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ジグザール王国王都

1「鍵を持つ者」:2012/12/27(木) 22:40:41 ID:???
今日も賑やか……だと思ったか!?

1862とある世界の冒険者:2015/05/01(金) 23:19:40 ID:35r3Ms9I

「…………そう。」

【なるほど、と彼女の言葉に納得する。
自分から、聞いておいて随分とリアクションが薄い気はするが彼女はそういう者である。

だが、じーっとまっすぐレナエルの方を見ているため、無関心ではないと言うことは分かる。】

「……次は日が昇っているときが良さそう。」

【今は既に日が落ちているため、残念ながら太陽は拝むことができない。
代わりに頭上に輝いているのは優しい光を放つ月である。】

1863とある世界の冒険者:2015/05/01(金) 23:27:09 ID:GRZNlvQs
>>1862

「そうだな。それが好ましかろう」

「太陽の熱を冷ます役割のある月だが、賢人気取りを引き寄せやすい魔性の天体でな」

困ったものなのだ、と首をゆるゆる横に振る。

「夜と月にはそれだけ神秘があると言うのは認めるがね」

「どうも月光にあてられた人間は自分の経験で世界の全てを識ったつもりになるらしい」

「世界という広い物に、自分という等身大の物差しでもってさも賢そうに語ることほど滑稽なものはないぞ。世の中わからないことだらけなんだからな」

……どうも、月にも一定以上の思い入れは、あるらしい。
あまりプラスのことではないようだが。

1864とある世界の冒険者:2015/05/01(金) 23:35:47 ID:35r3Ms9I

「確かに勉強をしてきたけど、分からないことだらけ。」

【その言葉に一理あり、と納得する。
ボーっと何も考えていないようで、意外と勉強をしているようだ。

それが一体、どのような勉強かは不明であるワケだが。】

「……でも、月と太陽が一緒だから魅力的なのは知ってる。
だから、月も嫌いなものじゃ、ない。」

1865とある世界の冒険者:2015/05/01(金) 23:42:29 ID:GRZNlvQs
>>1864

「私だって月が嫌いというわけじゃないぞ」

「たとえば知っているか、月の明かりは実は太陽の明かりなのだ。月は燃えておらんから、光ってないのだ!」

即ち、月光も厳密には太陽光なのだと。
情報源がどこなのか、正しいのかは怪しいところだが。

「そういえば、バクである身からすれば人々が眠る夜こそが本領か」

1866とある世界の冒険者:2015/05/01(金) 23:49:47 ID:35r3Ms9I

「……物知り。」

【実に端的な表現でレナエルを評した。どうやら、そのことは知らなかったらしい。
とはいえ、彼女は王都の中等部であるため、知らなくても不自然ではないのかもしれない。】

「……そこは別に夜じゃなくても大丈夫。」

【バクと言えば、夢を食べるという話だ。
しかし、それはいわゆる伝説上の生き物の話であり、通常のバクの話ではない。

だが、彼女はその伝説上のバクに因んだ力を持っているらしい。
それも彼女の口振りからすると、眠る必要もないのだろう。】

1867とある世界の冒険者:2015/05/01(金) 23:55:31 ID:GRZNlvQs
>>1866

「むず痒い事をいうな。私なんぞ何も知らぬに等しいというのに」

少し気恥ずかしそうに身をよじり、鎖を鳴らして。

「ほほう……?」

「夢を食うとは、聊か異常に興味深いが……。うむ、次の機会にしよう」

「確かに、太陽がある時の方がいいだろう。その方が私も元気だからな」

うんうん、と頷いて、その場で音を立てて回転し。

「では、失礼させてもらう。私は今宵、流星になるのだ!」

激しく音を立てて、義足の車輪が回転する。
そうして、あわただしく駆け出して行ったのだった。

1868とある世界の冒険者:2015/05/02(土) 00:07:32 ID:K12mw9vU

「……夢を食べることも、ある。」

【おとぎ話の世界の様な話を彼女は出来ると断言した。
彼女の性格的にあまり物騒な雰囲気では無さそうではあるが。】

「……じゃあ、次は太陽のあるときに。」

【くるりと回転して慌しく帰ろうとするレナエルにそんなことを
ぽつりと呟き、彼女の姿を見送ったとか、FO】

//おつかれさまでした!

1869とある世界の冒険者:2015/05/05(火) 22:35:14 ID:YR2cDGRg
「ふぅ…………なーんか起きないかな〜……退屈ーーー!」

噴水前のベンチに腰かけて、そんなこと言って天を仰ぐ魔女っ娘

1870とある世界の冒険者:2015/05/05(火) 23:39:47 ID:YR2cDGRg
fo

1871とある世界の冒険者:2015/05/20(水) 21:53:07 ID:4jzdvbTc

「…………やれやれ、一度では分からないものだね。」

【闘技場の方からやってくるのは黒髪に眼鏡のいまいち特徴のない青年だ。
闘技場のほうから、ということは恐らくは、模擬戦でもしてきたのであろう。

服装はスーツで持ち物はかばんと言うらしからぬ格好ではあるが。】

1872とある世界の冒険者:2015/05/20(水) 22:09:12 ID:4jzdvbTc
FO

1873とある世界の冒険者:2015/06/06(土) 23:24:19 ID:pLarULis

「……霧は何とも言い難い現象ですね。
拡大しているワケではないとはいえ、被害も小さいわけではない。」

【王都にてぶつぶつと独り言を呟き、考え事をするように歩く一人の女性。
銀の三つ編みに半袖のジャケットを羽織っている。】

1874とある世界の冒険者:2015/06/06(土) 23:58:13 ID:pLarULis
FO

1875とある世界の冒険者:2015/06/13(土) 22:05:32 ID:rjH0gMV6

「…………。」

【王都の広場にてボーっと立っているグレー色の髪をした少女が一人。
王都の中等部の制服を着ていることから、学生であることが予想される。

ただ、目立つのは彼女の鼻である。
それは象の様に長く太く、顎を隠してしまうほどである。】

1876とある世界の冒険者:2015/06/13(土) 22:23:41 ID:rjH0gMV6
FO

1877とある世界の冒険者:2015/08/01(土) 21:47:35 ID:1fGX7nA2
少女はまとわりつくような熱気に負けたのか、
気だるげそうに公園のベンチに身を預けていた。
白っぽい髪が月の光に照らされて、ほのかに輝いて見える。

その公園には少女以外に人の姿が見られない。
ひと気がなく見通しも悪い公園に少女が一人……さて

1878とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:09:29 ID:udpBOlQk

「…………。」

【王都の広場のベンチにて、眠りこけているのは銀の三つ編みに半袖のジャケットの女性である。
背もたれに緩やかに身を預け、眠っている。夏のこの時期、外で眠るのは暑そうだ。

よほど、疲れているのか別の理由があるのか、こくりこくりと舟を漕ぐ。】

1879とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:13:52 ID:hF6sPrd6

「んー、仕事終わりのお散歩お散歩……ってありゃ?」

帽子に白のワイシャツ、涼し気な格好で夜の王都を歩くは軽い雰囲気の青年。
口に煙草を加えながらそんな女の前を通り掛かる

1880とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:23:59 ID:udpBOlQk

「…………。」

【こくり、こくり、と船を漕ぐのは見覚えのある女性。
それを見るに完全に眠ってしまっているらしい。

というよりも、その状態は見ていて非常に危うい。
体が段々と横にずれていき、ベンチに横たわりかけているのだから。】

1881とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:29:49 ID:hF6sPrd6

「レーヴェースさんっ、こんな所で寝たら虫に刺されまくるよ―」

ひょい、とそちらに一歩近付き声を掛ける。
こんな直に倒れていては熱中症と疑うというものだ。

1882とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:42:22 ID:udpBOlQk

「……っ、はゥッ……?!」

【舟を漕ぐタイミングと声かけが良いタイミングで重なったらしく
驚いたような間の抜けた声を上げて、覚醒する。】

「っ、な、何故あなたが……あ、いえ、ここは…………。」

【一瞬、ものすごく焦ったような表情を見せたが
今、自身がどこに居るかを把握したらしく、一気に冷静になった。

恐らく、自分の家に侵入されたとでも思ったのだろう。】

1883とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:44:26 ID:hF6sPrd6

「……あのね、レヴェスさん、俺彼女っていうか奥さんモチダヨ?」
「昔ならいざしらず住居不法侵入とかしないって!」

けらけら、と帽子を抑えながら笑い飛ばす。
普段魅せぬ失態に笑いどころは抑えられている。

「ここは、外、レヴェスさんはベンチで寝てた、オーケー?」

1884とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:58:27 ID:udpBOlQk

「……す、すみません。少し動転していました。」

【コホン、と咳払いをして、自身のその銀髪を手ぐしで整える。
その顔はほんのりと羞恥で赤くなってしまっている。】

「いえ、待ってください。昔なら……という発言も十分問題かと。」

【調子を取り戻すためか、今一度咳払いをして、発言に指摘する。】

1885とある世界の冒険者:2015/08/08(土) 23:59:48 ID:hF6sPrd6

「あっはっは、照れちゃってもー可愛いなぁ! ……っといかんいかん」

浮気になっちゃう、と首を軽く振る。
どうやら真摯に奥さんと愛し合ってるようである。

「そこはホラ、聞き流す所じゃない?」

けらけら、と笑って隣に座る。誰が座って良いと。

1886とある世界の冒険者:2015/08/09(日) 00:14:46 ID:b8VQoiGY

「実際、そのような発言を聞いて、警戒しないほうがおかしいでしょう。
とはいえ、今の貴方にはそうする必要はないようですね。」

【自ら、発言に歯止めをかけた様子を見て、軟派ではあるものの
一方できちんと奥さんを大事に思っていると判断したようだ。】

「……隣に座るのは結構ですが、そちらのほうが勘違いされてしまうのでは?
それに、こんな夜更けに油を売っていては奥様が心配されてしまうでしょうに。」

1887とある世界の冒険者:2015/08/09(日) 00:19:53 ID://CQ1lME

「んー? そりゃだって俺、奥さん愛してるし。」

煙草を携帯灰皿に捨ててシレっとした顔で。
どうやらかなりご執心らしい。

「友達の隣に座るぐらいな等大丈夫でしょー。
 心配は……寂しくて起きたりしない内にベッドに戻るから大丈Vってね。」

1888とある世界の冒険者:2015/08/09(日) 00:34:13 ID:b8VQoiGY

「……まぁ、そちらがよろしいのでしたら構いませんが。」

【とは言いつつも、既に家庭を持っている異性と話すのは少々、複雑のようである。
変に勘違いをされてしまうと、色々と面倒であるというのもあるだろう。】

「それにしても、このように言うのも失礼ですが意外でしたね。」

【どうやら、彼女にとって彼がそのように家庭を持つのは意外だったようだ。
普段の態度が普段の態度であるため、仕方のない勘違いなのかもしれないが。】

1889とある世界の冒険者:2015/08/09(日) 00:35:50 ID://CQ1lME

「っていうかレヴェスさんにも俺にもその気がないから浮気にはならないでしょ?」

座ったまま軽く伸び、をして。
まさか俺のナンパを本気で聞いていまい、と。

「んー、まね、俺も意外だった。」
「けど一回暖かい所馴染んじゃうと、離れられないもんだよ、これがね。」

1890とある世界の冒険者:2015/08/09(日) 00:45:57 ID:b8VQoiGY

「それはもちろんですが、このような夜とはいえ人の目がありますからね。
貴方のお友達に誤解されてしまうのも、まして本人に誤解されてしまうのも申し訳ないですし。」

【ナンパを本気にしていない、という部分に関しては即答である。
それが当然と言えば、当然なのだろうがさも当たり前のように答えるというのもどうだろうか。】

「ふふふ、暖かいところを求めていたのでしょうね。
……でも、そうですね、うまくいえませんが……少し羨ましいかもしれません。」

1891とある世界の冒険者:2015/08/09(日) 01:12:10 ID:b8VQoiGY
//20分以上、反応がないのでおちたと判断してお先に失礼します。
//ありがとうございました。

