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▲2007年▲21参▲九州沖縄
753
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/30(月) 20:24:05
名将も不敗神話も逆風に無力 長崎・小嶺氏 「原爆発言」反発強く 長崎
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/nagasaki/20070730/20070730_014.shtml
落選にうなだれる小嶺忠敏氏=29日午後10時6分、長崎市元船町の事務所
29日投開票された第21回参院選は、九州・沖縄の8選挙区(改選数計9)でも開票が進み、全議席が確定した。全選挙区で候補者を擁立した自民は、福岡と大分、鹿児島で各1議席を獲得したが、佐賀、長崎、熊本、宮崎、沖縄で計5議席を失った。一方、野党勢力は民主が4議席を得るなど計6議席を獲得し躍進した。この結果、非改選も含めると、長崎、宮崎、沖縄の3県が「自民空白区」となった。
福岡を除く1人区のうち、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の4選挙区で自民と民主の直接対決となったが、自民は鹿児島を除く3選挙区で敗れた。
また、宮崎では民主などが推薦した無所属候補が自民候補を破った。沖縄でも民主、共産、社民などが推薦した無所属候補が自民候補を大差で退けた。
自民は改選数2の福岡で民主と議席を分け合ったが、得票数でトップの民主候補に差をつけられた。大分は、自民候補が民主県連が推す無所属候補らに競り勝った。
スポーツ刈りの頭を深々と下げる姿に、グラウンドでは見せたことのない疲れがにじんでいた。「私の力不足。厳しかった」。29日午後10時すぎ、長崎選挙区(改選数1)の自民新人、小嶺忠敏氏(62)は、長崎市の選挙事務所で敗北宣言した。高校サッカー部指導者として全国大会で17回優勝し、初の県民栄誉賞を受けた名将も、年金問題と原爆投下「しょうがない」発言に反発する民意の嵐の中では、ただ翻(ほん)弄(ろう)されるばかりだった。
出馬の打診は昨年12月。同県選出の久間章生前防衛相からだった。「サッカーしか知らない。金もない」。いったん断ったが、母ミツキさん=6月7日に97歳で死去=から「お世話になった恩返しをする番だ」と諭され、腹を決めた。
自民党が目を付けたのは抜群の知名度。久間氏は「会う人に『やあ、やあ』と言うだけでいいから」と当選を請け合った。別の国会議員も「選挙戦術は『小嶺』の名前だ」。同党県連内は楽観ムードだった。
5月に入っても、議員が同行し支援者宅を回る「引き回し」さえなく、小嶺氏は1日中事務所にいることもしばしば。「何をしたらいいのか、だれも教えてくれない」とこぼすこともあった。6月30日、そんな状況が、久間氏の「しょうがない」の一言で一変した。
「父は沖縄で戦死した。戦争、原爆には絶対反対です」。演説では必ず反戦姿勢をアピール。ポスターの党名も急きょ小さくし、「久間隠し」「自民隠し」に腐心したが、久間発言への怒りは「想像以上」(陣営幹部)だった。
「自民党から出るならきちんと謝れ」「口先だけで平和を語るな」。街で、電話で、自民支持者からも容赦ない批判を浴びた。「監督の方が楽だ」。平山相太、徳永悠平両選手ら、応援に駆け付けた教え子のJリーガーに思わず弱音を吐いた。
安倍晋三首相が公示後二度目の長崎入りをした23日。「こんなに苦戦するとは思わなかった」。街頭演説で漏らした「本音」に、聴衆は静まり返った。
そして迎えた投票日。選挙とは一体何だったのか。敗戦の弁を語った小嶺氏は、こわばった顔で振り返った。
「選挙ってのは、スポーツの世界とはかけ離れたものがあるんじゃないかな」
=2007/07/30付 西日本新聞朝刊=
2007年07月30日11時20分
754
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/30(月) 20:24:49
大久保氏、自公の壁破る 小嶺氏、1歩及ばず 自民 組織力低下浮き彫り 長崎
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/nagasaki/20070730/20070730_010.shtml
花束を受け取り笑顔を見せる民主新人の大久保潔重氏=29日午後10時ごろ、長崎市の事務所
参院選長崎選挙区(改選数1)は29日投票され、即日開票の結果、民主党新人の大久保潔重氏(41)が、接戦を制して初当選を果たした。久間章生前防衛相の原爆投下「しょうがない」発言など安倍政権に対する批判票を幅広く取り込んでの勝利で、民主は非改選の1議席を合わせて県内参院2議席を独占した。大久保氏と激戦を繰り広げた自民党新人の小嶺忠敏氏(62)は1歩届かず、自民は前回参院選に続く連敗。組織力の低下が浮き彫りになった。共産新人の渕瀬栄子氏(51)は及ばなかった。
選挙戦は年金問題を最大争点に小嶺氏が先行、大久保氏が追う展開。重点区を象徴するように両陣営とも党首級を相次いで投入するなど中盤以降、抜きつ抜かれつの激しい攻防を繰り広げた。
大久保氏は、元県議の経験を踏まえ、即戦力をアピールしつつ、都市と地方で広がる格差など安倍政権批判を繰り返し主張。「長崎から政治の流れを変えよう」と訴え、民主の主地盤である長崎市をはじめ、郡部や離島で保守層にも浸透した。
また前回衆院選のしこりが残る社民党県連合との選挙協力も、連合長崎が接着剤となり融和。労組票を手堅くまとめ、公示前の早い段階から各地で繰り広げた朝立ちなどの運動も功を奏した。
小嶺氏は自民、公明の全面支援に加え、国見高校時代の教え子らでつくる後援会や金子原二郎知事ら県内首長が後押し。38年間の教育現場での経験に基づく教育再生を掲げたが、陣営にまとまりを欠き、政権批判をかわしきれなかった。
渕瀬氏は、憲法改正反対など「確かな野党」としての存在感を強調。しかし、2大政党化の潮流の中で伸び悩んだ。
=2007/07/30付 西日本新聞朝刊=
2007年07月30日11時20分
755
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/30(月) 20:25:31
大久保氏 「政治 良い方向に」 追い風受け有利に展開 長崎
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/nagasaki/20070730/20070730_012.shtml
「国民のため、政治を良い方向に変えるために尽くしていきたい」。初当選を果たした大久保潔重氏が長崎市元船町の事務所に詰め掛けた支援者に向かって呼び掛けると、大歓声と拍手がわき起こった。
昨年12月の立候補表明以降、若さを武器に県内をくまなく回ってきた。しかし事実上の一騎打ちとなった相手の自民新人、小嶺忠敏氏は17回も全国を制した高校サッカーの名将。民主党が4月に実施した調査では、大久保氏の認知度は小嶺氏の85%に対し3分の1にも満たない23.6%。背中すら見えない状況だった。
その後、年金問題や閣僚の不祥事が相次ぎ、さらに長崎2区選出の久間章生前防衛相が原爆投下を「しょうがない」と発言。「敵失」による強力な追い風を受け、野党にとってかつてないほど有利な状況がそろった。
終盤戦では、知名度不足を補うために街頭演説を増やす一方で、民主党の支持母体である労組の引き締めに奔走。小嶺氏を推す自民、公明の連立与党勢の反転攻勢も退けた。
=2007/07/30付 西日本新聞朝刊=
2007年07月30日02時56分
756
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/30(月) 20:26:35
民主・川崎氏「壁」破る 自民の牙城で初当選 川上氏「逆風」はね返せず 佐賀
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/saga/20070730/20070730_004.shtml
初当選を果たし、支持者らと万歳する川崎稔氏(中央)
参院選佐賀選挙区(改選数1)は29日投票、即日開票され、民主新人の川崎稔氏(46)が、自民新人の川上義幸氏(52)、共産新人の中尾純子氏(54)を破って、初当選を果たした。民主は、21連勝を目指していた自民を下し、初の参院議席を獲得した。前回に続いて2回目の挑戦となった川崎氏は、年金問題を最大の争点に掲げ、佐賀市や鳥栖市などの都市部だけでなく郡部でも支持を広げ、激戦を制した。川上氏は、全国で唯一、自民の公認候補差し替えにより5月に立候補を表明。党幹部クラスが相次ぎ応援に駆けつけ、徹底した組織選挙を展開したが、自民への逆風とともに出遅れが響いた。
川崎氏は、自民現職に2万票差に迫りながら及ばなかった3年前の参院選から、地元活動を続けてきた。最大の支持団体である連合佐賀や、社民県連合の支援を受けて運動を展開。前回衆院選で民主が2議席を獲得したことに加えて、4月の県議選で新県議が誕生した佐賀市や神埼市を拠点に支持拡大を図った。
選挙戦では徹底して年金記録不備問題を訴えた。「生活が第一。年金の安心を取り戻そう」と呼び掛け「反自民票」の取り込みを目指した。また、党が掲げた農村の戸別所得補償制度を打ち出し、農業者へも攻勢を強めた結果、佐賀市や鳥栖市などの都市部だけでなく、自民の主地盤だった郡部でも支持を広げ、民主として初の参院議席を勝ち取った。
川上氏は、自民党本部の公認候補差し替えで、立候補表明は公示の1カ月半前の5月と大きく出遅れたが、農業団体や商工会、企業など600を超える推薦を取り付け組織戦を展開。公明の推薦も受け、党本部は安倍晋三首相や中川秀直幹事長ら党幹部クラスを相次いで佐賀入りさせるなど総力戦で臨んだ。
しかし、年金問題のほか、粉飾決算の末、破産した佐賀商工共済協同組合の幹部に、自民県連会長だった陣内孝雄・前参院議員が名を連ねていたことから、激しい逆風にさらされた。副知事時代の実績を強調し批判をかわそうとしたが、1959年の参院選以来、独占してきた議席を守ることはできなかった。
中尾氏は、年金問題や改憲問題を争点に掲げ「確かな野党」の必要性を訴えたが、2大政党の激戦を前に、支持拡大を果たせなかった。
=2007/07/30付 西日本新聞朝刊=
2007年07月30日11時25分
757
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/30(月) 20:52:57
【参院選】矢野さん涙「わたしに責任」 大分合同
http://kiji.i-bunbun.com/read/read.cgi?1185721200=11857584882440=1
矢野さん(左)の労をねぎらう吉良州司民主党県連代表=29日午後11時すぎ
落選を受けコメントする松本さん=29日午後10時52分
矢野大和さん(51)は約二百人の支持者と、大分市内のホテルで開票結果を待った。
情勢不利が伝わると、唇を真一文字に結び、目にはうっすらと涙。会場からは「あぁ」と力ない声が漏れた。矢野さんは気持ちを落ち着かせ「すべての責任はわたしにある。応援、本当にありがとうございました」と一礼。支持者から「立派だったよ」と拍手が起きた。
「訴え反映できず」
大分市の全労済ソレイユで支持者らは松本文六さん(64)落選の報に沈痛な表情。重野安正選対委員長は「松本さんの思いを今後の糧にしたい」、松本さんは「医療、年金などに対する悲痛な訴えを国政の場に反映できず残念」と頭を下げた。
「新しい党で浸透できず」
後藤博子さん(59)は大分市大津町の選挙事務所で、支持者らに「新しい党で組織がなく、浸透できなかった」と敗戦の弁。大分県唯一の女性国会議員の議席を失い、無念さをにじませた。今後の政治活動は「まだ決めていない」と話した。
「平和を守る活動続ける」
山下魁さん(30)は大分市中津留の選挙事務所で開票を見守った。落選したが、姫島村、日田市で前回参院選の選挙区票を大きく上回る結果。「より地域に密着し、暮らしと平和を守る取り組みを続ける」と、日焼けした顔を引き締めた。
758
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/30(月) 20:55:34
【参院選】自民〝敵失〟で面目 礒崎氏当選 大分合同
http://kiji.i-bunbun.com/read/read.cgi?1185721200=118576049916881=1
作業に追われる開票所=大分市の県総合体育館
04年の24万票を下回る
◆解説◆連立与党と野党四党が推す五人が争った大分選挙区は、自民党新人の礒崎陽輔氏が野党側の追撃を抑えて初当選した。自民党は二〇〇四年の現職の大敗を契機に初めて候補者公募で「勝てる候補」を選び、負けが許されない戦いだっただけに、面目を保った格好だ。
だが、礒崎氏の得票は〇四年の現職の二十四万票を下回り、結果的に民主、社民両党の選挙協力が破たんした”敵失”に救われた感は否めない。地方議員の減少や支部と支持団体の組織力低下で保守地盤が揺らぐ中、組織が一丸となり、県民に幅広く浸透する戦いができたかを十分検証する必要がある。
また衛藤晟一元衆院議員の比例出馬問題でぎくしゃくした公明党との選挙協力は両党の支持者にわだかまりが残り、今後の協力関係をどう再構築するかも課題だ。
一方、独自候補を立てた民主、社民両党はいずれも単独で自公勢力を超えることができなかった。民主党県連が支援した矢野大和氏と社民党推薦の松本文六氏の得票合計は礒崎氏の得票を大きく上回った。結果として与党批判票を結集できなかった両党の責任は大きい。両党は今後も国政選挙で独自候補を立てて勢力伸長を図るか、再び共闘関係を模索するか。構成組織が”また裂き”になり存在感を発揮できなかった連合大分を含め、岐路に立たされている。
後藤博子氏は「自民党の勝利阻止」を掲げたが与党批判票を分散させた。共産党は公認候補の票を伸ばす一定の成果を得た。
参院選挙区の議席は「裏表」を自民、民主両党が分け合う形に。県関係の国会議員数は選挙前の自民三人対野党五人から「四対四」となった。
民主党が躍進する中、大分選挙区は自民党新人が議席を勝ち取った。候補を一本化できず、”風”を生かせなかった野党。激戦が終わり、各党の複雑な思いが交錯した。
自 民
「手放しでは喜べぬ」
幹部らが集まった大分市内のホテルは、全国的な民主党の優勢に重苦しい空気だったが、礒崎氏当確の情報が入ると支援者は喜びを爆発させた。衛藤征士郎党県連会長は「初めて候補者を公募した選挙。落選すればこの方式が続かなくなるところだった」とほっとした様子。「手放しでは喜べない。反省すべき点は反省が必要」と気を引き締めていた。
公 明
「勝利の原動力になれた」
竹中万寿夫党県本部代表は、比例代表の九州地区重点候補・木庭健太郎氏が早々と当確を決めたことに「ほっとしている」と胸をなで下ろし、未明まで全国の比例票の推移を注視。選挙協力した自民党の礒崎氏の当選については、「与党への逆風の中、しっかり自公協力ができた。公明が勝利の原動力になれた」。
民 主
「ほぼ互角、底力示せた」
大分市府内町のホテルでテレビの開票速報を見つめていた県連幹部らは、党の躍進に高揚したムード。だが、選挙区では激戦の末、矢野氏が敗れ、吉良州司代表は「わたし自身の力量不足を申し訳なく思う。互角というところまで追い上げ、草の根の底力は示せた」と敗戦の弁。「(党への)”風”をうまく受け止めることができなかった」と肩を落とした。
共 産
「自公への怒りに結び付く」
党県委員会の事務所では、幹部らが開票速報を見守った。前回参院選を上回る選挙区の得票に「県民の共感を得た」と林田澄孝県委員長。「自公政治に対する怒りが票に結び付いた。選挙区で議席に挑戦できる出発点に立てた」と手応え。
国 民 新
「力不足…党勢の拡大が急務」
大分市大津町の後藤氏の選挙事務所で開票を見守っていた土居一皓常任幹事は、落選が決まると「組織が確定できないままの戦い。力不足だった。」と険しい表情。「大分で自民党が議席を獲得して残念。党勢の拡大が急務だ」と話した。
759
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:23:55
民主前回より8万票増 自民は1万5000票減らす 讀賣福岡
県内の比例選の開票結果のうち、個人名票と政党名票を合わせた政党の総得票は、民主党が82万1551票(案分票の小数点以下は切り捨て、得票率37・67%)で、3年前の前回に続いて第一党の座を維持。前回より約8万票増え、福岡選挙区で党公認候補が過去最高の100万票を超える票を獲得した勢いが反映された結果となった。
自民党は55万2688票(同25・34%)で前回より約1万5000票減らして2位。47万票獲得を目標に掲げていた公明党は38万9719票(同17・87%)にとどまった。共産党は14万8103票(同6・79%)、社民党は10万5021票(同4・82%)だった。
個人名での得票では、県出身の公明党の木庭健太郎さんが30万3532票を獲得し群を抜いてトップ。郵政造反組で、国政への返り咲きを果たした国民新党の自見庄三郎さんは3万8610票。元直方市議で、今回初当選を飾った民主党の大島九州男さんは2万9827票だった。
そのほか、著名な候補者では、自民党から出馬したテレビ番組でおなじみの弁護士、丸山和也さんが1万1386票、「ヤンキー先生」で知られる義家弘介さんが7300票、プロゴルファー・横峯さくら選手の父、横峯良郎さんが民主党候補として、9171票を獲得した。
(2007年7月31日 読売新聞)
760
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:24:46
県議ら自民支持団体回り 民主「小沢方式」を徹底 讀賣福岡
「とにかく驚いています。6年前の3倍以上なんですから」。再選から一夜明けた30日朝、福岡選挙区で過去最多の100万票を獲得して圧勝した民主党の岩本司(43)は福岡市内の事務所で、長い選挙戦の疲れも吹き飛んだとばかりに、日焼け顔をほころばせた。
小泉旋風のあおりで自民党候補の後じんを拝し、32万票台にとどまった6年前とは逆に、今回は風を味方につけた。だが、選対事務局長を務めた参院議員の大久保勉は「風だけが勝因ではない」と言い切る。
◇
公示を約1か月後に控えた6月中旬。岩本の事務所に、4月の統一地方選で当選した新人県議、市議ら20人ほどが集められた。
選対幹部が意外な指示を飛ばした。「農協、建設業組合……。自民党の支持団体を1人20団体ずつ回ってきなさい」。自民党の足元から攻め込む「小沢方式」。ある新人県議は「おそるおそる訪ねたが、相手先がきちんと話を聞いてくれたので驚いた」という。
大久保は「縁遠かった団体でも、顔を見せて話すことで『民主党でも大丈夫なんだ』と安心感を与えることができた。地方議員が増えたことで弱点だった足腰が強まり、地道な活動が可能となった」と振り返る。
6年ぶりに合同選対を組んだ連合福岡(山口正三会長、約17万人)の支援も大きかった。今回、岩本のトップ当選と傘下労組の比例選候補7人の上位当選を目標に掲げ、組合員を大量動員し、期日前投票も盛んに呼びかけた。今回、傘下労組が支援した比例選候補の県内総得票は、3年前より約2万6000票多い約8万6000票に達した。「比例選との相乗効果も選挙区の大量得票につながった」。会長の山口は胸を張る。
◇
都市部に強いとされていた民主党だが、今回は郡部も含めほぼ全域で他候補を上回った。次期衆院選に期待が膨らむが、大久保は「自民党もこのままでは済まさないだろう。次期衆院選は、激戦の1人区を勝ち抜いた佐賀や長崎県から、こちらが学ぶ番だ」。
選挙戦終盤。「自民党に入れた人も、今度ばかりは民主党」。絶叫する岩本に有権者が駆け寄った。「選挙でいいことばかり言うけど、公約をちゃんと守ってよ」
歴史的大勝に沸く民主党。しかし、有権者の政治不信は根深い。「今度ばかりは民主党」で投票した人を「次も民主党」と思わせることができるか。真の地力が問われるのはこれからだ。(文中敬称略)
◇
民主党の空前の得票で参院選福岡選挙区の戦いは幕を閉じた。「烈風」が吹いた選挙戦を振り返り、今後を展望する。
(2007年7月31日 読売新聞)
761
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:26:09
佐賀選挙区川崎さん 全市町で得票率伸ばす 鹿島、小城両市で50%突破 讀賣佐賀
■佐賀選挙区
川崎さんは、前回04年に比べ約3万3300票も上積みし、21万452票。得票率も6・7ポイント増の49・6%と大きく伸びた。04年の結果を合併で枠組みが変わった現在の市町に計算し直して比較すると、全市町で得票率を伸ばし、全体的には自民候補以外で初めて50%の大台を射程に入れた好調ぶりだった。
市郡別の平均得票率は、10市で50%、13町で48・1%だった。特に、衆院佐賀2区の鹿島、小城両市で50%を突破したのが目立つ。
大票田の3市では、県都・佐賀市が得票率53・2%で1万1946票、合併で有権者が10万人台の規模になった唐津市でも同47・3%で813票リードした。鳥栖市では同55%で5186票の差をつけた。
唐津市と並ぶ同3区の大票田である伊万里、武雄両市で前回は引き離されたが、今回は逆に伊万里市で上回り、武雄市でも差を縮めたのも大きな特徴だ。
町では、前回3357票の差を付けられた白石町で同47・6%と善戦。差を61票まで縮めた。前回680票の差を付けられた江北町では同51・6%で、今回は逆に431票引き離した。有田町も同じ傾向で同48・7%を占め、275票のリードを築いた。
こうした結果について、民主党県連の園田泰郎代表代行は年金記録漏れ問題や閣僚の失言などで、「民主党への風が佐賀でも強く吹いた。自民党がとくに強かったところも含め、幅広い有権者が安倍政権に『ノー』を突きつけたことの表れだ」と分析した。
川上さんは、公明の推薦も得て、18万9212票。ほぼ前回と同じ投票率のなか、前回より7888票減らした。自民が強かった郡部で46%。川崎さんに2・1ポイントの差を付けられ、各町別で川崎さんを上回ったのは4町にとどまった。10市で上回ったのは、武雄、嬉野の2市だった。
中尾さんは、2万5028票。前回より1万4073票減らし、得票率は5・9%。前回より3・5ポイント下がり、同じ野党の民主が躍進したことに比べると、厳しい結果となった。
■比例選
県内主要政党の得票率は、自民がトップを続けていたが、民主が35・96%で初めて自民を追い越した。前回04年比で3・5ポイント伸ばし、比例でも勢いを見せつけた。自民は35・20%で同約3・9ポイント落とした。
公明13・51パーセント、共産4・11パーセント、社民6・04パーセントはいずれも微減だった。
(2007年7月31日 読売新聞)
762
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:26:46
喜びかみしめ、国道でお礼…参院選で初当選の大久保さん 讀賣長崎
街頭で当選のあいさつをする大久保潔重さん
参院選長崎選挙区で初当選した民主党の大久保潔重さん(41)は30日朝、地元・諫早市の後援会事務所に姿を見せ、選挙結果を伝える新聞を広げ、改めて喜びをかみしめた。
選挙は、高い知名度を誇る自民党候補との一騎打ち。年金記録漏れ問題に加え、久間章生前防衛相の原爆投下を巡る発言など自民党への逆風が吹き続けたが、「相手は知名度があるので、いつひっくり返されるか、常に危機感を持っていた」と激戦を振り返った。
午前2時半ごろに就寝、同6時には目が覚めたという大久保さんは、選挙期間中と同じ赤いポロシャツ姿。時折かかってくる支持者らからのお祝いの電話に答えていた。
このあと、妻の貴美さん(38)とともに、市内の国道交差点に立ち、行き交う通勤のマイカーなどに向かってハンドマイクを握り、「ありがとうございました。大変お世話になりました」などと声を張り上げた。
(2007年7月31日 読売新聞)
763
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:27:27
大久保さん、都市部中心に浸透…小嶺さんに競り勝つ 讀賣長崎
29日に投開票された参院選長崎選挙区(改選定数1)は、民主党新人の前県議・大久保潔重さん(41)(国民新推薦)が、自民党新人の元県立国見高サッカー部総監督・小嶺忠敏さん(62)(公明推薦)にわずか2万1806票差で競り勝つ結果となった。与党批判の追い風に乗った大久保さんは、長崎市など無党派層の多い都市部を中心に、県全域で満遍なく浸透した。
得票率は大久保さんが49%、小嶺さんが46%で、2人の差はわずか3ポイント。2004年の前回より2・9ポイント縮まっており、激戦ぶりを物語った。
初当選した大久保さんの得票を市町別にみると、小嶺さんの得票を上回ったのは、県内23市町のうち、長崎、佐世保、諫早の大票田3市と、長崎市近郊の長与、時津2町。久間章生・前防衛相(衆院長崎2区)の原爆投下を巡る発言の影響が注目された被爆地の長崎市では、11万2463票を獲得し、小嶺さんを2万6823票引き離した。
小嶺さんは、地盤の島原半島3市などで優勢だったほか、郡部や合併前に町村部だった市などで優位に立った。しかし、自民党支持層が多い郡部などで大久保さんに差を詰め寄られ、都市部での劣勢を巻き返せなかった。
共産党新人の党県委員・渕瀬栄子さん(51)は、前回の党新人より1万1710票下回った。憲法改正反対など党の独自性を強調したが、得票アップにはつながらなかった。
(2007年7月31日 読売新聞)
764
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:27:55
民主党が最多得票、西岡さんも当選…県内比例選 讀賣長崎
比例選の県内の得票状況をみると、民主党は前回に続き、個人、政党票の合計でトップ。主要5政党では唯一、前回より得票数を伸ばしており、得票率は7・46ポイントと上昇した。
一方、自民党は4・32ポイント下がり、民主党に大きく水をあけられた。長崎選挙区で自民党と選挙協力を結び、比例選では県内12万票の獲得を目指した公明党は2・26ポイントマイナスと振るわなかった。共産党も0・75ポイント下げ、目標の5万5000票に及ばなかった。社民党は2・04ポイント後退した。
また、県出身で民主党現職の元文相・西岡武夫さんは、集中的に運動した地盤の県内で最多となる約8万3000票の個人票を獲得し、当選を果たした。
(2007年7月31日 読売新聞)
765
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:28:26
ダブル選から一夜明け、喜びかみしめる当選候補
参院選の松野さんと衆院補選の坂本さん 讀賣熊本
支持者へ当選のあいさつをする松野さん
笑顔で朝刊を開く坂本さん
参院選熊本選挙区と衆院熊本3区補欠選挙の投開票から一夜明けた30日、当選を果たした民主党新人の松野信夫さん(56)と無所属元議員の坂本哲志さん(56)は改めて喜びをかみしめた。
松野さんは熊本市世安町の事務所で記者会見、「『今の政治を変えてほしい』という皆さんの期待に国政の場でしっかり応える。増税反対を訴え、税金の無駄遣いを徹底して追及していきたい」と抱負を語った。
選挙戦について「年金問題や政治とカネ、大臣の失言が続き、追い風が吹いた。党の農業政策への関心が広がったことも大きかったと思う」と分析した。約2年ぶりの国政復帰となるが、「水俣病や川辺川ダム問題など県政の課題にもしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。
午前7時ごろ起床。支持者へのあいさつ回りや報道各社のインタビューなどに追われた。「4か月間走り続けた。家族とゆっくり温泉にでも行きたい」と日焼けした顔をほころばせた。
一方、坂本さんは大津町の事務所で会見し、「政治とカネの問題に対して、期待に応えなければいけないという責任感でいっぱい」と述べた。
午前7時から大津町と南阿蘇村で辻(つじ)立ちをしてから事務所に姿を現し、支持者らと握手を交わしたり、新聞各紙に目を通したりした。
会見では日焼けした顔を引き締め、「地域振興を図るとともに、『政治とカネ』に関して、自らの政治資金は、1円から領収書を付けるなどオープンにする」と抱負を語った。自民党への復党については「後援会や県選出の国会議員らと相談したうえで入党準備を進めていきたい」と改めて意欲を見せた。
(2007年7月31日 読売新聞)
766
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:29:19
礒崎さん景気回復に意欲 参院選一夜明け笑顔で抱負 讀賣大分
当選を祝う支援者に笑顔で応じる礒崎さん(大分市東大道の事務所で)
参院選の投開票から一夜明けた30日、大分選挙区で初当選した自民党新人・礒崎陽輔さん(49)は大分市の事務所で報道陣の取材に応じ、「景気回復のためにバランスある財源の配分に取り組む」と国政への意欲を語った。一方、次点で民主党県連が全面支援した無所属新人・矢野大和さん(51)の陣営は野党乱立を敗因に挙げ、次いで票を獲得した社民党推薦の無所属新人・松本文六さん(64)は善戦できたと受け止めた。
礒崎さんは30日午前9時ごろ、クールビズ姿のすがすがしい表情で事務所に姿を現し、報道陣に応じた。国政への意欲のほか、勝因も語り、「地方財政の改革など当たり前のことを訴え、それが浸透した」と分析した。
ただ、得票は19万9523票で自民党としては、「55年体制」以降、過去最少得票にとどまり、他候補の総得票数(40万超)の半分にも満たなかった。参院は与党が過半数を大幅に割り込み、国会運営が困難な状態となった。これについては、「政策については(野党と)十分に話し合えば通じるところはある」と語った。
民主党県連が全面支援した矢野さんは、吉良州司・党県連代表とともに佐伯市の事務所に姿を現し、「17万人もの方々が投票してくれたことを誇りに思う」とスタッフらの労をねぎらった。
吉良代表は記者団の取材に応じ、従来の国政選挙で協力関係を続けてきた社民党県連合との候補者調整ができなかったことに関し、「決して社民がダメだと言ったわけではなく、ほかの候補がいいと判断しただけ」と語った。敗因については、社民党との分裂とはせず、「(国民新党の)後藤博子さんの出馬で票が流れた」とした。
一方、松本さんは社民党県連合の重野安正代表らと県内各地の支援団体などへあいさつ回りをした。
2000年以降5回の衆参両院選挙で、民主、社民両党が協力し連合大分が支援してきた「大分方式」が崩壊し、松本さんは単独での戦いを余儀なくされたが、14万287票を獲得。同県連合幹部は「(党勢の衰退という)厳しい戦況で、力を発揮してうまく獲得できたと思う」と話していた。
(2007年7月31日 読売新聞)
767
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:31:29
外山さん「最重要課題は年金改革」…無所属としての活動表明 讀賣宮崎
県庁で心境や今後の取り組みについて会見する外山さん
