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第三汎用スレッド

2120 ◆/yjHQy.odQ:2017/07/21(金) 21:54:04 ID:wV2CkvIM
【今は遠く、しかしかつて確かにあった時代】


 荒野と、それに連なる岩山。
 真冬の月が塵舞う風を照らす丑三つ時。
 僅かに咲く寒気の癒やしが花弁を散らした。
 風、いや違う。
 駆け抜けていった、黒き影に当てられ、腐り果てた証拠だった。


「アアアハハハハハッッ! ハハッ! ハハハハアァァ!!」

 金切り声にも似た、哄笑。
 細身を隠した全身の包帯、それを更に覆う鎧の断片達。
 踏み出した一歩が大地を揺らし、奮った腕が木々を手折る風を生む。
 剥き出しの歯は鳴り響く、腐った喉は理性無き咆哮を繰り返す。

 それを知る者は今やない。
 故に語ろう。
 ジャガーノート。
 かつて戦場にて屍山血河を築き、死せぬまま妖魔に作り変えられた、【バケモノ】だ。


「……間に合わんか」


 相対する男が呟いた。
 鴉のような黒髪が月光を拒む。
 手に握る妖刀が喧しく響鳴する。
 白衣を加工した戦闘服が、度重なる死闘に点々と朱を残す。

 重ねて語ろう。
 彼の名は、ゼオ。
 ゼオ・ウッドフィールド。
 この【バケモノ】が垂涎して付け狙う、【エモノ】である。


「クエストメンバーが集結するポイントまで山一つ」

「逃げに徹してかかる時間は三十分強、こいつが俺を四回はくびり殺せる距離となる」

「戦闘続行時間は」

『三分五十秒』

「博打は好かんのだが、な」


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