の風見さんのところへ向かった。

今日は快晴。お日様も応援してくれている。私はいつものように鉄柵門の葡萄模様の手触りを確かめて、中へと入った。玄関まで続く小道を、見覚えのある背中が先に歩いていた。やった!神様、ありがとうございます。
「こんにちは、朝倉さん」
振り返ったそのひとはにっこりと笑って言った。
「おや、僕の道楽に先日付き合ってくれたお嬢さんですね」
「きょうはデビューの日なんです」
「え?」
「どうぞ、あとでいらしてください」
朝倉さんを残して私は走り出した。

守衛席の熊谷さんに挨拶をして、わたしは司書席の風見さんのところへ向かった。風見さんはいつもの冷静な表情で言った。
「準備はできております。どうぞこれをお持ちください」
私は渡されたものをもって回転椅子に座った。向きを間違えないように慎重に確認して「源氏物語」と書いた札を机の上に置いた。

おわり

205イザベル:2015/08/27(木) 08:52:54 ID:qeP.B/ic
Labyrinth Library 番外編 守り人たちの休息

数ヶ月に一度の待ちに待った「特別館内整理日」がやってきた。
ここ迷宮図書館の謎の半地下部分は、もっぱら職員(篠田さんを含む)たちの慰労のために使われている。
グランドピアノはあるし、すわり心地の良い応接セットもあるし、ミニキッチンもあるし、ダイニングテーブルセットもある。洋館には裏庭があり、欅と樟の森を背景としたテラスがある。職員それぞれが好きなように休憩時間を過ごしてよいことになっている。
 「特別館内整理日」は迷宮図書館オーナーから特別にご褒美がでる日である。(もちろん図書館会員にはただ通常の“館内整理日のため休館”と通知されている)
 どんなご褒美かというと・・・
オーナーの計らいで、オーナー自身が長い付き合いのある名店「リストランテ葉山」からケイタリングランチが届けられるのである。葉山夫人ことマダムリーフはソムリエとしてワインを給仕する以外は皆と一緒にランチを楽しみ、その後の後片付けは葉山氏とそのスタッフにまかせて迷宮図書館の面々と好きに過ごしてよい事になっている。マダムリーフは会員なのである。彼女は来月「耽美派」の札を用意して回転椅子席に座る予定である。
どうも午後からは、お茶の時間以外は階上の図書館で下調べに忙しいことになりそうである。
3時のお茶はティーマイスターこと篠田さんの担当である。友人が関西で日本茶専門店を開いていて、その人がもっぱら趣味で紅茶の自家ブレンドを作るらしい。その茶葉を使って、極上のお茶を淹れてくれるのだ。
そうそう、篠田さんと迷宮のオーナーは旧知の間柄で、ふたりとも「信州家具工房森居」のサポーターでもある。
特別館内整理日は、相嘗さんが少し忙しい。なぜならば、オーナーから「職員たちの様子」「館内・館外の様子」「森居製閲覧机の収まり具合」がわかる写真を撮影して送るように、と要求されるからだ。
 食事のあとは思い思いに過ごしてよい事になっているが、大抵はピアノの周りに集まることが多い。音山さんは気兼ねなくピアノを弾けるので嬉しそうだ。熊谷さんや天出さんと簡単な連弾を楽しんだりもする。篠田さんと風見さんと天出さんが、音山さんの伴奏でミュージカルナンバーを披露するときはいつも大喝采である。今年は天出さんの提案がオーナーに受け入れられそうな気配である。それは、会員がCDやLPレコードを持参し、蔵書の楽譜をながめながら音楽が聴けるような予約制音響室を作る、というものである。
 迷宮図書館はゆっくりと、だが確実に進化している。

番外編おわり

206リチャード:2015/08/27(木) 10:21:20 ID:lUgC7g1Y
リチャードの一人語り

リチャードで生きるのも大変だよ、ぐでることが出来ないからね…
昨日は自分の秘密を公開しちゃったから、今日も爆弾発言しちゃおう(。 ゚д゚)ノ
ワシの名は、辛抱、辛抱暇有って言うのさ。忘れてもいいけどw

あの高校生いい体験をしてるよね、将来が楽しみだよ。
でもね、純粋だから少し心配なところもあるな。
ワシくらいの歳になると日本がまだ貧乏だった頃から高度成長期、
円高の嵐、楽しかったバブル期そして失われた何十年と、戦後の復興期以外は
全部経験しているから、世の中の多少の変動は問題としないのだが、これからの
日本はワシら爺も経験したことの無い大激動期を迎えるからね。
彼女のような若者たちを守ってあげねば。

話は戻るが、デカダン趣味に走るのでなければ、文化・芸術・芸能・音楽を知ることは、
人生の楽しみだし、人間としての巾も広げることになるから良いよね。
ぐでたま はデカダンか?( ゚д゚)
いいや違う、あれはもう芸術の域に達しているとワシは思うよ。

おっと
あの娘が来たぞ、リチャードに戻らねばw

「お嬢さん こんにちは」
「今日の服は一段と貴女を大人に見せてますね」...

207イザベル:2015/08/27(木) 11:01:05 ID:qeP.B/ic
リチャード辛抱さん、読んで下さってありがとう
お話自体も楽しんでいただきたいけれど
弦楽器の魅力がすこ〜しでも伝わったら嬉しいな(^.^)と思って書きました

ぐでたまはデカダンではありませんよね
デカダンは
見るものにある種の嫌悪感を感じさせることもある・・・ような(・◇・。)?ワカランケド
ぐでたまを見て脱力したり、放心( ゚д゚)する人はいるでしょうけどw

208葉山夫人 ◆8d/HDubVr.:2015/08/27(木) 11:53:51 ID:xpf8lYXs
今日のメニューには、パステル色で取り揃えたマカロンや
ベリーのミニタルトと、いつもと違う
少し華やかなスイーツも用意してみましたの。

ローストビーフサンドイッチやアボガドとトマトのサラダなども
用意してあります。
読書の合間に気軽につまめるような、ジンジャークッキーも
用意してありますよ。
今日の紅茶は、ウバです。ゴールデンリングを楽しみたい方は
ストレートティーで。ミルクティーでも美味しい紅茶ですから
ミルクも用意してありますよ。

料理のリクエストがある方は、写真や料理本も添えて教えて下さると
私も楽しみもよりいっそう増えて、嬉しいですわ。
そうそう、この前、耽美派ジュエリーという本があるって知ったんですが
こちらの図書館にもちろんありますよね・・・・・・?


