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ジグザール王国王都
1
:
「鍵を持つ者」
:2012/12/27(木) 22:40:41 ID:???
今日も賑やか……だと思ったか!?
2000
:
鴉羽の狩人
:2017/02/11(土) 22:21:22 ID:VV.bImEY
「―――まぁ、だと思ったよ。」
獣にまみれたジグザール王都
騒動の発端を探るべく、一行は王立魔法図書館へ急ぐのだが…
『王城』が空へ浮き上がって飛んでいく…という前代未聞の出来事によって
魔法図書館への道が綺麗に分断されていた。
「…此処も駄目みたいだな」」
魔法図書館へ通じる大通り、路地、裏道
先程からいくつか回り道をしているのだが
建物で塞がれていたり、今回のように道が隆起して崖の様になっていたりと…
どこも物理的に通ることが出来ないのだ。
「どうする、他にアテはあるか?」
口元まで覆うフェイスマスク、鴉羽を模したような三角帽子
全身を狩装束に身を包むのは、鴉羽の狩人ことレイヴン
両手を広げて、お手上げといった態度をとる。
2001
:
「ラピュセル」『ロヤリテート』
:2017/02/11(土) 22:29:38 ID:na8Ahlwk
>>2000
「…ううむ、こうなると飛んでいくのが良いのか?」
『ガアウ』
収穫前の稲穂の様に揺らめき煌めく金の長髪と雄大な天空を思わせる碧眼が特徴的な乙女が、
黒い体表に金色に輝く幾何学模様が浮かんでいる象ほどの大きさのワイバーンの背にのりながら問う。
その手には新たに旗のついた長槍が握られている。
製作者曰く、頑丈だが常人の二倍の利力がなければ持ち上げることすらかなうまい、という品だった。
「正直単独行動は避けたいところだな、もう」
2002
:
とある世界の冒険者
:2017/02/11(土) 22:43:06 ID:xemtLkM2
>>2000-2001
「ふむ……」
王城が飛んで行った際に残した爪痕は大きい
真面な道もかなり削れている。さらに落石で通れない道があるかも知れない
いずれにせよ詰まったように見える
「地下水路……」
ぼそりと呟く。地表が駄目なら地下
たしか王都には……正確には地下には水路が張り巡らされている
だが、残念なが地下水路が現状どうなっているか分からない
下手をすればこの病と水系モンスターの科学反応で巨大な化け物が居るかもしれない
さらにいえば図書館につながっていない可能性もあるの
2003
:
鴉羽の狩人
:2017/02/11(土) 22:57:30 ID:VV.bImEY
>>2001
>>2002
「…やはり飛んで行くしか無いな。」
ラピュセルのワイバーンで飛んでいくという案は出た
だが、3人を装備含めて飛べるのかという問題があり、実行に移せないままにいた
「君のワイバーンに、少々は無茶をさせることになるが…」
飛べるとしても、途中でスタミナが尽きて落下したら目も当てられない
かといって、ラピュセル単体での行動は今までの経験からしても危険だ。
と、考えていたところで…シャークのつぶやきが耳に入る
「地下水路か…。」
10年ほど前に見つかった王都の巨大地下水路…
都市間の通行ダンジョンだったとも言われているが、真偽は不明である。
今に至るまでノータッチだったが、果たして。
『―――おおっと!地下水路は、図書館につながって居ますよ。』
「――語り部ッ!?」
唐突に響く、気の抜けた声
物陰からひょっこりと顔を出す、ギラギラとした装飾に、黒いマントを着た道化
手をパンパンと叩きながら、わざとらしい喋り方のそれは
最初に出会った『語り部』…その『贋作』である。
『いやはや地上が駄目なら空、しかしそれも駄目なら地下、至極真っ当でございます!』
2004
:
「ラピュセル」『ロヤリテート』
:2017/02/11(土) 23:03:00 ID:na8Ahlwk
>>2002
>>2003
「なんとまあ…ロヤリテートはお留守番だな」
『ゲグー』
地下に行くとなるとロヤリテートのサイズでは無理がある。
「長槍も使い辛いな」
振り回すには天井や通路の幅が障害になるだろう。
「ふふふ、早速戦力半減だ、すまん!!」
冷静に考えれば無難に長剣位にしとくべきだったのである。
でも槍じゃなきゃ駄目でござる!と内なるゴーストが囁いたんだとか。
2005
:
とある世界の冒険者
:2017/02/11(土) 23:16:53 ID:xemtLkM2
>>2003
「だが、正確な地図か方位磁石が無ければあそこは危険だ、そもそもつながっているかすら不明だぞ」
空から行くべきかもしれないと思って居た所に語り部
「……それは本当か?つながっているんだな?」
語り部に冷たい目線を向ける。いまいち信用できないの
トリックスターの様な存在は此方を信用させてから裏切ると言うのが鉄則に近い
現にあの見習いもそうだったとメイドの件を思い出して頷く
>>2004
「あー……使うか?」
自身のリボルバーライフルでもあるマクシミリアン・リボルビング・ドラグーンをラピュセルに見せる様に向ける
流石に丸腰だとマズイと思ったのだろう。それに銃は最悪引き金を引くだけでもいい
それにシャキンとしても予備の銃でもあり最高火力の4タウロス-ストッピングライフルもあるので問題はない
時点で弩もある
2006
:
鴉羽の狩人
:2017/02/11(土) 23:26:05 ID:VV.bImEY
>>2004
「地下水路では何度も行ったことがあるが、想像しているよりも広い。」
水路とは名がついているものの、中身は水の神殿とでも言うべき広さだ
細かい水路に入らなければ、槍を振り回すのは十分だ
もっとも、入り口が狭いのでワイバーンは工房でお休みだろう…
>>2005
「…お前が出てくるという事は、地下水路に行かせたがってるということか?」
『――いえいえ、滅相もございません。何処へ行くかはあなた方の自由
私が知っているのは、地下水路に図書館へつながる転移ポータルがある事と』