参院選宮崎選挙区(改選定数1)で初当選した外山さんは一夜明けた30日、県庁で記者会見し、「一票を投じた人の期待、投じなかった人の批判を受け止め、一日でも早く県民、国民のために働きたい」と抱負を語った。また、政党に入らず、無所属議員として活動することを表明した。主なやりとりは次の通り。
――勝因は
「県民の自民党に対するアレルギーが強く、自分がその受け皿になれた。加えて、自民党を支持してきた農業者や建設業などは自民党におきゅうを据えないといけないという気持ちで投じてくれた。若い柔軟な発想で古い体質を壊してほしいという期待もあったと受け止めている」
――東国原知事誕生で県民意識が変わったことも影響したか
「一人ひとりに政治を変える意識が芽生え、多大な影響があったと思う」
――政党入りしない理由は
「参院に政党政治はなじまないという考えを貫きたい。参院会派については、民主党・新緑風会も視野に入れているが、色々考えたい。保守系会派には入らない」
――最も取り組みたいことは
「最重要課題は年金制度改革。今の制度は、国民が信頼できなくなっているので、抜本的改革が必要。格差解消にも全力で取り組む。また、衆院のコピーと言われる参院のあり方も見直すべきだ」
――公示前、街頭に張ったポスターが、県選管から撤去指導を受けたが
「ボランティアが張ったものだが、誤解を与えたことは申し訳ない」
(2007年7月31日 読売新聞)
768
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 09:32:15
参院選から一夜明け「役割果たせた」加治屋さん安堵の表情 讀賣鹿児島
読売新聞を手に、激戦を振り返る加治屋さん(30日午前8時55分、鹿児島市の後援会事務所で) ▼
参院選比例選に自民党から立候補した鹿児島市出身の尾辻秀久さん(66)も4選を果たした。「当選確実」の知らせは30日午前2時30分ごろ、同市内の事務所に届いた。全国的に自民党が劣勢の中、支持者は「よかった」と胸をなで下ろしていた。
拍手で迎えられた尾辻さん自身は万歳せず、「みなさんのおかげで、悔いのない戦いができました」とあいさつ。焼酎のたるを割り、振る舞い酒で陣営スタッフや支持者らをねぎらった。
加治屋さんは30日、1時間30分の睡眠の後、午前6時ごろ起床。午前8時過ぎから、鹿児島市吉野町の後援会事務所で取材に応じた。加治屋さんは「取りあえず(自民党)公認候補しての役割は果たせたかな」と安堵(あんど)の表情を見せた。
勝因を聞かれると、「本当に勝ったと言えるのかね。2万票じゃなく、2000票差だからね」。全国的に自民党が大敗を喫しただけに、終始笑顔は少なく、民主党が参院第1党となったことで「国会運営が難しくなるのは間違いない。(民主党が)法案にすべて反対していったら、国会は滞ってしまう」と心配していた。
惜敗した皆吉さんは午前9時から、鹿児島市内の推薦団体などを回り、「自分の力不足で追い風を生かせず、済みませんでした」と頭を下げた。お盆前までに県内を一巡し、お礼回りを済ませる予定という。
選対事務局長を務めた川野和幸・連合鹿児島事務局長は、加治屋さんに3万票リードできると見込んだ鹿児島市の得票が予想以上に伸びなかったことを敗因に挙げた。元自民党県議の打越明司氏の入党や前自民党衆院議員・松下忠洋氏の支援、京セラ労組の推薦など県内各地で次々と集票の仕掛けを講じた一方、「振り返ると、鹿児島市ではそうした手を打てなかった。最後の最後で自民党が組織を引き締め、地力を出された」と肩を落としていた。
当402,541 加治屋義人 69 自 民〈谷〉現
□399,877 皆吉 稲生 57 民 主 新
42,657 山口 陽規 54 共 産 新
(選管確定、一部地域既報)
(2007年7月31日 読売新聞)
769
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 10:28:20
民主、自民各県連が参院選を総括 熊日
http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20070730200020&cid=main
参院選熊本選挙区の勝利で会見する民主党県連の幹部ら=熊本市
参院選の結果を総括する自民党県連の緊急役員会=熊本市
二十九日投開票された参院選熊本選挙区で党公認候補が当選した民主党県連は三十日、熊本市で幹部らが会見、「自民党批判票を取り込めた」と勝因を語った。一方、十八年ぶりに改選議席を失った自民党県連は同日、緊急役員会を開いた。
民主党県連の会見は同市世安町の総合選対事務所であった。熊本選挙区の選対本部長を務めた松野頼久衆院議員(熊本1区)が「郡部で自民への批判票を取り込めた」と選挙戦を振り返った上で、「参院で与野党逆転を果たし、これから党の真価が問われる」と気を引き締めた。
鎌田聡代表は「衆院の解散は近いと予想している。党の候補者が空白の熊本2、4、5区で選考を急ぎ、早急に態勢を整えたい」と語った。
一方、三選を目指した前職が落選した自民党県連は同市水前寺の県連会館で緊急役員会。終了後会見した古閑三博会長は「敗因は党への逆風だった。組織を挙げて票差を詰めたが、あと一歩努力が足りなかった」と分析した。
役員会では今参院選のため任期を延長していた県連役員の改選を八月中に実施することを確認した。(小多崇、野方信助)
770
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/07/31(火) 10:35:34
大久保氏に無党派の票 出口調査分析 長崎
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070731/05.shtml
参院選投開票日の二十九日、長崎新聞社とNBC長崎放送は、県内の投票所四十カ所で出口調査を実施。比例代表の投票政党、日ごろの支持政党と、長崎選挙区での選択の相関関係などを探った。初当選した民主新人、大久保潔重氏が自民、公明支持層の二割以上に食い込み、自民新人の小嶺忠敏氏より圧倒的に無党派層の票を得たことなどが分かった。年金問題や閣僚の不祥事を受け、比較的保守地盤が固いとされた本県にも強い「逆風」が吹いた。
出口調査は▽長崎選挙区で投票した候補▽比例代表で投票した政党▽日ごろの支持政党▽投票の判断材料−などを質問。有権者二千六十六人から回答を得た。
大久保氏は、七十歳以上で小嶺氏にリードされたが、それ以下の世代では満遍なく支持を集めた。比例代表で民主に投票した人の84・0%、社民に投票した人の86・9%をまとめ、民主、社民の選挙協力態勢を確立。日ごろの支持政党との関係では、自民支持層の25・4%、公明支持層の21・7%に浸透し、無党派層の61・0%を取り込んだ。
一方、小嶺氏は、比例代表で自民に投票した人の85・5%、公明に投票した人の70・4%をまとめたが、無党派層からの投票は31・4%にとどまり、抜群の知名度を十分に生かせなかった。
投票の判断材料については、年金問題が54・9%でトップ。憲法改正が13・6%で、原爆投下をめぐる久間章生前防衛相の発言は6・9%にとどまった。ただ、年金問題を判断材料にした人の57・0%、久間氏の発言を判断材料にした人の68・5%が大久保氏に一票を託しており、安倍政権への批判の受け皿となった面がうかがえた。
日ごろの支持政党と、比例代表で投票した政党との関係では、自民支持層の23・9%、無党派層の53・0%が比例代表で民主に投票。追い風に乗った民主の一人勝ちを印象づけた。
771
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/02(木) 08:09:45
支持者離反揺らぐ自民・・・参院選 讀賣福岡
1日に開かれた自民党県連の緊急会議。福岡選挙区では、現職の松山政司(48)は再選を果たしたものの、党の歴史的な惨敗に、重苦しい雰囲気が漂い、幹部から「安倍首相や党本部の対応が悪かった」と批判も上がった。県連幹事長の江口吉男は会合後、こう漏らした。「党の説明不足が不満を招いた。(民主党の大量得票は)『お灸(きゅう)票』だ」
◇
公示直後から、県連会長の新宮松比古は、支持者の“異変”をはっきり感じていた。「今度は支援しない」。あいさつ回りの先々で、あからさまに言われた。別の県議は「一体、自民は何をやっているのか」と憤りをぶつけられた。「年金問題だけじゃない。閣僚の失言、政治とカネ……。長年の支持者が怒っていた」
選挙戦終盤、松山の個人演説会。応援弁士として立った県連幹部から「数々の失言は許せない」と身内批判が飛び出した。「これぐらい言わないと、流れを変えられなかった」と幹部。議席死守のため、なりふり構わぬ引き締めが図られた。
だが、離反は止まらなかった。読売新聞社と日本テレビ・同系列局が共同実施した出口調査では、自民党支持層のうち、松山に投票したのは63%にとどまり、30%もの支持者が民主党現職の岩本司(43)に流れた。
「自民党へのきついお仕置きの声が、最後まで収まらなかった」。当選しても新宮の悩みは尽きない。
◇
自民党の足元が揺らぐなか、松山は6年前より約20万票を上積みした。集票力を発揮したのは、連立政権を組む公明党だった。
公明党と松山陣営は「選挙区は松山、比例選は公明党」という選挙協力を結んだ。党県本部幹事長の森下博司は「公明に比例票を投じた人の約8割は松山さんに投票したはず」と、自民党への貢献を強調する。一方で、比例選の県内得票は、3年前の前回より5万票少ない39万票で、目標の47万票に届かなかった。
「問題は自民党にあったのに、うちはあおりを食った。信義を尽くした分、返ってきたかも疑問」と森下。与党の惨敗は県内の自公関係にも微妙なしこりを残した。
◇
民主党にトップ当選の座を奪われたとはいえ、議席確保に、自民党県連内には、一定の安堵(あんど)感が漂う。新宮は「組織を充実させれば、次期衆院選は必ず勝てる」と自信を見せる。
だが、ある県議は警鐘を鳴らす。「2番手になったことで、経済界や役所、首長への影響力は確実に低下する。よほどの覚悟で立て直さないと、同じ憂き目を見ることになる」
(おわり、文中敬称略。この連載は川浪康裕、吉田均、坂本宗之祐が担当しました)
(2007年8月2日 読売新聞)
772
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/02(木) 08:11:35
[07参院選 余震 下] 讀賣熊本
出陣式でトラクターを運転して登場した松野信夫さん(7月12日朝、甲佐町糸田で)▲
参院選が公示された7月12日朝、甲佐町糸田の緑川河川敷のグラウンドゴルフ場で行われた民主党新人・松野信夫(56)の出陣式。緑の山並みと豊かな水の流れを背に、麦わら帽子に長靴姿の松野が自らトラクターを運転して支持者の前に登場した。思わぬパフォーマンスに何台ものテレビカメラが松野の後を追った。
同町は松野の両親の出身地。「山など緑のある場所を探した。どうすれば相手陣営との違いを出し、テレビなどへの露出度を増やせるかを考えた」。選対事務局長の田尻将博は、選挙戦のスタート地点にあえて農村部を選んだ理由をこう説明した。まさに今回の選挙戦での松野陣営の戦術を象徴するシーンだった。
◇
民主党は都市型政党のイメージが強く、自民党支持層の多い農村部は最大の弱点。国政選挙ではこれまで熊本市など都市部では健闘するものの、農村部で自民党に大きく水をあけられ、苦杯をなめてきた。
農村票をどう取り込むか。あらゆる戦略はそこから組み立てられた。
党本部から選挙対策や広報担当のスタッフが陣営に送り込まれ、小沢代表も計5回熊本入りし、陣営幹部に「川上から攻めろ」「動員で集めるのではなく、自ら入り込んでいけ」とげきを飛ばした。
松野は県南の農村地帯から遊説をスタートさせ、公示前にはチラシ部隊が戸別所得補償制度など党の農業政策をPRするチラシを配って回った。
選挙戦中盤の7月21日、南阿蘇村の観光施設で約1000人(県連発表)の聴衆を前に小沢代表がマイクを握った。会場は異様な熱気に包まれ、農業政策を訴える演説は約40分に及んだ。後日、「民主党の看板を家に立てたい」と申し出る人もおり、県連幹部は「農村部でも無党派層化が進んでいる」と感じ取った。
◇
今回、民主党が県内で獲得した比例票は約34万票。初めて自民党を上回ったが、年金記録漏れ問題や政治とカネ、相次ぐ閣僚の失言による与党批判票が流れたことが大きかった面は否めない。
県内の党公認議員は現在、県議2人、市議3人、町議1人のわずか6人。頼みの綱とする労働組合も、正社員の減少や労働者の意識の変化などで県内の組織率(推定)は1975年の26・9%から2005年は14・3%にまで落ち込んでいる。
「(今回の得票は)自民党への批判票であるということを謙虚に受け止めないといけない」。当選から一夜明けた7月30日、松野事務所で開かれた党県連の記者会見で、選対本部長の同党衆院議員・松野頼久は自らに言い聞かせるように言った。県連代表の鎌田聡も「もっと地方議員を増やし、足腰を強くしなければならない。衆院の解散・総選挙もそう遠くなく、これからが踏ん張りどころ」と気を引き締めた。
過去最高の約44万票獲得に手応えをつかんだ県連は、来春の知事選で独自候補の擁立を検討する構えだ。保守王国を揺るがした今回の参院選は、波乱含みの第2ラウンドを予感させる。(文中敬称略。この連載は掃本直行、佐々木道哉が担当しました)
(2007年8月2日 読売新聞)
773
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/02(木) 08:12:52
混沌 07参院選 トップ 讀賣宮崎
<上>「自民におきゅう」無名の新人に期待次々
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/kikaku/075/1.htm
支持者がほとんど集まらず、閑散とした小斉平の事務所(29日午後8時10分)
「今まで宮崎を苦しめたのは、保守王国を築き上げた自民党だった。その反発が、私を当選させたエネルギーを生み出した」
29日午後8時過ぎ。参院選宮崎選挙区史上最年少で当選を果たした外山は、割れんばかりの拍手の中、上気した表情でこう解説してみせた。
外山陣営の戦略は、当初から▽労組など組織票の徹底▽無党派層への浸透▽保守層の切り崩し――の三つ。
労組票は、連合宮崎会長の横山節夫(53)が選対本部長として、陣頭指揮を執ってまとめた。最大の課題は、いかに、自民党を切り崩すかだった。
外山は年金と格差を争点と訴えることで、自民党支持層の不満を吸収した。「しがらみで外山を支援できなかった人、例えば、自民党を支持してきた農家や建設業者が、どっとこっちに流れた」。後援会にあたる「外山いつき応援隊」代表の吉田利正(66)が言うように、陣営には「表立っては支援できないが、自民党政治を変える候補に入れる」「ずさんな年金記録には我慢できない。今回は自民党におきゅうを据える」などと、自民党への怒りの裏返しとして、外山に期待の声が次々と寄せられた。
「無名の新人」として、出馬表明から2か月足らずで20万票近くを集めた。保守王国に風穴を開けたどころか、「保守王国が動いた」と自ら例えたように、自民支持層の離反で根元から崩れた保守王国の票を無党派の風に乗ってさらった。
外山陣営が歓喜にわき上がっていたころ、約10キロ離れた同市島之内の小斉平の事務所に集まった支持者は約20人だけ。閑散とした事務所のテレビで外山当選の速報に目を凝らしていた選対幹部は、腕組みをして黙り込み、別室に消えた。
「やはり年金かな」。報道陣に落選の理由を尋ねられた小斉平は、真っ黒に日焼けした顔で力無くつぶやいた。
小斉平と、現職だった長峯基(66)が公認を争い、同党県連が分裂した6年前の参院選では、小斉平が約19万9000票、長峯が約15万5000票。今回は小斉平約14万6000票、長峯約7万3000票と、大きく票が割れなかったことから、「一枚岩になれた」と自負する県連関係者もいる。
「私たちの責めより、中央(党本部)の責めを問うべきだ」。敗れれば「県連の解体も覚悟」と繰り返していた県連会長の坂元裕一(58)の言葉が寂しく響いた。
(敬称略)
774
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/02(木) 08:14:01
烈風 2007年参院選 トップ 讀賣宮崎
<中>「怨念よりも年金」改革迫られる自民県連
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/kikaku/075/2.htm
互いに労をねぎらう小斉平(右)と04年の参院選で落選した上杉光弘
「人生最後の戦い。相手はあくまで小斉平さんだった」
参院選から一夜明けた30日。引退を決めた長峯基(66)は、自分は当選できなかったが、もう一つの目的を果たし、さばさばとした表情を浮かべた。
6年前の参院選で、現職でありながら自民党公認を小斉平敏文(57)に奪われた「怨念(おんねん)」は、最後まで自民党を苦しめた。公示前、党本部は世論調査の結果で長峯が出遅れていることを挙げて、出馬を断念するよう働きかけたが、長峯は、きっぱり断ったという。
ある県連幹部は、「長峯の支持者は、自分の票が(当選には結びつかない)死票になっても構わないと思っている。『小斉平憎し』だから」と苦笑した。今回、小斉平と長峯の票を合わせれば約22万票で、計算上では外山(約19万7000票)を上回る。
だが、6年前の参院選の小斉平と長峯の票(それぞれ約20万票、約15万5000票)ほど、今回の2人の票(小斉平約14万6000票、長峯約7万3000票)が大きく割れなかった結果から、「県連は一枚岩になれた」と評価する県連や陣営幹部もいる。
今回の敗因はむしろ、自民党を襲った年金という逆風だったという声が圧倒的だ。
「年金記録漏れ問題が、あんな騒ぎになるなんて思わんかった」。小斉平の選対副本部長を務めた県議の星原透(60)は振り返った。
自民党本部が行った県内有権者に対する世論調査で、小斉平は毎回、外山に数ポイント差でリードされていた。
「自民党には、逆風どころか台風が吹き荒れている」。選挙序盤から追う立場だった小斉平は決起大会や集会のあいさつで、こう繰り返した。
選挙中盤、小泉前首相が駆けつけた7月23日に宮崎市内で開かれた総決起大会。立ち見が出るほど盛り上がったように見えたが、集まった支持者たちは冷めていた。「年金問題の言い訳ばかりで嫌になる」。農協職員(54)はため息をついた。
小斉平は今回、保守層が多い郡部で苦戦した。6年前の参院選では、小斉平は35町村中、22町村で最多得票し、民主党、社民党、連合宮崎などが推薦した次点の東治男(62)の2町をはるかに上回った。ところが、今回は21町村(合併で町村数は減少)のうち10町で外山に敗れた。
「自民党の牙城(がじょう)だった農村部でも『小斉平さんには悪いけど、自民党には入れない』と言われた。農家も専業農家が減るなど構造改革が進み、自民支持層を壊している」。党県連会長の坂元裕一(58)は頭を抱える。
坂元は続ける。「各支持団体が(組織選挙は)『もうしない』と言い始めている。大衆政党に脱皮しないといけないのだが……」。支持者が離れ、内部にもしこりが残る自民党県連は今、改革を迫られている。
(敬称略)
775
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/02(木) 08:15:03
烈風 2007年参院選 トップ 讀賣宮崎
<下>民主衆院選に“宿題”…全選挙区で候補者不在
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/kikaku/075/3.htm
外山(中央)を挟み、非自民の結束をアピールする民主党県連代表の井上(左)、社民党県連合代表の鳥飼謙二(右)ら
民主党県連副代表を辞して参院選にくら替えした外山斎(31)が、自民党現職の小斉平敏文(57)に圧勝して当選を決めた7月29日夜。労働福祉会館(宮崎市)で勝利に沸く陣営の中で、民主党県連代表・井上紀代子(60)は、ひときわ感慨深げな表情を浮かべた。「保守の『分裂票』など当てにせず、一から無党派層を掘り起こした」。同党県連や社民党県連合、連合宮崎など非自民勢力でつくる「CNP会議」が初めて自力で自民党現職を倒した記念すべき日だった。
2004年の前回参院選でも、CNPが支援した無所属の松下新平(40)が自民党現職だった上杉光弘(65)を破った。だが、この時は自民党内の「反上杉」勢力が水面下で松下を支援したからこそ実現した結果だった。
今回、事情は違った。自民党が、かつてない危機感から“挙党態勢”で臨み、自民党の“離反者”は期待できなかった。年金記録漏れ問題などで野党へ強烈な追い風が吹いたとはいえ、非自民勢力が、着実に結束を強めていることを印象付けた。
それでも、非自民の中核である民主党に不安材料は多い。
参院選で連勝はしたものの、政権交代に直結する衆院選では、宮崎1区で米沢隆(67)(05年に政界引退)が比例選で復活当選しただけで、県内3小選挙区では結党以来、連敗続き。次の衆院選で3区の公認だったはずの外山が参院議員に転身したことで、全選挙区の候補者が不在となった。
候補一本化ができず、分裂を繰り返した自民党県連の歴史に対し、民主党県連は自前候補の擁立に悩み続けてきた。県議、市町村議員の数が乏しく、人材を発掘するネットワークが不十分だからだ。自民党県連幹部から「民主党に弾がないのは変わらない」と言われる組織の脆弱(ぜいじゃく)さは克服できていない。
今回も、候補者選定は難航した。「手を挙げる人はいるが、勝てるかどうか見極めないと」と言い続けた井上に、周囲から「井上さんの胸に秘められたままだ」と不満がくすぶった。
5月23日。外山が出馬の相談をした相手は、民主党県連幹部ではなく、連合宮崎事務局長(現会長)の横山節夫(53)だった。2人の極秘会談で、外山出馬のレールが敷かれた。
7月1日の県連大会では、こんなちぐはぐな場面もあった。井上が「(参院選候補として)外山さんの名前を聞いた時はびっくりした」とあいさつすると、横山は「外山さんの相談がなければ、候補が発掘できたかは疑問」と返した。
ある民主党県連幹部は「今回は、自民への逆風のおかげ。地域の密着度が高い衆院選に向け、もっと足腰を強くしないと」と上滑りを警戒する。
民主党県連と社民党県連合はこれまで、参院選では協力しても、衆院選では独自の戦いを繰り広げてきた。「政権交代」選挙には、自前候補の当選が不可欠だ。民主党県連は「勝てる公認候補を擁立する」という大きな宿題を背負っている。(敬称略)
776
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 15:31:51
保利氏衆院選へ危機感…自民党参院選ショック 讀賣佐賀
総括責任者として川上さんの敗北をわびる保利衆院議員
参院選の結果が出た7月29日夜。佐賀市にある自民党新人・川上義幸さん(52)の事務所は沈痛な雰囲気に包まれた。
選挙の総括責任者を務めた衆院議員の保利耕輔さん(72)(佐賀3区)は「指揮、監督が足りなかったことについて、おわび申し上げます」と、頭を下げた。初めて目の当たりにする保利さんの謝罪。駆け付けた党唐津支部長の熊本大成・唐津市議長は、責任を痛感した。
やがて、市町別の開票結果も判明。保利さんの地元・唐津市でも民主党新人・川崎稔さん(46)の得票が、川上さんを813票上回ったことを知り、熊本さんは二重のショックを受けた。
年金問題や閣僚の失言、商工共済問題で陣内孝雄参院議員(当時)の責任を認める判決が下るなど、自民党に対する風当たりは感じていた。だが、「唐津で負けるなんて。これほどの逆風は意識できなかった……」。
■
保利さんには、唐津での“不敗神話”がある。郵政民営化に反対し、危機的状況に追い込まれた2005年の衆院選は自民党を離党して、佐賀3区(唐津市、伊万里市など)に立った。だが得票率は50%を超え、党公認で立候補した広津素子さん(54)(比例で復活当選)を圧倒し、10連勝を達成した。
復党した保利さんは、参院選投票日の1か月前に、総括責任者に任命された。
「3区、とくに唐津市で負けるわけにはいかない」と、陣営は背水の陣を敷いた。保利さんは選挙カーに乗って市内で遊説。保守系市議らは企業の朝礼であいさつに立ち、街頭でビラを配布した。
7月23日、安倍首相の佐賀市入りが急きょ決まった。だが、首相の隣に川上さんの姿はなかった。保利さんが、党本部と交渉し、川上さんを予定通り、唐津市一帯で遊説させるためだった。
□
敗因について、自民党鎮西支部長の宮崎卓・唐津市副議長は「市町村合併で日常的に政治活動をしていた町村議員が減ったことも、結果に影響した」とみている。地方議員の減少で、地域と党とのつながりが薄くなったことも感じた。
一方で、保利さんの“刺客”だった広津さんに、集会への招待状を出さない団体もあるなど、前回衆院選のしこりを指摘する声もある。
保利さんは「唐津での負けは、次の衆院選に向けても反省すべき点がたくさんあることがわかった。(民主に)食い込まれた危機感もある」と、唐津で初めての敗北に警戒感を強める。
参院選を終えた衆院佐賀3区の自民党関係者は、吹き荒れた逆風の行方を不安を募らせながら見守っている。
(2007年8月3日 読売新聞)
777
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 15:33:35
激震 07参院選ながさき トップ
<上>誤算 讀賣長崎
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/kikaku/043/1.htm
募らぬ危機感、知名度にあぐら
谷川会長の進退問題について協議するため集まった自民党県連の三役たち
投開票から一夜明けた30日正午すぎ。長崎市の自民党県連で幹事長室にこもっていた末吉光徳の元へ、総務会長の野本三雄、政調会長の馬込彰がそろって顔を見せた。視線を合わせると、浮かない顔でため息を漏らし、どっかりとソファに腰を沈めた。
結党以来初めて、県内の参院議席をすべて失った自民党。担ぎ出した元県立国見高サッカー部総監督・小嶺忠敏には政治経験が全くなかっただけに、県連主導の「党営選挙」に失敗すれば、責任問題に発展するのは確実だった。緊急招集された三役会議の議題は、党県連会長の谷川弥一が前夜に提出した辞表の取り扱いだった。
敗戦の兆しは、早くから見え始めていた。
「政治とカネ」を巡る問題を巡り、前農相の松岡利勝が自殺したのは5月末。党県議の松田正民はそのころ、自民党の金城湯池とも言われた県北部で、一つの“異変”に気付いた。
熱心な党の支持者の自宅前に、民主党のポスターが堂々と張り出されている。「何かあったんですか」「愛想が尽きた。おきゅうを据える」。翻意の説得は実らなかった。
自民党は6月の県連定期大会を前哨戦の総決起集会と位置付けた。しかし、党の国会議員や県議、市議らの危機感は募らず、小嶺の知名度にあぐらをかいたままだった。4月の県議選の候補者擁立を巡る摩擦も、党内を白けさせていた。
そして、公示を控えた6月末、小嶺の立候補を推した前防衛相の久間章生が原爆投下を「しょうがない」と発言。参院選への影響を理由に大臣を辞めた。
長崎市選出の党県議・佐藤了はあきれ返った。高齢層に強い自民党の支持者には、被爆者も多いと言われる。佐藤も被爆者だ。「あの閃光(せんこう)を思い出せば、自民党議員の自分でさえ、考えるところがあった。県民にとっては、なおさらだ」
県連三役は、谷川の辞表の取り扱いを決めあぐね、県選出の国会議員にげたを預けた。6月の大会以降、三役会議はこれが初めてだった。「せめて選挙中ぐらいは3人で集まって、対策を練るべきだったかもしれない」。末吉はうなだれた。
小嶺にとって、生まれて初めての選挙戦は、思わぬ誤算が続いた。戦いを終えた28日夜、事務所に帰った小嶺はこうぼやいた。
「『自民党じゃなかったら』とよく言われたよ。小嶺党でも県民党でも、そっちの方が良かったかな」
直前まで事務所にいた県議や市議らは、いつの間にか姿を消していた。(敬称略)
778
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 15:35:05
激震 07参院選ながさき トップ
<中>策略 讀賣長崎
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/kikaku/043/2.htm
組織戦と巧みな駆け引き
当選から一夜明け、運動員と握手を交わす大久保さん(7月30日)
「早く持ってこんかッ」
公示まで1週間を切った7月上旬。雨交じりの強い風が吹き付ける中、民主党新人の前県議・大久保潔重(41)は、長崎市のJR長崎駅にほど近い交差点に立った。
運動員が慌てて差し出したミカン箱をひったくると、上に飛び乗り、国道側に手を振り始めた。その態度に怒った運動員が、持っていた名刺の束を地面に投げ付けた。風に飛ばされた名刺が、塗れた歩道にパラパラと散らばった。
大久保は、焦っていた。
年金記録漏れ問題に加え、相次ぐ閣僚の不祥事。直前には、前防衛相の久間章生が原爆投下を「しょうがない」と発言し、大臣を辞任したばかりだった。
それでも、自民党新人の元県立国見高サッカー部総監督・小嶺忠敏(62)が誇る知名度は、大久保にとって脅威だった。「風は感じる。だが、手応えは感じない」。戦況を測りかねていた。
前後して、陣営を刺激する出来事があった。
長崎市であった小嶺の総決起大会に知事の金子原二郎が出席。過去の選挙で表向き「中立」を保ってきた金子が、今回は小嶺支持を鮮明に打ち出した。「県政運営には政権与党とのパイプが欠かせない」という判断だった。
大久保側は反発した。民主党県連や、民主・社民系の県議会会派などが、金子に対し立て続けに抗議。陣営の選対本部長でもあった連合長崎会長の高石哲夫は、2006年の知事選で金子に出した推薦の取り消しをちらつかせ、小嶺からの“撤退”を迫った。組織の力と、過去の選挙のしがらみを武器に、政治家の動きを封じようという巧みな策略だった。
金子がひるまないと悟ると、高石は佐世保市に向かった。
接触したのは、前市長の光武顕。4月の市長選で、後継候補として元助役を擁立したが、自民党県議だった朝長則男に敗れた。
その朝長が今回、金子と共に小嶺の支援に回った。連合長崎は市長選で元助役を推薦。見返りの協力を求める高石に、光武は「信義則は破らない」と答えた。
長崎市では、陣営の屋台骨となる三菱重工労組長崎造船支部が、終盤の追い込みをかけていた。
投票は7月29日。国会の会期延長で、当初の予定より1週間ずれ込んだ。長崎造船所は26日から夏休みになっていた。「期日前には行ったか」「当日は必ず行けるのか」――。組合員の名簿は一人ひとりチェックされた。
29日夜、長崎市の大久保の事務所に、万歳の声が何度も響いた。
「勝利のポイントはいっぱいあるが、組織のみんなが頑張ってくれた。自民党も組織戦だろうが、それはこちらも同じだよ」。興奮の余韻が残る中、高石はこう振り返った。(文中敬称略)
779
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 15:36:37
激震 07参院選ながさき トップ
<下>波紋 讀賣長崎
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/kikaku/043/3.htm
当選証書の受け渡し式で、金子知事(左)と握手を交わす大久保さん
