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第三汎用スレッド

1831とある世界の冒険者:2014/05/29(木) 23:11:25 ID:scVgV2D2
>>1830

「聖職……ですか」

色んな宗教が混ぜられて、体系もよくわからないのだが、どうにか整合性をつけたのか。
その辺りを詳しく聞いていなかったので、ふむ、と考え込む。

「ここにいながら、不信心者で申し訳ない話です。よろしければ、今度……そちらについてのお話も聞かせてください」

よりこの組織に溶け込むには、あの宗教も知っていなければ。
何となく、話を合わせる程度にしか押さえていないのは問題だと判断したらしい。

(学んだこと……は的外れか)

「何か魔術や、そういったものは何も……?」

望み薄だとはわかりながら、そこを聞いてみる

1832とある世界の冒険者:2014/05/29(木) 23:23:46 ID:SffTYJN2

「魔術……色々と教わりましたがどれも平凡だったみたいです。
でも、障壁魔法には才があったみたいで、それは教えてくださいました。

あとは退魔の力の行使ですね。」

【一通りは教わったようだが、別に魔法に向いていたわけではないらしい。
いや、これはそもそも教える側が悪かったのかもしれないのだが。】

「聖職は……一応、見習いが修了した証として、この十字架を神父様は授けて下さいました。
けれど、私はまだまだその程度ですので、教えられることはあまりないか、と。」

【そういって、首に掛けられた十字架のネックレスを見せる。
特注品らしく、彼女の名前が彫られていた。"トレア=サルデフェクト"と。】

1833とある世界の冒険者:2014/05/29(木) 23:28:25 ID:scVgV2D2
>>1832

「なるほど……」

(障壁魔術……?)

想像していたようなものではない。
昼間のトレアの、蛇の大口のような雰囲気、トレアを助けた時にザーがしたという微笑み。
パーツがまだ足りない。何か、つながらない。
どう引き出したものかと、彼女は考えを顔に出さないようにして、考えを巡らせる。

「いえ、私は恥ずかしながら、神の教えをいまいち理解していないので」

「ここにいる以上は、ただしく認識せねば、と思っているのです」

特注の十字架。それも、ここの聖職の見習いが修了した証として。
普通の宗教団体ならば、別に不思議にも思わないが……ここは普通ではない。
それなのに、そんな手間をかけるのは妙だ。
見ただけで何かわかることはないかと、その十字架を注意深く見る。

1834とある世界の冒険者:2014/05/29(木) 23:40:30 ID:SffTYJN2

「私は神父様から様々なものを頂きました。
聖職の教えにそれに順ずる力、この十字架……そして、名前に命、と。

神父様には感謝してもし切ることは出来ないでしょう。」

【十字架に特にこれと言った奇妙なところは無い。
一応、魔力を伝道しやすい材質で作られていると言うことぐらいだ。】

「なんと……敬虔な方なのでしょう。
神の家に入ったことに満足をせず、さらにそこから高みを目指そうとするなんて。

……ああ、もしかしてこのために私の部屋へと来たのですか?

確かに聖職を教授して欲しいと頼むのは羞恥を感じるかもしれないでしょうね。
そういう風な理由を作ってしまうのも、仕方がないことなのかもしれません。

ですが、安心して下さい。そんなことに羞恥を感じなくとも良いのです。
教えは望めば、誰にだって平等に与えられるもの……遅いも早いもありません。」

1835とある世界の冒険者:2014/05/29(木) 23:42:56 ID:scVgV2D2
>>1834

(しまった)

違う地雷を踏んだ。
正体探りは延期されそうな雰囲気。
まさか、この状況で違うとは言い出せず。
……が、まるきりその通りだとも言いたくはなかったので。

「もちろん、それもあるのです」

「ですが、それと同等程度には、シスター、トレア。あなたのことも知りたくて」

どういうニュアンスで捉えられるか。若干賭けであった。

1836とある世界の冒険者:2014/05/29(木) 23:59:03 ID:SffTYJN2

「ふふ、なんと律儀な方なんでしょう。

神に仕える人間というのは、実はそれだけになってしまう人も多いのです。
もちろん、その方々は実に尊い存在です。
しかし、聖職は人あってのもの……それゆえに人を愛することはとても大事なのです。

なので、貴女の様に神に仕えるだけではなく、人を愛することが出来ると言うのは素晴らしいことですよ。」

【聖職だけにかまけてはいないというように捉えられたようだ。
だが、自分を知りたいといわれて、それを人を愛することが出来ると言うように結び付けるのは無理がある。

思えば、彼女はあの昼の件から一貫して、疑うことそして否定することをしていない。
…………全てを受け入れている。】

1837とある世界の冒険者:2014/05/30(金) 00:04:21 ID:wcTpSeY2
>>1836

「……愛、ですか」

博愛主義者とでも言うべきだろうか。
それも、かなり程度の激しい――。
彼が手元に置いているのは、彼女に特別な何かがあるわけではなく――。
――”外に出せない”のではないだろうか。

(……彼にも聞いておこう)

「そうですね。愛は素晴らしいものと聞き及びます」

「隣人を愛せよ。神もそう説かれましたね」

トレア本人からは有用な情報は得られないと判断。
あとは、適当に話して、終わらせるつもりだ。

1838とある世界の冒険者:2014/05/30(金) 00:14:05 ID:77OVOZP6

「はい。神父様も一番、最初に教えてくださいました。
恐らく、私が空っぽだったからでしょう。

何もかも忘れた私に神父様は光を下さったのです。
そして、気を取り戻した私を、神父様は祝福して下さいました。」

【どうやら、彼女は拾われる前の記憶が無いらしい。
彼女の人となりを推測できそうなものが何一つないのはこのためであろう。

つまり、今の彼女からすればザーと出会ったそのときが誕生のときなのである。】

1839とある世界の冒険者:2014/05/30(金) 00:17:51 ID:wcTpSeY2
>>1838

「……なるほど」

小さくうなずく。
まさか。
――彼女をそんな、極端な博愛主義者にしたてあげたのは。
他ならない、ザーではないだろうか。

(……考えすぎ? そうだとして、動機がわからない)

どうやら、彼には聞くことができたようだった。

//ではこのあたりで! 絡みおつありでした!

1840とある世界の冒険者:2014/05/30(金) 00:27:35 ID:77OVOZP6

「っと、私の話ばかりじゃいけませんね。」

【こほん、とつい話し込んでしまったとばつが悪そうに。】

「では、時間が許すのなら聖職について教えて差し上げますよ。
そうですね……マアスーメさんが分からないところを教えていただけますか?」

【気を取り直して、と言わんばかりに聖職について教えようとする。
ある意味で目的を終えたマアスーメからすれば、もはや苦行にしかならないものかもしれない。

結局、トレアと言う存在については掴み切れた様で、その実、掴み切れていないのかもしれなかった、FO】

//了解です。お疲れ様でした!

1841とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 22:29:18 ID:eZ6IesYY
――サルデフェクト寺院 ザー=サルデフェクト私室

こんこんと、ノックが響いた。

「私です。伺いたいことがありまして」

続いて聞こえてきた声は、マアスーメのものだ。
何やら質問があるらしい。
――わざわざ時間を選んだということは、聞かれてはまずい話ということだろう。

(……どういう返事が返ってくることか)

何故か早打つ胸を押さえて、返事を待つ。

1842とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 22:38:07 ID:V.ccKeQI

【そのノックの音を待たずして、部屋の中から重々しい足音が響く。
そして、それが扉の前まで来たかと思うと、ゆっくりとその扉は開かれた。】

「このような時間に訪問とは珍しい。」

【開けたところに立っていたのは辛子色の法衣を纏った長身の男。
いつものごとく、重々しい雰囲気……というよりも重圧に近いものを放っている。】

「…………まぁ、良いだろう。遠慮せずに入りたまえ。」

【ふと、わざとらしくマアスーメの"格好"に視線を落としたが何事も無かったかのように部屋の中に招き入れる。
言葉にはしないが、明らかにいつぞやあられもない格好で訪ねて来た件のことを露骨に思い出させ

1843とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 22:44:26 ID:eZ6IesYY
>>1842

「またアレを着れば、私に欲情してくれるというならば、喜んでそうしますが」

視線の意図に気づいたのか、恥ずかしげもなくそんなことを言う。
彼女のできる精一杯の皮肉、ないしは強がりといったところだ。

「……そんなことより、聞きたいことがあるのです」

「シスター……シスター、トレアについて。彼女について伺いたいことが」

彼女の名前を出して、どんな反応をするのか。
それを見逃さないように、ザーの顔をしっかりと見つめて。

1844とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 22:57:46 ID:V.ccKeQI

「くく。ムキにさせた気は無かったのだがね。
いや、君が着たいと言うのならば、止めはしない。」

【もとより興味は無く、そんな戯言を言いながら部屋の奥へと。
あの時はベッドであったが、今度は椅子とテーブルだ。

自身が座ると、対面の位置に座るように促す。】

「ほう。トレアについて、か。
……アレが何か妙なことでもしたのかな?」

【その言葉を聞いても、動揺はない。
ただ、その余裕の中に期待が叶ったかのような喜び、が見えた気がした。】

1845とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:07:14 ID:eZ6IesYY
>>1844

「……成果が得られないと確信する行動をするのは、徒労というのです」

暖簾に腕押し糠に釘。
しかし、暖簾や糠の正体が隠されていたなら、そんなこともしてしまう。
が、今の彼女は、目の前の意地悪神父が暖簾や糠だと学んだところだ。

「彼女は……本来人間が備えるべき心理的な防衛が見られません」

「すなわち、人の言葉を疑うという事。この世に嘘が存在することを知らぬかのようで、あまりに不自然です」

「彼女を拾ったのは、あなたです。私は、あなたがトレアに、わざとそんな教育をした――そう邪推しますが。実際のところはどうなのでしょう」

彼女は義憤を抱いているわけでも、なんでもない。
単純にわからないからだ。もし自分の考えで正解なら、それの意味がわからない。

1846とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:14:52 ID:V.ccKeQI

「……以前、言ったはずだ。彼女は"天使"だと。
いや、あの時は"天使の様な"、と言ったかな。」

【ちょっとした言葉遊びとも取れるセリフ。
どうやら、あのセリフは言葉遊びであると共に真実でもあるらしい。】

「人を疑わず、非難せず、あらゆることを飲み込み、善の方向に再構築する。それが彼女だ。
だが、それは私が施したわけではない。私が拾ったときから彼女はそうであった。

無理も無かろう。あの凄惨な死の渦の中で彼女だけは奇跡的に命を繋いだ。
しかし、命は繋いだが記憶は全て失った。」

【微妙にトレアが語っていなかった部分である。
どうやら、トレアを襲ったその死はトレア以外を全て飲み込んだらしい。

そして、最後に残ったは彼女のみ。】

1847とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:21:51 ID:eZ6IesYY
>>1846

「――」

彼の関与は無かった。
信じがたいことだが、嘘をつく理由がない。事実であるのだ。それは。

「外に出せぬわけです……」

そしてそれは、ザーの行動故という事態よりも、はるかに重い。
それは、もはやトレアがもう少し人間的に”まとも”即ち”汚れる”ことは難しいからだ。

(物言わぬ兵隊を作り上げるためのテストケース。そんなところだと思ったのだけれど……)

どうやら、全くの外れだったらしい。

1848とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:29:36 ID:V.ccKeQI

「記憶を失った同時に彼女の中の"悪"も死んだようでな。
流石に私も拾って、しばらく経つまでは気がつかなかった。」

【ショックで記憶と共に"悪の部分"が死んだらしい。
すなわち、トレアは人間としてみれば致命的に壊れている。

何せあらゆることを善に帰結させるのだから。
つまり、彼の"天使"という表現も大いに皮肉である。】

「外に出せない?……くく、私はそんな事を思ったことは無いが。
それにアレも私が教育したとはいえ、聖職者だ。そのあたりのことは真似事でも行っている。

……いや、正確にはアレが自ら望んだ、というところであろうか。
その覚悟かはたまた礼のつもりか、私の与えた名に"サルデフェクト"の性を付けた。」

1849とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:34:42 ID:eZ6IesYY
>>1848

「――」

しばし考え込む。
トレアの悪の心は死んだ。しかし、サルデフェクト姓を名乗る事を、ザーが決めたのではなく、彼女が決めた?
それは、まるで――。

「あなたに、無自覚か、あるいは意識してか――父を重ねているように思いますが」

自分を助け出した人物に父を見る。
考えられない話ではない。

1850とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:39:18 ID:V.ccKeQI

「恐らく、そのように考えて正解であろうな。
アレが望んだのであれば、私は文句は言うまい。」

【と、話したところで一度、不自然に間を開けた。】

「……さて。マアスーメよ、今までの話を聞いて、どう思った?」

【何時も以上の重圧。
神託を告げるシャーマンのあるいは判決を下す閻魔のような重い声。

そんな思わず、背が伸びてしまう声と共に問いかけた。
…………何を、期待しているのだろうか。】

1851とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:44:44 ID:eZ6IesYY
>>1850

「――どう思えば良いのかわかりかねます。そもそも私は、彼女は何か特殊な教育、悪くて洗脳を受けてああなったと思ったからです」

そうしてみれば、彼女の内から発生したもの。
精神的なものがその原因であり、ザー本人はほとんどノータッチだった。
それはつまり、彼女がザーに求める、深謀遠慮と千思万考を尽くす風帝の像とは少々異なるのだ。

「まぁ、しかし。個人的な事を、言わせてもらうのであれば」

「あなたにとっての、二人目の風帝の子(カエサリオン)というわけです。意地悪な次代に殺されないようにしてあげてほしいところですが」

肩をすくめる。
彼女は、彼女の言う伝説の王と、不遇の死を遂げた王の子を神聖視している。
ザーを風帝ととらえたならば、トレアは当然――というわけだ。

1852とある世界の冒険者:2014/06/01(日) 23:53:45 ID:V.ccKeQI

「アレについて、ではない。
そもそもの経緯についての話だ、マアスーメ。

確かにアレは奇跡的に唯一生き残ったが、惜しくも記憶と悪を失った娘だ。」

【どうやらトレアについてではなく、そもそものこの話についてらしい。
とくに矛盾も無い話であるし、疑う余地なども無いであろう。】

「そして、私がアレを見つけて、拾ったのは疑いようも無い事実だ。
だが、そもそも考えても見たまえ。

何故、アレ以外の全てが死の渦に巻き込まれるほどの事態に、私が"偶然"通りがかったのか?
何故、私は"偶然"その死の渦には巻き込まれなかったのか?」

【低く、暗い声が喉から響く。
そう、偶然に偶然が重なっている。それもあり得ないほど綺麗に。

それほどの事態ならば、下手をすればトレアとて死んでいたかもしれない。
だが、彼の言葉からして、その戦渦の直後に彼はトレアを拾っている。つまり――――。】

1853とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:00:30 ID:97lixY.g
>>1852

そういえば、そんなことは思い当らなかった。
らしくない失態だ。おもわずこめかみを押さえる。
しかし、言葉通りに受け取るのも危険だ。これはミスリーディングを誘う罠だ。彼女は直感する。

「いろいろ考えられます。丸く収まるのが、その死の渦を怪物として、その怪物は神聖性を嫌うため、神父であるあなたが通りがかったので退散した故」

「丸く収まらないのが、あなたのマッチポンプだという場合。こっちなら、相応の理由をお聞かせ願いたいところです」

「――それか、あなたは何らかの集団の裏切り者の場合ですか。その死の渦は当時のあなたの仲間か仲間による産物だった」

「仲間を殺す理由はない。あなたは平気だった。しかしあなたは何らかの理由で目の前で倒れた娘が気がかりになった。たちまち集団を脱し、娘を拾った」

「こっちの場合は、なかなかドラマティックです」

さて正解は今あげた中にあるのか。
あるような気もするし、無いような気もする。彼女はなんとなくどれも違うような予感はしていたが。

1854とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:10:30 ID:UBDIDTmI

「ふむ。中々にして夢のある答えだ。
近しいのは"丸く収まらない場合"であろうな。

私はただ、目的のための実験を行っていたに過ぎないのだがね。」

【彼の目的とは人の本質を知ることである。
何も無い真っ白な世界に人が置かれたときに、それはどんな性質を示すか。……途方も無いことだ。】

「小さな不確定な不安を与えれば、それはやがて増幅する。
それが膨れ上がった頃に"本物"を与えたとすれば……どうなると思うかね?

例えば……"最近、この村の近辺で盗賊団の姿が目撃されているらしい"、とか。」

1855とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:21:03 ID:97lixY.g
>>1854

「……」

言葉を失う。
今のは自白と考えていい。何も疑わぬ人間。それを培養するために、行ったのだと。
そうして、培養に成功したので、そろそろ実験の一つ二つも計画中だという話だ。

「その手伝いをすればよろしいので?」

呆れた王だった、と見限るか。
そんな発想が脳裏を過ったが、それは短絡的すぎる。
もう少し見ていたい。せっかくの底知れぬ王を見つけたのだから。

1856とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:29:03 ID:UBDIDTmI

「……ん?君は勘違いをしていないかね?

結果的に、その実験は失敗している。
私が見たかったのは、不安が破裂してパニックを起こす群衆とそれを蹂躙する力だ。

どちらの勢力も理性と言う箍が外れると思ったが……実際は欲に駆られた愚者が暴れるだけだった。」

【別に彼はトレアを作ることが目的だったのではない。
作りたかったのは小さいながらも理性が消え失せ、本質が露呈するであろう世界だ。
だが、それは失敗に終わっている。

そもそも、彼女はその戦渦が終わった後に、彼によって拾われている。
"奇跡的に生き残った少女"という言葉は嘘ではないのだ。】

「それらが全て息絶えた後、私は奇跡的に生き残っていたアレを見つけた。」

1857とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:33:33 ID:97lixY.g
>>1856

「――失礼。疲れているらしく」

口から出まかせというか、ごまかしだったというか。
トレアに聖職の教えを乞うたせいで、結構疲れ気味なのであった。
中身が眠いというのが最大の原因だが。

「……それで、これからどうするおつもりで」

あの娘をこれからどうしたいのか。
そこを尋ねることにする。

//では中身が限界なのでこんな感じで中断で!

1858とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:51:08 ID:UBDIDTmI

「……アレについては――――。」

【一応、彼としてもトレアについてどうするかは考えているようだ。
確かに、もしもこれから様々なことが進むとすれば、色々と障害はあるだろう。

その時、善しか知らぬ彼女がどういう反応を見せるか。それは分からない。】

//了解です。ありがとうございました!中断!

1859とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:22:33 ID:SncVXSaA
――森林奥地、とある廃墟

テレン村での少女蒸発事件が発生してから、早くも数週間が経過しようとしていた。
村の補佐役、ヴァローネ女史が探索隊を組織し、指揮したものの、森の脅威達の前に捜索は難航する。
冒険者に依頼をだしたものの、思うような成果はあがらずにいた。

――そして、村の人間や冒険者が易々と立ち入らないような、森の奥深くの、打ち捨てられた洋館の前にその少女はいた。
彼女の右目は赤く、煌々と光っていて、身体は返り血にまみれていた。
足取りも覚束なく、ふらふらと扉の前に立つ。目的があってこの廃墟にたどり着いたわけではない。
雨風が凌げるところを探していたところ、たまたま見つけたのだ。
植物によって浸食され、所々壊れているように見えるが、それでもまだ活用できそうだった。
彼女はそっと扉に触れて開こうとするが――鍵があるのか、開かなかったので、強引に蹴り飛ばして開ける。
廃墟は奇妙な魔力の残滓が残っており、少女はそれを感じ取って、休む前に探索をすることに決める。
やがて地下室を見つけ――下っていくと――。
幻想的な美しさの人形が二体、よりそうようにして、品の良さそうな棚に置かれていた。
彼女はそれに触れると、人形がかすかに彼女の魔力によって反応するのに気が付く。
この人形は魔法の人形で、即ち、使い魔になりうるものだと彼女は理解し、その人形に魔力を通すことで疑似的な契約を交わす。
そうすると、人形たちは物言わぬまでも彼女の思うがままに動き出した。
表情もなく、愛嬌もないが、彼女を満足させるには十分なものだった。
そして、人形に手紙が仕込まれているのに気が付くと、彼女はそれを読み、満足げな笑みを浮かべる。

「――素晴らしい。この私の、救われぬ旅の道連れというわけだ」

「素敵な演出だ。観客も胸を躍らせよう。私を待つ永遠の眠り姫! さあ、彼女を熱い接吻にて起こしにいこうではないか!」

歩き続けた疲れも何もかも忘れ、彼女は行動を開始した。
――彼女の名をエウノモス。そして、彼女が見つけた廃墟こそはかつて王都攻撃を目論んだグァルネリの人形たちの狂気の館。
彼女は、人形たちの忘れ物を回収しに、今旅立った。

【fo】

1860とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:16:40 ID:0J93V.tk
――王都郊外

薄手の黒いコートを羽織り、フードを目深く被った人物が、ふらふらとした足取りで歩く。
その傍らには、その人物の付き人というにはあまりにも浮いた、幼い少女二人がいた。
少女らは身体に似合わぬ大きさのクロスボウを手にしていて、異様な雰囲気を出していた。

「――まさか姫君が借金漬けだとは思わなかった」

「早急に資金を工面する必要があるが――さてどうしたものやら」

その人物は芝居がかった口調で独り言を言うが、傍らの少女は何も言うことはなく。

1861とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:27:23 ID:XvWxydyU

「……ここまで送り届けてくれたことに感謝だね。」

【少し前に馬車が通る音が聞こえたような。
すると、暗闇から規則正しい足音が聞こえてくる。

やがて、姿を現したのは黒髪にメガネを掛けたスーツ姿の男性だ。
こんな時間にこのような格好をした者が歩くのは逆に異様である。】

1862とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:34:17 ID:0J93V.tk
>>1861

「――おや?」

やってきた人影を見つけると、途端にフードに隠れた表情が険しくなる。
ナーブからは、妖しく光る赤い光が見えるだろう。これは彼女の右目の義眼の光だ。

「私は幸運らしい。ひょっとすれば金ぐらいは貸してくれるかもしれんな」

「君たちの姉上のためならば協力をしてくれるかもしれん」

コートの人物は少女らに楽しげに話しかける。
少女達の返事はないが、それを気にすることなく、ナーブに歩み寄ってくる。

「ごきげんよう! まずはこの出会いに感謝をしたい!」

「私の名前はエウノモス。古の王が如く断固としながら流麗なる響きであることは紳士たる君には伝わると信じる!」

「さて――突然だが、私は人探しをしている。彼女らの姉なのだ。一つ助けてほしいのだがね」

芝居がかった口調で愉快気に話しながら、フードを外す。
黒い髪の、凛とした少女の顔が露わになる。妙なのは、激しく発光する右目だ。

1863とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:47:20 ID:XvWxydyU

「…………僕かい?」

【歩み寄られて、立ち止まる。
こんな夜なのだから、少しは警戒しても良さそうだがまるでそんな様子は無い。

柔らかな微笑みを浮かべる青年は実に話しかけやすいだろう。
しかし、その瞳に輝きは無く、そちらを見ているようで見ていない。どこか虚空を見ているかのようだ。】

「ああ。ご丁寧に。僕はナーブ=ブランク。
……助けて欲しいって言うのはどういうことなのかな?」

【もしも、魔法を勉強することがあったのなら、その名前はどこかで見たことがあるかもしれない。
何せその名は多くの論文などに記されていたとある学者なのだから。

尤も、それは"はるかに昔"の話であるのだが。】

1864とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:54:44 ID:0J93V.tk
>>1863

「彼女らの姉上、そして私の姫君となるべくその可憐なる乙女は、悲しいかな、借金という鎖に縛られて身動きが出来ずにいる!」

「所詮女の身。返せる金額ではとてもない――しかし、私は幸運だった。君に出会えることができた」

彼女は長い間を小さな寒村で過ごしていた。
それでも一定の学はあるが、魔法に関しては我流の部分が大きく、論文に目を通したことはない。
そのため、名前を聞いても特にリアクションはなかった。