『――そして、そこへ行く方位磁石と地図をお渡しするだけでございます。』
腰を折りながら差し出したのは、ご丁寧に用意された魔石を利用した方位磁石と地下水路の地図
どれも、地下水路を冒険する者達の必需品だ。
この騒動では、これらを探すのも一苦労だろう。
「…だとよ、悪いが地図と方位磁石を頼めるか?」
語り部がわざわざ誘導させたがっている…ということは
そこに事件の発端へ近づく何かがあるのだろう。
2007
:
「ラピュセル」『ロヤリテート』
:2017/02/11(土) 23:40:39 ID:na8Ahlwk
>>2005
>>2006
「そうか、なら槍を使おう…飛び道具は使いこなせない気がする。誤射も怖いしな」
素人が乱戦でぶっ放してまともな結果が起こるとは到底思えず乙女はシャキンの申し出は断った。
「しかし何だな……見事に誘導されているのが不安だ。
こうなると城が浮かんだ理由の一端は知っているんじゃないか語り部集団は」
2008
:
とある世界の冒険者
:2017/02/11(土) 23:55:15 ID:xemtLkM2
>>2006
「あぁ大丈夫だ」
地図と方位磁石を照らし合わせる
此処から近い入口を探しているのだろう
「お前らは一体……」
語り部に向けて独り言のように呟く
>>2007
「そうか」
そういって銃を戻した。たしかに正論だ
「語り部とは何者なんだ?」
気がかりだった事を口にする
2009
:
鴉羽の狩人
:2017/02/12(日) 00:04:58 ID:l8ZXzK.E
>>2007
>>2008
『城が空へ飛んでいく、ふーむ実に摩訶不思議、ですがワタクシは存じ上げません』
振り子時計のように体を振りながら答える
どうやら城が浮かんだ理由は『この』語り部は知らないようだ。
『語り部は語り部、それ以外でもそれ以上でもございません
物語を綴る者達へほんの少しの"お手伝い"を行うだけでございますとも』
『それでは皆様、良い旅路(たび)を』
うやうやしく礼をすると『ポン』という音とともに、煙に消えた
「…胡散臭い連中だ。」
「まぁ良い、地下水路を目指そう…
ラピュセル早めにワイバーンの避難を…シャーク、地下水路では弾倉を水に濡らさないように気をつけろ
水そのものは綺麗だが、炸薬にトラブルが起こる可能性がある。」
そして一同は地下水路へと向かうのであった―――
2010
:
「ラピュセル」『ロヤリテート』
:2017/02/12(日) 00:09:36 ID:DgpN.AqA
>>2008
「何なんだろうな、私にもわからない。
知っているのは語るべき物語を最前線で見届けようとするもの、という事ぐらいだ」
>>2009
「承知した」
ロヤリテートの首を軽く数回叩くと、飛竜はゆっくりと来た道を戻っていく。
何故か飛ばない。
「では行くか、何があろうが進むしかないのだからな」
2011
:
とある世界の冒険者
:2017/02/12(日) 00:18:29 ID:ASoKSBu6
>>2009
「……全くだ」
胡散臭い連中という言葉に頷く
「レイヴン、誰に言ってるんだ?」
フッっと笑う。彼は元軍人でもあり狙撃手なのだ
銃への心掛けは誰よりも知っている。そして、濡れた銃がどうなるかも
「ありがとう、気を付けるよ」
とはいえ、レインヴの心配と友人の心遣いに感謝をしているようだ
>>2010
「物語っていうのは一体……」
疑問を口にしようとしたが口を閉ざした
それはこれ以上聞けば何かが壊れるのではという恐怖だった
「すまない気にしないでくれ」
忘れてくれと付け足して進み始め
2012
:
とある世界の冒険者
:2017/03/14(火) 23:01:31 ID:CJWeo3HI
――月が高々と昇り、人々が寝静まったであろう頃。
王都の噴水広場前に、右目の瞼を縫い合わせており、灰色の古びたローブを羽織る男が一人。
「……、王都はもっときらびやかな場所だって旅の途中に聞いたんだけどね」
眼前に広がるのは、王都とは思えない程退廃的な風景。
肉に飢えている異形は男を見るや否や、右肩へ食らいつこうと飛びかかる。
「やっぱり獣の行動は単調的だね、いつか目録で見たとおりだ」
男は獣へ右手に持つ剣を振るう。
鋼の刃は獣の首を斬り裂き、獣は緑の鮮血を撒き散らしながら地へ落ちる。
「全く、如何せん数が多い。誰か助太刀に来てくれるとありがたいんだけど……ね」
剣を左手に持ち替えると、一瞬にして剣は姿を消す。
ガラス製の正方形の物体を取り出したと思うと、数瞬後右手には刃が紅みを帯びた短剣が握られており。
それを一匹の異形へ突き刺すと、即座に炎が噴き出して。辺りの異形も巻き込み、燃え広がっていく。
2013
:
とある世界の冒険者
:2017/03/16(木) 22:03:49 ID:bUzH3tys
>>2012
そこに走ってそちらに近寄る一人の影
ローブを羽織る男に近付いてくる。
辺りの異形も巻き込み、燃え広がっていく中、微かに生き残った獣相手を切り裂いていく
一体一体を切り裂居ていくのは、東にあるネオベイと呼ばれる国の侍が持っている刀と呼ばれる武器
そして、その武器を手に一撃一撃を与えては鞘に戻していく剣術――居合
「……そこの御人……無事か?」
声を掛けてきている。ネオベイ訛りが酷いが、何とか解るであろう
2014
:
とある世界の冒険者
:2017/03/16(木) 22:53:39 ID:iBI62RW6
>>2013
燃える物を失った炎は徐々に勢いを失くしていき、ところどころ燻るだけになる。
異形共が半ば炭になったように死んだのを確認すると、火の魔素を収集するために燻っている炎へ近づく。
右手を炎へ掲げるその時、人影らしきものが近づいてくる。はてさて、また異形かと思って立ち上がると。
「……おや。人がまだいらっしゃったのですか、良かった」
「ええ、私は無事です。貴方は怪我とかはありませんか?」
近づいてきた人影は一人の男のものだったらしい。
ほっ、と一息ついて右手に創りだされた火の魔素を、立方体のガラス容器に放り込む。