イザベルさん(*`Д´)ノ!!!
ありがとうございますm(_ _)m
昼下がりのひととき、贅沢な時間を楽しみました。
音響設備も整っている、図書館。すばらしい。
よい音楽を聴くためには、よいスピーカーと音響設計も
贅沢のひとつですよね。

オススメしている音楽をかけながら読むと尚、味わい深い(*`Д´)ノ!!!
面白かったです♪♪♪

209イザベル:2015/08/27(木) 17:46:11 ID:qeP.B/ic
葉山夫人、読んで下さってありがとうございます
『耽美派ジュエリー』もちろん置いてございます
ウバのゴールデンリング初めて知りました( ゚д゚)

リーフさんお手製のお料理・お菓子
ぜったい美味しいだろうなあと常々妄想しておりました
よってこのようなご登場の仕方とあいなりました(^.^)

210モニカV3:2015/08/28(金) 13:44:14 ID:IEImkbq2
ヒロインじゃないですが、読み終わってからすぐに感想をまとめたら、ふらついてしまいそうだったので、少し時間を空けました(*`Д´)ノ

これは、良いですね
何に例えたら良いのでしょう?
少女が、初めて触れる芳醇なワインのような大人の世界に、心も体も惹かれて行くような物語、とでも言いましょうか
何か、ヤラしい書き方かしらw

ヒロインは、情熱の赴くまま、どっぷりとクラシックに嵌り、そして他にも新たな世界へ続く扉はないかと探すのでしょう
その胸に、源氏物語という、自分の淡い想いを託すかのような本を抱えて…

リチャードも書いてますが、終わりのようで、終わりじゃないですね
実際に次があるかどうかは別として、ヒロインの物語は始まったばかりなのですね
素敵な、〆でした


番外編、これなんてパラダイス(*`Д´)ノ♪♪♪
葉山夫人はきっと、時々着物で来られると思います
その髪には、榮さんの簪をさしてね♪

211イザベル:2015/08/28(金) 17:54:42 ID:J2sccBKU
>>210
モニカV3さん、読んで下さってありがとうございます(^.^)
貴女の書いてくださる書評を読むと勇気りんりんわいてきます

御礼に番外編その2、ささげますm(_ _)m

212イザベル:2015/08/28(金) 17:56:21 ID:J2sccBKU
Labyrinth Library 番外編その2 ロンドン便り

 あの図書館を紹介するのはどう?と言い出したのはわが母だった。
いや、正確には
「リチャードを紹介したらいいかもしれない」
とわが母が言い、
「そうか、風見さんにお願いすればいいんだ。お母さん、冴えてる!」
とわたしは答えた。
一見、会話が成立していないようではあるが、これでいいのだ。

 私の英国行きを知って以来、親友は懸命に普段通りを装っているものの、確実にため息指数が上昇している。こんなことでは困る。心配でおちおち英国生活も楽しんでいられないではないか。父と母と私は彼女を迷宮へと招待することに決めた。親友よ、君は自分ひとりでご両親を説得したと思っているだろうけど、うちの両親から事前に根回しがされていたのだよ。黙っててごめん。でも終わりよければすべてよし。いや、おわりじゃないよね。メールから君がどんどん変貌を遂げていることが伝わってくる。再会の日が楽しみ。

「風見さん、というわけでわたしの親友のガーディアン、お願いします」
私は拝むように手を合わせて風見さんに頼んだ。
「わたしは、この図書館の規約を守りつつ、すべての会員が心地よくこの場所を共有できるように努めるだけです。あなたがしばらく姿をみせないとなると、わたしの背後霊がいなくなるわけで、肩こりも少しは改善されるかしら」
風見さんはわざとらしく自分の肩を揉んだ。
「背後霊だなんてひどいな〜。だって風見さんの後についていったらなんかいい事起こるんだもん。仕事の合間にこっそり読んでる本はみんな面白そうだったし」
風見さんは書き物する手を一瞬止めて片方の眉をあげて、じろりと私をにらんだ。
「あなたなら、ロンドンだろうが、アラスカだろうが、どんな最果ての地ででもやっていけそうね」
「わたしの親友、すごくいい子なの。でも気弱なところがあって心配なんです」
風見さんは、今度はため息をついて完全にペンを置いて言った。
「あなたはロンドンでの生活を楽しんで、見聞を広めることだけを考えるようになさい」
この言葉をきいて私は安心した。風見さんとは連絡は取れないけれど、あのひとが約束を守ってくれた事は、親友のメールを読めばわかる。
サンキュー、風見さん!
                              番外編その2 おわり

213モニカV3:2015/08/28(金) 22:15:07 ID:IEImkbq2
素敵な番外編を捧げて貰っちゃったので、御礼にこれまで書くタイミングを見計らっていた感想を☆

リーフさんが開設されたこのネット小説販売所スレで、一番大きな成果は、間違いなくイザベルことJBさんという作家が誕生した事だと思います
なんとまあ、豊かな世界観をお持ちでいらしたことか!
こんな素敵な才能が、これまで隠れていて、ご自身ですら気がついておられなかったなんて、殆んどそれは奇跡のような気さえします
図書館スレでJBさんの背中を押した一人である私も、まさかここまで本格的な才能をお持ちだとは露知らずw