1892とある世界の冒険者:2015/11/15(日) 12:12:09 ID:.1HzLF4Y
【噴水公園】
ベンチに座って、暖かいコーヒーを飲んでる女の子一人

「最近……退屈だなぁ……」

ふと空を見上げます

「仲良い子とも会うこと少なくなったし〜…………はぁ…………」

と、溜め息です

「ま、仕方ないんだけど…………あ、やば、もうこんな時間じゃん…………討伐の依頼いかないと…………」

と、ふと時計を見て、立ち上がる

「ま、この超天才大魔法使いの力、かるーく見せて上げるかなっと」

そう呟くと、箒に乗って飛んでいきましたと

1893とある世界の冒険者:2015/11/21(土) 21:35:13 ID:L04Ta24Q
「……クリスマス近いな〜……」

とか言いながら街を歩く

「………………おかしい」

そして、なんか真剣に呟くと

「私、産まれ持った顔は超可愛いし……お洒落にも美容にもかなり気を使ってるし…………」

と、自分で言うだけあって、外見はまあ良いと思う

「なのに……なんで彼氏いないのーー!?」

とか言ってますね

1894とある世界の冒険者:2015/11/21(土) 21:48:51 ID:L04Ta24Q
「つーか……私みたいな完全無欠天才美人に彼氏居ないって……うーん……何が原因なんだろ……」

とか真剣に悩みながらベンチに座る

「欠点って欠点ないよね〜…………容姿、完璧…………頭もいいし魔法もできるし…………うー…………」

とか言ってうなだれてる

1895とある世界の冒険者:2015/12/10(木) 08:04:55 ID:069nE7RQ
皆さん、オワコン社長をよろぉ〜♪ばんばん見てね♪♪
http://m.youtube.com/channel/UCbc7XPBjep5i25QRnO0J5-A/videos?itct=CAAQhGciEwjequ_n5bDJAhUB2VgKHTEtDds%3D&hl=ja&gl=JP&client=mv-google

http://m.youtube.com/channel/UCkM7vL3osDR15f_jtlq94UQ/videos?itct=CAAQhGciEwjWrLvz5bDJAhUZI1gKHVqECfc%3D&gl=JP&hl=ja&client=mv-google

1896「再誕と再来」:2016/12/31(土) 22:42:55 ID:gmXv0LlU

「--今の魔法医学で君を治すことは出来ない」

医者から告げられた

失意の重さに潰され
寝床で寝たきりの生活になってから、どれほどになっただろうか…

毎日、寝床で食事を取りいたずらに時を浪費するだけの生活になってから
すっかり生きるという事に執着をなくしてしまった…

最近では、食事を摂ることすら拒否して、昼夜の概念も忘れて寝続ける生活だ
1週間?1ヶ月?たっただろうか、ある時、ふと目が覚めた時…

--世界が淀んでいた--

窓から見えるジグザール王都の青空は、どす黒い正気に包まれ
空は極彩色の毒属性魔法の様な色合いである。

ここは何処だ、拉致でもされたのだろうか
しかし、部屋の調度品、服の皺や机の埃までそのままである

--ドンドンッ! ドンドンッ!

混乱の最中、部屋の入り口のドアがノックされる
誰かが貴方の名前を読んでいる気がする…と、同時に君が何の問題もなく、動ける事に気がつくだろう。
それどころか、全盛期の自分のように…。

1897とある世界の冒険者:2016/12/31(土) 22:57:50 ID:mlVJn3nA
「……しってたさ」
男は諦めきった表情を医者に見せた。
どんな戦場にも使い捨ての駒として動き、働いた。
帝国でも指折りの狙撃兵。それも、塹壕戦にて魔毒に犯された。

下半身が動かなくなってから時間を浪費しそしてあの時の戦いの事を思い出し懺悔する
それだけだった
短い人生と短い余生を王都で過ごすだけだった

空をみた。あの時と同じ色がしていた。あの地獄と同じ色
「悪い夢だ」
体が動くことと空の色に呟く

部屋の調度品から一本の羽ペンを手に持ち、ゆっくりと扉に向かう
「……だれだ」

1898「再誕と再来」:2016/12/31(土) 23:04:15 ID:gmXv0LlU


緊張とは裏腹に、勢い良く扉が開かれる。

「…無事だったか。」

――懐かしい声だ。
名前のない銃士、吸血病に犯され一時は性別も反転してしまった彼だが
君の目に写る彼は、病に冒される前の姿だ。
以前、酒の場で彼の真名を教えてもらった記憶があるが…レイヴン、そう名乗っていた記憶がある。
しかし馴染みのある名は、これだ

――ガンナー 

彼がそこにいた。

手元に長々とした槍の様な長銃と、もう片方は一般的な長銃
目元まで届くフェイスマスクに、頭には鴉羽(カラス)を模した三角帽子にロングコート
記憶にある服装とは違うが、彼そのものである

「久しぶりだな……"シャーク"」

安堵の表情を見せるガンナー
これも酒の場で付けられた、君の'あだ名"だ。

が、すぐに険しい表情に戻り、彼から得物が差し出される…
長銃である…魔導式の歯車がついたタイプだ…信頼性の薄い君の大嫌いなタイプである。

「悪いが、詳しい話は後だ…ここは危険だ移動する。」

1899とある世界の冒険者:2016/12/31(土) 23:21:07 ID:mlVJn3nA
「お前は」
意外な表情を見せるシャキン。久しく会っていない友人
それも、性別が反転する前の姿である。治ったのかと考えたが、自身に起きた現状と状況を考えるにそれは無いと判断した

「ハッ、まるで医者のような格好をしているな、レイヴン」
知ってた彼の姿とは違うことと、仮面を見て笑う
久しく笑っては居なかったが、何故か笑えた。
不思議だった

「何があった、ガンナー」
直様、警戒し仕事の顔になる
レイヴンから渡された武器を手にとり弾数を確認する。
この状況、良くな事が起きているのだけは判る。

1900「再誕と再来」:2016/12/31(土) 23:40:01 ID:gmXv0LlU


「――悪いが病原菌はよくわからんぞ、香草を詰めるスペースもない。」

軽口を返しながら、布状のフェイスマスクを下ろす
一件、治っていはいる様に見える、声も顔も男性のものである。
もともと彼は中性的であった、シャキンの思い出にある姿そのものである

「面倒なことが起きた…ことは確かだ、移動しながら話そう。」

残弾は5発、銃底内部に結晶状のマナシリンダーが仕込まれている形式で
撃ち切る事に歯車が回転して、再装填を行う。
とにかく歯車の回転音が耳障りで、純正品のシリンダーでない限り、装填数にムラッ気がでる、まぁ信頼の置けない奴だ。

「悪いが中身のシリンダーは、非正規品だ」

加えてこのざまだ。

――――王都住宅街

きらびやかだった、ジグザールの王都が荒れ果てている
石タイルはめくれ上がり、住宅は荒らされている、あれだけ活気のあった人の気配が無い
悲鳴が無いのである…この緊急事態なのにもかかわらず…だ

君が受けた毒ガス魔法のような空…本来なら太陽が照らすであろう場所には
まるで異型の瞳のような何かが、地平線にぼんやりと写っているのだ…

「…魔剣士ドクオ、魔人ネームレス、ジグザールの有力御曹司のジャック…この3人覚えているか?」

路地を歩きながら、聞き覚えのある名を呟くレイヴン
どれも聞いたことのある名だ、彼らがトップに立つ組織は
裏で王都を牛耳っているのではないかと、よくゴシップにかかれていた。

1901とある世界の冒険者:2017/01/01(日) 00:03:34 ID:8MGitT7U
「ゾンビさえつくらなきゃぁ大丈夫だ」
ハッ鼻でと笑う。ゾンビを作るペスト医師、よくある都市伝説の話だ
だがそれも、それもかなり古い

「面倒な事か」
空のの毒々しさを見つめ険しい表情を浮かべる
自分の体にレイヴンの状態。とても嫌な予感が、それも本能での嫌な予感だ

「詳しく頼むぞ、こんな嫌な気持ちはイルタ以来だ」
イルタ……ジグザールとソルビニアが散発的な戦闘を繰り返していると聞く場所
両国とも表面化では戦闘を否定しているものの、地獄絵図はごくまれに王都の新聞で載ることもある程度だ


「あぁ、素晴らしいね。鹵獲品よりかはマシな事を祈るよ」
クソっとやや悪態を付きながら皮肉を言う。自身の武器など等に医療費に消えてしまったのだ
あるだけでも有難い

「何だこりゃ……帝国が戦線布告でもしたのか……?クソ、それとも魔族か?」

人の気配に荒れ果て具合。太陽の代わりに異型の瞳
魔族との開戦としか思えない。少なくともシャキンの中ではそうだ

「ゴシップ程度には。ただ詳しくは知らんな。知った所でだからな」
闇を掘る事なく、闇を見て立ち位置を考え、賢く生き抜く。
戦場で生き抜いた人間のただ一つの正解だった

1902「再誕と再来」:2017/01/01(日) 00:34:40 ID:gk9gSF4c

「アンタの腕なら、妖精の爪先ですら狙えるよ」

冗談をつぶやきながら歩みをすすめる

「いや、御曹司のジャックは別人だったな…俺が言いたいのはそっちじゃない。
ウッドフィールド…木原教授の研究に参加していたゼオ・ウッドフィールドに従事していた少年の方だ。」

曖昧な記憶を訂正する、瓦礫を乗り越えると

――ぺしゃり

血だ

「まぁ、御曹司の方も"城"に出資をしていたらしいが…本題に入ろう、さっきの三人が"やらかした"」

城…それは先の三人が統括していた組織だ
郊外に広大な城を持ち、不当な扱いをうけた獣人達を保護する、一件は義賊的な立ち位置であった

「悪いが――

歩みを進め、ジグザールの大通り、ここは市場に続く道でいつも活気があった
そう、いつも物で溢れかえっていて…けど今は

――イルタのがマシだな」

...見渡すかぎりの死体で溢れかえり、市場の並ぶ緩やかな坂道は血の川
 
「そもそもジグザールの発展の幕開けは、ゼオの知人である木原教授…ウッドフィールド教授によるものだ」
「だが、なぜ彼がここを選んだのか、なぜ馬鹿でかい図書館をぶっ立て…そしてある時去ったのか…」
「木原が行っていたのは、八卦や冥王属性の研究なんかじゃない、それらを使って"何か"を封じ込めてた」
「そして、城の連中は"何か"の目を覚まさせた。起こしちゃいけない"何か"を…起こしちまったんだよ。」

…ヴヴ…ヴァァァァァ

血の川から、のそりと立ち上がる人…否、人の形をした物体
口は奇形の様に縦に裂け、手足は不自然に長く、風船の様に膨らんだ頭は
まるで子供が描いた落描きを、人体を使って再現したようなおぞましい姿だ
うっ血した肌からは、獣の様な体毛が生え、狂気じみた表情をしながら、よたよたとちらへ向かってくる。

「――それがこのザマだ…」

「異形化、俺はそう呼んでいる…あれはまだマシな方だ。」

左腕にもった長銃の安全装置を外す、そして右腕には特徴的なノコギリ刃を持ったサーベルを構える。

「"シャーク" …俺がやってもいいが、正直気乗りしない。」


「楽にしてやれ。」

1903とある世界の冒険者:2017/01/01(日) 00:57:01 ID:8MGitT7U
「……」
血の川。戦場で見慣れた光景だ。だが、市街地での、市民の血で汚されたこの川は酷い頭痛と吐き気を催した。
酷い目眩だ
あの戦場にいた時よりも酷い。あらゆる感情が混ざり悪意のみが体に残った気がした

「Wahnsinn!!(クソッタレ!!)」
誰に大声で、母国の言葉で毒づいた
最も汚い言葉。

銃を構えて異形の頭に打ち込んだ
普段は何も感じない引き金が重い。震える。新兵の様に照準が定まらない

銃口を一度上に上げて目を瞑り新呼吸
「スーハー」
そして異形の頭らしき部分に向けて再び構えて引き金を引く
弱点かどうかすら分からない、ただただ体が弱点を狙う癖だ

1904「再誕と再来」 終:2017/01/01(日) 01:05:45 ID:gk9gSF4c


――カリカリカリ…ガシュンッ!!!

