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ジグザール王国王都

1「鍵を持つ者」:2012/12/27(木) 22:40:41 ID:???
今日も賑やか……だと思ったか!?

1906「記憶」:2017/01/03(火) 21:01:12 ID:sTRQvyig
1/3

『レイヴン、ラピュセル。このままじゃマズイ。作戦を立てるz―――!』

シャキンがそう叫んだ瞬間、異型の獣…もとい
――『リグレットの獣』 彼女の巨腕が彼を吹き飛ばす。

「シャークッ!!!!!」

鴉羽の狩人がそれを見て、彼の元へと走り出す。
槍のような鳥銃を構えて、トリガーを引く
重たい発砲音と共に、リグレットの獣の右腕を抉るが…

「…弾の相性が悪いッ!」

彼の長銃は貫通性能を重視した物、それは狭い路地等で、人サイズの獣を相手するのならば十分だった…
だが、大きな馬車を三段重ねたような巨獣相手には話が別だ
貫通性能を重視するあまり、銃弾が体内で”暴れず”突き抜けてしまい、大したダメージを与えていない
糠に釘、暖簾に腕押し…いくらでもいえるがそういうことである。

「ラピュセル、すまないが相手していてくれッ!!」

走りながら、中身の弾丸を排莢。
背後にいるラピュセルへと叫ぶ。

1907「記憶」:2017/01/03(火) 21:01:36 ID:sTRQvyig
2/3


―――勇敢に進みなさい。
   そうすれば総てはうまくゆくでしょう。
―――我々が第一に戦わねばならぬ厄介な敵は、我々の目の前にある―――

『語り部』の『しでかし』によって混ざって生まれてきた君…もとい
ドン・キホーテ・デ・ラ・ピュセル・ドルレアンの中にぼんやりと流れる言葉。

目の前に立つ異型の獣は、君が救いをもたらせた者達を
本能のままに任せ、再び絶望の淵へと叩き込もうとしている。

―――生命のあるかぎり、希望はあるものだ。
―――私たちが戦うからこそ、神は勝利を与えて下さる。

混ざりあうはずのない、2つの言葉がこだまする。

――――ギャオオオアアアアアアアアァァァ!!

少々手強そうだが…巨人の前に立った聖女の騎士がやるべきことはただ一つ

『どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。救いのない運命というものはない。災難に遭わせて、どこか一方の扉を開けて、救いの道を残している』

―――そして、パンさえあれば、たいていの痛みには耐えられる。』

いやその発想はおかしい。

1908「記憶」:2017/01/03(火) 21:02:24 ID:sTRQvyig
3/3


――――白昼夢

吹き飛ばされた君は、再び部屋のベッドで寝ていた。
灰色の空気、灰色の世界
短い人生と短い余生を王都で過ごすだけの…浪費と言える時間

ドンドンドン
「―――ミスターシャキン!ミスターシャキン!」
「”仕事”をすれば借金は帳消しだ!!」

膨れ上がった医療費の借金の取り立て屋が、今日も部屋をノックする
自分が立てないことを良いことに、いつも取り立てに来るのだ。
不自由な体に…あるはずのない仕事 どこぞの組織にでも引き渡すつもりなのだろう
または、別の意味での"使い捨て"か…
君は再び目をつむる、寝てしまうのが一番だ。


再び目が冷める…
いつも通りの色あせた部屋、埃の積もった調度品…
再び鳴るノック音


ドンドンドン
「―――ミスターシャキン!ミスターシャキン!」


しかし、動くはずのない体が動く
部屋には見覚えのある…豪華絢爛な黒マントをきた道化がこちらを見ている。
「―――此度の事件はワタクシも予想外でして」

ニヤニヤとした笑みが気に障る。

君は立ち上がり、錆びついた扉を開ける

―――そこに居たのは二人の男女…
君がよく知る友人、名も無き銃士であった…


男性は、彼が吸血病に侵されきった時
女性は、彼の性別が反転し、エリゼと名乗っていた頃の姿

男『"狩りを全う"すれば――――』
女『――――"借金"は帳消しだ』


―――そして目が覚める

「シャーク!!!行きてるか!?」

目の前には"狩人"となった旧人。
幸いにも軽く意識が飛んでいただけで、得物も体も無事である

1909とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:22:02 ID:/62UYifs
>>1908
「あぁ、無事だ」
ゴホゴホと咳をする。
体は無事、武器もある。
「おぅえ」
吐き気
あの時の白昼夢が襲ってきた。
自分が全てを悟り、全てを浪費する為だけだった時の記憶

全てが混ざり合ったその白昼夢はシャキンにはとても耐えきれず吐くという防衛本能を起こした

「大丈夫だ、生きてる」
辺りを見渡し、物陰に隠れる
あの化け物を如何するか
戦闘用ゴーレムより大きく、そして速い

「Wahnsinn!!(クソッタレ!!)」
最も化け物を効率よく、如何に最善手があるか
考える
王都の武器庫に行けば、恐らく対ゴーレム用の武器があるかも知れない
しかし、それは同時に《化け物を相手に逃げつつ道中の敵を相手にする》という事でもある
更にそんな武器を使うにしても当てれる自身など無い。専門外すぎるのだ
リスクが大きすぎる

「如何するこの化け物!!。何か手はあるか!?」

二人に問いかける。何か良い手はあるのか

1910とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:25:05 ID:7iM2.Vw2
>>1906>>1909

「ふむ…巨大な敵を打ち倒すのは初めてではないが武具の類を一切持ち合わせていないのだな現状」

獣が暴れまわり降り注ぐ瓦礫の雨をゆらりゆらりとかわしながら乙女は呟く。

「だが、語り部殿はお膳立てだけは忘れなかった様だ。
 こうやって顕現した以上は敵味方になる定めとて『舞台を整える』事に関しては信頼できる」

そうして足元に転がる書簡の一つ。
スクロールを拾い上げた。

「反撃の狼煙だ。送り主はそのような考えなどなかったろうが…
 此処にある書簡、使えるものは使わさせてもらおうか!!」

読む側を獣に向け、スクロールを展開する乙女。
瞬間、スクロールから家一つ軽く焼けるくらいの爆裂火球が放たれる。

「苦言を言葉でなく魔法で送る組織も幾つかあったようだな。
 語り部殿はそれすら察して放り出していったようだが…よくわからん男だ」

その手には新たに拾い上げられた複数の書簡。
魔力の宿るもの宿らないもの。
さてさて正規の使い手こそいないだろうが『火薬庫』だけなら未だ王都に残っている可能性がある。
語り部の残した攻略本は乙女の手に。
先ずは装備を整え目の前の敵を討ち倒そう。

1911「記憶」:2017/01/03(火) 21:38:52 ID:sTRQvyig
>>1909
>>1910

――― オォォアオオオオォォォォオオオォォォ!!!!!

悲しさを秘めた様な叫び声をあげながら、ラピュセルに対して拳を振るう
リグレット・フォーマルハウトは卓越した剣技を持ち、また優れた魔術士でもあった…
しかし、今の彼女にはその面影は一切感じられない…

虚しく空を切る拳に、地面をつかみ瓦礫を飛ばす、これも空を切る。バッカスの隣の建物が崩れる。
その瞬間に飛んできた、書簡から放たれた爆炎の球体

――― ミ ギ ャ ァ ァ ァ オオ ァ ァ オ オ ァ !!!

桃色の体毛に火が付き、その場で悶え苦しみ始める
獣には火、事実道中の獣たちも火災や発砲炎には恐れていた…!


「…ッ行けるか!?」

炎のダメージは、幸いにもラピュセル…頼りがいのある乙女には有効打を所持している
狩人もそれに続く、サーベルを振るうと刃が分離する
一つ一つが獣を狩る為に作られた刃、この距離からでも届く

――――ガリガリガリッ!!

肉を引き裂く音と共に、刃が『リグレットの獣』へと襲いかかるが…

「やはり、浅いか…ッ!」

やはり、火力が足りなさすぎる。

「シャーク!!ラピュセル!!バッカスを壊されるのはマズい!
 "火薬庫"まで引きつけるぞ!! 」

そう、逃げ切れていない避難民もいるなか、この場で"彼女"を暴れさせるのはマズい
彼女に対抗できる手段を持つ装備を得るため、一同は火薬庫へ向かう事で一致した!

1912とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:53:18 ID:/62UYifs
>>1910
「ヒュゥー……」
思わず口笛を吹いてしまう
見事な火力だ。これ程の火力は中々見れ無い

「ラピュセルが敵でなくて本当に良かったよ」
心からの称賛。それは自身が経験した戦場に居ればと自分はまだ……
そんな、少し暗い想いが頭をよぎった

>>1911
「うそだろ……あれでまだ足りないのかよ……」
だが、少しだけでもダメージが通っているのなら
勝ち目がないわけでは無い


「了解した!!殿は任せろ! レイヴン!お前はラピュセルを生かす事だけに集中しろ!!」
取り回しの早いカービンライフルに切り替え、弾薬を火の魔弾に切り替える
そしてリグレットの獣の目をや鼻を狙う
少しでも自分に気を引かせればいい
それだけだ

1913とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:56:52 ID:7iM2.Vw2
>>1911>>1912

「しかし、何処にするかが問題だぞ。火薬庫自体は点在すれど我々は3人。
 散開しては獣がどう動くか分からん。その上、火薬庫の中身までは記されていない。
 この筆跡は語り部殿のそれだな…重要な所を抜かす辺りが如何にもらしい」

広げられたスクロール。
其処にはご丁寧に王都の地図付きで『火薬庫』に印がつけられている。
ただそれがこの状況を打破する道具の保管庫なのか、
はたまた知識を保管している場所なのか、溜り場なのかが明記されていない。

「…判断は任せる。語り部殿への『魔術的苦言』も撃てて後、2発。
 広げてみるまで何が出るか判断はつかぬが、魔力量から強力なのは分かる」

器用に腰に括りつけられた書簡は残り三つ。
魔力を感じるスクロールが2本と丁寧に蝋によって封がされた手紙がひとつ。

1914「記憶」:2017/01/03(火) 22:11:41 ID:sTRQvyig


>>1912
>>1913

「…やはり散開は無理か。」

王都の『火薬庫』…それは国防軍騎士団の武器・兵器庫の通称である
広大な王都を1つの武器庫や兵器庫でカバーするのは非常に効率が悪い
ラピュセルが述べたように、一定の間隔で武器庫が点在しているのだ。

「3人だ、3人で『語り部』殿とやらが書いた場所へ向かうぞ、地図はあるんだろ…お嬢さん?』

―――― ギョアォオオオォォォ!!!

魔炎の炎の勢いが衰え、こちらを睨みつけ
そこへシャキンの射撃、全弾が頭部や鼻へ命中する、やはり大したダメージにはなっていないが――

――――  ギ ャ ア ア ア ァァ ァ  ァ ァ!

ヘイトを稼ぐには十分!続いてレイヴンの射撃も乗るが、それは角の一部をふっ飛ばしただけ。
お前はまだまだ脇が甘い、シャキンはそんな事が脳裏によぎるかもしれない

「了解!お嬢さんのエスコートは任せな! じゃあ案内してもらおうか、マドモワゼルッ!!」

弾を再装填しながら、再び発射 所謂早打ちだが、これは額をかすっただけ
やっぱり脇が甘い、早撃ちすることだけに固執している。
が、固執してるのは『獣』も同じ!3人を仕留めようと追いかけてくる――

1915とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 22:30:12 ID:/62UYifs
>>1913
>>1914

「了解した!」
「頼むぞレイヴン!ラピュセル!!」

獣のリグレットに向けて銃弾を撃ち込む。その顔は笑っていた。
戦闘を楽しんでいるのではない。
勝てるかもしれない
此れだけで愉快なのだ。勝てない戦に捨て駒として幾度も投入され生き残ってしまった

それに比べれば、倒せるかもしれない。勝てるかもしれない。
犬死しない

此れだけで愉快なのだから


(脇が甘いのはお前だよリグレット)
もし、正気の彼女なら疑うであろうこの状況でも、こちらに向かってくる
其れだけでもう彼女は獣なのだ

獣のリグレットからの反撃を何とか交わしつつ此方に誘導
そしえ、二人に意識を向けさせない。
その事を意識しつつ銃撃を加える。

1916とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 22:33:50 ID:7iM2.Vw2
>>1914>>1915

「ああ、地図はある。ご丁寧にこの酒場の場所も書かれているから迷うことはないが…」

駆けながら、ふむ、と眉をしかめる乙女。

「何かおかしいなこの印の位置は。正規の軍ものではないのか?」

複数個所ある印。王都全体に点在し、一つ一つは走り回るには離れている。
が、妙に偏った区画に集中している感じも見てとれ、何か複数の情報が混じっている気がするのだ。
防衛の為の何かを配した場所を示す地図…とは単純に言い切れなさそうである。
城近くの正道を進み、正規の軍が配した火薬をらしき場を目指すか。
偏った区画は治安の悪い場と一致している。
正規軍がその場に重点を置いて火薬庫を配するとは考えにくいが…
博打を打ってその場に賭けるのも手だろうか。

1917「記憶」:2017/01/03(火) 23:03:20 ID:sTRQvyig
>>1915
>>1916

―――ギョオォォォオオォォォォオォ!!!

崩落しつつある王都、散発的な悲鳴とともに、大きな獣声が上がる
その度に、二発の銃声が答えるように響く。

瓦礫の山を飛び越えながら、途中襲い掛かってくる獣を蹴り飛ばしながら
一つの希望へと3人は走る。

シャキンが射撃をする、獣は彼を仕留めようと視線を向ける
そこへ、ガンナーがすかさず射撃を入れる、今度はこちらを向く…そこで再びシャキンの銃弾が襲う
ラピュセルは歩みを進める…『語り部』の用意したシナリオにそって…『機械仕掛けの希望』へと

巨人狩りの聖女が―――
――――鴉と鮫と導く

「―――何か妙だ。」

走りながら、彼が『リグレットの獣』の異変に気がつく
魔炎だ…つい先程、乙女から受けた炎が未だに燃えている。

走り始めたからしばらく立っている…疾走した際に消えてもおかしくないのにもかかわらず…だ。
口が花びらの様に開く…その奥に輝くのは…剣?剣だ…

記憶をたどる…
それはリグレット・フォーマルハウトが常に傍らにあった一対の剣
1つは炎蛇剣『テーレヴァイン』 レイヴンが持つサーベルと似たような構造を持つ強力な炎剣
そしてもう1つ
彼女の血族である、フォーマルハウト家の至宝『北落師門』
華連から伝わったとされる、彼女の家に伝わる至宝

2本の剣が、喉の中に見える…周囲の組織と一体化している様な形で埋め込まれている!
剣が光輝き出すと同時に、彼女に灯っていた魔炎の炎の勢いが強くなる…!

「―――ヤバい!!何か来るぞッッ!!」

花びらのような口から放たれるのは、目が焼けそうになる程まばゆい…強烈な炎の魔球
魔術の技術は原始的だが…『烈火』異名を持つ彼女を彷彿とさせる強烈な猛火
放物線を描くそれは、我々の道を塞ぐように着弾――――そして轟音!!

「魔法使えんのかよッ!!」

―――― ゴォ!!!

