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日本の安全保障・国防

1片言丸 </b><font color=#00FFDF>(/3J5SzQQ)</font><b>:2005/04/23(土) 09:51:47
セキュリティ関係。外交関係スレから特抜き

240片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:20:00
岩国基地:民間空港問題 “移転条件”改めて拒否 知事との会談で井原市長 /山口
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamaguchi/archive/news/2007/08/02/20070802ddlk35010049000c.html

 米軍岩国基地の軍民共用化による民間空港再開問題で、二井関成知事と岩国市の井原勝介市長が1日、県庁で会談した。国が空母艦載機部隊の岩国基地への移転容認を民空再開の条件としていることについて、井原市長は「不安が払しょくしきれておらず、さらに協議を尽くしていく」と現時点では容認できない考えを改めて示した。市長に「現実的な対応」を求めていた二井知事はこれを受け、10日にも民空再開を国に継続して求めていくか、断念するか表明する。【大山典男】

 会談後、井原市長は「民空再開で国や県の協力が難しくなるかもしれないが、重要な政策として実現に向け運動を継続していく」と述べ、断念していないことを強調した。一方で「県がどう判断するか分からない。岩国だけで、できるものではない。再編容認を条件にしないで進めてほしいという気持ちは変わらない」と述べ、県の判断を見守る姿勢を示した。

 二井知事は「市長の回答では民空早期再開は難しくなってきた。大変残念。これからの対応を検討し、10日の記者会見で県の考え方を示したい」と述べた。その上で知事は、地元経済界や県東部の自治体で再開要望が強い点について「経済界だけの判断だけでなく、地元全体に愛される空港にならないといけない。市として『実現したい』という意見集約ができればいい。(県東部自治体の)皆さんは当然、民間空港があった方がいいと思っている」と述べた。

〔山口東版〕

毎日新聞 2007年8月2日

241片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 07:32:35
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/2410/1169858830/691-696

2007年8月7日(火) 朝刊 1・29面
米軍車両 また学校侵入/うるま市 前原高校
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708071300_01.html
ロータリー 一周去る/生徒らけがなし
 【うるま】六日午後二時四十四分ごろ、うるま市田場の県立前原高校(大城順子校長、生徒数八百三十三人)の敷地に米軍車両とみられるトラックが侵入、ロータリーを一周して正門から同市安慶名方面に去った。車両侵入時、近くにいた男子生徒ら三人にけがはなかった。同市では七月十八日に同校から約六百メートルの県立沖縄高等養護学校に米海兵隊の装甲車が侵入、市議会が抗議決議をしたばかり。
 県教育庁は七日にも那覇防衛施設局などに抗議するほか、同市議会基地対策特別委員会は同日に対応を協議する。

 目撃した同校の平良智事務長によると、車両は白っぽいトラック。運転手ら二人はいずれも外国人で、車両ナンバーは「NAVY95 29619」と記載されていた。敷地内を回る際、車体が揺れたという。ロータリーの縁石などに車両が衝突した痕跡はなく、一分足らずで立ち去った。

 市内の学校で相次ぐ車両侵入に、知念恒男市長は「事実関係を確認中」としながら「米軍ならば、市民感情を理解していない。ここを戦場とでも思っているのか」と厳しく批判。その上で「市としてできる限りの意思表示を行いたい」と述べ、米軍に厳重抗議する考えを示した。

 一方、仲村守和県教育長は「沖縄高等養護学校への米軍の装甲車侵入に強く抗議し、再発防止を要請したところだ。度重なる許し難い暴挙に怒りを禁じ得ない」とのコメントを発表した。

 那覇防衛施設局は、沖縄タイムス社の取材に対し「(車両が米軍のものかどうか)米軍に照会中」としている。

242片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 07:32:51
     ◇     ◇     ◇     
なぜ再発「反省 口だけ」/職員の質問を無視


 【うるま】「米軍はなぜ、何度も校内侵入を繰り返すのか」―。六日、うるま市田場の県立前原高校の敷地に米軍とみられる車両が侵入したことに教育関係者は一斉に怒りの声を上げた。七月十八日には米海兵隊の装甲車が県立沖縄高等養護学校に侵入、市や市議会、教育関係者が米軍に再発防止を強く申し入れた。相次ぐ車両侵入に、「学校は安全な場であるはずだ。米軍は非常識だ」など不信感と批判が広がっている。

 目撃した前原高校の平良智事務長(49)によると、正門近くの敷地内に米軍車両がいた。車両は停車することなく、敷地内のロータリーを走り回った、という。

 平良さんが「どうしたんですか」と声を掛けたが、外国人とみられる運転手らは目を合わすこともなく校外へ。県道を右折するために停車した車両に近付き、急いで番号を控えた。車両が侵入して出て行くまで「時間にして一分もない」出来事だったという。

 同校の大城順子校長は「戦前には軍隊が学校を接収して使用した。教育現場と軍隊は相いれないもので、侵入は残念だ」とまゆをひそめた。

 同校ではこの日、午前中に夏期講座があったほか、部活動などのため登校する生徒もいた。米軍車両侵入を知った二年の女子生徒(17)は「米軍は何をするか分からないから、校内には入ってきてほしくない」と話した。

 同校PTAの具志川光彦会長(47)は「間違って侵入したなら一言謝ってほしい。人の庭をはだしで歩き、黙って帰るようなことは良くない」と指摘。七日に開かれる市内の県立高校長やPTA会長らとの会合で、対応を協議する、という。

 現場を確認した同市議会の東浜光雄基地対策特別委員長は「学校は安全な場であるはずだ。米軍は非常識極まりない」と憤る。「先月米海兵隊の装甲車が侵入した際、米軍は兵士の教育徹底を約束したが、口先だけだとしか思えない」と語気を強めた。


「故意」と疑う声も


 米軍とみられる車両が前原高校の敷地内に侵入したことに、県内の教職員やPTAなどから反発の声が上がった。

 高教組の福元勇司書記長は「平和の大切さを教育する学校と相反する米軍車両が再び侵入するとは絶対に許せない。米軍は事の重大性をきちんと認識しているのか非常に疑わしい。関係当局に対し強く抗議したい」と憤った。県高校PTA連合会の西銘生弘会長は「米軍は故意に侵入したのではないかと疑いたくなる」とした上で「何度も同じようなことが起きるのは米軍に規律を守るつもりがないからだろう。早めに抗議の意思を示したい」と話した。

 県PTA連合会の諸見里宏美会長は「たまたま夏休み中で生徒も少なかっただろうが、安全面を考えると許せない。学校に土足で上がり込むような行為は常識を疑う」と話した。

 沖教祖の大浜敏夫委員長は「学習の場への立て続けの侵入に強い怒りを覚える。復帰以前のやりたい放題の行動は米軍が反省していない証拠。那覇防衛施設局の対応も生ぬるいのではないか。主権国家として強く抗議するべきだ」と語った。

243片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 09:46:05
活動止めれば日米同盟後退 テロ特措法で米側
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2007080901000142_Politics.html

 【ワシントン8日共同】小池百合子防衛相は8日(日本時間9日)、米国のチェイニー副大統領、アーミテージ元国務副長官とワシントン市内で相次ぎ会談した。

 チェイニー氏は、インド洋での海上自衛隊による米艦船などへの給油活動について「イラク、アフガニスタンでの日本の支援を高く評価している」と謝意を表明。アーミテージ氏は、活動の根拠となっているテロ対策特別措置法が11月1日に期限が切れることに触れ「民主党の小沢一郎代表が主張するように活動を止めてしまえば、日米同盟、地域での協調の両面で後退してしまう」と活動継続を求めた。

 これに対し小池氏は「小沢氏をはじめとする民主党や野党の動向に注目し、理解を得られるよう全力を尽くしたい」と述べ、秋の臨時国会で特措法延長の実現に努力する考えを強調した。

 また小池氏はチェイニー氏との会談で、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定について「どういう能力が日米で必要になってくるか考えていきたい」と述べ、有力候補と位置付けている最新鋭ステルス戦闘機F22に関する情報提供を要請した。

244片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 07:27:59
外務省、学校侵入は「協定違反」 基地間移動に当たらず 沖縄琉球
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-26159-storytopic-1.html