非常に高い美意識をお持ちで、かつ、豊かな経験を余すことなく描写出来る語彙も携えておられて、どうしてJBさんが、ここに来るまで、書かずに居られたのかが不思議でしょうがないですw

リーフさん、やりましたね!
リーフさんがご用意なさったスレで、こんなにも素敵な花が咲きました(*`Д´)ノ♪♪♪
リーフさんを始め、偽アカヒさんや私は、ここに来る以前から小説を書いた経験がある人間ばかりなので、このスレの成果はJBさんだと思うのです

ネットという、ある種バーチャルな筈の仮想空間でも、人と人との交わりにより、こんな素敵な事が起きることもあるのですね

JBさんはきっともう、書く楽しみを忘れることは出来ないでしょう
家族や長年の友にすら、中々伝えられなかった胸の内に舞う思いを、創作という形で世に出す喜び、そして読者からの反応という手応えの喜びを知ってしまった人間は、もう決して知らなかった昔には戻れないのだと思います


JBさんの他にもうお一方、卵の殻を内側から破りそうな方がおられますが、そのキャラクターに反して(?)、新たな世界への旅立ちに逡巡しておられるようですが、まあ、こういう類いの事は余り周囲がやいのやいのとせっついても宜しくないことなので、そっと見守っておきましょうww


イザベルJBさん、素敵な作品群を読ませて下さって有り難うございます
私は、貴女のファンです

214辛抱暇有:2015/08/28(金) 22:33:26 ID:219ipuS6
ワシか(;; ゚д゚)ノ...

215モニカV3:2015/08/28(金) 22:44:48 ID:IEImkbq2
ウフフ、さあて、どなたのことでしょう?♪

216JB:2015/08/28(金) 22:48:52 ID:J2sccBKU
V3さん、ありがとうございますm(_ _)m
お話を書くようになって、ちょっと脳の老化が止まったような気がします( ゚д゚)
以前より言葉がすっと出てくるようになりました

217JB:2015/08/28(金) 22:54:13 ID:J2sccBKU
辛抱さんがまじめに書いた文章は
無駄がそぎ落とされていて
鋭く
ハードボイルドです(^.^)

218辛抱暇有:2015/08/28(金) 22:59:17 ID:219ipuS6
ワシは柔らかい( γ 。)♫

http://i.imgur.com/RYCSZH6.jpg

219JB:2015/08/28(金) 23:02:08 ID:J2sccBKU
>>218
そう(^.^)柔軟さこそ若さの秘訣ですね
いつもとは違う場所ですが
おやすみなさいm(_ _)m

220リチャード:2015/08/28(金) 23:07:11 ID:219ipuS6
イザベル 暗安( γ 。)♫

221天出:2015/08/29(土) 12:09:39 ID:lwQGEnNU
天「音山さん、今度のご褒美パーティに例の彼女も来るって知ってる?」
音「知ってますよ。なのでいい感じの曲を選んでるとこなんですよ」
天「わーなに?なに?何の曲にしたの?」
音「んー可愛い感じの…子犬のワルツとかいいかなーって…」
天「恋の曲じゃないんだぁ」
音「ふふふ、この曲はショパンが2番目の恋人に捧げたそうですから恋の曲でしょ?」
 「それより天出さんこそ何を歌ってくださるの?」
天「やっぱり恋の話ならロミオとジュリエット!!
  天使の♪歌が〜〜♪聞こえる♪神が巡り〜合わせた〜〜♪」
音「ちょちょっと…シーッ」
天「あはっ、ごめんついw」
音「でも、ロミジュリは悲恋ですよ?」
天「そうだったね、じゃ…マイフェアレディ!!
  夜明けまーでも♪踊りたーいの〜♪夢〜をの〜せて〜〜♪」
リ「賑やかですね。では私がヒギンズ教授ということですね」
天・音「ちがーう!」

すばらしい物語ですね、感動しました(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ
私のわがままもお聞き届けくださるようで、感謝です
あーホントにいい音響室のある図書館なんて…憧れます
こんな遊びの余裕のある図書館なんて完璧です

しかし、イザベル様のすばらしい才能開花の瞬間に立ち会えたこと光栄です(^^♪
お世辞抜きですよ
もう、次回作が楽しみで楽しみでしかたありませんo(*^▽^*)o~♪
ちょっと気持ちが落ちてるときにはよく読みかえしてます
気持ちがあったかーくなってくるんですよね(*^_^*)
もうどっぷりファンですwww

222JB:2015/08/29(土) 15:35:38 ID:AEOXog8Q
>>221
天出さん、楽しんでくださってありがとうございます(^.^)

>ちょっと気持ちが落ちてるときにはよく読みかえしてます
気持ちがあったかーくなってくるんですよね(*^_^*)

すごく嬉しいですm(_ _)m繰り返して読んでいただけるとは望外の喜びです
前向きなお話にしたい、いつもそう思いながら妄想しております(*`Д´)ノ

実は番外編で音山さん&ショパンの組み合わせいいかも、
と思ったのですw

223はるか:2015/08/30(日) 20:54:56 ID:5HZMkrNc
イザベルさん お疲れさまでした(∩´∀`)∩

ヴァイオリンの特性、理解しました。弓づかいや力の加え方で音が消えず、
強くしていく事ができる そして、重音が可能と言う事。これは、手前の所の弦がまっすぐに
張られているのではなく、山型(アーチ状)になっっているので、弓の角度を出したい音の
2つの弦だけに合わせて引く事で、可能なのだと言う事がわかりました。
TVなどでヴァイオリン奏者を見ていると、弓を引く角度が
一定ではなかったのを思い出しました。
指ではじく(ピチカートと言うのですね)可愛い音も出せるし、ヴァイオリンは
素敵な楽器なんだなと思いました。(・´з`・)/