彼の出で立ちと主武器であろう東洋の剣から見て、彼はネオベイと呼ばれる国のサムライであろうか。
「やれやれ、王都がこんなふうになっているとは思いもしませんよ。」
「あ、自己紹介しておきますね。ヴィルヘルム=エルクシア・ホーエンハイムです、よろしく。」
首を振りながら、王都の現状を嘆くように話す。
自己紹介の後、深々と被っていたフードを外す。右目の瞼が縫い合わされているのがよく見えるだろう。
それから、彼へ「最近王都で何か起こったんです?」と軽く質問を投げかけた。
2015
:
とある世界の冒険者
:2017/03/18(土) 21:51:13 ID:4tsVLIkM
>>2012
異形と間違えられ、戦闘になるのかと思ったが
――「……おや。人がまだいらっしゃったのですか、良かった」
――「ええ、私は無事です。貴方は怪我とかはありませんか?」
どうやら勘違いであった。
「……問題無い」
どうやらまだ理性がある人間の様で、少しだけ胸を撫で下ろす。
――右手に創りだされた火の魔素を、立方体のガラス容器に放り込む姿を見る
どうやら魔術師かそれに準ずる人間であろう
――「やれやれ、王都がこんなふうになっているとは思いもしませんよ。」
――「あ、自己紹介しておきますね。ヴィルヘルム=エルクシア・ホーエンハイムです、よろしく。」
「……全くだ……昔はこうでは無かったのだがな」
懐かしむように街並みを見つめる。その瞳は儚げで、泣いているように見える
「……真k、シンカイだ……よろしく頼む」
ネオベイ語での名前を言おうとしたが、言い直した。言葉の壁と言うのは厄介で、訛りや母国語が強く出ると聞き直される
其れを学んでいたので、自身の名前を聞き取りやすく言い直した。
――「最近王都で何か起こったんです?」
首を横に振り悲しそうに見つめる
「……すまないが、貴公の質問には正確に答えられない。……私にもよく分からないのだ」
申し訳ないと言う。
彼自身、王都で何が起きたのかを知りたいのだ
2016
:
とある世界の冒険者
:2017/03/18(土) 22:05:59 ID:XCeyl47Y
>>2015
「なら良かった、ところで此処にいるのは私達くらいですかね」
彼の様態は大丈夫なようだった。ようやく人間に出会えたこともあり、安心する。
きょろきょろと辺りを見回してみるが、夜であることもあって出歩いている人間は居ない。
異様、ともとれる風景。”厭らしい”魔力の臭いに満ちているのが気味悪さを増させる。
「私は王都に来たことはないんですけど、昔写真で見た時は良い街のようでしたがね」
「シンカイさんですか、よろしくおねがいします」
嘗て放浪の身だった時に見かけた写真。
その写真には王都らしいきらびやかな装飾、賑やかな市場……、等々の様子が写されていた。
彼の名はシンカイだという。名前が言い慣れないあたり、やはりネオベイ人だろうか。
「ふむ、シンカイさんもご存じないですか」
「うーん、王都に入った辺りから淀んだ魔力の流れを感じるんですけどね」
シンカイも存じないようだ。彼にもよくわからないようで。
首を傾げ、この事象が起こっている理由を探ろうとする。まずは魔力だ。
淀んだ、”汚い”魔力。外界に存在する純粋な魔力ではなく、穢れを含む魔力。
「何らかの魔術に起因したものでしょうかね?」
ホーエンハイムに医術に関する知識はあまりない。
故に、空中の魔力を見ただけの見解。汚染された魔力を原因とするのか、と考えて。
2017
:
とある世界の冒険者
:2017/03/18(土) 22:38:27 ID:4tsVLIkM
>>2016
――「私は王都に来たことはないんですけど、昔写真で見た時は良い街のようでしたがね」
「あぁ……みな優しい人ばかりだった……夜にでてくる屋台の汁物が絶品だった……」
遠い目をしながら昔を語り始める。まるで今だ其処にその光景があるかのように
「それが今では……百鬼夜行……いやすまぬ。化け物の巣窟と化した」
時折ネオベイ語の語源が元の言葉を話すがすぐさま解りやすい言葉に返る
――「シンカイさんですか、よろしくおねがいします」
「こちらこそよろしく頼む、ヴィルヘルム公殿」
そう言うと軽く頭を下げてお辞儀をする。
――「ふむ、シンカイさんもご存じないですか。うーん、王都に入った辺りから淀んだ魔力の流れを感じるんですけどね」
ふむ、と少し考えて何やら呪文を唱える
ほんの少しだけ真戒の短い黒髪が逆立つが直ぐに元通りに戻る。
「魔力については疎いが、確かに言い知れぬ何かは感じれる」
――「何らかの魔術に起因したものでしょうかね?」
「貴公の考え通り、魔術に起因としたものだと思われる」
其処まで言うと、顎に手を当てて考え始める
「しかし、これ程までの異変を起こす魔術……某には検討つかぬ」
首を横に振り、困った表情を浮かべる。
2018
:
とある世界の冒険者
:2017/03/18(土) 22:53:39 ID:XCeyl47Y
>>2017
彼の話からすれば、王都は嘗ての繁栄を失ったかのようだった。
記録に載っているような王都ではない。何かにより変質させられている。
「ヒャッキヤコウ……?ああ、化物の巣窟って意味なんですね」
ネオベイ語が語源のことわざみたいなものだろうか。
確かに、今の王都の様子を伺えば化物の巣窟に過ぎない訳で。
「言い知れぬ何か、ですか。何か怪しい気配とかの類いですか?」
彼が呪文を唱えた後、一瞬だけ髪が逆立つ。その後”言い知れぬ何か”を感じたらしい。
魔術に精通して入るが、気などになるとホーエンハイムの領域外だ。
彼の言う”言い知れぬ何か”というのが、空中のマナを読むだけではわからないものなのだろう。
「王都全体に被害を及ぼしているとすれば、戦術級の魔術に間違いはないでしょう」
「最高位の魔術師でも、これほどの魔術を行使すると魔力の過剰行使で死んでしまうでしょうね」
「維持するのは更に無理がありますね」、と一言付け加える。
いくら最高位の魔術師といえども、体内にある魔力量には限界がある。