1日午後、県庁3階の特別応接室。民主党新人の前県議・大久保潔重(41)に、参院選長崎選挙区の当選証書が手渡された。
「この当選は県民の厚い信任、期待の表れ。県民、国民の代表者として力を尽くしてほしい」
県選管委員長の村木文郎が激励の言葉を述べると、同席した党県議らが、大きな拍手を送った。
民主党は今回、現職の元文相・西岡武夫も比例選で当選。県選出の国会議員数は、これまでの「自民5、民主4」から、「民主5、自民4」に逆転、両党の勢力図は塗り替えられた。
党勢の立て直しを迫られた自民党。衆院議員の谷川弥一は「大久保はもちろんだが、西岡の当選は厄介な問題だ。比例選で県内の8万3000票を抑えたということは、選挙区でもそれだけ、自民支持層を奪われたと見ていいだろう」と頭を抱える。
他の政党もまた、厳しい審判を下された。
選挙区で自民党新人の元県立国見高サッカー部総監督・小嶺忠敏(62)を推薦する一方、比例選に力を入れた公明党。得票は約9万6000票にとどまり、2004年の前回を約1万4000票も割り込んだ。
民主党の“一人勝ち”に埋没したのは、野党勢も同じだった。共産、社民両党にとって、加速する2大政党化に歯止めをかけることはできなかった。
波紋は、政党間の勢力争いにとどまらない可能性もある。
九州新幹線長崎(西九州)ルート建設による経済活性化を訴えた小嶺。建設推進運動の先頭に立ってきた知事の金子原二郎が全面支援したが、敗北に終わった。
佐賀選挙区では、建設に反対する並行在来線沿線自治体の説得に当たった自民党新人の元副知事・川上義幸が落選。与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームで座長を務めた前防衛相の久間章生も、原爆投下を巡る発言問題で求心力を失った。
「新幹線は参院選の争点ではなかった。予算を決めるのは政権与党。解散しない限り、その権限は現政権にある」と語る金子。だが、ある自民党県議の目測は違う。「新幹線計画は苦境に立たされた。それだけに限らない。知事にとって、これからの県政運営は決して楽じゃないはずだ」
新幹線建設の必要性は認めつつも、着工に向けた手続きの進め方には疑問を呈する大久保。「おめでとうございます」「ありがとうございます」――。選挙戦でぶつかり合った金子と大久保は、当選証書の受け渡し式で短く言葉を交わし、互いに硬い表情で手を握り合った。
しかし、金子が去った後、大久保は言い切った。
「おかしな事があれば、徹底的にやる。県政にも国政にも、緊張感ある議論が必要だ」(文中敬称略)
(この連載は緒方慎二郎が担当しました)
780
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 20:09:19
自民支持の3割、川崎氏に/参院選出口調査
2007年08月01日 朝日佐賀
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000000708010002
民主党の川崎稔氏(46)が無党派層の支持を取り付け、自民支持層を約3割も切り崩した――。参院選佐賀選挙区で朝日新聞社が29日に県内60カ所で実施した出口調査の結果(有効回答2782人)から、そんな「勝敗の構図」が見えてきた。安倍政権に強い逆風が吹きつける中、長年保守王国を支えてきた自民党支持層の一部が離反した様子が、データからも浮かび上がった。
「自民党でなければ、表だって政治活動ができないと言われるようなこの佐賀で、いろんな立場の人が支持を寄せてくれた」。当選の報に沸き返る佐賀市の事務所で29日、川崎氏は興奮気味に語った。
各政党支持層がだれに投票したか、出口調査の結果をみると、幅広い層が川崎氏を選んだことが分かる。
民主党支持層の約9割を固め、県連合レベルで支持に回った社民党支持層の8割もまとめた。さらには、回答者の4割を占める自民支持層のうち3割を切り崩し、自民候補を推薦した公明支持層の2割も引き寄せた。
川崎氏は、県内23市町のうち17市町で得票数がトップだった。特に、唐津市や伊万里市など、従来は自民党の強固な地盤とされた地域で優勢に立ったことが特徴的だ。出口調査と考え合わせれば、県内で広範に自民支持層の離反が進んだといえそうだ。
回答者の約2割を占めた無党派層でも、川崎氏が約7割と、他候補を圧倒した。01年の参院選で民主候補は、無党派の3割強だったが、前回の04年は約6割。無党派層での着実な浸透ぶりが勝利を後押しした。
神埼市の自営業男性(55)は、小泉政権の時は「小泉首相に武士道のようなもの」を感じて、自民党を支持したが、今回は民主党に一票を投じた。「安倍首相は、事務所費問題の対応も、『美しい国』の意味も、何をしたいのかが分からない。ポリシーが見えてこない」
今回の参院選で「消えた年金記録」の問題は、大きな争点の一つとなった。出口調査では、「年金問題が投票に影響を与えたか」との問いに、約半数が「影響した」と答えた。その3分の2が選んだのは川崎氏だった。5月末から「消えた年金、探します」と訴え続けたことが、有権者の支持を広げたようだ。
ずっと自民支持だったという鳥栖市の主婦(64)も「年金のことを考え、今回は川崎さんにした」と明かす。公示日の直前、自分の年金に「空白期間」があったことが判明。「『与党に勝たせたら年金問題は幕引きされる』という民主の街頭演説が頭に残っていた。今回は特別です」
781
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 20:11:06
磯崎氏、逆風跳ね返す
2007年07月30日 朝日大分
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000707300006
参院選は29日、投開票され、大分選挙区(改選数1)では、元総務官僚として地方自治に精通し、「即戦力」であることを強調した自民新顔の礒崎陽輔氏(49)が、公明の支援も受け、安倍政権への逆風も跳ね返して初当選した。野党系の4候補は、民主と社民が共闘する「大分方式」が崩れ、国民新や共産も参戦して入り乱れた「野党分裂」が最後まで影響して、「共倒れ」に終わった。自民は失っていた参院の2議席のうち一つを奪還した。当日有権者数は99万5038人、投票率は63・04%だった。
礒崎氏が午後10時45分ごろ、支持者が集まる大分市田室町のホテルに現れると、会場は拍手と歓声に包まれた。
礒崎氏はまず衛藤征士郎・自民県連会長や竹中万寿夫・公明県本部代表らと握手を交わした後、日焼けした顔に満面の笑みを浮かべながら、支持者らと万歳三唱した。
この後、厳しい戦いを振り返り、「強い逆風だったが、県民の生活のための政策を実行できるのは与党だ、という訴えが届いた」と語った。
礒崎氏は昨年7月、自民県連の公募で立候補予定者に選ばれ、5候補の中で一番早く名乗りを上げた。自民県議らと地域や団体を何度も回り、24年間の官僚経験をもとに、地方の景気回復や行財政の健全化を訴えた。
民主、社民、連合大分の3者が選挙協力する「大分方式」が崩れたことは、礒崎氏に有利に働いた。陣営幹部は「構図だけを見れば、本来なら座っていても勝てるはずだった」と打ち明けた。
だが実際には陣営に余裕は無かった。安倍政権への強い逆風は、「地方ではどうすることも出来ない」(陣営幹部)。さらに、無党派層への浸透不足は顕著だった。大分市出身の衛藤晟一氏の比例区出馬に端を発する自公協力の遅れも心配された。
自民県連は無党派層対策として、若手県議らが、官僚出身の硬いイメージを変えようと、キャッチフレーズづくりや服装などを指導。公示前後には、安倍首相や麻生太郎外相ら党の有力者、佐藤ゆかり氏ら「小泉チルドレン」も応援に駆けつけた。
公明の推薦決定後は、同党県議が個人演説会や街頭演説に参加し、同党支持層にも着実に浸透して混戦を制した。
782
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 20:13:39
私個人の力不足/矢野氏
2007年07月30日 朝日大分
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000707300005
矢野氏の落選が伝えられると、約200人の支持者らが詰めかけた大分市府内町のホテルの会場は静まりかえった。「ひとえに、私個人の力不足。知名度があるという、うぬぼれがあったのかもしれない」。矢野氏はそう話し、支持者らの前で深々と頭を下げた。
民主、社民、連合大分の3者が共闘する「大分方式」が崩れた今回の選挙。矢野氏を支えたのは、民主支持の民間労組に加え、陣営の呼びかけで集まったボランティアたちだった。
得意の落語を生かした軽妙な語り口で地方の魅力を語る観光大使の経験を生かし、各地で集会を重ねて、「矢野ファン」を増やした。だが、社民支持労組を抱える連合大分は一枚岩の支援ができず、連合の支援を受ける一部の民主系県議が積極的な活動を控えるなど、組織の動きは鈍かった。
選挙戦中盤からは、全国的な追い風に乗る民主党色を前面に打ち出し、「政権交代につなげる選挙」と与党の礒崎氏を追い上げたが、野党分裂が最後まで尾を引き、与党の厚い壁を破れなかった。
今後の政治が心配/松本氏
2007年07月30日
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000707300004
松本氏は開票結果の大勢が判明した午後11時前、大分市中央町4丁目の県労働福祉会館「ソレイユ」の7階ホールに姿を見せた。支持者らの前で「私の訴える力が不足していた。大分市内で動き回る時間が、ほかの地域の半分以下だったのが響いた」と自ら敗因を分析したうえで、「今後の政治がどうなるのかが、一番心配だ」と悔しさをにじませた。陣営幹部や社民党の名誉党首の村山富市元首相ら支持者と握手した後、足早に会場を後にした。
松本氏は約30年間、地域医療に取り組む中で感じた医師偏在や、医療保険制度の問題点を正そうと、「いのちが一番」をキーワードに掲げて2月に立候補を表明した。
選挙戦では、年金や教育問題に加え、護憲の立場も強調。官公労などの社民支持労組に加え、地域医療の課題を抱える各地の保守層にも食い込みを図った。
さらに、今も党派を超えて人気の高い村山元首相が全面支援したほか、公示後には、福島瑞穂党首や辻元清美衆院議員も2回ずつ大分入りするなど、「社民の牙城(が・じょう)」を死守しようと懸命の選挙戦を展開したが、「民社共闘」が崩壊した影響が大きかった。
783
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 20:14:31
民主の戦略、誤算続き/参院選を振り返って
2007年07月31日 朝日大分
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000707310002
参院選の投開票日から一夜明けた30日。佐伯市の矢野大和氏の後援会事務所で、吉良州司・民主県連代表は集まった約30人の支持者を前に頭を下げ、こう言って唇をかんだ。「痛恨の敗戦でした」――。
吉良氏は今回、民主、社民、連合大分が共闘する「大分方式」をあえて白紙にして、保守票や広範な無党派層の取り込みを狙った。が、結果は裏目に出る。自民に逆風が吹き、全国で自民の候補が軒並み敗れ、民主が躍進するなかで、矢野氏は自民の礒崎陽輔氏に3万票差をつけられて敗北した。
しかも、吉良氏が選挙協力を拒否した社民推薦の松本文六氏の得票と矢野氏の得票を合わせると、礒崎氏を10万票以上も上回る。松本氏の陣営関係者らはため息交じりにこう言った。「野党が共倒れに終わり、自民が漁夫の利を得た」
■ ■
吉良氏が主導した矢野氏の選挙戦略は、誤算続きだった。
当初は党派色を薄め、矢野氏個人の人柄や「地方の代弁者」というイメージを打ち出し、民主支持層以外にも支持を広げるもくろみだった。礒崎氏が官僚出身であることを逆手に取り、「霞が関対地方」の戦いを演出する狙いがあった。
ところが、口演を聞いたファンをボランティアとして引き込む戦略は、全県的な広がりを持つことはできなかった。年金問題の浮上や閣僚の相次ぐ不祥事、失言で民主党に追い風が吹き始めると、陣営は戦略を転換。選挙ポスターに党のステッカーを張り、選挙カーは「民主の矢野」を連呼したが、すでに時間が足りなかった。
■ ■
二大政党の一極として政権交代を目指す民主にとっては、政権交代の期待層の受け皿になる必要がある。高齢で、学生運動の経験もあり左派色の強い松本氏では、保守層や無党派層は取り込めないと、吉良氏はみた。
だが、「勝てる候補者ではない」と吉良氏が切って捨てた松本氏は、健闘した。社民が今回、比例区で獲得した票は6万8千票。だが、松本氏の得票は、その倍以上の約14万票で、半分以上は社民支持層以外からの得票だったことになる。
朝日新聞の出口調査結果によると、松本氏は社民支持層の8割を固めた上で、無党派の3割近く、民主支持層の2割余りに食い込んだ。一方で、民主の比例区の得票は19万7千票で、矢野氏の得票は約17万票。矢野氏は無党派層の支持は約3分の1と最も多かったが、民主支持層の5割強しか固められなかったとする調査結果とも符合する。
■ ■
「大分方式」で両党の橋渡し役を務めてきた連合大分の嶋崎龍生会長は29日夜、矢野氏の集会にも松本氏の集会にも顔を出さなかった。嶋崎会長は、自主投票という苦渋の決断をせざるを得なかった今回の選挙戦を悔やんだ。そして最も残念に思ったのは、3分の2の票が与党に不信任を表明したにもかかわらず、「死票」になってしまったことだった。
◇
自民の歴史的大敗で終わった参院選だが、大分選挙区では苦戦も予想された自民新顔が競り勝った。激戦を振り返りながら、どんな風が吹いたのかを検証する。
784
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 20:14:59
無党派層の票、野党争奪/本社出口調査
2007年07月31日 朝日大分
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000707310001
分裂した野党が無党派層の票を奪い合い、漁夫の利で自民党が議席を獲得――。29日に投開票された参院選大分選挙区で、朝日新聞社が投票を済ませた有権者を対象に出口調査をしたところ、そんな様子が浮き彫りになった。回答者全体の5割が「安倍首相に代わってほしい」と答えるなど自民党は厳しい評価を受けた。しかし、社民・民主の選挙協力が崩れ、野党系候補が乱立したことが無党派層の投票先の分散を招き、野党側の「共倒れ」につながったようだ。
出口調査は県内60カ所の投票所で実施し、3221人から、有効回答を得た。
大分選挙区の投票者の支持政党は、自民党が37%とトップで、民主党が20%、社民党が10%と続く。「支持政党なし」「わからない」とした無党派層は18%だった。
選挙結果を大きく左右するとされる無党派層の今回の投票行動を分析すると、67%が「安倍首相に交代してほしい」と回答。比例区では46%が民主党に投票し、19%の自民党を大きく引き離した。
無党派層の過去6年間の参院選での動向をみると、「小泉旋風」が吹いた01年の参院選では無党派層の29%が自民の候補に投票したものの、04年参院選では18%、今回は12%と減少傾向が続いている=グラフ。
自民党県連は、この無党派層対策として、「小泉チルドレン」と呼ばれる著名な国会議員を応援に招いたり、好感度を上げるため、広告会社のスタッフらの指南で礒崎陽輔氏の服装や話し方などにも気を配ったが、無党派層には浸透できなかった。
一方、01年は社民、04年は民主の候補を擁立した野党は、それぞれ53%、73%の支持を受けたが、今回は社民・民主の共闘が崩れたうえ、国民新、共産も参戦して野党系候補が4人も立候補したことが、結果的に無党派層の投票先を分散させた。
その結果、比例区では高い支持を得た民主党だが、矢野大和氏に投票した無党派層は35%にのぼったものの、同時に27%が松本文六氏に、17%が後藤博子氏に投票。矢野氏は政権批判票を松本、後藤両氏と分け合う形となり、12%の礒崎氏に競り勝つことができなかった。
785
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 21:04:56
命の訴え、党派超えた/参院選を振り返って
2007年08月01日 朝日大分
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000708010004
「改革って何なんか。弱者をいじめることか」。松本文六氏の陣営で日田地区の後援会長を務めた岩里正生医師は、集会に参加した中年男性が帰り際に言った言葉が忘れられない。「小泉政権以降、与党が進める医療費の負担増や福祉予算の縮小にあえぐ庶民の窮状が、この一言に込められている」。岩里医師はそう感じた。
日田市で聖陵岩里病院を開業して21年。選挙運動に携わったことはなかったが、発展途上国への医療支援を通して知り合った松本氏の出馬を知り、支援を買って出た。地域の有力者の支援を取り付けようと、企業や団体を回ったところ、好意的な反応が返ってきたことに逆に驚いた。これまで自民支持だった人たちがこう言った。「今回は松本さんでいい」
日田商工会議所の小埜澄夫会頭も、松本氏を支援した一人。市内にはリハビリの専門病院がなく、商工会議所は2年前から、市内の病院でのリハビリ病床設置を探ってきた。2月に開いたシンポジウムで講師に招いたのが松本氏だった。
「地域医療を大切にする考えに共感した」と語る小埜会頭は「自分は自民党員だが、地方を切り捨てる今の政権には疑問を感じる」。小埜会頭が疑問に思うのは医療だけではない。日田地区の有効求人倍率(5月現在)は県平均の0・98を大きく下回る0・74で、県内最低だ。安倍首相の「景気は悪くない」との主張を聞くたびに、「鼻白む思いをしてきた」。
大分市の内科医、松山家久さんは2年前、19床あった病棟を閉じた。長期入院の診療報酬が削られ、採算が合わなくなったからだ。
今回の選挙では、仲間数人と、県内の医師や歯科医師ら約1200人に、松本氏支持を呼びかける手紙を送った。「『聖域なき改革』で医療費が削られた。患者や医師を無視した今の政治を変えよう、と呼びかけたら理解してくれる先生が多かった」
■ ■
自民、民主、社民の3党が参院選で激突したのは、98年の選挙以来だった。当時、社民新顔の得票は約13万7千票の3位で、得票率は21・76%だった。一方、松本氏は約14万票の3位で得票率は22・95%。数字だけを比べると、「微増」ともとれる。
しかし、この9年間に社民の党勢は大きく後退している。98年参院選で県内の比例区の得票は約11万1千票だったが、今回は約6万8千票まで落ち込んだ。
足元の組織も盤石ではない。官公労が中心の旧総評系労組でつくる県平和運動センターが一体となって選挙運動を展開してきたが、公示直前の6月下旬、主要単組の大分市職労が、傘下の市平和運動センターからの脱退を表明した。今や選挙運動に参加しない組合員も増えている。かつて村山富市元首相らを支えた集票力も衰えをみせる。
■ ■
足元の組織が揺らぎ、基礎票が大きく落ち込む中で、わずかとはいえ松本氏が98年より得票を伸ばしたのは、無党派層に加え、民主や自民支持層の一部も投票したからだ。朝日新聞の出口調査でも、無党派層の27%、民主支持層の23%、自民支持層の11%が松本氏に投票したと回答している。
松本氏が理事長を務める特定医療法人の職員も、ボランティアとして選挙を支えた。榎本祥文事務部長は選挙戦を振り返ってこう言う。「民主が擁立した矢野大和氏の笑いを交えた口演よりも、きまじめに医療や福祉の充実を訴えた松本の主張が、負担増に怒る有権者の心をつかんでいた」
786
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 21:06:35
31歳外山氏,初当選
2007年07月30日 朝日宮崎
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000707300001
「当確」の報を聞き、支援者から贈られた花束を手に妻の千草さん(右)と喜ぶ外山氏=29日午後8時24分、宮崎市別府町で
全国的な自民党への逆風は、「保守王国」という宮崎の看板も吹き飛ばした。29日投開票された参院選宮崎選挙区(改選数1)は、連合など非自民勢力が統一候補として擁立した無所属新顔の外山斎氏(31)=民主、社民、国民新推薦=が、自民前職の小斉平敏文(57)、無所属元職の長峯基(66)、無所属新顔の東治男(62)ら5氏を破り、初当選した。外山氏は野党に対する追い風に乗り、自民支持層を固め切れなかった小斉平氏を下した。長峯、東の両氏は支持の広がりを欠いた。04年参院選宮崎選挙区では、無所属新顔で立候補した松下新平氏が自民現職だった上杉光弘氏らを破って当選。自民の連敗で、県選出の参院議員は2人とも非自民勢力となった。
初当選を決めた外山氏が29日夜、宮崎市別府町の県労働福祉会館に現れると、待っていた支援者ら約200人は拍手と歓声で迎えた。あいさつした外山氏は「保守王国と言われた宮崎を苦しめていたのは自民党だった。自民党へのアレルギーや反発が、この結果をもたらした」と勝因について語った。
民主党県連副代表だった外山氏が、離党し、連合宮崎が主導する非自民勢力の統一候補に擁立されたのは、6月初旬。選挙まで2カ月を切る中、次期衆院選の党公認候補の座をなげうった形での転身だった。
外山氏陣営は、立候補の遅れを取り戻すため、選対本部長に連合宮崎の横山節夫会長を据えるなど、非自民勢力の結束強化を図った。連合傘下の労組が中心となり県内各地で決起集会を開催し、足場固めを急いだ。
「年金」や「都市と地方との格差問題」などを争点に掲げ、「このままでは、子や孫の世代には取り返しのつかないことになってしまう」と安倍政権を批判。「良識ある判断で、宮崎から日本を変えよう」と訴えた。
31歳は、6人の候補者の中で最年少。選挙中は集会や選挙カーでの街宣に妻の千草さん(26)を連れ添った。順番にマイクを握る若々しいおしどり夫婦姿は、有権者に好印象を広げたようだ。県北、県央地域で特に低かった知名度も、無党派層を中心に急速に浸透していった。
離党し、無所属で立候補した外山氏の手法に対し、古巣の民主党県連幹部の間には当初不満の声もあったが、「年金問題など追い風が強まる中、沈静化していった」(党県連幹部)という。
787
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 21:07:07
初当選から一夜 外山氏会見
2007年07月31日 朝日宮崎
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000707310002
参院選宮崎選挙区で初当選した外山氏は30日、県庁記者室で会見し、「政党に属していないという理由で投票してくれた有権者もいるはず。その思いを裏切りたくない」と述べ、今後も政党には属さず、無所属のまま野党系の会派に入って活動する意向を示した。
初当選から一夜明けての心境を「夢じゃないかと思った。新聞などを見て、じわりと実感がわいてきた」と語った。また次点の小斉平氏との票差が5万票だったことは「予想以上」としながらも、「勝てるという感触はあった。追い風が強く、消去法で自分が残った。若さが魅力となり、受け皿になれた」と勝因を分析。東国原英夫知事にも触れ、「県民一人一人に政治を動かせるという意識を芽生えさせた。参院選にも多大な影響を与えた」と振り返った。
一方、県内の投票率が前回04年参院選よりも下がったことについては、「政治への不信が高まる中、魅力的な候補がいなかったということ。候補者の一人として残念だ」と話した。
788
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/03(金) 21:08:10
5万票の大差 自民衝撃
2007年07月31日 朝日宮崎
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000707310003
小斉平氏(右)は落選をわびた後、自民県連幹部や支持者にあいさつして回った=29日夜、宮崎市島之内の事務所で
自民党が04年参院選に続き、2連敗を喫した今回の参院選宮崎選挙区。自民前職の小斉平敏文氏(57)は、民主などが推す無所属新顔の外山斎氏(31)に約5万票の大差をつけられた。年金問題を巡る自民への逆風があったとはいえ、自民の金城湯池とされる郡部の一部でさえ外山氏に得票率で敗れ、従来の支持基盤が弱体化している実情をさらす結果となった。
県北の郡部で自民党地域支部長を務める男性は29日、投票所で衝撃を受けた。自民支持者だった70代の知人の女性が「とやま」と書いて、一票を投じたと知ったからだ。
郡部はもともと自民の強固な支持基盤だ。
01年参院選では、全35町村(当時)のうち33町村の得票率1位を自民公認だった小斉平氏と元自民の長峯基氏(66)が分け合った。しかし04年参院選では、自民勢力が得票率1位を獲得した町村は25に減少。今回は外山氏が21町村のうちほぼ半数の10町村で1位を獲得。合併で町村が減った事情はあるが、小斉平氏は11町村と低迷した。
自民県連の徳重忠夫幹事長は29日夜、小斉平氏の事務所で「宮崎は保守王国とみられていたが、(04年参院選の)3年ぐらい前から変化している気がする」とこぼした。
無党派層が多い市部で負けても、郡部で大量得票して逃げ切る――。自民の必勝パターンは過去のものになりつつある。
「01年に小斉平氏が初当選した原動力」(元県庁幹部)とされ、自民を長く支えてきた建設業界の動きも鈍かった。
小泉政権が誕生した01年以降、公共事業費は削減の一途だ。ある建設会社の社長は「これだけ公共工事が減らされ、入札が指名競争から一般競争に変わると、自民党を応援するメリットがない。もう号令をかけても末端は動かない」と証言。選挙支援の見返りに、指名業者に入れてもらうように自民議員から役所に働きかけてもらった過去をうかがわせる。
小斉平氏の劣勢が伝えられた最終盤、建設業界幹部らが巻き返しを図ったが、勢いはなかった。
加えて、戦略も迷走した。当初、若年層などの無党派層を見限り、組織戦に徹していたが、苦戦を強いられる中で方針を変更した。
「友人に『小斉平さん支援要請』のメールを携帯で送って下さい」。終盤の夜、20代女性が多く出席した集会で陣営スタッフが呼びかけ、例文まで配布した。「票を掘り起こさないと外山氏に追いつかないと判断した」と陣営幹部は解説する。
しかし効果は限定的だった。朝日新聞が29日に実施した出口調査では、投票した20代のうち39%が外山氏に投じ、小斉平氏は22%にとどまった。
789
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 15:49:35
8月4日のながさきニュース
長崎新聞
知事「ナガサキ大会」欠席 連合長崎が要請
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070804/04.shtml
連合長崎(高石哲夫会長)は三日、県に対し、七日に長崎市内で開く「核兵器廃絶2007平和ナガサキ大会」に金子知事が出席しないよう求めた。
大会は、連合長崎と原水爆禁止県民会議(県原水禁)、核兵器禁止平和建設県民会議(核禁会議長崎)との共催。参院選前に金子知事あてに招待状を出し、出席の返事が来ていた。
しかし知事は参院選で、原爆投下について「しょうがない」と発言した久間章生前防衛相が推した自民党公認候補を支援。大会を主催する三団体の協議で、大会に参加する被爆者や選挙活動をした労組員らの感情に考慮し、混乱を避けるため欠席を求めることにした。
高石会長らが県庁で立石副知事らと面会し要請した。県側は「公務のため欠席する」としている。
790
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 18:03:11
「風」と戦った自民県連 参院選を振り返って 記者座談会 熊本
http://kumanichi.com/feature/sanin2007/kiji/index.cfm?id=20070731000002
与野党が激突した参院選熊本選挙区は、民主新人の松野信夫氏が自民前職の三浦一水氏を破った。参院選で自民党公認候補が改選議席を失うのは一九八九年以来。民主は県内でも二大政党制への橋頭堡(ほ)を築いた格好だ。取材記者の座談会を通じて選挙戦を検証した。
■首相のどぶ板選挙
記者A それにしてもまれに見る激戦だった。
B 公示日以降はほぼ連日、各党幹部が熊本入りする総力戦だった。
C 二回目の来熊で、安倍晋三首相が熊本市下通を歩いた“どぶ板”の選挙スタイルには驚かされたね。
D 世論調査で危機感を抱いた首相本人の意向だったらしい。全国二十九の「一人区」のうち、九州を勝負どころと位置付け、首相は県内企業や団体に直接支援を要請していたらしいよ。
C しかし、首相自らの巻き返し作戦も奏功しなかった。
B それだけ逆風が強かったということだろう。年金という生活に密着した問題が争点になったことに加え、熊本の場合、公示直前に疑惑の渦中で松岡利勝前農相が自殺。任命責任を含め、安倍首相の負のイメージが定着した。
D 政治や行政に対する国民の信頼が揺らぐ中、強気一辺倒の安倍政権に対し、“灸(きゅう)”を据えるという有権者のバランス感覚も働いた感がある。自民党県連幹部は「松野氏ではなく、終始、風と戦っている感じがした」と口をそろえていた。
■自民の体力低下
E ただ、二〇〇五年の郵政解散以降の選挙をみていると、無党派層は大きくぶれる傾向がある。熊本市では、前回自民に流れた無党派層が、今回は民主に返ってきた感がある。
A 改選数二だった九年前まで二議席を持っていた自民党だが、一議席をとれない体力低下は深刻だね。
C 圧倒的な支持議員や団体を持つ三浦氏の選対組織には当初、「負けるはずがない」という緩みがあった。
D そういう例は昔からあった。それよりも、都市部に利益をもたらす半面、地方や中小企業、農家といった弱者に痛みを押しつける小泉構造改革の影響が大きいんじゃないかな。
E 小泉路線を継承する安倍政権は「改革による成長か、混迷による逆行か」と繰り返した。しかし、一次産業が基盤で成長実感の乏しい地方にとって、選択肢として響く訴えではなかった。
■小沢流の選挙
C まさにそこを突いたのが、民主党だった。街頭演説でも、徹底的に年金や増税、格差、農家への戸別所得補償といった実感のある内容に絞り、「安倍か、小沢か」を問う戦術をとった。
B 弱点とされてきた郡部でも、積極的に党の広報カーを回していた。「選挙は川上(農村部)から」という小沢一郎代表の指示があったそうだ。
D 公示後、阿蘇郡南阿蘇村でマイクを握ったのも、小沢流の真骨頂だった。遊説先の阿蘇は自ら選んだそうだよ。
■今後の影響は…
A 自民党県連幹部は「風が吹かなければ勝てる選挙だった」と明言している。今選挙は、県政界にどんな影響をもたらすのだろう。
B 確かに、この逆風下で前回の自民候補を上回る票を出した自民、公明の底力はたいしたものだ。ただ、民主党も自民の牙城だった郡部で確実に票差を縮めており、自民を支える保守地盤に地殻変動が起きている。
D 二大政党制に埋没する形で、共産は二割以上得票を落とした。民主への流出が目立っており、党の存亡を懸けた厳しい戦いが続きそうだね。