半地下部分では数か月に1度こんな楽しい事が行われていたのですね。
気兼ねなくピアノを弾く音山さん  私と似ています。私も人前での演奏
緊張するけど好きです。 連弾も楽しそうだし、ピアノを伴奏にミュージカルナンバーを
歌う迷宮図書館ののどじまんさん達 音山さんはこの日を励みにお仕事を
しているのではないかと私は思いましたww

そして、主人公さんはデビューの日を迎えたんですね。
おめでとうございます(∩´∀`)∩

素敵な作品を読ませていただきそして、作ってくれてありがとうございました。
とても素晴らしく、楽しく読ませていただきました(∩´∀`)∩

ps 私は作曲者名と曲名が一致していない人間ですが、(曲名がわからない
ものも多々ある) ショパンの華麗なる大円舞曲を人前で
演奏した事があります。少しテンポを落とし気味にではありましたが
暗譜して弾きました。(早く弾けなかったのと、先生からの、少しゆっくりめでも
きちんと音を出した方が綺麗に聴こえるんだよとの指導によりそうしました。)
そうすると、音が流れてしまわずに一つ一つの音が出せて、強弱やいろんな記号に従って弾く事が
出来たのです。) 

音山さん&ショパンと書かれていたので、反応してしまいました。

224はるか:2015/08/30(日) 21:17:11 ID:5HZMkrNc
天出さん

天出さんww いつも会話に引き入れてくれて
ありがとうございます(∩´∀`)∩

アマデさんが前紹介してくれたサウンドオブミュージックも
とても素敵なお話と歌がたくさんあって心に残っています。
前に、主演のジュリー・アンドリュースさんが素敵だと
アマデさんが言っていたと思うのですが、私も同感です。
歌声も素敵だけど、しゃべり方 口(舌?)をしゅるしゅるさせた
少し早口な話し方が私にはとても魅力的です(・´з`・)/
(この説明わかりますかw)またあの声聞きたいなぁ

前にリチャードさんも話していたけど、私もいつからか
同じように感じていました。それは、天出さんが繊細な方だなという事

気持ちが滅入りがちな時、
エルミタージュ図書館を思い出してくださいね(∩´∀`)∩
遠い所で後輩が、先輩にエールを送っている事を(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!

225イザベル:2015/08/31(月) 11:25:13 ID:O5cHkAeg
>>223
はるかさん、ヴァイオリンについて調べてくださったようで
ありがとうございますm(_ _)m
音山さんはランチパーティの日を励みにお仕事している!
確かにそうかもしれません(^.^)
こんなに個性的かつ楽しくてやさしい同僚と働いてみたいなと私も思います
読んで下さってありがとうございました

226イザベル:2015/10/26(月) 22:31:34 ID:UtsVYIjQ
《 名にし負はば 》〜梟庵夜話〜 第一回 にべもなく

── 本日の開店は午後2時です
まったく、何回やっても恥ずかしい。僕はあたりを見回してから早口でささやいた。
「…以心伝心キネマ旬報」
── 泰然自若スクリーン、どうぞはいって

「こんにちは」
「いらっしゃい、久しぶりだね、瀬戸くん。元気だった?」
「…疲労…困憊です」
「そんなときは茶の一服でも。理科バーの面々とは連絡とってる?」
「メールのやりとりはしてますけど。最近、藤堂さんの様子がおかしいな」
「どういうふうに?」
「返信がえらく遅い」
「ふぅん」
「なにかご存知なんですか」
「いや全然。朝倉くんは?」
「東京で面白い図書館に通いづめだとか。やっぱり、何か知ってるんでしょ?
ほんっとにもう、フィクサーなんだから」
「知らないよ。ところで言葉遣い変わったじゃないの。知ってるんすか?とか以前は言ってたくせに」
「あれは藤堂さんや朝倉さんの前でだけですよ」
おもしろいオッサン達だったのに、最近つまらないよな…
内心でそうつぶやいて、僕がこっそり息を吐いたちょうどそのときだった。

「ただいま戻りました」
奥のひとの声じゃないなと僕にはすぐわかった。
暖簾をくぐって現れたその女性は一瞬驚いたように目を見張って僕をしばらくみつめたあと、すぐに無表情へと変わった。
「いらっしゃいませ」
丁寧に指先をそろえてお辞儀する、ほっそりと華奢な二十代とおぼしき若い女性。
鈴を張ったような黒目がちの瞳。
銀の鈴を振るような声。いやちがうな、どちらかというとアルトな声。
鈴、鈴、ばっかり浮かんでくる。僕の頭の中で鈴が鳴る。
ごく自然に切りそろえられた前髪、まっすぐな肩までの黒髪。
前髪の下からにかすかにのぞく、けむるまゆ。けむるような眉毛ってどんなの?昔から謎だった。いまこの瞬間にわかった…ような気がした。
化粧気のない透き通るように色白な顔。
ほんのりと赤い唇。

「知り合いのお嬢さん。茶の子と書いて“ちゃこ”さんだよ。ときどき手伝いに来てくれる。といってもうちはこの通りのんびりだから、バイトってわけじゃないんだ。現場研修みたいな感じかな。茶子ちゃん、こちら以前話した理科バーの、瀬戸くん。開店前入店可メンバーなんだよ」
しっかりと背筋をのばして庵主の話に真剣に耳を傾けていた様子の彼女は、僕のほうへと向き直り、はじめまして、と言って再びきちんとお辞儀をした。
「今は無き失われた理科バー構成員の特権ってとこですかね」
ぽかんとした表情で彼女を見つめていたにちがいない自分の姿に、どうか庵主が茶々を入れませんようにと願って(茶屋で茶々、茶尽くしはやめてくれ)必要以上にクールさを装って僕はそう言った。
「わたしの特権筋は君たち理科バー組だけなんだよ。奥のひとは別にあるみたいだけど」
庵主はいたずらっぽく目配せした。やはりお見通しだったか?