着弾地点から強烈な爆風とともに、周囲のものを焼き尽くす…!
幸いにも直撃は避け、3人とも軽症だが…その歩みを止めてしまう…

―――― グォォォオオオオオオ

『リグレットの炎獣』
己の身に魔炎をまとい、周囲を焦がす姿に思わずそんな名前がよぎる…
足元や傍に居た異型の獣は逃げ出し、生存者たちは悲鳴をあげながらその場から逃げ出す

「…ラピュセル…ここからの最短ルートは?」

不可解な位置に存在する印、いくつか謎が残るが
現状で寄り道をしていたら、3人まとめて丸焦げである…
ここは正規軍の用意した火薬庫らしき場所へ向かうのが得策だろう…

1918とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 23:31:56 ID:/62UYifs
>>1916

「……もしかしてマフィアの武器庫か」
おかしな場所の印 正規の物では無い

となると推測できるのはこういった考えである。
マフィアの武器庫としたら場所によっては正規軍以上の武器があるかも知れないが……

>>1917
「おい! 嘘だろ?!」
強烈な炎の魔球。
原始的で最も恐ろしい攻撃

「クソ!!リグレットの名は伊達ではないか……」
なんとかふら付きながら耳を抑える
先ほどの攻撃で耳を負傷してしまったようあ


「最短…最短…」
あの化け物をやるだけの火力を揃えた

「ラピュセル、分かる範囲でいいから魔砲の武器庫の場所とか解るか?」
一つの名案
一つの賭け
あのリグレットの炎獣の魔法を使わせる場所を見つけたの

1919とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 23:35:07 ID:7iM2.Vw2
>>1917>>1918

「…記憶では2つだ。
 城の見えるあの2つ先の道を曲がった所に印がしてあった筈」

指さす方角は通常であれば何て事のない距離。
おそらくは正規軍の火薬庫。
だが現状では辿り着くのも困難で、懸念もある。

「問題は曲がった先の様子が見えない事だ。
 いざ到達したら建物は半壊していました、では笑えん」

先ほどの攻撃で周囲の様子が一変している。
もともと乏しい目的地が無事である保証が無くなっていた。
更に悪いことに乙女の手に地図はもうない。
焼かれ千切れとんだ紙片が残っているだけだ。

「もう一つは……記憶違いでなければ此処なのだ。
 しかしそれらしき建物はない。
 印が別のものを示していたとは考えにくい、何かを見落としているのか?」

視線を上に見回しても確かにあるのは戦いとは無縁の建物ばかり。
それも今となっては見る影もなくなっているものが大半だが。

1920「記憶」:2017/01/03(火) 23:58:47 ID:sTRQvyig
>>1918
>>1919
  
「待て、階段…だ」

半壊した建物のあちこちに、大きな地下へいく階段がいくつか点在している。
階段のそばには、これまた大砲やバリスタを搬入できそうなスロープが備え付いている
おそらくだが…こうした半壊した状況でも武器類が消耗しないように地下に補完してある区間なのだろう

「…地下倉庫か!?」

彼の中で合点がいった瞬間『炎獣』がレイヴンへと襲いかかる
魔炎をまとった拳の一撃は、紙一重で回避されるが『地面を砕き』『爆炎』を撒き散らす

「ッッ!!!ラピュセル!シャーク!!!
 地下に行って何か持ってきてくれ!俺が食い止める!!」

続いての一撃もステップで回避、燃え散る炎が帽子を焦がす
サーベルを鞭のようにふるい、仕込み刃が金切り音を立てながら展開する。
長銃を左手に添え、トリガーに手をかける

『リグレットの炎獣』の目の前へ立ち
彼女の瞳を見つめる。空のように青かった目は虚ろに炎を移し
鮮やかなピンクの髪は己が出す魔炎の煤で薄汚れつつある

「さぁ…来い。」

獣狩りのサーベルを振るう、鞭のようにしなる刃は炎に包まれた肉を削ぎ、燃え盛る血を吹き出させる
トリガーを引き、黒鉛と共に死を運ぶ弾が発射される、獣の片角をへし折り、首元の肉を貫く

獣の口から、空気を焦がす様な火炎が放たれる
背後に大きくステップをし回避するが、熱すぎる大気は肺を焦がす

「行けーッ!!長くは持ちそうにないッ!!」

1921とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 00:18:55 ID:fchosyPw
>>1919
>>1920
「あのバカ!!」

英雄的な行動は死を招く。
戦場の常であり鉄則だ

それは何故か?
勇敢と無謀
勇猛と蛮勇
常人は常にこれ等を履き違えるからだ

本来ならここで歩みを止め、応戦し撤退。
数秒で作戦を立てるのが普通である。しかし現状は違う

真っ先に地下に向かい、お目当ての兵器を見つける

それは75mm対大型ゴーレム用魔砲

此れで狙いを付ける
当たれば大ダメージ。至近弾でも良い。
それにこちらには切り札が居るのだ

「ラピュセル!!頼んだぞ!!」

ラピュセル。彼女は大型の化け物と戦った経験がある人物!
託すしかない

祈る様に魔砲の照準を炎獣のリグレットに向け打ち込む
本来の武器では無い為、照準も何もかもぶれている。
賭けだ

1922とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 00:22:26 ID:otuyuv2Q
>>1920>>1921

「承知!任された!!」

迷いなく下へとのびる階段へ駆ける乙女。
途中、松明を目ざとく確保し、慣れた手つきで点火、駆け抜けていく。

「うん……?」

が、その歩みが止まった。
なんだか獣臭いのだ、行く先が。

「………火薬や金属の臭いではない、外れ…か?」

もたつく間に男達は獣との交戦を始めている。
焦る気持ちが歩みを進めた。

「ええい!ままよ!!」

開け放った扉の先には……

1923「記憶」:2017/01/04(水) 00:53:25 ID:27To76QI
>>1921
>>1922

ラピュセルが獣臭さにまぎれて微かに嗅ぎ分けた臭い
多少火薬の香りがする…否、これは爆薬である
どうやらやや地上から浅い位置の小部屋に、爆薬類をまとめて置いてあるようだ
誘爆しても被害を防ぐために、個別に小部屋があるようである…

そう、表の炎獣が腕で突き破れそうな位置に…


―――― 一方英雄気取りのカラス君 ――――

「クソッ…!」

後悔先に立たず、当然のごとく追い詰められる。
昔から常人を超えて怪力があったりと、丈夫な部類であったが、それは人と比べた場合の話
こんな巨大な獣では相手が悪すぎる、少なくとも真正面か打ち合うのは無謀もいいところだ

「ッ!!」

仕込みサーベルをふるい、返り血を浴びる。
返り血を浴びると、体が少し軽くなる…吸収でもしているのか?混沌の血がどうたらと手紙に書いてあったが
もしこれが、その恩賜であるのならありがたい…
だが、ここで一手欲張りすぎた。斬撃と同時に銃撃へ繋ごうとしたが
すでに相手は腕を振り抜いていた後

「ウグッ!!」

とっさに長銃でガード!だが、銃身はバラバラに砕け散る。
強烈な膂力の一撃は、彼の靭帯を痛めるのには十分…すなわち隙が生まれる
その巨顎を持って、レイヴンを噛み砕かんと炎獣が飛びかかってくる

が、身の丈を超える頭を掴み、持ち前の怪力でなんとか持ちこたえるが…時間の問題である
虚ろだった瞳は獣性で染まり、唸り声をあげながら顎の力を込める
桃色の髪は煤で汚れ、燃え盛る魔炎がジリジリと身を焦がす

「…そんな怖い顔だと、結婚できねぇぞ」

それがトリガーとなったのか、一層顎の力を強め今にも噛み砕かんとする
もう限界…と思った瞬間、車輪の音と共に旧人の叫び声

75mm対大型ゴーレム用魔砲がこちらを向いていた、当然自分にも

「―――大馬鹿野郎ッ!!!」

最後の力を振り絞ってそのままバックステップ、本来ならばそのままパクリ…なのだが
轟音とともに75mmの対ゴーレム用、炸裂魔導榴弾が発射される。

―――ドゴォオオオオオオオオオン

発射の際の煙、そして発射時の衝撃で周囲の砂埃を巻き上げる
着弾点からはもくもくと煙が上がり、炎獣がどうなったのかは目視できない。

「―――やったか!?」

1924とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:04:24 ID:fchosyPw
>>1922
>>1923


「やったか……?」
撃った本人も砲撃時の煙で見えていない

「おい、レイヴン生きてるか?」
流石に死んでは居ないだろうと思いつつも声を掛ける

銃を構えつつ。ゆっくりとレイヴンの方に歩み寄る

1925とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:05:48 ID:otuyuv2Q
>>1923>>1924

「成程、これも使えるかもしれないが…さて」

横目に爆薬部屋の位置を把握しつつ乙女はある作業に追われていた。
その作業の最中、爆薬も失敬しておく。代わりに後生大事に括り付けたあったスクロールを置く。
上での戦いは未だ続いているのだろうか。

「これでいいだろう。細工は上々、後は結果を御覧じろと言ったところか」

乙女は歩き始めた。
戦いの音を慎重に聞きながら。

「……此処だな」

1926「記憶」:2017/01/04(水) 01:13:45 ID:27To76QI
>>1924
>>1925

「こンの――馬鹿野郎!!お前の戦場は、味方が居ても大砲ぶっ放すのか!?」

うつ伏せになっていた状態からバッと立ち上がり
普段なクールな口調を崩してがなりたてる。

「さぁな?75mmのゴーレム砲もらって生きてる奴なんてバケモンだろうよ…
 そういや、あのお嬢さんは何処に―――――」

そう、彼は忘れていた
自分達が対峙しているのはリグレット・フォーマルハウトではなく

―――化け物であるということに

彼の背後に、魔炎が灯り
1対の青い瞳が煙の中から現れる

―――― グルルルルル

「ウッソだろ…お前」

胸部…すなわち野生動物で言うバイタルパートと呼ばれる
肺や心臓等、生命維持に必要な器官が備えられた部位であるが、そこにあたる部分を綺麗に吹き飛ばされ
肋骨がはみ出、どす黒い血と燃え盛る炎が吹き出して尚…

――― 『リグレットの炎獣』は生きていた

――――― ゴォォォォッォォォッォォ!!

口から血を吹き出しながら咆哮する
血の雨が振り、二人は血染めに染まる。

1927とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:30:10 ID:fchosyPw
>>1925
>>1926
「それはこっちのセリフだ!!」
「一人であんな化け物相手とかふざけているのか!?お前はあれか!?自殺志願者か?!」
此方も喧嘩腰になりつつ捲し立てる
シャキン自身もこの行為は非常識だと知っている
しかし、そうでもしない限りはあの化け物に砲撃を当てるなんてそもそも無理なのだ
アレは、あの化け物は、リグレットの炎獣は相当賢い。出なければあの魔法も逃げ道を塞ぎ誘導するようなあのタイミングで撃ったりしない

「そういやぁ地下に――」

うめき声に硬直し振り向く

「いや、其処は死んどけよ……生物的にさぁ……」
顔を引きせつつも、ハンドサインでレイヴンに合図を送る

――あの地下武器庫に駆け抜けろ

1928とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:35:02 ID:otuyuv2Q
>>1926
「そこか」

咆哮は乙女の佇む場にも届いていた。
乙女はやおら指を天井へと向ける。

「放て」

令と共に、ゴッ!と爆音を立て風が放たれる。
それは天井を穿ち、咆哮の主へと一直線に向かう風、というより嵐か竜巻の類であった。
無論魔術によるものであることは明らかだがその規模がヒトによるモノとは到底思えない。

「……む、仕掛け諸共吹っ飛んでしまったか」

凄まじい暴風は小部屋を破壊し爆薬の類を巻き込んで突き進む。
意図していなかったが、爆薬の類を獣へと浴びせる様な形になった。

「うん、少し身を隠そう」

ちょいと外で爆破させるには量が多すぎる。
幸いなのは宙で爆発するだろうから地上への衝撃は幾らか軽減されていることだけ。
被害が出ないとは言っていない。
乙女的には…まあ、無辜の民に被害は及ばないから良しである。

「しかし、こんな所にこんなモノが飼われているとは…献上品だったのだろうか?」

身を屈め、来たる衝撃に備えた乙女の視線の先には象程の体躯を誇る竜がいた。

1929「記憶」:2017/01/04(水) 02:03:48 ID:27To76QI
>>1927
>>1928

「こちとら完全に人間辞めたことが2回あんだよ!2回!
その内1回は性別反転してんだぞ!?アイツなら足止めできるて思うのが当然だろうg―――」

背後の炎獣に指を指しつつ、振り返るのと目線が合うのはほぼ同時
そして

「ウッソだろ…お前」
『いや、其処は死んどけよ……生物的にさぁ……』

この台詞につながるわけである。

―――了・解・お・前・も・走・れ

同じくハンドサインで状況把握、走り出そうとした瞬間――――!!

「――――アバーッ!?!?!?」

―――――――ギャオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


突如、レイヴンの付近が突風と爆炎が炸裂!!
しかし正確な爆心地は、炎獣の真下!爆炎だけではなく…これは突風?竜巻である
魔法的な竜巻は炎獣の腹をぶち抜き、宙に巻き上げ、容赦なく地面に叩きつけられる。

尚、レイヴンはシャキンの横を人間魚雷のようにすっ飛んでいった。
オオ、ゴウランガ、あれが噂に聞くニンゲンマジックミサイルである、ワザマエ!