「はっきり言おう。こういうのは単刀直入にやるものだ。金を貸していただけないかな」

「担保は何もないし、はっきりといついつまでに返すという算段も立てられん。卑劣なようだが、君の安全との引き換えなわけだ」

彼女が右手を挙げると、傍らの少女達がクロスボウをナーブにへと向ける。

「抵抗は君の権利だ! 私はいわば夜盗だ! 正義は君にあるだろう、しかし、私の胸は愛によって満ち、情熱で姫君を救出する責務がある!」

「君が選ぶのならば、ここで争うとしよう。好きな方を選びたまえ、選択は君の権利なのは神も覆せん真理なのだから!」

彼女は狂気に満ちた笑みを浮かべている。
ただの物盗りにしては、狂いすぎている。

1865とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:06:59 ID:zRp8FIlE

「夜盗……ああ、なるほどね。」

【向けられるクロスボウをいまいち輝きの無い瞳で見つめる。
そして、少しばかりの逡巡……考えているというより、困っているように見える。】

「でも……うーん、困ったな……今、持ち合わせが無くってね。
君たちのお姉さんを助けてあげたいのは山々、何だけどね。

良かったら、どうしてお金が必要なのか教えてもらえないかな?」

【怯えたり反射的に戦闘体勢をとったりしていいものだ。
だがしかし、彼はそういうことはせず、むしろ無防備だ。

そして、何事も無いかのように話を続ける。……主にその姫君とやらを助ける方法はないか、と。】

1866とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:13:26 ID:5qQ1hKP.
>>1865

「――なんという紳士であることか。実に素晴らしい演技だ、観客の紳士淑女からのため息が聞こえるようだ」

「紳士とはかくあるべきだな。不届きな盗人に恫喝されてなお、当人の事情を気にする、その器の大きさの素晴らしきことよ」

両手をあげて、しばし虚空を見つめる。
それと同時、右目の赤い発光が多少、穏やかなものになり。

「言っただろう。姫君には借金がある。この借金はそのまま売値というわけだ」

「勇者のように正面から激突して奪い取ることも考えた。しかし、それは国を相手取るという意味だ。当局からは追われる。私だけならまだしも、彼女と姫を連れて逃げるなど不可能だ」

「故に、如何なる手段をもってしても金が必要なのだ。ご理解いただけたかな?」

芝居がかった仕草で、一礼をする。
ナーブの態度は、彼女の好戦性を多少和らげたのは間違いない。
しかし、未だに傍らの少女たちはナーブにクロスボウを向けている。

1867とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:22:40 ID:zRp8FIlE

「なるほど。でも、僕はさっきも言ったけど持ち合わせは無いんだ。
……お金は持ち歩かないんだ。」

【どこまで信じられるかは分からない。
見たところ身なりはきちんとしているし、いわゆる貧困層と言うわけでもなさそうである。

また、カバンなどもあり、財布を収納する場所はそれなりにありそうだ。】

「それとも、荷物の中身を見てみるかい?
汚したり破ったりしないなら、見せてもいいんだけれど。」

【相も変わらず、警戒心という物が無い。

そして、普通に喋っている。少女達の琴線に触れることを一言でも喋れば
自分が蜂の巣になってしまう可能性だって、ゼロではないのに。】

1868とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:26:21 ID:5qQ1hKP.
>>1867

「――そんな身なりで、無一文だと言うのか?」

「嘘はもっと上手につくものだ。それとも、最後のささやかな抵抗というわけかね」

ぱちり、と指を鳴らす。
少女たちはクロスボウを油断なく構えたまま、じりじりと歩み寄り、やがて一人がカバンを奪うだろう。
もう一人はクロスボウを突き付けてナーブを冷たく見据え、もう一人がカバンの中を検分する。

1869とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:42:42 ID:zRp8FIlE

「身なりは……勘弁して欲しいかな。
流石にこれくらいはちゃんとしておかないと差し支えるから……っと。」

【困ったように笑う。少女の一人がカバンを奪い取る動作も見切れずにそのまま許してしまう。
やれやれ、と光の無い瞳のまま、苦笑する。まるで、幼子の悪戯に呆れているかのようなそんな素振りだ。

カバンを開けると出てきたのは良くわからない球体。
そして、あとは紙の束である。紙の束はいくつにも分けられており、どうやら意味があるらしい。

だが、文面は認識阻害の魔法がかけてあるらしく、内容を読み取ることは難しい。
そして、本当に財布とか封筒とかお金が収めてありそうな物は何一つとして、出てこなかった。】

1870とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:49:15 ID:5qQ1hKP.
>>1869

少女は検分を終えると、エウノモスに向けて首を横に振る。
そうしてから、少女はナーブにカバンを返し、クロスボウを持ち直しながら下がる。
もう一人の少女も同様にして下がって、エウノモスの傍らにへと戻る。

「これは驚いた。本当に素寒貧というわけだ」

「然らば、我らの腹の虫を抑えるために、その赤い血で支払っていただこう――それが台本であったが」

ため息とともに首を振る。
そうして、右手をあげて、それから下げる仕草をすると、少女たちがクロスボウを下げた。

「それでは観客たちからもブーイングがくるだろう」

「せめて君が見目麗しい淑女であるのなら、一つ略奪してみるのも面白いが――」

「あいにく私は男が嫌いなのだ。男は獣だ。獣は恐ろしい。私の四肢を食いちぎり、目玉を潰したのだから」

右目の光が、少しだけ強くなり、それから弱まる。

「だがその怒りを君にぶつけるのは聊か筋違いらしい。ああ結構結構。私共はこのやり場のない怒りをどこか適当なモノで済ませるとする」

「ではまた会う日までごきげんよう。次に出会う時には、金貨の詰まった革袋を持参願いたい。ではさらばだ」

最後まで彼女は芝居がかった口調と態度で、興味を失ったように背を向けて歩き出した。
目指す先は、さて――どこだろうか。

././ではこんな感じで! おつきあいありでした!

1871とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 01:36:42 ID:zRp8FIlE

「それは申し訳ないね。僕も流石に性別を変えることはしたくないかな。
いや、これは助かった、と安堵するべきなんだろうね。

女性であったのならば、支払いを強制されていたみたいだし。」

【どこか間の抜けている言葉だ。
まるで、今の自分のみに起こっている出来事が他人事であるかのようなそんな錯覚を覚える。

カバンも受け取り、律儀なまでに丁寧な態度である。】

「"覚えていたら"持っていくことにするよ。だから、君たちも覚えていて欲しい。」

【そういうと懐から手帳を取り出して、なにやらさらさらと書いたかと思うと、収めた、
彼女らが犠牲者を生みかねない行動をしていることについて気にする様子も無かったとか、FO】

//了解です。お疲れ様でした!

1872とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 21:45:56 ID:5qQ1hKP.
――森林

豊かなこの森は奥へ進めば進むほど光を拒むようになっている。
そのため、奥地に行けばいくほど、光を拒み、それだけ凶暴な生物が存在するが――。
入り口付近、浅い部分は比較的穏やかだ。
――迷い込んだ生物を狩る、蜘蛛のような狩人達が時折、あらわれるが。

「ふーむ。君たちを囮にしての金策は効果的だが長期的な成果は望めんな」

「噂が立ってしまえば意味がない。出来るだけ痕跡は残さんようにしているが……」

倒木の上に座り込んだ、黒いコートを羽織った人物がぶつくさと何事かを呟く。
月光に照らされているためか、あまりここは暗くない。
その人物の傍らには二人の少女がおり、コートの人物の両腕に取り付き、分担して、何事か行っている。

1873とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:08:32 ID:tbkFY8Xc
「参ったな……。
ここに来て痕跡を見失うとは、迂闊だった。」

夜の闇にほど近い紺色の髪を揺らし、利発そうに整った顔立ちの青年が歩む。
銀縁で出来た眼鏡のブリッジを押し上げ、辺りを見回しながら森を歩く。

なんびとかが行う何事かには、まだ気付いていない様子だった。

1874とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:15:12 ID:5qQ1hKP.
>>1873

「おや? ――ふむ。急いでくれ。足は平気だ」

少女らの作業を急がせて、ゆっくりと立ち上がる。
暗視機能を備えた、赤く光る右目でやってきた青年の姿を認めながら、フードを被りなおす。
青年の方も、この怪しい赤い光に気が付くだろう。

「また男か――あの手のは『女泣かせ』というのだ。勉強になったかね」

傍らの少女たちに話しかけながら、出方を伺う。
まだそちらに対して何のアクションもしかけないということだ。

1875とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:19:20 ID:jVqd.c4w
>>1874
「……赤い……光?」

眼鏡の奥の双眸が、鋭く細まる。
それと共に何気なかった足音が規律正しいリズムを刻み始めた。

すなわち、"何か"との距離を図るために歩んでいるのだ。

赤は人の本能に攻撃性を訴え掛ける光。
今青年は、明らかに警戒をしている事だろう。

「誰か、そこに居るんですか?」
独りごちていた時より少しトーンを落とし、光の先へ問う。

1876とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:26:54 ID:5qQ1hKP.
>>1875

「ああいるとも! 君のご期待に添えるかどうかわからないが、確かに私はここにいる!」

芝居がかった口調の、そんな声が返ってくる。
その声は男と断じるにはやや高いぐらいで、女と見るに妥当だろう。

「だが用心するよう。好奇心は猫をも殺す。私が善人たる確証は無く、恐ろしい悪党であるかもしれん」

愉快気に言葉は続く。
青年からこの人物の姿は認められないだろうが、もし見えたのなら、肩を揺らしてくつくつと笑う姿が見えたことだろう。

1877とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:36:15 ID:/Sl90J2U
>>1876
「すみませんがこちらは魔物を追う身ゆえ、ふざけないで頂きたい!
無為な冗談で人を傷付ける様な事になっては、困ります!」

遠間の芝居がかった口調にに声を張り、投げる。
このやり取りひとつもってしても、冗談は通じそうにないタイプだ。
良く言えば誠実、悪く言えば堅物。
その様な印象が声色からもひしひしと伝わってくる。

声は動いている。やはりそちらへ近付いている様だ。
向こうから飛んできた音のお陰か、足取りはきちんと一向へと向いた。

1878とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:40:58 ID:5qQ1hKP.
>>1877

「なるほど。狩人というわけだ。幕にはまだ少々遠そうだね」

傍らの少女に向けて話しかける。
少女からの返事は無く、また、この声掛けはスーノには聞こえないだろう。

「冗談といったか? 別に冗談を言っているつもりはないのだがね」

「まあいい。顔ぐらいは見せてもらおう」

少女らはクロスボウをいつでも構えられるようにして待機し、コートの人物はにやにやとした笑顔を浮かべながら、スーノがやってくるのを待つ。

1879とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:45:09 ID:KmPO0IWo
>>1878
そんなやり取りはいざ知らず、次第に闇が影となり
「ならば、悪党かもしれないなどと言う言葉は誤解の素です。」

輪郭となり、その輪郭が月明かりに剥がされてゆく。
そうして現れた青年は、法衣を身に纏い、太陽の意匠が凝らされた杖を左手に持っている。

1880とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:53:15 ID:5qQ1hKP.
>>1879

「それも誤解ではなかったとしたら、さてどうするかね?」

フードを外す。露わになった顔は、凛とした雰囲気の少女の顔だ。
しかしそれは、怪しく光る赤い右目と、狂気に満ちた笑みによってまるで別物になる。
彼女は芝居がかった態度で両手を高く掲げ、虚空を見つめる。

「たとえば、このように」

「有り金全てを出せと、まあ脅すわけだ」

傍らにいた少女たちが、クロスボウを油断なく構え、スーノに向ける。

1881とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:57:30 ID:ubpUE1OA
>>1880
「…………成程。」

ザ……と足音が止まり、狂気をくゆらせた少女と両脇の少女を眼だけで追う。
その爛々とした右目を見ても、無表情に近い表情は曇り一つ見せない。

「すみませんが、金銭は持ち歩きません。
金目の物もこの杖だけですが、これも家宝なので易々とお渡しする訳にもいきません。
大変お手数ですが、他を当たって下さい。」

あまつさえ、律儀に断わりを入れる始末。
危機管理という言葉を成長の過程で欠いたのか、それとも……

1882とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:04:50 ID:5qQ1hKP.
>>1881

「まあそんなところだろうと思ったよ。金がある風には見えんし」

「それを奪い取ったところで売り捌くツテもない。慌ててくれれば余興にはなったがそうもいかん。男という生物は退屈なものだ」

嘆かわしい、と彼女は大げさな仕草で首を横に振り、手を下す。
それを合図に、少女らはクロスボウを下げて。

「ステージの観客からは失望のため息が聞こえてきそうだ」

「役者としては背筋の凍る思いである。恐ろしい」

再びフードを被りなおす。
彼女の顔は隠れ、右目の光が殊更目立って。

1883とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:11:07 ID:7rGLUcro
>>1882
「退屈だとはよく言われますが、僕には理解に難い様です。」
男の中でも、殊更役者に向いていなさそうなタイプだ。彼女から言わせれば。

「……ですが、先程のは如何でしょう。
冗談にしては、少しやり過ぎの様に感じます。
それとも、もし本当に僕が金銭を持ち合わせていたら、奪ったのですか?」

尚も冷静沈着そこにありと言った態度で、フードを被り直す少女へ向いて問う。

1884とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:18:29 ID:5qQ1hKP.
>>1883

「私の姫君は借金で縛られた身。女の身で簡単に稼げる額ではない」

「彼女たちの姉上、そして私の姫君をこの手に抱くためには、手段を選んではいられない。そういう訳でね」

そのため、夜盗と化して金品を巻き上げている。
もうすでに何件かこなしていることだが、わざわざそこまでは言わない。

「つまるところ、金があるならば拾う。それだけのことだ」

「おっと。坊主だからと面倒なご説教は御免こうむりたい。正論には興味がないのでね」

肩を竦めながら、彼女はそう語る。

1885とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:26:10 ID:PjGZMxw2
>>1884
「……そこまで周到になれるのなら、賞金首を駆る方が早いんじゃないだろうか?」

思った事は口にしてしまう性分。
彼女なりの美学なり規律なりがあったりするのだろうが、その辺りは眼中の外である。

「一先ず君達は困っている。それだけは分かった。
説教をするつもりは無いが、誰かを襲う事に関しては見過ごしておけない。
それにそんな悪因を作っても、悪果が帰って来るだけだ。

……と言われる事をしてまででも、君達はやるんだろう?」

1886とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:33:58 ID:5qQ1hKP.
>>1885

「賞金稼ぎねぇ。なかなかいい着眼点だ。小銭を拾うのに飽きたら考えておこう」

「だが私は繰り返すが男が嫌いでね。悪党というのは大体がむさくるしい男だ。少しばかり、相性が悪い」

そうも言ってばかりはいられない。
それは彼女自身が言った通りである。彼女はため息をついた。

「因果応報か。誰も彼も因果の滑車を回してしまう!」

「ならばそれも良い。私は私の因果故に滅びるだろう」

「――だが、それはまだ先だ。私はすでに”前払い”している。悪果の前払いをしている。故に悪因をどれだけ重ねようが、それに届くまではこの身は焼かれぬというわけだ!」

「前世に遡られては理不尽という他にないがね。納得せんぞ」

愉快気に笑う。
彼女の言う前払いというのは、どういう意味なのだろうか。

1887とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:39:56 ID:5tnsCKlE
>>1886
「賞金首と言っても、人の限りではないからな……。
特に僕達一家は魔物退治を生業としている。その中のも居るんだ、云わば"札付き"が。」

彼もまたその魔物を追っていた途中だったのだが、取り逃がした訳で。
ある意味、お互いがハズレのクジを掴まされた様な結果になった。

「……先程も言ったが、それは君と因果との約束だ。
出来る限り、他人は巻き込むべき物じゃない。
……しかし、なりは若いのに随分と背負う物が多いんだな。
その子達も君の協力者みたいだが……厭くまで主体は君だろう?」

やはり気になった前払い、という言葉。
先程彼女が告げた"姫"と何か関係があるんだろうか……と考える。

1888とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:46:16 ID:5qQ1hKP.
>>1887

「見ればわかるだろう。私は怪物相手には少々分が悪い」

彼女自身の力は不明だが、彼女は恫喝するのに、少女の構えるクロスボウを使った。
クロスボウの一撃で死ぬ人間、それも、比較的軽装備の人間に限るのだ。

「ああ。私は私の意思で動いている。ほかの何者もそれには干渉しない」

「うん? 彼女たちかね? ああ――簡単なことだ。彼女たちは人形だよ。物言わぬ人形だ」

俄かには信じがたい話だが、彼女は傍らの少女を人形だと話す。
先ほどから一言も口を開かないのはそのためだとも。

1889とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:52:55 ID:KDsBzB9k
>>1888
「……早計だった。すまない。」
小さく首を横に振り

「だがそれでは、尚の事先の危険は増すんじゃないか?」
少し困った様な表情をして見せ、左手を顎に添えた。

「干渉もされたくない、と。
…………人形だったのか?」
素直に驚く青年。
その所作はどこを取っても少女を人形だと悟らせないほど、彼にとっては精巧に見えたからだ。

1890とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:58:50 ID:5qQ1hKP.
>>1889

「良い出来だろう。いい拾い物であったが、あるいは彼女達は神からの贈り物だ」

「私の無謀を、神は助けてくれたものと確信している。故に、彼女らの姉上を助け出すことが急務であるともね」

少女らの頭を乱暴に撫でる。
少女は何のリアクションもしない。

「さて――すまないが、私は男と長々と話している気はあまりない」

「男はケダモノだ。私はケダモノが恐ろしくて仕方がない。私の四肢を食いちぎり、目玉を潰した野獣とはね」

「君が同類だと言いたいわけでは、ないがね……ふむ。観客はあまり納得いかないようだが、これも台本の内だ。失礼しよう」

「ではごきげんよう。次に会うとするならば、金貨の詰まった革袋をご持参願いたい」

大きく笑って踵を返す。
少女らもそれに続き、その内の一体は、スーノを監視するようにしばらく気にしながら歩いていた。
こんな仕草も、全て――あのコートの少女が操っていることなのだ。

//では、こんなところで。おつきあいありがとうございましたー

1891とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:13:28 ID:sj5xn5S2
>>1890
「蜘蛛の糸……か。」
彼女の芝居じみた言い回しは、彼が理解するのを苦手とする言葉の類である。
故にあまりはっきりとした事は分からなかったが……

「すまないが、四肢を食う趣味は無いし金貨は余り持ち歩きたく無いな……」
しかし、はっきりと言えるのは、彼女らが根っからの悪人でないという事だった。

3人が完全に消えた後、突然何かを思い出した様にして彼もその場から去って行った。

//おつかれさーん!

1892とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:23:03 ID:TgAiaBCk
――王都 『永崎屋』

4月馬鹿も過ぎ、4月7日、細かな硝子工芸品の製作販売を行うこの小さな店も、いよいよこの日を迎えることになった。
丁稚奉公による子供の雇用である。彼らは能力的に何ら必要とされるわけではなく、給金も皆無の場合が殆どである。
彼らは住み込みでこまごまとした労働を行い、対価として衣食住と技術を得るのである。

この日、女主人、永崎鐘に対して、カバン一つで挨拶に来た少年の名はキャルヴィン・フィルポッツ。
まだ6歳ながら、その目や雰囲気には、幼くして親元を引き離されたという動揺が感じられず、それどころか
どうにかここまできた、と安心しているような様子でさえあった。

「これからお世話になります、キャルヴィン・フィルポッツです。どうかよろしくお願いいたします」
「ませた子供じゃな。私は永崎鐘――まぁ、頑張って働いてもらおうかの」
「はい、頑張ります」

これは何かのびっくりで、中に大人が入っていそうな落ち着きぶりだ。
鐘は平静を保っているが、内心は動揺している。
傍らにいるであろう刹忠のリアクションは、さて――

1893とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:32:43 ID:z/XDDwys

「おぉ、これまた落ち着いた少年、でござるなぁ。」

【そんな少年の立ち振る舞いに感心しているのは和装の青年だ。
ただし、下は通常のズボン、和服も腰の辺りで仕立ててあるという奇妙さである。】

「一時はどうしようかと相談していたでござるが、心配はなさそうでござるな。」

【こちらに来るキャルヴィンの年などを聞いて、どうしたものかと
相談したものだが、それは杞憂に終わったらしい。】

1894とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:43:27 ID:TgAiaBCk
>>1893

「そちらは……旦那様で」
「まぁ、そういうことになる。んむ。まだ色々あって内縁の、がつくんじゃが」
「なるほど。改めて、よろしくお願いいたします。

刹忠に向けても、彼は深く頭を下げた。
奇妙なほど手がかからない。それはそれで問題にもなりうる。

「とりあえず――2階の空き部屋が奉公人の部屋じゃ。お前しかいないから、ぜいたくにも個室になるんじゃがな」
「すぐにその過ぎた幸運も返上になると思います。奥様」
「くふ。プレッシャーをかけられてしまったんじゃよ。とりあえず、荷を置いてきなさい。戻ってきたら、適当な仕事を任せるから」
「はい。早速ですね」

クスクスと楽しげに彼女は笑う。
商家の三男坊。その立ち位置が、過酷だった故に彼という人間が出来上がったのだろう。
少年はもう一度頭を下げてから奥の階段を上り、入ってすぐの空き部屋を見つけるだろう。
丁寧にも、部屋の戸には【奉公人寝室】という張り紙を用意したのだから。

「……ふーむ。手がかからんというのは、拍子抜けじゃな」

1895とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:55:06 ID:z/XDDwys

「うむ。刹忠と申す者でござる。
以後、よろしくおねがいするでござるよ」

【こちらも軽く挨拶をして、二階へと上がってく少年を見送った。】

「吉と出るか凶と出るか楽しみでござるなぁ。
あ、いや、吉と出ないと困るんでござるな。」

【そのリアクションを楽しみかけてしまったようだ。
それではいかんと自身のデコを叩いて見せた。】

1896とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:05:00 ID:TgAiaBCk
>>1895

「私は、てっきり生意気なはなたれ小僧が来ると思っていたんじゃがな」

「まぁ、教えることは沢山あるじゃろうな。しっかりした風に見えるが、字は怪しいとみてよさそうじゃ」

「計算も指を使うと踏む。ふふ、”そろばん”の成果を見せるときがきたもんじゃな、旦那様」

その手の教育の担当は、以前話したように刹忠の役割となるわけだ。
しっかりしなければ、自身の威厳にかかわるというわけで、その威厳は、どうしてもなければならないのだ。
否応なく、鐘と刹忠の二人は、この6歳の少年の上に立つことになったのだから。

そんな話をしていると、少年が戻ってきた。
鐘は早速彼に仕事を与える。

「いきなり職人の技術を叩き込むわけにもいかんし、掃除も色々と注意しなければ割りたい放題になるのは目に見えておる」

「というわけだ。まずは2階の掃除。つまりは自分の暮らすことになるスペースを掃除してもらうぞ」
「はい。わかりました」
「道具はそこじゃからな」

彼がモップだの雑巾だのバケツだのをつかんで、早速再び二階に戻ったのを確認して、ため息をつく。

「仕事をどう割り振るかも、決めなきゃならんわけじゃなー……」

よろよろと店舗スペースのカウンターに。
刹忠にもついてくるように、手でくいくいと袖を引っ張って。

1897とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:17:25 ID:z/XDDwys

「むむ……拙者に威厳を求めるのは酷でござるよ。」

【そういう風に言われて、少々、臆している。
無論、教育は永崎によって施されていたが、自信が無いのは確かだ。

剣の腕ならば、これほど苦心する必要もあるまい、と。
剣をそろばんに持ち帰れば、彼も形無しと言ってもよい。】

「ん〜……まぁ、頑張るでござるよ。」

【袖を引かれると、それに応じた。

やはり、ここが今まで商売を行っていた永崎との違いか
いまいち、主人らしくは振舞えていない。

というよりも、いつもの刹忠だ。】

1898とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:21:33 ID:TgAiaBCk
>>1897

「日中を通して客がそう多くは入らないというのが、多少の救いじゃな」

客が少なければ、それだけ考え事に時間が回せる。
この店が多少忙しくなるのは、学校の始まる前と終わった後。
可愛い物好きの女学生が、こまごまとした物を求めてやってくる。
立派な皿や器が欲しいお金持ちなんかは、手紙のやり取りと代理人の派遣で済ませてしまう。