227イザベル:2015/10/26(月) 22:33:16 ID:UtsVYIjQ
「ちゃこさん?変わったお名前ですね」
声はうわずってないな、よし。茶器の点検をする彼女の後姿に、思いきって僕は話しかけた。ふり向いた彼女が、もの問いたげに庵主のほうを見た。
「本名じゃないよ。大事なお嬢さんを預かるわけだから個人情報には細心の注意を払う。
本名を教えるときは茶子さんの意志で、ってことにしてるんだ」
さて、ご注文は何?僕の心中を知ってか知らずか、庵主はにこやかにそう言った。

 茶器のふれ合う音が微かに聞こえるだけの、静かで無駄の無い彼女の立ち居振る舞いを目で追い、庵主の視線を気にしながらも、僕は、茶を点てている伏し目がちな彼女のきれいな睫毛をみつめ、茶碗をすすめるときのその手元にみとれた。淹れてくれた茶は美味しかった。庵主の淹れてくれる茶より美味しいかと問われれば、そうであるようなそうでないような。はっきり言おう、味などはこの際どうでもよかった。ことさら何でもない風をよそおって僕はたずねた。

「本当はなんというお名前なんですか」
「…茶子です」

視線をそらすわけでもなく、ふふんと鼻で笑う様子なわけでもなく、ただまっすぐに僕をみつめながら、さも当たり前なことのように表情を変えずに答えるその様子に、僕の脳裏をかけめぐった言葉、それは…

にべもなく。

                                 第一回おわり

228コソッ|=・(エ)・)ノ:2015/10/27(火) 02:43:39 ID:Tw6m6cps
面白い展開になりそうです!
続き待っております…m(_ _)m

229三郎( γ 。)ノ:2015/10/27(火) 09:32:07 ID:m3C0RFzc
イザベルw
覚悟を決めただけのことはあるね、間違いなく長期連載だ、これは( ゚д゚)
秋の夜長の楽しみができたよ、ありがとう(o。゚д゚)ノ...

230イザベル:2015/10/27(火) 14:04:16 ID:q6xlWITM
クマーさん、三郎さん、読んでくださってありがとうございます(^.^)
茶子ちゃん、いい娘なんですw

「愛想が無いとか、笑顔が少なすぎとか、老成してるとか、真面目すぎるとか
どうしていわれなくちゃいけないんだろ?」

”きちんとした”女の子を美化したいと思います(^.^)
例によってイザベルワールドでは
すべて都合よく事が運びますことをご了承くださいm(_ _)m

妄想世界の出来事ですから(*`Д´)ノ

231V3:2015/10/27(火) 14:52:39 ID:SQoUu/3.
男性視点の物語は、初めてですね(*`Д´)ノ♪

一目惚れで始まる恋物語、謎めいた女性、癖のある舞台設定
色々な仕掛けが施されてそうで、とても楽しみです♪
続きを、お待ちしてます(^∇^)

232はるか:2015/10/28(水) 01:15:42 ID:LlcRot52
イザベルさん(∩´∀`)∩

茶子、可愛い名前ですね。
そして本名をすぐには教えないきちんとした女の子(・´з`・)/
続き楽しみにしています♪~(・´Ⅴ`・)ノ⌒Ф

233イザベル:2015/10/29(木) 19:37:50 ID:MRD2Q7qs
>>232
はるかさん、読んでくださってありがとうございますm(_ _)m
茶子という名前は「プリンセストヨトミ」の橋場茶子ちゃんから
ヒントをもらいました

234はるか:2015/10/29(木) 22:18:01 ID:wsdn45o2
>>233

イザベルさん、そうだったんですね。

プリンセストヨトミのはしば ちゃこちゃん
なるほどな名前ですね(・´з`・)/

235名無しさん@ベンツ君:2015/12/22(火) 07:58:41 ID:eozH2GAU

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1431389040/2206


http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1431389040/2207

236辛抱堪らん:2015/12/29(火) 16:17:12 ID:t/bGyzOo
リーフさん(。 ゚д゚)ノ
緊急事態だから、ココ使わせて貰いますよ。

237アマデ:2015/12/29(火) 16:18:02 ID:eqsE.tl.
V3さぁぁぁぁん(´;ω;`)

238ミセスリーフ:2015/12/29(火) 16:19:24 ID:6hlbIBpE
ういういうー

すんません、出先なので
えろえろ頼みます(´▽`)

239常時苦労人@???:2015/12/29(火) 16:21:05 ID:WWCDHN1I
スレ立てはどうしましょう〜

一応コピってきましたけど、念のため貼ります



ようこそお越し下さいました
ここは「好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ」スレが改題し、「エルミタージュ図書館」としてスタートしたスレのPart2です

基本的には小説や本の話題を書くスレですが、新タイトルである図書館に相応しいと思われる話題ならバッチコーイ!なスレです

本棚は勿論のこと、視聴覚室も小動物が憩う庭もメニュー豊富な食堂も、会議室も休憩室も当図書館には存在します
もしかしたら、まだ誰も知らない秘密の部屋も存在しているかもしれません

フランスの小説家、ダニエル・ペナックの提唱した「読者の権利十箇条」を遵守して下さる方ならば、どなたでも歓迎します
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&amp;ampproducts_id=787

(※住人の多数が「荒らし行為」と判断したレスの場合は、退去して頂く可能性がありますので、予めご了承下さい)

ここは大人の隠れ家図書館です
マナーを守り、存分に語り合いましょう



過去スレ

好きな小説を語るんだよ(*`Д´)ノ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/news/6195/1431390792/l30

エルミタージュ図書館
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/news/6195/1431402899/l30

エルミタージュ図書館2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1439785489/

☆☆☆☆☆特別付録☆☆☆☆☆

(*`Д´)ノ!!!スレ的オリジナル・ネット小説販売所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/news/6195/1431394044/l30

240ミセスリーフ:2015/12/29(火) 16:21:09 ID:6hlbIBpE
いろいろだった…

エルミタージュのスレ立ての相談などご自由にー♪

241音色:2015/12/29(火) 16:21:41 ID:2LQTgc4w
どうやってやるんでしょうΣ(゚□゚;)

242辛抱堪らん:2015/12/29(火) 16:22:00 ID:t/bGyzOo
イザベル(。 ゚д゚)ノ
ありがとう、お疲れ様♡
そんな気持ちで参加したとは知らなかったぞw
でも211番さんは、可愛いだけじゃないイザベルになった(。 ゚д゚)ノ
喜んでいるのはワシだけじゃないよ(*`Д´)ノ! ! !