――――――………

リグレットの獣が"息絶える"おびただしい血を撒き散らしながら、絶命する

その瞬間である…

シャキン、レイヴン、そして

――地下にいるはずのラピュセルにも何らかの記憶が"入り込んできた"


「―――リグレット様、貴方のお陰で街が平和です」
「―――リグレット様、この間はありがとうございました」
「―――リグレットさん!こんにちはー!」
「―――リグレット隊長」「隊長!」「隊長!」
「―――隊長!お手合わせ願います!」


「―――リグレットよ…お前はフォーマルハウト家の誇りだ。」


生前の彼女…獣になる前のリグレット・フォーマルハウトとしての記憶が流れ込んできた
だがその記憶を押しのけて、本能的に気になる記憶が一つ皆の頭に強く残った。
王都騎士団の鎧に身を包、やや年嵩で紳士的な雰囲気を持つ男がリグレットに対して、こんな言葉をかけている

「―――リグレット、数か月前から王都に奇妙な病が流行しているそうだ
 なんでも『人』が『獣』になるとの噂だ…いや、単なるガセかもしれんが、君の方でも調べてくれないか―――」

そこで記憶は途絶えた…
目の前にはリグレット・フォーマルハウトであったで『獣の死体』が横たわっている
彼女の名の意味を知るものは少ないが、その意味は『後悔』であったという…






―――― 血と共に、2本の折れた剣が口元からこぼれ落ちていた。

1930脳内修正をお願いします:2017/01/04(水) 02:17:27 ID:27To76QI

――――――………

リグレットの獣が"息絶える"おびただしい血を撒き散らしながら、絶命する

その瞬間である…

シャキン、レイヴン、そして

――地下にいるはずのラピュセルにも何らかの記憶が"入り込んできた"

柔らかな顔をした老人が話しかけてくる
「―――リグレット様、貴方のお陰で街が平和です」

子供を抱いた主婦が話しかけてくる
「―――リグレット様、この間はありがとうございました」

無邪気な笑顔をした子供が話しかけてくる
「―――リグレットさん!こんにちはー!」

精悍な顔つきの騎士達が話しかけてくる
「―――リグレット隊長」「隊長!」「隊長!」

蒼いロングヘアと空色の瞳を持つ、清楚な女騎士が話しかけてくる
「―――隊長、お手合わせ願います!」

尊厳さと貫禄のある、父と思しき年老いた男が話しかけてくる
「―――リグレットよ…お前はフォーマルハウト家の誇りだ。」


生前の彼女…獣になる前のリグレット・フォーマルハウトとしての記憶が流れ込んできた
だがその記憶を押しのけて、本能的に気になる記憶が一つ皆の頭に強く残った。
王都騎士団の鎧に身を包み、やや年嵩で紳士的な雰囲気を持つ男がリグレットに対して、こんな言葉をかけている

「―――リグレット、数か月前から王都に奇妙な病が流行しているそうだ
 なんでも『人』が『獣』になるとの噂だ…いや、単なるガセかもしれんが、君の方でも調べてくれないか―――」

そこで記憶は途絶えた…
目の前にはリグレット・フォーマルハウトであったで『獣の死体』が横たわっている
彼女の名の意味を知るものは少ないが、その意味は『後悔』であったという…






―――― 血と共に、2本の折れた剣が口元に落ちていた。






.To be continued

1931「変動」:2017/01/06(金) 21:59:42 ID:vogm0ZUU

「――― さて、一息つけたわけだが…今後どうする?」
粗末な配給の食料…堅パンとぬるいスープを前に
鴉羽の狩人"レイヴン"は、けだるさの残る様子で口火を切った。

ここはジグザールの王宮に近い、城下町の広間
王宮に近い富裕層の集まる市街である此処は、大きく綺麗な広場が名所だった。
現在、広間は荒れ果てて、避難民たちのテント等で溢れかえっている
我々は、そこの端の一角を陣取っているわけだ。

王宮に繋がる土地柄か、衛兵の詰め所や兵器庫も集中して配備されている
今のところ、国が主導して生き残りを集める避難所の1つだ

なぜ富裕層の傍に避難所があるのか?
権力がある者達が『優先』されるのは、いつどこの時代でも当然である。
王宮へと続く市街への門は、防衛の為固く閉ざされ
門衛達の綺羅びやかな鎧に『国』へ助けを求めて、詰めかける避難民たちの姿がぼやけて映る

―――― 何故、此処に居るのか…時は数十時間前に遡る

【リグレットの炎獣】を狩った我々は、妙な『記憶』を得た。
理屈は分からないが、獣になる前の彼女の記憶が頭に流れ込んできたのだ。
慕われていた住人や部下達の言葉…そして紳士的な騎士が発していた【人が獣になる病】

「これは…どういう。」
あまりの超常現象に、片手で頭を抱えるレイヴン。そのまま卒倒しそうな勢いである。
幾つかの疑問点が頭に浮かぶ中、亡骸になった獣…リグレットを一瞥する。

「埋葬は……」
道中で散々獣達を狩ってきた身で、おかしい発言とは思っていた
だが、そうしなくては自分自身の正気が保たれない気がしたのだ…まるで自分達も【獣】になってしまいそうな不安があった。

1932とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 22:14:18 ID:ARhRuAAM
>>1931

死んだ獣の前にシャキンは赴き、そして敬礼をした。
恐らく王都でも有数の英雄に対して。
遺体には武器庫にあった微かに焦げてはいるが比較的マシな王都の国旗を彼女に掛け
王都の国歌を口ずさみ、儀礼隊の様に銃を上に掲げ
空砲
「英雄、リグレット・フォーマルハウトに敬礼!」
最大の敬意と尊敬を彼女に向けた

これは悪い夢なのかもしれない
実は俺はまだ寝たきりであの借金取りからの現実逃避をしているのかもしれない

それでも、俺はこれだけは言える

俺は彼女が好きだった

一人の兵として、一人の人間として

寝ていた記憶が長かったせいか、関わった記憶はもう既に殆ど無い

でも、だからこそ美しく見えたのかもしれない


だからこそ、彼女に対して最大級の敬意を表した


その後、彼女の遺品を手に取ろうとした時、吐き、そして泣いてしまった。

恐怖と無力感

其れが一気に押し寄せたのだった。

1933とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 22:24:43 ID:LRGzkyMU
>>1931>>1932

「記憶が幻惑でなく事実を我々に伝えているなら不用意に触れないほうが賢明だろう」
「グルルルゥ」

ガシャリ、ゴシャリと歩を進める度に床や壁や周囲の何かを砕きながら地下から這い出る大きな竜。
その横に乙女は立っていた。

「呪いの類ではあろうが、それを病と呼称しているのだ。どんな形で感染するか分からん。
 …本当は燃やすのがいいのだろうが、こう大きくてはな」

努めて冷静に語る長槍をメインとした竜騎兵の武具一式を纏った乙女の表情にも陰りがあった。

「先ずは休むべきだ。幸いと言うべきか今の一戦で周囲に何かの気配はない。
 何をするにしても我々自身の状態を万全にしなければな」

1934「変動」:2017/01/06(金) 22:35:55 ID:vogm0ZUU
>>1932>>1933

「…突風の原因はそいつか…グランツ種よくそんなレアなモノ見つけたな。」

言語を解さず空を生息圏とする竜の一種、ワイバーン種。
幾何学的な金色の文様が輝き、それらすべてが『天翔』とよばれる魔術の呪文として読み取れる
このグランツ種は、数あるワイバーンの中でもっとも最上とされる内の1つだ。

「…シャーク」
声をかけようとしたがやめた…
旧友のこんな姿を見るのは初めてだからだ

「なぁラピュセル…こういう時どういう顔をすればいい」

彼女とは面識はなかった。
レイヴンにとって騎士団というのは、しょっちゅう職務質問をされる面倒な人たちといた認識だ
しかし、己の旧友は深く悲しんでいる…その目の前で不躾な真似は出来なかった。

「十字架でも作ろう」
仕方がないので、廃材を使って十字架を作ることにし
瓦礫の山へと歩み出すが、それは予想外の来客で中断される事となった

「見ろ、騎士団のお出ましだ。」

近づいてくる馬の蹄の音…中には馬鳥達も混ざっているようだ。
騎乗動物に跨った10人ほどの騎士達が、3人の目の間で止まる。
綺羅びやかな装飾の鎧、ジグザール国防軍騎士団だ…

『止まれ―――生存者だ 』

先頭に立つ騎士の合図で、鎧が擦れる音共に下馬を始める騎士達。
おそらく彼が隊長だろう。
ヘルムのバイザーを上げ、3人に近寄ってくるその顔つきは―――
【リグレットの記憶にある、獣の病について発言していた男、その人であった】


『王都国防軍騎士団隊長、ヴァルハッド・ヘーゲマンだ

       …ここで何があった?詳しく説明したまえ。』

堀の深い顔に、浅黒い肌。年嵩で紳士的な雰囲気だが、鷹の様に鋭い目つきをしている。
高い気位と厳格さを体現するようなバリトンボイスで問いかける
口調は丁寧だが、物腰は尊大だ。
騎士なんて、身内以外にはだいたいそんなもんだ――

「見てわからないか?獣に襲われた、俺達は身を守った、それだけだ。」

そんな心のつぶやきを漏らしながら、不躾なトーンで言葉を返すレイヴン
露骨な嫌そうな目をしている…もっとも格好からして目しか見えていないが。

1935とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 22:51:57 ID:ARhRuAAM
>>1933
>>1934
「……そうだなラピュセルの言う通だ」
少しよろめきながらもラピュセルの言葉を肯定する
それは、頭で理解している事。理性的に考えればラピュセルの言う事は正しいのだ

「だが、燃やすにしても全てが終わってからだ」
全て。それが出来るのはラピュセルとレイヴンだけだ。俺は……
可能な限り、彼らを彼女らを其れ可能にする為に行動するだけだ

「安全な場所を探すしかないな。もしくは作るかだ。どちらにしろ、武器・弾薬・食料を掻き集めなければ……」
こういった状況では何を優先すべきか判らずにいた。
とにかく自身の知識をレイヴンとラピュセルに伝えて、精査した貰うのが先だ。
一人で突っ走っても此処では死ぬだけだ


「十字架はいらない。認識票を探して、終わったら……」
其れを飾るしかないと言いかけた所に、ヴァルハッド・ヘーゲマンが来た

「……リグレット・フォーマルハウト Killed in action ――KIA(戦死)」
騎士団にその事を伝える。
其処に先ほどまでの悲壮感は無く、軍人の事務的な報告をした。

「戦況はどうですか?団長どの?」
戦況
この状況でどこがまだ機能しているのか、それが知りたかった

1936とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 23:00:17 ID:LRGzkyMU
>>1934
「王都への献上品か、はたまた地下組織の隠し玉か。
 地下へ隠されていた辺り、後者の方とは思うが運命を感じる」

ぺしぺし、と竜の首を軽く叩く乙女。

『ルルゥ』
「…出会い頭に噛みつこうとしてきたから拳骨を見舞ってやった。
 それ以降とても大人しく従順だ。グランツ種と言うのか、私の知識にはない竜だ」

何でもないように乙女は語る。
その直後に騎士団のお出ましだった。

「……見ての通りだ。獣が暴れていたので其れを討った」
『ガァッ』

>>1935
「シャーク殿、その報告は…」

些か軽率なのでは?と言う後半の言葉を飲み込む乙女。

(正直今は騎士団とて白とは言えない。
 加えてこの獣がリグレット嬢であると我々が知りえたと言う事実を彼らが如何解釈すると思う?)

考えすぎではあると思うが、こんな状況だからこそ見極めなければならないことも多い。
目の前の連中も平時よりは確実に冷静さを欠いているだろう。
何が火種になって誤解を招くか分からない状況でもあるのだ、今は。

(身内を殺されたという事実、それだけで彼らには我々に対し如何とでも動ける名分になっている…)

1937「変動」:2017/01/06(金) 23:28:51 ID:vogm0ZUU
>>1935 >>1936

1/2

ラピュセルの不安は幸いにも杞憂で終わった。

『…やはり彼女だったか、嗚呼リグレットよ…君は最後まで』
『―――ッ!!』

炎獣の亡骸…リグレット・フォーマルハウトであった遺体に敬礼をし、悲しい目で見つめる隊長
その横から走り出す、一人の騎士。
軽装鎧に身を包んだ真面目そうな女性騎士、まだ新米なのだろう…年齢は20代前半だ
蒼いロングヘアに、リグレットに似た空色の瞳…その瞳からは大粒の涙が次々と溢れ出ている

『ぅうぁぁあああああああああああああああっっ!!』

汚れることも構わず、獣の亡骸の前で崩れ落ち、泣き叫ぶ
それにつられて、隊長の背後の騎士達からもいくつかの嗚咽が上がり始める。
が、全員が敬礼を崩さずにいた…それほどに慕われていたのだ。

彼女の名はナタリア・ベテルヘウゼ
リグレット・フォーマルハウト直属の研修生であった。
そう…記憶に残っていた、彼女に手合わせを願っていた、あの女性騎士である。

『君は騎士団の所属ではないな…まぁいい 君達は彼女を"開放"してくれた
彼女は最後まで民を守ろうと奮戦した…そう部下達から聞いている。
よくぞ勤めを果たしたな軍人よ…彼女の遺体は我々が然るべき場所で埋葬する。』

シャキンの軍人気質な態度を見破り、騎士団の隊長としての感謝を伝える。
淡白だが、恭しく礼を行っていては時間がいくらあっても足りない。

「悪いが、騎士団隊長さん 一つ聞きたいんだが…
アンタ、人が獣になる病を知っているか?悪いが王都に帰ってきたのは此処最近でね…」

そこでレイヴンが1つの問いかけ
そう、人が獣になるのは一夜でなったものではない、おそらくはもっと前から起こっていたのだ…
シャキンも気になる事が一つ、戦況把握、それに応じた補給

しかし、隊長の口からでた言葉は一つだった

『―――機密につき答えることは出来ない。
 我々の任務は生存者を保護し避難所へ案内する事だ。
 一部の騎士が案内する、彼らに同行してもらおう。 』

1938「変動」:2017/01/06(金) 23:29:31 ID:vogm0ZUU
2/2

―――そして避難所へ、というわけだ。
それも一部の騎士達に随伴される形であり、隊長とは離れ離れ
道中で話を聞き出すことすら出来なかった。

「―――さて、一息つけたわけだが…今後どうする?」

まずレイヴンは装備が無い。
鳥銃は真っ二つでスクラップ。(当然捨ててきた)
サーベルもワイヤーが千切れ、刃も魔炎の炎で傷んでまった(これも捨ててきた)
現在の彼は丸腰である。

「あるのはバッカスの地下倉庫の鍵…丸腰であそこに戻るのは勘弁したいがな。」

一部の常連たちに渡されていた地下倉庫の鍵。
あそこには食料や水、後はツケや担保で預かった装備等が複数あるはずだ
バッカスでの食事を終えたら開けようと思っていたが、炎獣が襲ってきたのでそれどころではなかった。

そして、ラピュセルの頭のなかには一つの確信が浮かぶだろう
騎士団としても彼女…リグレットを"元に戻す事"を諦めていたのだ。
騎士団は国とつながりがある、治療法があるのなら施されていてもおかしくはない。
卓越した剣技と魔術を持つ有力な魔法騎士を見捨てる…否見捨てざるをえない。

獣化したら最後、二度と元に戻ることは無い という確信だ。

畑を荒らした獣はどうなるか、山道で人を襲った獣は…
街を破壊し、沢山の人を殺めた獣は…前の姿がどうであれ、道は一つ"討伐"である。

「その、ワイバーン君にも食事を与えなきゃならん。
 シャキン、お前も残弾が心配だろう。」

さて、この都市機能がほぼ麻痺したパニック状態
お金を払って買い物なんてやってられない、無人の店、倉庫…
やることは一つ!