それを超えて魔術を行使することは、肉体を犠牲にすることになり、死に繋がるもので。
「となると、複数人の術者が何らかの媒体を用いて術式を行使している、としか思えませんね」
魔力を供給するのは何も術者だけではなく、魔力媒体を用いればいい。
神秘物であったり、魔石であったり。ただ、ここまでの魔術を行使するとなれば、よほどの神秘性を持ったものでも使わねば無理であろうが。
2019
:
とある世界の冒険者
:2017/03/18(土) 23:37:30 ID:4tsVLIkM
>>2018
――「ヒャッキヤコウ……?ああ、化物の巣窟って意味なんですね」
「あぁ……そんな所だ」
彼自身、上手く説明が出来ないのである。化け物の行軍といえば大体ゴブリンかトロールなどが当てはまる
だが、そう言う意味では無いので今回は省略したようだ
――「言い知れぬ何か、ですか。何か怪しい気配とかの類いですか?」
「上手くは言えぬ……ただ複雑に混ざりすぎている」
「魔力に魔術に呪術に……詳しくは分からない」
真戒の式――こちらでいう魔法――の一つに解析と言うのがある
これは戦いに置いて相手の魔法の属性や分類を調べると言う能力
魔法でいうところのサーチに近いであろう
しかし精度でいえば此方がやや上になる
――「王都全体に被害を及ぼしているとすれば、戦術級の魔術に間違いはないでしょう」
――「最高位の魔術師でも、これほどの魔術を行使すると魔力の過剰行使で死んでしまうでしょうね」
――「維持するのは更に無理がありますね」
――「となると、複数人の術者が何らかの媒体を用いて術式を行使している、としか思えませんね」
「あるいは……いや、そんな筈はない……ここは西の国。そんな事は有り得ない」
小声でそうつぶやくとホーエンハイムの方に振り向く
「とにかく、貴公。これから如何する? 避難所まで一緒に向かうか?」
2020
:
とある世界の冒険者
:2017/03/18(土) 23:49:28 ID:XCeyl47Y
>>2019
「複雑に混ざりすぎている……、か。やれやれ、私の経験じゃ太刀打ちできないですね」
魔術に関しては絶対的といっていいほどの自信を持っていた。
――今回の件は全く以って訳がわからない。これほど大規模な術式をどのように保持しているのか。
しかも、呪術に魔術、膨大な魔力が関わっているとなれば魔術構造が複雑すぎる。魔術の”根源”に近づかねば解析ができない。
「ん?シンカイさんどうしました?」
「避難所があるなら避難した方が良さげですかね……、よいしょっと」
彼が何かをつぶやいた気もしたのだが、気のせいだろうか。
彼が避難所へ行く、というので、支度を済ませてしまうことにした。
先ほど異形が立ち並んでいたところに座り込むと、右手で焦げた異形の肉片へ軽く触れる。
肉片が形を失っていき、代わりに焦げ茶の魔素が空中に浮き上がる。
それを再びガラス容器に放り込む。手始めにこの異形の肉片を解析してみようと思ったのだ。
「ふう、おまたせしました。準備ができましたので、行きましょうか。」
「そういえば、シンカイさんはなぜ王都へいらっしゃったのです?」
それからシンカイの元へ軽く駆け、準備が終えたことを告げる。
行きがけに、彼はシンカイへと問を投げかけた。なぜ王都へと来たのか、と。
2021
:
とある世界の冒険者
:2017/03/19(日) 00:10:27 ID:nqMBHOYU
>>2020
――「ふう、おまたせしました。準備ができましたので、行きましょうか。」
――「そういえば、シンカイさんはなぜ王都へいらっしゃったのです?」
「元は傭兵であったのだがな、世界を見たくて王都にきた」
何て事は無い、普通の理由であった。
「だが、言葉と言うのは難しい。未だに上手く喋れぬ」
正直な感想としては訛りと癖が酷く、流暢に話しているとは言い難い
しかし、独学で此処までこれたのなら大したものでもある
「では、行くとしよ……」
避難所に向けて歩みを始めようとした時だった。
突如真戒は刀を横に向け、ホーエンハイムの行く手を遮る様にする
「……貴公、人を殺めた事は有るか?」
真剣な眼差しをホーエンハイムに向ける。
耳を澄ませばこれから歩む先、それも遠くで何かの声が聞こえる。
それは何処か楽しげに笑っている声
2022
:
とある世界の冒険者
:2017/03/19(日) 00:34:16 ID:J0GnmnaQ
>>2021
「元々は傭兵をされてたんですね。世界を見たい、ですか」
「良い目標をお持ちになられてたんですね」、と付け加えるようにして。
ホーエンハイムは元より国を追い出された身分だ。だから、そんな強欲なことは言えない。
故に、少しだけシンカイの心がけ――とでもいうのだろうか――に惹かれたのだ。
「そうですね。私も旅の途中でいろんな国に立ち寄りましたが、言語が違うと喋りにくくて」
ついつい他の国の言葉を口に出してしまうんですよね、と。
ネオベイ語の訛りは未だに残っている感じはするが、それでもきちんと意味は通じる。
「ええ、そうしましょうか――?」
避難所へ歩みを始めようとした刹那。
彼は刀を横に振るい、此方を静止させようとしているのだろう。
「どうしたんです……、って成る程、状況は掴めました」
「ええ、多少なら。剣の扱いなら慣れていますので」
真剣な眼差しが向けられ、そして状況を理解する。
この静寂の中で、狂気に満ちたような笑い声がする。成る程、確かにおかしい。
ホーエンハイムは放浪の旅の中で、幾度か賊と戦闘をしたことがある。それなりには慣れているだろうか。
左手に剣を創造する。刃が多少緑がかった、鋼と風の魔素を掛けあわせた長剣。
2023
:
とある世界の冒険者
:2017/03/19(日) 23:00:41 ID:nqMBHOYU
>>2022
「……行くぞ」
掛ける様に声がする方に向かう
向かった先にはもう一つの小さな広場が存在している
先ほど居た広場を少し小さくしたような広場
其処は既に荒れていた。
何によってか?