 【東京】うるま市の県立前原高校の敷地内に米軍車両が侵入した問題で、外務省の伊沢修日米地位協定室長は8日、「(学校敷地への侵入は)日米地位協定では認められていない」と述べ、地位協定違反であるとの認識を示した。当事者の特定と責任の追及、始末書の提出を米側に求めるよう外務省に要請した社民党の照屋寛徳衆院議員、山内徳信参院議員に対し明らかにした。
 伊沢室長は今回のケースは地位協定第5条2項で定められている「基地間の移動」には「当たらない」と断言した上で「学校の敷地に入るというのは日米地位協定を超えた問題だ」と指摘した。行き先や原因については「特定できていない」と述べた。
 伊沢室長は琉球新報の取材に対し、7月18日に米海兵隊の装甲車が県立高等養護学校に侵入したことに触れ「米兵の最近の一連の行動はおかしい。規律が緩んでいるのではないか」と述べ、不快感を示した。
 その後、照屋、山内両氏は防衛施設庁にも同様に要請。地引良幸次長は「米側からは道を誤って入ってしまったと聞いている」とした上で、米軍の学校への侵入は「地位協定以前の問題だ」と述べたという。照屋氏らは「米側の弁解をうのみにしている。明らかに日米地位協定違反で過失でも許されないことだ」と述べ、米側に強く抗議するよう求めた。

(8/9 9:49)

245片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/12(日) 10:55:26
岩国市長批判の市民が新組織 '07/8/12
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200708120019.html

 米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転に反対する井原勝介市長に対し、リコール運動も視野に入れた市民団体「岩国の明るい未来を創る会」が11日、発足した。今月中に「現実的な対応」を要望する決議文を市長に提出し、方針転換か退陣かを迫る。岩国基地での民間空港再開をめぐり、10日に県が単独で国に要望する方針を打ち出したのを受け、岩国商工会議所などが報告会を開催。賛同を得て発足した。

246片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/12/31(月) 11:34:51
岩国市長が辞職・出直し選挙へ/強硬路線、ひずみ露呈
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2007/1227.html

 神奈川県・厚木基地の空母艦載機の岩国基地移転に反対する山口県岩国市の井原勝介市長が二十八日付で辞職、出直し選挙となる混乱は、政府が米軍再編交付金と引き換えに受け入れを迫る「アメとムチ」の強硬路線のひずみを露呈した。岩国市の動向は再編全体に波及するだけに、政府は動揺を隠せない。インド洋での自衛隊給油活動の停止もあり、日米同盟への影響を懸念する声が出ている。

 ▽試金石

 「再編問題で民意をあらためて問いたい」。井原市長は二十六日、辞職願を提出した後に記者会見し、来年二月に想定される出直し選挙への出馬を表明した。

 政府は昨年末、市長の反対方針を理由に、市庁舎建設費の補助金約三十五億円をカット。市議会で移転推進派が多数を占める中、今年十月には米軍再編交付金の対象から外して、市長の外堀を埋めてきた。

 井原市長は周辺町村と合併前の旧岩国市長時代の二〇〇六年二月、艦載機移転の賛否を問う住民投票を発議した。住民投票では反対が89%と圧倒。四月の新市長選で移転計画の撤回を掲げて新市の初代市長に就任した。出直し市長選は在日米軍再編の行方を占う試金石となりそうだ。

 一方、政府が強硬な姿勢を貫く根拠は〇七年五月に成立させた米軍再編推進法。協力する地方自治体にだけ再編交付金を支給する仕組みで、収賄事件で逮捕された守屋武昌容疑者が事務次官当時に練り上げた。

 守屋容疑者は当時、周囲に「反対している岩国市には交付金も補助金も出さない」と豪語。当初から強圧的な手法には批判がつきまとっていた。

 ▽警戒感

 「理不尽な兵糧攻めはあってはならない。あなたは基地問題で苦悩する首長の気持ちを考えたことがあるのか」。二十七日の参院外交防衛委員会。米軍楚辺通信所(通称・象のオリ)を抱えた沖縄県読谷村の元村長、山内徳信参院議員は急きょ岩国市の問題を取り上げ、質問時間をオーバーしながら詰め寄った。

 石破茂防衛相は「日本全体のためにお願いしなければならない」と政府の原則論に終始、議論はかみ合わなかった。

 井原市長が国の姿勢を問いただす形で思い切った行動に出た衝撃は大きい。「問題を複雑にしたのは守屋が考え出した交付金だ」。山口県出身の衆院議員は戸惑い、官邸筋は「心配だ。詳細を把握していないので、地元の話を聞いてみたい」と先行きを警戒する。

 ▽ジレンマ

 「米軍普天間飛行場の移設は日本の要望で決めたのに進んでいない。非常に心配している」。米政府当局者は最近、日本側に強い口調で不満をぶつけた。守屋容疑者が逮捕されて以降、沖縄県側で強まる再編計画見直しの動きへの警戒感が背景にある。

 在日米軍再編は「統一的なパッケージ」で、一つの計画が頓挫すると他も動かなくなる。岩国基地への艦載機移転が実現しない限り、夜間離着陸訓練(NLP)を実施する恒常的な訓練施設も選定できない。また、今年三月までに計画を策定するはずだった嘉手納基地以南の六施設・区域の返還交渉も暗礁に乗り上げている。

 海上自衛隊によるインド洋での給油活動の停止も米側は「安全保障観の欠如だ」(政府関係者)と批判。防衛省関係者は「給油停止以上に在日米軍再編の停滞が日米同盟に与えるマイナスは大きい」と懸念する。福田康夫首相は、米軍再編に伴う各地の根強い反対と日米同盟強化のジレンマで苦悩しそうだ。

247片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/12/31(月) 11:47:37
集団的自衛権、福田首相が「待った」・有識者懇報告書の修正求める
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071231AT3S2901130122007.html

 集団的自衛権行使の是非などを検討してきた政府の有識者懇談会が今秋まとめるはずだった報告書を巡り、福田康夫首相が一部修正を求めていたことが分かった。懇談会の検討課題の一部について「緊急に検討する必要がない」などと指示。懇談会は内容の再検討を迫られ、提出時期も年明け以降に大幅に先送りされることになった。
 「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(柳井俊二座長)は集団的自衛権の行使に意欲的だった安倍晋三前首相の指示で4月に発足。公海上で米軍の艦船が攻撃を受けた際、近くの自衛隊艦船が反撃するケースなど、4つの類型に関する検討を進め、必要な憲法解釈の見直しや法整備を提言する予定だった。
 複数の政府関係者や懇談会メンバーによると、懇談会が検討していた4類型のうち、米国に向かうミサイルを日本が迎撃する場合など、日米同盟に関する集団的自衛権行使について、福田首相が「現実性がないものを提言されても困る」などと疑問視。懇談会メンバーの1人は「(国際貢献の在り方など)着手可能なものを優先すべきだということだろう」と解説する。
 今国会の最重要法案であるインド洋での海上自衛隊による給油を再開させる法案の審議では、民主党の小沢一郎代表が給油活動は憲法違反などと訴えている。憲法解釈の見直しにつながる集団的自衛権の行使に関する報告書が出れば、国会審議にも影響を与えるとの判断が働いているとの見方もある。
 メンバーの中には最終段階での動きに戸惑いがあり、改めて首相から直接議論の方向性を指示してもらうべきだとの意見もある。内閣官房は首相の最終的な意向を踏まえたうえで報告書のとりまとめを急ぎたい考えだが、国会の再延長もあり、メドは立っていない。
 首相はかねて集団的自衛権の行使には消極的とされてきた。10月の衆院予算委員会では「政府は従来、集団的自衛権の行使は憲法上許されないというような解釈をしており、今現在もその通りだ。その扱いは十分慎重でなければならない」などと指摘。福田政権発足後は懇談会は1度も開いていない。

248片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/12(火) 18:54:43
沖縄の少女暴行、防衛省に困惑広がる
 沖縄でアメリカ海兵隊に所属する男が女子中学生を暴行したとして逮捕された事件、政府内で非難が巻き起こる一方で、アメリカ軍基地再編にどのような影響があるのか情報不足に防衛省は困惑しています。

 「許されることではない。そして、過去においても何度か起こっている。にも関わらず、また起きてしまったということについて、これは本当に重大な事であるというふうに受け止めております」(福田首相)

 「許されざること」と強調する福田総理、一方で米軍再編を主導する3人の大臣の発言は微妙に温度差が出ています。

 「もういい加減にしてくれという感じもありますが、こういう問題があって、(基地問題について)影響はありませんということは、私はないと思います」(高村正彦外相)