「この割れ物の要塞と化している売り場を、どう6歳児の小僧に任せるか」

「――小物程度なら大した損害にもならんのじゃが、皿なんかを割られると貧血を起こしてしまうじゃろうなあ」

人を使うというのは、何とも難しい話なのだ。

1899とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:30:18 ID:z/XDDwys

「うむむ、確かにそれは困るでござるな。
拙者も剣を持つ故にいくら、身の一部といえど緊張はしたでござる。」

【確かにそれでは大損害である。
剣士は己の得物も含めて、自身の体としているが、その刹忠でさえも
永崎の店を訪ねたときなどは人一倍、気を使って身体を運んでいた。

自分でさえこうなのだから、キャルビンにしても同じであると。
だが、いくら落ち着いているとはいえ、相手は子供だ。

やはり、不安が残ることにはまちがいはない。】

1900とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:42:52 ID:TgAiaBCk
>>1899

「……これは私がくっついて掃除を教えんといかんようじゃな」

普通の店ならば、それは先輩の奉公人が行うことである。
しかし、受け入れがこれで初めてとなるこの店では当然それは不可能なことだった。
一寸、刹忠に任せてみようとも思った鐘だが、より安全策をとったのだろう。

「んー……なんじゃな」

「順調に進めば、店を大きくすることも可能かもしれんわけじゃが」

「そうなればなるほど、二人の時間がなくなってしまうわけじゃな――」

困ったように笑って、それから刹忠を見上げる。

1901とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:52:18 ID:z/XDDwys

「その方がより安全でござろう。
拙者も、流石にここの全ては把握していないでござる、からな。」

【どうあっても今のところ彼は同居人である。
本分は剣を振るうことなのだから、クエストに出かけることもある。

とはいえ、最近はそろばんの教授などあり、減ってはいるのだが。】

「…………。」

【その目をじっと見つめて、少しばかり間が空く。
だが、その間は彼が浮かべた微笑によって、破られた。】

「今が、踏ん張り時やもしれんでござる。
この店が大きくなって、さらに安定すれば、時間は出来てくるでござるよ。」

1902とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:03:04 ID:TgAiaBCk
>>1901

「――そうか。そうじゃな」

ここが正念場。
確かにそうかもしれない。この一年は大きな意味を持つ。
また、近い将来、正しくこの店の後継者が誕生するかもしれないという期待もある。

「だが、その時は、お互いに年寄になってる、なんてこともあるんじゃな」

「老いての楽しみも素敵じゃが――若いうちに、出来る楽しみは、出来るだけ楽しんでおきたいものじゃな」

それは容易なことではない。
それをわかってはいるが、それでも、出来うる限りは――。
そんな、欲張りな彼女の願いであった。

1903とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:11:17 ID:z/XDDwys

「それは……無論、でござるな。」

【それも承知はしているようだ。
こうして丁稚を取ることも、後々にラクになるためのものでもあろう。

ずっと、彼からすれば主人としてずっと店を切り盛りしていた永崎に楽をさせ
年頃にするべきであった遊びをさせてやることも、ある種、責務だと考えているのかもしれない。

それに剣の修行に身を置いていた彼も例外ではないのだ。】

「若いうちに出来ることはしなければ、後悔しても遅い、でござるし。」

【その欲張りな願いも叶えようと努めるのもある種の甲斐性ではないか、と。】

1904とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:19:56 ID:TgAiaBCk
>>1903

「――んでは、一緒に考えてくれるじゃろな」

「今後の、かわいい丁稚君をどう扱うか……」

くふふ、と笑みを浮かべて。
彼のポテンシャルは高そうだが、それが花開くのは10年、彼が天才ならば5年の歳月が必要だろう。
それまでは、彼は単純労働のための人足でしかなく、だからといってずっとそれに従事させていては、ずっと単純労働者というだけ。
なかなか、難しいものなのだ。

「せいぜい頭脳労働をするんじゃよ」

店のカウンターで二人、うんうん悩まなければならない。
そんな事態に、鐘は刹忠を引き込んだのである――。

//ちょっと早いがこんなところで!

1905とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:30:54 ID:z/XDDwys

「……心得た。
拙者も協力をするでござるよ。」

【二つ返事でそれを了承するが、彼の中では少し複雑な思いが渦巻く。
それは不満とかそういうものではない。

間違いなく、この先、この店は大きく動く。

それに永崎だけでは手に負えない部分が出てくるであろう。
そうなった場合、協力するのは彼が主となるであろう。

となれば……ますます、自分が欠ける訳にはいかない。
故に――――そろそろ、覚悟を決めるときが来ているのだ、と。

剣か……それとも。FO】

//了解です。お疲れ様でした!

1906とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:17:18 ID:7ofKJ1z6
−前回までのあらすじ−

半魔の身体を作らな、と胡散臭い男に言われて材料調達に奔走するモノ一人。
小さな島に隠された大きな秘密の先っちょ位に触れてなんだか妙なことになりつつある。
とりあえず目的の魔力結晶は手に入ったので建物の外に出るべきだと思うが…

しかし囚われの竜を開放するってどうやったものだろう。

1907とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:22:58 ID:YuCR4Oms
「…………後には引けないってこの事を言うのかしらね。
全く、これじゃ隷属みたいな物じゃない。」

首筋の左寄りを手で押さえながら、やれやれと言った風に呟く浅葱色の髪の女性。
押さえている場所の丁度下あたりには、例の契約の印が刻まれている。

「(…………痕が残ったらノルにどうやって説明したものかしら。)」
まず眼に咎められる機会も定かでは無いが、三白眼でよそを眺めながら考え事をしている風だ。

1908とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:28:27 ID:7ofKJ1z6
>>1907
とはいえ物理的にではなく魔術的に刻まれた刻印だ。
現状、魔術的視覚でしか見ることも叶わないので普段の生活に問題はない…だろう。
まあ、お供の半魔は現状魔術的な要素に傾いているので気づく可能性大だが。

何はともあれ材料はそろった。
あとは胡散臭い男がなんやかんやで身体を作るのだろう。

1909とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:30:12 ID:YuCR4Oms
>>1908
「…………"アレ"も何処まで信用して良い物やら。」

とはいえ、愚痴を零しても始まらない。
兎に角今は、レンの体を作る事……即ち、魔力結晶を届けるのが先決だ。

来た道を逆へと辿り、皆の下へと帰る路を進む。

1910とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:39:24 ID:7ofKJ1z6
>>1909
男「お、帰ってきたね」
半「おかえりなさいー」

野外で苦労も知らず外でのほほんと
背が高く面長でヒトの良さそうな青年と
なんか全体的に透けてる長髪の娘が迎える。

男「どうやら無事持ってこれたようだね。さて、次の段階に移ろうか」

1911とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:41:00 ID:YuCR4Oms
>>1910
「…………。」

何を思ってのジトっとした視線かは分からないが、それで全員を一瞥した後

「さっさとして頂戴。」
ぶっきらぼうに、男の胸元へと魔力結晶を押し付ける。

1912とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:53:09 ID:7ofKJ1z6
>>1911
男「了解了解。すぐに取り掛かろう」

そういうと男は風呂敷のようなものを広げ、
そこに結晶や毒々しい色の液体、粉末、乾燥した何かの葉や根を置いていく。

半「…」

何が起こるのかなー、と期待に満ちた感じで半魔がその様子を見ている。

1913とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:56:22 ID:YuCR4Oms
>>1912
「…………。」

フンと小さく鼻を鳴らし、服の肩口を少し上げてから岩へと組み足で腰掛ける。
腕も腰の辺りで組ませ、男の動向を監視に近い視線で眺めている。

1914とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:00:20 ID:7ofKJ1z6
>>1913
男「そしてこれを…」

並べた道具を風呂敷に包みこみ…

男「こうしてこうしてこう!」

ドカン、ガシャン、バリン、グシャ!!
と、風呂敷を振り回し地面や岩やらに叩き付ける!!

半「おぉぅ…」

コレには流石の半魔も苦笑…ドン引きである。

1915とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:05:49 ID:YuCR4Oms
>>1914
「……………」

人の苦労して取って来た道具に何て事を。
と言いたい所ではあったが、変に噛み付いて話が長くなっても面倒だ。

なんとも言えない表情で見守る事にする。

1916とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:07:38 ID:7ofKJ1z6
>>1915
男「よし、みんな離れて!」

といって風呂敷を投げ捨て駆け出す青年。

半「え?」

事態が呑み込めず棒立ちの半魔。
投げ捨てられた風呂敷から白煙があがり、妙な震え方をして輝きだした!!

1917とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:14:19 ID:YuCR4Oms
>>1916
「な………ッ!?」

あまりにも普通えないその風呂敷の反応にぎょっとし、それから背を向けずに大きく後ずさる……


「って、ちょっとレン!?」
が、約一名呆けているのに足が止まった。

1918とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:17:41 ID:7ofKJ1z6
>>1917
ずどーーーーん!!

船乗りA「ああ、また爆発だぁ」
船乗りB「おそろしやおそろしや…」

島から離れた海原で船乗り達が島から立ち上るきのこ雲を見たそうな…

半「ほぎゃー!?」

そして爆心地で半魔が被害をこうむっていた。

1919とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:23:30 ID:YuCR4Oms
>>1918
「………れ、レン!?
レーーーーーーーーン!!!!」

並大抵でない爆発。
咄嗟に爆心地へと空の手を伸ばし、名前を叫ぶ。

1920とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:29:27 ID:7ofKJ1z6
>>1919
男「いやあ、少し張り切りすぎたかな」

いつの間にか隣に立ち、
柔和な笑顔でいい汗かきながら青年が言う。
一切の罪悪感を感じられない!!

半「はらほろひれはれ…ほへぇ」

爆発が収まり視界が開けたあたりで、
目を回しよろめきながら半魔が現れ地面に突っ伏した。

1921とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:30:58 ID:YuCR4Oms
>>1920
「(コイツ…………いつか殴る。)」

八重歯を剥き出しにする程歯を噛み締め、恨みの籠った視線を送るメルフェ。

「ハッ………レン!」
爆煙の中から眼を回しているレンを発見するや、男をそっちのけで駆け寄る。

1922とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:35:56 ID:7ofKJ1z6
>>1921
半「か、身体が吹き飛んで…
男「いや、それはもうだいぶ前に起きたことだよ?」
半「そうでした……ぐふぅ」

ボケをかますあたり未だ余裕はあるようで。
周囲は爆発によって浅いクレーターとなっている。
そして爆発の中心には虹色に輝く砂の山が築かれていた。

男「うんうん、いい感じに出来上がったなあ」

1923とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:40:43 ID:YuCR4Oms
>>1922
「レン……ああ、なんて事……。」

「ちょっと、一人で納得してないで説明なさい!!」

とうとう耐えかねたのか、男へと噛み付く様な形相で胸ぐらを掴む。

1924とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:47:07 ID:7ofKJ1z6
>>1923
男「ん?説明?具体的には何が聞きたいんだい?」

胸ぐらを掴まれたまま余裕綽々で青年が問う。
悪気は一切ないのだろう…

半「…」

突っ伏したまま顔だけあげて成り行きを見守る半魔。

1925とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:49:57 ID:YuCR4Oms
>>1924
「貴方、わざとレンを巻き込む風に投げたんじゃないの?
先程からの行動の理由、一から十まで説明しなさい。
さもなくば……………もぐわよ。」

何を、とは言わない。
が、目元が陰って見えない程の凄み。良いチンピラである。

1926とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:54:15 ID:7ofKJ1z6
>>1925

「いや、一人暮らしが長いせいか周囲に気を使うといった事がどうにもおろそかになってしまってね。
 振り回しているあたりで、そういえばこれ最終的に爆発するんだったと思い出してね」

「えーっと、つまり?」

「すまない、注意を即すにはあまりに時間がなかったし、
 爆発も物理的な要素の方が強いからつい、雑な忠告になってしまった」

「まあ、油断していた私も悪いですし…お互いさまということで」

あっはっは、と笑う二人。

1927とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:59:38 ID:YuCR4Oms
>>1926
「………………。」

頭を抱えて盛大な溜め息を吐く。
どうしてこうも、危機感に乏しいんだろうか。……今更か。

「頓馬。」

と思いつつも、とりあえずレンに軽くデコピンをしておいた。

1928とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:04:10 ID:x8e1pQaw
>>1927
スカっとデコピンが空しく宙を切る。

半「あー、早く身体欲しいですねー」
男「デコピン好きなのかい?」
半「いや、デコピンは好きじゃないですよー?」

あほな会話を続ける二人。

半「それでー、あれをどう使うんですかー?」
男「ああ、後は君次第だよ、レン」
半「…はい?」

1929とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:09:42 ID:HbeHlMpU
>>1928
「くっ………!」
行き場を失った手が虚しく宙に泳ぐ。

「だから説明を…………はぁ、もう良いわよ。
それで可能性としては戻せるの、戻せないの、どちら寄りなの?」

1930とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:19:38 ID:x8e1pQaw
>>1929
男「まあ、いうよりも実際に現象を見せた方が早いだろうから」
半「はいー?」

そういうと青年は虹砂をすくい上げ半魔へとばらまく。

半「わわっ……おぉう?」

意味のないことであるが、咄嗟に落ちてくる砂から目をかばおうと翳した
半魔の手に砂が触れて留まる。


「この砂は君の魔力に反応する。
 君が独自に作り上げていた身体と然程理屈は変わらない。
 しかし姿を維持するための魔力消費は遥かに少ない」

「成程〜…つまりこれを使っているうちは消える心配はない?」

「ああ。より使い方に磨きをかければ戦うことも負担にはならない」

1931とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:24:35 ID:HbeHlMpU
>>1930
「…………貴方を誤解してたみたいね。」

摩訶不思議な砂だが、レンの魔力に合わせて作った物。
つまり、彼女の魔力の何たるかを把握していないと出来ない芸当だ。
だとすれば。

「……余計に怪しいわ。
貴方、何者? ……たまたまここに居ただけなの?本当に。」

1932とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:29:43 ID:x8e1pQaw
>>1931

「勿論此処に居ただけだよ、僕は。
 訪ねてきたのは君達の方だろう?」

「そうですねー。メイに言われて来た訳ですから」

「まあ、前から色々と見させてはもらっていたけども」

謎がとかれるのかどうかは…次回に続く

1933とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:36:51 ID:HbeHlMpU
>>1932
「……………。」

言われての事とは言え、何とも納得がいかない。
思えばこの島に来てからそうだったが……兎に角次回につづくのであった。

1934とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:39:38 ID:khyoA9nc
――― (魔境である)ジグザール王都(の中でも治安が悪い事で有名な)森 ―――

「――――ユニコーンの毛、竜の血で穢れし短剣」

暗い暗い森の中、一人の少女の声が響く
ぽっかりと空いたとあるスペースに描かれた銀色の五芒星の魔法陣、4隅に置かれている柱の上には緑色の炎が置かれ
辺りを緑色に照らしている

そしてそんな魔法陣の中央で、一人怪しげなローブ姿の人物(小娘)が何やら怪しげの真っ最中
古い革表紙の本を片手に、呼応した物品を魔法陣の中央に置くと 不思議とその物品が消滅する

1935とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:44:26 ID:x8e1pQaw
「…」

赤い頭巾を目深に被り、編上げブーツを履き、
左手にバスケットを持ち歩く金髪碧眼の娘がふらり、とその場を訪れる。
その左手には艶の無い黒骨製手甲が装備されている。

1936とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:45:52 ID:wcbSBu1c
>>1934
そこに、何やら声がかかった。

「これは如何なる祭事かな――」

声の方を見れば、森の奥、赤い光が見える。時折緩やかに明滅するそれは、段々と近づいてくる。
光が近づいてくると、それはどうやら人型をとっていたことがわかる。光は人間でいうなら右目の位置に存在している。
さらに近づいてみれば、何のことはない、薄手の黒いコートに、フードを目深にかぶった人物であるというだけだ。
右目はおそらく、機械式の義眼ないしは魔術による光であるとわかる。

「なかなか愉快げだ。観客たちも期待に固唾を飲むことだろう」

「さて。私のアドリブでこの舞台はどうなることやら」

コートの人物は、自分のほかに三人の少女を連れている。
幼い双子らしい少女と、それの姉らしい、少しだけ大人びた少女。
双子の少女は表情がなく、姉らしき人物は、無表情であろうとしていることがわかる。

1937とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:50:11 ID:khyoA9nc
>>1935-1936

「―――若者の血を吸い続けた、血の苔……」

突如現れた5人の人物に意を介さず、重々しい雰囲気の中儀式を続ける
毒々しい黒色の苔を瓶から取り出し、魔法陣の中央に放り込むと
銀色の魔法陣が一点、どす黒い光を放った

見た限りで、普通の魔法を行使しようとしているわけではない
もっとどす黒い何かを呼び出す、そんな魔法陣だ
まだ若い少女だが恐らく、何かしらの闇を抱えているのだろう

「――――――老火竜の、逆鱗……」

「は、無かったので火トカゲの干物で代用」

そしてすぐにそれはぶち壊された

1938とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:55:37 ID:wcbSBu1c
>>1937

「――。」

ぽん、と手を打つ。
今まで無視されたことはなかった。「そういうこともあるのか」という新鮮な感動を得たのである。
とはいえ、「邪魔だ」というリアクションすらない。おそらく、この工程が終わって初めてアクションがあるとみていい。
となれば、これを見学している分には現状問題ないということだ。コートの人物はそう判断する。

「魔女の儀式をそっと待つ役割ということだな。結構結構」

うんうんと満足げに頷き、もう一人人物がいることに気が付く。
都合、興味の対象は一時的にそちらにシフトする。

>>1935

「おや、そこにいるのは赤頭巾ちゃんというわけだ」

くつくつと肩を揺らして笑う。

「お使いは終わりかな? 狼を退治したところだろう。寄り道はいかんな――それも、魔女の鍋を見に来たと?」

「まぁいい。好奇心は大事なものだ。赤頭巾。君はこの魔女の鍋をどう見るかな?」

さてこっちは何かリアクションしてくれるだろうか。

1939とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:57:14 ID:x8e1pQaw
>>1936>>1937
「っ…、……」

代用品が出てきたあたりで一人ズッコケそうになる。
しかし頭を振って、バスケットを右手に持ち替え左手を小娘へと翳す。
艶の無い黒骨製手甲に紫炎が灯り、ォォォオと地から響くような妙な音を出し始める。

この手甲、型が古く、それ故に特定の集団にはよく知られているモノでる。
正式名は不浄の左手、通称『魔女狩りの手』とも呼ばれている、ある人物が使っていた代物だ。

1940とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:58:09 ID:x8e1pQaw
>>1938
エウノモスを一瞥すると小娘へと向き直り左手をかざしている…

1941とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:05:35 ID:khyoA9nc
>>1938-1939
「覇王の名を持つ仙人の掌の持つ 可憐な紅色の花」

「……投入」

数人のギャラリーに相変わらず気にもとめず、もう一人は自分に危害を加えようとしているにも関わらず
覇王樹、そして仙人掌と呼ばれる植物に咲くという紅い花を、そっと魔法陣に乗せた
なおどちらも『サボテン』と詠むもよう

「―――――穢れ無き、少女の血……」

「必要な量が多い、 生理食塩水で充分であろう」

王都立病院の物と思われる瓶の中から透明な液体を魔法陣の中央に注ぎ込んだ
魔法にちょっとした心得があるものならわかるだろう 血とは魔法の材料として使ううえで特別な意味を持つ者だと
つまり下手なもんで代用しちゃ駄目だと言う事を

1942とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:11:24 ID:wcbSBu1c
>>1939

「待ちたまえ。ロクに言葉も交わさずにソレでは観客も興ざめというものだ」

「大体君に何の大義名分があるというのかね? ぜひお聞かせ願おう」

少女の肩を掴み、止めようとする。
伸ばした右手は義手によるもので、鋼が使われている。

>>1941

「……」

魔術には決して明るくない。
明るくないが「それはいいのか」という、理性の欠片がこの人物をつつく。
しかし、それをあえて口にすることもしない。そんなメタ的な視線からの発言は、まさしく役者がするべきことではないからだ。

「さて。何が起こるやら」

自分に危害が加えられそうな状況下なのに、この集中ぶり。
それほどまでに行いたい儀式なのだ。期待もする。

1943とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:16:54 ID:x8e1pQaw
>>1941
「……はぁ」

溜息と共に紫炎が掻き消える。
両腕をだらりと垂らしやる気なさげに様子を見守ることにした赤頭巾。

>>1942
「…」

肩に伸ばされた手を見た目とは裏腹に強い力で振りほどく。
エウノモスを見る其の目は冷めている…

魔女と称されるものの間でやっと3割程度のモノが知る話であるが…
かつて魔女狩りの手を使っていた人物は魔女であり、
三人の従者の裏切りによってその魔力を失い封印されたという。
当然その持ち物も何かしらの処分が行われたであろうが…

1944とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:20:38 ID:khyoA9nc
>>1942-1943
「そして最後の贄………」
「闇に堕ちた若人を、魔法陣に捧げよ…… ふむ……」


「……………」

魔法陣を描き、色々と捧げ
どうやら最終段階に辿り着いたようすの少女
今ようやく、本から顔を上げ、赤ずきんとエウノモスに向き直り 意味ありげに笑った

1945とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:24:25 ID:wcbSBu1c
>>1943

「おお、恐ろしい赤頭巾もいたものだ」

肩を竦めて、やれやれと手を広げる。
突っついていけば楽しめそうだが、今は大人しくしておく。
そんな打算が彼女にあった。あくまで興味の中心はそこの魔女だ。
二兎を追う者は一兎も得ずというわけである。

「おつかいの帰りというわけでもなく、後日談の存在というわけだ」

「グレてしまった赤ずきんというわけだ。さて何が足らなかったのか――」

とはいえ、そんな事を言って一人笑うことはするだが。

>>1944

「ほう。なるほど、ここで我々ということか。闇に堕ちた若人、その適任者がいるではないか!」

彼女が白手袋に包まれた右手で持って指し示すのは、赤頭巾だ。
自分より年下、赤ずきんなのにずいぶんと穏やかならぬ態度。”闇に堕ちた若人”として見るに相応しい。

「とはいえ、それに協力するような殊勝な輩ではあるまい」

「どうするのかね、魔女としては」

お手並み拝見といくというわけだ。

1946とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:32:48 ID:x8e1pQaw
>>1944>>1945
「…」

バスケットを無造作に手放すと、ゴシャァ!と重々しい音を立てて地面にめり込んだ。
それを軽く蹴り転がすと鉈やら斧やらナイフやらが転がり出てきた。
ガン、と手近な得物を蹴り上げ手にする。
先端がL字に折れ曲がった鉄の棒、バールである。

1947とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:36:26 ID:khyoA9nc
>>1945-1496
「フッ…… それもそうであろう、誰が好き好んで生贄などとなる?」
「見返りも無しに誰が命を投げ出す? 安心するがいい、我は懸命だ」

「我は悪の魔法使い、王都の月を破壊せんともくろむ者」
「さぁ魔法陣の上に膝着くがいい!今なら我が下僕の中でも高位の役職をくれてやろう!」


悪くない話だろう?とばかりににんまりと笑う魔法使い
要約すると 「生贄になってくれたら自分の家来にしてやろう」 こっちに対してメリットも糞も無い話だった

1948とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:41:27 ID:wcbSBu1c
>>1946-1947

「ほほう」

言っていることはスケールがでかいばかりで良くわからない。
が、それがメリットでも何でもない事ぐらいはわかった。
コートの人物は横目で赤ずきんの様子を見て、ため息をついて言う。

「しかし、赤頭巾は怒ってしまったようだが」

「刃物がいくらでもあるのに、結局取り出すのはただの鉄の棒。鈍器というわけだ。つまりそれぐらい頭に血が上っているのだろう」

「魔女よ。君の命の方が危ないのではないかな?」

行く末を見守ることにした。
あるいは漁夫の利狙いの鳥といったところか。

1949とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:44:59 ID:x8e1pQaw
>>1947>>1948
「…」

口は開かず、相手を射抜くような鋭い目だけがモノを言う。
曰く『ふざけてんじゃねえぞ、奥歯にバール突っ込んでガタガタ言わせたろうかぁっ!!』
両足を開き、腰を低くし、左手より再度紫炎が発せられる。
両手で構えるバールにも炎が纏わりついていく…

1950とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:50:19 ID:khyoA9nc
>>1948-1949
「どうも我の思考についていける事ができる知能の持ち主はこの場にいないようだ」
「わかりきったことだが何とも嘆かわしい、怒りとは最大の無知、無知は罪だというのに……」

頭に血が上っている赤ずきんに、それも今にもこっちを殺したくてうずうずしている赤ずきんに臆さず、
さらに馬鹿にしたような態度をとった
多分この少女も罪深き存在なのだろう。 怒っている相手にしちゃいけない事をしらないという意味での無知で

「ふっ…… こうなっては仕方があるまいな」



「最後の贄こそはと思ったがこちらも代用品を探すまでよ しばし待っているがいい」

ごーれっつごー と掛け声と共にスタコラサッサとこの場から去った
逃げた?