243快便100面相:2015/12/29(火) 16:23:30 ID:gKpBKfOQ
まさかの次スレ立てずに終わったパターン・・・・(;・ω・)

244アマデ:2015/12/29(火) 16:24:41 ID:eqsE.tl.
V3さんは何処に??
イザベル様
お疲れ様でした(*^_^*)
さすがっすo(*^▽^*)o~♪

245辛抱堪らん:2015/12/29(火) 16:29:38 ID:t/bGyzOo
快便さん
まだ終わってないが?
慌てずに待とう、皆様(^∇^)

246V3:2015/12/29(火) 16:29:45 ID:K2K5un2.
皆様、お待たせしました(*`Д´)ノ!

新スレを作成しましたので、これからもじゃんじゃんバリバリ書くんだよ(*`Д´)ノ!!!♪♪♪

247快便100面相:2015/12/29(火) 16:30:28 ID:gKpBKfOQ
エルミタージュ図書館3
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6195/1451374100/

248イザベル:2016/01/21(木) 13:04:21 ID:WBP.yGvo
>>226のつづき

《 名にし負はば 》〜梟庵夜話〜 第二回 あとかたもなく

「最近よく来てくれるね。きょうで三週連続?」
「…メイワクですか」
「なんだか機嫌悪いみたいだね?“ときどき”手伝いに来てくれるんだ、って言ったでしょ」
「なんの話ですか」
 庵主は何でもお見通しだ。そう、きょうも先週末も彼女の姿は無かった。あぁ、理科バーのお客さんのイライラ感が今になって理解できる。営業日はいつ?と聞いてもらったほうがいいですね、なんてよくも答えてたもんだ。素知らぬふりをしようとする僕の努力を、どうやら庵主は尊重してくれるつもりは無かった。
「茶子ちゃんが来たいときに来て手伝ってもらうことになってるんだから。仕方ないの」
「僕、べつに何も言ってないじゃないですか?」
 茶器の点検をしながら庵主は言った。おや、べつに聞きたくなかった?
「…拝聴します」

 茶子ちゃんが来てくれることになったとき、最初はうちの奥のひと、あんまりいい顔してなかったんだよ。親御さんの人柄は知っているからトンデモナイ娘が来るわけないのだけど、そこはそれ、わからない世の中だからね。どんなお嬢さんかしら。この店の雰囲気に合わない娘さんだったらどうしよう。服装とか髪型とか言葉遣いとか注意しても聞き入れてくれないかもしれないし親御さんとの関係がそれで悪くなったりして…。そりゃもう、気にしてたんだよ。でも実際やって来たのがあの茶子ちゃんでしょ。もう嬉しくて舞い上がっちゃってさ。うちの奥のひと、特に気に入ったのが彼女の指先だよ。ほれ、なんていうのマニキュアとか、ネイルアート?あれが奥のひと、苦手でね。店員さんの長く伸ばした爪が支払いのときにこちらの手のひらにカツンと当たるのがたまらなく嫌なんだってさ。わたしもあれは嫌だな、うん。そういうのしないところもうちの奥のひとすごく気に入っちゃってさ。嬉しさのあまり「どうしてしないの?」って真面目に訊くんだもん。そしたら茶子ちゃんの答えがふるっててさ。
「お客様にお茶をおだししたときに、その水色(すいしょく)も目で味わっていただきたいのに、私の指先ばかり残像が目に焼きついてしまうではありませんか」って。
あの落ち着いた感じがいいよね、彼女は。茶子ちゃん、あれでいて子供になつかれるんだよ。ここの常連になるくらいだから渋好みの子供さんだけど

落ち着きすぎてるんじゃないか?と口から出そうになった。
しっかしフクロウ親父、つい本名が口をついて出るんじゃと期待したのに全然ダメ。鉄壁の守り。
ぼくの目には白くてほっそりとしなやかな指先にさくら貝のような爪の残像が残っている。
                                  第二回おわり

249庵主( γ 。)ノ:2016/01/21(木) 17:39:11 ID:O2aNqmx6
イザベル、
控えめな物言いだったから気づかなかったよ。
なんかいい展開だね、本当にワシの事もアヒルの事も知っているみたいだ( ゚д゚)
ワシの子アヒル達の所作を見た皆様は、我が家の躾の厳しさを瞬時に悟るらしい。
実はワシの影響ではないのだがw
茶子の物言いも子アヒル1を彷彿させるねww
続きへの期待も高鳴るこのワシの胸の内がわかるかな?
わかったら、続きよろしくね( γ 。)ノ...