C 自民党県連にとって当面の焦点は、八月上旬に動く役員人事だろう。来春の知事選や次期衆院選を見据え、どんな人事で党を立て直すのか。今回の衆院3区補選で勝ち、復党を目指す坂本哲志氏の動向もにらみ、国会議員団の絡み方もポイントになる。
A 民主党県連も近く開く党大会で代表交代の可能性がある。次期衆院選で政権奪取を狙うには、党の顔を選ぶと同時に、熊本2、4、5区の候補者選定を急ぐ必要があるだろうね。
熊本日日新聞2007年7月31日朝
791
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 18:03:41
潮谷知事 「年金や税金使途国民の目厳しく」 と認識示す 熊本
http://kumanichi.com/feature/sanin2007/kiji/index.cfm?id=20070731000003
潮谷義子知事は三十日、民主党が大躍進した参院選の結果について、「社会保障政策や『政治とカネ』の問題への主張が支持につながったのではないか。公正、公明な年金制度の構築や、税金の使い方などに国民の厳しい目が向けられた」との認識を示した。同日、県庁で答えた。
また、今選挙戦で自らが自民、公明両党の候補者応援に立ったことについて、「(下益城郡美里町の)災害視察で来熊した安倍晋三首相への感謝の気持ちと、水俣病問題の解決などを考慮した。特定の政党に偏らない県民党のスタンスに変わりはない」と強調した。(毛利聖一)
熊本日日新聞2007年7月31日朝刊
792
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 18:04:17
民主・自民、熊本県連が参院選総括 勝・敗因の分析も 熊本
http://kumanichi.com/feature/sanin2007/kiji/index.cfm?id=20070731000006
参院選熊本選挙区の勝利で会見する民主党県連の幹部ら=熊本市
参院選の結果を総括する自民党県連の緊急役員会=熊本市
二十九日投開票された参院選熊本選挙区で党公認候補が当選した民主党県連は三十日、熊本市で幹部らが会見、「自民党批判票を取り込めた」と勝因を語った。一方、十八年ぶりに改選議席を失った自民党県連は同日、緊急役員会を開いた。
民主党県連の会見は同市世安町の総合選対事務所であった。熊本選挙区の選対本部長を務めた松野頼久衆院議員(熊本1区)が「郡部で自民への批判票を取り込めた」と選挙戦を振り返った上で、「参院で与野党逆転を果たし、これから党の真価が問われる」と気を引き締めた。
鎌田聡代表は「衆院の解散は近いと予想している。党の候補者が空白の熊本2、4、5区で選考を急ぎ、早急に態勢を整えたい」と語った。
一方、三選を目指した前職が落選した自民党県連は同市水前寺の県連会館で緊急役員会。終了後会見した古閑三博会長は「敗因は党への逆風だった。組織を挙げて票差を詰めたが、あと一歩努力が足りなかった」と分析した。
役員会では今参院選のため任期を延長していた県連役員の改選を八月中に実施することを確認した。(小多崇、野方信助)
熊本日日新聞2007年7月31日朝刊
793
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 18:06:43
(上)組織力 細る自民、民主なお風頼み 熊本
http://kumanichi.com/feature/sanin2007/gekisen/gekisen01.cfm
熊本選挙区の自民候補の演説会でこぶしを突き上げる参加者たち。安倍晋三・党総裁(首相)が訪れ、組織力を誇示するように支持団体や公明党ののぼりが並んだが、民主党に競り負けた=23日、熊本市の辛島公園(横井誠)
自民党が歴史的大敗を喫した参院選。与野党が勝負どころと位置付けた「一人区」の一つ熊本選挙区はまさに激戦となり、民主新人が自民前職に競り勝った。前農相の自殺を受けて補選となった衆院熊本3区は自民系分裂選挙の末、前農相と過去二回、総選挙で争った元職が返り咲いた。県政界には同日選後の波紋が広がる。(同日選取材班)
◇
二十九日夜、投票が締め切られて間もなく落選の報が入った自民候補・三浦一水の事務所。党所属国会議員や地方議員、二百を超す公認・推薦団体の役員などが居並ぶ事務所は重苦しい空気に包まれた。
結果は約八千票差の惜敗だったが、「大敗と思い込み、“犯人探し”も始まった」と選対幹部。事務所奥の小部屋に入っていた自民県連会長の古閑三博は「結局、今までの自民党の戦い方では勝てなくなったということだ」と漏らした。
■構造改革の影
自民県連内で敗因の一つに挙げられるのが、自民政権下で進められた構造改革だ。市町村合併で首長や市町村議員は激減、JAなどの業界団体も統合できめ細かな運動ができなくなった。
建設業界は、国の三位一体の改革による交付税削減などで公共工事が減少、「選挙応援どころではないのが本音」(県建設業協会幹部)というのが実情だ。古閑は「組織がやせ細ったのは確かだ」と認める。
ただ、参院選の最終盤に入り、自民県連は友好団体や系列議員に大号令をかけ、すさまじい追い込みを駆けた。県連政調会長で三浦選対事務総長の前川收は「党の組織にはまだ地力がある。年金問題などの逆風がなければ勝てた」と強調する。
自民の組織が細る中、選挙の度にそれをカバーしてきたのは、連立与党の公明党の協力により、同党の支持母体・創価学会という強固な組織力を“カンフル剤”として注入することだった。自民の中堅県議は「公明との選挙協力を続け、学会に頼ってばかりでいいのか。自民党組織力の再生にはならない」と危機感を口にした。
■待ったなし
一方の民主党。松野信夫の勝利に沸く事務所で県連代表の鎌田聡は「郡部に積極的に足を運び、自民党への批判票を取り込めたのが勝因」と笑顔をつくった。
民主県連は自民党の金城湯地だった農山村部で積極的に運動。つじ立ちを繰り返し、党代表の小沢一郎が県内農家を視察したり、阿蘇郡南阿蘇村でマイクを握った。しかし、県連幹事長の田尻将博は「自民がその気になれば人海戦術でひっくり返される。民主には地方に組織がない。最後までつじ立ちで訴え、握手するしかなかった。まだまだ風頼みの状態に変わりはない」。
三十日、自民、民主の両県連幹部が会見した。「もっと地方議員を増やし、足腰を強くしなければいけない」と気を引き締める民主。自民は「世の中の雰囲気や政策次第で、民主に動く保守層をきちんとつなぎとめなければ」と語った。
ただ、それぞれに自らの課題を認識しつつも、「有効な手だては、なかなか見つからない」と口をそろえる。しかし、中央の政局は流動化含みで動き、政権選択が問われる次の衆院選が刻々と迫る。(文中敬称略)
熊本日日新聞2007年7月31日朝
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片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 18:07:30
(中)農村票 自民離れで進む無党派化 熊本
http://kumanichi.com/feature/sanin2007/gekisen/gekisen02.cfm
出陣式会場にトラクターで入り、農政重視をアピールして見せた松野信夫氏=12日、甲佐町(植山茂)
参院選終盤の七月二十四日、自民党選対総局長を務める元農相の谷津義男が急きょ熊本市に入った。自民前職・三浦一水の選挙事務所に農業、建設、商工など友好団体のトップらを集めると、徹底した三浦支援を指示。ところが場所をホテルに移した情報交換会では、逆に谷津に対し、団体側から苦言が出された。
■民主を選択
「われわれは懸命に支持を広げている。首長や地方議員は何をやっているのか」。定率減税廃止など自民党の政策への不満も漏れ、「これでは団体の構成員にも支持を訴えにくい」とかみつく団体も。なかなか支持が浸透しないいらだちが垣間見えた瞬間だった。
そして、三浦は落選。投開票から一夜明けた三十日朝、JA熊本中央会の職員らを集めた朝礼で県農政連事務局長の木村幸孝は厳しい表情で語った。「力及ばず、われわれの大切な農政代表を失ってしまった。ことの重大さをかみしめている」
前職の三浦は、当選した過去二回の選挙も県農政連を核に戦った。元参院議員で同中央会長の故三浦八水を父に持ち、農水副大臣も経験。選挙期間中は「松岡(利勝前農相)さんが亡くなり、農政に空いた大きな穴を埋めるのは自分しかいない」と強調。応援で来熊した閣僚らは「当選後は農相のポストが見えてくる」と持ち上げた。
都市部に強い民主党を相手に、三浦三選の頼みの綱は農山村部だった。しかし、球磨郡あさぎり町の男性農家(56)は「農産物は安いし、輸入拡大も迫られている。今のままでは安心して農業を続けられない。一度、民主に任せてみても」と、今回は民主の松野信夫に一票を投じた。
自民農政に対する農家の反発を感じ取っていた民主は党代表の小沢一郎を先頭に、全国の農山村で積極的に運動を展開。松野も出陣式を上益城郡甲佐町に選び、トラクターで登場。農家へ強烈にアピールした。
今回、松野は県内四十八市町村のうち十七市町で勝利。市町村数が八十七だった三年前の前回参院選で民主候補が七市町しか勝ち越せなかったことに比べ、農山村部の民主支持は広がった。
■消えた恩恵
球磨郡多良木町の男性農家(57)は今回も三浦支持を貫いたが、「周囲では、自民を見限る動きが出始めている。特に二十〜三十代は農業の将来展望を描けず、無党派層化している」と話す。
「熊本を含め、自民党が強いといわれた全国の農村部での大敗が、今回の特徴の一つ」。山鹿市(旧鹿本町)出身で地元農協に勤めた経験を持つ東大教授・蒲島郁夫(政治学)は参院選をこう振り返る。そして「従来、自民党は都市部の経済成長の果実を地方に分配するため、農村優遇の政策を進めてきた。公共事業や農産物保護を実施し、その恩恵にこたえる格好で、農村は自民党の選挙を支えてきた」という。
「恩恵がなくなったことで、組織の統制がきかなくなった。農村も、個人で考える選挙に変わった」と蒲島は指摘する。(文中敬称略)
熊本日日新聞2007年8月1日朝
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:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 19:54:28
変化を痛感−県内各界 (07年7月31日) 佐賀
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1065&mode=0&classId=2&blockId=564250&newsMode=article
政―古川知事「応援届かず残念」
農―中野氏「組織選挙終わった」
商―指山氏「閉塞感 民主に勢い」
激戦の末、民主・川崎稔氏が自民・川上義幸氏を破った参院選佐賀選挙区。投開票から一夜明けた30日、ほぼ半世紀続いた自民の連勝ストップに、県内各界からもさまざまな反応があった。政治風土の変化に戸惑いの声が上がる一方で、自民と民主の2大政党制の流れが一層鮮明になりつつあることに「両党がせめぎ合い、少しでも地方振興になれば」と期待する発言もあった。
全国で自民に吹き荒れた猛烈な逆風。古川康知事は川上氏の落選について「同じ仕事をしてきた一人の人間として応援した。その思いが届かず、残念としか言いようがない」。九州新幹線長崎ルート建設問題については「川崎さんは反対とは言われていない。どういう考えなのか話をよく聞いてみたい」とし、「今回の結果で大きな影響があるわけではないと考える」と述べた。
川上氏を推薦した県農政協議会の中野吉實会長は「県民の考えに幅ができた。組織で対応する選挙は終わったのかもしれない」。民主は自民の支持基盤だった農村部での得票を狙い、全販売農家を対象にした戸別所得補償制度を提唱。「一人区で農家の票が民主に流れたのは確か。農家には今春導入された政策への不安があり、その間隙(かんげき)をつかれた」とし、「民主は一方で農産物の完全自由化も言っており、これから具体的な中身が問われる」とも。
都市と地方との経済格差は拡大するばかり。県建設業協会の川副正康専務理事は「川上さんは出遅れもあったが、あまりにも自民への逆風が強すぎた」。構造改革の名のもと公共工事削減が続くが、「業界がずっと地方経済を下支えしてきたことを忘れないでほしい。急激な改革は地方を疲弊させるだけ」と訴える。
県商工会議所連合会の指山弘養会長は、自民惨敗の原因について「零細企業経営者らの『閉塞(へいそく)感を何とか打開したい』との強い思いが民主に勢いを与えた」と分析。「自民も民主もその意味を理解し、市民の視点で施策を出してほしい。地方が元気にならなければ国の発展はない」と語気を強めた。
796
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片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 19:58:50
初当選の川崎氏に聞く―「反自民が結集」 (07年7月31日) 佐賀
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1065&mode=0&classId=2&blockId=564248&newsMode=article
参院選佐賀選挙区で初当選した民主新人の川崎稔氏(46)は30日、佐賀新聞社のインタビューに応じ、「『反自民』が結集し一丸となった」と自民の連勝を阻止した戦いを振り返り、「真摯(しんし)に地道に、政策を論じる政治家に」と国政への意気込みを語った。
選挙戦は年金や税金問題に加え、農業対策で戸別所得補償制度の創設を訴え、自民の金城湯池だった農村部にも浸透。「対立軸を明確に示すことができ、支持のすそ野が広がった」と総括した。
民主が参院第一党になり、「衆参のねじれで対決の構図は強まる」とする一方、解散・総選挙への対応は「どういう形でやっていくか、県連でこれから議論する。小選挙区で勝てる体制をつくらないといけない」と党勢拡大への課題を挙げた。
県政の課題の一つ、新幹線長崎ルート問題では「不安、疑問を持っている人が多い。もっと議論を深めていく必要がある」とした上で、「『一時凍結』という考え方も選択肢の一つ」という見解を示した。
涙をのんだ3年前の前回から3万3,000票余を上積みして国政の舞台へ。「年金、税金、農業など暮らしに関係するテーマを中心に活動していく。有権者の声にしっかりと耳を傾けていきたい」と抱負を述べた。
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インタビュー詳報
参院選佐賀選挙区で自民新人を破り、初当選した民主新人の川崎稔氏(46)。社会保障制度の在り方や新幹線長崎ルート問題など国政、県政の課題、総選挙に向けた体制づくりなどについて考えを聞いた。(聞き手は田中善郎編集局長)
―2万票差で敗れた前回から3年。自民の牙城を突き崩しての勝利だった。
川崎 まだ実感がわかないが、責任の重さを感じる。年金、税金の無駄遣い、農業の三本柱で、対立軸を明確に示すことができ、支持のすそ野が広がった。「反自民」の結集もあり、一丸となって戦えた。
―年金問題で追い風が吹き、世論調査でも優位が伝えられた。
川崎 常に危機感を持っていた。小沢代表からも再三にわたり檄(げき)が飛んだ。自民の底力はすごい。特に佐賀は20連勝しており、風を考える余裕もなかった。3年間、地道な活動が大事だと思い続けてきた。
―最大の争点になった年金記録不備への手だてと、安心できる制度の確立は。
川崎 申請主義ではなく、国が納付者、受給者へ通知をすることが安心を生む。「年金通帳」という形で確認できる仕組みをつくりたい。厚生、国民年金などの一元化は必要。今の制度は複雑で分かりにくく、諸問題の原因となっている。
―大きな争点になり得なかったが、憲法や税制見直しについては。
川崎 平和主義は堅持すべきで、「九条は守る」という立場。時代に対応し、環境権など改正が必要な個所があれば議論をしていく。消費税論議は税率の「引き上げありき」では駄目だ。いかに今の財源の中で無駄遣いをなくすか。そこから始めないといけない。
―新幹線長崎ルート、プルサーマル問題はどう考えるのか。
川崎 新幹線には不安、疑問を持っている人が多い。費用対効果など情報をもっと公開し、県民の間で議論を深めていく必要がある。「一時凍結」という考え方も選択肢の一つ。プルサーマルも情報公開が重要であり、透明性を確保するよう引き続き求めていく。
―安倍首相は「続投」を表明したが、解散・総選挙への対応も迫られる。県連としてどう組織づくりを進めるのか。
川崎 衆参のねじれで対決の構図は強まり、国会では早期の解散・総選挙を求めていくことになる。組織や体制づくりは、県連でこれから議論する課題。いずれにせよ小選挙区で勝てる体制をつくらないといけない。
―金融・経済の専門家。今後、優先して取り組みたいテーマ、政治家としての志は。
川崎 公約である年金、税金、農業をはじめ、暮らしに関係する問題を中心に活動していく。真摯(しんし)に、地道に、政策を十分議論する政治家でありたい。有権者の声にしっかりと耳を傾け、国政の場に届けたい。
【写真】初当選を果たし、国政の舞台での抱負などを話す川崎稔氏=佐賀市天神の佐賀新聞社
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:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:46:43
岩本氏全地区で4割超 参院選福岡選挙区4地区得票分析 福岡
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/fukuoka/20070731/20070731_001.shtml
29日投開票された参院選福岡選挙区(改選数2)の得票を県内4地区別にみると、トップで再選された民主の岩本司氏が全地区で4割を超える安定した票を獲得。年金記録不備問題などの自民批判の追い風に乗り、同選挙区で過去最高の100万票を集め、他の5候補を圧倒した。
「守り」の戦いだった自民の松山政司氏は地元の京築、県南地域の一部で岩本氏をしのいだが、おおむね3割台の得票で再選。当選した2人で全体の8割を超える得票を占めた。共産新人の田中美由紀氏、社民新人の金岩秀郎氏らは1割未満の得票率で伸び悩んだ。
× ×
●無党派層100万票の原動力 福岡
4地区で最も有権者数が多く、無党派層も厚い福岡都市圏部。岩本氏は大半の市町村で5割前後の得票を重ねており、民意の後押しを受けてこの地区でも順調に得票したことが、100万票獲得の大きな原動力となった。
特に福岡市では、岩本氏は6年前の自らの得票(約9万9000票)の2.8倍、3年前の民主候補の得票(約21万票)の1.3倍に上る約28万票を得て、松山氏に8万3000票という大差をつけた。2005年の郵政総選挙では、民主党は県内全域で無所属を含めた自民系に惨敗したが、今回は自民党が議席を持つ衆院2−5区でも松山氏を圧倒した。
逆風にさらされた松山氏は、各市町村で軒並み3割台の得票にとどまり、苦戦を強いられた。農村部の糸島郡や東峰村、朝倉市でわずかに岩本氏の得票を上回ったものの、追い風に乗る岩本氏に全体的に抑え込まれた。
田中氏や金岩氏らは、いずれの自治体でも得票率が1割台に届かず、ともに伸び悩んだ。
◇
●松山氏地盤切り崩される 北九州
岩本氏は北九州地区全体で45.4%の得票率。36.3%の松山氏に大きく水をあけた。
有権者数が最多の北九州市で45.8%、行橋市で45.5%など都市部での高さが顕著。北九州市での票数は初挑戦した6年前のほぼ3倍に伸ばし、松山氏(築上町出身)の地盤である京築地区でも互角の戦いに持ち込む強さだった。
北九州地区では2月の北九州市長選、4月の統一地方選と民主系候補の躍進が目立った。「三度目の向かい風」を警戒していた松山氏陣営には、閣僚の失言など中央からの逆風が追い打ちを掛けた形。地盤の豊前市や築上町などでは岩本氏を上回り、北九州市内での得票が5割増となるなど前回より上積みしたが、それ以上に票を伸ばした岩本氏に、北九州地区でのトップの座(前回)を奪われた。
田中氏の北九州市での得票率は、2005年衆院選比例代表での共産党得票率を上回ったが、支持拡大にはつながらず、金岩氏は同選挙の社民党得票率を下回った。馬場能久、秀南高行両氏は知名度不足だった。
◇
798
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:48:25
●外相の地元でも民主躍進 筑豊
麻生太郎外相(衆院福岡8区)の地元で、県内では比較的自民支持者が多いとされる筑豊地区(5市9町一村)でも、今回の参院選は、民主の風が吹き荒れた。
岩本氏は今回、筑豊地区全体で6年前の初当選時(約2万7000票)の3倍以上の約9万2000票を獲得した。6年前は松山氏に約4万票差をつけられたが、今回は逆に約1万6000票の差をつけた。得票でトップを譲ったのは4町村にとどまり、高齢化が進む筑豊地域で、年金や地方切り捨ての問題に対する自民批判の受け皿になったようだ。
松山氏は6年前から約9000票伸ばし、過去5回の参院選で自民候補最高の約7万6000票を獲得、一定の地力は見せた。だが、麻生外相が住む飯塚市では、岩本氏に6000票差で敗北。陣営は「終盤でてこ入れした効果はあった」とするが、農村部の自民離れを食い止める対策が必要だろう。
筑豊地区で社民の金岩氏の得票は約1万5000票にとどまった。かつて「革新の牙城」と呼ばれた田川市郡でも4位に低迷し、社民は低落傾向に歯止めがかからない状況だ。
◇
●自民組織選挙に強い逆風 筑後
岩本氏は推薦を受けた連合福岡や、民主党の地元議員などと連携し、久留米、大牟田市などの都市部を中心に集票。16万一1614票を獲得した。「年金問題を中心に訴え続けた。追い風が筑後でも吹いた」と連合関係者。14万9898票の2位松山氏に約1万2000票差をつけた。
松山氏は2001年の参院選では全26市町村で岩本氏を上回ったが、今回トップを奪ったのは大川市と古賀誠・元自民党幹事長の地盤の八女、みやま両市、八女郡4町村の計7市町村にとどまった。
従来は農政連を中心に自民支持層から圧倒的な支持を受けてきたが、古賀誠後援会関係者は「強い逆風にあらがいきれなかった」と、組織選挙が得票につながらなかったことを嘆いた。
社民、共産も苦戦。久留米市在住の金岩氏は社民党の福島瑞穂党首が公示後に同市で街頭演説を行うなど、地元での得票に力を注いだが、支持を広げられなかった。田中氏も全体的に伸び悩んだ。
× ×
●民主再び比例第一党 県内
参院選比例代表の県内得票を政党別(候補者名の得票も含む)にみたところ、民主党が37.7%を獲得し、前回2004年に続いて県内比例第一党となった。
民主の得票は約82万1500票で、前回から約8万票も上乗せした。特に宗像市や筑紫野市など市部で40%を超える高得票が目立ち、郡部でもほぼ3割台後半を維持。八女、築上両郡を除く県内全市郡で自民を上回った。
自民の得票率は25.3%で、前回より1.3ポイント低下。福岡と北九州の両政令市では、各区で20%台前半と苦戦していた。
公明は得票率を前回より約3ポイントも落とし、17.9%と2割を切った。共産は6.8%、社民は4.8%で、やはりそれぞれ1−2ポイント減らした。
=2007/07/31付 西日本新聞朝刊=
799
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:50:49
内閣改造見守る 自民県連が総括 福岡
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/fukuoka/20070802/20070802_003.shtml
自民党福岡県連は1日、参院選福岡選挙区の結果を分析する執行部会を開いた。自民党は惨敗し、参院の第一党を民主に奪われたが、新宮松比古会長は会見で「福岡県は6年前より約19万票上積みし、結果が出た」と、肯定的に総括した。
安倍晋三首相の続投については「厳しい意見も出たが、当面は党役員人事、内閣改造人事を見守る」ことで一致。今後、国会の展開次第では衆院選が近まる可能性もあるとして「11小選挙区の地方議員がしっかりと組織の拡大、充実を図る」ことを申し合わせた。
=2007/08/02付 西日本新聞朝刊=
800
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:52:58
自民支持の29% 岩本氏へ 参院選福岡選挙区 無党派の64%も 本社出口調査分析
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/fukuoka/20070802/20070802_002.shtml
参院選福岡選挙区(改選数2)が投開票された29日、西日本新聞社が実施した出口調査を分析した結果、自民支持層のほぼ3割が民主の岩本司氏に投票する一方、社民、共産支持層もそれぞれ4割と2割が岩本氏に投票していたことが分かった。過去最多の約100万票を得票した岩本氏に強い追い風が吹いていたことがあらためて裏付けられた。
岩本氏は民主支持層の83%を固めただけでなく、自民支持層の29.2%、公明支持層の9.6%も取り込んでいた。野党でも共産支持層の18.2%、社民支持層の37%から得票。「死に票」を回避したい有権者意識とともに、政治とカネの問題や相次ぐ閣僚不祥事などを受け、政権・与党批判票の多くが民主に集まったといえる。
一方、逆風を受けて防戦を強いられた自民の松山政司氏。6年前の前回を上回る約79万票を獲得したが、自民票は63%にとどまり、公明票でも8割に届かなかった。
今回の選挙を象徴する「民主への追い風」は、無党派層の投票行動に顕著に表れている。全体の17%を占める無党派層のうち、64%が岩本氏に投票。松山氏を選んだのは19%にすぎなかった。
共産の田中美由紀氏は共産支持層の79%を固めたが、無党派層の支持は1割止まり。社民の金岩秀郎氏は社民支持層の46%、無党派層では5%の票しか得られなかった。
=2007/08/02付 西日本新聞朝刊=
801
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:56:22
民主、全11区で40%超 「公明票が鍵」浮き彫り 参院選福岡から衆院小選挙区を試算
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/fukuoka/20070803/20070803_001.shtml
参院選福岡選挙区の投票結果を衆院の小選挙区別にみると、全11区で民主の岩本司氏が自民の松山政司氏を上回っていた。ただし、県内の比例代表票を基に試算すると、公明党票がすべて自民に回れば全11区で自民が民主を逆転、6割にとどまれば自民の4勝7敗となる。参院選と衆院選を単純比較はできないが、次期衆院選の勝敗の鍵を公明票が握る実態が、あらためて浮き彫りになった。
今回の参院選で岩本氏の得票率は、都市部の福岡2区で最高の51.4%を獲得。1、3、4、5区でも48%を超え、最も低い11区でも41.2%だった。
松山氏は6、7区で40%をわずかに超えたが、2区と9区では35%を切った。共産の田中美由紀氏は9区、10区で10%を超えたが、あとは7%前後。社民の金岩秀郎氏は11区の7.7%が最高で、残りは5%前後だった。
選挙区、比例代表とも、全11区で岩本氏と民主が松山氏と自民を上回っていた。だが、比例代表の党派別得票率で自民と民主の直接対決した場合を試算すると、公明票がすべて自民に回ったとすれば、全11区で自民が逆転する。
公明票を6割とすれば、6、7、10、11の4選挙区で自民が上回る計算。民主が上回る7選挙区でも、自民との差は4から5ポイント程度で、微妙な勝負となることが分かった。2005年の総選挙で、自民は無所属も含め十勝一敗と民主に圧勝している。
=2007/08/03付 西日本新聞朝刊=
802
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:58:53
川上氏 盤石の地盤空回り 商工共済問題も尾を引く 西日本佐賀
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/saga/20070730/20070730_001.shtml
「自民党の輝かしい伝統がある中、役割を果たせず申し訳ない」。真っ黒に日焼けした自民新人の川上義幸氏(52)が、佐賀市の選挙事務所で声を振り絞った。29日夜、保守王国佐賀で、参院選の自民「不敗神話」が崩れた瞬間だった。
全国で唯一、自民が候補を差し替えた佐賀選挙区(改選数1)。佐賀商工共済協同組合の粉飾決算問題を抱える前職の陣内孝雄氏(73)は、公示まで2カ月足らずで公認を辞退。党本部が名指ししたのは、陣内氏と同じ旧建設省出身で、県副知事に出向中の川上氏だった。
単身赴任中の佐賀で、思いもしなかった国政への挑戦。「どうして国政に立つの。何で佐賀なの」。高校3年の長男が疑問をぶつけてきた。
県土木部長、副知事として取り組んだ九州新幹線西九州(長崎)ルート整備、有明海再生は道半ば。数日間悩み、「これからの人生を佐賀に懸ける」。家族を説得した。
急ごしらえの後援会組織だったが、県内20市町の首長が会長に就くなど、盤石の態勢を組んだ。古川康知事も「佐賀には川上さんが必要」と繰り返し訴えた。
だが、自民支持が多い共済組合員は事務所に姿もみせない。「陣内さんは潔く全責任を負わんば」。陣営の電話に厳しい返答が返ってきたこともあった。「佐賀んもんじゃなか」。民主党の批判にも焦りが募った。
投票日まで残り3日で、本籍を福岡市から佐賀市に移した。「本籍も移し、退路を断ちました」。翌日の決起集会では、涙声で訴えた。
不敗神話の重荷を背負った2カ月余。「私なりに精いっぱいやらせてもらった」。肩を落とす川上氏に、いたわりの拍手がやまなかった。
=2007/07/30付 西日本新聞朝刊=
803
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 21:59:34
川崎氏、郡部も制す 民主、初の全県20万票超 参院選地域別得票分析 自民、戦略見直し必至 佐賀
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/saga/20070731/20070731_001.shtml
29日に投開票された参院選佐賀選挙区(改選数1)で、初当選した民主新人の川崎稔氏(46)は市部だけでなく、従来は自民党の主要な支持基盤だった郡部(町部)でも自民新人の川上義幸氏(52)を上回った。これまでの民主候補は、市部で自民をリードしながら郡部では伸び悩むという傾向があった。しかし、今回は郡部でも大きく票を伸ばしたことが自民から参院の議席を奪う最大の要因となった。
川崎氏の得票率を市部、郡部それぞれでみると、市部で50.00%、郡部でも48.08%を獲得。一方、川上氏は市部で44.12%、郡部でも45.98%にとどまった。
川崎氏は、10市のうち8市で川上氏を上回り、13町のうち9町を制した。佐賀市で川上氏に約1万2000票差をつけたほか、苦手としていた唐津市でも上回り、民主候補としては全県で初めて20万票を超えた。