1951とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:52:39 ID:wcbSBu1c
>>1949

「これは、私も防衛を考えた方がいいということだろうか」

「気に入らないのならば立ち去ればいいだろうに。赤ずきんというのは偏屈な娘だったのだな。いやはや、勉強になったものだ」

赤い右目を激しく明滅させて、その場で両こぶしを握って構える。
それから、それまで何の行動もしていなかった双子の少女がクロスボウを取り出して、しっかりと構える。
もう一人の少女は、エウノモスの背に移動し、視線をコートの人物と少女、それから魔女の間を泳がせていた。

>>1950

あてにしていた一人がさっさと立ち去った。
何の儀式をしたいのかわからないが、代用品が多すぎやしないか。

「――なるほど。これはコメディだったか!」

何が面白いのか、構えた両こぶしを解いてぱんぱんと叩き、腹を抱えて笑う。

「いやあ、恥ずかしいやら気持ちがいいやら。真剣に舞台に躍り出た自分がバカバカしいな!」

余程面白かったのか、笑いはしばらく止まることがなかった。

1952とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:56:03 ID:x8e1pQaw
>>1950
「……」

ボウボウとバールが紫炎を纏って燃えている。
二度目の肩透かしに、イライラは募るばかり。
険しい目つきが更にきつくなった。

>>1951
「……」

取りあえずこっちに八つ当たりしようか、と半ば本気で考え始める。

1953とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:59:27 ID:wcbSBu1c
>>1952

「いつまでも真剣に怒っていると、それだけ観客からは馬鹿に思われるぞ、赤ずきんちゃん」

もう本人にやる気はない。
それでも、双子の少女は油断なくクロスボウを構えて牽制しているが。

「演目が気に入らないのならば退場したまえ。君の好きな悲劇の海に消えるがいい」

指を立てて、ちっちっ、と振る。

1954とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:02:38 ID:khyoA9nc
>>1951-1953

『いいいいいいいいんやああああああああああああ!!!』


エウノモスと赤ずきんが火花を散らすと、突如森の中に響く甲高い男の悲鳴
さらに服が裂けるような音が混ざり、妙にハーモニを奏でた

しばらく続いていた悲鳴が止み、茂みが揺れる音
目当ての物が見つかって満足そうな顔をした少女が何かを汚らしい物を持つかのような手つきでもち戻ってきた

1955とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:05:26 ID:x8e1pQaw
>>1953>>1954
「…!……」

暫くエウノモスを睨んでいたが、妙な叫び声に視線を向ける。

「………」

取りあえずこれ以上なんかバカをやったら容赦なくバールをブン投げようと固く誓うのだった。

1956とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:06:34 ID:wcbSBu1c
>>1954

「――!?」

男の声なのに甲高い。
何だ、何事だ。この奇妙なソプラノは。思わず面食らうことになる。

「さてどんな小道具を用意したのやら――」

さて何が起きているのでしょう。

1957とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:14:40 ID:khyoA9nc
>>1955-1956
「ククク、素直に待っているとは愚かではあるが見どころはあるようだな?」
「愚民にも一つや二ついい面はあるのだな、愚直という名のな」

さらにエウノモスと赤ずきんが素直に待っているのを見て気分をよくしつつ
何か汚らしい物を持つ手つきで持つ何かを、魔法陣の中央に放り込んだ

なんかバカをやること、それはほとんど確定事項だった
考えてほしい、男の甲高い声、そして服が破ける音 そっから普通の何かが起こるはずがない
魔法陣に放り込まれたそれはどう見ても男モノのパンツであった

「――――さぁ、穢れた存在を贄に捧げた! 我が眼前に姿を現すがいい!」
「アッサーラームサ!!アッサーラームサ!!!いあいあ!!!」

魔法陣の中央で、何か大声で呪文を唱え始める少女
中央から黒煙が立ち上り、ふと月の光に陰が刺した
角を生やした巨大な陰が、実体のない何かが少女たちを見下ろしていた

1958とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:16:53 ID:wcbSBu1c
>>1957

もう人ですらなくて下着だった。
あんなに妥協しまくりのアイテムで呼び出される存在ってなんだろう?
再び大笑いしながら儀式の行く末をワクワクしながら見守っていたわけだが、何やら本当に呼べてしまった。

「――おや?」

影はあれども姿は見えず。
さてはて。一体どんな存在なのか。

1959とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:20:01 ID:x8e1pQaw
>>1957
「!!」

容赦なく出現した何かに紫炎を纏ったバールをブン投げる。
何者であろうが、こんないい加減な召喚に応じた時点で突っ込みを入れずにはいられない。
些か、ツッコミにしては物理的魔術的に殺傷力が極めて高い。
実体がなかろうが構わないのだ、これは、その、なんというか遣る瀬無さを表したのだから!!

1960とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:26:43 ID:khyoA9nc
>>1958-1959
「さぁ今こそ!契約を!」
「我が宿敵月を破壊する、力を!」

宙に向け、片手をつきあげる少女
実態のない影のような物が手を上げ、少女の手と交差する
今まさに契約が、行われてしまった

かに思えた


影『―――――!』

赤ずきんにより投げられたパール
それが影の腕にクリーンヒット、契約を阻害した
さらに契約直前で不安定な状態だったのかみるみる薄れ、サイズが小さくなっていく影

「あ、ああぁ……!!!」

1961とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:32:29 ID:wcbSBu1c
>>1959-1960

綺麗に飛んでいく突っ込みバールは、なるほど実体なき影に直撃したらしい。
その証拠に、みるみる内に縮んでいったではないか。
あんなに妥協しまくったものでは、弱いのは仕方ないと言うべきか。

「――ッ!」

もう、声にならないほど笑って、木に捕まってバンバンと幹を叩く。
力の加減が出来ず、幹にどんどん傷がついていく。

1962とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:34:29 ID:x8e1pQaw
>>1960>>1961
「…」

なんかこう、この場を吹き飛ばすような物騒な得物はないかとバスケットをあさる。
状況があまりに混沌としていて本来の目的を忘れている赤ずきん。
今はとりあえず、このツッコミどころの多い空間にツッコミを入れねばと。

1963とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:38:35 ID:khyoA9nc
>>1961-1962

そして完全に、影は消え去り後はただの落書きと化した魔法陣が残るのであった
妥協に妥協を重ね、完成にこぎつけたが
残念な事に赤ずきんの一撃によって脆く失敗したのであった

が、魔法陣が不意に光を放ち、中央から何かを吐き出した
そしてそれを最後に、サラサラと灰と化し完全に消滅する魔法陣
後に残ったのは

『……………』クネクネ

『?』クネクネクネ

緑色の大量の触手が目立つ、ローバーと呼ばれる種族
生物に縁がある人間なら恐らく、草食性の触手と判断することができるだろう

1964とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:43:22 ID:wcbSBu1c
>>1962

「あー笑った……」

ようやく大笑いも収まった。
やれやれとぼろぼろになった木を杖にして体勢を治す。

「それで、どうするかね赤ずきんちゃん。君がこのコメディのオチをつけたも同然だが」

なお、すでに双子の少女のクロスボウも降ろされている。

>>1963

「おや。パンドラの箱では最後の希望が残ったが、愉快な魔女殿の儀式では最後に軟体が残ったというわけだ」

「何かに活用できそうですかな?」

そんな意地悪な質問もしてみたくなったり。
時折、思い出し笑いでぷるぷる震えながら。

1965とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:47:25 ID:x8e1pQaw
>>1963>>1964
「…」

バスケットから取り出したのはワイン瓶。
コルクを手甲のはまった左手で抜き取ると瓶口に布を詰めた。
そして左指に徐に灯した紫炎で着火。
ローバー目掛けブン投げる。

1966とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 23:52:40 ID:khyoA9nc
>>1964-1965
「…………」

『?  ?』クネクネ

「ふむ、王都を火の海に沈める事はできなさそうであるがこれはこれで……」

『……?』クネー?

からかっているエウノモス、そして火炎瓶を作り始めた赤頭巾に目もくれず、
じっとローバーを眺め、何やら気に入った様子

「ククククククク、面白い、面白い…… やはり悪者にはこうしたグロテスクな生物が必要だろう」
「さぁ来い我が下僕よ! これから手となり足となり働くのだ!」

『!?』クネクネクネ!?

触手の一本を掴むとひきずるようにしてローバーを捕獲、立ち去ろうとする少女
必死に抵抗するローバーだが力が足りないのか遠慮してるのか、なすすべもなく引きずられる


『!!!!!』クネー!!

そして赤ずきんの投げたワインを空中で掴むと、そっと地面に置き一安心
だがどこかへと引きずられ、そのまま姿を消すのであった

1967とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 00:01:49 ID:lJAjHvKM
>>1965

「ああ、恐るべきカクテルでの歓迎とは恐れ入る」

「あれはあれで愉快だったが、いやはや、これはこれで観客も面白がることだろう」

ばりん、とローバに引火してのた打ち回る。
そんなのを想像していたのだが――なんとキャッチしたではないか。
そしてそのまま引きずられるにまかされている。いや、本人(?)は抵抗しているのだろうが。

「……ああ、間違いない。観客は今まさに爆笑の渦だ!」


>>1986

「最後まで私宛のセリフはもらえなかったが、次の機会を期待するべきか」

ふふ、と何度もうなずいて。
またも何も得るものがなかったが、これはこれで気に入った様子。
少女達を引き連れて、自分もどこかへと消えることにしたのだった。

1968とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 00:06:06 ID:bbKNHit2
「…、………」

かぶりを振ってどこかに消えたそうな…



……
………と思ったが一度戻りワインを回収して帰ったそうな。

1969とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:41:42 ID:B1pOwQMQ
-王都 名前の無い画材屋-

「う〜〜ん、湿気が多いと絵の具のノリが……ぶつぶつ。」

やや長身で細身。
茶髪に赤いベレー帽の映える娘が、画材屋の奥でカンバスと向き合っている。

かつて絵師に身をやつした魔女が営んでいたこの店は、今は名無しの小さな画材屋として生計を立てていた。
やはり一定の需要は保てるらしく、商売も上がらず落ちずの平行線らしい。

1970とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:46:52 ID:BoA6Tf8s

「邪魔するぞ。」

と、少し遅い時間、ドアベルを鳴らして入って来るのはジーンズにシャツ、
黒のパーカーを被った完全普段着の傷んだ朱髪の青年。

彼は、以前とある魔女に係る事件に関わった人間であり――
時偶、と言っても月一か、その程度だが、仕事の関係か趣味にでもなったのか、
はたまた実家の孤児院にでも送っているのか――画材やら何やらを購入しに来る、

所謂ある意味でのお得意さん、である青年である。

1971とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:57:03 ID:B1pOwQMQ
「おや、いらっしゃい!」

愛想よく、奥のカーテンから顔だけ出して挨拶をする娘。
師を突然失い、独りとなったラファは、それでも持ち前の明るさと根気でひとり店を切り盛りした。
装いはさほど変わらない。だが少し背が伸び、大人っぽくなった。

「ボクに会いに来てくれたの?ジャキ!」

こんな冗談を口にする程度には。

1972とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:02:59 ID:9QgCroQk
「そうだ、と言ったらどうする?」

くす、と小さく笑みを浮かべてそう返す。
……彼は事件以来――何を思ってか、監視なのか、或いは心配からなのか。
本当に定期的にこの場に来ている、ともなれば少しは気心も知れる、というものである。

「画材やらを買いに来たんだがな。 
 この間、少しネオベイに行ったんで忘れない内に書いておきたい。」

特に、ここ最近は雰囲気がより柔らかくなった気がする。
髪の色だけが、剣呑な傷んだ朱だが。

1973とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:11:49 ID:pfi4hH/Q
「照れちゃうかな♪」
ウインクをしながら筆を軽く振り、番台へと歩いて来る。

「にしても、無理してここで買わなくても良いんだよ?
馴染み易い絵の具とは言え、他より高いのは確かなんだし。」

ここに買いに来るのは、基本的に絵を生業とする人間が多い。
ジャキがどこまで趣味にのめっているかは存じないラファは、ジャキがドロシーの件で気を遣っていると考えている様だ。

余談だがこの絵の具、その魔力適正から専門外の人間が買いに訪れる事もある。
理由は触媒。この絵の具を触媒にすると"色"が魔法陣に乗り易いのだ。
流石は腐っても絵画の魔女。これにおいては良い仕事をしたものだ。

1974とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:17:45 ID:9QgCroQk
「何なら、デートにでも誘うか?」
くく、と愉快そうに笑ってそんな冗談を言う。
こんな冗談を言える程度の仲ではいる、と青年の方は思っている。

「俺が買いたいからそうしてるんだがな、 ……それに仕事、の方で考えると質もかなり良いんだ。」
「陣……、魔法陣を描くのに、かなり適しててな、それを考えると一番良い。」

仕事で何からの魔法陣を描く事は多いし、私生活でも、稀にある事だ。
ここの画材は研究や実験用の魔術に使うのに、非常に適している――それはドロシーの件で解っていた事である。
故に、積極的にここを理由する、というのも勿論あるのだが。

「後は……どうせ妹やら弟やらに使わせるなら良い方が良い、しな。」

後は単純に、兄バカである。

1975とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:27:54 ID:pfi4hH/Q
「えぇー、ボク年上の方が良いなぁ。」

からからと笑いながら言う。
無論、彼女の方も軽口を叩き合える友人というのはジャキを置いて数少ない。

「成程ね、じゃあボクも助かってるしお言葉に甘えようとするかなぁー。」
朗らかな様子で言う。
実際、邪気の様にかなりの数を注文してくれるのは有難い。
ハンドメイドなので売り上げ-材料費=収入なのだ。
素人が店を立ち上げる分には、この形態はまだ救いがあったのかもしれない。

「……ふふっ、お兄さんしてるね♪」

1976とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:32:08 ID:9QgCroQk
「フられてしまったか、良縁に恵まれんな、俺も。」

冗談めかして笑って、そんな事を言う。
初対面の時に比べれば、ずいぶんとまぁ、変わったものである。

「心配なのは本当だが、使えない物に金を落とす趣味は無いし、な。」
店内を軽く見回しながらそんな事を言う。
元々、実利主義の面もあるし、心配の念だけで行動は……
……しないだろう、多分。解らないが。

「他に、らしい事も出来ないからな。」
「未だに、下の方とは接し方が良く分からんよ、俺は。」

何かをあげたり、直してあげたりする事ばかりだ。
一緒に出掛けてやったり勉強を見てやったり、そういう事は殆どしてやれていないと苦笑いしながら。

1977とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:41:07 ID:pfi4hH/Q
「ボクにアタックしようと思ったら、同じぐらい絵を描けないとね。」

冗談っぽく両手を広げて

「そうかな、ジャキの場合は無くも無さそうだからなぁ。
お金持て余してそうだし?」
クス、と笑って体を少しだけ前に傾ける。

「ふぅん、そうなんだ。
よく分からないって、どういう風に?」

1978とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:45:29 ID:9QgCroQk
「これでも、そちらが思うよりは描いてるんだがな、やる事が無い時なんかは特に。」

実は、割と事実である。
時々仕事が何もない、という時があったりする。
そんな時は引き篭もって、絵を書いてみたりもしているのだ。 ……風景画だったり人物画だったり。

「持て余してるのは確かだがな……とはいえ、半分は実家に送っているし。」
「経費もそこそこ掛かるから、金持ちという訳でもない。」
尚送ったお金は積立貯金されている模様。

「なんと、言えばいいんだろうな。」
「触ったら壊れたり、穢してしまいそうで怖い、というべきか。」

リンダや、カルル……それに、赤ん坊の素直な笑顔なんかを見ていると、特に。

「自慢ではないが、まぁ、やっぱり」
「俺は世間一般に、ろくでなしの部類では、あるからな。」

とはいえその台詞は前までの自嘲的な物とも少し違って、
本当にどうすればいいか困ったような感じだ。

1979とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:54:22 ID:pfi4hH/Q
「ふっふっふ、ボクに勝てるかなぁ〜?」

やや勝気な様子で腕を組む。
流石に仕事にしている人間が吹っ掛ける勝負ではないだろう。

「その気が無くてもお仕事しちゃうんでしょ。ビョーキだね?」
ボクもだけど、と付け加えて。

「画家は奇なれ。

師匠がよく言ってた言葉だよ。
師匠は道を間違えたけど……本人達がジャキを好きって言うんなら、多分それは正解だよ。
世界のルールなんて、いっぱいの絵の具が薄くなって混ざり合っただけだよ。
って、ちょっとインモラル過ぎた?」

1980とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:00:20 ID:9QgCroQk
「流石に本職に勝つ自信は無いな……と、言うより負けてはダメだろう?」

その様子に、何処か楽しげな表情で。
尚、偶にラファの絵を買って行ったりもしている……事務所の自室やらに置いていたりするらしい。

「他にやる事も無いからな。 絵を描いたり、実家に行ったり程度しか。」
一度、半年ぐらいのんびりしてみたいものだ、なんて言ってみたり。

「……画家は奇なれ、か。」

ドロシーの事を思い出して――少しだけ苦々しげ顔をする。
自分はミラナやユンヌの為に、あれを喰らい殺したが、殺すというのは奪うということで。
今でも、時々、……むしろ今になってからだからこそ、考えたりする事もある。

「(奪ったのは、俺だしな)」

言葉自体は、いいものだ、と。
素直に思うけれど。

「いや……良い言葉だと思う。」
「問題は、……俺が黒色の絵の具だから、なんだろう。」

1981とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:08:34 ID:pfi4hH/Q
「負けたら廃業だよ、参ったね?」

ペロっと口の端から舌を覗かせてウィンクする。
裏伏せて買っていくが、自分の絵を買うのはジャキぐらいの物だし、ある程度気付いていたりもするらしい。

「ここに来る時はのんびりじゃないかー。」
ほのほのとした笑みを浮かべて、番台に備えられた棚を漁る。

「師匠も、きっと多分……いっぱいいっぱいなだけだったんだよ。
素直で可愛いんでしょ、じゃあきっと白だよ。白は一番薄い色、黒は一番濃い色。
混ざって真ん中で丁度さ。」

筆をゆらゆらとさせながら、片手で棚から取り出した小瓶をポンと棚に置く。

「はい、試供品。持ってってよ。」

1982とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:12:21 ID:9QgCroQk
「そう言われると万が一勝てても勝てんな。」
「ああ、買った場合俺が養えばいいのか。」

下らない冗談を言いつつタバコを取り出して……、やめる。
流石に画材屋でタバコを吸うほど非常識ではない。

「それは……そうだな、ここに来る時は仕事の事は考えんしな。」
研究の事を考えたりはするが、それはプライベートであるし。
そう思えば貴重な息抜きの場かもしれない。

「…………すまん。」
ドロシーの件に一言だけ、目を逸らして謝罪の言葉を。
こういう所は、直らないし変わらないもので。

「鼠色、か。 温かい色で、嫌いではないな。」
「ん……、これは?」

置かれた小瓶を手にとっと、確かめてみるが……。

1983とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:23:41 ID:pfi4hH/Q
「止めてよぉ、ボクもっと冒険したいんだから!」

いつか話していた。
店を保つ必要が無くなれば、絵を描く旅に出たいと。

「全く、息を抜かなさすぎ……ふあぁ〜……。」
言ってる途中に欠伸をする。

「師匠はね、止めてくれてありがとうって思ってるよ。ボクの勘だけどね♪
鼠色は奥が深いよ〜、とても渋いんだから。」

「それね、絵の具に魔術的プロトコルを組み込んでみたんだ。
筆さえあれば勝手に描画してくれる……と、思う。」
言葉尻が曖昧なのは、試供品だからか。
中身は無色透明の液体だ。

「色は、属性に引っ張られて変わる筈なんだよ。」

1984とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:27:56 ID:9QgCroQk
「くく、冗談だ、俺も誰かと一緒になる気も無い。」
可笑しそうに、笑ってさらりとそんな事を言う。

「然し冒険だったか? ……お前一人だと不安が残るな。」
何せ知る限り、冒険の心得は殆ど無いだろうし。

「お前は少し、抜きすぎだな。」
「眠いなら、そろそろお暇するが?」

欠伸をした様子のラファを見て、年下の妹でも見るような穏やかな笑みを浮かべて。

「……だといいがな。」
「確かに、温かい印象も冷たい印象もあるな、灰も、鼠色も。」

「ほう……。」
視線が真面目な物に、眼の色は黒から魔眼を示す蒼へと変わって。
その成分や術式何かを、確り確認してみたり。

「ありがたく貰っておこう、何かに使えるだろうしな。」

1985とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:34:17 ID:pfi4hH/Q
「とか言って、自分ルールなくせに。」

クスッ、と笑いながら痛い所を突いて来る。
裏表が無い分厳しい時は厳しい。

「大丈夫だよー、スキアーちゃんと一緒に行くから。」
余 計 に 心 配 だ 。


「じょーだんじょーだん、まだまだ営業中だよー?」

「どちらが濃いかでどちらにもなる。人間らしい色で、ボクはとっても好きだよ。」

「あぁでも、ジャキぐらいの魔力で普通にやろうとすると爆発するからね。
絶対、ぜったい爆発するからね!」

1986とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:38:15 ID:9QgCroQk
「…………お前に言った事はあったか?」

確か、無かったような、と思って。
いや、無かった筈だ、多分。

「………………その時はどうにか都合合わせて付いて行ってやる。」
拙い(確信)。 と言うか拙いどころか拙い通り越して偉いことになる予感しかしない。

「無理はするなよ? 別に、長く居座る気も無いしな。」
眠いなら素直に寝た方がいいのである、自分と違って。

「人間らしい――か。」

「……気をつけよう。」
多分言わなきゃしてた。

1987とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:42:55 ID:pfi4hH/Q
「あ、やっぱり。
すーぐそういう風にしちゃうんだから。」

どうやらカマを掛けられたらしい。
しかし感心しない、といった表情だ。

「ええ、そうかなぁ。絵を描くだけだよ?」
二人とも絵を描く事しか考えていない。
純粋な戦闘能力で言えばスキアーの方が上な分また困った物だ。

「いやいや、もう一人お客さん来るしね。」
まるで分かって居る風な口ぶり、常連でも居るんだろう。

「灰色になれるなら人間って事さ。
あ。それちゃんと使うなら、感想ちょうだいね!」
もともとドロシーの絵画魔術を見よう見まねで覚えた身。
そっちの方にも才能があるのやもしれない。

1988とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:47:52 ID:9QgCroQk
「む。 ……俺とした事が。」

こんな簡単な手に引っかかるとは。
オフとは言え気を抜きすぎた、と苦々しげな表情。

「あのな、野党にでも襲われたらどうする。」
「脅威やら、侵負……怪物も多いだろう。」
くどくど、と少し真面目にお説教。

「その口振りだと、スキアーではなさそうだが……。」
まぁ、知らない客だろう、と結論付けて。

「……ありがとう。」
そんな言葉に、嬉しそうな笑顔を浮かべ。

「ああ、解ってるさ。
 然し、こういうのも出来るんだな。」

1989とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 01:59:53 ID:pfi4hH/Q
「まぁでも、ほんとに腰落ち着けた方が良いんじゃない?
皆の為にもさっ。」
自分の為、ではなくあくまで皆の為だと言い。

「流石にそんなに簡単に負けないよぉ。
それに、危険を省みて良い景色には巡り合えないし!」
確かに絶景とはかくも危うい所にあるものだ。
人の手が入らなければこそ、なのだが……。

「どう致しまして♪
魔法だって師匠から教わったからね、仕組みから。」
魔法の凝固体たる精霊から直接なのだ、非凡でない方がおかしいのかもしれない。

1990とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:03:59 ID:9QgCroQk
「そうもいかんさ、もし俺がそうなった時にそういう相手が居て、悲しませるのも嫌だし、
 何より万が一そういう相手が出来て、被害が行きでもしたら今度こそ気が狂ってしまうぞ、俺は。」

昔に。 一度終わった、と思った時にラファ――あの時点ではただの知人、友人程度の顔見知りが、ドロシーに取り込まれた時、
ひどく攻撃に葛藤してた、と(人伝)に聞く。 そういうのも解らなくはないが。

「お前は余り王都外に出んから分からんかもしれんがな、異常に危ないぞ、最近は。」
「とにかく、何処か遠征しに行く時は言え、不安でしょうがないわ。」
特に、あの二人、警戒心も薄そうである。 魔物以外にも何があるか分かったものではない。
スキアーなんぞ簡単にさらわれるのではなかろうか?