250物陰の傍観する熊(;´(エ)`)ノ…:2016/01/21(木) 17:47:16 ID:sBccdGV6
お疲れさまです!
暫くぶりでしたね、続き楽しみに待ってます!
“((( γ 。)))”プルッ♪

251JB:2016/01/21(木) 18:08:58 ID:WBP.yGvo
>>249
辛抱さん、読んでくださってありがとうございます(^.^)
私なりの”きちんと娘”の理想像を描くつもりでおります
困ったときのアヒル様頼みをしましたが、
辛抱さんのコメを読んで嬉しい気持ちでおります
子アヒル1さまはリケジョでしたね(^.^)
話す内容をそのまま文字に置き換えれば”きちんとした”文章になっている
そんな風な話し方をする茶子ちゃんです

252イザベル:2016/01/21(木) 18:12:26 ID:WBP.yGvo
ああうっかり自分であげてしまった orz

クマーさん、読んでくれてありがとうございます
熊谷さんがお客としてちょっと出演も悪くないでしょうか(^.^)
瀬戸君が闘志を燃やすとかw

253名無しさん@ベンツ君:2016/01/21(木) 18:26:24 ID:sBccdGV6
>>252

コソッ
|=・(エ)・)ノ人のモノは良く見える性分です…www


サッ
|)彡


コソッ
|エ)・)ノオマカセで…

254ミセスリーフ:2016/01/21(木) 18:34:41 ID:0QS3OREU
イザベルさん

どの登場人物も生き生きしてて
イザベルさんの小説やっぱりいいですね(´▽`*)
我が娘のように自慢げに話す
庵主の人柄にも惹かれます。

続きを楽しみにしています(´▽`*)

255イザベル:2016/01/22(金) 07:52:49 ID:NX4YCgRM
リーフさん、読んでくださってありがとうございます(^.^)
「生き生きしてる」
たいへん嬉しいお言葉いただきましたm(_ _)m

出てくる人々はみんなしっかりとした良い人
イザベル世界ではすべてが都合よく事が運ぶww
リアリズムからはかけ離れているでしょうが、それでよし!(^.^)な私です

256名無しさん@ベンツ君:2016/01/22(金) 16:08:21 ID:4jdgvIy2
ワシは本当に良い人だけどなw

サッ
┃彡

257はるか:2016/01/24(日) 09:38:19 ID:/aX2sC.k
イザベルさん、お疲れさまです(・´з`・)/

お察しのいい庵主とサトラレ?な瀬戸さん
瀬戸さんは、庵主の口がすべらないかと期待していたようですが
残念でしたね

茶子ちゃんとはいつ会えるのか私もたのしみにしています(∩´∀`)∩

258アマデ:2016/01/26(火) 11:52:41 ID:suNFlJzw
イザベル様
遅くなっちゃった(;^_^A
いいですね〜
なんともじれったい…そのじれったさがイイ!
私、よく時代劇なんかで観る、あのーお掻取で手の甲を隠すような仕草
好きなんですw
イロッポイと思うんですけど…殿方はどうなんでしょうねww
指先っていいですよね〜〜
(何フェチなんだwww)

259イザベル:2016/01/26(火) 20:18:06 ID:dtrJ4dFc
>>257-258
はるかさん、アマデさん、読んでくださってありがとうございます(^.^)

瀬戸くんは茶子さんから良い影響を受けていく、という展開に
していきたいなあと思ってマス

仕草とか振る舞いは大事ですね(,,;・∀・)ノ
慌てたり、せっかちな行動は
若いうちはまだ可愛らしさの範疇にいれてもらえますが
オバサンのあせった振る舞いは本当にイケマセン orz

慌てず騒がずおっとりとふるまわなくては・・・
と気をつけるのですがなかなか難しいですw

260イザベル:2016/02/05(金) 14:48:46 ID:yFYi9uiM
《 名にし負はば 》〜梟庵夜話〜 第三回 なすすべもなく
 
── ここでひたすら話してみることだね。そうすればいいんだ。
── わたしは美味しいお茶とお菓子を提供するだけさ。
店の開店時間が近づき僕が帰ろうとすると、庵主は意味ありげにそう言った。そしてこうも言った。
瀬戸君の人柄はよくわかっているけれど敢えて言っておくよ。店の中でくどくのは禁止。
茶子ちゃんが困るような事を言ったりするのも禁止。わたしが留守をしていても奥のひとがしっかり見てるから。それから「好きなときに手伝いにくる」の意味は、好きな日に来るのと、好きな時間に来るのと、両方だよ。念のためにお知らせしておくけど。
 店の引き戸から外に半身だけ出ていた僕は、思わずそのまま逆再生のビデオのように席へと戻ろうかと思ったが、あまりに口惜しいのでやめた。なんだか梟親父との勝負の様相すら帯びてきたではないか。

 翌週、僕は理科バー特権を行使せずに入店してみることにした。小さな店で他の客と相席となるのがわずらわしくて今まで避けていたのだが、そんな事を気にしている場合ではない。とりあえず今回は開店直前に店にたどりつくように計算して…。実験と同じである。様々なパターンを試す必要がある。早く到着しすぎてウロウロするのも嫌だし、タイミングが実に難しい。あ、しまった、少しだけ早過ぎ…
ちょうど箒を手にした彼女が店の前を掃き清めているところだった。勝利のこぶしを握りつつも、もうあと数分後の開店を待つべく踵を返すべきかとか、いや待てよ、今は店の外だからくどいても構わないのかも、いやいやそんな早業の才能はもとより無いじゃないかとか、膝下丈のスカートから伸びた足がすんなりときれいだなとか、サンダルじゃなくてきちんとした靴を履いているのは彼女の趣味か奥のひとの躾けなのかどちらなのかとか、めまぐるしく思考をめぐらせているうちにふと顔をあげた彼女が僕に気がついた。
それが彼女の癖なのか、一瞬驚いたように、その鈴を張ったような瞳を見開いて僕の顔を見つめてから、箒を玄関の脇に立て掛けて、「いらっしゃいませ」と両手をそろえて挨拶をする。どうぞお入りください、彼女が玄関の引き戸を開けてくれときにはもう、あの端然とした無表情に戻っていた。僕は知った。冷たい印象を与えない無表情というものがあるということを。
「おや、瀬戸君いらっしゃい。ゆっくりしていって」 
店の奥からのぞいた店主のとぼけた表情に応援の色が…あったと思いたい。
「少し早すぎましたね、すみません」
「いいえ、どうぞお掛けくださいませ」
「茶子さん、外の片付けの続き頼むよ、ここはわたしがするから」
はい、と返事して彼女が外へ出るなり、庵主は言った。
「ふふ、作戦変えてきたんだね」
「僕の味方になってくれますよね」
「まさか。わたしは茶子ちゃんのミカタだよ。奥のひとも、ね」
聞くまでもなかったな。僕は、彼女が戻ってくるまでわざとじっくり時間をかけて品書きをながめることにした。