川上氏の市町別での得票率は、太良町での56.78%が最高。前回(2004年)は上回っていた小城市(当時は小城郡)や杵島郡などで民主の浸透を許しており、今後、戦略の見直しを迫られるのは必至の状況だ。
共産新人の中尾純子氏(54)は、前回の同党候補と比べて約1万4000票減となった。得票率も前回より3.57ポイント下回る厳しい結果となった。
× ×
●「責任の重さ感じる」 川崎氏
参院選で初当選した民主新人の川崎稔氏(46)は30日、佐賀市の事務所で「責任の重さをあらためて感じています」と喜びを語った。
補選を含め20連勝の自民を振り切り、歴史的な勝利を収めた川崎氏。新聞に目を通しながら「佐賀でも地道に活動していけば、勝利を得ることができると思った。(選挙戦)終盤にかけて手応えは相当あると感じた」と激戦を振り返った。
川崎氏はこの後、事務所近くで朝立ちし、「ありがとうございます」とドライバーに手を振った。
=2007/07/31付 西日本新聞朝刊=
804
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 22:00:48
崩壊「不敗神話」参院選の衝撃<上>自民 逆風は一過性なのか―連載 佐賀
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/saga/20070731/20070731_002.shtml
選挙戦の最中から、ある程度の覚悟はしていた。「最近の自民党は私たちの方を見とるのか。今回だけは応援するわけにはいかん」。自民党のある県議は投開票日の数日前、長年、支持してもらっていた男性自営業者から厳しい批判を受けた。
党を支えていた有権者に渦巻く不満や不信。「勝てるわけがない」。県議が予想した通り、参院佐賀選挙区での自民党の「不敗神話」は崩れた。
自民党は、年金記録不備問題で始まった逆風を、閣僚の相次ぐ不祥事や失言で加速させた。閣僚の不祥事をかばい続けた安倍晋三首相。集落営農を推し進める政府に農家の反発も強まった。
投票を終えた有権者は、明確に自民党を否定した。「もう、あきれた」と、鳥栖市の男性会社員。「民主党が躍進すれば何かが変わる」。前回参院選で自民党に投票した唐津市の自営業女性は、そんな思いを1票に込めた。最後の追い込みに走り回った県議は「党への不満は説明しても分かってもらえなかった」と振り返る。
■公示目前に亀裂
全国的に吹き荒れた自民党への逆風。さらに佐賀では、佐賀商工共済訴訟が加わった。「被告の前参院議員、陣内孝雄氏が敗訴すれば、選挙は戦えない」。党本部は5月、「商工共済問題隠し」を図ろうと、公認候補を当時副知事だった川上義幸氏に差し替えた。
地元が決めた候補者を、ひっくり返そうとする党本部。当初から川上氏の名前が取りざたされた。「陣内氏が川上氏を指名した」。そんな声がささやかれた。「出来レースじゃないのか」。参院選立候補に意欲を示していた県議もいたため、公示を目前に県連内部に亀裂が生じた。
さらに全面敗訴した陣内氏が、公示6日前に控訴。同じく敗訴した県が判決を受け入れただけに、違いが際立った。陣営は「川上さんは商工共済には全くノータッチ」と強調したが、佐賀市の男性会社員は「商工共済と自民党は一体。いまさら関係ないといわれても納得がいかない」。県民の自民党離れに拍車をかける結果となった。
■「求心力」保てず
48年間、守り続けた参院の議席を民主党に明け渡した自民党。選挙の中核を担う地方議員を市町村合併や定数削減で減らしたほか、実動部隊となる農業団体や建設業者も、距離を置こうとしており「逆風は一過性ではない」とみる国会議員もいる。
ある県連関係者は、こう打ち明ける。「国の補助金が減ってきた中で、地域に金を落とさない自民党の言うことを聞く人は減っている」。まさしく金の切れ目が縁の切れ目。「政権与党」の看板だけで、求心力を保つのは難しくなっている。
29日夜、佐賀市の川上事務所。「これから自民党の新たな船出をお願いしたい」。選挙結果を受けて「自民再生」を強調する川上氏の声が響いた。しかし、一夜明けた30日、県連内部では既にこんな声が漏れていた。「全国的な状況だから、仕方ないな」
◇ ◇
民主党が初の議席を得た参院選佐賀選挙区。その衝撃と影響を追う。
=2007/07/31付 西日本新聞朝刊=
805
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片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 22:08:15
崩壊「不敗神話」参院選の衝撃<下完>民主 次に生かす特効薬は−連載 佐賀
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/saga/20070801/20070801_001.shtml
参院選での初白星、歴史的勝利…。大願成就の開票から一夜明けた30日、民主新人の川崎稔氏は早朝から街頭に立ち、有権者に感謝の言葉を伝えた。「ありがとうございました」。その表情には前回落選して以来、3年間の苦労が報われた喜びにあふれていた。
そのころ、選対本部長代行を務めた大串博志衆院議員は、前夜の興奮を思い起こす一方で、ある不安も感じていた。
「このまま風頼みでは、オセロのように白がすぐ黒に変わる」
前回衆院選で大敗を喫し、今回は大勝。有権者の心理は、まるでオセロ風ゲームのように劇的に変わる。失点を重ねた自民のような状況が民主を襲えば、次期衆院選での政権奪取の道は閉ざされる。「身を正し、組織を強くしなければ」。大串氏は口元を引き締めた。
■「破格の応援」に
民主の戦い方は、確かに従来とは違っていた。30日、佐賀市の自治労県本部。民主県連幹部は「破格の応援をいただき、ありがとうございました」と頭を下げた。前回参院選では自主投票に近かった自治労が、今回はフル回転。勝利への後押しとなった。
農業政策も勝敗を分ける要因となった。27日、佐賀市での「農業を語る会」。参加者は予想を大幅に上回り、農家ら約170人であふれ返った。「補助金は本当に農家に行き渡っているのか。もうマインドコントロールを解こうじゃありませんか」。原口一博衆院議員が自民の「小規模農家切り捨て政策」を批判すると、大きな拍手が鳴り響いた。
これまで自民に投票していた同市の農業男性(70)は「自民は、自分たちばかり守って農家を切り捨てている。(販売価格と生産価格の差額を補てんする)民主の戸別所得補償制度じゃないとやっていけない」と語った。
■中間試験に必死
違う見方もある。自民の古参県議は「民主の国会議員にはスター性がある」という。県内ではテレビ出演も多い原口氏と、行動力に定評のある大串氏。若手が多く、「少年探偵団」と揶揄(やゆ)された民主だが、今や働き盛りの年代と重なってきている。この県議は「うちには今、そんな人材が見当たらない」と嘆く。
県内でも、小城市や江北町など交通の便が良くなった地域では、佐賀市に通勤する会社員らが増えた。大串氏は「衆院2区でも無党派層は増えている。兼業農家が多く、従来は自民支持層。それが都市部のように浮動票化している」とみる。
自民の締め付けが効かない彼らが民主への追い風を生みだし、得票を伸ばす一因となった、という分析だ。「自分の選挙を想定した“中間試験”。衆院議員も必死だった」。県連幹部が話すように、23市町のうち17市町で自民を上回った得票は弾みとなる。
しかし、有権者の地殻変動ともいえるこうした現象を「次」も生かせる保証はない。民主は、衆院3区にはいまだ候補予定者はおらず、基盤構築には遠い。「組織力強化は、しっかりした政策をミニ集会など顔が見える形で訴えるのが基本。特効薬はない」(大串氏)
有権者は国会での自・民決戦とともに、地元での地に足の着いた活動に、じっと目を凝らしている。
(佐賀総局・久保田敦、河野潤一郎が担当しました)
=2007/08/01付 西日本新聞朝刊=
806
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 22:12:53
変わる政界図 参院選後の展望<上>崩壊 逆風かわせぬ自民の衰退―連載 長崎
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/nagasaki/20070731/20070731_002.shtml
▼短い謝罪の電話
テレビには喜びに沸く相手陣営の光景が映し出されていた。自民新人、小嶺忠敏の選挙事務所。支持者らの最前列で口を真一文字に結び、じっと画面を見つめていた自民県連会長、谷川弥1の携帯電話が突然鳴った。
「本当に申し訳なかった」。短い謝罪。声の主は前防衛相の久間章生だった。
参院選公示前、年金記録不備問題で自民党にかつてない逆風が吹き荒れていた。そこに「天井からバケツをひっくり返した」(自民衆院議員)のが久間だった。
原爆投下をめぐる「しょうがない」発言。被爆地の長崎市民をはじめ、多くの県民が憤り、久間個人の資質を問う一方、政府与党の気の緩み、おごりに対する反発が、加速度的に広がった。
選挙期間中、久間が地元を訪れることは一度もなかった。
「問題発言と、実力者の支援がないこと。二重に痛かった」。支持者が去り、ひっそりとした事務所の中で陣営幹部は唇をかんだ。
▼「威光」が利かず
かつて保守王国と言われた長崎自民の危機。元自民党衆院議員で、県連会長も務めたことがある知事の金子原二郎は、その空気を察知し敏感に反応した。
「県の事業を推進する上で与党との関係は大事」と、これまでの中立の立場から小嶺を全面支援。応援演説はもとより、陣営の指揮、企業・団体への指示、集会の主催など公務の合間をぬって裏に表に顔を出した。
とりわけ金子の地元、佐世保市では個人秘書を陣営に送り、市長の朝長則男とも連携して小嶺を後押し。「負けられない」選挙を展開した。
結果は小嶺5万6111票に対し、相手の民主新人の大久保潔重は5万6330票。圧勝するはずの佐世保市で逆に219票の差をつけられた。
「選挙で負けなしという知事の威光の衰えを感じた。連合長崎などを敵に回しての応援。今後の県政運営が不安だ」と自民県議の1人は言う。
選挙運動最終日の28日夜、長崎市の繁華街であった小嶺の最後の街頭演説を片隅で聞いていた金子。開票結果を待つ小嶺の事務所にその姿はなかった。
▼会長が辞表提出
「民主候補に負けたとは思っていない。しかし(県内の)参院を2つとも落とした。責任の重さを感じるとともに、ぼうぜんとしている」
3年前の前回参院選に続く連敗を受けて谷川は29日、県連会長の辞表を提出した。ただ、県連幹事長の末吉光徳は「立て直しに全力を傾けることが大事ではないか」と、谷川の対応に不満を漏らす。
国会議員4人に県議会議長経験者4人、後援会長で元知事の高田勇と金子。参院選の敗因は逆風の強さもあるが、それ以上に「船頭が多く、戦う態勢になっていなかった」(陣営幹部)ことも大きかった。
小嶺を推薦し選挙協力を組んだ公明党県本部幹事長の江口健も「選挙を総括し協力関係のあり方を根本から見直したい」という。
公共事業削減に伴い、建設業をはじめ企業に広がる自民離れ。市町村合併で運動の中心となる地方議員の数も減った。鉄の結束を誇った自民組織は今や崩壊の一途だ。
「どこから手を付ければいいか分からない状態」。末吉がそう語るように、党勢再建のシナリオは容易ではない。
(文中敬称略)
◇ ◇
自民新人と民主新人が激突した参院選長崎選挙区は民主新人が勝利。同党の県関係国会議員は比例代表で再選した西岡武夫氏を含め5人となり、自民の4人を上回ることになった。与野党逆転という新たな政界図が及ぼす影響は少なくない。今回選挙戦を振り返りながら、県内政界の今後の展望を探る。
=2007/07/31付 西日本新聞朝刊=
807
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/04(土) 22:20:00
変わる政界図 参院選後の展望<下>連勝 圧勝といかなかった−連載 長崎
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/nagasaki/20070801/20070801_001.shtml
▼18市町で負けた
当選から一夜明けた7月30日早朝、大久保潔重は妻の貴美とともに地元・諫早市の交差点に立った。充血した目、むくんだ顔、かすれた声。疲労はピークに達していたが、その表情は明るい。
「参院選では大変、大変お世話になりました。皆さんの負託に応えるべく頑張ります」。大久保は通勤途中のドライバーに手を振りながら、小型の拡声機で呼び掛けた。
民主党にとって今回参院選は「これで勝てなければ、二度と勝てない」(大久保陣営幹部)ほど、自民党の敵失に恵まれた。極め付きは久間章生前防衛相の原爆投下「しょうがない」発言。被爆地であり、有権者の3割を占める長崎市を中心に反発が広がった。
3年前の参院選で民主新人の犬塚直史が自民現職を破ったのに続き、民主党にとっては歴史的な2連勝となった。
民主党代表の小沢一郎が設立した政治塾1期生の大久保は昨年12月、小沢の肝いりで立候補を表明後、都市部より地方回りを重視する小沢の手法にならって、離島や過疎地域を中心に回ってきた。しかし、ふたを開けてみると県内23市町のうち、大久保が自民新人の小嶺忠敏の得票を上回ったのは都市部の長崎市と佐世保市、諫早市、長与町、時津町だけ。残り18市町はすべて小嶺の得票を下回った。
開票結果をみると、必ずしも圧勝といえるものではなかった。
▼しこり残る協力
7月25日に長崎市であった大久保の集会であいさつに立った連合前会長の笹森清が内幕話を披露した。
笹森の元に1月7日に1本の電話がかかってきた。声の主は民主党代表の小沢。2人きりで会った笹森に小沢は「今夏の参院選で政治生命を懸ける。連合は乗ってくれるか」と切り出し、笹森は「心中する覚悟でやる」と決めたという。
大久保は、連合、民主、社民両党などでつくる六団体懇話会(六者懇)の支援を受けた。選挙区に独自候補を立てなかった社民党も県連合代表の前田富雄が出陣式や集会でマイクを握り「非自民として団結し、政権交代を目指す」と有権者に向かって大久保支持を呼び掛けた。
だが社民内部には過去に民主との選挙協力が崩れたしこりが残る。7月26日に佐世保市であった大久保の総決起大会に参加した社民市議は「日の丸2つが付いた旗(民主党旗)をおれにも持たせようとするんだから、どうかしてるよ」と吐き捨てた。
▼消極的支持票も
今回、社民県連合は民主公認の大久保に対し「推薦」でも「支持」でもなく、非公式な「支援」にとどめた。六者懇を構成する民主、社民の溝を埋めるように連合長崎がブリッジ役を果たした。
しかし今回参院選で社民の比例票は前回から約1万3500票も減らした。社民県連合幹部は「与野党逆転を第一に考えた選挙協力だったが、内部のねじれは厳しい。六者懇を無視することはないが、今後の協力は分からない」と漏らす。
共産党も埋没感は否めず、同党県委員長の山下満昭は「自公政治に反対する有権者の思いが、民主党へ向かってしまった」と肩を落とす。二大政党化の流れの中で、社民、共産両党の退潮傾向に歯止めはかからない。
ただし、「大久保でも何でもいい。自民には入れない」(平和団体幹部)として1票を投じた有権者は少なくない。大久保の票の中には、反自民というだけの理由で投じられた消極的支持の票も少なからず含まれている。
喜びに沸いた開票日夜の民主党県連事務所。民主県連代表の高木義明は「勝因は現政権への不満と怒り。はしゃいじゃいかん」と気を引き締めるように話した。 (文中敬称略)
=2007/08/01付 西日本新聞朝刊=
808
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/05(日) 08:52:25
自民県連総括会議 現体制維持の見通し 公認差し替え疑問の声も 讀賣佐賀
参院選佐賀選挙区に自民党公認で立候補して落選した川上義幸さん(52)の選挙戦を総括する選対会議が4日、佐賀市内で開かれた。県連幹部の責任を問う質疑はなく、現体制が維持される見通しとなったが、出席者からは「安倍首相で戦えるのか」などと、惨敗にもかかわらず続投する安倍首相への批判が出た。県連は近く、党本部にそうした意見を伝えるという。
この日の会議は、自民党の市町村、職域支部に、川上さんの地域後援会などを加えた合同方式で行われ、約70組織の関係者が出席した。
今村雅弘・県連会長は「自民への逆風に加え、農業政策批判など、いろんな問題に十分に対応できなかったと総括している。しっかりと敗戦の教訓をいかして今後の活動につなげたい」と総括した。
今後について「(参院の過半数を野党が占めたことで)国政全般が混乱する可能性があり、衆院選の対応を考えないといけない。しっかり立て直しを図りたい」と協力を呼びかけた。
総括責任者を務めた保利耕輔・衆院議員も「審判を厳粛に受け止め、自民は十二分に反省すべきは反省し、将来への一歩を踏み出したい。さらに結束を強化しよう」と訴えた。
議事は非公開で行われた。石井秀夫・県連幹事長らによると、出席者からは「陣内孝雄・元法相が(立候補を)やめるのなら、なぜ1年前(の県連総務会で)、選んだのか」などと、党本部主導による5月の公認候補差し替えへの疑問の声が出た。同じ内容の意見は、この会議の前に行われた川上陣営の企画選対会議や、県連代表役員会でも出たという。
県連幹部の責任問題について、今村会長は会議終了後、自らの責任に関する報道陣の取材に明確な考えを示さなかった。
(2007年8月5日 読売新聞)
809
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:39:06
’07参院選ふくおか:自民の票受け民主大躍進 組織力、地盤に変化 /福岡
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukuoka/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk40010255000c.html
◇定着進む2大政党化
29日に投開票された参院選福岡選挙区(改選数2)は、年金記録漏れ問題など自民への猛烈な逆風を味方につけ、民主前職の岩本司さん(43)が参院選では県内過去最多の100万3170票を獲得した。自民の牙城とされる郡部でも自民前職の松山政司さん(48)を超え、民主党の躍進と選挙地盤の変化を象徴する結果になった。【反田昌平、船木敬太】
「自民から票が逃げてきて、ようやく民主が2大政党としてその受け皿になれた」。岩本選対事務局長の大久保勉参院議員は、選挙結果を振り返った。投票率はほぼ01、04年並みだが、岩本さんの得票は初当選した01年の得票から3倍以上に膨れ上がった。
年金問題の風が指摘された選挙だが、民主と自民の組織力や地盤の変化も大きい。民主は福岡、北九州の両市長選や春の統一地方選で躍進。一方、自民は市町村合併で議員数が減り、郡部での影響力低下が指摘されている面もある。
民主は「戸別所得補償制度」など農業政策をアピールして農村に浸透を図り、岩本さんは今回、郡部で01年より約7万6000票増の約14万2000票を獲得し、トップに躍り出た。
一方、松山さんは農政連の推薦を受け、徹底した組織選挙を展開したが、01年の約17万5000票に比べ、今回は約12万6000票に大きく減った。
選対本部長の原田義昭衆院議員は「前回参院選の63万票を考えれば、今回の79万票は伸びている。しかし、民主が100万を超えたことを深刻に受け止めている」と語る。自民への批判という追い風とともに、民主が2大政党として定着しつつある。
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2007年7月31日
810
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:41:00
選挙:参院選 与党過半数割れ 政局の混乱に懸念−−知事会見 /福岡
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukuoka/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk40010504000c.html
◇「分権改革が急務に」
全国知事会長の麻生渡知事は31日の記者会見で、参院選での与党過半数割れについて「今後の日本政治は大変だ。(各政党は)国民にとって大切なことは何か、国際社会とともに発展していくため、何をすべきかを考え、党利党略にならないよう政治運営してもらいたい」と述べ、当面の政局の混乱に懸念を示した。
麻生知事は1人区での「自民大敗」にふれ、「地方側の深い危機感と不満が爆発した地方の反乱だった」との認識を重ねて強調。その上で、(1)地方交付税削減による地方財政の窮乏を直視し、(地方自治体が)社会保障費をまかなえるよう、財政的仕組みをつくる(2)地方分権を徹底させる−−など、分権改革が急務との認識を示した。【中村篤志】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2007年8月1日
811
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:42:13
選挙:参院選 自民党大敗「町村長減少も一因」 会見で山本・全国町村会長 /福岡
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukuoka/archive/news/2007/08/03/20070803ddlk40010477000c.html
全国町村会長に5選された山本文男・添田町長(81)が2日、同町役場で会見した。山本会長は参院選の結果について「自民党大敗の一因は、自民党の選挙を引っ張ってきた地方の町村長が市町村合併で減ったためではないか」との見方を示し、「安倍首相だけに責任があるわけではない。挽(ばん)回のチャンスを与えることも必要だ」と述べた。
山本会長は町村数がこの3年間で約2400から1030へと激減したことを挙げ、「自民党の選挙で一番働いてきたのは地方の町村長。今選挙で自民党が農村部に弱かったのはそれも一因ではないか」と述べた。その上で「首相が今交代しても次期衆院選が控えている。短命となれば影響が大きい」として、首相続投に理解を示した。【林田雅浩】
〔筑豊版〕
毎日新聞 2007年8月3日
812
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:45:39
’07参院選さが:「追い風」川崎さん初当選 民主初議席、自民21連勝阻む /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk41010170000c.html
追い風に乗った民主が、半世紀近くにわたって自民が議席を守ってきた参院佐賀選挙区(改選数1)に風穴を開けた。29日投開票された参院選。民主新人の川崎稔さん(46)=国民新推薦、社民支持=が、自民新人の川上義幸さん(52)=公明推薦=と共産新人の中尾純子さん(54)を破って初当選を決めた。川崎さんは一貫して年金記録漏れ問題などで政府・与党への批判を展開。自民、公明の組織力をフルに使って猛追する川上さんを振り切った。当日有権者数は69万1270人。投票率は62・86%(前回62・03%)だった。【参院選取材班】
佐賀で初の民主党参院議員の誕生に、佐賀市神野東の川崎さんの選挙事務所は沸き返った。川崎さんは「皆さんが支えてくれた結果。ありがとうございます」と深々と頭を下げ、支援者たちと握手や抱擁で喜びを分かち合った。
3年前は約2万票差で自民現職に惜敗。今回は安倍政権批判の追い風に乗り、年金▽税金の無駄遣い▽農業−−を自民党批判の3本柱にして県内を回った。連合佐賀が運動を下支えし、社民も支持の立場で共闘。知名度不足を補うため、地元の原口一博、大串博志両衆院議員も奔走した。
また菅直人代表代行など党幹部や田中真紀子衆院議員らが連日のように来援し、かつてないほどのてこ入れ。選挙戦の出はなをくじかれた大串議員の弔問問題も選挙自体への影響は見られず、組織力で上回る自民候補の追い上げを振り切った。
「自民王国」として全国的に動向が注目された佐賀選挙区。川崎さんの当選で県内の国会議員は8人中3人を民主党が占めることになり、県内の政党勢力図にも大きな影響を与えそうだ。
◇候補差し替え、年金、閣僚失言…川上さん、逆風強く
「今まで支援していただき、ありがとうございました」−−。自民の21連勝を逃した川上さんは、佐賀市内の選挙事務所で悔しさをかみしめた。
川上さんが出馬表明したのは5月。すでに選挙の準備を進めていた自民前職、陣内孝雄元法相(73)を党本部が「勝てない」と差し替えたためだった。副知事や県土木部長を歴任したとはいえ政治経験ゼロ。県議からも「技術者の印象はあるが……」と不安が漏れた。
自民は挙党態勢で安倍晋三首相ら大物を投入。古川康知事も応援に立った。公明との協力もあり、必勝態勢。新幹線や有明海再生など、地元に密着した政策を訴えた。
しかし選挙戦では年金記録漏れ問題や閣僚失言などが逆風となったほか、陣営の運動も上滑り気味。組織力をフルに発揮できないままだった。
◇争点広がり欠き、共産・中尾さん涙
中尾さんは佐賀市神野東の党県委員会内の選挙事務所で、集まった支持者に深々と頭を下げた。
選挙戦では、年金記録漏れ問題や閣僚の相次ぐ不祥事が噴出する安倍政権を厳しく批判、「確かな野党」を掲げ、年金問題の早期解決や憲法改正反対を訴えた。
しかし、自、民の争いの間に沈んだほか、争点の一つに掲げた憲法改正反対も、年金問題など他の争点にかすんだ。このため、無党派層への広がりにも欠けた。
813
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:46:02
■解説
◇組織強化し負託に応えよ
全国の1人区で唯一、半世紀近く自民が議席を確保し続けた参院選佐賀選挙区の“陥落”は、有権者の選択肢が自民だけでないことを顕著に示した。県民の負託を受けた民主は今後、結果を出すことが求められる。
民主の得票率は、独自候補を初めて参院選で立てた01年が23・2%、04年には42・9%まで伸ばした。今回の勝利で国会議員は3人になった。民主が選択肢の一つとして定着したと見るべきだ。
しかし、地方議会に目を転じると、県議会、市町議会での勢力はわずかで、組織力は自民に比べてはるかに劣る。
その意味で民主の勝利は今回も“風頼み”だったといえる。自民の基盤が崩れ始めていたことも勝利の要因だった。
選挙戦中盤、農協組織がてこ入れしているはずの農村部の票が民主に大きく流れていることが判明した。自民陣営は大慌てで締め付けを始めた。自民農政への反発もあってうまくいかなかったという。自民の現在を象徴的に示すエピソードだ。
陣営関係者は「事実上選択肢が自民だけという中で、まともな選挙をしてこなかったからだ」と言う。「不敗」そのものが支援組織を弱めてしまったというわけだ。
民主の勝利が県政界に影響を与えることは必至だ。だがこの1年間で県連代表が2度もスキャンダル絡みで代わるなど、組織の未熟さも目立つ。民主は勝利を機に、改めて県民の負託を重く受け止めるべきだろう。勝利の美酒に酔う暇などない。【上田泰嗣】
==============
◇開票結果
=選管最終発表
当 210,452 川崎稔 46 民新
189,212 川上義幸 52 自新
25,028 中尾純子 54 共新
==============
川崎稔(かわさき・みのる) 46 民新(1)
[元]日本銀行文書局調査役▽党県副代表[歴]日銀業務局副調査役・新潟支店総務課長・大阪支店副調査役・経営企画室調査役▽京大=[国]
毎日新聞 2007年7月30日
814
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:46:26
反転:’07参院選・佐賀/上 川上さん落選 危機感の乏しさ背景に /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk41010003000c.html
◇出馬表明5月、活動ペース鈍く
「この地域にとって一番大事なのは、長崎新幹線。川上さんに参議院で強い発言をしてもらい、大事業を実現したい」
24日夜。武雄市で開かれた自民党公認候補の川上義幸さん(52)の集会で訴える津島雄二衆院議員に、会場から拍手がわき起こった。津島議員は同党内で、九州新幹線長崎(西九州)ルート整備推進の要だった。
副知事時代に新幹線実現に奔走した川上さんは、高速交通網整備が公約。川上さんの当選は、県にとってこそ大きなメリットがあった。川上さんが当選すれば「信任を得られた」と、事業を進めることができるからだ。今年度いっぱいが事業のヤマと言われていた。
古川康知事は30日、川上さんの落選について「新幹線には大きな影響はないと思う」と述べ、「(新幹線沿線になる)武雄や嬉野は川上さんがトップの得票だった」と、いつになく強調した。
◇ ◇ ◇
29日夜、佐賀市の川上さんの選挙事務所。「有権者はおきゅうを据えたつもりだろうが大やけどになってしまった」。同党県連会長で川上陣営の選挙対策本部長の今村雅弘衆院議員はぼやいた。「今回の選挙結果は年金問題とだらしない閣僚(の失言など)で起きた逆風のせいだ」
だが、陣営の別の関係者は敗北の原因は別にあると指摘する。
川上さんは今年5月に出馬表明。陣営幹部は「スタートが遅いのがハンディ」と、最初からトップスピードで活動する覚悟を強調していた。
しかし、なぜか動きが鈍かった。ある陣営関係者は「普通の選挙は1年後ぐらいを目指して準備に入るが、今回もそんなペースだった」。陣営が緩み、危機感が乏しかったというわけだ。
長年、自民党を支持してきた佐賀市内の50代の農家は「今回ほど誰もこない選挙は初めて」と運動量の少なさを驚いた。「回ってきても入れん。農家をつぶすような農業政策に誰が入れる? 民主の戸別所得補償の方がありがたい。年金もいいかげんで、考えることは自分たちの得ばかり。……おきゅうを据えな」
「屋台骨が腐っている。慢心を直さないとどうしようもない」。人けのなくなった選挙事務所で自民関係者がため息をついた。
◇ ◇ ◇
29日投開票された参院選で自民は歴史的敗北を喫し、牙城の佐賀も揺らいだ。何が選挙の明暗を分けたのか検証する。【参院選取材班】
毎日新聞 2007年7月31日
815
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:47:04
選挙:参院選 得票率、川崎さん6.69ポイント上昇 比例は自・民が接戦 /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk41010032000c.html
◇追い風裏付け都市部で順調
29日投開票された参院選佐賀選挙区(改選数1)で、初当選した民主新人、川崎稔さん(46)の得票率は49・55%に上った。初出馬した前回04年参院選の得票率42・86%から、6・69ポイント上昇し、得票数も前回の17万7139票から21万452票へ3万3000票以上の上積み。年金記録漏れ問題などで民主党に強い追い風が吹いたことを裏付けた。