「精霊式の魔法は、独特の物が多いからな。」
「俺の用に取り込むなら、また別だが……良く学んだものだ。」

1991とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:16:45 ID:pfi4hH/Q
「もう、ネガティブちゃんだなぁ。
楽しい事を先に考えようよ、あーあ。ボクも誰か良い相手居ないかなぁ……なんて。」

「あー……聞いてる。
でもほら、ここを畳むのも何年先かって話だし、暫くはまだここに居るよ。」
困った様な笑みを浮かべて言う。
例の切り裂き魔が捕まったと聞いた時は大層に安心したものだ。
スキアーはどちらかと言えばついていく感覚なのが困る。
そうそう、死にもしないのだが。

「努力の成果だよ、ボクはこれだけ出来たからね。絵に関わる事なら頑張ろうって♪」

1992とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:21:00 ID:9QgCroQk
「悲しい思いはしたくないし、させたくない。誰だってそうだろう?」
ネガティブ、の言葉にそう返す。 それは、そうだろうが。
少し臆病過ぎるかもしれない。 いや、そういう生活なのだが。

「俺に"しがらみ"が無ければ、良い女だ、とは思うがな。」
くく、と笑って。 別に冗談ではなく、探せばすぐに相手は見つかるだろう、なんて意味だろう。

「それなら、いいがな。
 ……お前は、心配ないだろうが余り危険な事はするなよ。
 俺はお前だって怪我をすれば、悲しいし、嫌だ。」

何せ数少ない友人である。
王都の危険――人外のそれは事前に排除している、とはいえ。
人間の所業に、自分は余り関わってはいないし、いけないし。

「好きなものに熱心になれるのは、良いことだ。」
「俺も何かこれ、というのでも見つかればいいんだがな。」

1993とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:33:22 ID:pfi4hH/Q
「そうだけど、それじゃ楽しくないよ?
恋ってそういうのじゃないじゃない。薄紅色みたいなさぁ、温かくて、優しいの♪」

「んー。でも今はあんまり興味無いし、やっぱり良いかな。」
最初から言ってみて、その気は無いという奴である。

「大丈夫、昔のボクよりはずいぶん成長したんだから!」

「あージャキは忙しすぎるんだよぅ。
一つの事をやる時間ってあんまりないんじゃない?」

1994とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:39:08 ID:9QgCroQk
「それは――」
ふと、思い出す。
自分が今ここにこうしているのは。

「……そう、だな。」
「けど、今の俺には無縁の物だよ、やはり。」
誰かへの恋慕の情が始まりだったなぁ、と。
その気持ちと、感覚は、いい思い出として残っているから、否定することはしない。

「まぁ、その内でいいんじゃないか?」
「焦ってするものでもあるまい。」
この間出会ったハンターはなんかもう偉いことになっていたが。

「だといいが……。」

「……そうだな、仕事が終われば次の仕事の準備があるし……」

1995とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:45:46 ID:pfi4hH/Q
「ジャキくんはお子様で頑固だからなぁ。
ま、できるよ君なら。ボクは人を見る眼だけはあるんだから。」
ピン、と指を弾いてウインクする。

「別に焦ってはないよー?
焦るのは博覧会の締切ぐらいかなー。」
それはもう少し焦ってもいい。

「はいそれじゃ、ラファお姉さんから宿題!
次来る時までに趣味を見付けておくこと! と言う訳で、お客さん来るから準備して来るよー?」

1996とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:48:14 ID:9QgCroQk
「くん、付けはやめてくれ、どうも苦手だ。」
あの人を思い出したりするし、いまさら年下扱いもむず痒いものだ。
……実際にはこれで、三つも年下なのだが。

「それは焦った方がいいんじゃないかと思うがな。」
のんびり気合を入れて描くのも解らなくはないが。

「だから年下扱いはやめろと……まぁいいが。
 ……読書が趣味に入ればいいが……ああ、ならそろそろお暇するとしようか。」

1997とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:55:00 ID:pfi4hH/Q
「たまにはお姉さんぶってみないと、ジャキそのへん忘れてそうだし?」
気紛れらしい。
結構に心臓に悪い気紛れである。二重の意味で。

「そうだねえ、今日は徹夜かな。」
クリエイターの性と言うか。
火がつくまでは何があっても何も出来ない。閃きの一瞬を待つばかりらしい。

「読書感想文くらいは書いて貰うかなー。
なんちゃって、それじゃボク引っ込むからまたねー♪」
と言いつつ、番台から後ろのカーテンへと引っ込んでいく。

1998とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 02:57:41 ID:9QgCroQk
「お前は、余り年上という感じはしないな……。」
「……はぁ。」
どちらかというと、対等な友人である。
……やはりくん付けは苦手だ、妙な意識をしてしまう。

「程々に、な。
 無茶苦茶はするなよ。」
自分の言えた台詞ではないが、そもそも造りが違う。

「学生はとっくに卒業したよ。
 ああ、またな。 ――さて……。」

腕時計を見て、時間を確認。
まだ、フリーの時間は少しある。

「巣箱にでも寄って、帰るか……。」

そしてドアベルを鳴らし、静かに出て行ったとか。

1999とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:39:42 ID:wBc1MFNo
――某地域 森林地帯

この日、とある地域においての森林に、ゴブリンの巣が見つかったという報告があがった。
迅速な調査の結果、すでに近隣集落に被害が発生しつつあると判明。
急ぎ冒険者らが募られ、強行軍でのゴブリン巣穴の攻撃が行われることになっていた。

「――ピクシー、警戒を続けて! スプライトも、サボらない!」

しかし、この強行軍は失敗する。
攻撃を仕掛けるべく進軍中の冒険者らに、左右からゴブリンが奇襲攻撃を行ったのである。
半壊した冒険者らは撤退を余儀なくされ、難度の高い撤退戦を強いられることになったのである。

(敵の全体が掴めない――!)

薄いベージュのコートに、同色のハットを被った女が一人、殿部隊として最後尾でゴブリンの攻撃を耐える。
彼女の炎の魔術はゴブリンらを焼き殺し、炎はそのまま侵入を拒む防壁としても機能するが、数に勝る相手にはジリ貧であった。

2000とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:12:29 ID:XUYp1KEY

「…………。」

木の上から、何をするでもなく、その様子を眺める黒いジャケットの青年が一人。
その顔には何も表情が描かれていない仮面、右手には大型のナイフを持って、

「(……さて)」

――助けるでもなく、先ずは眺める。

2001とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:14:21 ID:WKbrbHS2
「んー、大遅刻の結果がこういう状況に遭遇っていうのも中々あるもんじゃあないよね」

おそらくは恐慌状態にあるであろうこの場において、
退くのではなく殿へと戻ってくる者一名。
それは左手に鹿革製の手袋をはめている以外飾りっ気の無い黒髪の狩人風娘。
左目に妖しげな煌めきを宿し登場である。

「やぁ、どんな具合?」

2002とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:24:08 ID:wBc1MFNo
>>2000

害意がない監視者の存在を、彼女の感知魔術が発見することはない。
彼女は視界の拡張も行っているが、ゴブリンを相手にするのにそのリソースを使っているため、やはり気が付かない。
ただし。

(……何かがいる?)

隠れている存在としては、発見することに成功する。
害意はないが隠れた存在。気にはなるが、気にしてはいられない。

「――邪魔ァ!」

彼女の右腕が赤く発光し、彼女が左手で握る杖から鞭のように撓る炎が出現し、襲いくるゴブリンを焼き払う。
飛来する矢に関しては、感知術でいち早く存在をキャッチし、鋼鉄の右腕でもって払う。

(――まずい)

じりじりと後退しながらの応戦で、疲労も激しい。
支えきれるかどうか、ここが正念場であった。

>>2001

「どうもこうもないわね。鉄火場ってのはこのことかしら!」

飛んでくる矢を右腕で弾き飛ばしながら、おどけて返す。
さらに、処理しきれなかった矢が彼女の帽子を貫き、どこかへと運ぶ。

「――お気に入りだったのに!」

射手の一団に向けて、範囲の火炎魔術を飛ばす。
豪快に炎魔法を行使するが、もう数十分もこの絶望的な撤退戦の殿をしている。
限界は、もうすぐそこにまできていた。

2003とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:29:21 ID:XUYp1KEY
>>2002
「…………」
くい、と仮面の口元を少し開けて、コートの下から何か飲み物――
この場に場違いな、アルコールの匂い――酒だろうか、それを一口煽って。

「…………やれやれ。」

酒瓶を右側のゴブリンの群れへと放り投げて、
仮面を付け直し、右側の群れの中心へと飛び込んだ。

2004とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:30:49 ID:WKbrbHS2
>>2002
「なーる…とりあえず魔法は温存しちゃって。
 まだ必要かもしんないし……んー、とりあえずコッチ側に行こうか?」

何かを確認するように左目に手をやり、ある方向を指さす。
森の状況に左右されるのだが、
上空から戦場の様子が全く確認できないのであれば半々。
出来るような茂り方であればまず間違いなく。
狩人娘の指し示す方向に差し迫った危険は訪れない。

2005とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:40:42 ID:wBc1MFNo
>>2003

火炎瓶は集団に少なくない動揺と混乱を与えることに成功する。
しかし、この状況では聊か不十分だろう。その一打でゴブリンの右翼部隊が大きく勢いを削がれるということはない。

(やっぱり、何かがいる――?)

右手中央部分に、自分のものではない火があがったのを見て、パメラは第三者の存在を確信する。

>>2004

「こっち(殿)が逃げたらこの後ろが危険、そういうわけにもいかないでしょう」

先頭集団を安全に逃がすための殿だ。
ここで時間を稼ぎ、勢いを削ぐ必要がある。
あるいは、目くらましでもはったりでもいいから、一時的にゴブリンらの動きを封じて、一目散に逃げることができればいいが。

「自分たちだけ助かっても、目覚めが悪いわ」

森の木々に火が移り始めた。
大規模な森林火災が起こることは避けられそうにないが――。
逃げるという一点においては、利用できそうでもあった。

2006とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:44:56 ID:XUYp1KEY
>>2005

「――悔恨灯し、憎悪燃やし、呪念抱き、悪意孕め」
「――憤怒喰い、殺意焦がし、敵意刻み、呪詛燃せ」
「"死面:殺界"――接続、切り裂き魔」

小さい呟き――恐らく聞こえるか聞こえない程度の詩が聞こえて来た後に、
右側の中心部で妖気――瘴気に近いものがどっ、と溢れ。

先ずは、周囲のゴブリンを手元に権限させた大鎌で一閃。
完全な奇襲。――大半はこれで上身と下身が別れを告げるか。

2007とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:47:34 ID:WKbrbHS2
>>2005
「いやいや、殿なんだから騒いで引きつけるよ?
 でも挟み撃ちになったら私達だけ逃げられなくなるじゃないさ。
 それに私は未だ諦めてないんだなあ、この討伐戦」

にっひっひ、と狩人娘は笑った。

「大規模な森林火災はノーサンキューだなぁ。
 私の狩場ではないけど良い所そうだし荒らすのはねえ?
 後生だよ、だまされたと思ってさあ」

2008とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:54:58 ID:wBc1MFNo
>>2006

「――!?」

突然、右翼方向のゴブリンが半壊する。
統率するゴブリン・リーダーも巻き込まれ死亡したらしく、目に見えてゴブリンらがまとまりを欠き始める。
それに連鎖するように、左翼方向の攻撃も一部鈍化し始める。

「何事……?」

>>2007

「仕方ないわね……責任はあんたが被りなさいよね!」

「みんな、こっちに逸れるわよ!」

共に応戦する殿の冒険者らに声をかけ、彼らを引き連れて道を逸れることにする。
先頭は当然言い出しっぺの狩人娘ということになるだろう。

「騒ぐって……どう」
『こうすればいいんだろ!』

騒いでひきつける、ということで同行する冒険者らは武器を打ち鳴らし始める。

2009とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:59:18 ID:WKbrbHS2
>>2006>>2008
「やる気のある吾人もいるようで何よりだねー」

あっはっは、と騒ぐ連中引き連れて狩人娘が歩き出す。
騒ぎを聞いてゴブリン共も幾らかはやってくるだろう。
そいつらがやって来た時が狩人娘の作戦その壱の決行の時となる。
まあ、それまでちょくちょく弓など撃って必死に逃げるふりだ。

2010とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:59:19 ID:XUYp1KEY
>>2008

「……"我が手は影を追う"。」

小声で何者かが詩の続きを呟いて、返す刃で大鎌を振るう。
今度の機動は、縦。ゴブリン達の頭上から縦一閃に放り投げられた大鎌は、

左翼方向へと真っ直ぐ飛来し、廻転しながらゴブリン達を蹂躙し、切り裂く。
姿も見えぬ、獲物を手放した筈の何者かは全く同じ鎌をもう一本取り出して、なんでもないかのように、近場のゴブリンの群れへと、

先程と同じ様な、横一線。

2011とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:06:28 ID:ww877Vx.
>>2009

目論み通り、後からゴブリン部隊がやってきた。
先ほどから起きている謎の混乱によって、想定より数は少なく、弓持ちもいないようだ。

「で、作戦って……?」

逃げながら、肝心のそこを尋ねる。

>>2010

左翼方向のゴブリン集団も一部が切り取られる形で減っていく。
こちらの統率の担当はゴブリン・シャーマンとも呼ばれる、多少なりとも頭の回るゴブリンだ。
部隊のいらぬ減少を防ぐため、防御術式を組み上げ、号令をあげて出来うる限り退却を開始する。
右翼集団の残党を吸収しつつ、巣穴へと戻るのだ。
統率可能範囲から漏れたゴブリンに関しては、右往左往とさまようか、狩人のしかけた誘導に巻き込まれる形となる。

2012とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:10:53 ID:XIqD8BIA
>>2011

「(さて)」

何者かの影――は、撤退していく冒険者と、
その中の一人知っている少女の方を見て、少し考える。そして。

「……頭は潰しておいてあげようか。」

地面を踏み蹴って跳躍、群れの中から飛び抜け出て、
右手に持った大鎌を分かり易く、上段に構える。

「"偽盾"」
そのまま重力に従う――事はせず、空宙で魔力の【盾】を創りだし足場に、
それを蹴り、左翼へと飛翔し、今度こそそこで重力に従って

「――」
ゴブリンシャーマンの首と、序にその周囲の雑魚も、同じように横一閃。
――やっている事はひどく、単純だ。

2013とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:17:13 ID:kMJzt.9w
>>2011
「ああうん、もっと多いとインパクトあったと思うんだけどなー」

立ち止まり集まったゴブリン共に向き直る。
右手をピストルの形にし

「BANG!!」

と、言った。

……一拍の空白時間。
この瞬間、魔力を視覚として捉える事が出来る駆け出し魔法使いレベル以上の存在なら気づくことがある。
ゴブリン部隊の中央に天から照射されているであろう魔力伝導率を上げるための魔法が。
察しのいいもの、危機感地に優れたもの、この魔法が意味する所を知るものなら、
その場から一目散に逃げ出すだろう。
逃げ出せばこの後に訪れる脅威にさらされる危険は少ないからだ。

狩人娘の台詞から一拍おいて、天から降り注ぐ範囲型の魔砲弾!
伝導率の強化によって速度威力共に通常の規格を超えるものとなっている!!

2014とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:29:01 ID:ww877Vx.
>>2012

あまりの一瞬の出来事に、対応する間もなく一団は壊滅。
残党は散り散りに潰走せざるを得なくなる。

「ギギ……」

――しかし、ゴブリンという種族は決して何物にも劣る、劣等種族ではない。
力も知能も、何もかも確かに人間や他亜人類には劣るだろう。
彼らの武器は、恐ろしいまでの数だ。しかし、それの他にもう一点、恐ろしいものがある。
それは――往生際の悪さだ。執念とも言うだろう。

シャーマンから噴き出る血が突然沸騰を始める。
血は空中で凝固し、突然に魔法円を描く。
大地に飛び散った、自身と、同朋の血もまた同様に。

――死をトリガーにした、報復の大呪だ。
呪いについて強い耐性があれば、勢いを削ぐことはできる。しかし、これを殺すのはかなり難しい。
呪い。身を蝕む、真綿で首を絞めるような緩慢とした病。それを患う恐れがある。
病という形を取る以上、何らかの方法での治癒は可能ではあるが。

>>2013

「えっ、ちょ、あんたなにしてんの!?」

動揺する女。
それと同じぐらいには動揺するゴブリン達。彼らはリーダーを失い、いわば盲目的に追ってきたので、逃げる者はいなかった。
そのため、天から降り注ぐそれを、まともに受けることになる。

「この規模の集団に使う!?」

こうなってしまえば、一瞬で消えてしまうゴブリンらを傍観するほかになく。
付き従った冒険者らも、あっけにとられるしかない。

2015とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:38:17 ID:kMJzt.9w
>>2014
「いやー、そこそこ規模の大きい術だもの。
 一旦始めたらキャンセルするよりぶっ放した方がねえ」

うんうん、と頷き威力には満足したようで。

「でもなんか見せつける相手が軒並み行動不能っぽい?
 まあいいや、そいじゃ追撃戦に移ろうかな〜
 へっへっへ、私の眼は地上と空にあるんだかんね、
 集団で逃げるとそのまま住処まで案内することになっちゃうんだぜっ!」

上空になんかいるらしい。
まあ空から魔法が降ってきたのだから何かいるのは当然なのだが…

2016とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:41:04 ID:XIqD8BIA
>>2014

「……莫迦だね。」

湧き出る血を見ても、表情を――といっても仮面なので、声色、と言うべきか。
それを変える事はなく、只平静、と言った様子で血まみれになった大鎌を放り捨てて。

「”のろい”で、獣が人に勝てる訳も無いのに。」
何をするでもなく、死面――仮面を外して、コートから煙草を取り出す。
何をする必要も無い、何故ならば。

”既に呪われているモノは、より強い呪でなければ上書きできないのだから。
だから、その呪がこの男に届く事は無い。 ――ゴブリンの数が、何処かの国民総勢より多いのであれば別だろうが。

2017とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:44:50 ID:ww877Vx.
>>2015-2016

「これだけ時間を稼げば先頭は撤退を終えた頃あいよ」

「攻撃をしかけるにしても、一度合流しないと、私達生死不明の行方不明よ?」

攻撃を仕掛けるにも、この殿を務めていた部隊では少数だ。
負傷者も出ている。攻撃は無茶だ、という意見が大半だ。

「一度報告を入れないと。それに、敵が原因不明の混乱を生じているのも不気味よ」

考え直すように女が説得にかかろうとしているところ――。

――森に移った火を消し止めるように、雨が降り始めた。
最初は穏やかに、やがて、視界が煙る程の豪雨に!

「……無理よこれ。戻らないと」

雨がひどいため、上空視も、視界拡張も困難なものとなる。

2018とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:46:35 ID:XIqD8BIA
>>2017

「(……さて)」
「(当面これで、生命の危険はなさそうかな)」

大雨と、周囲の状況とを見て。
誰に気づかれる前にもはやく、とん、とまた地を蹴って……

どこかに姿を消してしまったようだ。

2019とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:50:34 ID:kMJzt.9w
>>2017
「ありゃりゃ、確かにこれじゃキッツいね」

左目の煌めきが消える。

「せめて巣穴の正確な位置は知りたかったんだけど
 …うん、あんまり無理はよくない。慢心駄目絶対」

それと同時に幾分か雰囲気が落ち着く。

2020とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:54:14 ID:ww877Vx.
>>2018-2019

「そんなわけで、慌てずに引きましょう」

「潜伏しているのには、気を付けて」

左手で握る杖のランプを灯す。
荒天でも火を消さずに済むもので、とりあえず明かりはとれた。
落ち着いて、慌てずに進めば戻れるだろう。

「――はい。じゃあ歩く」

ずぶ濡れになりながら一同は撤退を完了させる事に成功。
一同の姿を見た冒険者たちは、武器を鳴らして帰還を祝ったという。

――翌日、冒険者たちは再編成を完了し、巣穴への攻撃を解することになる。
かなりの部隊が損耗したゴブリン達は壊滅し、この地方の秩序が守られることになった。

2021とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 21:45:09 ID:EWvUB/Y2
<王都のどっかスターキャッツカフェ内>

【明かりはぶら下がるランタンのみ。木製の薄暗くレトロな雰囲気を醸し出す店内。】
【カウンターに立つは黒布を巻いた二足歩行で尾にリボンをつけた小さな渋めの黒ネコ。

店内の隅にはネコ耳をつけた2m弱の大男の人形があるが気にしてはいけない。
そしてカウンターの目立つ箇所に"酒場のマスター"とサインされたカードが飾られている。】

2022とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 21:54:07 ID:mHVbAoLA

「うにゃー!」

しゅるしゅるといつものように梁から落下してくるミニ妖精。
カウンターに叩きつけられる寸前で羽ばたき、浮遊する。
今日はコスプレをしていないようであった。

「あー。ついに夏が到来したにゃねー」

そろそろサマーフェアか、などとしみじみと頷き。

2023とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:00:38 ID:EWvUB/Y2

「コスプレの代わりに、飛行テクで魅せるにゃか……グッドにゃ。」

【サムズアップ……のはずだがその手はどうしようもなく肉球である。
なので、それっぽく見えるだけで、その実、サムズアップではない。】

「弾けるような、もとい張り裂けるような夏!
あれにゃね、いつも以上にクールなメニューとか面白そうにゃ。」

2024とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:06:34 ID:mHVbAoLA
>>2023

「食べたら強烈に冷え冷え〜ってメニューってわけだにゃ」

「ミント攻勢でもしかけるかにゃ」

確かに爽やかな素材だ。
夏らしくもあるだろう。とはいえ、それをどうするかが問題なのだが。

「あとやっぱりかき氷でも出すかにゃー」

喫茶店というより茶屋っぽくなるが。

2025とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:19:25 ID:EWvUB/Y2

「ということは……ミントのカキ氷?!
にゃー、正直、地獄絵図しか思い浮かばんにゃー。」

【なんとも短絡的な発想である。
以前、ブラックハーブティーなんていう悪魔の飲み物を開発している感覚は残っているようだ。】

「でもまぁ、ネオベイの方向性を取り入れるのは面白いかもしれないにゃ。」

2026とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:21:45 ID:mHVbAoLA
>>2025

「適当なシロップを青く色つけてぶっかけて、んで、その上にミント乗せればだいぶ爽やかじゃねーかにゃ」

その場合あくまでミントは添え物である。
それに気づき、いやいやと首を振る。

「ミントシロップを作ってみるとかどーだろにゃ」

甘く、それでいてすっきり冷涼感があるものを、だという。

2027とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:30:18 ID:EWvUB/Y2

「にゃるほど……けど、ミントシロップって何に書けたらいいんにゃろうか?
シロップって言うと、やっぱホットケーキとか思い浮かぶにゃが……違う気がするにゃ。

さっき言ったみたいにカキ氷にかけるのも、大変なことになる気がするし……。」

【その爽やかな味わいにあう料理とか品物が思いつかないようである。
腕を組んで、考えているような素振りを見せる。】

2028とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:34:37 ID:mHVbAoLA
>>2027