1939とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 23:50:01 ID:ARhRuAAM
>>1936>>1937
ラピュセルの方を一瞬だけ見る
その表情は分かっていると言いたげだった
だがそれでも、KIAを認めさせる他ないとシャキンは思っている
そうしないと、後に残された者が悲惨なのだ

「ありがとうございます。騎士団長殿」
そうと一礼た

「……機密ですか、わかりました」
そう答えるとそのまま騎士に付いて行く
事態は思っていたよりも最悪だ。シャキンは過去の経験からそう感じた
最低でも外部からの増援はしばらく期待できない。その程度であれと願った


「今後か……」
漠然と考える。この状況をどうすべきか
正直全く分からないでいたのだ
防ぐ事の出来ない獣化。その中でどう行動すべきか
動いても死。動かなくても死。
増援も無く、始終敵だらけ。流石にこの様な状況は片手でも数える程度だ
いや、市街地戦とすれば初めてなのだ

「あぁ確かにな。弾薬とこの武器の整備も必要だな」

そう言うと、シャキンはレイヴンから借りている魔銃と取り出す。今まで使わなかったのは単に整備的な問題
整備をキチンとすれば少なくとも使える武器
何か秘策でもあるのかと体を乗り出す

1940とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 23:51:48 ID:LRGzkyMU
>>1937>>1939

「とりあえず、火事場泥棒か……
 いや、四の五の言っていられる状況ではない事は百も承知なのだが」

なにか、こう矜持のようなものがあるのだ、本から出でし混合乙女には。
しかし背に腹は代えられぬ。武士は食わねど高楊枝なんて言葉は無論辞書にない。

「……フルークガストカンパニー?」

じゃあ何処が一番ましなものがありそうだろうか、乙女はそう考え周囲を見回した。
そうして目に留まったのが看板が半分取れかけぶら下がった状態の店。
知ってるヒトは知っている、万事屋であった。
外観としてはそこまで被害を被っていないように見える。

「しかし…流石に中に何か残っている何て事は……」

1941「変動」:2017/01/07(土) 00:32:38 ID:ccjIqX2w
>>1939>>1940

「ここからトンズラこくにしろ
 お嬢さんの言う、救いの手を差し伸べながら殲滅するにしろ...力が必要だ。」

いかにも不味そうな(実際マズい)パンを苦虫をつぶす顔で齧る
ジグザールを捨て逃げ出す…それも十分ありだ
友好国のベルジニアは兵の1人もよこさないし、絶賛喧嘩をふっかけているソルビニアがいつ強襲してきてもおかしくないのだ。

「その通り、火事場泥棒をしながら…出口の確認ぐらいはしても悪くないと思うぜ」

――― そして避難所を後にし、人っ気の亡くなった荒れた街を探索している3人
ここは富裕層に近い街もあってか、衛兵の数も多かったのだろう
バッカス周辺ほど荒れ果てては居ない。
唯一共通点があるとすれば、肉の焼ける臭い…
文字通り"焼いて"いるのだ"感染"がひろがならないように。


「…フルークガストカンパニーか」

―――フォークから魔導具まで!売れるものならなんでも売ります!―――
がキャッチコピーの万事屋。
冒険者の支援を目的とした営利団体であり、世界中に支部が存在、出店していると聞く
中には粗悪なガラクタ屋もあれば掘り出し物もある、店主によってピンキリなお店。
王都にも同じ店が何店か出店している、冒険に無縁な一般人から見れば
「怪しいから入っちゃダメよ」と言われる程度の評判

「何か残っているかもしれん…入ってみるか――――」

返り血らしきついた扉を開けるレイヴン…店内へ入り
彼はそこで歩みを止めた……

まず、綺麗なのだ…普段行くことのない、ちょっと高めの酒場の様に
豪華な調度品…があるわけではないが、椅子等はそれなりに良いもの

壁側あるのは…魔導式の工作機械だ、旋盤もあるし、鍛冶台もある
剣や銃火器の整備…それどころか部品があれば製造もできるだろう。

そして反対側にはバーカウンター、いくつかの酒を除いて棚の中身は空っぽである。
奥には本棚と魔道具の棚…いくつか役立つものがありそうだ。

入り口付近、店の中央に3人の男女がこちらを…見ていない
各々で好きに会話をしている

男「おぉリグレットよ、君のような崇高な人間が獣になってしまうとは…」
女「人はみな獣を飼っているものさ、彼女もその一人だったはずだ。」
男「しかし、彼女の佇まいや眼差しは獣とは言えなかった。」
女「ベッドの上ではわからないさ」
男「生涯未婚だったのに…?おっと"お客様"だ。」

安っぽい芝居のかかった口調で会話する二人の男女
男の方は、赤と黒の燕尾服に身を包み、大きな赤い三角帽子をかぶっている
微笑む口からは、二本の犬歯…吸血鬼だ。

女の方は、黒を貴重としたバッスルスタイルのドレスに身を包んでいる
さながら貴婦人のようだが、病的な白い肌に黒すぎる髪の毛
口からは同じく二本の犬歯、彼女も吸血鬼だ。

"レイヴン"は硬直している、否、驚愕している

「ば、か…な……」

思わずそこでへたり込み、膝立ちになる。
それは、シャキンの夢にも出てきた過去の自分自身であったからだ

そしてもう一人、2人の男女の間にノリノリでアコーディオンを奏でるのは…
『巨人狩りの聖女』を生み出した、豪華絢爛な衣服を纏い、その反面シンプルな仮面を付けた黒マント…
語り部のソイツだ。

1942とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 00:55:30 ID:mfeB3k8s
>>1940
>>1941

「火事場泥棒では無い。徴収と言っておこう」
ハハハと笑いながら辺りを警戒しつつ進む

「まぁ、仕方ないとはいえ……か」
人肉の焼ける臭い。それは酷く嫌な臭いだ。イルタでの臭い
寝れずに隣で寝ていた戦友が神に祈っていた事を思い出す
その戦友も次の日、同じ臭いとなった
もう嗅ぐことは無いと思っていた。
それが今や町中

「……」
酷い吐き気にうなされる。この事件が、これが全て終わったら果たして自分は無事に居られるのだろうか
そう考えてしまう

「ここがか」
店の風貌に少し驚く。もっと質素なのを想像していたからだ
こういったのがスタンダードな冒険者の店なのだろうか?

レイヴンの後に続く

店の内装については申し分ない。工作機械等の修理用品があるのは嬉しい
何せ剣や魔具と違い、銃は壊れたら只の棒切れ
若しくは鈍器なのだ
銃剣やナイフが欲しいシャキンにとってはこの店は大当たりだ


中を拝見する。此処で立てこもるのも或いは手の内だろう。
最も、そうなれば後は死ぬだけだが。

「う……そだろ……?!」
驚きを隠せないでいる。何故こいつらが此処に居るのか
どうやってレイヴンから別れたのか?
やはりこれは夢なのか
頭の中で様々な考えがグルグルと混ざり答えを潰していくだけだった。

1943とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 01:00:32 ID:e7x58OIM
>>1941>>1942

「…ん」

店内に入るや否や展開された光景に乙女は眉をしかめた。
そして迷いなく次の行動に移る。

「何故貴様が居る」

流石に屋内で長槍は振り回せない。
当然ながら補助武器として携えている無難な長さの剣に手をかけ抜刀の構え。
顕現したその瞬間からソレとは敵対する宿命。

「これは何だ、既に舞台の幕は開いた筈だ。演出家気取りも大概にしろ語り部!!」

幻覚の一種であろう事は想像がつく。
だが意図が読めない。それが一番厄介だった。

1944「変動」:2017/01/07(土) 01:16:31 ID:ccjIqX2w
>>1942>>1943

女…エリゼと名乗っていた彼がニコニコした笑みをしながら話しかけてくる。

女「やぁ"シャーク"!手紙は渡せなかったが夢の中でのメッセージは受け取ってくれたかな?」
男「待て、君は彼とは面識がないはずだろう、あるのは私の方だけだ。」
女「はて?そうだったかな?いやいや、君と私もどちらも"私"であるのだから面識はあるはずだ」

「――貴様らは誰だッッ!!!!」
『――大概にしろ語り部!!』
『う……そだろ……?!』

2人の叫び声と一人のつぶやきのタイミングは、ほぼ同じ。
エリゼは"手紙"と発言していた…つまりレイヴンに寄せられた手紙を知っているということ

つまり、手紙の主は彼らということ、なのだろうか?

――― チャラララララララン♪
最後のフレーズを弾き終えて『語り部』が顔をあげる
弾き終えて尚、アコーディオンは音楽を奏で続ける…自動演奏だ
こいつ最初から弾いてる振りしかしてない。いわゆるエアアコーディオン

「いやいや違いますって!ワタクシは『語り部』ではありませんよ!
 ええ…ございませんともっ!ワタクシは語り部殿の残り火、しがない残火でございます。』

長剣を構えるラピュセルに対し、ワタワタと暴れだして
わざとらしく貴族の一礼をする『語り部』

妙だ…彼女の脳裏には疑問が浮かぶだろう
記憶にある語り部とは、仕草、口調が微妙に違う。
まるで彼を模倣している様な様子だ…着ている服の模様やボタンも微妙にデザインが異なる。
たが、偽物とは思えない…偽物にしてはわざとらしさが無い。
記憶をたどる…たしか本物の『語り部』がいっていた、己には自分を模した分身が居ると…

「そうっ!それです!ワタクシ彼の分身の身でございます!
 いやーワタクシも驚いたんですよ、突然本体の『語り部』殿が消えてしまったのですから!」

己の考えを見透かすように指をさす、語り部…の紛い物。
なるほど…おそらく彼女の中で合点がいったのでは?

1945とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 01:23:58 ID:mfeB3k8s
>>1943
>>1944

わからない

彼らの行動や理念が見えてこない

彼らは一体何なのだ?

近くに有った椅子に座る
銃口こそ下に向いているが、何時でも対応できるように備えている
「お前らの目的はなんだ、残り火達よ」

動きが読めない。これが一番の問題だ
少しでも彼らを知る必要がある

1946とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 01:36:57 ID:e7x58OIM
>>1944>>1945
「質問に答えていないぞ贋作」

構えは解かない。

「私達に何を見せている。
 事実か?虚構か?
 生憎、贋作の気まぐれに付き合う余裕はない」

何が何だか分からない。
解かない構えは余裕のなさの表れにも等しい。

1947「変動」:2017/01/07(土) 01:47:04 ID:ccjIqX2w
>>1945>>1946

男「―――ほら見ろ、皆が混乱している」
女「…お嬢さん、君が 見ているのものは幻想でも幻惑でもない
  紛れもない事実さ…この私が保証する。
  彼は"此処"に何も関係は無い、そのへんで彷徨いてきたから連れてきただけさ。」

女「さて、本題へ入ろう…手紙の主は私だよ、夢に出てきたのも私達だ
  手紙にある通り、魔剣士、魔人、異才の従者が禁忌の獣と呼ばれる…
  まぁ要するにヤバいやつの目を覚まさせてしまった」

男「…手紙の内容を考えたのは私だがな
  ドクオ ネームレス・アヴェンジャー ジャック・テイラー
  あぁ、どれも懐かしい名だ。」

女「手紙を書いたのは私だ。さて、君達には
 
  狩 り を 全 う してもらいたい 此処はその為のちょっとしたプレゼントさ

  いい工房だろう?調度品は私が選んだんだ。」

男「語り部君、例の物を彼らに配ってくれ」

「はい!かしこまりましタ!」

そう叫び、スキップをしながら部屋の奥へと跳ねる『語り部』
しっちゃかめっちゃかに物をかき回した後、トレーに乗せて持ってきたものは3つの鍵
どれも同じ形状だ。

女「この鍵を、フルークガストカンパニーの扉で使えば
  いつでも"此処"に戻ってこられる」

男「ここ以外のフルークガストカンパニーでも?」

女「いかにも、どこのフルークガストカンパニーでも
  扉の前で使えば、必ず"此処"に繋がる」

男「扉が壊れていたら?」

女「さぁ?――――では諸君、また会おう。
  狩 り を 全 う したまえよ。」

「待て―――ッ!!」

レイヴンがそう叫ぶが…
その瞬間、3人は何の前触れもなく"消えた" まるで最初からそこに居なかったように…
手元に残されたのは、いつでも此処に繋がるという鍵のみ

「…わからん…一体何が起こったんだ」

此処は二階建てらしい、バッカスのように宿屋になっているようだ。
レイヴンはフラフラとした足取りで二階へと向かう

「…寝る。」

悪い夢であってくれ、そう背中が語っていた。
何にせよ、我々は『拠点』を手に入れた…狩りを全うするための『工房』を―――


.To be continued

1948「蒐集」:2017/01/14(土) 20:39:03 ID:ZoHXNK9E
――朝だ

旧友の過去の姿が分離して3人になっていた。
街は相変わらず崩壊へ向かっている
空には異型の瞳
夜中に響く獣の叫び声

それだけで、目覚めは最悪だ

「起きたか、シャーク。」

分離した2人と語り部…その3人から譲り受けた『工房』
まばらに並んだ酒瓶をバックにカウンターに座る、旧友…レイヴン
今や獣の狩人となった彼は、鴉を模した狩装束に身を包んでいる。

「ラピュセルだが、今しがたワイバーンを連れて出払った
 付近を見てくるそうだ、昼頃に帰るらしい…」

彼が座っているカウンターには、凝った装飾の手紙といくつかの書簡がある…
おそらく「例の三人」の置き土産だろう…。

1949とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 20:58:27 ID:drq4cqYk
>>1948

夢から覚めた。

現実に戻り、様々な事が頭をめぐる
街の崩壊。異型の瞳に獣の叫び声
そして、何より……彼女の死


それらを引き立てる様に、ある夢を見た。
それは幸せな夢だった。日常のごく普通の休暇の時の夢

少し遅く起き、愛おしい妻と買い物に出かけ、語らい、そして愛し合う。
そんな全てを失う前にあった日常の夢


「……あぁ」
虚ろな目をしながら外を見ていた。その姿から現実を受け入れていない様に見える。

適当な酒を手に取り、其のままラッパ飲みをする。


「……」

そのまま、酒をカウンターに置いてレイヴンを見る
鴉を模した狩装束の彼はこの状況に馴れたのだろうか?
はたまた楽しんでいるのだろうか?
どちらにせよ、少なくとも自分よりは気丈である。

「了解した」
彼女の能力からして無理をしない限りは一人で行動しても余裕である
カウンターにある幾つかの書簡の内、一つを手に取り読み始める

1950「蒐集」:2017/01/14(土) 21:07:59 ID:ZoHXNK9E

>>1949

――さやわかな林檎の味、そして微炭酸 シードルと呼ばれるりんご酒である

「…俺も理解が追いつかんよ…なにせ記憶が"吸血鬼"になった時から止まっているからな
 どこぞのイカれ聖職者に、心臓打ち抜かれた…その時のままだ」

吐き捨てるようにつぶやく。
現在丸腰の彼、手はそわそわとしている。

テーブルに散らばる 胡桃とサラミ、携帯食のクラッカーに硬いチーズスライス
適当につまんでくれということだろう
朝食というよりも、行動食だ…もちろん"狩り"を行うための

「…あぁ、朝方まとめて置いてあった、ご丁寧にも手紙付きでな」

手紙の内容は単純「プレゼントを君たちに」の一文。
書簡の中身は地図だ、バッカスの付近でラピュセルが持っていた物と似ている
ところ何処に赤い印が書かれた、おそらく武器庫か何か…それを示すものだろう
「例の三人」の事だ、変なところで都合がいいに決まってる。

1951とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 21:12:36 ID:eDBaifAs
>>1948>>1949>>1950


「こうして新たな一日が始まる。
 昨日までの喧騒が嘘のように静かで穏やかな、
 血で血を洗い、肉を切って骨を断つ、体も心も擦り減っていく戦いから離れた一日が」

不意に何処からか声が聞こえる。

「と、なったらさぞかし気が楽なんですけどねぇ?」

ドバン!と入口の戸が勢いよく開け放たれる。
開いた先の空間、差し込む朝日をバックにソレは居た。

1952とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 21:26:21 ID:drq4cqYk
>>1948