市町別でみても、23市町のうち佐賀市、唐津市など17市町でトップ得票。落としたのは武雄市など6市町にとどまった。前回は、49市町村のうち、勝てたのが佐賀市、鳥栖市周辺の県東部地区の8市町のみで、今回、自民支持基盤とされた西部の郡部でも票を集めた。
一方、自民新人の川上義幸さん(52)がトップになったのは武雄市、嬉野市など6市町。両市は、九州新幹線長崎(西九州)ルートの沿線自治体で、整備推進を主張していた川上さんへの期待票も集まったとみられる。
また、比例代表では選挙区ほど民主に偏った傾向は出ていない。“第一党”の民主は県内の得票数が14万9623票(得票率35・96%)で、自民も14万6446票(35・20%)を獲得した。市町別では民主の得票は佐賀市や鳥栖市など9市町に集中し、自民支持の傾向が強いとされる唐津市や伊万里市など14市町では自民の得票が民主を上回った。【上田泰嗣】
毎日新聞 2007年7月31日
816
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:47:36
反転:’07参院選・佐賀/下 民主が農村部浸透 農家支援で自民に対抗 /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk41010065000c.html
選挙戦終盤の7月27日夜、佐賀市内で民主党が主催した政談演説会「農業を語る会」。農家など農業関係者が対象だった。農家は自民党支持者が多い。同党の大串博志衆院議員は「数十人も来ればと思っていたが、予想以上の集まりだった」と振り返る。参加者は200人近くで、立ち見まで出た。
◇ ◇ ◇
国の調査によると、05年現在、県内の農家(農業就業者)は4万1496人。全就業者数の9・8%だが、家族も含めれば関係者はさらに増える。農家数が減少傾向とはいえ、農村部の票を無視することは出来ないゆえんだ。今回の参院選、民主は農業政策でも自民を揺さぶった。
一定規模以上の農業に支援を集め、国際競争力を高めようという自民に対し、民主は規模にかかわらず、販売農家の所得を補償する政策を前面に打ち出した。「自民農政は小規模農家の切り捨てだ」。語る会の会場では民主党の原口一博、大串両衆院議員が熱弁を振るった。
会場にいたみやき町の50代の農業男性は「自民のやり方では犠牲になる農家が出る。民主の政策はありがたい。所得補償がないと、農家はやっていけないから」と話した後、打ち明けた。「これまでは自民だったが、今回は民主に入れる」
選挙戦終盤。農村部でも劣勢との情報が伝わると、自民は農業票の取りまとめに走った。特に、保守地盤の強い県西部では、保利耕輔衆院議員自らが猛烈に動いた。「あんな姿は見たことがない」と関係者は驚く。
そのころ、第一線で追い上げを図った自民県議が漏らしていた。「農村部で自民批判が多い。(浸透は)難しい」
◇ ◇ ◇
開票日の29日深夜、大串議員は民主新人の川崎稔さん(46)と抱き合って当選を喜んだ。「郡部でも無党派層化が進んでいると思う」。実感を込めて語った。
川崎さんの得票は、自民の牙城とされる唐津市や伊万里市などでも自民候補を上回った。都市政党のイメージが強い民主が、農村部の批判票の受け皿となった。
公明党関係者は言う。「農業や建設業など、自民の従来の支持基盤は液状化している。一方で、民主は支持が膨らんだとはいえ、まだ風頼み。今は過渡期だ」【参院選取材班】
毎日新聞 2007年8月1日
817
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:48:10
反転:’07参院選・佐賀/番外編 農村部の無党派化進む /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2007/08/02/20070802ddlk41010437000c.html
◇格差社会への批判が表面化
民主圧勝、自民退潮、という結果に終わった参院選。県内では、ほぼ半世紀ぶりの自民の参院選敗北という歴史的な結果となった。担当記者が選挙を振り返った。【参院選取材班】
==============
−−まず、自民の敗因と民主の勝因を。
A 年金記録漏れ問題が致命傷だった。
B 自民の自滅。陣内孝雄前参院議員の差し替えでばたついて川上義幸さんが出馬することになったのが5月。若手の自民県議も「なぜ直前まで候補を差し替えなかったのか」とあきれていた。
C 当選した川崎稔さんは前回選挙の落選後、活発に活動した形跡が見えない。たまたま追い風に乗った勝利だろう。ただ、自民党員の高齢化と組織力低下も否めない。
D 民主にとっては、農業政策で争点を示した点が大きい。弔問問題を抱えたが、衆院2区に大串博志衆院議員が地盤を築いたこともプラスだ。
E 伊万里、武雄市で投票率が下がった。自民支持者の棄権が多かったかも。
−−二大政党の争いに共産はかすんだ印象だ。
B 共産は終盤には、「自民を落としたいので民主に入れる」という人には、積極的に共産に入れるよう求めなくなっていた。
E 民主の街頭演説で会った共産議員も「うちの支持者もずいぶん来ているなあ」と。
−−「民主常勝」という時代が来るだろうか。
B 難しい。まだ組織として発達途中だ。
A 自公は出遅れや逆風が吹いてなお、19万票を集める力がある。一方で民主は風がなくても勝てるほどの力はまだない。地道な活動なくして有権者の支持なし、だ。
D 国民の気持ちをどのようにすくい取るかが、党の浮沈に直結する時代になったように思う。
C 格差を生んだ自民党政治への批判が、職業や年代を問わず広がっていると実感した。
E 生活密着型の問題で有権者が募らせている不信感を民主はうまく取り込んだ。だがその分、成果を上げないと、民主への支持は一気に不信感になるだろう。
A 確かに、民主の所得補償政策に期待した農家は、政策実現の見通しがなければ離れていくかもしれない。
−−組織選挙の終えんとも見えるが。
B 組織に神通力がなくなったとは思う。農協関係者さえ「今は締め付けが効かない」とぼやいていた。
D 農村部の無党派層化が、佐賀でも進んでいるといえる。
E 今までの組織選挙はいい意味で崩れたのでは。年配の男性でも「民主」と書いた人が多いのは、その証左ではないだろうか。
毎日新聞 2007年8月2日
818
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:49:25
選挙:参院選 自民県連幹部が陳謝 責任問題浮上に含みも−−合同選対会議 /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/archive/news/2007/08/05/20070805ddlk41010294000c.html
自民党県連は4日、佐賀市で県内の支部長らを集めた合同選対会議を開き、7月の参院選の総括を行った。会議の冒頭、約半世紀ぶりの参院選佐賀選挙区(改選数1)での敗北を受け、県連会長の今村雅弘衆院議員や同選挙総括責任者の保利耕輔衆院議員らが「期待に応えられず申し訳ない。責任を感じている」などと陳謝した。会議では県連執行部の責任を問う意見は出なかったという。【上田泰嗣】
会議は非公開で行われた。石井秀夫・県連幹事長によると、まず執行部側が今回の選挙を総括し「政治とカネの問題や農業政策などが逆風になった」と敗因をまとめた。その上で、衆院解散・総選挙がこの1、2年のうちに行われることを前提に、早急な組織の立て直しが必要だと強調した。
支部側からは、前職の陣内孝雄元法相を5月になって差し替えた問題が取り上げられ「直前に替えるぐらいなら、なぜ昨年6月の公認決定の時点で交代させなかったのか」などと党の対応を批判する意見が出た。また、安倍晋三首相の続投についても「衆院選を安倍体制で戦えるのか」と、退陣を求める声が出されたという。
県連幹部の責任について石井幹事長は「今日は選挙の総括の場であり、責任を問う場ではなかった」と述べ、今後、責任問題が浮上する可能性について含みを残した。
毎日新聞 2007年8月5日
819
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:50:36
金子知事:参院選のしこり、平和集会にも影 3団体に不快感、欠席表明 /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/news/20070807ddlk42010005000c.html
金子原二郎知事は6日の定例会見で、連合長崎など3団体が長崎市で7日に開く平和集会に欠席することを明らかにした。参院選長崎選挙区で落選した自民新人を知事が支援したことを理由に、3団体から出席を断られていた。知事は「いろいろと混乱を想像されるならやむを得ない」と述べる一方、「市民の(平和を)思う気持ちでやっていた集会だと思っていた。選挙を持ち出していろんなことをやらない方がいいんじゃないか」と不快感を示した。【宮下正己】
知事が同集会に欠席するのは就任以来初めて。政治的な立場の違いが平和運動にも影を落とす結果となった。
会見で知事は「私は平和を願う強い気持ちをもっていたからずっと出席してきた」と主張。出席拒否を求めた3団体の考え方については「平和運動というのは政党とか、特殊な団体がやっているという気持ちではないから、選挙運動と関係ないんじゃないか」と疑問視した。
また、自民新人を支援した自らの行動に関しては「選挙というのはそれぞれの思う気持ち、信念があり、(私は)政治家でもある。自民党を応援したのは私だけではなく、東京都知事だって応援しているし、それぞれの立場で政治家としての行動を取っている」と改めて理解を求めた。
参院選で自民新人を支援した知事に対しては、民主新人を推薦する連合長崎が「知事という公職で特定候補への肩入れは慎重であるべきだ」と抗議。しかし知事は聞き入れず、応援演説に立つなど支援を続けた。連合長崎、原水禁、核禁会議の3団体は、知事に平和集会の案内を出し、出席の回答を受けていたが、選挙後に「抗議を無視したことには厳しい対応で臨まざるを得ない」などとして出席を拒否していた。
◇首相表明を歓迎
また、知事は会見で、安倍晋三首相が原爆症の認定基準見直しを検討すると表明したことについて「大変喜ばしい。かねてから我々も要望していたので、今後も期待を持って見守っていきたい」と歓迎した。
〔長崎版〕
毎日新聞 2007年8月7日
820
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:52:57
’07参院選ながさき:総力戦、民主が議席奪取 世論後押し、大久保さん笑顔 /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk42010234000c.html
◇自民に逆風、小嶺さん涙
29日に投開票された参院選長崎選挙区(改選数1)は接戦の末、民主新人の大久保潔重さん(41)が年金記録漏れ問題などの追い風に乗り、初当選した。自民新人の小嶺忠敏さん(62)は逆風のあおりを受け、知名度の高さを生かせず惜敗。共産新人の渕瀬栄子さん(51)も力が及ばなかった。民主は前回の04年参院選に続く連勝で、長崎の参院2議席を独占する形となった。自民は結党以来初めての議席ゼロ。投票率は61・54%(前回04年は60・14%)だった。【宮下正己、横田信行】
大久保さんは05年衆院選に県議から出馬して落選。再び県議に返り咲き、今回の参院選には民主の小沢一郎代表に請われて挑戦した。この4年間で4回の選挙を戦い、2回目の国政選挙で念願を果たしたことになる。
小嶺さんより知名度に劣る大久保さんは昨年末に立候補を表明して以降、離島を含め県内をくまなく回ってきた。経済的な低迷が続く県内の状況を踏まえ、地域間格差の解消を強く訴える選挙戦を展開。年金記録漏れ問題や久間章生前防衛相(衆院長崎2区選出)の原爆投下を巡る「しょうがない」発言をはじめとする閣僚の問題発言なども取り上げ、徹底的な安倍政権批判を繰り返しながら政権交代の必要性を有権者に印象付けた。
社民との協力は支援にとどまったが、連合から推薦を受け、傘下労組の組合票を手堅くまとめた。特に大票田の長崎市では、三菱重工業長崎造船所の労組に支えられるなど県都での民主の底力を見せ付け、地元の諫早市も「地元から国会議員を」と盛り上がりを見せた。また追い風に乗って都市部を中心に無党派層にも浸透したほか、景気低迷からくる自民への批判票も取り込んだ。
小嶺さんは国見高校サッカー部などの監督として全国大会100回出場、優勝17回の功績を掲げ、今年1月に出馬表明。自他ともに認める「選挙と政治に素人」なため、県選出衆院議員を中心とする自民県連が全面支援することを約束に、久間氏が担ぎ出した。
しかし、38年間の教諭生活に基づく「現場からの教育改革」を掲げるものの、選挙演説が不慣れなため当初は街頭での演説を敬遠。資金と人員の両面で支えるはずの県連の動きも鈍く、小嶺さん本人が久間氏に「系列議員に発破をかけてもらいたい」と嘆くほどだった。
また、県内経済は公共事業費の削減などで離島を中心に低迷。建設業、農協、漁協の自民離れが目立っていた。加えて年金記録漏れ問題などの逆風、さらには久間発言への県民の反発というトリプルパンチ。毎日新聞が選挙期間中に実施した郵送での世論調査でも、久間発言によって投票する候補を「変えるつもりだ」と答えた人が約2割に上っており、影響は否定できない。
久間発言以降、金子原二郎知事が危機感を持ち、小嶺さんと自民支持を表明。県北部を中心にてこ入れをはかり、各市町の首長も追随して巻き返しを図ったが、大久保さんに向いた風は止められなかった。
渕瀬さんは昨年2月に名乗りを上げ、ミニ集会や「まちかど演説」をこまめに開いてきた。貧困・格差の解消や憲法改正反対、久間発言批判などを繰り返し、自民、民主両党への対立軸を掲げて独自性をアピール。陣営は自民への反発票をある程度取り込むことに成功したと受け止めている。
◇谷川・自民県連会長が辞意表明−−小嶺氏落選で
自民党県連の谷川弥一会長(衆院3区)は29日、参院選での敗北の責任を取り県連会長を辞任する意向を示した。
谷川氏は6月9日に会長に就任したばかり。谷川氏は選挙事務所での支持者へのあいさつで「(前回含めて)参院で二つ(の議席を)落とし、ぼう然としている。もう辞表も出してきた。本当は議員の辞表も出したいぐらいの気持ちだ。責任は重々感じている」と述べた。【錦織祐一】
821
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:53:20
◇投票率は61・54%−−前回を1・4ポイント上回る
投票率は61・54%(男61・39%、女61・67%)で、前回(04年)の60・14%から1・4ポイント上昇した。今回選挙は、公示前から年金記録漏れや「政治とカネ」の問題を中心に有権者の関心が高かった上、久間章生前防衛相(衆院2区)が原爆投下を「しょうがない」と発言したことで勝敗の行方が注目された選挙区でもあった。選挙戦終盤まで続いた自民と民主の接戦の構図も投票率を押し上げる要因となった。
各市の投票率は、ほとんどの市で合併が行われ、前回結果を計算し直しているため、単純比較はできないものの、長崎58・04%(前回比0・87ポイント増)▽佐世保57・81%(同0・08ポイント減)▽島原63・00%(同6・63ポイント増)▽諫早63・04%(同3・9ポイント増)▽大村62・54%(同1・47ポイント増)▽平戸65・32%(同0・85ポイント減)▽松浦63・24%(同1・69ポイント増)▽対馬69・83%(同1・72ポイント増)▽壱岐67・83%(同1・67ポイント減)▽五島67・83%(同0・16ポイント減)▽西海68・44%(同0・5ポイント増)▽雲仙65・78%(同7・23ポイント増)▽南島原66・72%(同6・31ポイント増)−−だった。
また、すっかり定着した期日前投票は29日午前10時現在、従来の不在者投票を含め15万9766人が利用し、前回比3万6668人増えた。【千代崎聖史】
■解説
◇自民敗北 政策論争置き去り、県民に地域格差など不満
参院選長崎選挙区は民主新人の大久保潔重さん(41)が初当選し、自民党が結党以来初めて長崎での参院議席を失った。年金記録漏れ問題など自民党への猛烈な逆風はもちろんだが、自民敗因の根底には地域間格差に伴う経済不振への県民の強い不満があり、選挙結果に表れたといえる。しかし、選挙戦ではこうした問題への具体的な改善策は示されず、政策論争は置き去りのままだった。
県内の一人当たりの県民所得は全国44位で、九州(沖縄を除く)ではワースト1だ。小泉構造改革によって公共事業費や地方交付税は削減され、農漁業も国際競争の波にのまれて脱落していくケースが相次いでいる。安倍晋三首相もこの改革路線を継承。地方に「自立」を求めている。
しかし、こうした改革路線が都市部と地方の地域間格差を生んだというとらえ方が、特に地方の不満として全国的に表れている。なかでも多くの離島を抱え、農漁業や公共事業費の比重が高い長崎県にとっては切実で、選挙期間中、「自民党にはもう期待できない」という声を何度も聞いた。自民離れは深刻だ。
長崎選挙区でこうした問題は議論されただろうか。自民、民主の二大政党化といわれるが、両党の候補は厳しい県民生活の改善を訴えたものの、大久保さんは政権批判に重心を置き、自民新人の小嶺忠敏さん(62)は現状の認識に触れるだけで、いずれも具体策は示せなかった。政権交代のイメージばかりが先行、県民が求めていることは置き去りにされた。【宮下正己】
==============
◇開票結果
=選管最終発表
当 352,953 大久保潔重 41 民新
331,147 小嶺忠敏 62 自新
35,837 渕瀬栄子 51 共新
==============
大久保潔重(おおくぼ・ゆきしげ) 41 民新(1)
歯科医師▽党県副代表▽NPO日本テンプレート研究会認定医▽県歯科医師会員▽諫早ライオンズクラブ会員[歴]歯科医院勤務▽小沢一郎政治塾1期生▽諫早青年会議所会員▽県議1期▽長崎大=[国]
〔長崎版〕
毎日新聞 2007年7月30日
822
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:53:51
’07参院選ながさき:全年齢層が大久保氏支持 /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk42010549000c.html
◇大票田長崎、諫早で貯金−−大久保氏
◇優勢は島原など18市町−−小嶺氏
29日に投開票された参院選長崎選挙区は、民主新人の大久保潔重氏(41)が自民新人の小嶺忠敏氏(62)を2万1806票差で破り、初当選した。民主への追い風が、小嶺氏の知名度の高さをわずかに上回った形だ。激戦を振り返り、選挙結果や出口調査を基に各候補の集票力や有権者の投票行動を分析した。【宮下正己】
◇市町村別結果
市町村別に大久保、小嶺両氏の勝敗を見ると、23市町のうち大久保氏が勝ったのは5市町のみ。その中で目立ったのは約2万7000票差を付けた大票田の長崎市のほか、約1万2000票差で勝利した地元の諫早市。有権者数が県内1、3位の両市での“貯金”で18市町での負け分をカバーした。長崎市とその周辺の強固な労組票、地元の支援者に支えられた側面が強く、県内で幅広く浸透した結果の勝利とはいえないようだ。
小嶺氏は島原半島や郡部を中心に18市町で大久保氏を上回り、知名度の高さを裏付けた。しかし、金子原二郎知事の支援によって陣営が勝利を確信していた佐世保市で、219票の僅差ながら敗れたのは大きな誤算。都市部での民主への追い風が予想以上で、無党派層の流れを止められなかったと見られるが、この誤算が敗因の要素になったともいえる。
◇出口調査
29日の出口調査結果を見ると、大久保氏への支持は男女とも高く、特に男性からの支持が小嶺氏を大きく上回った。年代別でも20代後半から60代までの幅広い層に支持され、小嶺氏への支持が上回ったのは20代前半と70代以上だけだった。
また支持政党別では、自民支持層の25%、公明支持層の21%が大久保氏に投票したと答えており、自公ともに支持者をきちんと固められなかったようだ。無党派層の6割も大久保氏に投票。渕瀬氏は自民への反発票を取り込もうと独自色をアピールしたが、共産支持層でさえ3割が大久保氏に投票したと答えており、大久保氏の勢いを止められなかった。
〔長崎版〕
毎日新聞 2007年7月31日
823
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:55:06
金子知事:「県政運営、影響ない」−−参院選結果受け /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk42010550000c.html
参院選長崎選挙区で自民新人の小嶺忠敏氏を支援した金子原二郎知事は30日、県庁内で記者団に対し、選挙結果について「民主が全国的に圧勝した。長崎県も小嶺さんが負け、非常に残念だ」と述べた。今後の民主党との関係に関しては「私は政治家としての行動を取った。政策的には今まで民主党とそれほど違いはなく、県政運営に支障があるとは思っていない」と県政運営への影響を否定した。
知事はまた、与党が大敗し、小嶺氏が落選したことによる九州新幹線長崎ルートの着工問題への影響について「新幹線は(選挙の)争点になっていない。何も変わらない」と言い、影響はないとの認識を示した。
〔長崎版〕
毎日新聞 2007年7月31日
選挙:参院選 民主、連続の県内第1党 本格的2大政党時代へ /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk42010566000c.html
◇得票率、前回比1・42ポイント上回る
比例代表の投票率は61・53%で、前回(04年)を1・42ポイント上回った。年金未納や自衛隊のイラク派遣問題などが争点だった前回同様、選挙区ともに民主が躍進、2回連続して比例第1党となった。一方で、与党批判票は民主に集中し、公明、共産、社民は得票率を落としており、本格的な2大政党時代となった。【横田信行】
◇比例代表
自民の得票率は30・9%で前回より4・3ポイント減。郵政選挙で小泉人気の追い風を受けた05年の衆院選では36・7%と盛り返していただけに反動を受けた形だ。前回は郡部では第1党だったが、市町村合併の影響や地域間格差も争点となったことから郡部でも第2党に転落した。
民主は過去最高の43・3%。前回より4・5ポイント伸ばし、05年の衆院選の31・4%から盛り返した。県内23自治体では19勝4敗。5勝18敗と大きく負け越した選挙区とは違い候補者個人より政党への全国的な追い風が強かったことが裏付けられた。
公明は13・6%で前回より2・3ポイント減。これまで選挙区で自民を推薦する見返りに比例候補へ投票してもらう自公の選挙協力で着実に票を伸ばしていたが、今回は大苦戦。自民が比例で九州に有力候補を立てたことから両党にあつれきが生じ、長崎でも自民候補の推薦がずれ込み、選挙協力は奏功しなかった。12万票を目標としたが、10万票の大台も割り込み、05年の衆院選と比べ約3万票も減らした。
政党名と個人名で投票でき、得票が多い順に当選する非拘束名簿方式は今回で3回目となり、前回は8党中、個人名での投票が多かったのは公明だけだったが、今回は11党中、公明、国民新党、共生新党の3党だった。政党名での得票は前回比9・2ポイント減の55・3%となった。
与党内に改憲ムードが高まる中、護憲を打ち出して独自色を出そうとした共産、社民の両党は惨敗。共産は目標5万5000票の53・1%、社民も重点候補の山内徳信氏は当選したものの、目標6万票の42・5%と、かつての革新の雄の面影は跡形もなくなった。
個人名での投票が最も多かったのは、県選出の国会議員を長く務めた民主現職の西岡武夫氏の8万2595票。続くのは公明の重点候補の木庭健太郎氏の6万9243票で、党の得票数の95・2%を占めた。
毎日新聞 2007年7月31日
824
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 21:56:06
’07参院選ながさき:大久保氏に当選証書 新幹線巡り知事との溝露呈 /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2007/08/02/20070802ddlk42010002000c.html
参院選長崎選挙区で初当選した民主新人の大久保潔重氏(41)に対する当選証書の付与式が1日、県庁内であった。同選挙区で自民新人候補を支援した金子原二郎知事は、大久保氏と選挙後初の顔合わせとなったが、型通りの祝福と短い握手を2回交わしただけで気まずいムード。式後、大久保氏は知事への不快感を示し、九州新幹線長崎ルート建設の進め方にも疑問を呈すなど両者の溝があらわとなった。【宮下正己】
付与式には民主党県連幹部らも出席した。最後に入室した知事は、「どうも」と言いながら大久保氏と一瞬握手を交わして着席した。県選管の村木文郎委員長の当選証書付与後、あいさつに立った知事は「おめでとうございます」と祝福し、九州新幹線長崎(西九州)ルートの早期着工にも触れながら「県政推進へのご支援をたまわりますようお願い申し上げます」と要請したものの、式が終わると再び一瞬の握手を交わしただけで足早に退室した。
式後、大久保氏は記者団に対し「身の引き締まる思いです」。知事が自民候補を応援したことについては「県政をつかさどる方が国政選挙で片方の候補者に肩入れするのはいかがなものかという思いはある」と不快感を示した。長崎新幹線の建設に関しては「高速交通網の整備で必要なことだと思うが、今進んでいるやり方が本当にいいのかという疑問が県民にもある」と述べ、県民の賛同を得られていないとの認識を示した。
知事は就任以来、国政選挙で中立の立場を保っていたが、今回は自民候補の支援を表明。民主党や連合長崎から抗議されながらも応援演説に立ち、「新幹線は政権与党の力を借りなければいけない」などと説明していた。
だが大久保氏が当選、比例代表を含め県選出国会議員の数は民主党が自民党を5対4で上回り、民主との間にしこりを残しそうだ。知事は「県政運営に支障があるとは思っていない」と述べているが、自民、公明の与党大敗によって新幹線問題を含め影響する可能性はある。
〔長崎版〕
毎日新聞 2007年8月2日
825
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 23:34:36
選挙:参院選振り返って 投票者支持率32% 礒崎さん地固めなどが奏功 /大分
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/oita/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk44010250000c.html
参院選大分選挙区で当選した礒崎陽輔さんの得票数19万9523票は、3年前に足立信也さんに10万票差で敗れた仲道俊哉さんより、4万票以上も少ない。投票者の支持率は32%、有権者全体だと20%に過ぎない。
毎日新聞は期日前と当日、計3376人に出口調査した。比例で自公に投票した人で礒崎さんに入れたのはそれぞれ71%と69%。民主=矢野さんは54%。礒崎さんが保守層を固め、公明との選挙協力が奏功したのに対し矢野さんは「身内」を抑え切れていなかった。
礒崎さんが他候補を圧倒できなかったのは、景気問題などで熱弁を振るった半面、年金問題では他党攻撃に反論する域を出なかったからともいえる。改憲でも積極的に訴えることはなかった。
比例代表で初当選した元衆院議員、衛藤晟一さんと合わせ、県内の自民国会議員は、改選前の8人中3人から、9人中5人に増えた。地域格差、景況感の悪さなど、取り巻く課題は多い。郵政民営化に反対し、実質的に自民を追われた後藤博子さんが、合同個人演説会で礒崎さんに「使い捨てされないでね」と声を掛けた。組織の中で、信ずる道をどう追求するか。「政治家・礒崎」が問われている。【梅山崇】
==============
◇選挙区確定得票
当 199,523 礒崎陽輔 49 自新
170,645 矢野大和 51 無新
140,287 松本文六 64 無新
63,099 後藤博子 59 国前
37,764 山下魁 30 共新
毎日新聞 2007年7月31日
826
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 23:36:28
選挙:参院選 全国唯一野党4分裂選挙、「食い合い」反映−−記者座談会 /大分
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/oita/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk44010347000c.html
1人区では全国唯一の野党4分裂選挙となった大分選挙区では礒崎陽輔さん(49)、比例代表では元衆院議員の衛藤晟一さん(59)の自民2新人が当選した。全国で自民が37議席の大惨敗を喫した中で、県内では比例票も民主より自民の方が多く、違った形に。担当記者が今選挙を振り返る。
●伸び悩んだ民主
A=礒崎さんの陣営幹部は「この野党分裂状況で負けたら、自民が勝つ選挙がない」と言っていた。
B=出口調査では上位3人に差がなく、こんな結果になるとは思わなかった。調査拒否者の多くが自民支持者だったのかも。民主県連支援の矢野大和さんは「地方が主役」と訴えた割に、郡部で伸び悩んだね。
C=矢野さんというより、大分の民主自体が伸び悩んだ。比例でも結局、自民が上回ったからね。
A=礒崎、矢野両陣営とも、衛藤晟一さんが比例代表に立つ効果で、自民票が増えるとみていた。「落とせば政治生命が終わり」という危機感が広がったし、これまで公明に協力していた分が上積みされるからだ。
●計算外の後藤氏参入
D=民主県連は当初「社民と協力せずとも、保守票取り込みを考えれば勝てる」と見ていたようだが。
B=確かに当初は、そういう目算があった。今後の国政選でも主導権を握れるしね。ただ、国民新党の後藤博子さんの選挙区参入が計算外だった。
A=礒崎陣営は、後藤さん参入で減るのは自分たちの票と見ていたが。
B=出口調査の結果を分析すると、選挙区で後藤さんに入れた人の半数は比例で民主に入れていた。最も割を食ったのは、矢野さんだろう。
D=後藤さんの立候補会見時、亀井静香・党代表代行は「民主、社民の分裂状況で、自民に勝つには後藤氏が立つしかない」と話していたが。
B=見立てと違い、逆に反自民票の分散につながり、矢野さんが届かなかった一因になったのは間違いなかろう。
C=矢野さんの敗因は、松本文六さんの推薦を断るなどした民主県連に対する、社民支持者の反発との見方もある。組織内候補でもないのに、労組がこん身の力で松本さんを支え、それなりの結果を残したからね。出口調査では、矢野さんは民主支持者の半数しか固められず、残りは松本さんや後藤さんらへも流出。反対に松本さんは社民支持者の大半を固めた。
●民主、社民の行方
A=民主、社民の関係修復は大変困難になったのではないか。
C=社民支持者からは「もう絶対に民主に協力しない」との声も聞かれる。次回衆院選への影響も必至だろう。
D=公明票の激減をどうみるか?