 「仲井真知事は記者会見の中で『普天間移設問題への直接の影響はないと思うが』という前提を付したうえで、『しかし、人間として県民として海兵隊に憤りを感じるのは当然だ』と述べておられることはご参考までに」(町村信孝官房長官)

 「『だから移転しなければいかんのだ』という、こういう理屈にもなるんだろうけども、それはそれで何となく、感覚として『だから移転しなければいけないんでしょ』という話、それはまた別の問題と私は思う」(石破茂防衛相)

 強い調子で非難する高村大臣に地元の発言を引用する町村長官。そして、「アメリカ軍が移転することと今回の事件は別の話だ」と強調する石破大臣。この温度差の原因は、事件がどのような動きに発展するのか、その空気をまだ読みきれていない政府の当惑にあるようです。

 13年前、少女暴行事件をきっかけに沖縄県内で反基地運動の熱が高まり、今の基地再編に結びつきました。防衛省内では、その動きが急速に弱まることへの懸念が広がっています。

 この事件への対応1つで沖縄県民の強い反発を招きかねませんが、防衛省のある幹部は、「沖縄からの情報が少なく、煮え切らない状態」と情報不足を嘆きます。

 13年前の少女暴行事件をきっかけに始まった基地再編が、同様の事件でストップするかもしれないという皮肉な結果にもなりかねず、防衛省の中にも困惑が広がっています。(12日17:37)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20080212/20080212-00000051-jnn-pol.html

249片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/19(火) 23:38:01
海自イージス艦・漁船衝突:防衛省、初動もたつく 失態続き、責任論も
 政府は19日、イージス艦「あたご」と漁船の衝突事故を受け、早朝から情報収集と対応に追われた。事故現場から防衛相に一報が入るのに1時間半、首相までに2時間を要すなど、初動のもたつきが目立った。防衛省は守屋武昌前防衛次官による汚職事件やイージス艦の情報漏れ問題などこのところ失態が続いているだけに、事態を深刻に受け止めている。

 民間人を巻き込む重大事故だけに今後、何らかの形で責任問題に発展するのは避けられない情勢だ。事故原因は不明だが、88年に神奈川県の横須賀沖で潜水艦「なだしお」と釣り船が衝突し30人が死亡した事故では、当時の瓦力防衛庁長官が引責辞任している。

 福田康夫首相は予定を15分繰り上げて公邸を出る際、記者団から事故について問われ「おお、そうだね。大変だ」と短く応じただけで足早に車に乗り込み、国会に向かった。午前8時から院内閣議室で緊急閣僚会議を開催。説明のための海図を手にした制服姿の海上自衛官が閣議室を出入りした。

 町村信孝官房長官は午前7時12分に急きょ官邸入り。首相官邸の危機管理センターに設置された情報連絡室の職員から、事故の発生状況や捜索救難の活動について説明を受けた。定例の記者会見は予定時間を30分繰り上げ9時10分から開始。「事故発生の一報が遅かったのではないか」と指摘されると、「まず急いで救助の態勢を取るところに全力が傾注されたんだろうと推測する」と硬い表情で答えた。事故原因に関する質問には「分かりません」を繰り返した。

 防衛省では石破茂防衛相が記者会見で、自分への事故報告が発生から1時間半もかかったことに怒りをにじませた。一連の防衛省改革で石破氏が示していた問題意識は「現場で緊急事態が発生した際、文民の責任者の防衛相に即座に情報が上がらなければ有事には対応できない」というものだった。

 海上自衛隊をめぐっては、先の臨時国会で、海自補給艦から米軍艦船に提供された補給燃料量を誤って発表したことを海自幹部が隠ぺいしていたことが問題となった。現場の情報が内局や海自の上司に上がらなかったことが問題視された。これらを受け、石破氏は組織改編の具体策を練る「防衛省改革推進チーム」を同日発足させる予定だったが、延期せざるをえなくなった。【古本陽荘】

 ◇福田首相一問一答

 19日昼の福田康夫首相と記者団のやりとりは以下の通り。

 −−海上自衛隊のイージス艦が漁船に衝突する事故が起きた。

 ◆遺憾なことである。まだ(漁船の乗組員が)行方不明だから。救助に全力を挙げてもらわないといけない。一報を聞いたときにそう指示をした。(乗組員は)まだ見つからないので早く何とかしてほしい。

 −−首相には何時に、どのようなルートで情報が入ったのか。

 ◆6時ごろ。秘書官から電話連絡。

 −−事故の情報が伝わるまで首相には2時間、石破防衛相には1時間半かかっている。

 ◆人身事故の可能性もあるということであれば、すぐに大臣に連絡がいかなければいけない。私も遅いんじゃないかと大臣にも申し上げた。

 −−改善策は?

 ◆(防衛相が)自分で考えてやるでしょ。

 −−首相のところに2時間もかかったのは遅いのでは。

 ◆防衛相にまで1時間半かかれば、僕のところはそれくらいかかる。

 −−仕方がないということか。

 ◆仕方がないというか、防衛相に(情報が)行くのが遅かった。

250片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/19(火) 23:38:17
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 ◆ドキュメント

  1・00ごろ 漁船「清徳丸」が川津漁港(千葉県勝浦市)から三宅島方面へ出港

  4・07ごろ 千葉県南房総市の野島崎沖で、海自イージス艦「あたご」と清徳丸が衝突

  4・23   あたごが第3管区海上保安本部(横浜市)に「漁船と衝突した」と通報

  4・40   あたごが所属する護衛艦隊司令部から海上幕僚監部に連絡

  4・55ごろ 海自横須賀地方総監部が幹部を緊急招集

  5・00   海上幕僚長と防衛省内局に報告上がる。付近を航海中の横須賀基地所属の護衛艦「しらゆき」と試験艦「くりはま」が捜索を開始。

  5・40ごろ 石破茂防衛相に秘書官から一報

  5・48   3管の特殊救難隊のヘリコプターが現場到着

  5・55   3管が清徳丸の船尾部分を発見。首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置

  6・00ごろ 現場海域を航行中の僚船「金平丸」の乗組員が勝浦海保に「衝突した漁船を発見」と連絡。公邸の福田康夫首相に秘書官から一報

  6・10ごろ 3管の特殊救難隊員がヘリから清徳丸の船尾へ降下。船体をたたくも反応なし

  6・15   冬柴鉄三国土交通相に事故発生の報告

  6・18   防衛省内に増田好平事務次官をトップとする連絡対策室を設置

  7・56   福田首相が公邸発。「イージス艦が衝突したが」と記者から問われ「おお、そうだね。大変だ」と語り国会へ

  8・00ごろ 福田首相、町村官房長官、石破防衛相らが国会で緊急閣僚会議。

  8・07   横須賀海上保安部の巡視艇「すがなみ」が現場到着

  8・15ごろ 3管が行方不明になっている清徳丸の乗組員を吉清さん親子と確認

  9・10   町村官房長官が首相官邸で記者会見。「救助に全力を挙げている。感想を述べる段階ではない」

  9・20   石破防衛相が防衛省で会見。「事故は極めて遺憾で捜索と原因解明を早急にしないといけない」

  9・30   国会内での自民党役員連絡会で大野松茂官房副長官が概要報告。伊吹文明幹事長は「政府で緊張感を持ってて対応してほしい」と注文。3管の巡視船「かの」が現場に

  9・57   3管が清徳丸の船首部分の捜索開始。30分後、吉清さん親子が船内にいないことを確認

 10・06   石破防衛相が衆院予算委員会で、防衛相に一報が入ったのが発生から1時間半後だった問題について「こういうことはあってはならない」と答弁

毎日新聞 2008年2月19日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/today/news/20080220k0000m010121000c.html

251片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/20(水) 01:09:27
「世論の袋だたきに…」 異例の捜索認めた海自 '08/2/20

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 「『ノー』と言えば世論の袋だたきに遭う…」。イージス艦衝突事故で海上自衛隊は、横須賀海上保安部による業務上過失往来危険容疑での「あたご」の家宅捜索を受け入れた。ミサイル防衛(MD)の中核を担う「機密の塊」に対する部外の捜査機関の強制捜査は避けたいのが本音だが、民間人の人命を巻き込んだ事故だけに、全面協力に追い込まれた格好だ。

 日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反の罪で海自の三等海佐が起訴された「イージス艦中枢情報流出事件」では、海自は神奈川県警による家宅捜索には難色を示し続けたとされる。