質の悪い歯車が起こす、金切り音
この時点で鹵獲品のがマシだとわかる。

何千回も繰り返された癖の上に魔弾が乗り、マナの煙と共に飛び出す。
異型は、中身をぶちまけながら血の川に倒れ伏す。

…ヴゥゥゥ
…ヴォォォォ

発砲音と同時に、次々と立ち上がる異型達
ムカデのようにいくつもの胴体が繋がったもの…片手が以上に肥大化したもの…蜘蛛の様なシルエットをしたもの…

「…こまった時は酒場バッカスまで……後ろは任せる」

槍のような長銃を構え、サーベルを振るうと刃が分離し、鞭のような軌道を描く。
"異型"を狩る為の仕込み武器、人でも魔族でもない"怪物"を狩ること特化した。

「―――行くぞ」

滅びた王都と異型の瞳を背後に、二人の男が走り出す―――

1905とある世界の冒険者:2017/01/01(日) 01:19:13 ID:8MGitT7U
「チッ」
小さく舌打ちする。暴発だけはするなよ、もうそれだけはゴメンなのだからな
心にそう思いながら、次弾を装填する

「バッカスか了解した」
酒場には念の為に旧式の銃を預けていたはずだ。だが、それも医療費等の担保に取られていなければの話だが

「Los!!(あぁ!!)」
銃の残弾と道のりを計算して、倒す敵を考えながらレイヴンの後ろを守るのであった


Fo

1906「記憶」:2017/01/03(火) 21:01:12 ID:sTRQvyig
1/3

『レイヴン、ラピュセル。このままじゃマズイ。作戦を立てるz―――!』

シャキンがそう叫んだ瞬間、異型の獣…もとい
――『リグレットの獣』 彼女の巨腕が彼を吹き飛ばす。

「シャークッ!!!!!」

鴉羽の狩人がそれを見て、彼の元へと走り出す。
槍のような鳥銃を構えて、トリガーを引く
重たい発砲音と共に、リグレットの獣の右腕を抉るが…

「…弾の相性が悪いッ!」

彼の長銃は貫通性能を重視した物、それは狭い路地等で、人サイズの獣を相手するのならば十分だった…
だが、大きな馬車を三段重ねたような巨獣相手には話が別だ
貫通性能を重視するあまり、銃弾が体内で”暴れず”突き抜けてしまい、大したダメージを与えていない
糠に釘、暖簾に腕押し…いくらでもいえるがそういうことである。

「ラピュセル、すまないが相手していてくれッ!!」

走りながら、中身の弾丸を排莢。
背後にいるラピュセルへと叫ぶ。

1907「記憶」:2017/01/03(火) 21:01:36 ID:sTRQvyig
2/3


―――勇敢に進みなさい。
   そうすれば総てはうまくゆくでしょう。
―――我々が第一に戦わねばならぬ厄介な敵は、我々の目の前にある―――

『語り部』の『しでかし』によって混ざって生まれてきた君…もとい
ドン・キホーテ・デ・ラ・ピュセル・ドルレアンの中にぼんやりと流れる言葉。

目の前に立つ異型の獣は、君が救いをもたらせた者達を
本能のままに任せ、再び絶望の淵へと叩き込もうとしている。

―――生命のあるかぎり、希望はあるものだ。
―――私たちが戦うからこそ、神は勝利を与えて下さる。

混ざりあうはずのない、2つの言葉がこだまする。

――――ギャオオオアアアアアアアアァァァ!!

少々手強そうだが…巨人の前に立った聖女の騎士がやるべきことはただ一つ

『どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。救いのない運命というものはない。災難に遭わせて、どこか一方の扉を開けて、救いの道を残している』

―――そして、パンさえあれば、たいていの痛みには耐えられる。』

いやその発想はおかしい。

1908「記憶」:2017/01/03(火) 21:02:24 ID:sTRQvyig
3/3


――――白昼夢

吹き飛ばされた君は、再び部屋のベッドで寝ていた。
灰色の空気、灰色の世界
短い人生と短い余生を王都で過ごすだけの…浪費と言える時間

ドンドンドン
「―――ミスターシャキン!ミスターシャキン!」
「”仕事”をすれば借金は帳消しだ!!」

膨れ上がった医療費の借金の取り立て屋が、今日も部屋をノックする
自分が立てないことを良いことに、いつも取り立てに来るのだ。
不自由な体に…あるはずのない仕事 どこぞの組織にでも引き渡すつもりなのだろう
または、別の意味での"使い捨て"か…
君は再び目をつむる、寝てしまうのが一番だ。


再び目が冷める…
いつも通りの色あせた部屋、埃の積もった調度品…
再び鳴るノック音


ドンドンドン
「―――ミスターシャキン!ミスターシャキン!」


しかし、動くはずのない体が動く
部屋には見覚えのある…豪華絢爛な黒マントをきた道化がこちらを見ている。
「―――此度の事件はワタクシも予想外でして」

ニヤニヤとした笑みが気に障る。

君は立ち上がり、錆びついた扉を開ける

―――そこに居たのは二人の男女…
君がよく知る友人、名も無き銃士であった…


男性は、彼が吸血病に侵されきった時
女性は、彼の性別が反転し、エリゼと名乗っていた頃の姿

男『"狩りを全う"すれば――――』
女『――――"借金"は帳消しだ』


―――そして目が覚める

「シャーク!!!行きてるか!?」

目の前には"狩人"となった旧人。
幸いにも軽く意識が飛んでいただけで、得物も体も無事である

1909とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:22:02 ID:/62UYifs
>>1908
「あぁ、無事だ」
ゴホゴホと咳をする。
体は無事、武器もある。
「おぅえ」
吐き気
あの時の白昼夢が襲ってきた。
自分が全てを悟り、全てを浪費する為だけだった時の記憶

全てが混ざり合ったその白昼夢はシャキンにはとても耐えきれず吐くという防衛本能を起こした

「大丈夫だ、生きてる」
辺りを見渡し、物陰に隠れる
あの化け物を如何するか
戦闘用ゴーレムより大きく、そして速い

「Wahnsinn!!(クソッタレ!!)」
最も化け物を効率よく、如何に最善手があるか
考える
王都の武器庫に行けば、恐らく対ゴーレム用の武器があるかも知れない
しかし、それは同時に《化け物を相手に逃げつつ道中の敵を相手にする》という事でもある
更にそんな武器を使うにしても当てれる自身など無い。専門外すぎるのだ
リスクが大きすぎる

「如何するこの化け物!!。何か手はあるか!?」

二人に問いかける。何か良い手はあるのか

1910とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:25:05 ID:7iM2.Vw2
>>1906>>1909

「ふむ…巨大な敵を打ち倒すのは初めてではないが武具の類を一切持ち合わせていないのだな現状」

獣が暴れまわり降り注ぐ瓦礫の雨をゆらりゆらりとかわしながら乙女は呟く。

「だが、語り部殿はお膳立てだけは忘れなかった様だ。
 こうやって顕現した以上は敵味方になる定めとて『舞台を整える』事に関しては信頼できる」

そうして足元に転がる書簡の一つ。
スクロールを拾い上げた。

「反撃の狼煙だ。送り主はそのような考えなどなかったろうが…
 此処にある書簡、使えるものは使わさせてもらおうか!!」

読む側を獣に向け、スクロールを展開する乙女。
瞬間、スクロールから家一つ軽く焼けるくらいの爆裂火球が放たれる。

「苦言を言葉でなく魔法で送る組織も幾つかあったようだな。
 語り部殿はそれすら察して放り出していったようだが…よくわからん男だ」

その手には新たに拾い上げられた複数の書簡。
魔力の宿るもの宿らないもの。
さてさて正規の使い手こそいないだろうが『火薬庫』だけなら未だ王都に残っている可能性がある。
語り部の残した攻略本は乙女の手に。
先ずは装備を整え目の前の敵を討ち倒そう。

1911「記憶」:2017/01/03(火) 21:38:52 ID:sTRQvyig
>>1909
>>1910

――― オォォアオオオオォォォォオオオォォォ!!!!!

悲しさを秘めた様な叫び声をあげながら、ラピュセルに対して拳を振るう
リグレット・フォーマルハウトは卓越した剣技を持ち、また優れた魔術士でもあった…
しかし、今の彼女にはその面影は一切感じられない…

虚しく空を切る拳に、地面をつかみ瓦礫を飛ばす、これも空を切る。バッカスの隣の建物が崩れる。
その瞬間に飛んできた、書簡から放たれた爆炎の球体

――― ミ ギ ャ ァ ァ ァ オオ ァ ァ オ オ ァ !!!

桃色の体毛に火が付き、その場で悶え苦しみ始める
獣には火、事実道中の獣たちも火災や発砲炎には恐れていた…!


「…ッ行けるか!?」

炎のダメージは、幸いにもラピュセル…頼りがいのある乙女には有効打を所持している
狩人もそれに続く、サーベルを振るうと刃が分離する
一つ一つが獣を狩る為に作られた刃、この距離からでも届く

――――ガリガリガリッ!!

肉を引き裂く音と共に、刃が『リグレットの獣』へと襲いかかるが…

「やはり、浅いか…ッ!」

やはり、火力が足りなさすぎる。

「シャーク!!ラピュセル!!バッカスを壊されるのはマズい!
 "火薬庫"まで引きつけるぞ!! 」

そう、逃げ切れていない避難民もいるなか、この場で"彼女"を暴れさせるのはマズい
彼女に対抗できる手段を持つ装備を得るため、一同は火薬庫へ向かう事で一致した!

1912とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:53:18 ID:/62UYifs
>>1910
「ヒュゥー……」
思わず口笛を吹いてしまう
見事な火力だ。これ程の火力は中々見れ無い

「ラピュセルが敵でなくて本当に良かったよ」
心からの称賛。それは自身が経験した戦場に居ればと自分はまだ……
そんな、少し暗い想いが頭をよぎった

>>1911
「うそだろ……あれでまだ足りないのかよ……」
だが、少しだけでもダメージが通っているのなら
勝ち目がないわけでは無い


「了解した!!殿は任せろ! レイヴン!お前はラピュセルを生かす事だけに集中しろ!!」
取り回しの早いカービンライフルに切り替え、弾薬を火の魔弾に切り替える
そしてリグレットの獣の目をや鼻を狙う
少しでも自分に気を引かせればいい
それだけだ

1913とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 21:56:52 ID:7iM2.Vw2
>>1911>>1912

「しかし、何処にするかが問題だぞ。火薬庫自体は点在すれど我々は3人。
 散開しては獣がどう動くか分からん。その上、火薬庫の中身までは記されていない。
 この筆跡は語り部殿のそれだな…重要な所を抜かす辺りが如何にもらしい」

広げられたスクロール。
其処にはご丁寧に王都の地図付きで『火薬庫』に印がつけられている。
ただそれがこの状況を打破する道具の保管庫なのか、
はたまた知識を保管している場所なのか、溜り場なのかが明記されていない。

「…判断は任せる。語り部殿への『魔術的苦言』も撃てて後、2発。
 広げてみるまで何が出るか判断はつかぬが、魔力量から強力なのは分かる」

器用に腰に括りつけられた書簡は残り三つ。
魔力を感じるスクロールが2本と丁寧に蝋によって封がされた手紙がひとつ。

1914「記憶」:2017/01/03(火) 22:11:41 ID:sTRQvyig


>>1912
>>1913

「…やはり散開は無理か。」

王都の『火薬庫』…それは国防軍騎士団の武器・兵器庫の通称である
広大な王都を1つの武器庫や兵器庫でカバーするのは非常に効率が悪い
ラピュセルが述べたように、一定の間隔で武器庫が点在しているのだ。

「3人だ、3人で『語り部』殿とやらが書いた場所へ向かうぞ、地図はあるんだろ…お嬢さん?』

―――― ギョアォオオオォォォ!!!