A=与党全体への逆風もあったろうし、衛藤晟一さんを巡るやり取りで、党にマイナスイメージがついたのかも。選挙協力した自民幹部から「公明に提出する名簿がなかなか集まらない」との声も聞かれた。木庭健太郎さんの当選こそ果たしたものの、全国の比例で伸び悩む一因となった。
D=共産も、山下さんの健闘を、狙いの比例代表につなげられなかった。
A=出口調査でも、比例で自民や公明に入れて、選挙区で山下さんに入れた人が「批判票です」と調査員に説明するケースがあった。自民県連や礒崎さんはこうした層の存在を謙虚に受け止め、政治に取り組んでほしい。
毎日新聞 2007年7月31日
827
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/07(火) 23:40:20
連合大分:参院選、民主・社民の分裂批判 今後の三者協力に注文 /大分
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/oita/news/20070807ddlk44010628000c.html
連合大分は6日、参院選後初の執行委員会を開いた。嶋崎龍生会長は「全国的には自民の敵失で民主が伸びたが、大分ではわが方の失策で相手を勝たせてしまった。『票が増えた』『礎や基盤ができた』ではだめ。勝たなくては一票を託した県民の願いを無視したも同然」と述べ、候補者を一本化できなかった民主県連と社民県連合の対応を批判した。
参院選で連合大分は社民推薦の無所属新人、松本文六氏を推薦、民主県連支援の同、矢野大和氏を支持とする苦肉の対応を強いられた。両氏で計31万票を集めながら20万票に届かなかった自民新人の礒崎陽輔氏の当選を許した。嶋崎会長は「参院で民主が第一党となり、遅くても1年以内に総選挙があろう。二度とこういうことがないよう、三者協力に重きを置き、胸襟を正してテーブルについてほしい」と両党に強く注文をつけた。
連合大分は9月の執行委員会で、参院選の正式な総括をする。【梅山崇】
毎日新聞 2007年8月7日
828
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:29:41
激震:’07ダブル選くまもと/上 自民 都市圏の劣勢拡大 /熊本
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kumamoto/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk43010067000c.html
「終盤は非常に手応えがあった……」
29日午後8時過ぎ、熊本市帯山の自民前職、三浦一水さん(53)の選挙事務所。選対最高責任者「選挙長」の木村仁参院議員が、テレビ前の椅子に座って選挙戦をそう振り返り始めてから数分もなかった。一部テレビ局が民主新人、松野信夫さん(56)を「当選確実」と速報。事務所内は一瞬、凍りついた。
屈辱的な速報だった。誰も、こんなに早く「負け」を宣告されるとは思っていなかった。500ほど並べられたパイプ椅子はがら空き。支持者は、開票作業が徐々に盛り上がる午後9時過ぎから集まることになっていた。選対幹部が半信半疑ながら、三浦さんに連絡。午後9時20分に現れた三浦さんは、うろたえる支持者を前に「いやー、立派な戦いができた」と自嘲気味に万歳してみせた。
古閑三博自民県連会長や園田博之衆院議員らは、奥の部屋にこもった。園田氏は「市町村合併の影響もある。これまで自民の政策を訴えてくれた首長や議員の数も減った」と組織の弱体化を指摘した。
一夜明けて、自民県連は役員会を開催。古閑会長は元々、6月の任期満了退任を参院選後に先送りしていた。三浦さんの地元・山鹿市は古閑会長の足元でもあった。しかし三浦さんが落選。役員会では、改めて退任を確認した。古閑会長は「当然、敗戦の責任は感じている」と述べた。
民主候補が健闘した前回04年参院選でも、市町村別で自民候補を上回ったのは7市町。大票田の熊本市では、民主候補が13万7000票で自民候補を約2万票上回った。しかし今回は、松野さんに約4万票の差をつけられたのが勝敗を分けた。松野さんが三浦さんの得票を上回ったのは17市町。その多くは熊本市近郊だった。
選挙戦中、三浦陣営で熊本市の選対本部長を務めた木原稔衆院議員は、市部での逆風をひしひしと感じていた。電話帳で無差別に支持を訴える電話作戦を展開したが「自民に不利なニュースが流れた日は如実に反応が悪かった」と話した。
都市圏での劣勢拡大は、増える無党派層に自民党が依然として対応できていないことを物語っている。
◇ ◇
参院選熊本選挙区は、松野さんが3選を目指した自民前職の三浦さんらをかわし、01年に改選数が「1」になって以降初めて民主党に議席をもたらした。さらに民主党は、比例代表の得票数でも県内第一党に躍り出た。一方、同日実施の衆院熊本3区補選で自民党は特定候補公認を見送る異例の対応を取った。保守王国と呼ばれた熊本に何が起こっているのかを追った。【笠井光俊、山田宏太郎】
毎日新聞 2007年7月31日
829
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:31:56
激震:’07ダブル選くまもと/中 民主 地方組織強化が課題 /熊本
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kumamoto/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk43010004000c.html
参院選終盤の26日、自民前職の三浦一水さん(53)の地元・山鹿市を、民主新人の松野信夫さん(56)の選挙カーが駆け巡った。緑に染まった水田が広がり、その向こうには低い山並み。農作業中の人たちやすれ違うトラクターの男性が手を振っていた。
同市菊鹿町では、70歳の女性がわざわざ玄関先で選挙カーを待ち受けていた。女性は「私たち年金暮らしにとって、住民税や医療費の相次ぐ引き上げがどんなに負担か。地方はさびれるし、良いことは何もない」。松野さんとの握手にも力がこもった。
これまで民主党は、移ろいやすい都市部の無党派層に支えられている側面があった。大都市圏では議席を取れるが、地方では自民党に歯が立たなかった。
しかし今回の参院選では地方での支持拡大に重点を置き、小沢一郎代表も地方行脚を続けた。県内でも、大都市の熊本市では選対事務所などへの激励に回るだけで大衆の前には出ない。逆に農山村部の南阿蘇村ではマイクを握り「現政権の政策では国民の生活が、日本の農家が、崩壊する」とぶち上げた。「生活第一」というスローガンは、先の農作業中の人たちや70歳の女性などの思いに響いた。
そうした戦略を自民党県連の古閑三博会長も「代表が農山村部で演説しても、その現地そのものは人口も少なく、票の上積みに大きな影響はない。それよりも、そうした行動によって決意やメッセージは広く伝わる。立派なものだと思う」と、敵ながら率直に評価する。
松野さんの得票(約44万票)は、選挙前に陣営が立てた目標を数万票も超えた。ただ、三浦さんの陣営も危機感が強まった選挙戦終盤、自民党や系列の地方議員、友好団体、中央で連立を組む公明党が強力な活動を展開して、わずか8000票差まで追い上げた。
地方議員の数では、依然として民主党は圧倒されている。また選挙活動を主に支える連合熊本も、組合員が十分に動けるのは企業や官庁などの勤務を終えた夕方以降か休日が中心だ。都市部での優位に加えて、地方での支持拡大があったにもかかわらず、結果的には辛勝だった。選挙対策本部長を務めた松野頼久衆院議員は「地方組織、マンパワーの強化が大至急に必要」と話す。
衆議院解散・総選挙の可能性が取りざたされ、県内では来春、知事選も控えている。鎌田聡県連代表は「今後、有権者の注目はさらに高まっていく。正念場だ」と顔を引き締める。
毎日新聞 2007年8月1日
830
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:40:29
’07参院選みやざき:公明は事実上自主投票に /宮崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyazaki/archive/news/2007/07/28/20070728ddlk45010133000c.html
公明党県本部は27日、宮崎選挙区(改選数1)について自民現職の小斉平敏文氏から出ている推薦願の可否を判断せず、事実上の自主投票になったと明らかにした。政権与党を組む自民党を支援する方針は変わらないが、関係者によると、小斉平氏のほかに保守系無所属の長峯基、東治男両氏への選挙協力の動きも出ている。
04年参院選と1月の知事選で、公明が推薦した自民党公認・推薦候補が相次いで敗れたため「公明支持者の中に自民への不信感もある」と判断したという。
毎日新聞 2007年7月28日
選挙:参院選 宮崎選挙区分析 外山氏勝因、イメージ戦略で「東風」受け皿に /宮崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyazaki/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk45010383000c.html
非自民勢力の統一候補で無所属新人の外山斎氏(31)=民主、社民、国民新党推薦=が、自民前職の小斉平敏文氏(57)ら5氏を破り、初当選した参院選宮崎選挙区(改選数1)。1月の知事選でタレント出身の東国原英夫知事を誕生させた無党派層の「東風」を取り込んだイメージ戦略が勝因に挙げられる。一方、04年に続いて敗れ、参院2議席を失った自民には、小泉改革で進んだ格差問題への県民の不満が噴出した形だ。【中尾祐児、種市房子】
◇自民敗北、格差問題へ県民の不満噴出
民主県連副代表を辞任した外山氏は選挙中「宮崎から日本の政治を変える」と、東国原知事の「県民総力戦」と同じ趣旨の主張を繰り返した。清新さをイメージさせる青色のシャツを着、若さを押しだす作戦も奏功。高齢者層まで支持を広げ、都市部だけでなく、保守地盤の郡部でも善戦した。
尊敬する政治家は「小沢一郎(民主党代表)」と明言するが、憲法改正問題では民主の「論憲」ではなく、社民の「護憲」の立場を取った。
「各推薦団体が今までにない固い結束だった」と選対本部長を務めた横山節夫・連合宮崎会長。民主色を消し、寄り合い所帯の不安払しょくにも成功。「無所属」を強調することで、事実上の自主投票となった公明支持層にまで食い込んだ。
一方「党営選挙」「保守勢力の一枚岩」を強調した小斉平氏陣営は、逆に年金問題など自民批判をもろに受けた。さらに医療費負担の引き上げ、非正規雇用者の増大などをもたらした小泉改革で「高齢者や自営業者ら伝統的な自民支持層の不満が高まり、組織力が弱まっていた」(坂元裕一・同県連会長)。県では官製談合事件を教訓に入札改革も進み「国会議員に頼んで県の工事が取れる時代は終わった」(建設業者)と支持基盤の底割れも起きていた。
ある自民県議は「選挙中『党員』の皆さんではなく『県民』と呼び掛けるべきだった。意識がずれていた」と敗因を語った。
時代の風を読めたかどうか−−。今回の参院選の明暗を分ける大きな要因となった。
毎日新聞 2007年7月31日
831
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:45:23
自民県連党紀委:「分裂なかった」 参院選を総括 /宮崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyazaki/archive/news/2007/08/06/20070806ddlk45010312000c.html
自民現職が落選した参院選の結果を受けて自民党県連党紀委員会が4日開かれた。対立候補を応援するなど、党紀違反の動きは県連内にはなかった、と結論づけた。植野守委員長は「党員の中に他の候補を応援したような新聞報道があったので確認はする。だが、組織的に分裂する状況はなかった」と述べた。
党紀委は非公開であった。植野委員長によると、委員会から党紀違反の報告はなく、落選の理由では「年金問題や赤城徳彦前農相の問題など、逆風の影響が大きかった」とする意見が出た。一方で「自民は自滅の危機にある」として、農業などの政策を県連から党本部に提言するべきだという意見も出たという。
毎日新聞 2007年8月6日
832
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:46:25
伊藤知事:参院選、自民惨敗で指摘「根底に地方の不安」 /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/news/20070807ddlk46010019000c.html
自民党が惨敗した参院選について伊藤祐一郎知事は6日、定例記者会見で「『1人区』を中心にした(地方の)潜在的不安」が根底にあるとの見方を示した。「(政府の進める)グローバリゼーションでは、(地方への波及効果が)起こらないことをみんなが分かってきた」結果、格差など「(安倍晋三)政権の業績評価が『地方』で厳しかった」とした。
安倍政権の現状について、「(小泉純一郎前首相以来の)構造改革と、(従来の)『均衡ある発展』の相対立する路線の調整について、政府は手法を欠きつつあるのが状態」と分析。参院選での厳しい評価を踏まえ、「地方振興、国土の均衡ある発展、古い言葉ではあるが、それ自体が(政策的に)おかしくなっている。きちんと整理し、行政哲学を改めて考え直すべきだ」と述べた。
安倍首相の続投には「最高意思決定者自らの判断」と論評を控えたが「落ち着くまでには、ヒトヤマもフタヤマもあるだろう」と、今後の政局の混乱には懸念を示した。【神崎真一】
毎日新聞 2007年8月7日
833
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:48:48
選挙:参院選 「自民王国」に地殻変動の兆し 皆吉さん、都市部で健闘 /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk46010525000c.html
◇民主が躍進した市町
2664票のきん差で自民前職、加治屋義人さん(69)が逃げ切った参院選鹿児島選挙区。自民の「金城湯池」だった町村部でも苦戦したが、昨年末の復党、入党で「厚み」を増した支持層に助けられた形だ。鹿児島市など都市部は皆吉稲生さん(57)が制し、県都で与野党が逆転する「1区現象」が初めて現れ、都市部でも健闘するなど「自民王国」の地殻変動の兆しもあらわになった選挙となった。
今回と同じ、自民、民主、共産の三つどもえだった04年。自民の野村哲郎さんが96市町村(当時)中92を制し、初当選。地方の自民支持層の厚さを示した。だが、今回は一変。加治屋さんは町村部でも、軒並み得票率を減らした。逆に増やしたのは、奄美市と大島郡など。昨年末、元自由連合代表の徳田毅さんが自民に入党し、かつて野党だった「徳田」票が動いたことの影響とみられる。
年金など与党への逆風を背景に、両党、陣営とも、選挙中から鹿児島市での与野党逆転は想定していた。「3万〜4万票差」との予想もあったが、結局、皆吉さんが加治屋さんを上回ったのは、9・15ポイント差の2万4504票。期待ほどには伸びず、“大票田の攻防”が、結果的に勝敗を分けた。
皆吉さんは、鹿児島市のほか、「10万都市」の霧島、薩摩川内両市でも得票率で約9ポイント上回った。このほかは、いちき串木野、指宿市や加治木、姶良町など。今回初めて推薦した京セラ労組の地元や、松下忠洋元衆院議員や打越明司元県議ら自民党からの「くら替え」組の地盤だった。半面、党組織のない町村部では伸び悩み、地方での足腰の弱さが改めて浮き彫りになった。【神崎真一】
毎日新聞 2007年7月31日
834
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:50:24
’07参院選かごしま:惜敗の民主新人・皆吉さん「私の力不足でした」 /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk46010528000c.html
参院選で惜敗した民主新人の皆吉稲生さん(57)は30日午前0時半過ぎ、加治屋義人さん(69)の当選確実の報を受けて選挙事務所に入り、「私の力不足でした」と支持者に深々と頭を下げた。2664票差の接戦を演じ、支持者からは「よく頑張った」とねぎらいの声が上がった。
事務所では29日午後11時45分ごろ、KTS鹿児島放送の「皆吉さん当確」の速報に沸き返り、涙を流す選対幹部もいた。しかしその後、誤報と判明。事務所に現れた皆吉さんはうっすらと涙を浮かべ、悔しそうな表情で「鹿児島からも政治が変えられるんだ、という運動をして頂いた。私の力が足りず、申し訳ありませんでした」と敗戦の弁を述べた。「全国的に民主党は躍進し、政治は変わるとの確信を得た。鹿児島での動きも消えることはないでしょう」と次に望みを託した。
選対委員長の川内博史県連代表は「勝てるかも知れないという気の緩みでは」と敗因を分析し、「勝たなければならない選挙だった。今回の得票が(県内での民主党躍進の)基盤となったと思いたい」と唇をかんだ。【福岡静哉】
毎日新聞 2007年7月31日
選挙:参院選 投票率は60.67% かつてない激戦模様を反映 /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk46010527000c.html
◇前々回をクリア
統一地方選に次いで実施される12年に一度の「亥(い)年」選挙に、夏休み期間中の投票という悪条件が重なり、投票率低下が懸念された参院選。60・67%と、知事選との同日選だった前回04年の62・87%こそ下回ったが、前々回01年57・44%はクリア。かつてない激戦模様を反映し、有権者の関心はまずまずだったが、与野党逆転のうねりまでにはならなかったようだ。
大票田の鹿児島市は、56・28%。4月の県議選の50・49%は大きく上回り、前回の56・19%をわずかに超えた。しかし大幅アップとはならず「民主が無党派層を掘り起こしきれなかった」「与党にお灸(きゅう)を据えたい自民支持層が棄権した」など関係者の分析もさまざま。【神崎真一】
毎日新聞 2007年7月31日
835
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 07:51:39
激戦だった夏:07参院選かごしま/上 自民 「県都」重視が奏功 /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk46010383000c.html
◇運動には「濃淡」も
激戦に決着がついた30日未明、再選を決めた自民前職、加治屋義人さん(69)の第一声は「敗戦の弁しか考えていませんでした」。各マスコミのほか、党が実施した最終盤の世論調査ですら、民主新人、皆吉稲生さん(57)の優勢を伝えていた。元高校球児として野球になぞらえ「9回裏ツーダウン満塁。ショートの後ろにポテンヒットを打った」。紙一重の勝利だった。
◇ ◇
「鹿児島市内の人はもちろん、地方の人も、市内の知人に電話を」
小泉純一郎前首相が来援した23日、鹿児島市内のホテル。小泉節を聞いた直後、党県連が、県議団を集めて出した指示は、最終盤での「県都決戦」だった。
有権者の約3分の1が集中、無党派層が多いとされる鹿児島市。「年金」問題や、閣僚の相次ぐ失言など「逆風」の影響が最も懸念された。市内を選挙区に抱える保岡興治、徳田毅両衆院議員らも市議を集め、運動の徹底を呼びかけていた。
選挙戦最終日の28日には、安倍昭恵夫人と加治屋さんが天文館を練り歩く、無党派層目当てのパフォーマンスも。その一方、水面下では得意の組織戦を徹底した。ある運動員は、友好団体はもちろん、全国企業の支店も巡った。「『逆風』で反応は鈍いが、一つひとつ、地道に手を尽くすしかない」
「3万〜4万票は覚悟した」(関係者)県都での皆吉さんとの差は、2万4504票。手を尽くして得た「歩留まり」が、結果として加治屋さんの「サヨナラ勝ち」の一因となった。
◇ ◇
自慢の組織力だが、フル回転だったわけではない。最終盤の26日、鹿児島市内の小学校体育館。加治屋さんの個人演説会には、空席が目立った。市議が数人も並びながら、動員できない現状に、ある関係者はため息交じりに「みな、誰かが動くと思っている」。
今選挙では、党内で運動への取り組みの「濃淡」が出た。原因の一つに、かつての「しこり」を挙げる向きは多い。党が真っ二つに割れた3年前の知事選。衆院の県内5小選挙区のうち三つの区が分裂した05年の郵政選挙。党県連は大所帯だけに、内部に対決構図も引きずる。4月の県議選後、党県議団40人が行った県議長候補選も「20対19、白票1」で決着した。
比例代表の影響を指摘する声もある。農政連、医師連盟など党の友好団体は、比例での組織内候補の当選に懸命。選挙区の運動との温度差は隠せなかった。
県連重点候補で4選を果たした尾辻秀久元厚生労働相も、公示後の17日間、県内で活動。県議の一部は、主に尾辻陣営で汗を流していた。
◇ ◇
苦戦の最大の原因は、党支持層の「お灸(きゅう)」を据えた有権者の動向。ある関係者は「『逆風』だけではない」という。背景には、小泉構造改革の「負の遺産」がある。地方に格差や痛みをもたらした。この「地殻変動」に、年金、失言など「複合逆風」が重なった−−との見立てだ。
農村が多い鹿児島5区の森山裕衆院議員は言う。「都市で弱い時代でも、地方が基礎になって、自民党は成り立ってきた。新自由主義は地方になじまない。党は原点に立ち返るべきだ」
◇ ◇
全国で自民党が惨敗した第21回参院選で、最終盤まで自民、民主が総力戦を展開した「1人区」の一つ、鹿児島選挙区。加治屋さんが、皆吉さんの猛追を2664票差で振り切った。厚い地盤がありながら苦戦した自民、千載一遇のチャンスを生かせなかった民主。激戦の背景は何か。真夏の戦いを振り返った。【神崎真一】
毎日新聞 2007年8月1日
836
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/08(水) 08:11:32
激戦だった夏:07参院選かごしま/下 民主 「投網」の運動、実感なく /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/archive/news/2007/08/02/20070802ddlk46010620000c.html
◇風は底力に及ばず
「緩めば負ける。必死で戦え」
民主新人、皆吉稲生さん(57)の選挙事務所。終盤、小沢一郎代表の「檄」が掲げられた。奮起を促すとともに、地力に勝る自民の巻き返しに警戒を呼びかけていた。
「川上」(農村部)から「川下」(都市部)へ。運動には、小沢戦略が色濃く反映された。5度に及んだ自身の鹿児島入りは、4月の故・二階堂進・元自民党副総裁の墓参から。唯一の街頭遊説は7月21日、奄美市の神社。実現しなかったが、大隅半島南部の「限界集落」の郵便局前も計画していた。「川上」重視は一貫していた。
だが、党本部と地元には、ズレもあった。「さくらパパ」こと横峯良郎さん擁立は党本部主導。公示日、「地元」鹿屋での「第一声」は、皆吉、横峯さん2人が、わずかな時間差なのに別々の行動をとった。
地元頭越しで候補を擁立、惨敗した04年の衆院5区補選の苦い思い出から、「現場には、党本部への複雑な感情も残っている」(関係者)という。
相次いだ大物来援も、党本部の判断。終盤のてこ入れは、霧島、薩摩川内市や姶良町など地方都市が目立った。
◇ ◇
陣営が目指したのは、無党派層への浸透だったが、「勝負をかけた」(陣営)19日の民放の討論会も決め手にはならなかった。皆吉さんは鹿児島市職労出身。自民党は、「年金」問題にからみ、自治労攻撃を強めた。
さらに、「天王山」と踏んだ「県都」鹿児島市での最終盤の戦い。期待した党本部のてこ入れは実現せず、最後の手段は、若者に重点を置いた天文館などでの握手戦術や、選挙カーの集中投入だった。中盤以降、かつてない激戦になる中、皆吉さん陣営の運動員らは「実感がない」とこぼした。選挙の中核を担う労組関係者でも、激戦の経験があるのは、1993年までの衆院中選挙区世代ぐらい。最前線の戸惑いを、陣営幹部は「(有権者を)回っていないからだ」と嘆いた。
結局、「川下」の戦いは「風」頼み。自民前職、加治屋義人さん(69)の背中はすぐそこにあったのに、追い上げや逃げ切りの術を、知らなかった。
ベテラン運動員は「こっちは有権者に広く支持を呼びかける。投網を投げるようなもので票が見えない。向こう(自民)は、後援者を中心に一つひとつ票を積み上げていく」。陣営幹部も「それだけ彼らが頑張ったということだ」。風は底力にかなわず、唇をかんだ。
◇ ◇
「逆転の夏」を実現できなかった30日未明。川内博史代表は報道陣に「今回の得票が、(県内での民主党の)『基盤』になったと思いたい」。
松下忠洋元衆院議員(3区)、打越明司元県議ら自民からのくら替え組など保守層を取り込んで実現できた与野党の激戦。だが、自民との組織力の差は縮まっていない。接戦をもたらした民意の実態も、「お灸」を据えた自民支持層や、「風」で動いた無党派層などさまざま。まだ、固い「基盤」ではない。
党は衆院の早期解散を目指し、国会で安倍晋三内閣への攻勢を強める。だが、次期衆院選での候補内定を意味する「支部長」は、県内では川内氏だけ。党県連は、体制立て直しを急ぐことになる。【神崎真一】
毎日新聞 2007年8月2日
837
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/12(日) 07:32:29
自民党県連総務会…今村会長「支持層弱くなった」 讀賣佐賀
自民党県連は11日、佐賀市内で総務会を開き、公認候補が落選し、20連勝でストップした参院選佐賀選挙区を総括した。
今村雅弘会長は「逆風だったが、それ以上に自民支持層が非常に弱くなったことが重大。衆院の解散・総選挙が迫っているという気持ちで、抜本的な対策を取らなければいけない」と、次期衆院選に向けた態勢強化を訴えた。
石井秀夫幹事長は、8日に党本部に赴いた際の、谷津義男・党選挙対策総局長や中川秀直・党幹事長とのやり取りを報告した。
党本部主導で、公示2か月前に公認を差し替えられたことで、県連内部に不平・不満が残った状況を伝え、「選挙をするのは地元。意向を聞くべきだった。(このようなことは)一切やらないでほしい」などと注文。谷津総局長は「反省として受け止める」と答えたという。
(2007年8月12日 読売新聞)
838
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/12(日) 09:58:30
巻き返しへ組織強化 自民県連総務会で参院選総括 佐賀
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&blockId=581451&newsMode=article
自民党県連(今村雅弘会長)は11日、佐賀市で総務会を開き、議席を失った参院選の結果を総括した。市町村合併に伴う議員数の減少などで自民の支持基盤が弱くなる中、来年ともいわれる次期衆院選に向け、地域、職域支部の組織を早急に強化していくことを確認した。
同党県連は今月4日、合同選対会議で敗戦の要因を検証。その結果を受け、石井秀夫幹事長らが8日、党本部を訪ね、谷津義男選対総局長に「安倍政権のおごり」「党本部主導による候補差し替えへの不満」「農業政策の見直し」などの意見を伝えた。谷津局長は「反省点として、しっかり受け止める」と答えたという。
総務会では、この経過を報告した後、意見を交換。執行部の責任を問う声はなく、巻き返しに向け、組織の再構築や無党派層対策を進めることなどを確認した。
839
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/12(日) 10:52:32
「参院選、分裂していない」
2007年08月06日 朝日宮崎
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000708060001
参院選で非自民勢力の統一候補に敗れた自民党県連の党紀委員会(植野守委員長)は4日、宮崎市で会合を開き、党員らの選挙での行動について、「対立候補を支援するなどの党紀違反はなく、分裂選挙にもならなかった」と結論づけた。
県連の坂元裕一会長らが執行部側の参院選への取り組みを報告し、委員らが非公開で審議した。植野委員長は会合後、「(参院選への取り組みに国会議員ら議員の間に)温度差があったのは事実だが、それが選挙の結果につながった訳ではない。今回は分裂選挙にもならなかった」と審議内容を説明した。
ただ、党籍を持つ一部の議員らが対立候補を支援したとの報道があるため、精査するという。
840
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/13(月) 10:50:34
衝撃の余波’07参院選<1>地崩れ 農家の“反乱”防げず−連載
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/kyushu/20070801/20070801_001.shtml
自民37、民主60‐。与党の歴史的敗北に終わった参院選は、保守王国九州にも激震をもたらした。1人区6県の結果は自民の2勝4敗。民主は解散・総選挙へ向けて圧力を強めており、今後の国会は緊迫した展開が予想される。九州の現場で、参院選の余波を追った。
□ □
惨敗から一夜明けた30日。佐賀県内の農業団体に足を運ぶ、自民党衆院議員の姿があった。「敗戦の原因は農家の反乱にある」と直感したからだ。
都市部で民主に敗れる「1区」現象から、地方に多い「1人区」現象へ。自民は全国の1人区で民主に6勝23敗と完敗した。自民が参院選20連勝を誇った佐賀選挙区でも敗北。農家が多い郡部で、民主候補の得票は自民を上回った。地崩れともいえる、初めての事態だった。