 県警は、事件に関与した疑いがあった隊員らの自宅や勤務先、乗務していた艦艇などを波状的に家宅捜索したが、イージス艦の家宅捜索だけは行われなかった。

 「秘密が詰まったイージス艦に文民警察の強制捜査が入るのを極端に嫌がる米側の意向があった」(海自幹部)といい、イージス艦の家宅捜索に関しては、海自が「捜査に必要な資料の任意提出に応じるから、強制捜査だけは勘弁して」とかたくなだったとされる。

 今回の事故で海自が態度を一変させた背景を別の海自幹部は「民間人の命にかかわる事故で捜査に全面協力しなければ、世論の袋だたきに遭う。(世論の猛反発を買った一九八八年の)『潜水艦なだしお事故』の二の舞いは避けたかった」と本音を漏らした。

 また、今回は捜索対象が軍事機密が集中する戦闘指揮所(CIC)などの中枢ではなく、艦橋など操船や運航にかかわる部分に限られるため、海自サイドがすんなり応じたとの見方もある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802200251.html

252片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/20(水) 04:51:28
イージス艦、回避は衝突直前 報告の遅れは内規違反
2008年02月20日03時00分

 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」(基準排水量7750トン、全長165メートル)が、マグロはえ縄漁船清徳丸(7トン、同12メートル)と衝突した海難事故で、あたごの乗組員が、防衛省の調べに対し、「漁船に気づいたが、至近距離で回避が間に合わなかった」と話していることが分かった。事故は、双方の船が衝突回避行動をとるなかで起きたとみられ、第3管区海上保安本部(横浜市)は19日夜、業務上過失往来危険の疑いであたごの艦内を捜索し、衝突の回避や見張りが適切だったかどうか調べている。

 現場海域では、行方不明になった清徳丸の吉清(きちせい)治夫さん(58)のウインドブレーカーが見つかったが、長男哲大(てつひろ)さん(23)とともに安否はわかっておらず、海自などが捜索を続けている。

 船舶は右舷に緑、左舷に赤の灯火を付けなければならない。防衛省によると、あたごの見張り員が衝突の2分前、右前方に緑色の灯火を確認。その1分後に船影は漁船であることを確認し、衝突回避のために後進に切り替える一方で、清徳丸は前方約100メートルで右に大きくかじを切った。乗組員は「目視で漁船に気づいたが、回避が間に合わなかった。漁船の側も、右旋回して衝突を避けようとしていた」などと話したという。

 3管は、あたごの右前方にいた清徳丸が衝突を避けようと右にかじを切り、あたごの正面に来る形となったとみている。防衛省は、あたごも左右舷を示す灯火を点灯していたとしている。

 海上衝突予防法では、2隻の船が互いを真向かいに見て近づく場合は、それぞれが右に回避し、前方を船が横切る進路の場合は、相手を右舷側に見る船が回避するのが原則。3管は同法などに照らして、双方が適切な回避方法を取ったのか、目視やレーダーなどによる見張りが十分だったかを調べる。

 あたごは同日午後5時ごろ、神奈川県横須賀市の海自横須賀基地に接岸した。3管は、あたごの船体や航行記録とともに、乗組員から事故当時の配置状況を確認した。高度の防衛機密を持つイージス艦が強制捜査を受けるのは異例だ。清徳丸についても、船体を千葉県館山市沖に引航し、20日に損傷状況を調べる。

   ■

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」の衝突事故で、事故の一報を受けた海上幕僚監部や統合幕僚監部が緊急連絡を定めた内規に基づく「発生から1時間以内の防衛大臣側への連絡」を怠っていたことが19日、明らかになった。石破防衛相への連絡は発生から約1時間半後、福田首相へは約2時間後になり、政府の危機管理体制の甘さが浮き彫りになった。石破氏は連絡体制の見直しを防衛省に指示。重大事案の際、各幕僚長が大臣に直接速やかに報告するよう内規を同日付で改正した。

 防衛省によると、内規は04年11月の中国原子力潜水艦による領海侵犯事件後の翌年9月から実施。重大な事件・事故が発生した場合は、自衛隊の各担当部署が防衛大臣と副大臣の各秘書官に発生1時間以内をめどに第一報を伝えることを義務づけている。

 だが今回は、海上幕僚監部のオペレーションルームが事故発生から41分後の午前4時48分に連絡を受けたにもかかわらず、大臣と副大臣の各秘書官に事故を伝えなかった。さらに海自から連絡を受けた統合幕僚監部のオペレーションルームも1時間以内の報告義務を怠り、午前5時ごろに同省内部部局(内局=背広組)の運用支援課に伝えたという。

 その結果、石破氏への第一報は午前5時40分にずれ込んだ。同課が首相秘書官に伝えたのは午前6時だった。

 内局の対応のまずさも挙げられる。運用支援課が事故に気付いてから大臣側への連絡に要したのは約40分。同省幹部は「5分もあれば連絡は可能」としている。同課が石破氏よりも事務次官や局長への連絡を優先していたことも判明した。

 内閣情報調査室(内調)に情報を速やかに伝達することを定めた03年11月の閣議決定「緊急事態に対する政府の初動対処体制」が守られなかった疑いも出ている。

http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200802190418.html

253片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/20(水) 08:25:51
イージス艦衝突 防衛省、止まらぬ失態
2月20日8時2分配信 産経新聞


 守屋武昌前防衛事務次官の収賄事件はじめ不祥事がきびすを接して起きている防衛省・自衛隊を、今度は国民の生命にかかわる重大事故という衝撃が襲った。最新鋭イージス艦「あたご」の監視態勢のあり方に加え、福田康夫首相への連絡が2時間もかかるという危機管理官庁としての資質までも問われる事態となった。与野党から石破茂防衛相の責任論も浮上しており、「起きるはずがない事故」が福田内閣に与えるダメージは決して小さくない。

 防衛省・自衛隊では昨年、イージス艦中枢情報漏えい事件やインド洋での海上自衛隊による補給活動をめぐる給油量取り違え問題など不祥事が相次いだことを受け、政府は首相官邸主導の形で防衛省改革会議を設置し、組織改編など同省の抜本改革を検討している。そのさなかに起きた事故に、防衛省幹部の1人は「なだしお事故の再来だ。今までの不祥事とは重みが違う」と危機感をあらわにした。

 昭和63年、神奈川県横須賀沖で潜水艦「なだしお」と遊漁船が衝突した事故では、遊漁船の乗員・乗客30人が死亡した。自衛隊への批判が高まり、当時の瓦力防衛庁長官は引責辞任に追い込まれた。

 石破氏は19日の記者会見で自らの責任について「どうしてこういう事故が起こったかについて、正確に把握するのが現時点で私が果たすべき職責だ」と述べた。しかし、野党が国会で石破氏の責任を追及する構えをみせている。さらに、身内の自民党幹部も石破氏が防衛省の連絡遅れを強く批判したことに「最悪の対応だ。組織の長としてやってはいけないことだ」と語り、閣僚としての資質に疑問を呈した。

 今回の事故が自衛隊の「最高指揮官」である首相の政権運営に影を落とすことは否定できない。

 就任以来、「福田カラー」を打ち出せない首相は逆に、年金記録漏れ問題などに見舞われ、内閣支持率は低空飛行を余儀なくされている。その折の衝突事故は「首相にとって泣きっ面にハチ」(自民党中堅)となった。

 首相は19日夕、首相官邸で記者団に対し「改善策はある。そういう意識を持ってもらわないといけない。自衛隊、防衛省が、何が大事か考え、どう対応すべきかも考えてほしい」と述べた。

 首相は終日、いらだちを隠せなかったが、自民党内には「首相の言葉は他人事にも聞こえる」(中堅)との声が漏れた。(加納宏幸、杉本康士)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080220-00000069-san-pol

254片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 01:22:20
イージス艦事故:鳩山幹事長「防衛相は引責辞任を」
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は20日、静岡市内で記者会見し、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の引責問題に関し、石破茂防衛相に辞任を要求した。他野党も石破氏の責任を追及する構えをみせており、責任問題の焦点に浮上する可能性が出てきた。

 鳩山氏は衝突事故の報告遅れなどについて「一体、この危機感の薄さは何か。石破氏が怒る以前の問題として、自らの大きな責任を感じないといけない」と批判した。さらに「当然その職にとどまることは難しい大きな責任問題ではないか。私個人の思いでは『大臣お辞めになるべきだ』と申し上げたい」と語った。