魔炎の炎の勢いが衰え、こちらを睨みつけ
そこへシャキンの射撃、全弾が頭部や鼻へ命中する、やはり大したダメージにはなっていないが――

――――  ギ ャ ア ア ア ァァ ァ  ァ ァ!

ヘイトを稼ぐには十分!続いてレイヴンの射撃も乗るが、それは角の一部をふっ飛ばしただけ。
お前はまだまだ脇が甘い、シャキンはそんな事が脳裏によぎるかもしれない

「了解!お嬢さんのエスコートは任せな! じゃあ案内してもらおうか、マドモワゼルッ!!」

弾を再装填しながら、再び発射 所謂早打ちだが、これは額をかすっただけ
やっぱり脇が甘い、早撃ちすることだけに固執している。
が、固執してるのは『獣』も同じ!3人を仕留めようと追いかけてくる――

1915とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 22:30:12 ID:/62UYifs
>>1913
>>1914

「了解した!」
「頼むぞレイヴン!ラピュセル!!」

獣のリグレットに向けて銃弾を撃ち込む。その顔は笑っていた。
戦闘を楽しんでいるのではない。
勝てるかもしれない
此れだけで愉快なのだ。勝てない戦に捨て駒として幾度も投入され生き残ってしまった

それに比べれば、倒せるかもしれない。勝てるかもしれない。
犬死しない

此れだけで愉快なのだから


(脇が甘いのはお前だよリグレット)
もし、正気の彼女なら疑うであろうこの状況でも、こちらに向かってくる
其れだけでもう彼女は獣なのだ

獣のリグレットからの反撃を何とか交わしつつ此方に誘導
そしえ、二人に意識を向けさせない。
その事を意識しつつ銃撃を加える。

1916とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 22:33:50 ID:7iM2.Vw2
>>1914>>1915

「ああ、地図はある。ご丁寧にこの酒場の場所も書かれているから迷うことはないが…」

駆けながら、ふむ、と眉をしかめる乙女。

「何かおかしいなこの印の位置は。正規の軍ものではないのか?」

複数個所ある印。王都全体に点在し、一つ一つは走り回るには離れている。
が、妙に偏った区画に集中している感じも見てとれ、何か複数の情報が混じっている気がするのだ。
防衛の為の何かを配した場所を示す地図…とは単純に言い切れなさそうである。
城近くの正道を進み、正規の軍が配した火薬をらしき場を目指すか。
偏った区画は治安の悪い場と一致している。
正規軍がその場に重点を置いて火薬庫を配するとは考えにくいが…
博打を打ってその場に賭けるのも手だろうか。

1917「記憶」:2017/01/03(火) 23:03:20 ID:sTRQvyig
>>1915
>>1916

―――ギョオォォォオオォォォォオォ!!!

崩落しつつある王都、散発的な悲鳴とともに、大きな獣声が上がる
その度に、二発の銃声が答えるように響く。

瓦礫の山を飛び越えながら、途中襲い掛かってくる獣を蹴り飛ばしながら
一つの希望へと3人は走る。

シャキンが射撃をする、獣は彼を仕留めようと視線を向ける
そこへ、ガンナーがすかさず射撃を入れる、今度はこちらを向く…そこで再びシャキンの銃弾が襲う
ラピュセルは歩みを進める…『語り部』の用意したシナリオにそって…『機械仕掛けの希望』へと

巨人狩りの聖女が―――
――――鴉と鮫と導く

「―――何か妙だ。」

走りながら、彼が『リグレットの獣』の異変に気がつく
魔炎だ…つい先程、乙女から受けた炎が未だに燃えている。

走り始めたからしばらく立っている…疾走した際に消えてもおかしくないのにもかかわらず…だ。
口が花びらの様に開く…その奥に輝くのは…剣?剣だ…

記憶をたどる…
それはリグレット・フォーマルハウトが常に傍らにあった一対の剣
1つは炎蛇剣『テーレヴァイン』 レイヴンが持つサーベルと似たような構造を持つ強力な炎剣
そしてもう1つ
彼女の血族である、フォーマルハウト家の至宝『北落師門』
華連から伝わったとされる、彼女の家に伝わる至宝

2本の剣が、喉の中に見える…周囲の組織と一体化している様な形で埋め込まれている!
剣が光輝き出すと同時に、彼女に灯っていた魔炎の炎の勢いが強くなる…!

「―――ヤバい!!何か来るぞッッ!!」

花びらのような口から放たれるのは、目が焼けそうになる程まばゆい…強烈な炎の魔球
魔術の技術は原始的だが…『烈火』異名を持つ彼女を彷彿とさせる強烈な猛火
放物線を描くそれは、我々の道を塞ぐように着弾――――そして轟音!!

「魔法使えんのかよッ!!」

―――― ゴォ!!!

着弾地点から強烈な爆風とともに、周囲のものを焼き尽くす…!
幸いにも直撃は避け、3人とも軽症だが…その歩みを止めてしまう…

―――― グォォォオオオオオオ

『リグレットの炎獣』
己の身に魔炎をまとい、周囲を焦がす姿に思わずそんな名前がよぎる…
足元や傍に居た異型の獣は逃げ出し、生存者たちは悲鳴をあげながらその場から逃げ出す

「…ラピュセル…ここからの最短ルートは?」

不可解な位置に存在する印、いくつか謎が残るが
現状で寄り道をしていたら、3人まとめて丸焦げである…
ここは正規軍の用意した火薬庫らしき場所へ向かうのが得策だろう…

1918とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 23:31:56 ID:/62UYifs
>>1916

「……もしかしてマフィアの武器庫か」
おかしな場所の印 正規の物では無い

となると推測できるのはこういった考えである。
マフィアの武器庫としたら場所によっては正規軍以上の武器があるかも知れないが……

>>1917
「おい! 嘘だろ?!」
強烈な炎の魔球。
原始的で最も恐ろしい攻撃

「クソ!!リグレットの名は伊達ではないか……」
なんとかふら付きながら耳を抑える
先ほどの攻撃で耳を負傷してしまったようあ


「最短…最短…」
あの化け物をやるだけの火力を揃えた

「ラピュセル、分かる範囲でいいから魔砲の武器庫の場所とか解るか?」
一つの名案
一つの賭け
あのリグレットの炎獣の魔法を使わせる場所を見つけたの

1919とある世界の冒険者:2017/01/03(火) 23:35:07 ID:7iM2.Vw2
>>1917>>1918

「…記憶では2つだ。
 城の見えるあの2つ先の道を曲がった所に印がしてあった筈」

指さす方角は通常であれば何て事のない距離。
おそらくは正規軍の火薬庫。
だが現状では辿り着くのも困難で、懸念もある。

「問題は曲がった先の様子が見えない事だ。
 いざ到達したら建物は半壊していました、では笑えん」

先ほどの攻撃で周囲の様子が一変している。
もともと乏しい目的地が無事である保証が無くなっていた。
更に悪いことに乙女の手に地図はもうない。
焼かれ千切れとんだ紙片が残っているだけだ。

「もう一つは……記憶違いでなければ此処なのだ。
 しかしそれらしき建物はない。
 印が別のものを示していたとは考えにくい、何かを見落としているのか?」

視線を上に見回しても確かにあるのは戦いとは無縁の建物ばかり。
それも今となっては見る影もなくなっているものが大半だが。

1920「記憶」:2017/01/03(火) 23:58:47 ID:sTRQvyig
>>1918
>>1919
  
「待て、階段…だ」

半壊した建物のあちこちに、大きな地下へいく階段がいくつか点在している。
階段のそばには、これまた大砲やバリスタを搬入できそうなスロープが備え付いている
おそらくだが…こうした半壊した状況でも武器類が消耗しないように地下に補完してある区間なのだろう

「…地下倉庫か!?」

彼の中で合点がいった瞬間『炎獣』がレイヴンへと襲いかかる
魔炎をまとった拳の一撃は、紙一重で回避されるが『地面を砕き』『爆炎』を撒き散らす

「ッッ!!!ラピュセル!シャーク!!!
 地下に行って何か持ってきてくれ!俺が食い止める!!」

続いての一撃もステップで回避、燃え散る炎が帽子を焦がす
サーベルを鞭のようにふるい、仕込み刃が金切り音を立てながら展開する。
長銃を左手に添え、トリガーに手をかける

『リグレットの炎獣』の目の前へ立ち
彼女の瞳を見つめる。空のように青かった目は虚ろに炎を移し
鮮やかなピンクの髪は己が出す魔炎の煤で薄汚れつつある

「さぁ…来い。」

獣狩りのサーベルを振るう、鞭のようにしなる刃は炎に包まれた肉を削ぎ、燃え盛る血を吹き出させる
トリガーを引き、黒鉛と共に死を運ぶ弾が発射される、獣の片角をへし折り、首元の肉を貫く

獣の口から、空気を焦がす様な火炎が放たれる
背後に大きくステップをし回避するが、熱すぎる大気は肺を焦がす

「行けーッ!!長くは持ちそうにないッ!!」

1921とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 00:18:55 ID:fchosyPw
>>1919
>>1920
「あのバカ!!」

英雄的な行動は死を招く。
戦場の常であり鉄則だ

それは何故か?
勇敢と無謀
勇猛と蛮勇
常人は常にこれ等を履き違えるからだ

本来ならここで歩みを止め、応戦し撤退。
数秒で作戦を立てるのが普通である。しかし現状は違う

真っ先に地下に向かい、お目当ての兵器を見つける

それは75mm対大型ゴーレム用魔砲

此れで狙いを付ける
当たれば大ダメージ。至近弾でも良い。
それにこちらには切り札が居るのだ

「ラピュセル!!頼んだぞ!!」

ラピュセル。彼女は大型の化け物と戦った経験がある人物!
託すしかない

祈る様に魔砲の照準を炎獣のリグレットに向け打ち込む
本来の武器では無い為、照準も何もかもぶれている。
賭けだ

1922とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 00:22:26 ID:otuyuv2Q
>>1920>>1921

「承知!任された!!」

迷いなく下へとのびる階段へ駆ける乙女。
途中、松明を目ざとく確保し、慣れた手つきで点火、駆け抜けていく。

「うん……?」

が、その歩みが止まった。
なんだか獣臭いのだ、行く先が。

「………火薬や金属の臭いではない、外れ…か?」

もたつく間に男達は獣との交戦を始めている。
焦る気持ちが歩みを進めた。

「ええい!ままよ!!」

開け放った扉の先には……

1923「記憶」:2017/01/04(水) 00:53:25 ID:27To76QI
>>1921
>>1922

ラピュセルが獣臭さにまぎれて微かに嗅ぎ分けた臭い
多少火薬の香りがする…否、これは爆薬である
どうやらやや地上から浅い位置の小部屋に、爆薬類をまとめて置いてあるようだ
誘爆しても被害を防ぐために、個別に小部屋があるようである…

そう、表の炎獣が腕で突き破れそうな位置に…


―――― 一方英雄気取りのカラス君 ――――

「クソッ…!」

後悔先に立たず、当然のごとく追い詰められる。
昔から常人を超えて怪力があったりと、丈夫な部類であったが、それは人と比べた場合の話
こんな巨大な獣では相手が悪すぎる、少なくとも真正面か打ち合うのは無謀もいいところだ

「ッ!!」

仕込みサーベルをふるい、返り血を浴びる。
返り血を浴びると、体が少し軽くなる…吸収でもしているのか?混沌の血がどうたらと手紙に書いてあったが
もしこれが、その恩賜であるのならありがたい…
だが、ここで一手欲張りすぎた。斬撃と同時に銃撃へ繋ごうとしたが
すでに相手は腕を振り抜いていた後