答えは死体である。
獣の死体、人の死体、動物の死体
それらが無残に捨てられ、解体され、そして繋ぎ合わされている。
其処に人の、いや動物としての意志や尊厳など無い
まさにそこにあるのは狂気である。人為的な悪意の創作物が転がっている
「あはははははははは!はははははははは」
「ひぃひひひひいひひひひいいひひひ」
幾人の人型が笑いながらそれらを楽しげに見て踊る様に回っている
そのうちの一体が此方を見つめる
正気など無くただただ楽しそうな笑みを浮かべて
手には農機具でよく見られる鎌をもって
「……外道が!」
真戒は怒りをあらわにした
2024
:
とある世界の冒険者
:2017/03/19(日) 23:22:22 ID:J0GnmnaQ
>>2023
「……ええ、行きましょうか」
シンカイとともに声のする方へ向かうと、広場があった。
その場所は既に荒廃した姿に成り果てていた。その原因は――
「……サクリファイスを用いるのは禁忌ですね」
死体の山を見るなり、そうホーエンハイムは呟いた。
至って魔術的な結論であり、彼らが魔術行使を目的としなくても、それはどうでもいい。
ただ、人の死を弄ぶのは許せない。言葉や表情には出さないが、拳は握り締められている。
「ええ、私も貴方に同意します」
「ですから……、彼らを昇天させてやりましょう」
「狂気に侵されて、自我がないんでしょう」とシンカイへ呟くように言った。
両手で長剣の柄を握り、キッと人型を見る。そして地面を踏みしめ、人型へ迫る。
一体の人型に手前で剣を振るう。剣に掛け合わされていた魔素が、遠心力により圧縮され風の刃として還元される。
その刃は簡単に人型の胴体を両断する。どす黒く、呪いを帯びた返り血を浴びるが、次の人型へ迫った。
2025
:
とある世界の冒険者
:2017/03/19(日) 23:54:35 ID:nqMBHOYU
>>2024
――「ええ、私も貴方に同意します」
――「ですから……、彼らを昇天させてやりましょう」
「そうだな……それが手向けだ」
そう言うと、此方に向かってきた別の人型の首を正確に刎ねる
居合切りの特徴としてその直線的な動きが首を刎ねるのに適しているのであろう
――「狂気に侵されて、自我がないんでしょう」
「判らぬ……だが、これは本当に只の狂気か?」
ホーエンハイムが作った魔素。そして其処から遠心力により圧縮され風の刃によって人型の胴体が切断された
二人の光景をみて他の人型はなおも笑い続けている
そして二人に襲い掛かる
「この様な狂気……私は知らぬ」
混戦にならない様にホーエンハイムを援護しつつ戦闘を繰り広げている
2026
:
とある世界の冒険者
:2017/03/20(月) 00:03:01 ID:khGagILU
>>2025
シンカイの用いる剣技は独特で、なおかつ素早い。
刃を直線的に動かすのに適しているためか、速さがあり、首を刎ねるのに適しているのだろう。
「それはわかりません。でも、そうとでも思わないと――」
「私は戦えませんから。只の人を殺すのは倫理に反しますしね」
只の狂気か、と問われれば、そうだと返せる根拠はない。
だが、狂気に侵されているという大義名分がなければ、ホーエンハイムは戦えない。
故に、そう思うほかなかった、ということだろう。
「手早く片付けてしまいましょう……かねッ!!」
幾体もの人型が襲い掛かってくる。
ホーエンハイムは剣をひたすら振るい、また風の刃を用いて殲滅していく。
彼も手慣れの戦士のようであるし、恐らく簡単に片付くだろう、と思っていた。
――背後に迫る、鎌を手にした人型に気づかぬまま。
2027
:
とある世界の冒険者
:2017/03/20(月) 00:43:45 ID:msCy28oA
>>2026
――「それはわかりません。でも、そうとでも思わないと――」
――「私は戦えませんから。只の人を殺すのは倫理に反しますしね」
「……倫理か」
そう言いながらも的確に相手の動きを裁き、そして切り裂いていく
「私のような狗には分からぬ価値観だ」
なおもホーエンハイムに背中を預けつつ人型を対処する
傭兵としての身分からか、倫理と言うものを切り捨ててしまっている
故に真戒からすればホーエンハイムはまるで騎士の様に見えるであろう
――「手早く片付けてしまいましょう……かねッ!!」
ホーエンハイムが敵を倒していく中、ほんの数駿だけ背中を護れずにいた
その隙をついて鎌を手にした人型にホーエンハイムの背中への奇襲を許してしまう
「フ!」
刀の鞘を器用に相手の顔に投げつけ、体勢を崩す
そのまま、人型の首を刎ねる
どうやら、これで最後のようだ
「……私もまだまだ未熟だな」
あたりを警戒しつつ呟く
刀の鞘を回収し、刀を収める
「申し訳ない、ヴィルヘルム公。背中からの奇襲を許してしまった」
悔しそうにそう言うと、頭を下げる
2028
:
とある世界の冒険者
:2017/03/20(月) 00:56:45 ID:khGagILU
>>2027
「人を殺すのは……、あまり好ましいことじゃないですから」
とはいえ、目の前の人型は明確な敵意を持って此方を攻撃してくる。
となれば、殺さざるを得ない。ホーエンハイムは剣を振るい、人型を両断していく。
だが、一瞬の油断。背後に迫る気配を察知できず、足音に気づき振り返った時には――
「ッ!?」
左腕の上腕部に走る衝撃、そしてあふれる生暖かいモノ。
視線を遣れば、鎌で腕を裂かれていた。ズキリと激痛を感じ、グッ、と漏らす。
だが深くまでは裂かれなかったのが幸運か。シンカイがバランスを崩してくれたおかげで、途中で手が止まったようだ。
「いえいえ、私の不注意ですから」
左肩には鎌が突き刺さっているが、バイタルには問題ない。
激痛を感じてはいるが、歩けないほどではない。故に、「避難所へ行こう」とシンカイへ話す。
一先ず、止血をしてもらわなければならない。失血を防ぐべく、鎌は突き刺したままだが。
2029
:
とある世界の冒険者
:2017/03/21(火) 20:54:13 ID:Jn7JDIfg
>>2028
――「人を殺すのは……、あまり好ましいことじゃないですから」
「……好きな人間など居ぬだろう」
傭兵と言う仕事柄、人を殺したり殺されたりする事が多い。
しかし、それは仕事で殺すだけであり、趣味で殺すほど真戒は狂ってはいない
―「いえいえ、私の不注意ですから」
「……見せてみろ」
傷口をみて
「ふむ……」
そのまま鎌を抜き、回復術を掛ける
止血と殺菌などの初期程度の治療程度ではある
何故鎌を抜いたか、確かに止血で抜かない方が良いのだが今回は止血方法があり
また鎌は決して衛生的ではない
ならばさっさと抜いて治療術を掛ける方が最善と思ったからだ
「此れを飲むがいい」
そういって、白い丸薬をホーエンハイムに手渡す
免疫力を上げる漢方薬である
――「避難所へ行こう」
「あい、わかった」
道中警戒しつつ、避難所に向か居はじめる
2030
:
とある世界の冒険者
:2017/03/21(火) 22:03:33 ID:pCFFvhZk
>>2029
「ええ、そうですね。……すみません」
何か誤解を与えてしまった気がして、謝罪する。
彼はあくまで仕事として、死と向き合って過ごしているのだ。
それを見誤ってしまった自分が、なんとなく情けなく思えた。
「って、抜いたら血が。あれ、血が収まった……」