「んまぁ、甘さ控えたミルクアイスあたりにでもにゃー」

冷たいアイスがさらにひんやり食感に。
そんなポップでもつけて売り出せばいけるかも、と。

「あとは逆転の発想で激辛でもやってみっかにゃ」

スパイスの入手がネックだが。

2029とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:37:36 ID:EWvUB/Y2

「おお、にゃるほど。アイスがあったにゃ。
そういえば、たまーに添えられていることもあるモンにゃ。」

【ふんふん、と首を縦に振って、納得している。】

「激辛……それもいいかもにゃ。
その手のことに詳しい知り合いも吾輩には居るし。」

【よく分からないが、激辛に関してある程度、造詣が深い友人が居るらしい。
もしかすれば、アンリも見たことがあるかもしれない。

…………黒い法衣を着た大男の姿を。】

2030とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 22:48:54 ID:mHVbAoLA
>>2029

「辛さも極端になれば涼しくなるってゆーしにゃ」

「えーっと、カレー好きにゃんだっけ?」

どうやら、何となく覚えているようだ。
……記憶は曖昧なようだが。

「激辛フードとミントスイーツ、ミントティーといった感じでいくかにゃ」

そこそこ夏らしくていいだろう、と頷く。

2031とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:01:28 ID:EWvUB/Y2

「そうそう。チョコと偽ってカレールーをくれるデビル神父にゃ。」

【いつぞやの……といってもアンリが店員になる前の話だが
バレンタインにいつもお世話になっているから、という理由でそんなことをしたようだ。】

「激辛のものについては彼奴を頼るしかあるまい。
悪魔の様な辛さを作れるんにゃから、程ほどのもできるにゃろうて。」

【というわけで激辛のものについてはお願いするらしい。】

「にゃにゃ、それらを一品ずつ売るのはもちろんにゃけど、
全部ひっくるめてサマーセットみたいにしてもいいかもにゃ。」

【セットメニューと言うのはある意味では基本だ。
もちろん、一品ずつ頼むより少しお得にするのである。】

2032とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:03:03 ID:EWvUB/Y2

「そうそう。チョコと偽ってカレールーをくれるデビル神父にゃ。」

【いつぞやの……といってもアンリが店員になる前の話だが
バレンタインにいつもお世話になっているから、という理由でそんなことをしたようだ。】

「激辛のものについては彼奴を頼るしかあるまい。
悪魔の様な辛さを作れるんにゃから、程ほどのもできるにゃろうて。」

【というわけで激辛のものについてはお願いするらしい。】

「にゃにゃ、それらを一品ずつ売るのはもちろんにゃけど、
全部ひっくるめてサマーセットみたいにしてもいいかもにゃ。」

【セットメニューと言うのはある意味では基本だ。
もちろん、一品ずつ頼むより少しお得にするのである。】

2033とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:07:10 ID:mHVbAoLA
>>2032

「んまぁレシピさえわかればにゃんとかにゃりそーだしにゃ」

「にしても激辛カレーかにゃ……んーむ。これは雑誌受けしそうだにゃ」

そんなに辛ければ、適当な実績を作って再び紙面を騒がせるのも面白い。
そんなことを企み始めたようだった。

「んむ。セットは基本だにゃ」

学生にも受けることだろう、と。

2034とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:16:12 ID:EWvUB/Y2

「うむ。今、店にあるカレーとはまた違ったタイプにしないといけないだろうにゃ。」

【既に存在しているカレーと差別化を計らなければならない、と。
もちろん、それが辛さである。あとは季節の野菜を添えるとかすればいいぐらいか。】

「あと、カレー抜きのセットも作っておかないとアレにゃね。
辛いのが苦手な人は結構、いるからにゃ。」

2035とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:19:24 ID:mHVbAoLA
>>2034

「とことん爽やかに、激辛! 夏野菜カレー! とか人気出そうだにゃ」

夏は野菜が美味しい季節だから、と涎を拭う仕草。

「そうだにゃ。辛くないフードも用意するべきだにゃ」

「……んー。そっちは冷製トマトスパとか、夏っぽくて良さそうだにゃ。エビもいれっかにゃ」

と、そんな魅力的な新メニューの話をしていると、アンリのお腹が小さくなった。
どうやら、話している内に空腹になったらしい。

「……にゃー」

2036とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:28:44 ID:EWvUB/Y2

「にゃっにゃっ。
結構な時間にゃし、中々にお腹の虫を刺激する話にゃったね。

……んー、何か食うかにゃ?」

【一応、ここは店内で、まだ営業中である。

だが、幸いにもお客はいないため、アンリのおなかを満たすくらいのものならば
ちゃっちゃと用意ができるであろう。】

2037とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:30:43 ID:mHVbAoLA
>>2036

「んじゃ、とりあえず余り物でなんか食いたいにゃー」

浮いた状況からへろへろと降下し、カウンターの上に着地。
力なくその場でつぶれる。

「具体的に何かは、まかせるにゃー」

2038とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:43:55 ID:EWvUB/Y2

「了解したにゃ、まどまーぜる!」

【大げさなことを言いつつも向かうのはおなじみの影だ。
チャオウスの足元から、びょーんと伸びて厨房のほうへと向かった。】

「確か今日は……にゃにゃ!
色々と余りものはあったはずにゃから、期待しておくといいにゃよ!」

【ピンと来たらしく、早速、作業に取り掛かる。
もちろん、取り掛かるのは影であるが。】

2039とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:51:43 ID:mHVbAoLA
>>2038

「んむ、くるしゅーにゃいぞ!」

びしり、とのりのりで応じる。

「ほほう。期待できるにゃ?」

一体何が出てくるのかと、わくわくした様子で再び浮き上がる。

2040とある世界の冒険者:2014/07/03(木) 23:59:52 ID:EWvUB/Y2

【結果として、それはかなり手早く出来上がった。
影が持ってきたのはトマトベースのスープで煮込まれたお米である。
具材は小さく刻まれたキャベツと挽肉だ。

あえて、料理名を付けるとすればキャベツと挽肉のトマトリゾット風といったところだ。
ちなみに、実際にメニューとして出しているロールキャベツを解体して米と一緒に煮ただけである。】

「うむ。ロールキャベツはそこそこ作り置きがあったからにゃ。
それを利用すれば、こんなメニューが出来上がったわけ。」

【無論、アンリ用の食器類にちゃんと分けてある。
そして、ちゃっかり自分の分も作ってあったりする。

……というよりはアンリのみの分を作るのは量的に難しいからであろう。】

2041とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 00:07:05 ID:EW0fb8qs
>>2040

「にゃるほど。ロールキャベツかにゃ」

おいしそうだ、と今度こそ本当に涎を拳で拭う。
自分用の食器の前に座り、小さく一礼していざ実食。

「んー、なんか如何にもな賄料理って感じでグッドにゃね」

「こういう客に出さない特別な感じがいいんだにゃー」

うまいうまい、と嬉しそうに食べる。

2042とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 00:13:28 ID:ndgvjJYA

「にゃー、確かにこういう特別な感じは良いにゃね。
それが客に見つかって、メニュー化するなんて例もあるしにゃ。……っと。」

【自分も食べようとしたが、その前に店の入り口のほうへと。
ドアを開けて、OPENの札をCLOSEDにして、再びドアを閉める。今日は閉店だ。】

「ま、今日のところはこれで閉店でいいにゃろうね。」

【そういいつつ、自身も席について、そのリゾット風を食べ始める。
味は我ながら、いい出来だったようで頷いている。】

2043とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 00:20:51 ID:EW0fb8qs
>>2042

「ま、こんな時間に珈琲のみに来る奴はいにゃいだろうしにゃー」

すっかりくつろぎモードだし、働く気はもう起きない。
とりあえず目の前のリゾットに夢中だ。

「うし。明日からぼちぼちメニューの試作に向けて頑張るかにゃー」

「まあアンリは横から口出すぐらいしかできにゃーが」

包丁を持てばそれはグレートソード! 鍋は巨大な塹壕。
身体が小さいのはこまりものだ。

「んー……でもこれは本当に、賄いメニューって売り出すと売れそうだにゃー」

//ではこんなところでー

2044とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 00:26:58 ID:ndgvjJYA

「にゃにゃ、話をするというのはありがたいけどにゃ。
別に料理の研究をするわけじゃにゃいんだし、独りでやるのは中々に寂しい。」

【それに自分とは違う視点を持つ相手と言うのは実に大事である。
まして、このような"新しいものの開発"という点ではかなり重要だ。

現に今までも助けられたことは数え切れないほどにある。】

「にゃから、ガシガシと突っ込みを入れてもらえるとあり難いわけにゃよ。」

【と、明日から始まるであろうメニュー開発について、アレコレと語ったとか、FO】

//了解、お疲れ様でした!

2045置きレスRP:2017/02/01(水) 14:06:24 ID:l2FElGnQ
-フルークガストカンパニー 王都支部店内-

ビー! ビー! ビー!

けたたましい警報音が店内カウンター奥、閉じられた扉の中から響いてくる。

ビー! ビー! ビー!

「コード110発生。コード110発生。
 緊急対策プロトコルを実行します。緊急対策プロトコルを実行します。
 シークエンス1、チェック……オールグリーン。
 シークエンス2、チェック………オールグリーン。
 シークエンス3、チェック………・・エラー、エラー、再確認実行。
 シークエンス3、チェック……………エラー、エラー、手動操作による認証を要します」

2046フレズ:2017/02/02(木) 22:16:18 ID:qYMJZd7c
-フルークガストカンパニー 王都支部店内-
扉から一人の装甲騎兵が店内に入っていった
プレートアーマーを身に纏いつつも兜に値する部分は装着しておらず、顔が解る
ショートヘアーよりやや長めで利発そうな女の子。身長もやや低めで体型はプレートアーマーなので良くわからない。
辺りを警戒しながら、店内を見渡し
「ちわー……郵便でーす……」
だが、見た目とは裏腹に何処となーくやる気が無いような声が拍子抜ける
肩にはくたびれた鞄が目につく

「うわ、何この警報……え?爆発するの?」
「てか、コード? シークエンス3からエラーが出てるんだけど……」
「取り敢えず、調べよ。配達目的の人がいればいいけど……」
寂しいのか先ほどからずっと独り言を呟きつつ、鳴り響く警報音に惑わされぬように警戒しつつ、剣を構えて店内を探索し始める

「扉の奥……すごく……怖いです」
閉じられた扉の奥から響いてくる。警戒してそちらに向かう

2047置きレスRP:2017/02/02(木) 22:34:59 ID:Jkn/9yqE
>>2046
ビー! ビー! ビー!

「シークエンス3、チェック………エラー、エラー、魔術回路に深刻な損傷がみとめられます。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを実行します。
 サブプロトコル始動、システムチェック開始………」

相変わらず閉じられた扉の向こうでけたたましい音が鳴り響いている。
目ぼしいものが随分前に無くなり閑散とした店内とは対照的に賑やかだ。
扉にはロックがかかっているらしく抉じ開け様とした形跡も認められるが失敗に終わっているようだった。

2048フレズ:2017/02/02(木) 22:49:51 ID:qYMJZd7c
>>2047
「ふむふむ……」
腕を組み、考え込む

――「シークエンス3、チェック………エラー、エラー、魔術回路に深刻な損傷がみとめられます。
――緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを実行します。
――サブプロトコル始動、システムチェック開始………」

聞こえる警報音と何やら、回復装置が作動している。

目ぼしいものが随分前に無くなり閑散とした店内。そしてロックがかかっているらしく抉じ開け様とした形跡も認められるが失敗に終わっている扉

これ等が示す一つの答え。それは

「この中にお宝が!!」
きゅぴーんという効果音が鳴り響く場面かツッコミが入る場面であろうが、生憎このシリアス空間にそんなものは無い

「なわけないよねー」
はぁっとため息をつくフレズ。中堅冒険者だった名残だろうか、如何にもこういった場面に〝弱い〟のだ
ダンジョンならともかく、非常事態とはいえ、此処はお店なのだ監視とか警備ゴーレムが来たらいろいろと終わりなのだ

「でも本当にこれ、どうしたら良いのかな……」
開かない扉を前にうーんと考え
「よし、やっぱり壊そう! 非常事態だしイケるっしょ!」
脳筋的解決方法を試そうと剣を取り出して、扉を前に構える。
若干16歳の少女 フレズ。仕事の疲れから錯乱し今、犯罪に走ろうとしている!

2049置きレスRP:2017/02/02(木) 23:02:48 ID:Jkn/9yqE
>>2048
ビー! ビー! ビー!

「システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを実行します。
 サブプロトコル始動、システムチェック開始。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを―」

何やら準備が整ったらしく、同じ文言を繰り返すようになった扉の向こう。
突っ込みもいないのでフレズの行動を止めるものは少なくとも店側にはいない。

2050フレズ:2017/02/02(木) 23:26:20 ID:qYMJZd7c
>>2049
「あっ……」
同じ文言の繰り返しから、何かが整ったのを察知すし、動きが止まる
其れと同時に突入を諦める。
そもそも、この扉が自身の剣で壊れるかどうかすら分からない。
てか、壊れたら誰かが突入成功しているんじゃね?
そして、今持っている剣が壊れたら私あのお外の獣のおやつになるじゃん!等と冷静に考え始める

「よし」
ポンと手を叩いてから
「普通に入ろう。そして〝らふめいかー〟が何かを探るしかない! 」

ゆっくりと扉のノブに手を掛けて回し始める

2051置きレスRP:2017/02/02(木) 23:28:39 ID:Jkn/9yqE
>>2050
だが扉が開くわけもなく。

ビー! ビー! ビー!

「システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを実行します。
 サブプロトコル始動、システムチェック開始。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを―」

扉の向こうでは音が鳴り続けている。

2052フレズ @次で寝ます:2017/02/02(木) 23:53:12 ID:qYMJZd7c
>>2051
「ダメか……」
予想通りと言ったところか、肩をがっくりと下げる
少しは開くのではと淡い期待をしていたが如何やら駄目だったようだ。

「仕方ない!秘儀!」
キランと目が光るそして
その眼差しはまるで獣の様だった

「すみませーん!!郵便でーす!!」
扉を叩いて、大声を上げる
先ほどの目つきと今の姿。さながら新聞勧誘員である。

「ここ開けてくださーい!!」
次第に、大声と扉を潰す勢いで自身の拳を叩きつける
「誰か居ますかー?」
叩くのを止めて聞いてみる

「早くしないと―なまくらな剣でこの扉を叩き開けますよー!!」
何処からか拾ってきた店内の剣。なまくらで、初心者や稽古用の剣である
其れを扉に叩きつけている

2053置きレスRP:2017/02/02(木) 23:56:34 ID:Jkn/9yqE
ビー! ビー! ビー!

「システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを実行します。
 サブプロトコル始動、システムチェック開始。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 緊急対策プロトコル実行不可能の為、サブプロトコルを―」

呼びかけ空しく帰ってくるのは警報音。
どうやら扉の向こうに誰かがいるということはないのだろう…
最早何らかの方法で扉を開けるしかないわけだが。

2054フレズ おやすみ:2017/02/03(金) 00:05:14 ID:JQtIlYdM
>>2053
「何か鍵とかあるのかなぁ……」
呼びかけも扉こじ開けも意味が無いとするともはや店内に鍵を探すしかないのだ

「しかし、鍵なんてあるのかな?」
閑散とした店内を見渡す。下手をすると、持って行かれている可能性もある

「もしかしたら、凄く変な所にあるのかな?」
例えば床下の収納とか、迷彩された金庫とかを思い浮かべる

「探すか!」

店内をくまなく探し始める。これで見付かなければいよいよ突入である

2055置きレスRP:2017/02/04(土) 13:41:10 ID:BZUwYAvM
>>2054
開かずの扉前、店内カウンターデスク裏。
其処にこれ見よがしに怪しいスイッチがあった。
思わず「ポチっとな」と言いたくなる赤い短い円柱のボタンが。

2056フレズ おやすみ:2017/02/04(土) 19:40:19 ID:VHSrSDoY
>>2055
「おぉう……何と言うボタン」
カウンターデスク裏にある怪しげなボタン
此れを見つけて時若干の戸惑いが出てしまった

しかし、そんな事はこのボタンの発見の前では些細な事だったようだ

「これは私の感が言っている」
「これがこれこそがこの秘密のゲートのボタンだと!!」
「元、冒険者だった私の感がそう言っている!!」
ビシッとボタンに指を指してキメのポーズをしている
誰もいない店内。誰もいないからこそこのような芸当が出来るのだろう

だがもし、この場に誰か居たら……
恐らくこの女の子がのたうち回る姿が見れたであろう

「ポチっとな」
軽快な鼻歌交じりで独り言
ボタンを軽く押し込む

2057置きレスRP:2017/02/04(土) 20:13:59 ID:BZUwYAvM
>>2056
ぴー がしゃこん がしゃこん ずずずず……

扉が音を立てて横にスライドして開いた。
同時に警報音が音量を増した。当然のことであるが。
とてもうるさい。

ビー! ビー! ビー!

「システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。
 システムオールグリーン、ラフメイカー起動準備完了。」

警報音は相変わらず同じ文言を繰り返している。

2058フレズ:2017/02/04(土) 21:03:17 ID:VHSrSDoY
>>2057
「開いた」
扉が開いた事に喜んでいる

「いやー冒険者としての感が働いたわーよかったわー。ふふふ」
自画自賛して、ニヤリとトレジャーハンターが宝物を狙う様な笑いを浮かべてそのまま扉の向こうにがちゃりがちゃりと進み始める

2059置きレスRP:2017/02/05(日) 12:50:24 ID:2lonRUHQ
>>2058
扉の向こうは中世ファンタジーよりSFの色合いが濃い空間だった。

部屋中心に置かれた椅子を囲む様々なデバイスが結果、特殊な王座のように鎮座している。
更にそれを囲むようにして空間に投影されている数々のモニター画面。
あるモニターはジグザール全体の地図を映し、あるモニターはリアルタイムで何処かの風景を映し出している。

そんな中、画面を赤く明滅させているモニター1つ。

「 ラフメイカーを起動しますか?
   (YES)     (NO)    」

タッチパネル式らしく、YESとNOの文字が交互に点滅している。

2060とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 21:16:03 ID:gkelBHp2
>>2059
「なにこれ……」
茫然と様々なモニター類やら何やらを見ている

「これ何なの……」
戸惑いしかなかった。今までのダンジョンとは明らかに違う
異質の空間に

通常ならこの様な状況だと警備隊、若しくは騎士隊に連絡するだろう

しかし、現状ではそのような事は物理的に不可能である

中央の画面に出ている
――「 ラフメイカーを起動しますか?
   (YES)     (NO)    」

の文面に目をやる


「ラフメイカーってなによ……」
ボタンを探しつつ、画面のYESの部分を甲冑越しの指で触ったりしている

2061置きレスRP:2017/02/05(日) 21:43:40 ID:2lonRUHQ
>>2060
モニターに触れると、ピポッと音がして表示が切り替わる。

「ラフメイカー 起動」

警報音が止んだ、がその直後。
ぎゅいいいいいん!と入ってきた扉とは逆。
椅子を隔てて、向かい側の壁に何本もの光の筋が明滅を繰り返し走る。

ガシャンガシャンガタガタガタ……ぽひー!!

突如機関車の警笛のような音が部屋に響き、壁の一部が崩れる。
いや、壁と思っていたそれは全くの別物だった。

ぶいん… がしゃこん がしゃこん

背中に蒸気を吹き出しガチャガチャと音を立て忙しなく動く謎機関を搭載した
全体的に丸みを帯びたフォルムでモノアイヘッドの全長2m越えメタルゴーレム。
そのモノアイに光が灯り動き出したのだった。

2062とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 22:17:46 ID:gkelBHp2
>>2059
「……」
腰を抜かして立てないでいる
自身の理解の範疇を越えてしまっているのだ

「え? なにこれ?」
混乱しつつも第一声がゴーレムに対しての感想である
魔物やモンスターなら解るがメタルゴーレムは初めてなのだ

「……」
これ逃げなきゃ死ぬかなぁ……と思うやいなや
少しづつ少しづつ扉に向かって這いながら進み始めるのであった

2063置きレスRP:2017/02/05(日) 22:21:34 ID:2lonRUHQ
>>2062
「ふぁ…オハヨウゴザイマス〜……あれ?何方様でしょうかあ?」

メタルゴーレムからおもっくそ可愛らしい声が発せられた。
目を瞑って聞けば美少女のそれだ。
がしゃがしゃぽひー と言う機械音と見た目も相まってものすごい違和感がある。

2064とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 22:38:28 ID:gkelBHp2
>>2059
声が聞こえた方向に振り向くフレズ

「シャベタァァァァァぁぁぁぁ!?!?!?」
そして大絶叫。
混乱の極みとはまさにこの事

「イヤァァァァァ殺さなでぇぇぇぇぇぇ!!!!」

彼女視点に立てばこう見えてしまう
外は獣だらけの異変
店内にある謎の私設
見た事ない壁の模様と何か
そこから表れたメタルゴーレム

感情的には隠しダンジョンに入ってしまった村人Aである

「まだまだ、やりたい事とかあるんですぅぅぅ……」
手紙が入っている鞄を枕に本当に泣いている。

2065置きレスRP:2017/02/05(日) 22:44:27 ID:2lonRUHQ
>>2064
ゴーレム「ええ〜…」

ゴーレムからしてみれば見知らぬ誰かが一人で自室に入ってきて挙句とち狂うという図である。
こちらもこちらでドン引きしていた。

しかし、フレズはちょっと不用心すぎだった。
現在の王都は獣蔓延る危険地帯。
機能していたころのフルークガスト支部であったならもう少しセキュリティがあったのだが…

獣「ぎしゃああああ!!」

けたたましくなっていた警報音は外にまで漏れていた。
興味を引かれたのか一匹の獣が店内にまで入り込んでいたのだ!!

2066とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 22:54:10 ID:gkelBHp2
>>2059
声が聞こえた方向に振り向くフレズ

「シャベタァァァァァぁぁぁぁ!?!?!?」
そして大絶叫。
混乱の極みとはまさにこの事

「イヤァァァァァ殺さなでぇぇぇぇぇぇ!!!!」

彼女視点に立てばこう見えてしまう
外は獣だらけの異変
店内にある謎の私設
見た事ない壁の模様と何か
そこから表れたメタルゴーレム

感情的には隠しダンジョンに入ってしまった村人Aである

「まだまだ、やりたい事とかあるんですぅぅぅ……」
手紙が入っている鞄を枕に本当に泣いている。

2067とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 22:56:04 ID:gkelBHp2
//ごめんなさい、ミスった>>2066は気にしないで

2068とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 23:02:15 ID:gkelBHp2
>>2065

「あー……」
獣が入り込ん瞬間。悟った
あ、これ死ぬわ。前門のグリフォン後門のドラゴンとかそんな感じでしんだわ
と悟りを開いた

「よ、よし!こうなれば!」
へたり込みながらも、自身の剣を獣に向けて構える
なぜ獣に剣を向けたのか?
それはゴーレムへの対処の一つとして拠点防衛型のゴーレムは原則的に剣を向けなければ無害である

そのような原則がたしか冒険者の手引きとかそんなのにのっていたとフレズは思い出したのだ

2069置きレスRP:2017/02/05(日) 23:07:18 ID:2lonRUHQ
>>2068
ゴーレム?「きゃー!化け物ーー!!」

ひゅん、がすぅっ!!