「ウグッ!!」

とっさに長銃でガード!だが、銃身はバラバラに砕け散る。
強烈な膂力の一撃は、彼の靭帯を痛めるのには十分…すなわち隙が生まれる
その巨顎を持って、レイヴンを噛み砕かんと炎獣が飛びかかってくる

が、身の丈を超える頭を掴み、持ち前の怪力でなんとか持ちこたえるが…時間の問題である
虚ろだった瞳は獣性で染まり、唸り声をあげながら顎の力を込める
桃色の髪は煤で汚れ、燃え盛る魔炎がジリジリと身を焦がす

「…そんな怖い顔だと、結婚できねぇぞ」

それがトリガーとなったのか、一層顎の力を強め今にも噛み砕かんとする
もう限界…と思った瞬間、車輪の音と共に旧人の叫び声

75mm対大型ゴーレム用魔砲がこちらを向いていた、当然自分にも

「―――大馬鹿野郎ッ!!!」

最後の力を振り絞ってそのままバックステップ、本来ならばそのままパクリ…なのだが
轟音とともに75mmの対ゴーレム用、炸裂魔導榴弾が発射される。

―――ドゴォオオオオオオオオオン

発射の際の煙、そして発射時の衝撃で周囲の砂埃を巻き上げる
着弾点からはもくもくと煙が上がり、炎獣がどうなったのかは目視できない。

「―――やったか!?」

1924とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:04:24 ID:fchosyPw
>>1922
>>1923


「やったか……?」
撃った本人も砲撃時の煙で見えていない

「おい、レイヴン生きてるか?」
流石に死んでは居ないだろうと思いつつも声を掛ける

銃を構えつつ。ゆっくりとレイヴンの方に歩み寄る

1925とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:05:48 ID:otuyuv2Q
>>1923>>1924

「成程、これも使えるかもしれないが…さて」

横目に爆薬部屋の位置を把握しつつ乙女はある作業に追われていた。
その作業の最中、爆薬も失敬しておく。代わりに後生大事に括り付けたあったスクロールを置く。
上での戦いは未だ続いているのだろうか。

「これでいいだろう。細工は上々、後は結果を御覧じろと言ったところか」

乙女は歩き始めた。
戦いの音を慎重に聞きながら。

「……此処だな」

1926「記憶」:2017/01/04(水) 01:13:45 ID:27To76QI
>>1924
>>1925

「こンの――馬鹿野郎!!お前の戦場は、味方が居ても大砲ぶっ放すのか!?」

うつ伏せになっていた状態からバッと立ち上がり
普段なクールな口調を崩してがなりたてる。

「さぁな?75mmのゴーレム砲もらって生きてる奴なんてバケモンだろうよ…
 そういや、あのお嬢さんは何処に―――――」

そう、彼は忘れていた
自分達が対峙しているのはリグレット・フォーマルハウトではなく

―――化け物であるということに

彼の背後に、魔炎が灯り
1対の青い瞳が煙の中から現れる

―――― グルルルルル

「ウッソだろ…お前」

胸部…すなわち野生動物で言うバイタルパートと呼ばれる
肺や心臓等、生命維持に必要な器官が備えられた部位であるが、そこにあたる部分を綺麗に吹き飛ばされ
肋骨がはみ出、どす黒い血と燃え盛る炎が吹き出して尚…

――― 『リグレットの炎獣』は生きていた

――――― ゴォォォォッォォォッォォ!!

口から血を吹き出しながら咆哮する
血の雨が振り、二人は血染めに染まる。

1927とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:30:10 ID:fchosyPw
>>1925
>>1926
「それはこっちのセリフだ!!」
「一人であんな化け物相手とかふざけているのか!?お前はあれか!?自殺志願者か?!」
此方も喧嘩腰になりつつ捲し立てる
シャキン自身もこの行為は非常識だと知っている
しかし、そうでもしない限りはあの化け物に砲撃を当てるなんてそもそも無理なのだ
アレは、あの化け物は、リグレットの炎獣は相当賢い。出なければあの魔法も逃げ道を塞ぎ誘導するようなあのタイミングで撃ったりしない

「そういやぁ地下に――」

うめき声に硬直し振り向く

「いや、其処は死んどけよ……生物的にさぁ……」
顔を引きせつつも、ハンドサインでレイヴンに合図を送る

――あの地下武器庫に駆け抜けろ

1928とある世界の冒険者:2017/01/04(水) 01:35:02 ID:otuyuv2Q
>>1926
「そこか」

咆哮は乙女の佇む場にも届いていた。
乙女はやおら指を天井へと向ける。

「放て」

令と共に、ゴッ!と爆音を立て風が放たれる。
それは天井を穿ち、咆哮の主へと一直線に向かう風、というより嵐か竜巻の類であった。
無論魔術によるものであることは明らかだがその規模がヒトによるモノとは到底思えない。

「……む、仕掛け諸共吹っ飛んでしまったか」

凄まじい暴風は小部屋を破壊し爆薬の類を巻き込んで突き進む。
意図していなかったが、爆薬の類を獣へと浴びせる様な形になった。

「うん、少し身を隠そう」

ちょいと外で爆破させるには量が多すぎる。
幸いなのは宙で爆発するだろうから地上への衝撃は幾らか軽減されていることだけ。
被害が出ないとは言っていない。
乙女的には…まあ、無辜の民に被害は及ばないから良しである。

「しかし、こんな所にこんなモノが飼われているとは…献上品だったのだろうか?」

身を屈め、来たる衝撃に備えた乙女の視線の先には象程の体躯を誇る竜がいた。

1929「記憶」:2017/01/04(水) 02:03:48 ID:27To76QI
>>1927
>>1928

「こちとら完全に人間辞めたことが2回あんだよ!2回!
その内1回は性別反転してんだぞ!?アイツなら足止めできるて思うのが当然だろうg―――」

背後の炎獣に指を指しつつ、振り返るのと目線が合うのはほぼ同時
そして

「ウッソだろ…お前」
『いや、其処は死んどけよ……生物的にさぁ……』

この台詞につながるわけである。

―――了・解・お・前・も・走・れ

同じくハンドサインで状況把握、走り出そうとした瞬間――――!!

「――――アバーッ!?!?!?」

―――――――ギャオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


突如、レイヴンの付近が突風と爆炎が炸裂!!
しかし正確な爆心地は、炎獣の真下!爆炎だけではなく…これは突風?竜巻である
魔法的な竜巻は炎獣の腹をぶち抜き、宙に巻き上げ、容赦なく地面に叩きつけられる。

尚、レイヴンはシャキンの横を人間魚雷のようにすっ飛んでいった。
オオ、ゴウランガ、あれが噂に聞くニンゲンマジックミサイルである、ワザマエ!


――――――………

リグレットの獣が"息絶える"おびただしい血を撒き散らしながら、絶命する

その瞬間である…

シャキン、レイヴン、そして

――地下にいるはずのラピュセルにも何らかの記憶が"入り込んできた"


「―――リグレット様、貴方のお陰で街が平和です」
「―――リグレット様、この間はありがとうございました」
「―――リグレットさん!こんにちはー!」
「―――リグレット隊長」「隊長!」「隊長!」
「―――隊長!お手合わせ願います!」


「―――リグレットよ…お前はフォーマルハウト家の誇りだ。」


生前の彼女…獣になる前のリグレット・フォーマルハウトとしての記憶が流れ込んできた
だがその記憶を押しのけて、本能的に気になる記憶が一つ皆の頭に強く残った。
王都騎士団の鎧に身を包、やや年嵩で紳士的な雰囲気を持つ男がリグレットに対して、こんな言葉をかけている

「―――リグレット、数か月前から王都に奇妙な病が流行しているそうだ
 なんでも『人』が『獣』になるとの噂だ…いや、単なるガセかもしれんが、君の方でも調べてくれないか―――」

そこで記憶は途絶えた…
目の前にはリグレット・フォーマルハウトであったで『獣の死体』が横たわっている
彼女の名の意味を知るものは少ないが、その意味は『後悔』であったという…






―――― 血と共に、2本の折れた剣が口元からこぼれ落ちていた。

1930脳内修正をお願いします:2017/01/04(水) 02:17:27 ID:27To76QI

――――――………

リグレットの獣が"息絶える"おびただしい血を撒き散らしながら、絶命する

その瞬間である…

シャキン、レイヴン、そして

――地下にいるはずのラピュセルにも何らかの記憶が"入り込んできた"

柔らかな顔をした老人が話しかけてくる
「―――リグレット様、貴方のお陰で街が平和です」

子供を抱いた主婦が話しかけてくる
「―――リグレット様、この間はありがとうございました」

無邪気な笑顔をした子供が話しかけてくる
「―――リグレットさん!こんにちはー!」

精悍な顔つきの騎士達が話しかけてくる
「―――リグレット隊長」「隊長!」「隊長!」

蒼いロングヘアと空色の瞳を持つ、清楚な女騎士が話しかけてくる
「―――隊長、お手合わせ願います!」

尊厳さと貫禄のある、父と思しき年老いた男が話しかけてくる
「―――リグレットよ…お前はフォーマルハウト家の誇りだ。」


生前の彼女…獣になる前のリグレット・フォーマルハウトとしての記憶が流れ込んできた
だがその記憶を押しのけて、本能的に気になる記憶が一つ皆の頭に強く残った。
王都騎士団の鎧に身を包み、やや年嵩で紳士的な雰囲気を持つ男がリグレットに対して、こんな言葉をかけている

「―――リグレット、数か月前から王都に奇妙な病が流行しているそうだ
 なんでも『人』が『獣』になるとの噂だ…いや、単なるガセかもしれんが、君の方でも調べてくれないか―――」

そこで記憶は途絶えた…
目の前にはリグレット・フォーマルハウトであったで『獣の死体』が横たわっている
彼女の名の意味を知るものは少ないが、その意味は『後悔』であったという…






―――― 血と共に、2本の折れた剣が口元に落ちていた。






.To be continued

1931「変動」:2017/01/06(金) 21:59:42 ID:vogm0ZUU

「――― さて、一息つけたわけだが…今後どうする?」
粗末な配給の食料…堅パンとぬるいスープを前に
鴉羽の狩人"レイヴン"は、けだるさの残る様子で口火を切った。

ここはジグザールの王宮に近い、城下町の広間
王宮に近い富裕層の集まる市街である此処は、大きく綺麗な広場が名所だった。
現在、広間は荒れ果てて、避難民たちのテント等で溢れかえっている
我々は、そこの端の一角を陣取っているわけだ。

王宮に繋がる土地柄か、衛兵の詰め所や兵器庫も集中して配備されている
今のところ、国が主導して生き残りを集める避難所の1つだ

なぜ富裕層の傍に避難所があるのか?
権力がある者達が『優先』されるのは、いつどこの時代でも当然である。
王宮へと続く市街への門は、防衛の為固く閉ざされ
門衛達の綺羅びやかな鎧に『国』へ助けを求めて、詰めかける避難民たちの姿がぼやけて映る

―――― 何故、此処に居るのか…時は数十時間前に遡る

【リグレットの炎獣】を狩った我々は、妙な『記憶』を得た。
理屈は分からないが、獣になる前の彼女の記憶が頭に流れ込んできたのだ。
慕われていた住人や部下達の言葉…そして紳士的な騎士が発していた【人が獣になる病】

「これは…どういう。」
あまりの超常現象に、片手で頭を抱えるレイヴン。そのまま卒倒しそうな勢いである。
幾つかの疑問点が頭に浮かぶ中、亡骸になった獣…リグレットを一瞥する。

「埋葬は……」
道中で散々獣達を狩ってきた身で、おかしい発言とは思っていた
だが、そうしなくては自分自身の正気が保たれない気がしたのだ…まるで自分達も【獣】になってしまいそうな不安があった。

1932とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 22:14:18 ID:ARhRuAAM
>>1931

死んだ獣の前にシャキンは赴き、そして敬礼をした。
恐らく王都でも有数の英雄に対して。
遺体には武器庫にあった微かに焦げてはいるが比較的マシな王都の国旗を彼女に掛け
王都の国歌を口ずさみ、儀礼隊の様に銃を上に掲げ
空砲
「英雄、リグレット・フォーマルハウトに敬礼!」
最大の敬意と尊敬を彼女に向けた