シンカイが鎌を抜こうとするものだから、どうしたものかと思ったら。
出血が収まり、右肩の激痛はまだのこるが、違和感は消え去った。
ふむ、東洋の魔術とでも形容できようか。
「薬、ですかね。ありがたく頂戴します」
と、水を含まずに飲む。
…………。苦い。糖衣があるわけじゃなし、西洋では飲みなれない漢方薬。
その存在を知らないホーエンハイムは、急ぎ水を口に含む。
「ところで、避難所ってどこにあるんですか?」
今更の質問になろうが、王都のどこに避難所があるのだろうか。
王都全体にこの魔術が伝染していたとすれば、安全圏は建物内か、地下ぐらいだろう。
それに、ホーエンハイムは王立図書館に行きたかった。できるだけ近いほうが好ましいのだが。
2031
:
とある世界の冒険者
:2017/03/24(金) 21:26:56 ID:8hu34yWI
>>2030
「軍の駐屯所、貴族の屋敷、広場といった様々な場所だ」
カツカツと歩きはじめる真戒
多くの避難所は物理的な獣との接触や危険から身を護るので精一杯のようだ
こういった魔術汚染に適しているとは言い難い
機能不全。都市機構から行政機関はては指揮系統が既に狂っているのだろう
「そういった場所の多くは自警団がいるが当てにするな」
つまり自分の身は自分で守れと言う事だ。それは全ての意味でだろう
暴漢やこの汚染からも
「ここから近かい場所を案内すろ」
2032
:
とある世界の冒険者
:2017/03/24(金) 22:17:32 ID:cMoABK7Y
>>2031
「ふむ、なるほど」
広く、安全の確保がされているであろう場所。
そこに人々は殺到しているようだった。まあ、どの避難所もほとんど機能していないようなものであろうが。
そもそも、一般の人間は魔力に対する抵抗力をほとんど持たない。いつ獣と化しても、おかしくはない。
「ええ、でしょうね」
自警団も、ほかも当てに出来ない。すべてが崩壊しているのだから、治安などないはずだ。
となれば襲われる可能性は当然あるだろうし、汚染が広がればまた移動をしなければならない。
承知の上で、避難をする。
「ここから近く、ですか……。どのような場所で?」
辺りは炎に包まれており、どこがどこだかさっぱりわからない。
地理的事情も知らぬホーエンハイムは、そこがどこなのかをシンカイに尋ねた。
2033
:
とある世界の冒険者
:2017/03/24(金) 23:34:31 ID:8hu34yWI
>>2030
瓦礫や迂回路を進んでいる
「もとは大きな公園だった場所だ」
そう言いながら辺りを警戒して進む
先ほどから獣には会っていない。だが何らかしらの気配は感じれる
その気配が敵か味方かは判別できない。ただただ嫌らしい視線が多いのは確かだ
どれ程歩いたのか分からない。離れているように思えるが、近のかもしれない。
しかし、先ほどの視線から疲れが溜まるかもしれない
「ここだ」
そこは確かに公園だった。大きく広い、普段なら市民の憩いの場でもある大きな公園
いまは手製のテントが並んでおり、端には商人が小さく物を売っている。
その品ぞろえも悪く、ただただ持っていたもの、残っていたものを売っているだけに思え
自警団や近くを哨戒した騎士等が物資を渡している。だがそれも此処にいる人数に比べれば細やかだ
闇市すら機能していない避難所……恐らく現状の王都の一般的な避難所なのだろうか
「此処だと、最低限の安全と命の保証と食事はある。他を行きたいなら」
そういって、懐から地図を取り出す
簡易な地図だが、この近くの事を書いてある
「此処にこの付近の地図だ。これに書き込むといい」
2034
:
とある世界の冒険者
:2017/03/25(土) 00:14:18 ID:1iZ3yXmw
>>2033
「なるほど……」
元は、大きな公園だったのだろう。今は避難者で埋め尽くされているのだろうか。
獣に遭遇することはないものの、何かしらの気配を常に感じている。
気配から敵味方を判別はできない。厭らしい視線を常に感じ続けている。
「……やれやれ、結構歩きましたね」
シンカイがここだ、というとホーエンハイムは歩みを止める。
ようやく避難所へたどり着いた。やれやれ、妙な気配を常に感じていると疲れる。
やけに長い時間歩いていた気もしたが、避難所へたどり着いたのなら大丈夫だろう。
だが、その避難所は手製のテントが立ち並ぶ、妙な場所になっていた。
商店は開かれているものの、売られているものは殆ど無く、それも粗悪なものばかりだ。
なるほど、やはり機能していないのだろう。王都内でもこのような場所があるのか。
「ああ、ありがとうございます。私が王都に来たのは此処の図書館が目当てだったので……」
シンカイから地図を受け取り、礼を述べる。簡易的なものだったが、それなりの場所はわかる。
ようやく、魔術の知識が膨大な量蓄積された、かの図書館へ行ける。そう思うと、嬉しかった。
――ホーエンハイムは、未だに嘗ての自分を捨てきれては居なかった。魔術の研究をしていたあの頃の自分。
「それにしても、疲れました。私は此処で失礼しますね」
「あ、あと。これはお礼みたいなものです。簡易的な火打ち石、とでも言えましょうか」
役に立たないかもしれませんが、と言いつつ赤黒い石を渡す。
石と炎の魔素を組み合わせた、簡易的な火打ち石。地面に擦りつけるだけで簡単に火が付く。
それを渡したなら、ホーエンハイムは雑踏の中に消えていくだろう。何か伝えたいなら、最後の機会だ。
2035
:
とある世界の冒険者
:2017/03/25(土) 20:16:27 ID:WVrBRz6M
>>2034
ホーエンハイムから貰った赤黒い石を受け取る
「ふむ、では貰っておこう」
普段ならこう言ったものは受け取らないのだが、現状物資が足りないのだ
貰えるものは貰っておく。生きる為に
「では貴公の幸運を信じて」
そう言って、真戒は人ごみに消えて行った
2036
:
とある世界の冒険者
:2017/03/25(土) 23:02:38 ID:1iZ3yXmw
>>2035
「ええ、貴方もご安全に」
ここまで連れて来てくれたシンカイへ、丁寧に礼をする。
やれやれ、ようやく落ち着くことができると、ほっと胸をなでおろす。
「さて、どこで今日は寝ましょうかね……」
と、同じくホーエンハイムも人混みの中へ消えていく。
一先ず、今日の寝床を探すこととしようか。
2037
:
とある世界の冒険者
:2017/04/09(日) 22:08:21 ID:OK5dAWBs
嘗ては緑豊かな公園であったその中心には噴水があった。
今となっては水も枯れ、周囲にあるのは渇いた血痕、何かの残骸。
そんな枯れた噴水のふちに腰かけている一組の何か。
「いやはや、思った以上に酷い状況だネ」
呟くのは鋭い三つ目のペストマスク、矢鱈と指先が長く鋭い右手甲、左腰にワンドを吊り下げ、
薄汚れた金属鎧に身を包み、とある医療機関の印が刻まれたフード付コートを纏うモノ。
『…早く何とかしないといけませんね』
上半分を覆う覗穴の無い仮面とベルトの多いパンキッシュな白の軽鎧を纏い
何より先端に行くにつれ赤に近づく青髪が特徴的な声と背に幼さが残るモノがその呟きに同意した。
2038
:
「ペストマスク」と『白仮面』
:2017/04/11(火) 21:21:15 ID:llcHCno.