 一方、町村信孝官房長官は同日の記者会見で、「一挙に責任問題をうんぬんすることは考えていない。まず捜索に全力を上げ、事実関係を明らかにする必要がある」と述べ、当面は引責問題は保留すべきとの見解を示した。町村氏は首相官邸で開かれた福田康夫首相と全閣僚の昼食会でも「官房長官や首相にも責任はある。心配するな」と述べ、石破氏を擁護した。自民党の尾辻秀久参院議員会長も同日、福岡市内で「防衛相が辞める形で責任を取らなければならないとは思わない」と明言した。

 ただ、自民党国防関係合同部会では「たるんでいたの一言につきるのではないか」(小池百合子元防衛相)など、防衛省の対応への批判も噴出しており、政府は責任問題の収拾に苦慮しそうだ。【坂口裕彦】

毎日新聞 2008年2月20日 22時19分 (最終更新時間 2月20日 23時42分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080221k0000m010125000c.html

255片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:15:42
「12分間何していた」 防衛省「2分前」翻す
2008年02月21日00時47分

 イージス艦「あたご」は、衝突する12分前には漁船清徳丸の存在を把握していた。防衛省が20日夕に明らかにした事実に、行方不明の父子の安否を気づかい続けている漁業仲間が怒りと不信感を募らせた。前日の「2分前に把握した」とする説明と大きく異なる内容。それだけ時間があったら事故は避けられたはず――。専門家も最新鋭艦の対応を批判する。



清徳丸の引き上げ作業を海上で見た後、船を下りる乗組員の親族ら=20日午後3時25分、千葉県館山市の館山港で

 ●12分間何を?

 「12分前に気づけばいろいろ衝突回避措置を取れたはずだ。警笛で知らせることも、針路を変えることもできただろう。漫然と過ごし、気づいたら衝突直前だったというのが実態ではないか」。海難事故に詳しい神戸大大学院の大塚裕史教授(刑法)は話す。

 当時イージス艦は10ノット(時速約19キロ)、漁船の船団は約15ノット(同約28キロ)で航行していたとされ、12分前には衝突地点までそれぞれ数キロ離れていた可能性が高い。

 防衛省の説明によると、あたごは漁船を視認後も自動操舵(そうだ)を続けた。午前4時5分ごろ、あたごの見張り員が右方向に緑色の灯火を確認。1分後、灯火の速度が上がって漁船だと確認し、ようやく後進に切り替え、手動操舵にした。衝突が起きたのはその1分後だ。

 ●自動操舵

 自動操舵について、河野克俊・海上幕僚監部防衛部長は報道陣に、「通常、大海原で針路を変えることもなく安全だと判断する時に使う」と説明。今回の手動への切り替え時期の妥当性を問われると「現時点では評価できない」。

 だが、「自動にしていることが考えられない」と、首をひねる防衛省幹部もいる。

 海難審判に立ち会う海事補佐人を務める松井孝之弁護士も自動操舵を続けたことを疑問視する。「相手船と『見合い関係』になる2カイリ(約3.7キロ)に接近するまで法的には自由に航行できるが、船団そのものとの遭遇を避けるため、早めの減速、回避など取れる対応は多い」と指摘する。

 過去の海難審判で、衝突の危険が迫った段階で船長が操舵室にいないだけで責任を問われたことがあるといい、「イージス艦側の対応は厳しく追及されるべきだ」。

 ●当直交代?

 午前4時は通常当直の交代時間。午前3時55分と、次の午前4時5分に灯火を視認したのは「同じ見張り員だった」と防衛省側は説明し、当直士官以下の当直乗組員が一斉に4時に変わることはない、としている。

 だが、日本財団の山田吉彦広報チームリーダーは「交代時間だったのが影響しなかったのか。見張り要員が最初に視認した情報が当直士官らにどう報告、判断されたのか、組織全体の連携を含め解明すべきだ」と話す。

 ●漁師仲間、怒り・疑問

 12分前には灯火に気づいていたとの情報に、地元漁協の関係者は怒りを新たにした。

 長一丸の渡辺秀人船長(37)は当日、現場海域で、約1.2キロ離れてイージス艦の前を横切った。「小さい船の方が視界が悪い。イージス艦は高性能なんだから、早く動いて絶対に回避すべきだった。やりきれない」と憤った。

 事故にあった清徳丸と一緒に漁場に向かっていた幸運丸の堀川宣明さん(51)も「もし漁船に気づいたなら、自船の航行の方向を知らせるためにライトを点滅させたり、船全体の作業灯をつけて位置を知らせたりするべきだ。フェリーなど一般の大型船は普段からそうした対応を取っている」と訴える。「いずれにしても自衛隊の動きは遅い」

 新勝浦市漁協の外記(げき)栄太郎組合長(79)は「12分も前に気づいていたのに、どうしてぶつかったのか。海保の調べで全容が分かることを期待したい」と語った。

http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY200802200445.html

256片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:16:38
「取材に応じないように」と自衛隊員が発言 父子親族に
2008年02月21日00時34分

 清徳丸の引き上げ作業を見守るため、行方不明の乗組員2人の親族が20日に千葉県館山市を訪れた際、案内した横須賀地方総監部の山崎郁夫幕僚長(55)が親族に対して「報道陣の取材には応じないように」という趣旨の発言をしていたことがわかった。

 親族12人は同日午後1時半ごろ、同市内にある海自館山航空基地にマイクロバスで到着。用意された交通艇で、館山湾内で行われた清徳丸の船首部分の引き上げ作業を約1時間、見守った。報道陣が待機していたが、下船の際に山崎幕僚長が親族に取材を受けないよう話した。

 山崎幕僚長は同日夜、記者会見し、「親族のためになると思って言ったが、不用意な発言だった。報道を制約するつもりで話したのではない。言葉足らずだった」と釈明した。

http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY200802200444.html

257片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:17:45
幕僚長が口止め発言?吉清さん親子の親族に
イージス艦衝突
 海上自衛隊横須賀地方総監部幕僚長の山崎郁夫海将補(55)が20日、行方不明になっている吉清(きちせい)治夫さん(58)、哲大(てつひろ)さん(23)親子の親族らに対し、報道陣の取材を拒否するよう要請したとも取れる発言をしていたことが分かった。

 山崎海将補は、清徳丸を台船へ引き揚げる作業の際、親族と小型船に同乗したが、船から下りる親族らに対し、「報道陣が大勢待ちかまえていますが、取材に応じることなく無視してください」などと発言。報道陣から「加害者が被害者に口止めするのか」と追及されると、「『トイレに行きたい』という人と、船酔いを訴える人がいたため、取材に応じないでそのまま進んでくださいという意味で発言した。口止めと受け止められたなら、おわび申し上げる」と釈明した。

(2008年2月21日00時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080221-OYT1T00023.htm?from=top

258片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:35:00
衝突直前、海自艦の謎 レーダー映ったか 赤灯見えたか
2008年02月20日17時31分

 千葉・房総半島沖でイージス艦「あたご」が19日早朝、マグロはえ縄漁船清徳丸に衝突した事故で、防衛省が明らかにしている情報と、清徳丸の僚船の関係者らによる証言の間には食い違いもみられる。海上で何が起きたのか。未解明の点が残されている中、発生から丸1日たった海域では行方不明の親子の捜索が行われた。



  


 ■メーカー「映るはずだ」

 高性能を誇るイージス艦の水上レーダーに、漁船の群れは映っていなかったのか――。

 事故をめぐる最大の疑問点について、防衛省は、事故から20時間あまりたった19日深夜の会見でも「レーダーに清徳丸が映っていたか否か。また仮に映っていた場合に、乗組員が認識していたかどうか。現時点では不明である」と歯切れが悪かった。

 ただ、「あたご」の対水上レーダーは、最長で約20キロまで見通せる。当時は海も穏やかで、船影が波に隠されていた可能性は少ない。

 会見ではさらに、衝突2分前に目視で確認した「緑色の灯火」についても「漁船とは分からない状況だった。浮いているブイの可能性もある」と述べた。

 こうした場合は、見張り員とレーダー員が相互に情報交換するのが常識だ。が、その連絡が行われたのかと問われると「現時点では分からない」。

 こうした発言に、清徳丸と一緒に漁に出た船長らは強く反発する。

 「我々のレーダーには(仲間の船が)映ってるんだ。海自艦のレーダーには、確実にこっちが映るはずだ」と康栄丸の中ノ谷義敬船長は言う。

 船がレーダーにはっきりと映るように、02年7月建造以降の小型漁船には「レーダーリフレクター」と呼ばれる装置の装着が義務づけられた。93年完成の清徳丸はその義務がなく、05年11月に行われた同船の定期検査でも、装着の記録はないが、漁協関係者によると、全長12メートルの清徳丸ならレーダーに映るはずという。ある船舶レーダーメーカーも「基本的には繊維強化プラスチック(FRP)製でも木造でも映る」という。