これは悪い夢なのかもしれない
実は俺はまだ寝たきりであの借金取りからの現実逃避をしているのかもしれない

それでも、俺はこれだけは言える

俺は彼女が好きだった

一人の兵として、一人の人間として

寝ていた記憶が長かったせいか、関わった記憶はもう既に殆ど無い

でも、だからこそ美しく見えたのかもしれない


だからこそ、彼女に対して最大級の敬意を表した


その後、彼女の遺品を手に取ろうとした時、吐き、そして泣いてしまった。

恐怖と無力感

其れが一気に押し寄せたのだった。

1933とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 22:24:43 ID:LRGzkyMU
>>1931>>1932

「記憶が幻惑でなく事実を我々に伝えているなら不用意に触れないほうが賢明だろう」
「グルルルゥ」

ガシャリ、ゴシャリと歩を進める度に床や壁や周囲の何かを砕きながら地下から這い出る大きな竜。
その横に乙女は立っていた。

「呪いの類ではあろうが、それを病と呼称しているのだ。どんな形で感染するか分からん。
 …本当は燃やすのがいいのだろうが、こう大きくてはな」

努めて冷静に語る長槍をメインとした竜騎兵の武具一式を纏った乙女の表情にも陰りがあった。

「先ずは休むべきだ。幸いと言うべきか今の一戦で周囲に何かの気配はない。
 何をするにしても我々自身の状態を万全にしなければな」

1934「変動」:2017/01/06(金) 22:35:55 ID:vogm0ZUU
>>1932>>1933

「…突風の原因はそいつか…グランツ種よくそんなレアなモノ見つけたな。」

言語を解さず空を生息圏とする竜の一種、ワイバーン種。
幾何学的な金色の文様が輝き、それらすべてが『天翔』とよばれる魔術の呪文として読み取れる
このグランツ種は、数あるワイバーンの中でもっとも最上とされる内の1つだ。

「…シャーク」
声をかけようとしたがやめた…
旧友のこんな姿を見るのは初めてだからだ

「なぁラピュセル…こういう時どういう顔をすればいい」

彼女とは面識はなかった。
レイヴンにとって騎士団というのは、しょっちゅう職務質問をされる面倒な人たちといた認識だ
しかし、己の旧友は深く悲しんでいる…その目の前で不躾な真似は出来なかった。

「十字架でも作ろう」
仕方がないので、廃材を使って十字架を作ることにし
瓦礫の山へと歩み出すが、それは予想外の来客で中断される事となった

「見ろ、騎士団のお出ましだ。」

近づいてくる馬の蹄の音…中には馬鳥達も混ざっているようだ。
騎乗動物に跨った10人ほどの騎士達が、3人の目の間で止まる。
綺羅びやかな装飾の鎧、ジグザール国防軍騎士団だ…

『止まれ―――生存者だ 』

先頭に立つ騎士の合図で、鎧が擦れる音共に下馬を始める騎士達。
おそらく彼が隊長だろう。
ヘルムのバイザーを上げ、3人に近寄ってくるその顔つきは―――
【リグレットの記憶にある、獣の病について発言していた男、その人であった】


『王都国防軍騎士団隊長、ヴァルハッド・ヘーゲマンだ

       …ここで何があった?詳しく説明したまえ。』

堀の深い顔に、浅黒い肌。年嵩で紳士的な雰囲気だが、鷹の様に鋭い目つきをしている。
高い気位と厳格さを体現するようなバリトンボイスで問いかける
口調は丁寧だが、物腰は尊大だ。
騎士なんて、身内以外にはだいたいそんなもんだ――

「見てわからないか?獣に襲われた、俺達は身を守った、それだけだ。」

そんな心のつぶやきを漏らしながら、不躾なトーンで言葉を返すレイヴン
露骨な嫌そうな目をしている…もっとも格好からして目しか見えていないが。

1935とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 22:51:57 ID:ARhRuAAM
>>1933
>>1934
「……そうだなラピュセルの言う通だ」
少しよろめきながらもラピュセルの言葉を肯定する
それは、頭で理解している事。理性的に考えればラピュセルの言う事は正しいのだ

「だが、燃やすにしても全てが終わってからだ」
全て。それが出来るのはラピュセルとレイヴンだけだ。俺は……
可能な限り、彼らを彼女らを其れ可能にする為に行動するだけだ

「安全な場所を探すしかないな。もしくは作るかだ。どちらにしろ、武器・弾薬・食料を掻き集めなければ……」
こういった状況では何を優先すべきか判らずにいた。
とにかく自身の知識をレイヴンとラピュセルに伝えて、精査した貰うのが先だ。
一人で突っ走っても此処では死ぬだけだ


「十字架はいらない。認識票を探して、終わったら……」
其れを飾るしかないと言いかけた所に、ヴァルハッド・ヘーゲマンが来た

「……リグレット・フォーマルハウト Killed in action ――KIA(戦死)」
騎士団にその事を伝える。
其処に先ほどまでの悲壮感は無く、軍人の事務的な報告をした。

「戦況はどうですか?団長どの?」
戦況
この状況でどこがまだ機能しているのか、それが知りたかった

1936とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 23:00:17 ID:LRGzkyMU
>>1934
「王都への献上品か、はたまた地下組織の隠し玉か。
 地下へ隠されていた辺り、後者の方とは思うが運命を感じる」

ぺしぺし、と竜の首を軽く叩く乙女。

『ルルゥ』
「…出会い頭に噛みつこうとしてきたから拳骨を見舞ってやった。
 それ以降とても大人しく従順だ。グランツ種と言うのか、私の知識にはない竜だ」

何でもないように乙女は語る。
その直後に騎士団のお出ましだった。

「……見ての通りだ。獣が暴れていたので其れを討った」
『ガァッ』

>>1935
「シャーク殿、その報告は…」

些か軽率なのでは?と言う後半の言葉を飲み込む乙女。

(正直今は騎士団とて白とは言えない。
 加えてこの獣がリグレット嬢であると我々が知りえたと言う事実を彼らが如何解釈すると思う?)

考えすぎではあると思うが、こんな状況だからこそ見極めなければならないことも多い。
目の前の連中も平時よりは確実に冷静さを欠いているだろう。
何が火種になって誤解を招くか分からない状況でもあるのだ、今は。

(身内を殺されたという事実、それだけで彼らには我々に対し如何とでも動ける名分になっている…)

1937「変動」:2017/01/06(金) 23:28:51 ID:vogm0ZUU
>>1935 >>1936

1/2

ラピュセルの不安は幸いにも杞憂で終わった。

『…やはり彼女だったか、嗚呼リグレットよ…君は最後まで』
『―――ッ!!』

炎獣の亡骸…リグレット・フォーマルハウトであった遺体に敬礼をし、悲しい目で見つめる隊長
その横から走り出す、一人の騎士。
軽装鎧に身を包んだ真面目そうな女性騎士、まだ新米なのだろう…年齢は20代前半だ
蒼いロングヘアに、リグレットに似た空色の瞳…その瞳からは大粒の涙が次々と溢れ出ている

『ぅうぁぁあああああああああああああああっっ!!』

汚れることも構わず、獣の亡骸の前で崩れ落ち、泣き叫ぶ
それにつられて、隊長の背後の騎士達からもいくつかの嗚咽が上がり始める。
が、全員が敬礼を崩さずにいた…それほどに慕われていたのだ。

彼女の名はナタリア・ベテルヘウゼ
リグレット・フォーマルハウト直属の研修生であった。
そう…記憶に残っていた、彼女に手合わせを願っていた、あの女性騎士である。

『君は騎士団の所属ではないな…まぁいい 君達は彼女を"開放"してくれた
彼女は最後まで民を守ろうと奮戦した…そう部下達から聞いている。
よくぞ勤めを果たしたな軍人よ…彼女の遺体は我々が然るべき場所で埋葬する。』

シャキンの軍人気質な態度を見破り、騎士団の隊長としての感謝を伝える。
淡白だが、恭しく礼を行っていては時間がいくらあっても足りない。

「悪いが、騎士団隊長さん 一つ聞きたいんだが…
アンタ、人が獣になる病を知っているか?悪いが王都に帰ってきたのは此処最近でね…」

そこでレイヴンが1つの問いかけ
そう、人が獣になるのは一夜でなったものではない、おそらくはもっと前から起こっていたのだ…
シャキンも気になる事が一つ、戦況把握、それに応じた補給

しかし、隊長の口からでた言葉は一つだった

『―――機密につき答えることは出来ない。
 我々の任務は生存者を保護し避難所へ案内する事だ。
 一部の騎士が案内する、彼らに同行してもらおう。 』

1938「変動」:2017/01/06(金) 23:29:31 ID:vogm0ZUU
2/2

―――そして避難所へ、というわけだ。
それも一部の騎士達に随伴される形であり、隊長とは離れ離れ
道中で話を聞き出すことすら出来なかった。

「―――さて、一息つけたわけだが…今後どうする?」

まずレイヴンは装備が無い。
鳥銃は真っ二つでスクラップ。(当然捨ててきた)
サーベルもワイヤーが千切れ、刃も魔炎の炎で傷んでまった(これも捨ててきた)
現在の彼は丸腰である。

「あるのはバッカスの地下倉庫の鍵…丸腰であそこに戻るのは勘弁したいがな。」

一部の常連たちに渡されていた地下倉庫の鍵。
あそこには食料や水、後はツケや担保で預かった装備等が複数あるはずだ
バッカスでの食事を終えたら開けようと思っていたが、炎獣が襲ってきたのでそれどころではなかった。

そして、ラピュセルの頭のなかには一つの確信が浮かぶだろう
騎士団としても彼女…リグレットを"元に戻す事"を諦めていたのだ。
騎士団は国とつながりがある、治療法があるのなら施されていてもおかしくはない。
卓越した剣技と魔術を持つ有力な魔法騎士を見捨てる…否見捨てざるをえない。

獣化したら最後、二度と元に戻ることは無い という確信だ。

畑を荒らした獣はどうなるか、山道で人を襲った獣は…
街を破壊し、沢山の人を殺めた獣は…前の姿がどうであれ、道は一つ"討伐"である。

「その、ワイバーン君にも食事を与えなきゃならん。
 シャキン、お前も残弾が心配だろう。」

さて、この都市機能がほぼ麻痺したパニック状態
お金を払って買い物なんてやってられない、無人の店、倉庫…
やることは一つ!