議員は団体幹部に党の農業政策を説明し、今後の支持を求めた。だが、「投票の指示を下ろしても農家はまとまらん」。思った通り、反応は芳しくなかった。
□ □
自民党も農家へのアピールを忘れていたわけではない。安倍晋三首相(総裁)は6月16日、佐賀県で田植えのパフォーマンスを披露した。だが、農家が「関税撤廃を求める外国に負けないでほしい」と要望しても、「守るべきところは守る」と応じただけ。「本当に農業を分かっとんさっとかな」。女性の1人は首をかしげた。
民主党が農家の赤字を補う「戸別所得補償制度」を打ち出しても、自民党は「財源を示しておらず絵に描いたもち」と批判するばかり。具体的な将来ビジョンは伝わらなかった。
「初めて民主党に入れた。これからは農家を向いている政党でなければ支持できん」。佐賀県小城市で農業に携わる男性(46)の言葉は、「反乱」ぶりを物語る。
□ □
熊本県山鹿市の農業地帯。トラクターでタバコの葉を収穫していた農業男性(70)は周囲を見渡して言った。「あそこも、ここも減反で田んぼをつぶした。見なっせ、働いているのはみんな年寄りばかりでしょうが…」
同市は参院選熊本選挙区で落選した自民党の三浦一水氏の地盤。自殺した松岡利勝前農相の地盤と重なり、衆院補選の舞台にもなった。三浦氏は過去2回の参院選同様、農政連公認。「松岡先生の遺志を継いで農業を守る」と訴え、戦った。
だが、圧勝が予想された衆院3区でさえ、三浦氏の得票は、民主新人、松野信夫氏を10ポイント上回っただけ。比例票は、国政選挙で初めて全県で民主が自民を上回った。
同県産山村の元村議(70)は自民支持を訴えて回ったが、多くの農家の反応は「参院選は民主でいい」。元村議自身も、投票所に入るまで「自民か民主かで悩んだ」と打ち明ける。
農村部に広がる自民への冷めた目線。自民党熊本県連の西岡勝成幹事長が選挙戦で感じたのは、そんな農村部で強固だったはずの「保守層」の総無党派化だった。
(佐賀総局・久保田敦、熊本総局・山本敦文)
=2007/08/01付 西日本新聞朝刊=
841
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/13(月) 10:51:55
衝撃の余波’07参院選<2>分裂 繰り返す自滅の構図
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/kyushu/20070809/20070809_001.shtml
全選挙区最年少、31歳の無所属新人、外山斎氏に完敗し、がっくりと肩を落とす自民公認の小斉平敏文氏。「この選挙をどう後始末するかだ」。参院選宮崎選挙区で敗北が決まった直後、衆院宮崎2区選対本部長を務めた江藤拓衆院議員は、宮崎市の事務所で唇をかんだ。
6年前の参院選で、自民公認の小斉平氏は、公認を外された当時の現職、長峯基氏を破った。今回は同じ2人で保守票を争い、共倒れ。江藤氏は、次期衆院選に今回の保守分裂が与える影響を懸念する。
宮崎県政の保守分裂は、江藤隆美元総務庁長官と上杉光弘元自治相の対立にさかのぼる。3年前の参院選では、上杉氏が保守票を一本化できずに落選。今年1月の出直し知事選でも県連は分裂し、自民推薦候補が東国原英夫知事に敗れた。
「小斉平氏は上杉系、長峯氏は江藤系」(関係者)。対立構図は今回の参院選でも重なる。
□ □
「みんなで協力体制はとれますか」
参院選中盤の7月19日、宮崎市で応援演説を終えた安倍晋三首相は、党県連の坂元裕一会長に念を押した。坂元会長は「表と裏は違います」と答えるしかなかった。
「本当に一枚岩になっているのか」「今度負けたら、次(の衆院選)はやらんぞ」
4日後、宮崎市で開かれた自民党の会合は危機感にあふれていた。自民支持団体幹部は、江藤拓氏と中山成彬氏(衆院宮崎1区)、古川禎久氏(同3区)を厳しく追及。「まるで査問会議だった」と出席者は振り返る。
自滅を恐れた県連は、徹底した「党営選挙」を強化。集会への動員や支持者回り、陣営への人員派遣など、国会議員や県議にノルマを課し、「負けたら県連解体」と檄(げき)を飛ばした。
それでも、結果は5万票の大差で敗退。「全然ダメ。一枚岩も上っ面だけだった」。坂元会長は突き放す。
□ □
2003年の衆院解散まで衆参合わせて7人いた党所属国会議員は、今や3人。内紛を重ねた揚げ句の衰退に、県農民連盟幹部は「国とのパイプは細るばかり」と脱力感に包まれる。
小斉平氏の得票は、05年の衆院選で現在の自民現職たちが各区で獲得した票の5割前後と、大幅に目減りした。保守分裂を嫌い、九州で唯一、公明党が推薦を見送った結果、小斉平氏が公明支持層から得た票はわずか27%。全国の1人区で最低レベルだった。
分裂が敗北を招き、民意との乖離(かいり)を生んだ。それでも、ある県連関係者は言う。
「次の衆院選でも、現職の選挙区に保守系無所属が意欲を示している。世代が1つ変わらないと怨(おん)念(ねん)は消えない」
(地域報道センター・山口英宏)
=2007/08/02付 西日本新聞朝刊=
842
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/13(月) 10:53:47
衝撃の余波’07参院選<3>前哨戦 目線の先には衆院選
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/kyushu/20070809/20070809_004.shtml
「敗戦の弁しか用意していなかった」。再選を果たした自民の加治屋義人氏がこう漏らしたほどの紙一重の戦いだった。
当初「無風」とみられていた参院選鹿児島選挙区は、民主新人の皆吉稲生氏が加治屋氏の得票にわずか0.7%差まで迫った。自民が衆院五小選挙区を独占し、県議会も全体の7割超を占める保守王国で起きた「地殻変動」。
民主肉薄の背景には、2人の元自民議員の存在があった。
8月1日午後。鹿児島市にあるプレハブ建ての事務所で、元自民県議団会長の打越明司氏は、盆明けに開く女性集会の準備に追われていた。「敗戦に打ちひしがれているひまはない」
打越氏は2005年の衆院鹿児島2区に無所属で立候補し落選。いったん自民に復党したが、2区の公認をめぐる問題から1月に再度離党、6月に民主党入りした。
参院選期間中、打越氏は懸命に動いた。次期衆院選で、民主公認候補の座を射止めるためには、参院選での働きが「生命線」だったからだ。出身の松下政経塾の人脈などもフル活用し、票の掘り起こしを図った。
□ □
05年衆院選鹿児島3区で「郵政造反組」となって敗れた元自民衆院議員の松下忠洋氏も、民主の強力な「助っ人」となった。松下氏の原動力は、「保守分裂で争った自民現職に対する遺恨だ」と民主県連幹部。
かかわりのある特定郵便局長OBの政治団体「大樹」の票取りまとめなどに奔走し、「自分の選挙のように死に物狂いで回っていた」。民主県連関係者はこう証言する。
2人の「保守」が掘り起こした票に与党批判の追い風が相まって、「自民より一歩抜け出した」と皆吉氏の陣営内は沸き立った。だが、自民を知り尽くした打越、松下両氏にとって、そこに不安があった。松下氏は投票3日前、勝ちを意識し始めた陣営スタッフに「最後の自民の底力はすごい」と警鐘を鳴らした。
だが、最終盤の皆吉陣営は、選挙カーで地域を回る程度。「完全な上滑り。緩みが失速につながった」。陣営幹部の1人は無念そうに振り返る。
□ □
「選挙というものは、選挙の翌日から始まります」。投票日翌日、自民党幹事長まで務めた民主党の小沢一郎代表は、早くも全国の衆院立候補予定者にメールで檄(げき)を飛ばした。
衆院2区での出馬に向け、参院選後から休む間もなく準備を始めた打越氏。民主候補が空白の衆院3区も、松下氏は「白紙」としているが、民主県連幹部は「出てくれれば頼もしい」と期待を隠さない。
惜敗に、いまだ「立ち上がれないくらいのショック」と沈む民主県連。だが、元自民党議員2人の目線は違う。「参院選は自分にとって衆院選の前哨戦。ここからが本当の正念場だ」。打越氏は表情を引き締めた。 (地域報道センター・富田慎志)
=2007/08/03付 西日本新聞朝刊=
843
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/13(月) 10:55:57
衝撃の余波’07参院選<4>離反 つかめぬ修復の糸口
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/kyushu/20070809/20070809_003.shtml
民主と社民。両党候補で計31万票以上を獲得しながら、約20万票の自民新人、礒崎陽輔氏に敗れた参院選大分選挙区(改選数1)。「敗戦の将」として語る民主党大分県連代表の吉良州司氏は、むしろ自信にあふれていた。「結果は伴わなかったが、草の根の底力を見ていただけた」
7月31日午後。大分市内の事務所で、吉良氏は選挙結果を振り返った。念頭にあったのは4日の選対会議。民主単独か、社民との共闘か。主な役員で参院選を総括し、今後の活動方針を論議する。
「社民と競合しても、民主の比例票は自民と互角だった」。共倒れしたにもかかわらず、執行部はさらに単独路線を固めつつある。県連内でも、野党共闘支持は多くない。
ソファから身を乗り出して、吉良氏は訴えた。「戦略次第で単独でも戦える」。自身の再選を懸けた衆院選をにらみ、中央突破を図る構えだ。
□ □
「吉良だけは絶対に許さない」。無所属新人の松本文6氏を推薦した社民党大分県連合や、支持団体の官公労幹部の間では、今もなお「吉良憎し」の感情が収まらない。
民主から「勝てない」と支援を断られた松本氏は14万票を獲得。一本化していれば、全国唯一の選挙区議席獲得も夢ではなかった。党県連合の重野安正代表は「今回の選挙をややこしくした責任は民主にある」と不満を隠さない。
だが、社民の現状は強気を貫けるほど強固ではない。県内の比例得票は、松本氏の選挙区得票の半分にも満たない6万8000票。全国的な党勢退潮は「牙城」と言われた大分にも表れ始めた。
「次の総選挙は党の存亡をかけた厳しい戦い」と語る重野代表は、野党共闘への未練を捨て切れない。「軽々に結論を出すべき問題ではないが、野党共闘の崩壊は自公を利するだけだ」
□ □
民主が推す矢野大和氏と松本氏をともに支援した連合大分。「力が拮抗(きっこう)する2人が出たら共倒れする」。恐れていた事態に、嶋崎龍生会長の言葉に怒気が交じった。
連合大分は昨年8月、両党に統一候補擁立を要請。だが、どちらも独自候補擁立を主張して譲らず、連合は仲介役の立場を失った。投開票日、連合事務所にいた嶋崎会長は、500メートル離れた矢野氏の集会にも、同じビル内で行われた松本氏の集会にも顔を出さず「無言の抗議」を貫いた。
過去2回の参院選で「与党に勝つ」ために結束した三者。「これ以上勝たない戦いは繰り返せない」。嶋崎会長は両党の歩み寄りを望む。
しかし、2大政党へのうねりを背景に単独路線を強める民主に対し、社民は退潮への焦りに怒りが重なる。「大変厳しい」(嶋崎会長)調整の着地点は、依然見えない。 (大分総局・佐々木直樹)
=2007/08/04付 西日本新聞朝刊=
844
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片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/13(月) 10:59:00
衝撃の余波’07参院選<5完>再起 政権交代壁なお厚く
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2007sanin/kyushu/20070809/20070809_002.shtml
「日本で一番、解散・総選挙が待ち遠しい男です」
民主党の元衆院議員、城井崇氏のあいさつに、笑い声が巻き起こった。3日、新日鉄八幡労組などの基幹労連福岡県本部が北九州市小倉北区で開いた納涼会。「いざ鎌倉という折は、ぜひ力をお貸しください」。頭を下げる城井氏に、幹部は「今まで以上に応援する」と請け合った。
北九州市で躍進する党組織も城井氏を後押しする。2月に党推薦の北橋健治市長を初当選させ、4月の県議選では雪辱を目指す福岡10区に民主系議員が3人誕生。参院選福岡選挙区で民主の岩本司氏が100万票を獲得する原動力につながった。
10区現職は自民党の「刺客」だった西川京子氏。2005年の前回衆院選で吹き荒れた郵政改革の追い風は過去になり、候補差し替えのうわさも流れる。「自民支持者も応援してくれるようになってきた」。日焼けした城井氏は、既に臨戦態勢だ。
□ □
前回衆院選の福岡県内小選挙区で1勝10敗と惨敗した民主党。3区で再選を阻まれた県連副代表の藤田一枝氏も再起に燃える。「これからが本格的な戦い。早期解散に追い込みたい」。参院選前から続ける地下鉄駅前の朝立ちに、一層熱がこもる。
ただし、県内では約半数の5選挙区で候補者が未定。前回衆院選の惨敗や市長選への転出が影響し、態勢づくりは遅れ気味だ。「年内にも解散があり得るのに…」。県連幹部は焦る。
統一地方選の党躍進は都市部が中心。郡部にはいまだ県議不在の小選挙区も残る。風頼み、労組頼みからの脱却は容易ではない。対する自民党の顔触れは、麻生太郎外相や古賀誠元幹事長ら大物ばかり。
「参院選は敵失で勝っただけ。衆院選が今あれば、県内で2つか3つしか取れないんじゃないか」。民主党を支援する連合福岡の山口正三会長は、上げ潮ムードを戒める。
□ □
3年前に続いて民主党が「歴史的な」(県連幹部)2連勝を飾った参院選長崎選挙区。開票から一夜明けた7月30日、同県大村市にある同党の山田正彦衆院議員(比例九州)事務所には、厳しい顔が並んでいた。
後援会関係者の手には、参院選の市町別得票結果。長崎市、佐世保市、諫早市−。民主新人、大久保潔重氏の得票は県内四小選挙区のうち3区の主要都市でトップだったのに、山田氏の地元3区だけは、離島、郡部も含め自民新人の小嶺忠敏氏に全敗だった。
山田氏は小選挙区制が導入された1996年以降、3区で一度も自民候補に勝っていない。それが、今年4月にあった県議選では選挙区内の離島で非自民系が自民系に3勝一敗と躍進。山田氏は今回参院選で一気に形勢逆転を狙い、精力的に離島を回った。
しかし、追い風を受けてもなお、自民支持層の厚い壁は打ち破れなかった。「風はまだやんでいない。衆院選で勝つために、もう一度組織づくりを進めたい」。山田氏と後援会幹部は、戦略の練り直しと態勢再構築を図る決意だ。 =おわり
(地域報道センター・野村創、長崎総局・前田絵)
=2007/08/05付 西日本新聞朝刊=
845
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/19(日) 17:59:01
2007記者リポート:自民党県連 会長人事が混迷 /長崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagasaki/archive/news/2007/08/15/20070815ddlk42010210000c.html
自民党県連会長の人事が混迷している。参院選長崎選挙区で自民新人が落選した責任を取り、会長だった谷川弥一衆院議員(長崎3区)が即座に事務局に辞任を届けたまま、異例の「空席」が続いている状態だ。県選出の国会議員から選ばれるのが慣例だが、久間章生前防衛相(同2区)は原爆投下「しょうがない」発言の問題を引きずるなど、谷川氏を除く国会議員3人もそれぞれ事情を抱え、「適任者」が不在となっている。【宮下正己】
◇「適任者」不在で異例の「空席」
谷川氏は6月9日の県連大会で会長に就任したばかり。しかし参院選で、知名度が高く当初は「楽勝」と言われていた新人候補が2万票余の差で民主新人に敗れ、引責辞任した。全国的な自民党への逆風が敗因の大きな要素といえるが、選対本部長を務めた北村誠吾衆院議員(同4区)と谷川氏の摩擦をはじめ県連内の不協和音も足を引っ張ったと指摘されている。
県連事務局は谷川氏の辞任を受け、県選出の国会議員3人に後任人事の調整を要請。だが久間氏は自ら新人候補を担ぎ出しながら、「しょうがない」発言で被爆者団体などの強い反発を招き、逆風を強めた責任が問われている。
また選挙結果を衆院選挙区別に見ると、冨岡勉衆院議員(比例九州)が担当した長崎1区(長崎市)は約2万7000票の大差を付けられ、北村氏の長崎4区も「必勝」が命題とされた佐世保市で民主新人を下回り、「両氏とも反省しなければいけない」(県連幹部)状況に陥っている。
このため県連内では、得票が唯一民主新人を上回った長崎3区の責任者、谷川氏に対し「辞めるのではなく、県連を立て直すことで責任を果たすべきだ」と留任を求める声も浮上。また慣例にこだわらず、県議から会長を選出する案もわずかながら出ている。
ただ月末の内閣改造や党本部役員人事を控え、県連事務局は「中央の人事が決まるまでは誰を会長にするか決められないだろう」と言う。参院選での自民大敗で安倍政権が不安定な中、次期衆院選をにらんで早期の立て直しが必要だが、人選は紆余曲折が予想される。
〔長崎版〕
毎日新聞 2007年8月15日
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:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/19(日) 18:00:42
連合大分:参院選、民主・社民の分裂批判 今後の三者協力に注文 /大分
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/oita/archive/news/2007/08/07/20070807ddlk44010628000c.html
連合大分は6日、参院選後初の執行委員会を開いた。嶋崎龍生会長は「全国的には自民の敵失で民主が伸びたが、大分ではわが方の失策で相手を勝たせてしまった。『票が増えた』『礎や基盤ができた』ではだめ。勝たなくては一票を託した県民の願いを無視したも同然」と述べ、候補者を一本化できなかった民主県連と社民県連合の対応を批判した。
参院選で連合大分は社民推薦の無所属新人、松本文六氏を推薦、民主県連支援の同、矢野大和氏を支持とする苦肉の対応を強いられた。両氏で計31万票を集めながら20万票に届かなかった自民新人の礒崎陽輔氏の当選を許した。嶋崎会長は「参院で民主が第一党となり、遅くても1年以内に総選挙があろう。二度とこういうことがないよう、三者協力に重きを置き、胸襟を正してテーブルについてほしい」と両党に強く注文をつけた。
連合大分は9月の執行委員会で、参院選の正式な総括をする。【梅山崇】
毎日新聞 2007年8月7日
847
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/19(日) 18:09:51
現場発:大型選挙で「連敗」の県農民連盟 政治力低下に危機感 /宮崎
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyazaki/archive/news/2007/08/12/20070812ddlk45010128000c.html
◇運動の原点に立ち返る動きも
先月の参院選宮崎選挙区で推薦した自民党候補が落選した県内最大の政治団体・県農民連盟(盟友約6万人)。3年前の参院選、今年1月の知事選でも推薦候補が敗れ、全県一区の選挙では3連敗となった。かつては同連盟出身の独自候補を擁立し、自民公認を破る時代もあったが、農家数の減少や価値観の多様化などで集票力の低下がささやかれる。一方、後継者不足や、農産物の輸入自由化など課題は山積しており「既存政党とは関係なく、農家の地位向上を目指そう」と農政運動の原点に立ち返る動きも見せている。【中尾祐児】
参院選で現職の小斉平敏文氏の落選が決まった7月29日夜。宮崎市の選挙事務所では小斉平氏が「すべて私の責任」と頭を下げ、県農民連盟の横山勉委員長らとお礼の握手を交わした。04年参院選の上杉光弘氏に続く、農政族の落選。連盟の佐藤博祥事務局長は「農家も価値観が多様化し、意志の結集が難しくなった。『農政推進に政治の力が不可欠だ』との主張も十分に伝わらなかった」と敗因を語った。
県人口に対する農家の割合は6・35%(7万3000人)で全国7位、1人当たりの農業産出額420万円は全国2位と高く、宮崎は全国有数の農業県だ。
農民連盟は自民の友好団体だが、反旗を翻し、独自性を示したこともある。76年の参院選宮崎選挙区(改選数1)では、自民が擁立した元林野庁長官の松形祐堯氏=その後、県知事就任=に「地元に相談なく決めた」と反発。対抗馬として連盟委員長の坂元親男氏を立て、当選させた。坂元氏約20万1000票、松形氏約14万7000票と圧倒的な力を見せつけた。
だが、自民政権の下でも農業低迷は続き、運動も下降線をたどる。「昔は家族全員が農業だったが、今はおじいさんは農業、息子夫婦はサラリーマンなど仕事はバラバラ。支援をお願いをしても、手応えがはっきりしない」と農協職員。
今回の参院選では民主党が農家へ「戸別所得補償制度」を公約。ある農協には「補償制度ってどんなの?」と農家から問い合わせがあったといい、連盟事務局は「自民以外の政策に質問があるなんて前代未聞」と「足元の逆風」に驚きを隠さない。
一方、東国原英夫知事の誕生は予想外の追い風となった。地鶏のPRで鳥インフルエンザ発生の風評被害を防ぎ、マンゴーは全国的人気になった。佐藤事務局長も「(知事選で)『推薦しなかったから』と知事の足を引っ張ったりしませんよ」。県内最大の政治団体も「県民総力戦」の東風に吹かれているようだ。
毎年のように起きる災害の復旧支援や経営基盤強化のための大規模化など直面する課題は多い。「選挙のためじゃなく、農家のための政治運動ですから」(佐藤事務局長)と今後、県に農業基盤整備や後継者対策などを要望していく方針だ。
==============
■ことば
◇県農民連盟
1955年3月に結成。「農家の政治力の結集」を基本方針に掲げており、政治活動のできない農協とは表裏一体の関係。JA宮崎中央会会長が同連盟委員長を、県内の各JA組合長が支部長を務める。組合員は自主的に盟友になっている。結成当時の盟友は約11万人だった。
毎日新聞 2007年8月12日
848
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/08/19(日) 18:11:17
自民県連:改革路線の陰、痛みに−−参院選総括 /鹿児島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagoshima/archive/news/2007/08/14/20070814ddlk46010444000c.html
自民党県連は11日、選対常任委員会を開き、参院選の結果について衆参国会議員や県議らが意見交換。党が苦戦した背景分析では、小泉純一郎前首相から続く改革路線の陰の部分が地方には「痛み」となった、との指摘が相次いだ。
「1人区」の一つ、鹿児島選挙区(改選数1)では加治屋義人氏(69)が民主新人を破って再選を果たしたが「経験したことのない大激戦」(本坊輝雄幹事長)。2人の得票を衆院5選挙区別にみると、1、4区では民主新人が上回った。
今後、党本部の参院選総括も踏まえ、県連として体制立て直しを急ぐという。【神崎真一】
毎日新聞 2007年8月14日
849
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/10/11(木) 21:20:33
長崎総合科学大:国見高サッカー部の小嶺前総監督、教授にGoal 来月から教べん
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20071011ddp041040010000c.html
長崎県立国見高(雲仙市)サッカー部の前総監督として知られ、7月の参院選長崎選挙区で落選した小嶺忠敏さん(62)が、長崎総合科学大(長崎市)の教授に就任することが決まり、大学側と10日、長崎市内で記者会見した。就任は11月1日。「子供の教育と長崎の活性化のためにお手伝いしたい」と語った。
大学によると、小嶺さんは人間育成学や組織社会学を受け持つ予定。来年3月までは学長付として特別講義などを行い、来年4月からゼミナール形式の科目を任せることなどを検討する。現段階では同大学でサッカーを直接指導することは考えていないという。
小嶺さんは長崎県を本拠地とするサッカーのクラブチーム「V・ファーレン長崎」の社長も務めており「将来的に(大学と)V・ファーレンとの提携も必要ではないか」と話している。一方、次期衆院選への出馬については「そういうことは一切考えず、現時点のことに全力を注ぎたい」と述べるにとどめた。
小嶺さんは、無名だった国見高サッカー部などの監督として全国大会100回出場、うち17回の優勝を果たした。抜群の知名度を買われ参院選に自民公認の新人として出馬したが、民主新人に敗れた。【宮下正己】
毎日新聞 2007年10月11日 西部朝刊
850
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/10/19(金) 11:38:29
連合大分 候補擁立ルール明文化へ
参院選総括「大分方式」堅守方針 讀賣大分
連合大分は18日、執行委員会を開き、「推薦」「支援」した候補者2人が自民党候補に敗北した7月の参院選を総括した。敗因は民主、社民両党と連合大分が共闘する「大分方式」の不成立にあったとし、今後は候補者擁立に関するルールを明文化するとともに、足並みを乱した政党に対しては毅然(きぜん)とした態度で臨む方針を確認した。
先の参院選では民主、社民両党がそれぞれ候補者を立てたため、反自民票が分散する結果となった。執行委員会では、森迫信夫事務局長が経過と対応を説明。今後、両党と話し合ってルールを明文化する考えを示した。また、連合の方針である「大分方式」とずれる動きがあった場合は毅然とした態度で臨み、「強い影響力を発揮することが重要」と述べた。
嶋崎龍生会長は「次期衆院選は政権交代をかけた戦いになる。連合が一枚岩になれば強い。同じ失敗を繰り返してはならない」と訴えた。
(2007年10月19日 読売新聞)
851
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/10/19(金) 21:17:25
「敗因は一本化不成立」 連合大分が参院選総括
http://kiji.i-bunbun.com/read/read.cgi?1192719600=119275432623965=1
参院選総括について協議する構成組織や地域協議会の代表者
連合大分(嶋崎龍生会長)は十八日、執行委員会を開き、七月の参院選を総括した。大分選挙区で社民党推薦の松本文六氏を「推薦」、民主党県連推薦の矢野大和氏を「支援」し、事実上の産別対応とした結果、”共倒れ”に終わった敗因を「連合大分を軸とした両党の選挙協力・候補者一本化の不成立」と分析。次期衆院選での協力成立に向け、両党への影響力を強める必要性を強調した。
総括では、参院選後に構成組織や地域協議会から出た意見について「政党に振り回されず労組が強い指導力を発揮すべきだったという、総じて厳しい批判」と説明。一本化できなかったことを「力不足を率直に反省する」とした。
今年と同様に両党が候補者を擁立した一九九八年以降の参院選結果を基に、自民党候補に対し「選挙協力がなければ勝てない確率が極めて高い」と分析。
次期衆院選以降、選挙区での候補一本化を実現するため(1)政党、労組間の距離はその時々の政党役員の考え方に大きく左右されるため、早期に擁立ルールを明確にしておく(2)政党の主張が連合大分の方針と懸け離れ始めた場合、政党の主体性を尊重しながらも、より強く異議を唱える(3)政党との意思疎通の希薄さも一本化失敗の一因。連合大分推薦国会議員団との日常的な意見交換の場を設ける―などの必要性を挙げた。
嶋崎会長は「(一本化不成立を)三たび繰り返すことは断じて許されない。政権交代に向け、三者が連携して戦わなければならない」と述べた。
執行委員らからは「両党と連携する日ごろの努力が足りない。衆院選に向けて、早く動かなければ」といった意見が出た。
852
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/10/21(日) 15:59:50
選挙:衆院選 民主と社民、協力は微妙 参院選共倒れ、双方しこり残す発言 /大分
http://mainichi.jp/area/oita/news/20071021ddlk44010044000c.html
20日、民主党県連が鳩山由紀夫幹事長講演会を、社民党県連合が定期大会を共に大分市で開催。分裂選挙で共倒れとなった今夏の参院選のしこりを残す発言が両党幹部から聞かれ、次期衆院選へ向けた関係修復の難しさをうかがわせた。
吉良州司・民主県連代表は衆院選での選挙協力について「県民のためになるならあり得るし、ならないなら独自の道を歩む覚悟が必要」と明言。足立信也代表代行も「選挙協力は勝敗を左右する絶対条件ではない。社民との話し合いはやぶさかではないが、反自民勢力の拡大などを勘案し選挙ごとの協議が必要だ」と参院選を総括した。
一方、久原和弘・社民県連合幹事長は「民主県連は吉良代表である限り全選挙区に候補を立てるだろう。全面戦争の可能性は十分」と発言。代議員からは「社民と連合は民主との三者協力崩壊が参院選の敗因とみるが、民主は国民新党の候補が立っていなければ勝てたとみている。今後の協力がうまくいくはずがない」「選挙協力には異論がないが、1区で吉良氏を推すことだけはできない」などの発言が相次ぎ「安易な妥協はすべきでない」との結論で一致した。
両会場では参院選で落選した矢野大和、松本文六の両氏もあいさつ。矢野氏は「(落選は)私の不徳のいたすところ。今はお笑いもお祓(はら)いもしております」と会場の笑いを誘った。逆に松本氏は、大分市での選挙運動が少ないなど運動日程の設定が不合理だったことや「官」を批判した演説に組織内部から批判を受けたことなどを明かし「これでは今後も勝てない」と県連合に苦言を呈した。【梅山崇、小畑英介】
毎日新聞 2007年10月21日
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