 ■僚船「出港時は全点灯」

 「衝突の2分前、右前方に『緑の灯』が見えた」。あたごの乗組員は、防衛省の聞き取り調査に対してこう答えたという。同省は、19日深夜の記者会見で「『赤い灯』に関する情報は入っていない」とも説明した。

 海上衝突予防法では、船舶の左舷に赤灯を、右舷に緑灯を設置することを義務づけている。赤灯は船首から左に112度、緑灯は船首から右に112度の範囲からしか見えず、どちらの色の灯火が見えるか、灯火がどの方向に動いているかによって、自船と相手船の位置関係を目視で把握できる。

 防衛省の説明通り、2分前に緑灯が見えたとすれば、10ノットで北上するあたごの北東側数百〜千数百メートル先を、清徳丸が船首をおおむね南ないし東の範囲に向けて走っていたことになる。

 しかし、清徳丸の僚船は、南西ないし南南西に船首を向けて走っていた。康栄丸の中ノ谷船長は「清徳丸が港を出るときは、電灯は全部ついていた。おれは海自艦の緑灯を見たから、海自艦は清徳丸の赤灯を見ているはずだ」と、疑問を呈した。05年11月の清徳丸に対する検査でも灯火の装備は確認されている。

 日本海難防止協会の増田正司・企画国際部長は「もし防衛省の説明通りならば、清徳丸はあたごとすれ違う方向に進んでおり、そもそも衝突の恐れがほとんどなく、イージス艦、清徳丸双方に回避義務が生じない、ということになる」と言う。

 防衛省は「緑の灯」について、「現段階では右舷灯だったかどうかはわからない」「緑色の光が動き出したので漁船とわかった」と説明している。
http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200802200246.html

259片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:37:19
清徳丸発見は衝突12分前 漁船は35分前に艦船確認 '08/2/21

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 千葉県・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」(艦長・船渡健一等海佐、七、七五○トン)と漁船「清徳丸」(七・三トン)の衝突事故で、あたごの見張り員が事故の約十二分前には清徳丸に目視で気付いていたことが二十日、分かった。あたごはその後も自動操舵(そうだ)を続け、手動切り替えは事故一分前だった。

 海上幕僚監部はこれまで、見張り員が気付いたのは約二分前とし、石破茂防衛相も十九日の自民党部会で同様の説明をしていたが、事実上訂正した。

 清徳丸と航行していた別の漁船のレーダーが事故の約三十五分前にあたごの船影をとらえていたことも判明。あたご側が早い段階で漁船に気付きながら、回避のための適切な対応を取らなかった可能性が一層高まっている。

 あたごの速度は当時約十ノット(時速約十八キロ)で、最初に漁船に気付いた際は三・六キロ程度離れていたとみられる。記者会見した海幕の河野克俊防衛部長は説明を変えた理由を「新たな情報が加わった」と説明。二分前と十二分前に漁船の灯火に気付いた見張り員が同じ人物で、記憶の状況などから、最初に見た漁船が清徳丸と判断したとしている。

 海幕によると、見張り員は十九日午前三時五十五分ごろ、漁船の灯火を認識したが、船はそのまま航行。同じ見張り員が午前四時五分ごろ緑色の明かりに気付いたが漁船と認識できず、一分後に動きだしたため漁船と認識。船を後進させ手動操舵に切り替えたが、四時七分に衝突したという。

 河野防衛部長は自動操舵を続けたことについて「当直士官の認識は分からないが、手動にするのが普通ではないかとわたしは思う」と話した。

 一方、清徳丸と一緒に四、五隻で航行していた漁師仲間は、事故の約三十五分前の十九日午前三時半ごろ、左側から接近するあたごをレーダーで確認していた。

 清徳丸の前方を航行中の幸運丸に同乗していた堀川宣明前船長(51)は「イージス艦は減速せずにまっすぐ進んできた。警笛も鳴らさず、右への回避もなかった」と衝突直前の状況について証言した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802210086.html

260片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:39:51
衝突12分前に漁船左側の灯火を確認
 千葉・野島崎沖で19日に起きた、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、海上自衛隊は20日、衝突する12分前の午前3時55分に、見張り員が最初に清徳丸の灯火を確認したと述べたが、その灯火は、清徳丸の左側にある赤い灯火と白いマスト灯だったことが新たにわかった。この時点では、あたご側に回避義務があったとみられる。

 これは、見張り員が防衛省の事情聴取に対し、明らかにしたもの。

 海上衝突予防法によると、海上では右から来る船が常に優先されることになっている。あたごは、衝突する12分前の時点では、清徳丸とは衝突せずに交わせると判断していた。しかしその後、清徳丸はスピードを上げたとみられ、衝突する2分前には、あたごの右前方まで近づいていた。この時、甲板の見張り員からは、清徳丸の左側が死角になっていて、右側の緑の灯火だけが見えたため、最初に見た船の灯火と認識できず、回避が遅れたと話しているという。

 また、あたごが衝突を回避するためには、自動操舵(そうだ)から手動操舵に切り替えなければならないが、切り替えたのは衝突する1分前だった。

 さらに、この見張り員は、最初に灯火を確認した午前3時55分の数分前に見張りを始めたばかりだったことがわかった。見張り員の交代時間は午前4時だったが、これよりも前に前任者からの引き継ぎを終えて見張りについたところだった。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn/20080221/20080221-00000001-nnn-pol.html

261片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/21(木) 02:45:06
海自イージス艦漁船衝突事故 防衛省、衝突12分前には漁船を認識していたと明らかに
千葉・野島崎沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船が衝突した事故で、壊れた漁船の船体が引き揚げられ、実況見分が行われた。こうした中、新たに防衛省は、イージス艦が衝突の12分前には、漁船を認識していたことを明らかにした。
19日夜から吉清治夫(きちせい・はるお)さん(58)と哲大(てつひろ)さん(23)親子の捜索が続けられている。
仲間の漁師たちも、20日午前3時すぎ、再び事故現場へと向かった。
二人三脚で漁に出ていた吉清さん親子だが、息子の哲大さんは、父親の跡を継ぐため高校を中退し、4年ほど前からはホームレスに魚を届けるなど、ボランティア活動もしていたという。
2人の捜索のため出発していた漁師たちだったが、強風のため捜索を中止し帰港した。
帰港した漁師は「まったくですね...。手がかりないですね」、「潮の流れに沿っていったけど、何も収穫なくて」と話した。
2人の捜索が難航する中、無残な形となった「清徳丸」は20日、館山港で引き揚げられた。
その状況を見守りながら、無事を祈る親族たちは、船体を前にして泣き崩れる人もいた。
清徳丸は、船体のほぼ中央から、直角に分断されていた。
海上保安大学校の三宅教雄元校長は、漁船の残骸(ざんがい)から、イージス艦がぶつかった方向を「ここらは、はがされた感じが見て取れますんで、本船(清徳丸)の左舷側にぶつかったといえるんじゃないでしょうか」と推測した。
清徳丸は20日夜、横須賀港に到着した。
清徳丸の実況見分を行った第3管区海上保安本部は、船内からGPS2台を回収し、衝突時の速度や角度などを調べる予定となっている。
一方、イージス艦「あたご」は、横須賀基地に接岸し、夜を越した。
海上保安本部は、業務上過失往来危険の疑いで、乗組員の本格的な事情聴取を開始した。
「あたご」の見張りが不十分で、漁船の接近に気づくのに遅れた可能性もあるとみて、捜査している。
「あたご」の回避行動が問題視される中、焦点として浮上した見張りの状況について、20日、新たな情報が明らかになった。
河野克俊海幕防衛部長は「午前3時55分ごろ、護衛艦『あたご』の見張り員は、清徳丸の灯火を視認したと思われる。マストと舷灯が、おそらく見えてるはずだと思います」と話した。
防衛省は、「確定的なことは言えない」としながらも、漁船を確認したのは午前3時55分だったことを明らかにした。
衝突したのは午前4時7分で、当初は、発見したのは2分前の午前4時5分としていた。
それが午前3時55分だったということは、衝突まで12分間の余裕があったことになる。
また、午前4時は、見張りの交代時刻だった。
午前3時55分と午前4時6分の確認は、同じ見張りだったが、引き継ぎの影響について、河野海幕防衛部長は「現時点においては、ここのところ(見張り)がまさに、この事故の焦点になるポイントでありますので、私が現段階では申し上げられない」、「それも、一斉にということよりも、例えば当直士官が申し継ぎで交代したら、交代する。この時点で(午前)4時をもって、全員ぱっと交代ということではありませんので、そこは認識していただきたい」と話した。
「あたご」は、その後も自動操舵(そうだ)を続けたという。
自動から手動に切り替え、回避行動を取ったのは、衝突のわずか1分前だった。
河野海幕防衛部長は「当直士官は、『あたご』に後進をかけ、手動操舵に切り替えさせました」と述べた。
指令を出したのは、見張りから報告を受けた当直士官だが、12分前に確認しておきながら、なぜ回避は1分前だったのか。
1988年に、海上自衛隊が起こした潜水艦「なだしお」の衝突事故の際、釣り船側の弁護士をしていた田川俊一弁護士は、当直士官の存在を強調する。
海上事故にくわしい田川弁護士は「12分前に漁船を見たとすると、12分といえば衝突を避けるための動作を取るには、十分な時間なんです。動作の判断ミスがあったとすれば、ブリッジの中では、当直責任者が指揮をしているわけですから、その人の判断の誤りということになります」と話した。
「なだしお」の事故から20年、その教訓は今回、生かされなかった。
田川弁護士は「避航動作を取らなければならないという判断が、できていたのかどうか。まず、(動作は)できていたと思いますが、その動作が遅れたということが、共通した原因です」と話した。
石破防衛相は20日夕方、首相官邸を訪問し、状況の報告を行った。
石破防衛相はその帰り、記者の「回避行動が遅れたのでは?」との質問に、「遅れたっていうのは、誰がそう言ったの? 誰がそのように決めたのかな? それは海上保安庁できちんと捜査をしていることだから」と言葉を返した。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20080221/20080221-00000631-fnn-soci.html