「……クソ」
小声で悪態を付く。
りんご酒。それはシャキンの好きな飲み物であった。
其れと同時に何時もの日常を思い出す味でもあった。
りんご酒を一気に飲み干す。そうすればこのさわやかで美味しい苦痛の味を誤魔化せるのだから

「……すまない」
吐き捨てる様に呟いたその言葉に申し訳なさそうに言う。それと同時に少しだけ気が楽になった

「どうした?」
丸腰で手を動かしている。
「武器か……どうだ?」
つかうかと、自身のカービンライフルを差しだす。信頼性と丈夫な武器だがやや小振りで
射程距離にやや難がある武器だ
市街地戦にはもってこいではあるが


手紙を読み始める
「有り難い事だな。有用に使わせてもらうか」
武器庫か医薬品かはたまた逃走経路の入り口か
何だっていい。使えるものは使うまでだ

>>1951
「誰だ!」
銃を構えて声が聞こえた方に振り向く
セーフティと引き金に指を掛けては居ないものの即座に攻撃に反応出来る体勢ではある

1953「蒐集」:2017/01/14(土) 21:34:43 ID:ZoHXNK9E
>>1951
>>1952

「…カービンか、あまり慣れてないな…それに…」

差し出されたライフルを見て、少々乗り気でない。
カービンに対して難癖をつけてるわけではない
信頼性もあり頑丈…だがやや小ぶり…つまり口径が小さい

「…人を撃つなら十分だ、人ならな。」

その銃は人を撃つなら、十分な殺傷力だろう…過剰な威力は不要
銃を扱う軍では基本的なことである
だが、あいては 『獣』だ…人を撃つための弾では威力が心もとない。

と、いったところで突然の来客
ここに来るには何が必要だ?
胡散臭い3人からの鍵だ
つまり、ここに帰ってくるのはラピュセルのはず
しかし声の主は違う。

「――誰だッ!」
『誰だ!』

シャークとレイヴンの声はほぼ同時
空の酒瓶を握って、反撃の体制。

1954とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 21:39:36 ID:eDBaifAs
>>1952>>1953

「あ〜た〜らしい朝が来た、希〜望〜の朝〜だ〜。
 …んっん〜、春風そよぐ小高い丘の草原に立つ、
 一軒家のふかふかベッドで目覚めたら、こんなフレーズも口ずさみたくなるもんですがねぇ…
 現実は右を見ても左を見ても血と肉の臭いばかりで辛気臭いったら…あ、オハヨウゴザイマス」

ばさり、とうやうやしく頭を下げ礼をするソレが大きく動かした右腕。
礼と同時に、周囲にはらりはらりと羽根が舞う。
ソレは奇妙な姿をしていた。
鳥を思わせる黒い仮面、足は鳥のそれ、左腕はなく、
右腕は黒い羽毛で覆われ、煌びやかな衣装で身を包む背の低い亜人。
一々芝居がかった動きに口調、加えてその恰好は、
此処数日で何度係わったか思い出す度に頭が痛くなるアレ等の類から全く逸脱していなかった。

「いやはや初にお目にかかります。
 手前はしがない語り部見習い。故あって本日まかり越してございます」

その首から見慣れた鍵がぶら下がっている。
此処に至るための鍵。
もう一つ付け加えれば『…落としたら大変だからな』と乙女が鈴を括り付けたソレであった。

1955「蒐集」:2017/01/14(土) 21:52:36 ID:ZoHXNK9E
>>1954

「――― デミ野郎(亜人) ラピュセルを何処へやった。」

胡散臭い語り部は『残り火』といっていたが、こいつもその一人なのだろう。
姿形は違うが、芝居じみた口調、そして胡散臭い雰囲気は
語り部の連中以外に誰がいる?
そして、首元の鍵、もはや答えは一つ

―――現状、こいつは敵だ。

「その鍵は何処で手に入れた?残った腕ちぎられたくなきゃ
 正直に答えるんだな。」

丸腰だが腕力に自身はある。
そして隣の旧友に目配せ…いつでも撃つ準備をしておけとの事だ

1956とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:03:38 ID:drq4cqYk
>>1953>>1954
「……悪いが今日は寝起きが悪いんだ。一体、何の用かな?小鳥さん」
語り部の歌に気が立っているのか、口調が荒くなる。

語り部。ラピュセルにあった時やこの場所を開けた時にも居た人物
いや、組織だろうか。
魔法か魔術か、実際の所はよく解っていない。
敵でも味方でもない。そして中立ですらない。トリックスターとでも言うべき存在
扱いが難しい相手だ。慎重に進めないといけない
相手がこちらより弱いなんて言う保証はないのだ

鍵を見つめて亜人の語り部を見る。
睨みつけるわけでもなく、怪訝そうに見る

「ラピュセルに何があったんだ見習いさん?」
出来るだけ平常心で聞く。機嫌を損ねてはいけない
今現在、情報は金貨より価値が高いのだ

1957とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:09:05 ID:drq4cqYk
>>1955
レイヴンの言葉に、スッと人差し指を一瞬だけ上げる
それは何時でも撃てるという軍用の合図だ

レイヴンの動きに合わせれるという合図でもある

1958とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:10:33 ID:eDBaifAs
>>1955>>1956

「連日の殺し合いで些か余裕とユーモラスに欠ける反応、よろしくございません。
 とは言え昨日までの出来事を加味すれば当然の事」

どうどう、と優しく犬でも躾ける様に翼を動かす亜人。

「その点、乙女は竜と共に優雅に空中散歩。
 苦言を申しますれば、乙女こそ塞ぎ込み、
 貴殿等は余裕をもってそれを支える位の気概が欲しいところでありまして。
 …いやいや、これでは男尊女卑でしょうか?
 そもそも、かの乙女の半分は勇猛果敢な男の物語で彩られておりました。
 ですが物語の序盤に燦然と輝く紅一点。やはり艶も必要なれば悩ましいところです」

ゆらりゆらりと左右へゆっくりランダムに動き回る亜人。
その動きがピタ、と止まる。

「おおっと、そのような事を言いに来たのではありませんでした。
 乙女より言伝を承りますればこそ、このような場に参ったのです。」

1959「蒐集」:2017/01/14(土) 22:26:42 ID:ZoHXNK9E
>>1957
>>1958

「…俺たちは英雄譚を演じてるわけじゃない、ただの血濡れた獣狩りだ
男も女も関係ない、狩るか、狩られるか…それだけだ。」

ところがどっこい、彼は犬ではなく鴉、しつけもなにもあったもんじゃない。

「…お前が無事だというなら無事なんだろうな、語り部。
 あいにく、隣のこいつも俺も虫の居所が悪くてな
 風穴が開けられないうちに、伝言とやらを教えて貰おう」

臨戦態勢はいまだに解かず…
正直、無条件に相手の話を信じるのもどうかしている…
だが『語り部』っていうのはこういう連中である
胡散臭いが、嘘は言っていない。

1960とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:41:04 ID:drq4cqYk
>>1958>>1959
(航空哨戒か……王都の騎士に攻撃されなきゃいいが……)
空中散歩と聞いて、すぐさまこういう発想に行きつく辺り軍人脳と言うべきか

「俺の知っている物語は始終男女共に死ぬだけの物語だ。苦悩も勇猛果敢な奴もだ」

「その物語はイルタ会戦っていうんだがな」

亜人の言葉にどことなくイラつき感じたようだ

「伝言?いったい何だ?」

1961とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:56:54 ID:eDBaifAs
>>1959>>1960

「『私も貴殿らも武具の扱いには長けているだろうし、その手入れも熟知している。
 これから先の戦いにおいて武具の確保は重要課題である、この点は異論ないと思う。
 しかし都合よく自身の扱える武具ばかりが周囲に転がっているとは思えない。
 加えて我々に必要なのは過剰な火力を有する武具であると言っていい。
 手に馴染む過剰火力の武具…ないものは作るしかないが、一つ問題だ。
 作れるか?私は作れない。
 いかに用意された工房が良いものであっても、それを扱うモノの腕が未熟では意味がない。
 故に私は火薬庫漁りではなく、工房の担い手を探そうと思う。
 流石に人材までは地図に記入されてはいないだろうと考えた末の結論だ。
 本来ならば一度戻り貴殿らと協議した上で動くべきなのだろうが…
 そんな考えを巡らせながら空から地上を眺めていた時に気になるモノを見つけた。
 一つは森の中から立ち上る煙。如何にも戦いのそれではなく建造物があるらしかった。
 もう一つは巨大な何か。先日の獣の類か全くの別物かは分からない。
 それが煙目指して木々をなぎ倒し進んでいくのが見て取れた。
 そこに何があるにせよ煙が上がっているのだ、何かは居るのだろう。
 見過ごすわけにもいかない、かといって貴殿らを伴うために戻る時間もない。
 厄介ごとを片付けてから戻る』…との事でした」

「いや実際どうなんですかねぇ?工房を扱うための人材が必要なのでしょうか?
 乙女も思った事を矢継ぎ早に仰るものですから、手前も聞くばかりで何も出来ませんでした」

1962「蒐集」:2017/01/14(土) 23:10:36 ID:ZoHXNK9E
>>1960
>>1961

「―――厄介事…ね」

一通り話を聞いて、ほぼ警戒を解くレイヴン
なるほど、工房の担い手…レイヴンからは抜け落ちていた発想だった。
いつの間にか腕を組み、酒瓶もテーブルにおいている。

「…彼女の武器調達は問題だろうな、俺は銃は作れるが剣は作れん
 いくら魔法があるとはいえ、長剣と長モノじゃ少々厳しいだろうよ。」

それに味方は大事だ
ただでさえ極限状態の今、我々に味方してくれる仲間を探すというのも理に適っている。
3人…それぞれ精鋭だがあまりにも少ない。

「シャーク、決まりだ… "銃を造る"
 ――― 獣に対抗できる『銃』をな 」

テーブルから手にとるのは置き土産の書簡
この印の中には錬金道具店、魔法具店、それに銃器店等も入っているのだろう。
 
「ついでに刃も欲しい…ただの剣やメイスじゃなく
 獣を狩るための刃もな。」

1963とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 23:21:22 ID:drq4cqYk
>>1961
「……」
ぽかーんとした表情を数秒浮かべたのち
「お、おぅ」
また構えた
実際、これだけの内容を詰まる事なく正確に言う辺り、語り部の能力の高さがうかがえる
此れで見習いなのだ。一人前の語り部とは……

想像しただけで寒気がした。少なくとも自分の手には負えない気がする

「いや、正しいのは正しいが。こんな地獄に職人は不味いと思うぞ……」
一応シャキン自体は銃器と魔具の簡易メンテナンスは出来る
だが、職人では無いし出来ても応急修理的な物だ。それにこんな状況の王都に武器を作ってくれる職人何て来てくれるのだろうか

「無茶しなきゃいいが……」
色々と心配になるシャキンであった

>>1961
「銃を作ると言われてもだな……」
簡単に言うなと言いたかったが、書簡の内容をみて多少無理な改造をすれば出来なくは無いと感じた

「獣狩り用の刃に銃器か」
少しだけ考え

「刃は専門外だが、銃の改造なら多少は行けそうだな」
対ゴーレム用の単発銃なら何とか対抗できるかもしれない
そう考える。無論、射程距離や威力は下がるが、それでも無いよりかはマシだ

1964とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 23:33:03 ID:eDBaifAs
>>1962>>1963
「さてソレでは用件を果たしました故に手前はこれにて退場、ドロンさせていただきます」

言葉運びがどうにもおかしい見習いは、くるりくるりとその場で回って礼をした。
自身の右腕を振るって羽根を散らす動きが気に入っているのだろう…

「何せ見習いの身でありながら語るべき事がこの後も目白押しでして。
 少し離れた所にある砦で孤軍奮闘する傭兵団への言伝に、
 川向こうの屋敷に群がる魑魅魍魎をかき分け夜の王への言伝、
 おお、そういえば大病院に籠る少女への言伝も預かっておりました。
 いやはや語るべき事が多い事は良い事です」

1965「蒐集」:2017/01/14(土) 23:51:20 ID:ZoHXNK9E
>>1963
「――ハッ シャーク目の前にいる奴の事を忘れているな
 俺は"ガンナー"でもあるんだぜ?」

そう、目の前の旧友は、この世界で風変わりな武器
銃器のことなら、製造からメンテナンスまでなんでもござれの、生粋の銃士である。

「人を撃つ場合、お前がもってるカービン銃に近いものを造るとなると
 耐久性、威力、弾薬の仕様、整備性、生産性
 予算…まぁを考えだすとキリがないが、軍部の連中が頭ひねって考えることは
 さすがの俺でもそれは専門外だ」

「だが『獣』相手ならどうだ?極端な話、威力と耐久性さえあればどうとでもなる
 得てしてそういう銃器は『単純』だ、単純ということは『整備性』も良い」

「銃ってのは機構は面倒くさいが、原理は簡単だ…『工房』もある…まかせな。」

>>1964

「――ご苦労だったな、獣にならないように気をつけろよ」

すでに獣人だと言うのに、嫌味を一言いって送り出す
『語り部』の連中も使い方によっては頼りになるじゃないか
そう思う狩人であった

「…そうだ、俺もとある奴に伝言を願いたい」

送り出そう…としたその時…彼にはある人物が脳裏によぎった
神出鬼没の気まぐれな魔人…否生粋の魔族
分離した己のどちらの姿も知っていて、なおかつ対等に渡り合えた…その人物は

「( 混) こんな顔の奴を見つけたら、こう伝えてくれ
 『何か知ってるのならさっさと出てこい、脳天ブチ抜くぞ』ってな」

「名前はカオス…特徴的なやつだからすぐに分かる。」

1966とある世界の冒険者:2017/01/15(日) 00:08:11 ID:r55YRSVA
>>1964

「つまり、助けないと死んでいく順番なんだな」
クソッタレと心の中で悪態を着く
しかし、悪態を付いた所で如何する事も出来ない



「そいつらの居る場所の地図はあるか? それと俺からも伝言を『希望を捨てるな』以上だ」

こんな世界でこんな状態だ、絶望して自殺するやつが居るかもしれない
だが、それでも希望を持てば、生きていれば助けに行ける
其れだけだ

>>1965
「――ハハハ、そうだったなガンナー」
「如何やら、まだ寝ぼけていたみたいだ」
愉快そうに笑い

「なら俺も作るか。少し風変わりな銃を」
昔、一度だけ設計図を渡したが取り下げられた武器を思い出した。
シャキン自身がプロデュースした訳では無い物の設計図を少しだけ改良した記憶はある
其れを元に作ってみるのも手だ

1967とある世界の冒険者:2017/01/15(日) 00:14:57 ID:nnt4mubI
>>1965
「その御仁への言伝でしたら先約が108と666ございますので少々お待ちを…
 いえ、ジョークにございます。しかと言伝承りましてございます。
 …ですが其処らの空間に今述べられた罵詈雑言を投げつければ出てくるのでは?
 アレの出現は切っ掛けを作る事で如何様にも出来ると認識しておりますが」

>>1966
「伝言承りましてございます。
 生憎地図を持ち歩きません故、口頭の説明となります。
 …それと少々訂正を、概ね何処も似たようなものです。
 助けないと死んでいくのは貴方方も同様でして。
 悲劇も取り扱うべき物語とは心得ておりますが、
 此度の物語はそうされてしまいますと些か此方の都合が悪いのも事実。
 物語の乙女、手放さぬよう…」

1968とある世界の冒険者:2017/01/15(日) 00:25:51 ID:SrnCuEkQ
壁|<ほんとうに必要な時に呼ばれたぐらいで出てくる訳無いだろ!ちゃんと探せ!