261イザベル:2016/02/05(金) 14:51:09 ID:yFYi9uiM
 本日のお菓子は何ですか。春告げ鳥という練切り菓子と、早蕨という上用饅頭でございます。では春告げ鳥と宇治の煎茶を。かしこまりました。こんな会話ではなくてもっとほかに…。さくら貝の指先が春告げ鳥を連れてきた。茶淹れは瀬戸様ご自身でなさいますか。お任せします。かしこまりました。“瀬戸様”…。いや待てよ、僕の名前を覚えてくれていたんじゃないか。これは良い傾向ではないか。すっきりとした所作で立ちはたらく彼女の姿を盗み見ながら、春告げ鳥をいただく。奥のひとの砂糖加減はきょうも絶妙だ。エネルギー充填、彼女との会話も弾んで・・・そのときであった。がらっと勢いよく引き戸が開いて「こんにちは!」という元気はつらつとした・・・子どもの・・・声がした。

 「ふみちゃん、いらっしゃい」
梟親父が相好を崩しながら奥から出てきた。片桐様、いらっしゃいませ、と彼女が丁寧に挨拶した。母親と思しき女性と小学生くらいの女の子。女性は相客である僕に会釈した。きょうは特別な日なんだから、などと言いながら女の子は椅子に座り、なんだか自慢げな様子である。茶子お姉ちゃんが居たから良かった、などとなれなれしく彼女に話しかけている。口惜しい。
「あれ、ふみちゃん、いつもまずじっくりと品書きを見るのに、きょうはどうしたの」
「だってもう決めてるから。朝比奈玉露とお菓子ぜんぶ!」
全部というのはお菓子2種類ともという意味です、と母親が苦笑しながら説明した。玉露と言ったな。僕だって滅多に注文しないのに。

 ご褒美なんだもの、とその女の子は、つんと顎をあげて言った。
「へぇ、テスト100点だったとか」
「この子の描いた絵が学校代表に選ばれて、市役所で展示されることになったので」
「それはすごい、おめでとうございます。ふみちゃん、何の絵を描いたの」
「くじら、です」
「水族館へ行ったんだね」
「そうじゃなくて・・・」
「じゃあ、高知県だったかな?ホエールウォッチング?海で見たのかな」
「じゃなくて・・・」
「あ、想像で描いた巨大なクジラとか」
困ったように首を振って女の子が何か言いかけたとき、菓子を運んできた茶子が生真面目な表情でその顔をのぞきこみながら話しかけた。
「鉄の、くじら、ですか」
女の子は、ぱっと顔を輝かせて茶子の顔を見つめながら、感に堪えないという風に言った。
「そう、鉄のくじら!」
彼女は品良く口元に微笑みを浮かべて、女の子の賞賛の眼差しを受け止めた。二度目の口惜しい、だった。

「潜水艦のことをそう呼びます」
鉄のクジラってオブジェか何かなの、と不思議そうな庵主に、彼女はそう説明した。呉で見学した潜水艦の絵で、操舵室も艦長室も食堂も全部見えるように描いた絵で、と女の子が熱心に説明するのを片耳でぼんやりと聞きながら、僕は、正直に言おう、かすかに不安になった。彼女は・・・ミリオタなのか?
 ふっと頭のうえに影が差したような気がして顔をあげると、目の前に彼女が居た。
「お茶のお代わりはいかがでしょうか」
お願いします、と言うより先に思わずたずねてしまった。
「ミリオタだったんですか」
「・・・みりおた、とはなんでしょう」
小首をかしげる彼女に、あわてて、いえ別にたいしたことではなくて、と誤魔化す僕を尻目に、またもや嬉しそうな女の子の声が飛んできた。
「茶子お姉ちゃん、ミリオタっていうのはね…」

フミとかいう名の、ちびミリオタに、三度までも彼女をかっさらわれた僕の頭に浮かんだ言葉それは・・・・

なすすべもなく。
                                 第三回おわり

262名無しさん@ベンツ君:2016/02/05(金) 15:06:35 ID:PxmhRpm2

JBさん
お疲れさまです!(*`(エ)´)ノ!!!

今回のは最後…一寸、
(;´(エ)`)ノ…ワロタww

263辛抱たまご( γ 。):2016/02/05(金) 15:09:05 ID:KUEPUCfA
イザベル( γ 。)ノ
ストーリー展開がとてもいいですね。流れがあって、無理がない。
ネタ的にもちょうどよい、というかちょうど良くしたのかなw
茶子はワシの彼女にはならないんだよねwww

264アマデ:2016/02/05(金) 15:53:07 ID:DsKQp3Ak
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな


テンポがすごくいいですね♪
美しい日本語がどう変化していくのか…
楽しみです♪

フミちゃんw
いい仕事しますね(^^♪
瀬戸君…((☆o´∀`)oファイトだァ-♪

265JB:2016/02/05(金) 16:17:11 ID:yFYi9uiM
まとめてのお礼、失礼いたします(^.^)

クマーさん、辛抱さん、アマデさん、ありがとうございます

「名にし負はば」という言葉の響き、素敵だなと思いまして
なんとかうまくお話にしようと頑張ってます(,,;・∀・)ノ

名にしおはばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと

という歌もありますネ

もしも茶子サンが瀬戸君を気に入れば
間接的に梟爺は瀬戸君のミカタになる、というスタンスですね(^.^)

266イザベル:2016/02/05(金) 16:18:54 ID:yFYi9uiM
またうっかりあげてしまった(´;ω;`)
ワタシってバカ・・・orz


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板