262片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 01:29:44
左舷側から衝突と断定 あたごに回避義務か '08/2/22
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802220077.html


 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、第三管区海上保安本部は二十一日、清徳丸があたごの進路を右から左に横切ろうとした際、清徳丸の左舷中央付近にあたごの船首の先端がほぼ直角に衝突したと断定した。海上衝突予防法は、相手の船を右側に見る船が右にかじを切るなどして衝突を避ける義務があると規定しており、あたご側に回避義務があった可能性が高まった。

 また事故当時、あたごの艦橋にいた当直の乗組員十人全員が、衝突直前の十九日午前三時五十分から四時までに交代していたことも判明した。

 三管本部は、見張りが衝突十二分前の三時五十五分に清徳丸の左舷の赤色灯火を確認後、衝突一分前の四時六分に全速後進をかけるまでの間、なぜ自動操舵そうだで直進を続けたのか、乗組員からさらに詳しく事情を聴く。

 三管本部は二十一日、清徳丸の左舷中央付近から、あたごのものとみられる灰色の塗膜片を採取。右舷にはないことや、あたごの船首の傷などと合わせ、あたごが清徳丸の左舷に衝突して操舵室を直撃、乗り上げるように切断したとみている。

 三管本部によると、あたごの夜間当直は二時間か二時間半交代で、午前四時が交代時刻に当たるが、十分前から引き継ぎをして入れ替わるのが通常。事故当日も午前四時までに艦橋の十人全員が交代していたという。

 三管本部は、あたごの速力、位置、進路などを記録した「航法装置記録紙」のデータや、押収した航海日誌の基になるメモなどを分析。見張りやレーダー担当、当直責任者や操船担当の乗組員らの間で衝突前にどのようなやりとり、判断があったかを解明する。

 また、あたごの水上レーダーの記録はなく、清徳丸の船内から回収された衛星利用測位システム(GPS)も海水に漬かったため、データを取り出すのは困難とみられることも判明。今後、清徳丸の僚船からGPSデータの提供を受け、衝突直前の状況を調べる。

 海上自衛隊横須賀基地の岸壁では二十一日午後、陸揚げした清徳丸の船体を海上保安大学校の道本順一みちもと・じゅんいち教授(海事工学)らが鑑定。角材や分度器を使って船首、船尾部分の切断面の長さや角度を測定するなどした。

263片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 01:31:34
衝突めぐり食い違う主張 レーダー、灯火、点滅 '08/2/22

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸せいとくまる」の衝突事故をめぐり、防衛省と漁協の主張に食い違いが目立っている。「レーダーで漁船を確認できたはず」「(清徳丸とは)別の船の見間違いでは」。漁協側の不信感は強い。三つの対立点を検証した。

 ▽レーダー

 清徳丸の僚船「幸運丸こううんまる」の堀川宣明ほりかわ・のりあき船長(51)によると、幸運丸は十九日午前三時半ごろ、レーダーで約九・六キロ左前方に大きな船影を確認。

 防衛省によると、あたごの見張り員が初めて漁船左舷の赤い灯火を見たのは午前三時五十五分ごろ。双方が認識するのに約二十五分の差が生じている。漁協側は「あたごもレーダーを見ていれば気付いたはず」と主張。

 防衛省側は二十日の会見で「レーダーに何か映っていたか把握できていない」とだけ説明した。

 ▽緑の灯火

 同じく僚船「金平丸きんぺいまる」の市原義次いちはら・よしつぐ船長(54)によると、金平丸は事故前、衝突回避のためにかじを右に切ったが避けきれないと判断し、左に切り直している。

 あたごの同じ見張り員は午前四時五分ごろ、今度は右舷の緑色の灯火を確認。一分後に灯火が動きだし初めて漁船と認識、船を後進させて手動操舵そうだに切り替えた。

 漁協側はこの灯火を「金平丸の光としか考えられない」と訴えるが、「清徳丸の灯火」とする防衛省側は現時点で、再調査を否定している。

 ▽ライト点滅

 堀川船長によると、幸運丸は午前四時ごろ、あたごとの距離が約二・四キロまで迫ったところで右にかじを切り、あたごの前を横切って回避。その約五分後、あたごがライトを四、五回点滅させたのを目撃したという。

 防衛省側はこれまでライトの点滅について言及していないが、漁協側は少なくとも二隻の僚船が危険を感じて回避行動を取っており、ライトの点滅が危険を知らせる「パッシング」だとすれば、あたごは午前四時七分ごろの衝突直前まで危険性を認識していなかったことになる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802220068.html

264片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:42:44
相手がよけると思い込みか 海自イージス艦衝突事故 '08/2/22

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、漁船やプレジャーボートなど小型の船舶と、自衛隊の艦船や大型の貨物船が接近した場合、小回りが利く小型船の方が状況を判断し、動作が重い大型船をよけるケースが多いことが二十二日、海事関係者の話で分かった。

 あたごは衝突十二分前に清徳丸を確認しながら一分前まで回避操作しなかったことが分かっている。あたご側が清徳丸の方がよけてくれると思い込み、ぎりぎりまでかじを切るなどの回避操作をしなかった可能性もあり、第三管区海上保安本部はあたご乗組員や周囲にいた清徳丸の僚船から事情を聴き、衝突寸前の状況を詳しく調べている。

 海上衝突予防法では、船が海上で交差する可能性がある場合、相手の船を右側に見る船が右にかじを切るなどして衝突を避ける義務があると規定しており、今回の事故はあたご側に回避義務があった可能性が高いとされている。

 海事関係者によると、東京湾など大型船や漁場に向かう漁船など数多くの船舶が行き交う海域では、互いに衝突ぎりぎりまで接近することも非常に多い。

 大型船はかじを切っても慣性で曲がりにくく、停船操作をしてもスピードはなかなか落ちない。大型船に回避義務があるとしても、小型船の方が大型船の動きを見てよける実態があるという。

 また海保関係者によると、大型船は前方に漁船が見えた場合、早めに減速して漁船を先に行かせるほうが安全なこともあるとしており、あたごが衝突直前にかじを切らず、全速後進した可能性もある。

 海事関係者は「イージス艦の乗組員は、漁船が避けてくれるはずだと最後まで考えたのでは」と話している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802220097.html

265片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:50:09
石破防衛相、孤立深まる 野党辞任要求、与党冷ややか
2月22日8時1分配信 産経新聞


 海上自衛隊のイージス艦衝突事故を受け、野党各党は21日、参院で過半数を握る「数の力」を背景に石破茂防衛相の問責決議案提出をちらつかせて辞任を迫った。石破氏は重ねて防衛省改革への決意を口にし、続投に意欲を示しているが、与党内にも突き放した見方があり、石破氏は窮地に追い込まれている。