「でもちょっと疲れたネ。私もそう若くないからネ。
誰か来るまで此処でのんびりするっていうのはどうかネ?」
『何言ってるんですか先生。そもそも誰かって誰です?』
「こウ…アレだネ。ご都合主義の神様に愛された的ナ?」
『偶に先生の言っている事が分からないんですけど…』
「そうネ、君は分からない方がいいヨ。
マ、何をするにしても指針がないとネ。
出会ったヒトの求めに応じて動いてみるというのも一興だヨ?」
『私達はこの国に蔓延している病の調査と治療に来てるんですけど…』
「あっはっハ、君は真面目だネ。だけど治療なんて無理無理。
依頼人は巨大な獣になって死んでしまったと言うシ。
起きている事象が複数絡み合っている上に被害の拡大が急過ぎル。
私としては今すぐにでも王国一帯を焼き払うべきだと思うネ」
『先生!』
「ンー…君の言いたい事は分かるヨ?
目の前の命を諦めたくないというのは立派な考えだし間違っていなイ。
でモ、正しい事だけを行って何とかなるほど世の中は甘くなイ。
というより、既にその段階を通り越してしまっているんダ。
もう出来る事は被害をどれだけ抑えられるかだけだヨ」
『駄目です!此処は父や母達のの大切な場所なんですから!
私一人でもやってみせますから!!』
「ア、こらこら何処に行くんだイ…やれやレ、思春期の子は扱いが難しいネ」
白仮面が駆け出し何処かへと消える。
ペストマスクはその場に坐したままだった。
「…ふウ。切っ掛けがあるまで動く気ないからネ。誰か来ないもんかネ?」
2039
:
Valahad
:2017/04/15(土) 22:04:08 ID:EgXszEGQ
>>2038
君がそう思った矢先――――
―――ぱからっ―――ぱからっ
幾つかの馬の足音だ…それに金属の擦れる音も混じっている。
それが金属鎧が出す音である事、こんな状況下でそれらを身につけるのは
何かしら騎士達であろう事に感づくのに、時間はかからないはずだ
「――――全員、止まれ」
鋭いバリトンボイスが響く、年齢的に30歳を越えているだろう
声だけで只者ででないことを伺わせる…それもそのはずだ
目の前に立つのは、綺羅びやかな鎧に身を包んだ騎士
背中のマントには、王都国防軍騎士団のエンブレムが刻まれている。
ヘルムのバイザーを上げると、浅黒い肌に鷹の様に鋭い目をした、年嵩の男
王都国防軍騎士団隊長、ヴァラハッド・ヘーゲマン…が目の前に立っているのだから。
『隊長…この男が何か?』
いくつか居る内の部下の騎士の1人が、シュナーベルをジロジロと見ると、ヴァラハッドに問いかける。
ヘルムで表情を見ることは叶わないが、どれも怪訝な表情をしている事だろう。
「…君の身につけている『医療機関』の紋章
私の記憶では、数十年前に無くなったはずだ。」
そして、ヴァラハッド自身は、怪訝な表情そのものだ。
「"獣の病"について熟知していたと、記録には残っている。
そしてそれが、原因で、この世から消えたとな。」
「私の名は、王都国防軍騎士団隊長、ヴァラハッド・ヘーゲマン
君に1つ質問だ、君はなぜ『それ』を着ているのかね?」
2040
:
「ペストマスク」
:2017/04/15(土) 22:24:37 ID:9EtDNlIM
>>2039
「おんヤ?もうそんなに経ったかナ?」
はて、と首を傾げるペストマスクことシュナーベル=A=エールツティン。
その紋章は互いの尾を噛む2匹の蛇が杖の柄に巻きついている意匠である。
「…いやいヤ、現在も細々と活動してるヨ?無くなってなイ…無いよなア?
あ、それともこうなる前の機関の事かナ?