1939とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 23:50:01 ID:ARhRuAAM
>>1936>>1937
ラピュセルの方を一瞬だけ見る
その表情は分かっていると言いたげだった
だがそれでも、KIAを認めさせる他ないとシャキンは思っている
そうしないと、後に残された者が悲惨なのだ

「ありがとうございます。騎士団長殿」
そうと一礼た

「……機密ですか、わかりました」
そう答えるとそのまま騎士に付いて行く
事態は思っていたよりも最悪だ。シャキンは過去の経験からそう感じた
最低でも外部からの増援はしばらく期待できない。その程度であれと願った


「今後か……」
漠然と考える。この状況をどうすべきか
正直全く分からないでいたのだ
防ぐ事の出来ない獣化。その中でどう行動すべきか
動いても死。動かなくても死。
増援も無く、始終敵だらけ。流石にこの様な状況は片手でも数える程度だ
いや、市街地戦とすれば初めてなのだ

「あぁ確かにな。弾薬とこの武器の整備も必要だな」

そう言うと、シャキンはレイヴンから借りている魔銃と取り出す。今まで使わなかったのは単に整備的な問題
整備をキチンとすれば少なくとも使える武器
何か秘策でもあるのかと体を乗り出す

1940とある世界の冒険者:2017/01/06(金) 23:51:48 ID:LRGzkyMU
>>1937>>1939

「とりあえず、火事場泥棒か……
 いや、四の五の言っていられる状況ではない事は百も承知なのだが」

なにか、こう矜持のようなものがあるのだ、本から出でし混合乙女には。
しかし背に腹は代えられぬ。武士は食わねど高楊枝なんて言葉は無論辞書にない。

「……フルークガストカンパニー?」

じゃあ何処が一番ましなものがありそうだろうか、乙女はそう考え周囲を見回した。
そうして目に留まったのが看板が半分取れかけぶら下がった状態の店。
知ってるヒトは知っている、万事屋であった。
外観としてはそこまで被害を被っていないように見える。

「しかし…流石に中に何か残っている何て事は……」

1941「変動」:2017/01/07(土) 00:32:38 ID:ccjIqX2w
>>1939>>1940

「ここからトンズラこくにしろ
 お嬢さんの言う、救いの手を差し伸べながら殲滅するにしろ...力が必要だ。」

いかにも不味そうな(実際マズい)パンを苦虫をつぶす顔で齧る
ジグザールを捨て逃げ出す…それも十分ありだ
友好国のベルジニアは兵の1人もよこさないし、絶賛喧嘩をふっかけているソルビニアがいつ強襲してきてもおかしくないのだ。

「その通り、火事場泥棒をしながら…出口の確認ぐらいはしても悪くないと思うぜ」

――― そして避難所を後にし、人っ気の亡くなった荒れた街を探索している3人
ここは富裕層に近い街もあってか、衛兵の数も多かったのだろう
バッカス周辺ほど荒れ果てては居ない。
唯一共通点があるとすれば、肉の焼ける臭い…
文字通り"焼いて"いるのだ"感染"がひろがならないように。


「…フルークガストカンパニーか」

―――フォークから魔導具まで!売れるものならなんでも売ります!―――
がキャッチコピーの万事屋。
冒険者の支援を目的とした営利団体であり、世界中に支部が存在、出店していると聞く
中には粗悪なガラクタ屋もあれば掘り出し物もある、店主によってピンキリなお店。
王都にも同じ店が何店か出店している、冒険に無縁な一般人から見れば
「怪しいから入っちゃダメよ」と言われる程度の評判

「何か残っているかもしれん…入ってみるか――――」

返り血らしきついた扉を開けるレイヴン…店内へ入り
彼はそこで歩みを止めた……

まず、綺麗なのだ…普段行くことのない、ちょっと高めの酒場の様に
豪華な調度品…があるわけではないが、椅子等はそれなりに良いもの

壁側あるのは…魔導式の工作機械だ、旋盤もあるし、鍛冶台もある
剣や銃火器の整備…それどころか部品があれば製造もできるだろう。

そして反対側にはバーカウンター、いくつかの酒を除いて棚の中身は空っぽである。
奥には本棚と魔道具の棚…いくつか役立つものがありそうだ。

入り口付近、店の中央に3人の男女がこちらを…見ていない
各々で好きに会話をしている

男「おぉリグレットよ、君のような崇高な人間が獣になってしまうとは…」
女「人はみな獣を飼っているものさ、彼女もその一人だったはずだ。」
男「しかし、彼女の佇まいや眼差しは獣とは言えなかった。」
女「ベッドの上ではわからないさ」
男「生涯未婚だったのに…?おっと"お客様"だ。」

安っぽい芝居のかかった口調で会話する二人の男女
男の方は、赤と黒の燕尾服に身を包み、大きな赤い三角帽子をかぶっている
微笑む口からは、二本の犬歯…吸血鬼だ。

女の方は、黒を貴重としたバッスルスタイルのドレスに身を包んでいる
さながら貴婦人のようだが、病的な白い肌に黒すぎる髪の毛
口からは同じく二本の犬歯、彼女も吸血鬼だ。

"レイヴン"は硬直している、否、驚愕している

「ば、か…な……」

思わずそこでへたり込み、膝立ちになる。
それは、シャキンの夢にも出てきた過去の自分自身であったからだ

そしてもう一人、2人の男女の間にノリノリでアコーディオンを奏でるのは…
『巨人狩りの聖女』を生み出した、豪華絢爛な衣服を纏い、その反面シンプルな仮面を付けた黒マント…
語り部のソイツだ。

1942とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 00:55:30 ID:mfeB3k8s
>>1940
>>1941

「火事場泥棒では無い。徴収と言っておこう」
ハハハと笑いながら辺りを警戒しつつ進む

「まぁ、仕方ないとはいえ……か」
人肉の焼ける臭い。それは酷く嫌な臭いだ。イルタでの臭い
寝れずに隣で寝ていた戦友が神に祈っていた事を思い出す
その戦友も次の日、同じ臭いとなった
もう嗅ぐことは無いと思っていた。
それが今や町中

「……」
酷い吐き気にうなされる。この事件が、これが全て終わったら果たして自分は無事に居られるのだろうか
そう考えてしまう

「ここがか」
店の風貌に少し驚く。もっと質素なのを想像していたからだ
こういったのがスタンダードな冒険者の店なのだろうか?

レイヴンの後に続く

店の内装については申し分ない。工作機械等の修理用品があるのは嬉しい
何せ剣や魔具と違い、銃は壊れたら只の棒切れ
若しくは鈍器なのだ
銃剣やナイフが欲しいシャキンにとってはこの店は大当たりだ


中を拝見する。此処で立てこもるのも或いは手の内だろう。
最も、そうなれば後は死ぬだけだが。

「う……そだろ……?!」
驚きを隠せないでいる。何故こいつらが此処に居るのか
どうやってレイヴンから別れたのか?
やはりこれは夢なのか
頭の中で様々な考えがグルグルと混ざり答えを潰していくだけだった。

1943とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 01:00:32 ID:e7x58OIM
>>1941>>1942

「…ん」

店内に入るや否や展開された光景に乙女は眉をしかめた。
そして迷いなく次の行動に移る。

「何故貴様が居る」

流石に屋内で長槍は振り回せない。
当然ながら補助武器として携えている無難な長さの剣に手をかけ抜刀の構え。
顕現したその瞬間からソレとは敵対する宿命。

「これは何だ、既に舞台の幕は開いた筈だ。演出家気取りも大概にしろ語り部!!」

幻覚の一種であろう事は想像がつく。
だが意図が読めない。それが一番厄介だった。

1944「変動」:2017/01/07(土) 01:16:31 ID:ccjIqX2w
>>1942>>1943

女…エリゼと名乗っていた彼がニコニコした笑みをしながら話しかけてくる。

女「やぁ"シャーク"!手紙は渡せなかったが夢の中でのメッセージは受け取ってくれたかな?」
男「待て、君は彼とは面識がないはずだろう、あるのは私の方だけだ。」
女「はて?そうだったかな?いやいや、君と私もどちらも"私"であるのだから面識はあるはずだ」

「――貴様らは誰だッッ!!!!」
『――大概にしろ語り部!!』
『う……そだろ……?!』

2人の叫び声と一人のつぶやきのタイミングは、ほぼ同じ。
エリゼは"手紙"と発言していた…つまりレイヴンに寄せられた手紙を知っているということ

つまり、手紙の主は彼らということ、なのだろうか?

――― チャラララララララン♪
最後のフレーズを弾き終えて『語り部』が顔をあげる
弾き終えて尚、アコーディオンは音楽を奏で続ける…自動演奏だ
こいつ最初から弾いてる振りしかしてない。いわゆるエアアコーディオン

「いやいや違いますって!ワタクシは『語り部』ではありませんよ!
 ええ…ございませんともっ!ワタクシは語り部殿の残り火、しがない残火でございます。』

長剣を構えるラピュセルに対し、ワタワタと暴れだして
わざとらしく貴族の一礼をする『語り部』

妙だ…彼女の脳裏には疑問が浮かぶだろう
記憶にある語り部とは、仕草、口調が微妙に違う。
まるで彼を模倣している様な様子だ…着ている服の模様やボタンも微妙にデザインが異なる。
たが、偽物とは思えない…偽物にしてはわざとらしさが無い。
記憶をたどる…たしか本物の『語り部』がいっていた、己には自分を模した分身が居ると…

「そうっ!それです!ワタクシ彼の分身の身でございます!
 いやーワタクシも驚いたんですよ、突然本体の『語り部』殿が消えてしまったのですから!」

己の考えを見透かすように指をさす、語り部…の紛い物。
なるほど…おそらく彼女の中で合点がいったのでは?

1945とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 01:23:58 ID:mfeB3k8s
>>1943
>>1944

わからない

彼らの行動や理念が見えてこない

彼らは一体何なのだ?

近くに有った椅子に座る
銃口こそ下に向いているが、何時でも対応できるように備えている
「お前らの目的はなんだ、残り火達よ」

動きが読めない。これが一番の問題だ
少しでも彼らを知る必要がある

1946とある世界の冒険者:2017/01/07(土) 01:36:57 ID:e7x58OIM
>>1944>>1945
「質問に答えていないぞ贋作」

構えは解かない。

「私達に何を見せている。
 事実か?虚構か?
 生憎、贋作の気まぐれに付き合う余裕はない」

何が何だか分からない。
解かない構えは余裕のなさの表れにも等しい。

1947「変動」:2017/01/07(土) 01:47:04 ID:ccjIqX2w
>>1945>>1946

男「―――ほら見ろ、皆が混乱している」
女「…お嬢さん、君が 見ているのものは幻想でも幻惑でもない
  紛れもない事実さ…この私が保証する。
  彼は"此処"に何も関係は無い、そのへんで彷徨いてきたから連れてきただけさ。」

女「さて、本題へ入ろう…手紙の主は私だよ、夢に出てきたのも私達だ
  手紙にある通り、魔剣士、魔人、異才の従者が禁忌の獣と呼ばれる…
  まぁ要するにヤバいやつの目を覚まさせてしまった」

男「…手紙の内容を考えたのは私だがな
  ドクオ ネームレス・アヴェンジャー ジャック・テイラー
  あぁ、どれも懐かしい名だ。」

女「手紙を書いたのは私だ。さて、君達には
 
  狩 り を 全 う してもらいたい 此処はその為のちょっとしたプレゼントさ

  いい工房だろう?調度品は私が選んだんだ。」

男「語り部君、例の物を彼らに配ってくれ」

「はい!かしこまりましタ!」

そう叫び、スキップをしながら部屋の奥へと跳ねる『語り部』
しっちゃかめっちゃかに物をかき回した後、トレーに乗せて持ってきたものは3つの鍵
どれも同じ形状だ。

女「この鍵を、フルークガストカンパニーの扉で使えば
  いつでも"此処"に戻ってこられる」

男「ここ以外のフルークガストカンパニーでも?」

女「いかにも、どこのフルークガストカンパニーでも
  扉の前で使えば、必ず"此処"に繋がる」

男「扉が壊れていたら?」

女「さぁ?――――では諸君、また会おう。
  狩 り を 全 う したまえよ。」

「待て―――ッ!!」

レイヴンがそう叫ぶが…
その瞬間、3人は何の前触れもなく"消えた" まるで最初からそこに居なかったように…
手元に残されたのは、いつでも此処に繋がるという鍵のみ

「…わからん…一体何が起こったんだ」

此処は二階建てらしい、バッカスのように宿屋になっているようだ。
レイヴンはフラフラとした足取りで二階へと向かう

「…寝る。」

悪い夢であってくれ、そう背中が語っていた。
何にせよ、我々は『拠点』を手に入れた…狩りを全うするための『工房』を―――


.To be continued

1948「蒐集」:2017/01/14(土) 20:39:03 ID:ZoHXNK9E
――朝だ

旧友の過去の姿が分離して3人になっていた。
街は相変わらず崩壊へ向かっている
空には異型の瞳
夜中に響く獣の叫び声

それだけで、目覚めは最悪だ

「起きたか、シャーク。」

分離した2人と語り部…その3人から譲り受けた『工房』
まばらに並んだ酒瓶をバックにカウンターに座る、旧友…レイヴン
今や獣の狩人となった彼は、鴉を模した狩装束に身を包んでいる。