壁|

【……】
【今路地裏の奥から明らかに馬鹿にしたような声が聞こえた気がするが……】
【空耳、あるいは妖精の悪戯の類だろう。 ……現状の王都に妖精が存在するかは定かではないが】

1969「蒐集」:2017/01/15(日) 00:27:33 ID:dCYdXT1o
>>1966
「よし、すぐに出発だ。正直丸腰ってのは不安で仕方がない」

行動食を口に放り込み、出発の準備をするレイヴン
…とはいっても丸腰なので
地図を持って出口へ向かうだけであるが…

さぁ楽しい物漁りの時間だ。

>>1967
 「アイツは偏屈でな
 出てきて欲しいときに出てこない、そしてどうでもいいときに顔を出す
 そういうやつ何だよ、アイツは」

 彼のことはよく知っている
 語り部以上に胡散臭い…だがこういう時だからこそ
 奴に会わねばならない…きっと何か知っているだろうから

 「じゃあな、お勤め任せたぜ―――」

 そういうと扉を開けて出ていく
 最初に見た敵意はもう無い。

1970とある世界の冒険者:2017/01/15(日) 00:47:43 ID:r55YRSVA
>>1967

「あぁ、かまわないさ。何とか覚える」
そう言って簡易地図を取り出す。此処に置いていた観光用の適当な地図だ

「ハハハ違いないな」
自分も助けられる存在だと告げられて何故か嬉しそうだ
いや、正確には犬死しないで済むという事に笑っているのだ

「彼女は……ラピュセルとレイヴンは死なせはしないさ」
切り札だからなと言いかけたが口にしなかった。
其れを行ってしまえば物の様に扱い、感じてしまうからだ
「戦友は見捨てないさ」
軍人としての大原則。それは全てにおいての絶対であった

>>1968
「ん?」
「空耳か……」
一瞬だけ振り向いたが直ぐに向きなおる

>>1969

「レイヴンは殿を頼むぞ、先導は任せろ」

地図を頭に叩き込み、銃を構えて出発する準備を整える

「っと、その前に」

一言メモを書いていく

出掛ける、必ず戻る シャーク

其れをカウンターに残して、先端を水にぬらす
乾き具合でどれほど前か解る仕組みだ

「さて行くか」
扉に手を掛け、ゆっくりとあける

1971とある世界の冒険者:2017/01/15(日) 00:56:36 ID:nnt4mubI
>>1970
「簡潔に…其方と此方と此方です。
 砦は素人目にも見つけられましょう。病院も然り。
 ですが夜の王の屋敷は夜に生きるものに案内を頼むべきでしょう。
 何処も其処へ至れるかどうかは貴方方次第ですが…」

矢継ぎ早に地図へと印をつける見習い

>>1969>>1970

「では良き物語を」

恭しく一礼をし、その背を見送った。

1972「蒐集」:2017/01/15(日) 01:00:49 ID:dCYdXT1o
>>1968
「――ほらな」

誰に言うでもなくそう呟いた。

>>1970
>>1971

「あぁ、丸腰で先頭はごめんだからな」

保険のために地図を懐に入れながら

「――――いくぞ。」

マスクの下で不敵に微笑んだ。
全ては、狩りを全うするために――――!

1973とある世界の冒険者:2017/01/15(日) 01:17:33 ID:r55YRSVA
>>1971
>>1972
それらを頭に叩き込み

「……」
ハンドサインで合図して進む
最少戦闘のみで進む

奴らに対抗する為の武器を手に入れる為に

Fo

1974「疑問」:2017/01/21(土) 22:39:49 ID:fplVq9B6


『 工 房 』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

レイヴンが自信満々で作った3連散弾銃であったが
発射時にフレームがバラバラになった為、急遽作り直し、水平2連式の物となった…
そして、修理を終えて休憩した直後の話…

「さて、今後についての話なんだが―――」
「俺はしばらく情報収集にあたる…ま、単独行動って奴だな。」

3連式あらため、2連式にした『獣狩りの連装散弾銃』を片手に切り出すガンナー
同時に出すのは、1枚の新聞記事…日付は4~5年ほど前なのだが
状態は非常に良い…まるで今日は発行されたばかりのようだ。

「店を漁っていた時に見つけた新聞記事だ
 何年も前の新聞が"新品"で置いてある…って事は『語り部』の企み意外考えられん」
 
新聞の内容はこうだ
『王都の錬金術師、空飛ぶ船の実用化に成功』
『正式に国家錬金術師として任命、国と大学によって数年以内に製造を目指す』

さて、空飛ぶ船…現在そんなものは空に飛んでいない
もし出来ているのなら、それで救助が始まっているはずである…

「…発明の音沙汰なくなるのは珍しくない
 だが、これを『語り部』が『わざわざ用意した』という所に引っかかる」

そう言い終えた所で、ドライフルーツと瓶入りのエールをあおる。

1975語り部見習い:2017/01/21(土) 22:51:10 ID:W2vYmZ1U
>>1974
「そのものずばり、が存在するというよりはソレに近い何かがある…と考えるのがよろしいかと。
 ただ、空を飛ぶモノなのか設計図なのか、はたまた製作者なのかは不明です」

しれっと会話に混ざっているのは、
鳥を思わせる黒い仮面、足は鳥のそれ、左腕はなく、
右腕は黒い羽毛で覆われ、煌びやかな衣装で身を包む背の低い亜人である。
色々な所に言伝があると言っていた気もするが…

「そう言えば空を飛ぶ船に続けて地を滑る高速船の開発に着手、なんて噂話も一時期ありましたねえ」

1976とある世界の冒険者:2017/01/21(土) 22:59:37 ID:vV6cLtN2
>>1974
「単独行動……」
その言葉にやや顔をしかめる
この状況での単独行動は危険だ。敵がそこかしこに存在し、またリグレットの炎獣の様な強大な敵が居るかもしれないのだ

だが、この状況を打破するためには仕方ない行動だと言うのも理解できる
獣の病に語り部

二つの事柄が嫌らしく重なっている現在の状態では、何時か何処かで破滅が待っているのではとすら思える

「了解した。だが、連絡は怠るなよ?」
加工された短式の通信魔石を取出し、人数分机に置く
この前の魔法店で拝借したものだ。
性能は少し怪しいが、これがあれば何とか助けに行ける事が出来る


「……飛空艇」
ぼそりと呟く
この手の話題は軍隊に居たころに良く耳にする事があった
誰かが言った「空を舞う船は戦争の常識を変える」
または「此れからは空は竜では無く船が支配する時代だ」

シャキン自体はどちらも思っていなかった

だが、イルタ会戦以降で考えが変わった
「大きい物は何れ駆逐される。それはワイバーンもまた例外では無い……」
ふと、誰かが言った言葉を口にした。

それは巨大な竜が目の前に落ち、部下が押しつぶされた所を見たからだろうか
又は、自身の部隊が幾度も地上攻撃を掛けようとする竜を殺したからだろうか?

竜もまた、この先の時代につぶされる
そんな気があの戦争以降シャキンの心にあった
軍人としての感想だった

1977とある世界の冒険者:2017/01/21(土) 23:08:36 ID:vV6cLtN2
>>1975
「なぜ、お前が此処に?」
伝言の語り部を目に、少し戸惑いを隠せ無いでいた

「……技術的には何時か可能になるのだろうな」

その手の噂には大体の現実が付きまとうのもしっている

1978「疑問」:2017/01/21(土) 23:18:13 ID:fplVq9B6
>>1975
>>1976

「その反応からすると、お前が用意した物じゃないようだな語り部…予想はしていたがな」

最初に出会った黒マントか…または例の二人にくっついてた贋作の方か
それとも我々の知らない語り部か…それは分からない。

「"鍵"はある、何時間か置きに書き置きを残しに返ってくるよ…これだけじゃ頼りないからな」

水晶玉の様な魔石を懐に入れる…通称『言運びの石』
このマナが乱れきっている状態でどこまで活用できるかは疑問だが…

「―――それに」
「( 混)ヤツにはどうしても会わねばならん、俺自信の問題も含めて…そしてこの事件の真相もだ…」

そう…騒動の発端といわれたドクオ・ジャック・ネームレスの3人
今の3人がどうなっているかは分からないが、そちらの方面も探るつもりなのだろう

「"獣狩り"の刃も必要だしな…さて」
エールを飲み干し、以前もっていた地図を懐にいれ 椅子から立ち上がるレイヴン

「シャーク…最後に言っておく」
「経験を信じるのは良いことだ、だがな―――


―――俺は軍人じゃあない…加えてこれは"戦争"でもない
 俺達の相手は"人"じゃなく"獣"だ…そこを履き違えるなよ」

「じゃあな、死ぬなよ。」

そう言葉を残すと、扉を開けて出ていった。

1979語り部見習い:2017/01/21(土) 23:26:33 ID:W2vYmZ1U
>>1977
「それは至極単純明快な解がございます」

ずずぃ、と這い寄るようにしてシャキンへと近寄る見習い。
大分顔が近すぎる。

「外は何処も彼処も戦場の様相。休息の場の心当たりが此処しかないのです!」

バッ、と右翼を掲げると羽根が周囲に舞い散る。
いい加減床に散乱している羽根の掃除をやらせてもいいのではないか。

>>1978
「現状、目に見える現実以上に混沌が渦巻いております故に。
 この状況においてさえ、未だに己が欲を最優先とするモノも数多。
 それが何によって引き起こされているかも重要ではありますが…
 いやはや貴方の探しビト同様、これまた混沌として先が見えませぬ」

やれやれ、と大げさに首を振って見せる見習い。

「お早お帰りを、現状での長時間の単独行動は褒められません。
 早朝出て行ったきりの乙女が戻らぬのが証左。いやはや…」

1980とある世界の冒険者:2017/01/21(土) 23:37:35 ID:vV6cLtN2
>>1978
「……人が相手だったらどれだけ良かったか」
行動が読めない獣。
出て行ったレイヴンにぼそりと呟く
 「シャーク…最後に言っておく」
 「経験を信じるのは良いことだ、だがな―――


 ―――俺は軍人じゃあない…加えてこれは"戦争"でもない
  俺達の相手は"人"じゃなく"獣"だ…そこを履き違えるなよ」

はき違えた事は無い。敵は獣でこれは戦争では無い
だが、だからこそ経験の中から最善手を求めようとしたのかもしれない。
無秩序な獣に、戦争のような法則性を求めていたのかもしれない
柔軟性
今一番、シャキンにとって欠けてしまっているのかもだった

>>1979
ずずぃと迫った分の顔を怪訝そうに遠ざける

「確か傭兵が守っていた砦は? 此処より強固なはずだが?」
たしかそんな事を言っていた様な気がした

「あと、お前羽を撒くな羽根を」
飛び散っている羽を手に取り、やや怒りながら言う
散らかっている原因の一つにこの亜人がいるのも事実なのだから

「……ラピュセルに何かあったのか」
バンと机を叩き、詰め寄る。確かに彼女が出て行った限り、姿を見せないのはおかしい。

語り部が彼女を殺させな様に動いているとはいえ、不自然だ

もしかしたら、不測の事態が発生したのかもしれない

1981語り部見習い:2017/01/21(土) 23:48:12 ID:W2vYmZ1U
>>1980
「砦は殺気立っております。主に騎乗用の竜どもが。
 いやはや、聞きしに勝る傭兵団のお姿でした全く。
 流石に舞い踊り眠りこける空気にありませなんだ。
 私もTPOは弁えます、極稀に」

ゆらゆら揺れながら見習いは語る。

「乙女は既に語り部の手から放たれ新たな物語を紡いでおります故に。
 見習い程度ではその物語を先読みすることもできませぬ。
 巨人を一騎にて屠る救国の士が帰らぬという事は、
 それ相応の物語が起きているとは思われますが?」

ホップ ステップ ターン アンド リバースターン
見習いは踊り喋る。
その度に羽根が散らかる、怒られたってのに。
だが手に取り見てみると意外としっかりしている。
微妙に魔力も籠っており、矢羽には使えるだろうか?

1982とある世界の冒険者:2017/01/22(日) 00:03:56 ID:CUpJk28M
>>1981
「此処より危険ってわけか」
竜が殺気立っていると言う事は、幾度となく警戒網を築いてきたのだろう
そして、極稀にTPOを弁える語り部が弁えた

それは此処より危険であり、全員が恐らくは必死の攻防戦を築いているのだろう

ただの予感・予想であり、語り部の気まぐれであれと心に思うのであった


手に羽を取り、胸のあたりに入れる。胸ポケットからはみ出した羽はまるで何処かの部隊勲章の様にも見える
「……場所は何処だ?」
店の中に置いてあった鉄の棒
それはブレイクアクション式――いわゆる中折れ式の1.20m程の対ゴーレム用ライフルと弾を幾つか持ち込

1983語り部見習い:2017/01/22(日) 00:16:53 ID:Vm8lkfdw
>>1982
「ここから真っすぐ北東の森。
 所謂王都の鬼門になりますなあ。
 はてさて鬼が出たのか蛇が出たのか
 …あ、お出かけで?
 ではお帰りの時までに片付けの一つでもできるようにしておきましょう」

ひらひらと右翼を振り見送る見習い。
羽根は散る。止められない。

1984とある世界の冒険者:2017/01/22(日) 00:23:42 ID:CUpJk28M
>>1983
「あぁ、少し出かけてくる。それまでちゃんと片付けておけよ?」
語り部の言葉を聞きながしつつ答える
鬼だろうが蛇だろうが何だっていい。どんな敵であろうと、あの乙女を救出するだけだ

「さて、行くか」


手には大型のライフルと対人用のカービン

そして獣狩り用のリボルバーライフルを装備しつつまっすぐと北東の森に向かい始めた

1985鴉羽の狩人:2017/01/24(火) 23:36:33 ID:CTQpRF/k
    王都城下町
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「…この刃は良いな。」

鴉羽の狩人…レイヴンが地図に記された場所へ訪れると
そこは王都の隠された倉庫であった…

ギロチン、拷問器具、処刑人の斧や剣…
そういった、後ろめたい物品を集めておく保管場所だったのだ

獣狩りにふさわしいいくつかの刃を見繕うとリヤカーに乗せ、倉庫を後にする。
上を見上げると、いつもの異型の瞳が覗いていており…どんよりとした空模様
遠くにみえる王城も、どんよりとした霧に覆われていた。
が、1つだけ彼には疑問が生じた。

「なんだ…?いつもと位置が…」

城がいつもと違う位置にある、空に浮いてると言うか…

まさにその通り―――
――――『王城』と『その周辺』が『空』に『浮いて』いた

「―――何ッ!?」

浮いているだけは無い、どんどん宙へ向かって上昇していく!
あの周辺は、以前訪れた避難民のキャンプも含まれている!
そして城も浮いてるということは、当然『王族』や『権力者』達も…!