獣「きゃいん!?」

フレズが身構え獣を真っすぐ見やった瞬間、その獣が真横に吹っ飛んでいった。
吹っ飛んだ方向から見ておそらく外まで飛んだんじゃないだろうか。

ゴーレム?「ああもう!何がどうなってるんですか〜」

見ればゴーレムが投擲姿勢をとっていた。
おそらく何かが投げつけられ獣は吹っ飛んだのだろう。
声は可愛いがパワーはゴーレム、凄まじい。

2070とある世界の冒険者:2017/02/05(日) 23:31:19 ID:gkelBHp2
>>2069
目が点になった
獣が外まで飛んで行った光景を目にしたせいだろう

「………わたしにはわかりません……」
何がどうなってるんですか〜の問いに思わず本音を漏らした。


「えっと、貴方は誰ですか?」
冷や汗をだらだらとかきながら、棒読みで質問し始める
何故質問をするのか。それは単純に敵対心が無い事をゴーレムに伝えたかったのだ

出来るだけ生き延びる確率を増やすための戦略である

2071置きレスRP:2017/02/06(月) 20:22:21 ID:ltAbZyQE
>>2070
ゴーレムっぽい何か「私ですか?型式番号ARG-78-2 ラフメイカーです」

がちゃがちゃ、ぽひー

ゴーレムの背中の機械が目まぐるしく動き、時折水蒸気を吐き出す。
お宝ではなかったようである。

2072とある世界の冒険者:2017/02/06(月) 20:41:46 ID:QTzMB.iU
>>2071

「えっと、ラフメイカーさんでいいのかな?」
困惑しながらも、何とかカウンター伝いで立ち上がる
ここら辺の立ち直り加減は冒険者といった所か

「えー……私は貴方とその他の者に危害を加えません」
ゴーレムの対処法の一つにこうした宣言がある。
こうして敵では無い中立状態であるという意志をしめすのだ

※但し軍用ゴーレムを除く


「そのえっと、ぽぴーってなってるけど大丈夫なの……?」
初めて水蒸気(?)機関をみて戸惑っている
恐らく壊れているのではと思っているのだろう

2073置きレスRP:2017/02/06(月) 22:00:05 ID:ltAbZyQE
>>2072
ラフメイカー「はぁ…あ、はい、現在の稼働率は80%ですからすこぶる調子はいいですよ?」

明確な身分証明も出来ていない為、
不法侵入者フレズという認識が全く改善されてはいない状況の中、
ゴーレムはそこそこ冷静に対処をしていた。

ラフメイカー「……あ、そういえば私は何で起動してるんですかねえ?」

2074とある世界の冒険者:2017/02/06(月) 22:44:40 ID:QTzMB.iU
>>2071

「あ、それは良かったです」

如何するべきか悩んでいる。一歩間違えれば死の状況で何とか中立的な立場でいてくれるゴーレムに少しだけ感謝している

「あー……それはですね」
うーんと悩み始める。さて困ったものだ
何で起動しているのかを説明するを使用にも、説明に困る部分もある

「ものすごくさっくり簡単に説明しますと、隠し扉を開けて何かボタン……ボタン?を押したらあなたが起動しました……んだと思います……?」
うんと頷き、説明を終える
事実だけをつなげると只の強盗だな私と思っている
ただ、如何しようも無いのもあるのが辛いのだ
というか、本当に私が起動したの?と思う部分もあるのだ


「まぁ全てを説明しますと、とても長くなりますけどいいでしょうか?」
どんよりとした面持ちでラフメイカーに言う
正直彼女もこの事態に巻き込まれた人間

2075置きレスRP:2017/02/07(火) 20:50:15 ID:03drbBiw
>>2074
ラフ「……え、ボタン?」

かしゃかしゃかしゃ、ぽひゅぽひー

ラフ「って、なんですかこれえええええええええ!?」

暫くの沈黙の後、ゴーレムが慌てだした。

ラフ「え?え?ジグザール龍脈の30%が喪失!?バックアップも壊滅状態!?」

椅子の近くにゴーレムが寄ると、
その周囲に浮かんでいた数々のモニターが目まぐるしく画面を変えていく。

ラフ
「ああ…説明は結構です。のっぴきならない状況なのは理解しました。
 至急フルークガスト本店に連絡をとらないと」

2076とある世界の冒険者:2017/02/07(火) 22:08:51 ID:6dbAYqFs
>>2075
「ま、まぁそんな感じだからね……?」
何とかこの秘密の部屋への侵入をうやむやにしようとするフレズ
まぁ実際この部屋で何かを得たかと言うと全くであり、厳重注意でゆるしてくれないかなーと思って居るのだ

(なんか色々と変わっていっておもしろいなー)
画面の変化とか書いている文字とかなんだかよくわからないが
取り敢えずきれいだなーぐらいにしか思って居ない

実際、技術知識がほぼ無いのでこの感想は的外れでは無いと思う


「連絡……それって手紙を出すって事?」
フレズは民間の武装郵便屋であり、今の王都ではひっきりなしであちこちを避難所を中心に配達している
現状、魔道通信は軍用が中心で短波での通信もあるが、自警団が主につかっており、市民には回っていない
とはいえ、このゴーレムの性能から必要かどうかと言われると疑問になる

2077置きレスRP:2017/02/08(水) 20:12:12 ID:moMenuPM
>>2076
ラフ
「いえ、本店との直通魔導回線が
 ……うぁ、これも駄目ぇ?もうだめだぁ、おしまいだ〜」

かたかたぽひぽひぷすん

ゴーレムが項垂れ膝をついた。
目まぐるしく変わっていたモニターも赤い画面ばかりになり、1つ、また1つと消えていく。

ラフ「魔術的機構が軒並みダウンなんて……復旧するにも私ひとりじゃあ……」

2078とある世界の冒険者:2017/02/08(水) 21:50:28 ID:aAJ/b.k.
>>2077
「えっと……まぁ、その……ドンマイ!」
ビシィっと親指を立てて膝をついたゴーレムの肩をトントン叩く
フレンドリーな笑顔を見せている

「復旧を手伝ってあげたいけど……生贄とか魂とかが必要な系列じゃないよね……?」
黒魔術的な物を想像しているフレズ
まぁ見た事も無い物だらけで正直な所、内心は震えていたりする



//第四汎用更新してるよー

2079置きレスRP:2017/02/08(水) 22:17:21 ID:moMenuPM
>>2078
ラフ
「とりあえずポータルを置けばいいんですが…現状を鑑みると生贄を捧げるようなもんですね。
 今の王都を動き回るのは並大抵の腕前では自殺行為ですから」

かしゃんかしゃんかしゃんぴひょろぅ

ゴーレムの気分を反映しているのか背中の謎機関の勢いが弱い。
出てくる水蒸気も気が抜けたものだ。

ラフ
「支店長さんも近くにはいないようですしぃ……ああ、困ったなあ」

2080とある世界の冒険者:2017/02/08(水) 22:54:00 ID:aAJ/b.k.
>>2079
「まぁ私たちだって本来なら安全な道しか通らないしね。その安全な道も大体三つの避難所の往復だしね」
ゴーレムの貴方なら一人でいけるんじゃないの?と言いそうになったが心の奥にしまった。
きっと燃料的な問題とか色々とあるのだろう

さて郵便屋とて全ての道を自由に行けたりしない
おおむね、大きな避難所通しの比較的安全な道を決死の覚悟で移動したりしている

ではフレズは何故此処にいるのか
理由は簡単で、彼女はルートの開拓に来たのだ。
中堅以上の元冒険者を主体とした開拓チームの一人が彼女だ
何故中堅以上か? それは自身の限界と撤退が出来る経験があるからだ
まぁ今の所中堅(笑)状態ではあるが


「えっと……如何すればいいのかな……?」
ラフに問いかける。何か出来る事があるのかもしれないと思ったからだ

2081置きレスRP:2017/02/11(土) 12:30:08 ID:na8Ahlwk
>>2080
ラフ
「現状出来る事は…ううん……
 やっぱりポータルを設置して緊急魔術回路の一部だけでも復旧しない事には始まりません。
 複数回に分けて設置距離を徐々に延ばすようにしてポータルを置いて本店とのコンタクトを可能にしないと。
 支店の機能が少しずつでも復旧できればコンタクトへの道筋が見えてくる……はず」

かしゃかしゃかしゃぽひぽひぽひ

ゴーレムの背中の謎機関の動作と共にモニターが又目まぐるしく画面を変える。
思考の度に何かが映り消え又何かが映る。

ラフ
「問題は簡易設置型のポータルが化物の興味をひかないか……ううん、難しいかなあ」

2082とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 20:34:10 ID:xemtLkM2
>>2081
「えっと……つまり支店にぽー……ぽすたる?を置けばいいんだね?」
ようやく話が見えてきたフレズ。寒村出なのであほの子だったりする

「うーん……その支店って何か所あるの? もしかしたら、配達ルートにあるかも? 地図とか無いかな?」
いかにフルークガストカンパニーが大きくともその場所を把握していないと分からなかったりする
それは全ての店に言えることで、この状況だと地図は文字通り命綱なのだ

「うーん……私も武装が自分のだったら良かったんだけど……探さないといけないしね……」
重装騎士の格好をしているが、本来彼女は高速近接戦闘が得意なのだ
ただ彼女が使っていた武装も逃げる時に宿屋に置いてしまった。
結構高価な物も使ってたようでもしかしたら盗まれたのかもしれないが

「貴方はポータルを置きにかないの?」
ラフメイカーと一緒に行けば、もしかしたら解決するのではと思い声を掛ける

2083置きレスRP:2017/02/11(土) 20:48:01 ID:na8Ahlwk
>>2082
ラフ
「いえ、王都の支店は此処だけです。
 ポータルを置くべき場所は王都の数か所。
 とは言え設置すべき場所を確定する為の調査用に先ずポータルを適当に設置するという作業もあります。
 そしてその場所の特定やポータルの稼働状態をリアルタイムで確認できるのは支店の此処だけ。
 私がポータルを設置していては作業時間にどれほどの時間がかかるか……後、戦闘用ではないですので」

2084とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 21:42:40 ID:xemtLkM2
>>2081
「うーん……」
何かを考えている。

「よし!私がやろう!」
即決とはまさにこの事である

「どうせ、このまま郵便屋さんしていても死ぬだけだし、最後ぐらい何かしたいしね」
ニコッと笑う。フレズは郵便に崇高な意志を持っていなかった。それは届け先が殆どの確率で死んでいたり
発狂していたり、生きていても病人だったりと悲惨な場面が多かったからだ

勿論、生きている人間にも届けた。だが結果は……


やる気に満ち溢れていた仕事は、何時しか絶望を届けるだけの仕事に変わっていたのだ

だからせめて希望を残したいと思ったのだろう


「先ずは最初のポータルを何処に設置すればいいのかな」
机に地図を広げて、羽ペンとインクを取り出す



ガシャンと店の奥で物音がした

2085置きレスRP:2017/02/11(土) 21:45:47 ID:na8Ahlwk
>>2084
ラフ
「とりあえず此処から少し離れた場所であれば何処でも構いません。
 設置した事で起こり得る状況を把握できればまずは良しとしましょう。
 その次の行動は……今何か物音がしませんでしたか?」

ゴーレム(以下もうラフと書いたほうが短いのでラフと書く)は首を傾げる

2086とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 21:55:52 ID:xemtLkM2
>>2085
口に人差し指を当てる。
静かにっという事だろう

そのまま、なまくらな安物の剣を片手に店の奥に進む

また獣が来たのと勘違いしたのだろう


暫らく時間が経って


「なにこれ……」

片手で持ってきたのは巨大な刃を持つ片手斧

しかし変なのは刃と持つところが比例していない。おかしな斧

「んー……」

くるくると斧を調べているフレズ。ラフが調べたら何か解るかも知れない

2087置きレスRP:2017/02/11(土) 22:13:13 ID:na8Ahlwk
>>2086
ラフ「…武器ですねえ。うちでは扱っていない類のようですが」

ラフの指ではキーボードもボタン四つ同時押しになってしまう為、見るに留まる。

ラフ「何故こんなものが…怪しい」

2088とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 22:31:23 ID:xemtLkM2
>>2087
「んー……」
何度か斧を持ってラフに当たらない様に振り回す

「まぁ、使えるものは何でも使うのがいいかな……」
そういいながら、斧を両手に持って柄に力を入れた瞬間

ガシン!!

「おぉう!?」
柄が伸びた。如何やら柄を伸縮できる機構が内臓されているようだ

長さ的にはやや柄が短いハルバードに近いだろうか

「これ凄いよ!!」
柄を伸縮させて少し楽しそうにしている

伸びきった時の柄に書かれていた文字。其処には処罰と古代の文字で書かれている事にラフは気が付くかもしれない

2089置きレスRP:2017/02/11(土) 22:40:06 ID:na8Ahlwk
>>2088
ラフ「う〜ん…」

はしゃぐフレズを見つつ古代文字には気が付くラフ。

ラフ「………いや年代物だとしたらますます何故此処に」

物騒な意味の文字であるし実は呪いの品なんじゃないかと真剣に思い始めている。

2090とある世界の冒険者:2017/02/11(土) 23:00:00 ID:xemtLkM2
>>2089
「今の所、呪いとかの様子はないし大丈夫だよ!」
一応フレズも元は中堅の冒険者。呪いの鑑定は出来なくもない
すごく簡単な検査をしても呪いの様子が無かった

実際、今の所呪いの様子は見られない

「所でラフメイカー、これって読める?」

ラフメイカーに手渡した一通の手紙
それは黄ばんでおり汚く、そしてかなりの年代が立っている
それも、10〜20年単位では無く1恐らく00年前と思われる

「こんな字、初めて見るんだけど」

その手紙には古代文字でこう書かれている

――狩人様へ

そう書かれている

2091置きレスRP:2017/02/11(土) 23:23:22 ID:na8Ahlwk
>>2090
ラフ「あー…読める、と思いますが」

その太い指では以下略。

ラフ「ええと、大昔の狩人宛の手紙のようですね……ええぇ………」

降って沸いた強力な武器に戸惑いしかない理系魔法生物。
年代物であることも確定、魔法概念武器としても立派に役目を果たせるだろう。

ラフ「……あーもー仕方ありませんそれ使ってプランを進めましょう」

遂に思考を放棄した。
一時的後方進軍です、と彼女は言うが。

2092とある世界の冒険者:2017/02/12(日) 00:50:11 ID:ASoKSBu6
>>2091
「ふふん!任せてよね!」
Vサインをラフメイカーに見せる
「でもこれ使えるかな……」
幾ら武器が良くても使い手が駄目なら問題外である

「よし、私がんばるよ!!」
やる気だけは十分のようだ

2093置きレスRP:2017/02/12(日) 01:23:08 ID:DgpN.AqA
>>2092
ラフ
「では先ずこの吊り下げランタン型ポータルを此処から離れた場所に設置してください。
 十分な距離が取れたと判断したら連絡を入れます…あ、ポータルにそういう機能がありますので」

用意されたのはソコソコ嵩張りそうなランタンと其れを吊り下げるための支柱。
複数持ち歩けなさそうなのがなんとも困る。

2094とある世界の冒険者:2017/02/13(月) 21:39:18 ID:uc5itZ4g
>>2093
「ほうほう……」
ソコソコ嵩張りそうなランタンと其れを吊り下げるための支柱を手に持ち眺めている。

「此れがポータル……ランタンがぽーたる?」
若干誤解しつつ、一体どういう機能なのかさっぱり分からないといった表情でこの装置を見つめている
複数持ち歩けない事に関してはさほど不満は無さそうだ。

「此れって設置したら如何いう機能が使えるの?」
首を傾げながらラフを見つめている
この装置が如何いった機能を示すのか、これを使えば何が改善するのか
興味本位で聞いているよう

2095置きレスRP:2017/02/13(月) 21:52:30 ID:mLpWHlHY
>>2094
ラフ
「簡単に言えば此処から王都の現状がリアルタイムで確認できるようになります。
 主に魔力反応面で、ですが。
 数が増えれば遠く離れた本店との相互通信を可能とし…上手くすれば物資の補給が可能になります。
 最終的には現在失われている魔術回路の代用となってピースメイカーの起動が可能になるでしょう」

2096とある世界の冒険者:2017/02/13(月) 22:35:26 ID:uc5itZ4g
>>2095
「ほうほう……」
ラフの説明を受けて考える。実際ラフの言っている事は解る
だが何故そうなるかが分かっていないようだ

「取り敢えず一杯あれば、王都の様子が丸見えになると」
噛み砕いて自分なりに納得をしようとがんばっている。

「物資の補給って店ごとに可能なの?それとも任意?」
もし物資の補給が出来るのであるなら、避難所に分け与えたいと思っているようだ

「ぴーすめいかー?」
首を傾げてきょとんとしている
恐らく直訳で考えてしまっているのだろう

2097置きレスRP:2017/02/13(月) 22:43:38 ID:mLpWHlHY
>>2096
ラフ
「此処の支店に本店からの物資を転送することが可能になるんです。
 ……一応機密なんですよ?国とかとの取り決めが滅茶苦茶厳しいんですから」

知りすぎると消されるやつだコレ。

ラフ
「あー、まあそういうコードネームの作戦があるんです。これも機密事項なので」

2098とある世界の冒険者:2017/02/14(火) 23:46:17 ID:jwxmCc5g
>>2097
「あ、分かりました」
聞かなかった事にしたフレズ
好奇心はなんとやらだ、深入りするのもほどほどにした

「まぁ、とにかくポータルを置いて来るね」
そういって、武器を片手に持ちながら店を出ようとする

2099置きレスRP:2017/02/15(水) 21:09:37 ID:gCggU36M
>>2098
ラフ「お願いします」

フレズを見送るゴーレム。
此処から紆余曲折を経て話は進むのだが…次回に続く。

2100王都外部避難所導入:2017/03/04(土) 10:32:25 ID:e5NEs.VQ
「仕事の話をしよう。・・・あぁそうだ。仕事の話だ。」
貴方に、そう声をかけて来たのはかの事変に於いて左脚を失った王国の騎士。

ここは、件の王都事変に於いて王都外へ避難できた者たちが集まる集落。いわば難民キャンプである。

-王都近郊 白銀山麓 難民キャンプの一区画-

「仕事と言うのは・・・まぁ君も察してくれているとは思うが。」
周囲を見渡すと、そこには明らかに設備が足りていなく、粗末な仮設のテントなどが並ぶだけの光景である。
「この施設の資材や、食料の調達などを君たち冒険者にこの施設を代表して、私がお願いしているのさ。」

「本来なら私の様な者が率先して行うべき事なのだが、見ての通り最早満足に動き回れる体ではないものでね。」
そういうと彼は貴方の目の前で自身の失った左脚を指す。

「報酬の件だが・・・本当に申し訳ない話だが君たちが満足できる額の報酬は用意できない。」

「何せこの事態だ。この額でもこちらとしては限界寸前でね。」グッ・・・
そういうと騎士は悔しそうに机の上に握り拳を置く。

「あぁそうだ。自己紹介がまだだったね。」
「私の名前は『ふざけるな!』。『それは俺の配給分だろうが!!』と言う。以後、良好な『静まれ!』を築き上げれる事を祈る。」

どうやら近くで揉め事があったらしい。その為一部の内容が聞き取れなかったようだ。

2101ゲイリー:2017/03/04(土) 23:20:25 ID:Fm547lts
>>2100
「すまん、表が騒がしくて聞き取れなかった……何の騒ぎだ?」

単眼の覗き穴がある頭蓋を模した兜を被り革ツナギ風全身鎧の上にコートを纏う長身の男。
それが外の様子を見ようと動く。

2102隻脚の騎士:2017/03/05(日) 00:45:34 ID:/57ZVeBc
>>2101

「あぁ、私の名は『自分の食料を良くみろ!』。『良いからいったん落ち着け!』さ。」
「以後良好な関係を築き上げたい物だね。」

ここでメタフィクションなる物が入る所、現状では名前は特に決まっていないのだ。
故に名前が完全に決まるまではこの隻脚の騎士は自己紹介を完遂することができないのである。

「よっと…っ、やはりすぐには慣れない物だね。」
騎士は杖に身を委ねる形で立ち上がり、窓から外を見る。

「恐らく配給の食糧の事で何かしらの一悶着があったんだろう。」
「そうだな。大方予想するに片方が目を離した隙に食料をこっそり盗んだか」
「この極限状況で疑心暗鬼に陥った結果出た言葉が原因でモメたか。どちらかだろうね。」

その左脚には鉄の輪にこれまた鉄の棒を溶接で無理やり拵えた様な義足らしき物が。
その作りは実に粗雑であり、失った足の部分に巻かれた包帯も相まって痛々しく見える。

「この様な事態においては決して珍しいことでは無いさ。どんな極限状態であろうと誰だって腹は減る。」
「そういう風に出来てるからね。大抵の生物は。」

「それに家族と離れ離れになってしまった者だって大勢いる。」
「・・・ここに避難した人達は皆、程度の差はあれど追い詰められてるのさ。」

窓から見える光景には、既におとなしくなった騒ぎの主の姿と、1人の憲兵の姿。

「そして、これが我々が君たちに仕事を依頼する理由でもある訳だ。単純に中の仕事で精一杯って訳なんだよ。」

2103ゲイリー:2017/03/05(日) 11:07:34 ID:FfiuDCM6
>>2102
「…もう一度…いや、そうだな、俺もそう思う」

メタを察したのか名を知ることを諦め、不可解な格好の男は話をつづけた。

「報酬の件は気にするな、寧ろ出世払いにしてもらった方がいいかもしれん。
 王都が一時的に機能しなくなった今、此処でこうして代表を務めているアンタだ。
 復興の際には十分な褒美をもらえるだろう?
 こちとら金で動く身だが目先の金だけで動くほど俗物でもない」

2104隻脚の騎士/今更ながら乱入歓迎:2017/03/05(日) 15:53:50 ID:/57ZVeBc
>>2103
「その様に言って貰えると、こちらとしては非常に助かるよ本当に。」

「代表と言っても、お飾りみたいな物さ。」
自身の脚をチラと見つめ、視線をそちらに戻す。

「ただ効率の良い人員配備を行った結果こうなっただけだからね。
 精々他の者たちの足手まといにならない様に努めるだけさ。」

「まぁ復興がいつになるか、なんて物は正直私程度には予測もつかない。
 それに復興が終わったとしてその時の私の立場だってどうなるかはわからない。
 それでも、可能な限り善処はさせてもらうつもりさ。
 これはこの施設の人間の総意という訳ではない。
 王国騎士としての私、いち個人の意思さ。」

数秒の間を経た後、騎士は本題に乗り出す。

「さて、お喋りが少し過ぎた様だね。これは私の悪いクセだ。」
 椅子に座り、片眼鏡(モノクル)を右眼にかけ、机の引き出しから数枚の羊皮紙を取り出す。

「こうなる前にも良く言われた物だよ。一度喋りだすと中々止まらん奴だとね。」
トントンと羊皮紙を一度均し、机の上に並べる。


「これが、今現在我々施設の人間が君の様な冒険者達に依頼する内容さ。」

その羊皮紙には単純に
「資材確保」
「食料調達」
「人材募集」

等と言った人によれば少し肩透かしを食らうような内容が記入されている。

「勿論他にも頼みたい依頼は山ほどあるにはあるんだ。
 しかし、今の状況での優先度から見るとこれらの部分を可及的速やかに解決したいんだ。」

2105ゲイリー:2017/03/05(日) 16:27:25 ID:FfiuDCM6
>>2104
「…」

終始聞くことだけに徹する男。
無駄話は好かないのだろうか…
そして羊皮紙を見ながら男は尋ねる。

「資材、食料はまあいいとして…この人材募集というのは?
 何処から見つけてくるかという問題もあるが、詳しく教えてくれ」

2106隻脚の騎士/今更ながら乱入歓迎:2017/03/05(日) 17:50:07 ID:/57ZVeBc
>>2105
「そうだね。悩ましい事に憲兵の者達も含め我々は基本的に治安維持や有事の際の防衛などに能力が特化していてね」

「治安維持などは我々でまかなえるが、どうしても効率が悪くてね。避難者たちが立ち直れるまでの当面の施設の・・・スタッフといえる人材が欲しい。」

「まず1つ目は建築技術を持つ人材」

指折り1つ。

「施設の拡充などをしようにも我々の技術では良くて仮設のテントを建てるくらいが関の山さ。」
「幸いこの周辺に比較的新しい廃村があるにはあるが、正直焼け石に水さ。」

「避難民の中から自己申請で名乗り出る者も少なからず居るには居るが、素人の集まりだからね・・・監督者が欲しい所だ。」
建築技術や単純に作業要員としての人材

「そして2つ目。炊き出し等の調理スタッフ」

指折り2つ。

「それに食事だってそうさ。今見えるだけでもかなりの数の避難者たちが居るが、全体に配給する為の効率もそうだが」
「こう言った状況であるからこそちゃんとした味の物を食べないといけない。」
「今の配給の内容がこれなんだが・・・」
どうやら食事をまだ摂っていなかった模様だ。

