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第三汎用スレッド

2126とある世界の冒険者:2019/12/11(水) 21:36:43 ID:.Do.2/QI
<ジグザール王都のとあるゲート―”怪異”の発生から間もない頃―>

王都を未曽有の怪異が起こってから、少しばかり経ったある日に1人の少女がジグザールへとたどり着いた。
彼女の名前はモル・リステュリア。……とある王国の次期女王候補である。

此度は自身がより女王として、ふさわしい存在になるための修行の一環としてジグザールにやってきたのだが
そのジグザールは彼女が聞き及んでいたものから、あまりにもかけ離れた状況であった。
彼女の事前知識によれば、ジグザールといえば、巨大な王立図書館を中心として栄えた魔法都市だ。
古今東西の知識が集まる英知の都。優秀なる魔法の担い手の学び舎。そして、齎される英知は人の欲望を加速させ、大小限らず事件も多いと聞いている。

そんな王国を肌で感じることが出来れば、自身の目指す”優しくて強い女王”に一歩近づくと信じてモルはこの地へと降り立ったのだ。

だが――――。


「……これが”あの”ジグザール王国だと言うの?」

自身が目にする惨状に思わず、声を漏らす。
都市は荒れ果て、空は不気味な色に染まり、否――――、空にはそもそも人でないものが不気味にこちらを見下ろしている。
当然、外を歩く人間はほとんどいないばかりか、遠くの方でこの世のものとは思えない咆哮が聞こえてくる。

「けど、そんな短期間で国がここまでの状態になるなんて、ありえない。
……何か、うん。何かあったに違いない。」

そうつぶやくと彼女は踵を返す――――わけではなく足を進め始めた。
それは、ほんの知的好奇心だったのかもしれないし、”異変”の規模を見極められなかった未熟さ故かもしれない。
彼女はジグザールで起きている異変を直感的に感じ、また同時に「助けなければ」と放っておくことが出来なかったのだ。

かくしてモルは異界と化したジグザール王国へと足を踏み入れていく。
そんな王都で彼女が様々な事件に巻き込まれるのはまた別の話――――なのかもしれない。

【終】


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