「クソッ―――何がどうなっているんだッ!?」

最寄りのフルークガストカンパニーへ急ぐレイヴン
誰かにこの事実を伝えなければ―――

『王城が空へ飛んでいった』――――と

1986鴉羽の狩人:2017/01/27(金) 02:10:28 ID:fktxIEn2
    王都城下町
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「うぉっと…落ち着いたか。」

王都全体が空へ浮きあがったが、それは常識的な範囲に収まった…
あちこちが、多少浮き沈みしているものの、梯子などをかければ手に届きそうな範囲である。

―――ジグザール王城周辺を除いて

「…完全に雲で見えなくなっちまったな」

浮き上がったジグザール城は、そのごくごく周辺を引き連れて、完全に空の向こうへ飛び去っていってしまった。
周囲の状態はその余波なのだろうか?
どちらにせよ、王都ジグザールから『王城』が消えた…元の場所に大きな穴をぽっかり残して。

「ん、あれは…図書館か?」

見覚えのある建物の『一部』が宙へ浮いている…あれは王立図書館の一部だ。

「まてよ―――図書館?」

記憶をたどる、王都と図書館は切っても切れない関係だ
この国の発端といっても過言ではない…様々な事件も図書館が発端にあった

「…行ってみる価値がありそうだな。」

狩人は図書館へと続く道へ急ぐ

1987鴉羽の狩人:2017/02/01(水) 09:27:26 ID:ET0y29QE
フルークガストカンパニー
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「こんなものだろう。」

工房の機器で拵えた、獣狩の刃を見る。
処刑人が使っていた曲刀に可変機構を盛り込んだ剣…いわゆる『仕掛け武器』
ご丁寧にも、製造のための設計図と手紙が置いてあった

「語り部め、どこまで知っているんだ?」

可変機構を確認、魔導技術を利用した可変武器は数多く存在するが
それらのような精密な物ではない、もっと荒々しく単純な機構だ。
トリガーを引けば、畳まれた刃が広って歪曲した刃に
再び畳めば、ノコギリ状の鉈に

「ノコギリ曲刀…ソウサーベル…言い方はいろいろあるが
 獣狩りの刃でいいだろうよ。」

完成した得物に名前を付け、横で作っていた火炎瓶などをコートに装備する。
散弾もたっぷりと拵えた、どれも獣を狩るための馬鹿馬鹿しい威力の物を…

「さて、図書館への道が無事だと良いが…」

1988鴉羽の狩人:2017/02/04(土) 20:56:19 ID:2E41a8yk
  工 房
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「城が飛んでいった―――」

開口一番
鴉羽の狩人はこう言った

ジグザール城は宙へ浮き、そのまま空の向こうへ消えていった
おそらくは王族等の権力者たちを乗せて…

――――正直置いておける問題ではないが、今は置いておこう」

「飛んでいった城を追いかける術はない、それよりも
 俺は図書館へ向かうべきだと思う。」


「王都での事件は、殆どが図書館絡みだ。
 なにせ彼処には"木原の叡智"が眠っているからな。」

ジグザール王立図書館
この国を大国にのしあげた、稀代の天才木原
その研究ラボであったとされる図書館は、この大陸随一のダンジョンでもあった

「手紙に書いてあったな、魔剣士、魔人、異才の従者が原因だと…
 …異才の従者の方は木原と関わりがあったはずだ」

異才の従者…ジャック・テイラーと呼ばれた青年は
木原の助手と交流があるとゴシップに乗っていた。
実際に、どれほど深い交流だったかは知る由もないが。

「今回の騒動のヒントが図書館にあるかもな…ひょっとしたら原因そのものが…」

1989とある世界の冒険者:2017/02/04(土) 21:07:27 ID:BZUwYAvM
>>1988
さて、シリアス決まってる所悪いのだが…

メイドっぽいの「お疲れ様です!お茶入りましたー!!」

突然、魔族を彷彿させる捻れた角と尖った耳を持つメイド服を着た裸足の幼女が、
お盆に茶を乗せ勢いよく登場する。

見習い
「セーフハウスを片付けろと狙撃手さんに言われたんですけどねぇ…
 私、掃除苦手なもので、手っ取り早くメイドを雇ってみました」
メイド幼女
「雇われました!」

鳥を思わせる黒い仮面、足は鳥のそれ、左腕はなく、
右腕は黒い羽毛で覆われ、煌びやかな衣装で身を包む背の低い亜人がドヤっている。

黒ローブ
「…どういう状況だこれは」
乙女
「……帰ってきたらセーフハウスが小洒落たカフェみたいになっている、なんだこれは」

更には帰ってきた乙女の横にも知らぬ顔。
白い翼の生えたぶかぶかのフード付き金縁黒ローブを深々と纏う地から僅かに浮き漂うヒトガタである。

1990とある世界の冒険者:2017/02/04(土) 21:31:32 ID:VHSrSDoY
>>1988

「……は?」
間抜けた声を出すシャキン。その声と目からは「何言ってんだ、こいつは」というのが含まれている。
確かに地響き等はあったが……
(そんな訳あるか……)
若干信じれていない節がある

「まぁ、城へ向かっても正直地獄しかないしな」
閉鎖された空間、孤立無援、救援が皆無。正直、飛んで行った城等行きたくない場所である

「ふむ、木原の叡智に異才の従者か……」
一体これ程の異変を起こせるほどの物とは何のだろうか、想像がつかない
天才だからこそなせる方法。それが原因

――「手紙に書いてあったな、魔剣士、魔人、異才の従者が原因だと…
 …異才の従者の方は木原と関わりがあったはずだ」

深く考える

木原という言葉も異才の従者、ジャック・テイラーという言葉もゴシップ誌よりのイエロージャーナルで知った言葉だ
だが、人物像自体は知らない。この手の大衆紙は煽情的に物事を書き入れ、部数を増やす
それが、真実や嘘等どうでも良いのだ
ようは部数や売り上げが彼らの真実なのである
推測が出来ない

「そこに行くしかなさそうだ」
深いため息をつき、現状の武器と弾薬を頭で思う
主な戦闘を避ければ何とかなるだろうと結論に至った


其処に、メイド幼女と見習い
スーッとレイヴンの方を見つめる
その目は「え?俺がわるいの?え?」と助けを求めている

>>1989

「違う、そうじゃない」
首を横に小刻みに振りながら小声で見習いに伝える
確かに掃除しろと言った、だが誰がメイドを雇えと言っただろうか?
いや、そもそも掃除苦手でも自分の羽くらい拾えるだろと
そもそも、その幼女は何処で拾った? 雇った?
言いたい事が山ほどあったが、全て言えなかった



そのまま乙女方を見ると今度は黒ローブ
「……誰だよ、お前……」
黒ローブに思わずそう言ってしまった。それほどまでにシャキンは混乱している。

「乙女、少し説明を」
黒ローブとこの状況。精霊に近い乙女なら何か知っているのではと藁をもすがる思いで尋ねた

1991鴉羽の狩人:2017/02/04(土) 21:51:44 ID:2E41a8yk
>>1989

「あぁ、ごくろうさん。」

出されたお茶を一口…
といったところで顔をしかめる、味が悪いわけではない

「おいまて、なんで給仕が居るんだ、雇った覚えは…」
「語り部、俺がいつ雇えと言った。」

お茶をカチャンと置いたところで、扉が開く

「ラピュセル、生きてたか―――隣のやつは?」

乙女の横に立つ黒いローブのヒトガタを見て一言
此処に入ってきている…ということは味方なのだろうか、という単純な疑問


>>1990

「あとで外に出てみてこい、綺麗さっぱりなくなってる」

間抜けた声に対して、不躾に返すレイヴン
実際事実なのでそれ以外に説明のしようがないのだ。

「別にこのままトンズラこいても構わんけどな
 俺はこの騒動を放り出すにする気にはなれん。」
「それに、図書館は言葉の通じる"バケモン"の酒場みたいなモンだった
 ( 混)か…奴に近い奴らも居るはずだ、ひょっとしたら協力を頼めるかもしれん」

混沌の魔王…それらに近い立場や力を持つ怪物たちは、図書館で良く見かけたと
冒険者たちの間で話題になっていた
強大な力を持つ彼らに、あわよくば協力を仰ぐのも手と考えた
最も、彼らがそう簡単に手を貸すとは思えないが…

「シャーク、お前が雇ったのか?」

お茶をすすり一言嫌味
その目は「何やってんだ、こいつは」というのが含まれている。

1992とある世界の冒険者:2017/02/04(土) 21:57:23 ID:BZUwYAvM
>>1990>>1991
見習い
「はっはっは、むさ苦しい武人ばかりでは私の感性が悲鳴を上げてしまいます…
 癒しって大事ですよねえ?セーフハウスですよ?心休まらないセーフハウスに意味があるんですかねえ?」

雇った説明になっているようないないような。

黒ローブ「狙撃手…混乱しているのはわかるが、つい先ほど別れたばかりだぞ」

どうやらシャキンとは顔見知りであるらしい。

黒ローブ
「一応自己紹介をしておくか。レギオンだ。我が主の命にてラピュセルの手助けをする。
 それは結果、貴様ら全員の手助けを意味するのだがな。
 とりあえず工房はマシなのがあるようだ。
 早速だが対獣用に付呪をする…得物をよこせ、整備も必要だろう」

乙女
「…ええと、とりあえず図書館に向かうのは賛成だ。
 ある程度、装備を整えたら向かうとしよう。
 幸い、自身の装備に関してはある程度めどがついた。
 それと対獣戦において確実とは言わないまでも効果のありそうな術も会得できたしな」

乙女はレイヴンとの話に集中するつもりのようでそちらへと近寄る。
その他のメンツは…部屋の隅に固まっていた。

黒ローブ「…おい見習い、ちょっとこっちにこい」
見習い「おや、レギオンさんではありませんか?何故こちらにって痛い痛い!?」
黒ローブ「どういう事だ何故お嬢様が此方にいらっしゃるのだ?」ヒソヒソ
見習い
「今言ったじゃありませんか、私掃除が苦手で…
 いやー、偶然って怖いですねえ…家政婦を探して彷徨っていたら」ヒソヒソ
黒ローブ
「ほう?偶々彷徨った先が結界で厳重に守られた我らが主の屋敷だったと?」ヒソヒソ

ヒソヒソ話を始めるヒトデナシ2名。

見習い「はっはっは、きこえなーい」
黒ローブ「貴様ああああああああ!!」
メイド幼女「メラメラ、怒っちゃだめだよー」
黒ローブ「お嬢様も何してんですかあああああ!!」
メイド幼女「社会勉強!」キリッ
黒ローブ「…お、おう……そ、そういうことなら」
見習い「甘っ!?」
黒ローブ「お前は許さんからな!!」
見習い「酷いっ!」

話は纏まったらしい、関係性が些か垣間見えたようだが。

1993とある世界の冒険者:2017/02/04(土) 22:32:58 ID:VHSrSDoY
>>1991
「……クソッタレ……」
頭を抱えて天井を見上げる
その言葉に真実だと認めたようだ

この現状では荒唐無稽な冗談っと信じたかったようだ

(トリッシュは無事だろうか……落石などに当たっていなければいいが……)
トリッシュ――リグレットの妹。フォーマルハウト家最期の子孫
彼女に何かあってはいけない。彼女は大切な忘れ形見なのだから……

(パール……)
最愛の元妻。離婚後は殆ど敬遠していた。それはシャキンの望みでもあった、借金取りから逃して、財産の半分を渡して無理やり別れた元妻


木漏れ日の森に居ると聞くが、果たして無事なのか……無事でいてくれ

「俺もだレイヴン。この騒動は解決する」
強い意志で答える。
死ねない理由が山ほどあるのだ、無事に終わらせてみせる
その様な意思がある


「化け物か……」
シャキンにとって彼らの印象はジョーカーの様な存在だ
彼らが、簡単に手を貸してくれるだろうか?
古今東西トリックスターは厄介である。
味方・中立ならまだいい。もし、敵になれば
死は避け得られない。

「彼らの尺度が我々の尺度と同じであればいいが……」
懸念の一つ。言葉は話せるが会話は出来ない
我々が身長の話をしていても、彼らが体重の話をしていることだって考えられる。
その部分を如何するかが問題である

「あぁ、昔からセーフハウスに幼女メイドは付き物だろ?」
嫌味にジョークで返す……しかなかった。もう、如何にでもなれとすら思って居る。

>>1991
「………」
ジッと見習いを見つめる
(こいつは何時かチキンヌードルかハニーバーベキューの具材にしてやる)
亜人に対して良くも悪くも思って居なかったが、この見習いだけは懲らしめねばならない
シャキンの使命に一つ追加された。

「あ、あぁ悪い……」
雰囲気に声色で思い出したようだ

「……」
信用は余りしていないが、現状では打つ手がない。
弾薬もレイヴンが作った弾薬がどこまで持つか分からない
無いよりはマシ。そう思って、リボルバーライフルと 4brouライフルを手渡した

20mmの姿は此処には無いようだ

奥の会話が聞こえるが、今は対処できないので放置しかない

あの幼女がお嬢様ていうのも、聞こえないふりをしているシャキン
(まるで上官の浮気現場を見たとき以来だな)
自傷気味の笑みを浮かべる

1994鴉羽の狩人:2017/02/04(土) 23:19:33 ID:2E41a8yk
>>1992
「…俺好みではないな、まぁ賑やかしとしては良いが…」
残念、レイヴンのストライクゾーンの年齢ではなかったようだ

「レイヴンだ、よろしく頼む。
 硝煙の匂いに目がなくてな、残念だが剣技はそこそこだ。」

自己紹介を交えつつ、ガチャガチャと机の上に得物を置いていく
二連装式の散弾銃、そして可変機構をもった獣狩りの刃

「刃の整備は任せる、銃器の細かい整備はこちらでも行おう」

「――さて、お嬢さん
 得物は何にする気だ?…銃ではない様だが」

レイヴン、ラピュセルとの話に集中するが…

「…恥から社会勉強だの何だの聞こえるが
 社会勉強の一環で獣狩りとは、随分と荒っぽいな。」

>>1993

「…しんどかったら逃げろ、巻き込んだのは俺だ。」

力強く答えたシャークの瞳の奥に、憂いを感じた
彼がタフな人物であることは知っている、だが彼は"人"なのだ
己のように人の道から"踏み外した"ことの無い、純粋な人
だからこそ、最悪の場合の逃げ道を用意しておくべきなのだ、自分と違って

「…実際、ヤツ( 混)とは、今の姿での関わり
 ヤツ( 混)と関わりがあったのは、例の二人だ…」
「だがジョーカーがあるかどうかの確認はすべきだ、今は頼れないとしても…」

尺度は良い意味でも悪い意味でも異なる
彼らは気まぐれだ、この状況下
数%の確率で手を貸してもらえるのなら行かない手は無い
たとえ、話が通じなくとも…だ。

「…硝煙の吸い過ぎか…それとも頭がジャムってんのか?」
完全にシラけた目をしている
コイツは冗談を言うのは好きだが、言われるのは慣れてないやつだった…
頭にはそんな記憶がよぎるだろう。