そこには見るからに硬い小ぶりに切られたパンと茹でた芋に小さい肉の様な物が僅かに添えられただけの粗末なもの。
これらが小さい皿に1つに盛られている。

「恥ずかしながら調理といえる様な物ができる物が1人も居ない。
 このパンだって元々備蓄していた物を無理やり小さく切り分けただけの物さ。」

「これは持論なんだが、窮地であればこそちゃんとした食事を摂るべきだ。」
「大勢の食事を効率的に提供できる、もしくはそう言う経験がある人材が欲しいのさ。」

「大まかに言うとこの2つだ。
 他にも細かい部分を言えばいくらでも挙げれるが今はこの状況の収拾を優先する為、この2つに絞る形になる。
 勿論後々落ち着いてくれば避難者の中から募集をかける。あくまで当面の人材で良い。」

「長々と話してしまって申し訳ないね。もっと手短に終わらせる事もできたかも知れないが、生憎私は生来こういった性質でね。」

2107ゲイリー:2017/03/05(日) 21:28:49 ID:FfiuDCM6
>>2106
「いや、詳細に答えてくれて感謝する。
 問題は何処で探すか、だろう。
 確実なのは国外だろうが……現状を考えると態々此方に出向くモノ好きはいないな。
 そうなると国内の生き残りを探す、という案になるが」

暫し黙る男。

「四の五の言ってられんな。
 当然国外への救援は誰かが行っているのだろう?
 なら矢張り中で探す、それしかない」

2108隻脚の騎士/今更ながら乱入歓迎:2017/03/05(日) 22:23:48 ID:/57ZVeBc
>>2107
「その案には概ね同意するよ。」
騎士は水を一口飲み、続ける。

「あぁ、当然国外への救援申請は使者を派遣しているんだが・・・」
 苦虫を噛み潰した様な表情を一瞬みせ、直ぐに元に戻る。

「今まで2回程、各国に派遣したが、誰一人として帰ってきていない。」

「理由は不明さ。派遣した者たちが職務を放棄し、現地で生活をしているのかもしれない。」
「まぁこの可能性なら一番マシだけどね。」

指折り1本。

「次に、道中で魔物や山賊などに襲撃され命を落とした。
 この可能性だって十分に考えうる。」

指折り2本。

「一番考えたくないし、一番あって欲しくない可能性だが・・・」

右手を左手でぐっと握る。その表情は一周まわって最早無表情に近い。

2109ゲイリー:2017/03/05(日) 22:43:34 ID:FfiuDCM6
>>2108
「…準備ができ次第仕事にかかる」

下手な慰めも、悲観するだけの無意味な行動も必要ない。
やらなければならないことが多いのだ、無駄な事をするのは当分先になる。
兜に覆われ落ち着いた声の男からは何の感情も読み取れないだろう。

「虱潰しに内を探索していくしかないのだろうが…何か充てはあるか?」

2110隻脚の騎士/今更ながら乱入歓迎:2017/03/05(日) 23:02:45 ID:/57ZVeBc
>>2110
「あぁ、すまない。また話が長くなるところだった。」
こめかみに指を当て、一瞬考える。

「そうだね・・・この避難所以外にも各地にここと同じような場所があるという情報もいくつか聞き及んでいるね。」

「だが、詳細な場所などは耳に入っていないんだ。すまない。」
軽く頭を下げる。しかしその直後に

「・・・そうだ。川辺には村や集落などができる事が多い。この近くの廃村しかりだ。」
「もしかしたらこの川に沿って歩を進めれば何かしらの進展が得られるかも知れないね。」

騎士はそう言うと机の引き出しから何かを取り出そうと探し始めた。

2111ゲイリー:2017/03/05(日) 23:22:13 ID:FfiuDCM6
>>2110
「成程な…ん?何かあるのか」

出発しようと動くも、足を止める男。
暫し待つ。

2112隻脚の騎士/今更ながら乱入歓迎:2017/03/05(日) 23:42:48 ID:/57ZVeBc
>>2111
「いやなに、もし私と同じような騎士団の生き残りと遭遇した時に話を少しでもスムーズにできるようにね。」

そういうと羊皮紙と羽ペンを取り出し

「サッサッサ・・・ってね。」

紙に記入していく。その内容は自身の現在の身体状況および依頼内容など。

「あくまで簡易的な物だけど正式な依頼証明という形をね。
 騎士団の人間にはプライドが高い人間も多いからね。無駄な争いを避ける為さ。」
しかし、その字はかなり独特の筆跡の為所々読みづらい部分がある。特に立場とか名前とか。

「あぁ、私の字は汚いからね。わかる人は逆にそれでわかってくれると思うよ。」
そう言いながらその証書を3つ折にし、机の上に置き、指先から淡い光を放ち証書にかざす。

「勿論私のことを存じ上げない者も居るはずさ。
 自分で言うのもアレだが、普段はあまり表立って目立つ様な者ではなかったからね。
 だからもし通じなかった時は申し訳ない。」
指先の光が消え、そして差し出す。

「はい。わざと破ろうとしない限りはやぶれないはずだよ。」

2113ゲイリー:2017/03/05(日) 23:51:17 ID:FfiuDCM6
>>2112
「了解した。では今度こそ行く」

ものを受け取り、自身のバックへと詰め込み男が外へと歩き出す。

「2、3日で戻るつもりだ、成果があろうがなかろうが。
 徐々に探索範囲も広げる、短期決戦とはいかんだろうしな」

2114隻脚の騎士/今更ながら乱入歓迎:2017/03/06(月) 00:05:46 ID:1hL3RIe.
>>2113
「あぁ、わかった。その身に難無き事を願うよ。幸運を。」
左手を胸に当て、会釈をしその姿を見送る。

外は仮設テントの下で生気を失った表情で虚空を見上げる者

この世の全てを憎むような眼で地面見続ける者

何かしらのいざこざがあったのか、憲兵に押さえ込まれている者

声も上げずにただただ涙を流し続ける少年少女

散々たる光景が広がる。

『だぁからそっちの薬は痛み止めじゃねぇっつってんだろ!!
 この患者より酷ェ目みせっぞゴルァ!!!』

仮設の診療所から薬剤師の様な者の怒号が聞こえてくるが、この状況だ。些末なことである。

2115ゲイリー:2017/03/07(火) 22:02:22 ID:nE7Z2XSY
>>2114
「…はぁ」

溜息をついて歩みを止める男。

(何なんださっきから、こう彼方此方でギスギスしていると
 俺が帰ってくる頃には此処は無くなってるんじゃないのか?)

内心で毒づく男。
現状、診療所は最も重要な場所の一つだろう。
それがまともに機能していないのでは今後が不安だ。

(ああクソ、仕事でもないってのに)

だが気になったのだから仕方がない。
踵を返し診療所へと向かった。

2116診療所の教師エランド/乱入歓迎:2017/03/08(水) 00:32:58 ID:TNBWu6Co
>>2115

診療所は2棟あり、その内の診察にあたる棟の方からの声だ。

「はぁ・・・何回でも言うけどな。これは傷み止めとして使うには効き目があり過ぎンだよ・・・」

白衣の男が心底面倒そうに解説をしている。どうやら麻酔を求める者が居た様でそれを疎めて居た様だ。

「そんな軽い理由で出せる程たくさんある訳じゃねぇしよ。」
「痛てェって言える内はまだ大丈夫だから我慢しろ。お前さんのはただの捻挫だ捻挫。」
「渡した湿布貼ってろ。」
そう良いながら湿布を取り出して患部に貼り付ける。

その姿は本当に気だるそうでしかないが、腕は確かな様だ。

「そこ!ベッドはできるだけ離せっつってんだろ!!感染症のリスクが高まるだろうが!!」

患者を乗せたままベッドを離す白衣の男。
細身の身体であるが、その肉体は引き締まった筋肉で構成されている。

結構な数の患者をどうやら現在1人で診ている様で、ちょうどゲイリーがそちらに来る頃には診察中の人間は居なかったようだ。

「あ゙ー・・・疲れた・・・こればかりは天才でも疲れた・・・」

2117ゲイリー:2017/03/11(土) 21:10:18 ID:tNoh/TOE
>>2116
(医者も探した方がいいなこれは)

状況を見、男は医者に声をかけるでもなく其処を後にする。
医療の心得は並みの冒険者が持つ応急処置の類しか男にはない。
変に首を突っ込む必要もなさそうであるし、仕事を片付ける理由が増えただけであった。

2118白銀山麓難民キャンプ/乱入歓迎:2017/03/19(日) 00:18:44 ID:jf0OXEtU
ここは、王都近郊、白銀山の麓に位置する難民たちの避難所である。

「ふむ。」
幾数十枚の羊皮紙を見つめ、思案にふける男がいる。

「となると、この場合は彼に依頼するとして・・・この件は・・・」
「うぅん・・・効率が悪いね・・・一旦人事入れ替えをするべきか。」

『報告します!!』
「ん?どうかしたかい?」
ふと、周辺の警護を担当する憲兵の声に向き、そう答える騎士。

『現在当施設における予想での食料が残り1週間分を下回りました。』
「うぅん、まずいね・・・非常にまずい。」

『つきましては、当施設で何か食料を自給できるシステムを導入するのはいかがかと思い、報告および提案に参りました次第です。』

「成る程・・・備蓄はあと1週間として、食料は冒険者達にも依頼をしているからね。誤差はあるだろう」
「まずは・・・それに適した土地があるかを確認しようか。」
「すまないが、少しの間ココを任せてもいいかな?」

騎士は杖をついて立ち上がり、覚束ない足取りで出口に向かう。
その左脚は失われていた。その部分には鉄の棒で無理やり拵えた義足の様な物で補っており、見るからに痛々しい。

『かしこまりました。・・・あの、この様な事を言うのは無礼であるとはわかっているのですが』
『その、その脚で大丈夫なんですか・・・?』

「なぁに、生きてるだけで儲け物だよ。それに、生きてさえ居れば代わりになる足を作れる技術者とも出会えるかもしれないだろう?」
「こう言う時にこそ前向きに考えるのさ。それじゃあ、留守を頼むよ。」
『お気をつけて。』


これが、およそ2時間前の出来事である。

そして現在

「ふむ、川が近くにあるのは把握していたが、中々にきれいな水だな・・・」

川辺に居た。
避難所から通常ならば20分ほど歩けば到達する位置である。

2119難民キャンプ周辺の小川/乱入、置きレス歓迎:2017/03/20(月) 01:54:27 ID:nfR27RUg
>>2118
「よいしょ・・・と」
近場にある岩に腰を下ろし辺りを一望する。その直後、騎士の眼前の空間に小さい魔方陣の様な物が現れた。

「距離にしておおよそ・・・」フィンフィン

そしてその魔方陣に指を合わせ形を変えていく。どうやら周辺地域の大まかな見取り図を作っていた様だ。

「しかし、本当に色々覚えておいて正解だったね・・・周りにはいつも呆れられてたなぁ・・・」

ふと、風が吹く。
「・・・ッ くぅ〜・・・傷口に染みるねぇ・・・もう無いってのに。」

一人、そう呟き魔方陣に描かれた見取り図を確認する。

「水を引くにしても・・・いやそれよりも・・・」

再び思案に入る騎士。身体的特徴も含め、川辺で魔方陣を浮かべながら思案に更ける騎士というのは中々に目立つ風貌である。

2120 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/21(金) 21:54:04 ID:wV2CkvIM
【今は遠く、しかしかつて確かにあった時代】


 荒野と、それに連なる岩山。
 真冬の月が塵舞う風を照らす丑三つ時。
 僅かに咲く寒気の癒やしが花弁を散らした。
 風、いや違う。
 駆け抜けていった、黒き影に当てられ、腐り果てた証拠だった。


「アアアハハハハハッッ! ハハッ! ハハハハアァァ!!」

 金切り声にも似た、哄笑。
 細身を隠した全身の包帯、それを更に覆う鎧の断片達。
 踏み出した一歩が大地を揺らし、奮った腕が木々を手折る風を生む。
 剥き出しの歯は鳴り響く、腐った喉は理性無き咆哮を繰り返す。

 それを知る者は今やない。
 故に語ろう。
 ジャガーノート。
 かつて戦場にて屍山血河を築き、死せぬまま妖魔に作り変えられた、【バケモノ】だ。


「……間に合わんか」


 相対する男が呟いた。
 鴉のような黒髪が月光を拒む。
 手に握る妖刀が喧しく響鳴する。
 白衣を加工した戦闘服が、度重なる死闘に点々と朱を残す。

 重ねて語ろう。
 彼の名は、ゼオ。
 ゼオ・ウッドフィールド。
 この【バケモノ】が垂涎して付け狙う、【エモノ】である。


「クエストメンバーが集結するポイントまで山一つ」

「逃げに徹してかかる時間は三十分強、こいつが俺を四回はくびり殺せる距離となる」

「戦闘続行時間は」

『三分五十秒』

「博打は好かんのだが、な」

2121 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/21(金) 22:17:15 ID:wV2CkvIM

「シィアァァッッ!!!」

「!」


 痺れを切らした【バケモノ】が、先手を打つ。
 大きく振りかぶった拳を、彼の顔面めがけて一直線に振り下ろす。
 やや大げさ、拳三つの距離を開けて半身で回避するゼオ。
 
 ……直後、彼の後ろの山肌に直径3mほどの小さなクレーターが出来る。
 風圧、及びこの怪物の魔力、気力のたぐいが当てられた、残滓の結果。
 ミノタウロスやサイクロプスと言った豪腕自慢の怪物たちを粘土細工に変える、悪魔の膂力の結果だった。


「……ア?」

 
 が。
 怪物は、次なる一撃を放つ前に、宙へと浮いていた。
 正確には、地面へと強烈に叩きつけられてのワンバウンド・フライング。
 ゼオの、【エモノ】のカウンターじみた背負投によるものだった。


「纏え――!」


 念じた、そして、喚んだ。
 ゼオの両手足には大気が渦巻き、どこからともなく金属の装甲が纏わりついていく。
 右腕は白銀の輝きを強めた。
 

「奏でよ、雷光の調……我が手に宿り敵を穿て」


 続いて、詠唱。
 下級の雷魔術、魔法学校での必須科目のそれ。
 しかし、右腕の輝きはそれの比ではない。
 加えて、絶えず変質した稲妻の輝きは、ついに増幅を圧縮させ、剣刃が如き雷孤を生み出した。
 
 射出。
 下級魔術とは思えぬ威力と速度、怪物の顔面を捉えて即座に放電、霧散した。
 この間五秒もなく。
 投げられて崩した体勢を更に崩した上で、彼は跳躍した。
 右手に握る刃を構えて。

2122 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/21(金) 22:51:03 ID:wV2CkvIM
「はぁぁっ!!」


 斬り上げる。
 刃には霞のような黒紫の妖気。
 金属の塊を、強大な斧刃で叩きつけたような音が響いた。
 
 更に、二旋。
 続けて、三尖。

 猛牛の集団の突進を物ともしないこの怪物が、四肢を揺らして受けるがまま。
 刃は鎧を断ち、包帯に食い込み、その奥の肉体を砕いていた。
 そこから左足で蹴り上げ、一回転。
 巻き起こる風の柱に、五体は為す術無く岩壁へと叩きつけられた。


「まだ――?!」


 こんなものでは無いと、身を乗り出す。
 虚空を蹴って疾駆する体勢。
 男は一瞬、されど致命の瞬間を、確かに見た。


(間に合うか――!)


 刀を落とし、両手をかざし魔力を放つ。
 無詠唱の盾魔法、しかしやはり強度は遥かに堅い。

 それを確実に貫通し、彼の身体に突き刺さっていく、飛沫。
 浴びせられた極小の破片が、嵐の如く男に襲いかかったのだ。


「ぐ、ぁ……!!」

「ギャハハハハハァァッッ!!」


 それは、ただの石礫。
 怪物の腕力で投擲されただけの、【凶器】であった。
 墜落する男を嘲笑が追った。
 一瞬の逆転劇。
 怪物の跳躍が、矢の如き破壊を伴い男へと一直線。

 かざした腕の先は、もちろん男の頭部。
 握りつぶさんと、一心不乱に伸ばした。

2123 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/23(日) 02:02:12 ID:h0vM2CUA

「ッギィ!」


 また響く、豪閃の一響。
 甲冑と包帯の奥の腐った眼が、見開かれる。
 歪んだ空間に包まれた腕を、横合いから何かが斬りつけた。
 彼の頭を大きく逸れて、掌は空気を握りつぶす。

 闇魔刀。
 そう呼ばれるゼオの愛刀が【事前に託された】一撃。
 リモートで発動した歪曲精神空間からの一撃であった。

 一瞬。
 また戦局は大きく動いた。
 視界を戻したジャガーノートの、全身が弾かれ吹き飛ばされる。
 そこには巨大な岩石の拳、それのみが中空から発生している。
 更に、その四肢は突如として発生したシールドマジックに衝突し停止。
 怪物へ浴びせられる追撃は豪炎の砲弾、雨霰。
 着地さえも待たず、部分召喚、遠隔魔術発動、輪唱魔術と矢継ぎ早の高等術法連続照射が繰り出される。


「ドヴァー…フス…ナァク……!!」

   
 まだだ、まだ終わってはいけない。
 彼の焦燥と決意は、頭上のジャガーノートへ。
 このまま数秒と待たず、虚空を蹴り上げ一直線に自分へと飛び込んでくる。
 何ひとつの恐怖も宿さない、がらくたの破壊衝動がやつの正体だ。

 着地と同時、拾い上げた闇魔刀に【竜の言葉】を吹き込む。
 峰に指を滑らせ、刀身の妖気と言葉が合わされば強烈な縁を生み出す。
 地面を裂きながら深く斬り上げる。
 その剣閃の先端、切っ先に放たれる妖気の形状は、竜の顎となって上昇。
 此方を見据えた直後の怪物へと一息に食らいついた。


「アギィィアアアァ!!!」


「喧しい、どうせ効いちゃいまい……!!」

2124 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/23(日) 02:33:49 ID:h0vM2CUA


「とっておきだ……喰らって死ね!」

 駄々をこねるように、鋼鉄の霧に等しい竜の顎を殴り砕く怪物の手足。
 だが、時間は十分に稼げる。
 始めた詠唱は何の変哲もない、【ただ難しいだけの高等魔術】。

 しかし、迸る魔力の波長は明らかに通常のプロセスを組んでいない、異常な流入を見せている。
 違うのは、何だ。
 詠唱――否。
 媒介――無。
 発動手段――非。

 それは、魔力源。
 全身から発せられる膨大な量の魔力を以て生成される、術式の強制拡張。


 そして、それは訪れる。
 顎を砕いた瞬間、静止した空間に放られたジャガーノート。
 妖刀の一撃さえ瞬時に治癒する肉体が、それに包まれた瞬間一切の抵抗も無に帰し凍結。
 音を伝達する一切合財を巻き込んだ、静謐とともに結晶化していく。
 ――そうして、発動した氷結魔術。
 せいぜい一人を凍らせる程度の範囲を、ゼオの立つ場所一つ除いて岩山一つ氷晶に飲み込み尽くす大規模魔術へこじ開けた、魔力的な力押し。

 マナ解放。
 肉体を魔力に変換して術式を強制的に高次元へと引き上げる、強制強化魔術の一種がそれの正体だった。


「……死さえ許されなかった頑強さに免じて、しばしの眠りをくれてやる」

「何もしなければ一年程度は溶けない魔晶の牢獄だ。寝坊、永眠、好きな方を選べ」


 その絶大な効果をもたらす代償に、全身を朱に染めつつ膝をつく【エモノ】。
 煌めく透明なショーケースに呑まれた【バケモノ】に背を向けて、いつ終わるともしれぬ逃避行を再開した。
 
 分かっている。
 奴は、氷の中で抵抗と魔力の吸収を繰り返す数日の間に復活を遂げる。
 だがそれだけ稼いだ時間で、冒険者たちがこの怪物を操る者の真意に到達するはずだ。

 
「分の悪い……博打だ」


 だが、不思議と気分は悪くなかった。
 まあ、そういう日もある。
 小石の散弾に穿たれ、血を漏らす太ももを庇いながら、男は浮かべた笑みの意味さえ分からず、進み続けた。

2125うさぎ:2017/11/06(月) 03:22:53 ID:a0l8AeZg
tp://ssks.jp/url/?id=1451

2126とある世界の冒険者:2019/12/11(水) 21:36:43 ID:.Do.2/QI
<ジグザール王都のとあるゲート―”怪異”の発生から間もない頃―>

王都を未曽有の怪異が起こってから、少しばかり経ったある日に1人の少女がジグザールへとたどり着いた。
彼女の名前はモル・リステュリア。……とある王国の次期女王候補である。

此度は自身がより女王として、ふさわしい存在になるための修行の一環としてジグザールにやってきたのだが
そのジグザールは彼女が聞き及んでいたものから、あまりにもかけ離れた状況であった。
彼女の事前知識によれば、ジグザールといえば、巨大な王立図書館を中心として栄えた魔法都市だ。
古今東西の知識が集まる英知の都。優秀なる魔法の担い手の学び舎。そして、齎される英知は人の欲望を加速させ、大小限らず事件も多いと聞いている。

そんな王国を肌で感じることが出来れば、自身の目指す”優しくて強い女王”に一歩近づくと信じてモルはこの地へと降り立ったのだ。

だが――――。


「……これが”あの”ジグザール王国だと言うの?」

自身が目にする惨状に思わず、声を漏らす。
都市は荒れ果て、空は不気味な色に染まり、否――――、空にはそもそも人でないものが不気味にこちらを見下ろしている。
当然、外を歩く人間はほとんどいないばかりか、遠くの方でこの世のものとは思えない咆哮が聞こえてくる。

「けど、そんな短期間で国がここまでの状態になるなんて、ありえない。
……何か、うん。何かあったに違いない。」

そうつぶやくと彼女は踵を返す――――わけではなく足を進め始めた。
それは、ほんの知的好奇心だったのかもしれないし、”異変”の規模を見極められなかった未熟さ故かもしれない。
彼女はジグザールで起きている異変を直感的に感じ、また同時に「助けなければ」と放っておくことが出来なかったのだ。

かくしてモルは異界と化したジグザール王国へと足を踏み入れていく。
そんな王都で彼女が様々な事件に巻き込まれるのはまた別の話――――なのかもしれない。

【終】

2127とある世界の冒険者:2019/12/11(水) 22:05:39 ID:.Do.2/QI
<とあるアジト跡地―”怪異”発生から間もないころ―>

王都の郊外にあるとあるアジト。
かつては夜盗の一団の塒であり、夜な夜な”戦利品”による宴会が開かれていた。
しかし、そんな話ももはや、数十年前、その夜盗は捕らえられ、処刑がなされたという。
欲望の溜まり場であったアジトも今やただの忘れ去られた穴倉だ。

そんな穴倉のガラクタを蹴散らしながら不機嫌そうに歩く影が一つ。
明かりも何もないはずだが、彼の周りは鈍い赤色が照らしていた。

「あァん?クソ、どこもかしこもボロボロじゃねぇかァ……!」

悪態をつきながら、影が蠢く。
影はひょろひょろと幽鬼のように、アジトだった場所をさ迷い歩く。

彼の名はレホロン=ブラッパー。このアジトを塒にしていた夜盗の一員だった者だ。
無論、彼も処刑にかけられた一員であることは言うまでもない。
しかし、彼は生き返った。――――否、アンデッドと化したのである。

「おいおいおォい、俺様のオキニはどこ行ったんだよォ……?」

アジトにある埃の被った豪奢な鏡に映る姿は、正しくガイコツだ。
肉と呼べるものはほとんどなく、肋骨が異様に発達し、トラバサミのようになっている姿は正に異形だ。
王都に怪異がもたらした変化は空の色や、人々の獣化に留まらなかったのかもしれない。
彼は怪異発生から間もなくして、自身の墓から”這い出てきた”のである。

「おっ、へへへ、なんだ、あるじゃねぇか」

廃墟と化したアジトを蹴散らしながら、ようやくお目当てのものを見つけたようだ。
それは、自身がかつて身につけていた衣服だ。

皮の帽子に、ズボン、そして毛皮のマントである。
異形と化してしまった彼にはもはや必要のないものだが、気分の問題である。

「いよォッし、ようやくスイッチが入った気分だぜぇ……。
この俺様をこんな姿にしやがって、覚悟しやがれよ。」

次の野望にぎらぎらと目を輝かせる姿はその痩せこけた体には全く見合わないものだったとか。

【終】


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