そうであれバ、成程納得…
因みにあの頃の紋章は蛇が互いの尾を噛まずに見つめあってた筈ダ」
自身の所属する機関の存続を非常にあやふやに覚えているペストマスク。
「おっト、未だ全部の質問に答えてなかったネ。
私がコレを着ている理由は一つ。私が医者だからだネ。
多分滅んでないと思うけド、所属先が消えても私はコレを着てるだろうネ。
私が医者でなくなるその時まデ」
2041
:
日暮渡見『メディック00』
:2017/04/15(土) 22:59:46 ID:zgjBUWEU
>>2040
(・・・・・・・・・・・・)
なんか変なのがいる。
コートに仮面でイントネーションの狂った話し方をしている男を見ての感想はそれだった。ただし、そう考えているのが金属製の蜘蛛である。どっちが珍しいかといえば確実に蜘蛛の方だった。
『アダンソン00』。傷や病の治療、解毒などを行う、《イエグモ》シリーズのうちアダンソン型のプロトタイプで、性能を高くしすぎて強酸を生成・散布することも可能になった、『医療ロボットとしては』失敗作である。そもそも病気に関するデータをほとんど持っていないのでもはや名前だけアダンソンである。
2042
:
「ペストマスク」
:2017/04/15(土) 23:13:11 ID:9EtDNlIM
>>2041
「おんヤ、はぐれゴーレムかナ?スルメ食べるかネ?」
変なのが変なモノを取り出し、長い右の鉤爪で器用に摘まんでプラプラと揺らす。
騎士らに囲まれていながら臆することなく妙な動きをする変なのはとても変なのだ。
2043
:
日暮渡見『アダンソン00』
:2017/04/26(水) 06:25:43 ID:e5/Bu8uQ
>>2042
そもそも身体からしてまともではなかったらしい。ここまでメカメカしい存在にするめなんぞ勧めてくるのはこの男くらいではなかろうか。オイルのつまみになどならないし、そもそもモーターに引っ掛かかりかねない。
というか、こいつそもそも人間なんだろうか。
(・・・・・・・・・・・・・・・、)
もういっそ無視してどっかいってしまおうかとも思ったが、騎士団がこちらを見ている。このまま逃げて大丈夫なのか確証が持てない。会話が出来ることがバレたら面倒なのは確実だが、もう喋るしかないんだろうか。
『・・・ゴーレムってはぐれるものなんですか』
仕方が無いので喋った。
電話先で犯人がボイスチェンジャー使ってるみたいな声だった。
2044
:
「 Valahad 」
:2017/04/29(土) 22:34:58 ID:xOEnlxiM
>>2040
『隊長、その男が言うことは確かなようです』
お連れの騎士の内の一人が、手記を開きながら会話に割って入る。
手記からはマナの反応…いわゆる魔法の手記だ
『"医療機関"は無くなる前に、幾つかの派に分かれて分裂しています
その内の1つが、今着ている尾を噛む2匹の蛇の意匠…
男の言う、互いの尾を見つめ合う紋章も存在します、異なる流派としてですが。』
手記をパラパラとめくりながら解説し終えた所で、後ろへ下がる
「ふむ…どうやら確からしいな。」
そう告げると、馬から降りて近づいて来る騎士団長
月夜に照らされる、鷹のような瞳は…
「先は失礼した、医者殿
知っての通り、王都はこの様な状況だ…事態収束の為に人手が居る
獣の病に詳しい医療機関の者ならなおさらだ―――
―――是非、手を貸していただきたいのだが。」
…獣性に染まっていた
悪い目…何かを企んでいるような瞳だ。
>>2043
『…医者殿、貴方のゴーレムか?』
ザビザビとした声を聞いて、怪訝に思ったお連れの騎士が指をさす。
どうやら、音質が悪くて聞き取れなかった様子…遠隔操作がバレたら少々面倒―――
否、非常に面倒な事になるだろう。
なにせ先程の会話…いわゆる『あれ?これ、聞いちゃいけない会話じゃね?』という予感がビンビンだ
2045
:
「ペストマスク」
:2017/05/01(月) 03:37:48 ID:dyzX5wkI
>>2043
>>2044
「おー…よく見たら機関から提供されたゴーレムだったネ。
普段、ワタシはゴーレムなんて使わないからネ。うっかりうっかリ。
はぐれたのはワタシの方だったネ。
さあさア、荷物運びに精を出したまエ……蜘蛛丸くン」
ペストマスクはアダンソンに近づくと自身が携えていた医療鞄をその上に乗せる。
何が入っているのか知らないが大きくもない外見のわりに異様に重い。
そしてさらっとアダンソンに捻りのない名前を付ける。
「さあさあ騎士団長殿、ワタシの手で良いなら幾らでも貸しましょウ。先ずは何をすれば宜しイ?」
相手の目論見に気付いているのかいないのか、
アダンソンの意見は聞かずペストマスクは騎士団長へと問うた。
2046
:
日暮渡見『アダンソン00』
:2017/05/06(土) 22:57:10 ID:Oo2XP4cY
(手帳に書いてあることくらい暗記しとけよ・・・)
明らかな面倒事に巻き込まれたことから逃避してみる。そんなことをしても何にもならないのは重々承知の上だが。
とりあえずこの場は乗るしかない。この場にいる中で自分だけ医療組織とやらの知識をかけらも持たない自分が医療組織のゴーレム役とかどんな冗談だと思うが、医療用のシリーズではある。医療行為ができない訳では無い(ただし戦闘の方が強い)。
無言で荷物を背中に乗っけつつ、蜘蛛丸もといアダンソン00は電子の心でそっと溜息をついた。
2047
:
「 Valahad 」
:2017/05/13(土) 21:23:28 ID:WTvEQE3k
>>2045
>>2046
『―――左様か』
《マジかよ信じやがった!?》
ゴーレム越しの日暮はおそらくこう思ったであろう…
何にせよ、君が部外者として認識され、魔法探知からの『口封じ』をされる可能性は無くなった。
「―――実にありがたい…いやぁ実にだ。」
------------------------------------------------------
場所は変わって、詰め所の様な場所へ案内された二人
…道中も不穏な動きだった、人目を避けるような動き(人は殆ど居ないのだが…)に加え
詰め所の場所も、路地の奥だ。加えて騎士団の旗も立っていない。
此処が『非正規』な場所であることは、明らかだった。
「医者殿―――貴方に行ってもらいたいのは、ある書籍の解読だ。」
ヴァラハッドの話を聞きながら詰め所に入ると、今度は地下道だ
ますますきな臭くなってくる――――
左右に並ぶ棚には、数々の奇妙な液体の入ったガラス瓶に…治療用の針や導管だ。
「…君と同じく"獣の病"に詳しい魔術師が居るのだがね
この状況下になっても、郊外の屋敷から出てこようとしない。
手元にあるのは、彼が残した魔導書だけなのだ…」
地下の奥にある、魔法の実験室の様な場所へ案内されると
中央の書見台に鎮座した、一冊の魔導書が目に入る…
「彼曰く…その本には"獣の病を治める"方法が記されていると言うのだ
あいにく、我々では手が負えない…そこで君にお願いしたい訳だ。」
表紙の文字からして古代語だが…二人の知識をもってすれば
訳せなくは無さそうだ…といっても、かなり時間がかかりそうだが。
2048
:
「ペストマスク」
:2017/05/16(火) 19:51:13 ID:jMHR1aJs
>>2046
>>2047
「ほうほウ?手に負えなイ?」
ペストマスクは医者である。
彼の中では古代語の解読というのは考古学者の領分である。
加えて魔導書だ。
彼は医者であるが魔術師ではない。
まあ魔術が栄えた世界で医学を学ぶ以上、
大なり小なり魔術には触れていて当然であるが…
「解読そのものもワタシが行ウ、ト?
困りましたネ?医者に期待する事としては些かずれていル」
彼はこう思っている。
何を企んでいるにせよ、もう少し此方を上手く使って欲しいものだと。
これではノコノコ着いてきた馬鹿を演じるにしてもあまり面白くない。
「まア、ワタシ其方方面にも明るいですからネ、やりますけどモ」
そう言って魔導書へと鉤爪をのばす。
2049
:
うさぎ
:2017/11/06(月) 03:22:59 ID:a0l8AeZg
tp://ssks.jp/url/?id=1451
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