「ラピュセルだが、今しがたワイバーンを連れて出払った
 付近を見てくるそうだ、昼頃に帰るらしい…」

彼が座っているカウンターには、凝った装飾の手紙といくつかの書簡がある…
おそらく「例の三人」の置き土産だろう…。

1949とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 20:58:27 ID:drq4cqYk
>>1948

夢から覚めた。

現実に戻り、様々な事が頭をめぐる
街の崩壊。異型の瞳に獣の叫び声
そして、何より……彼女の死


それらを引き立てる様に、ある夢を見た。
それは幸せな夢だった。日常のごく普通の休暇の時の夢

少し遅く起き、愛おしい妻と買い物に出かけ、語らい、そして愛し合う。
そんな全てを失う前にあった日常の夢


「……あぁ」
虚ろな目をしながら外を見ていた。その姿から現実を受け入れていない様に見える。

適当な酒を手に取り、其のままラッパ飲みをする。


「……」

そのまま、酒をカウンターに置いてレイヴンを見る
鴉を模した狩装束の彼はこの状況に馴れたのだろうか?
はたまた楽しんでいるのだろうか?
どちらにせよ、少なくとも自分よりは気丈である。

「了解した」
彼女の能力からして無理をしない限りは一人で行動しても余裕である
カウンターにある幾つかの書簡の内、一つを手に取り読み始める

1950「蒐集」:2017/01/14(土) 21:07:59 ID:ZoHXNK9E

>>1949

――さやわかな林檎の味、そして微炭酸 シードルと呼ばれるりんご酒である

「…俺も理解が追いつかんよ…なにせ記憶が"吸血鬼"になった時から止まっているからな
 どこぞのイカれ聖職者に、心臓打ち抜かれた…その時のままだ」

吐き捨てるようにつぶやく。
現在丸腰の彼、手はそわそわとしている。

テーブルに散らばる 胡桃とサラミ、携帯食のクラッカーに硬いチーズスライス
適当につまんでくれということだろう
朝食というよりも、行動食だ…もちろん"狩り"を行うための

「…あぁ、朝方まとめて置いてあった、ご丁寧にも手紙付きでな」

手紙の内容は単純「プレゼントを君たちに」の一文。
書簡の中身は地図だ、バッカスの付近でラピュセルが持っていた物と似ている
ところ何処に赤い印が書かれた、おそらく武器庫か何か…それを示すものだろう
「例の三人」の事だ、変なところで都合がいいに決まってる。

1951とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 21:12:36 ID:eDBaifAs
>>1948>>1949>>1950


「こうして新たな一日が始まる。
 昨日までの喧騒が嘘のように静かで穏やかな、
 血で血を洗い、肉を切って骨を断つ、体も心も擦り減っていく戦いから離れた一日が」

不意に何処からか声が聞こえる。

「と、なったらさぞかし気が楽なんですけどねぇ?」

ドバン!と入口の戸が勢いよく開け放たれる。
開いた先の空間、差し込む朝日をバックにソレは居た。

1952とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 21:26:21 ID:drq4cqYk
>>1948

「……クソ」
小声で悪態を付く。
りんご酒。それはシャキンの好きな飲み物であった。
其れと同時に何時もの日常を思い出す味でもあった。
りんご酒を一気に飲み干す。そうすればこのさわやかで美味しい苦痛の味を誤魔化せるのだから

「……すまない」
吐き捨てる様に呟いたその言葉に申し訳なさそうに言う。それと同時に少しだけ気が楽になった

「どうした?」
丸腰で手を動かしている。
「武器か……どうだ?」
つかうかと、自身のカービンライフルを差しだす。信頼性と丈夫な武器だがやや小振りで
射程距離にやや難がある武器だ
市街地戦にはもってこいではあるが


手紙を読み始める
「有り難い事だな。有用に使わせてもらうか」
武器庫か医薬品かはたまた逃走経路の入り口か
何だっていい。使えるものは使うまでだ

>>1951
「誰だ!」
銃を構えて声が聞こえた方に振り向く
セーフティと引き金に指を掛けては居ないものの即座に攻撃に反応出来る体勢ではある

1953「蒐集」:2017/01/14(土) 21:34:43 ID:ZoHXNK9E
>>1951
>>1952

「…カービンか、あまり慣れてないな…それに…」

差し出されたライフルを見て、少々乗り気でない。
カービンに対して難癖をつけてるわけではない
信頼性もあり頑丈…だがやや小ぶり…つまり口径が小さい

「…人を撃つなら十分だ、人ならな。」

その銃は人を撃つなら、十分な殺傷力だろう…過剰な威力は不要
銃を扱う軍では基本的なことである
だが、あいては 『獣』だ…人を撃つための弾では威力が心もとない。

と、いったところで突然の来客
ここに来るには何が必要だ?
胡散臭い3人からの鍵だ
つまり、ここに帰ってくるのはラピュセルのはず
しかし声の主は違う。

「――誰だッ!」
『誰だ!』

シャークとレイヴンの声はほぼ同時
空の酒瓶を握って、反撃の体制。

1954とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 21:39:36 ID:eDBaifAs
>>1952>>1953

「あ〜た〜らしい朝が来た、希〜望〜の朝〜だ〜。
 …んっん〜、春風そよぐ小高い丘の草原に立つ、
 一軒家のふかふかベッドで目覚めたら、こんなフレーズも口ずさみたくなるもんですがねぇ…
 現実は右を見ても左を見ても血と肉の臭いばかりで辛気臭いったら…あ、オハヨウゴザイマス」

ばさり、とうやうやしく頭を下げ礼をするソレが大きく動かした右腕。
礼と同時に、周囲にはらりはらりと羽根が舞う。
ソレは奇妙な姿をしていた。
鳥を思わせる黒い仮面、足は鳥のそれ、左腕はなく、
右腕は黒い羽毛で覆われ、煌びやかな衣装で身を包む背の低い亜人。
一々芝居がかった動きに口調、加えてその恰好は、
此処数日で何度係わったか思い出す度に頭が痛くなるアレ等の類から全く逸脱していなかった。

「いやはや初にお目にかかります。
 手前はしがない語り部見習い。故あって本日まかり越してございます」

その首から見慣れた鍵がぶら下がっている。
此処に至るための鍵。
もう一つ付け加えれば『…落としたら大変だからな』と乙女が鈴を括り付けたソレであった。

1955「蒐集」:2017/01/14(土) 21:52:36 ID:ZoHXNK9E
>>1954

「――― デミ野郎(亜人) ラピュセルを何処へやった。」

胡散臭い語り部は『残り火』といっていたが、こいつもその一人なのだろう。
姿形は違うが、芝居じみた口調、そして胡散臭い雰囲気は
語り部の連中以外に誰がいる?
そして、首元の鍵、もはや答えは一つ

―――現状、こいつは敵だ。

「その鍵は何処で手に入れた?残った腕ちぎられたくなきゃ
 正直に答えるんだな。」

丸腰だが腕力に自身はある。
そして隣の旧友に目配せ…いつでも撃つ準備をしておけとの事だ

1956とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:03:38 ID:drq4cqYk
>>1953>>1954
「……悪いが今日は寝起きが悪いんだ。一体、何の用かな?小鳥さん」
語り部の歌に気が立っているのか、口調が荒くなる。

語り部。ラピュセルにあった時やこの場所を開けた時にも居た人物
いや、組織だろうか。
魔法か魔術か、実際の所はよく解っていない。
敵でも味方でもない。そして中立ですらない。トリックスターとでも言うべき存在
扱いが難しい相手だ。慎重に進めないといけない
相手がこちらより弱いなんて言う保証はないのだ

鍵を見つめて亜人の語り部を見る。
睨みつけるわけでもなく、怪訝そうに見る

「ラピュセルに何があったんだ見習いさん?」
出来るだけ平常心で聞く。機嫌を損ねてはいけない
今現在、情報は金貨より価値が高いのだ

1957とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:09:05 ID:drq4cqYk
>>1955
レイヴンの言葉に、スッと人差し指を一瞬だけ上げる
それは何時でも撃てるという軍用の合図だ

レイヴンの動きに合わせれるという合図でもある

1958とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:10:33 ID:eDBaifAs
>>1955>>1956

「連日の殺し合いで些か余裕とユーモラスに欠ける反応、よろしくございません。
 とは言え昨日までの出来事を加味すれば当然の事」

どうどう、と優しく犬でも躾ける様に翼を動かす亜人。

「その点、乙女は竜と共に優雅に空中散歩。
 苦言を申しますれば、乙女こそ塞ぎ込み、
 貴殿等は余裕をもってそれを支える位の気概が欲しいところでありまして。
 …いやいや、これでは男尊女卑でしょうか?
 そもそも、かの乙女の半分は勇猛果敢な男の物語で彩られておりました。
 ですが物語の序盤に燦然と輝く紅一点。やはり艶も必要なれば悩ましいところです」

ゆらりゆらりと左右へゆっくりランダムに動き回る亜人。
その動きがピタ、と止まる。

「おおっと、そのような事を言いに来たのではありませんでした。
 乙女より言伝を承りますればこそ、このような場に参ったのです。」

1959「蒐集」:2017/01/14(土) 22:26:42 ID:ZoHXNK9E
>>1957
>>1958

「…俺たちは英雄譚を演じてるわけじゃない、ただの血濡れた獣狩りだ
男も女も関係ない、狩るか、狩られるか…それだけだ。」

ところがどっこい、彼は犬ではなく鴉、しつけもなにもあったもんじゃない。

「…お前が無事だというなら無事なんだろうな、語り部。
 あいにく、隣のこいつも俺も虫の居所が悪くてな
 風穴が開けられないうちに、伝言とやらを教えて貰おう」

臨戦態勢はいまだに解かず…
正直、無条件に相手の話を信じるのもどうかしている…
だが『語り部』っていうのはこういう連中である
胡散臭いが、嘘は言っていない。

1960とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:41:04 ID:drq4cqYk
>>1958>>1959
(航空哨戒か……王都の騎士に攻撃されなきゃいいが……)
空中散歩と聞いて、すぐさまこういう発想に行きつく辺り軍人脳と言うべきか

「俺の知っている物語は始終男女共に死ぬだけの物語だ。苦悩も勇猛果敢な奴もだ」

「その物語はイルタ会戦っていうんだがな」

亜人の言葉にどことなくイラつき感じたようだ

「伝言?いったい何だ?」

1961とある世界の冒険者:2017/01/14(土) 22:56:54 ID:eDBaifAs
>>1959>>1960

「『私も貴殿らも武具の扱いには長けているだろうし、その手入れも熟知している。
 これから先の戦いにおいて武具の確保は重要課題である、この点は異論ないと思う。
 しかし都合よく自身の扱える武具ばかりが周囲に転がっているとは思えない。
 加えて我々に必要なのは過剰な火力を有する武具であると言っていい。
 手に馴染む過剰火力の武具…ないものは作るしかないが、一つ問題だ。
 作れるか?私は作れない。
 いかに用意された工房が良いものであっても、それを扱うモノの腕が未熟では意味がない。
 故に私は火薬庫漁りではなく、工房の担い手を探そうと思う。
 流石に人材までは地図に記入されてはいないだろうと考えた末の結論だ。
 本来ならば一度戻り貴殿らと協議した上で動くべきなのだろうが…
 そんな考えを巡らせながら空から地上を眺めていた時に気になるモノを見つけた。
 一つは森の中から立ち上る煙。如何にも戦いのそれではなく建造物があるらしかった。
 もう一つは巨大な何か。先日の獣の類か全くの別物かは分からない。
 それが煙目指して木々をなぎ倒し進んでいくのが見て取れた。
 そこに何があるにせよ煙が上がっているのだ、何かは居るのだろう。
 見過ごすわけにもいかない、かといって貴殿らを伴うために戻る時間もない。
 厄介ごとを片付けてから戻る』…との事でした」

「いや実際どうなんですかねぇ?工房を扱うための人材が必要なのでしょうか?
 乙女も思った事を矢継ぎ早に仰るものですから、手前も聞くばかりで何も出来ませんでした」


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