1995とある世界の冒険者:2017/02/04(土) 23:34:52 ID:BZUwYAvM
>>1993
見習い
「おや、何です?私の手際に満足していただけたんですか?
 今度は愛玩動物がご所望ですか?それとも医術に心得のあるものでも探してきましょうか?」

人材派遣の手のものか何かだろうか、こいつは。

>>1993>>1994
レギオン「しかしあれだな、やはり銃器は後天的な付与に向いていない」
乙女「そうなのか?」
レギオン「形状の複雑さ…何より可動部が多すぎるのだ。加えて部品は代えが利く」
乙女「整備の点からすれば良いことだと思うが」
レギオン
「魔術的観点から言えば同じものを長々と使うことに意味がある。
 溜まったものが漏れ出てしまうのだよ。
 その点、この白兵武器はいいな、可変型だが。
 屠るべき相手の素材で作り出したか?であれば相手の『ソウル』にも一段と干渉できるはずだ」
乙女「…ふうむ?分かるような分からんような……」
レギオン「戦うばかりでなく少しは知識も蓄えるべきだな、出来たぞ」
乙女「ん?もうか」

乙女は然程驚いていないが、それは銃器に関する知識が無い為である。
講釈を垂れながらレギオンの見せた動きは常人のそれをはるかに超える手際で、
あれよあれよという間に整備と付与を済ましていく。
ちなみに必要となった資材、部品はメイド幼女がこれまた的確に持ってきていた。
何処から持ってきたのか…それはその内分かると思う多分、第三汎用の話がスムーズに進めば。

レギオン「やはりこれも持っていけ、最悪そこらに転がっているモノを弾にして飛ばせるからな」

対獣用(それ以外にも使える)弩であった。
射程距離は銃器のそれに遥かに劣るが威力はお墨付きである。
魔道具としてみた時の性能は疑うべくもない。
まあ、その性能を知っているのはシャキンと乙女だけなのだが…

乙女「得物か…槍にしようと思う、旗付きのな」
レギオン「ほう?槍は分かるが何故、旗を付ける」
乙女「獣と戦うモノが此処に居ると示すためだ、それを象徴として掲げる」
レギオン「……ふむ、未だいるかもしれぬ生存者への鼓舞、か」
乙女「その旗が通った後は安全である、と認識できるまでにはしたいものだな」
レギオン「豪気な……しかしそうすると折れてはならぬ、破れてはならぬ、か」
乙女「言った手前でなんだが…作れるか?」
レギオン「素材の選別に一晩寄越せ、それで作り上げてやる」

1996とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 00:05:30 ID:gkelBHp2
>>1994
「逃げろか……」
ハハハと乾いた笑みを浮かべる

「レイヴン、此処で逃げたら人で……いや、俺自身じゃなくなるんだよ」
ハハハと乾いた笑い。
シャキンは純粋な人である。それゆえに、此処で引いたらどうなるか解るのだ
此処で逃げたら、人で居られるかもしれない。だが、それは本当に自分自身――シャキンでいられるのだろうか?
答えは否だ

人である前にシャキンなのだ。シャキンで無くなったらそれでこそ終わりだ
だから歩み進めるしかないのだ。シャキンという存在にかけてこの事件を解決するのだ

「……分かった。掛けるしかないな……ヤツ( 混)に」
分の悪い賭けなのかもしれない
だが、それに乗るしか打開策は無いのだ
選択肢など、元より存在しないのだから

「あー……」
しまったと言う顔になる。

――コイツは冗談を言うのは好きだが、言われるのは慣れてないやつだった…
すっかり、忘れていたのだ。

「正直に言おう。あの見習いが羽を散らかして掃除を命じた」

「そしたらこの状況だ」

両手を上げて肩をすくめる。
レイヴンからしたら嘘のようにも聞こえるが、事実なのだから性質が悪い

「冗談の一つや二つ言いたくなるだろ?」
そして大きなため息

>>1993
「……お前、チキンヌードルかタンドリーチキン。どっちが好きだ?」
迫真に迫る顔と声。
相当神経が鈍い奴でも分かる。
これ怒っているやつだっと

「うそだろ、もう出来たのか」
レギオンの見せた動きは常人のそれをはるかに超える手際で、
あれよあれよという間に整備と付与を済ましていく姿に驚きを隠せないでいる

シャキンも何度か組み立てをやれば、目を瞑っていても銃器を組み立てが出来る
だが、整備は別だ。簡易的な整備しか出来ないシャキンにとって、この整備の速さは恐ろしいの一言に尽きるのだ
また資材や部品を的確に持ってくるメイド幼女にも驚きを隠せない
部品のバネ・ネジ・魔導機構など部品はそれぞれ異なっている。これが出来るのは相当熟練されていないと厳しいのだ

この手の銃の整備はレイヴンでないと難しいだろうとすら思って居たのだ

「こりゃ、案外当たりだったのか……?」
メイド幼女をみてそう小声で呟く

「弩か……有り難いが……いや、すまない貰っておくよ」
弩の計算式は頭に無いシャキン。此処まで来ると流石に感になる

それまでに頭でこの弩の計算式を考えるとするか

「旗付か……まるで軍旗手だな」
軍旗手。それはその軍隊に置いてどこの国家。もしくは所属しているかを知らしめる役職
全体の鼓舞と共に、真っ先に相手に狙われる役職でもある

1997鴉羽の狩人:2017/02/05(日) 00:32:17 ID:okceQzzQ


>>1995

「まぁ、知ってたさ。」

大した付呪の効果が得られていないであろう、散弾銃を手に取りながら補足をする

「銃に付呪を行うのは"ガンメイジ"ぐらいしか聞いたことが無い
 弾から炸薬、フレームまで一級品の独自規格だがな…金持ちの道楽だよ。」

ガンメイジと呼ばれる魔法銃士達は
まず金属の選別から行い、銃弾の1発1発に精巧な魔術紋様を刻み
火薬を使用せず、マナによって似た反応をする特別な触媒を使った上で
魔術工学に基づいた形状のフレームを製造し…とまぁとにかく付呪には手間がかかり
その手間故に、彼らの銃弾は特別な力を持つのだが…限度を超えてコストがかかるのだ

文字通り、金持ち魔術士の道楽と呼ばれるのだ。

「ご丁寧にも他の"語り部"が設計図を残していてな。
 ソウルだの魔術にはあまり明るくないが、付呪が乗りやすいのなら助かるよ。」

懐から"獣狩りの刃"の設計図を取り出す
ノコギリを備えた鉈や、可変する斧…
他にも幾つか型があるらしいが、彼は一番簡素で古い型を選んだようだ。

「弩…か」

少々渋い顔をするレイヴン

「悪いが…俺はこいつでいい。」

ブラックパウダー狂いの彼は、己の散弾銃を手にした。
硝煙の吸い過ぎで頭が狂ってるのはコイツである

>>1996

「――そうか。」

乾いた笑いを見て、そう頷くことしか出来なかった。
彼は人だ、純粋な人だからこそ見えることもある、立ち向かわなければならない事がある。

「ま、気難しいヤツには変わりない。特に人外同士にはあたりが強いが
 人には以外と友好的だそうだ…お前の出番があるかもな、シャーク。」

彼( 混)の機嫌が良いことを祈るしかない
いつものように図書館で寝転がりながらゴシップ雑誌を読んでいれば良いのだが…

「…フライドチキンにでもしたほうがいいんじゃないか?」

一連の流れを聞いてつぶやいた一言
惜しい、タンドリーチキンではなかった

「"鴨撃ち(ターキーショット)"はしばらくやっていなかったからな。」

物騒な一言を残して、肩をすくめたシャークに同情する。

1998とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 00:56:37 ID:2lonRUHQ
>>1996
見習い「え?そんなものよりおうどんたべたい、ですねえ?」

怒っていることなんて承知の上で返す語り部。
彼は鈍いのではない、図太いのだ神経が。
おそらく神の国にある世界樹よりも遥かに……


メイド幼女「どやぁ…」

ドヤ顔でピースする幼女。
地獄耳である。

レギオン
「案外でもなければ当たりでもない、当然の結果だ。お嬢様は何れ世界を統べるのだからな」
メイド幼女
「統べるよ!」

大真面目にレギオンが言う。
幼女は楽しそうである。
詳しい所属は不明のままである此の二名、結構やばい。


乙女
「槍の扱いも旗の扱いも得意な方だと自負している。
 どちらの物語からの影響かは混じってしまった以上判断つかないのだが、いけるという確信がある」

乙女が不敵に笑った。

>>1997
レギオン「そうか…銃型の魔杖なら素材さえあれば然程時間もかけず作れるのだがな」
メイド幼女「ばっきゅーん!」

幼女が右手を高々と掲げている。
その手には銃のような鋏のような何か。
銃身部分を六角柱の魔石で構成し、他の部分を魔石を覆う金属でそれっぽく見せてある。

レギオン
「威力と扱い易さは私の作品の中でも群を抜いている。
 だがガンメイジのそれよりコストがな…
 まあ、一度作ってしまえば弾薬費がかからない点で優位性があるか」

1999とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 01:23:41 ID:gkelBHp2
>>1997
フッと笑顔を見せる
それはレイヴンへの感謝も含まれていた


「……よしてくれ、そういう交渉事は苦手なんだ」
ふと、小銭稼ぎでクエストを受けた時のことを思い出す

その度に何度か怒らせた記憶がある。

「カラスのフライドチキンか……食ってみるか」
どうやら見習いの未来が決まりつつあるようだ

「俺も此れが終わったらケワタガモ猟でもする為の運動でしようかな」
獲物を見るような目で見習いを見る

>>1998
「こいつ……」
図太い神経に思わず呟いた一言
語り部とは図太い神経で出来ているのだろうか
多分出来てるのであろう

「おう、凄いぞ」
ドヤ顔ピースする幼女に親指を立てる

「世界を統べる……ねぇ……」
フッと笑顔を見せる。半信半疑やジョークとして受け取っている。

いや、実際統べれるかどうかは良く分からない。偶に読んでいたクオリティーペーパーでもわかる
あのグレートゲームに参戦するのだろうか?

いや、それ以前に下手な動きでもし全戦線がイルタ並みの地獄となれば

顔色がみるみる青ざめいくのが解る

「頼もしい限りだ。頼んだぞ」
彼女とレイヴン。長距離戦は近接戦に依存するのだ
だからこそ、乙女が頼もしく映る

2000鴉羽の狩人:2017/02/11(土) 22:21:22 ID:VV.bImEY
「―――まぁ、だと思ったよ。」

獣にまみれたジグザール王都
騒動の発端を探るべく、一行は王立魔法図書館へ急ぐのだが…
『王城』が空へ浮き上がって飛んでいく…という前代未聞の出来事によって
魔法図書館への道が綺麗に分断されていた。

「…此処も駄目みたいだな」」

魔法図書館へ通じる大通り、路地、裏道
先程からいくつか回り道をしているのだが
建物で塞がれていたり、今回のように道が隆起して崖の様になっていたりと…
どこも物理的に通ることが出来ないのだ。

「どうする、他にアテはあるか?」

口元まで覆うフェイスマスク、鴉羽を模したような三角帽子
全身を狩装束に身を包むのは、鴉羽の狩人ことレイヴン
両手を広げて、お手上げといった態度をとる。

2001「ラピュセル」『ロヤリテート』:2017/02/11(土) 22:29:38 ID:na8Ahlwk
>>2000
「…ううむ、こうなると飛んでいくのが良いのか?」
『ガアウ』

収穫前の稲穂の様に揺らめき煌めく金の長髪と雄大な天空を思わせる碧眼が特徴的な乙女が、
黒い体表に金色に輝く幾何学模様が浮かんでいる象ほどの大きさのワイバーンの背にのりながら問う。
その手には新たに旗のついた長槍が握られている。
製作者曰く、頑丈だが常人の二倍の利力がなければ持ち上げることすらかなうまい、という品だった。

「正直単独行動は避けたいところだな、もう」

2002とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 22:43:06 ID:xemtLkM2
>>2000-2001

「ふむ……」
王城が飛んで行った際に残した爪痕は大きい
真面な道もかなり削れている。さらに落石で通れない道があるかも知れない
いずれにせよ詰まったように見える

「地下水路……」
ぼそりと呟く。地表が駄目なら地下
たしか王都には……正確には地下には水路が張り巡らされている
だが、残念なが地下水路が現状どうなっているか分からない

下手をすればこの病と水系モンスターの科学反応で巨大な化け物が居るかもしれない
さらにいえば図書館につながっていない可能性もあるの

2003鴉羽の狩人:2017/02/11(土) 22:57:30 ID:VV.bImEY
>>2001
>>2002

「…やはり飛んで行くしか無いな。」

ラピュセルのワイバーンで飛んでいくという案は出た
だが、3人を装備含めて飛べるのかという問題があり、実行に移せないままにいた

「君のワイバーンに、少々は無茶をさせることになるが…」

飛べるとしても、途中でスタミナが尽きて落下したら目も当てられない
かといって、ラピュセル単体での行動は今までの経験からしても危険だ。
と、考えていたところで…シャークのつぶやきが耳に入る

「地下水路か…。」

10年ほど前に見つかった王都の巨大地下水路…
都市間の通行ダンジョンだったとも言われているが、真偽は不明である。
今に至るまでノータッチだったが、果たして。

『―――おおっと!地下水路は、図書館につながって居ますよ。』
「――語り部ッ!?」

唐突に響く、気の抜けた声
物陰からひょっこりと顔を出す、ギラギラとした装飾に、黒いマントを着た道化
手をパンパンと叩きながら、わざとらしい喋り方のそれは
最初に出会った『語り部』…その『贋作』である。

『いやはや地上が駄目なら空、しかしそれも駄目なら地下、至極真っ当でございます!』

2004「ラピュセル」『ロヤリテート』:2017/02/11(土) 23:03:00 ID:na8Ahlwk
>>2002
>>2003
「なんとまあ…ロヤリテートはお留守番だな」
『ゲグー』

地下に行くとなるとロヤリテートのサイズでは無理がある。

「長槍も使い辛いな」

振り回すには天井や通路の幅が障害になるだろう。

「ふふふ、早速戦力半減だ、すまん!!」

冷静に考えれば無難に長剣位にしとくべきだったのである。
でも槍じゃなきゃ駄目でござる!と内なるゴーストが囁いたんだとか。

2005とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 23:16:53 ID:xemtLkM2
>>2003

「だが、正確な地図か方位磁石が無ければあそこは危険だ、そもそもつながっているかすら不明だぞ」
空から行くべきかもしれないと思って居た所に語り部

「……それは本当か?つながっているんだな?」
語り部に冷たい目線を向ける。いまいち信用できないの
トリックスターの様な存在は此方を信用させてから裏切ると言うのが鉄則に近い

現にあの見習いもそうだったとメイドの件を思い出して頷く



>>2004

「あー……使うか?」
自身のリボルバーライフルでもあるマクシミリアン・リボルビング・ドラグーンをラピュセルに見せる様に向ける

流石に丸腰だとマズイと思ったのだろう。それに銃は最悪引き金を引くだけでもいい

それにシャキンとしても予備の銃でもあり最高火力の4タウロス-ストッピングライフルもあるので問題はない
時点で弩もある


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