 野党各党は、イージス艦の見張り員が漁船を視認した時間が当初の防衛省の説明より10分早まったことや、首相官邸への連絡の遅れといった対応のまずさを問題視している。民主党の鳩山由紀夫幹事長は21日、視認時間の変更について「防衛省の隠蔽(いんぺい)体質が改まっていない」と批判。「参院で多数を占めている力を行使することは十分あり得る」と語り、石破氏への問責決議案の提出を示唆して速やかな辞任を求めた。

 さらに、同党の菅直人代表代行、共産党の志位和夫委員長がそろって石破氏の辞任を要求したほか、野党4党はこの日の国対委員長会談で、石破氏は辞任すべきだとの認識で一致。22日午前の衆院安全保障委員会での石破氏の説明次第では、衆院予算委員会で追及を継続していく方針も確認した。安保委員会での審議は、防衛相にとって1つのハードルとなりそうだ。

 一方、内閣支持率の低迷が続く福田康夫首相は、政権基盤へのダメージにつながる石破氏の辞任を回避したい意向だ。

 首相は21日夜、野党の辞任要求について記者団に、「今、考えている状況ではないでしょ。ましてや防衛省改革問題もあり、中心的な立場でやっているのだから石破氏がしっかりと対応することが必要だ」と語り、現時点では辞任する必要はないとの認識を示した。

 自民党首脳も「職務権限の瑕疵(かし)がなければ辞任には値しない」と述べた。

 石破氏自身、同日午後には千葉県勝浦市で行方不明者家族のもとを訪れて謝罪するなど、精力的に動いた。

 これに先立つ衆院安全保障委員会で石破氏は「抜本的な防衛省改革案を果敢に実行に移すことこそ、国民の信頼回復につながる方途であると信じる」と語り、持論とする内局(背広組)と幕僚監部(制服組)の混在型組織づくりに向け、全力を挙げる考えを示した。

 石破氏周辺は「防衛相は、ここで辞任してしまえば官僚の抵抗で防衛省改革が骨抜きにされてしまうと考えている」と防衛相の意向を代弁した。

 しかし、与党内からは、イージス艦が漁船を視認した時間を変更した問題に関し、「加害者の防衛省が自分に都合のいいように説明を変えている」(自民党国防関係議員)、「確認が十分に取れない情報は軽々に発表すべきではない」(防衛庁長官経験者)と防衛省の対応のまずさを指摘する声が出ている。

 公明党幹部は「与党だからこちらから石破氏の辞任論をぶち上げるわけにはいかないが、かばっているという風にも見られたくない」と語り、石破氏を突き放した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080222-00000088-san-pol

266片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:53:47
見張り員伝達怠りか イージス艦 清徳丸発見当直交代の直後
2008年2月22日 朝刊


 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」が千葉県・房総半島沖でマグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故で、衝突十二分前に清徳丸を発見したあたごの見張り員が、この情報を他の当直員に伝えていなかった可能性が出てきた。その後、この見張り員は清徳丸を見失ったとみられ、再び灯火を発見するまで、十分間の空白が生まれた。回避が遅れた背景に、情報伝達の不備があった疑いが強まった。清徳丸の父子は依然見つかっていない。 

 艦橋から張り出した外の甲板にいる見張り員と艦橋内との連絡は、通話機が付いたヘッドセットで行う。ヘッドセットを着けているのは、左右の見張り員一人ずつと艦橋で水上レーダーを監視するレーダー員、それに下の階にある戦闘指揮所(CIC)にいるレーダー員の計四人。

 見張り員が発見した船舶の情報は、水上レーダーで確認するため、必ずレーダー員に伝えなければならない。艦橋のレーダー員がこれを復唱し、情報は艦橋にいるすべての当直員が共有できることになる。仮にレーダー員が復唱しなければ、見張り員が復唱を求めることになっている。二十一日までの海自の調べに右舷の見張り員は、十九日午前三時五十五分に清徳丸の白と赤の灯火を発見したと話した。距離は余裕を持って監視を続けられる約四キロメートルとみられる。さらに双方が接近すれば「警笛を鳴らす」「かじを切る」などの回避措置が必要になる。

 事故当時、当直員は十人いた。仮に衝突の十二分前に清徳丸発見の一報が艦橋内に伝われば、全員の注意が清徳丸に向き、今回の事態は避けられた可能性が高い。

 だが、あたごは清徳丸に注意を払うことなく、自動操舵(そうだ)のまま一〇・五ノット(時速約一九キロ)で航行。衝突二分前になって同じ見張り員が緑の灯火をみつけるが、清徳丸と認識できず、一分前になって当直士官が後進いっぱいを命じ、手動操舵に切り替えた。これは「全舷停止、かじ中央」と呼ばれる最後の緊急避難措置にあたる。

 当直員の交代は午前三時四十五分ごろ行われ、十人全員が交代。右舷見張り員が清徳丸を発見したのは交代直後だった。

海自側の回避義務濃厚
 千葉県・房総半島沖で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が、マグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故で、第三管区海上保安本部(横浜市)は二十一日、清徳丸に残された塗膜片などや破損状況から、あたごの艦首が清徳丸の左舷に衝突したと断定した。三管本部では、あたご側に海上衝突予防法に基づく回避義務があったとみて調べている。

 三管本部が行った清徳丸の実況見分によると、分断された船首左側の破断面からは、あたごのものとみられる灰色の塗料が採取された。塗料が付着していた破断面は清徳丸の操舵(そうだ)室の真下にあたり、あたごの艦首が操舵室を直撃し、一気に船体を切断した可能性が高い。状況などから、あたごは前方を右側から左側に航行する清徳丸の船腹に直角に近い状態で衝突したとみられ、回避義務はあたご側にあったとみられる。

 一方、三管本部の調べによると、午前四時前に、当直任務にあたる乗組員が交代。この当直交代が事故に何らかの影響を与えた可能性もあるとみて、乗組員らから引き続き事情を聴いている。

 また、回収された清徳丸の衛星利用測位システム(GPS)二台は海水に浸っていたため、解析は極めて困難という。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008022202089517.html

267片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:54:31
イージス艦、海保通報は16分後 幹部「遅すぎる」
2008年02月22日10時24分

 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故で、海上保安庁に最初の連絡が入ったのは、事故発生から16分後だった。88年の潜水艦「なだしお」の事故では通報が遅れて批判を浴びた海自。清徳丸に乗っていた父子2人の捜索が難航するなか、、今回も「なぜもっと早く通報できなかったのか」との批判が出始めている。教訓は生かされなかったのか。

 「(通報が早ければ)少なくとも十数分は早く立ち上がれた。早期発見の可能性はその時間の分だけ大きくなった」

 21日の定例会見で、第3管区海上保安本部(横浜市)の島崎有平本部長はこう発言した。

 事故発生は19日午前4時7分ごろ。あたごが無線で3管に「艦首部分が漁船にぶつかった。漁船が二つに割れた」と通報したのは同23分だった。

 海保が、東京・羽田にあるヘリコプターや巡視船艇に現場に向かうように命令したのは通報から4分後の同27分。比較的近くにいた巡視船艇などが順次出発し、ヘリも必要な装備を調え、特殊救難隊員3人を乗せて午前5時5分に飛び立ち、現場には同48分に到着した。発生から約1時間40分後だった。

 海保は、船舶電話や携帯電話からの「118番通報」や無線の受信体制を強化し、船舶運航者らに事故発生の早期通報を呼びかけてきた。それだけに幹部は「遅すぎる。16分間、一体何をしていたのか」といぶかる。

 小人数しか乗っていない船同士の衝突であれば、限られた人数で人命救助にあたらなければならず、結果的に通報が遅れることも想定される。

 しかし、あたごは当時、当直士官ら10人以上が操艦していた。「船体が大きいために衝突の状況を確認するのに一定の時間がかかるのはわかるが、十分に訓練をしていれば手分けして速やかな通報が可能だったのではないか」。海保の幹部はそう指摘する。

 88年に東京湾・横須賀沖で潜水艦なだしおと大型釣り船の第1富士丸が衝突して30人が犠牲となった事故の海保への通報までの時間は21分。なだしおから直接ではなく横須賀地方総監部を経由したために遅れが生じた。今回はあたごから直接通報が入ったのに発生から16分だった。「20年で5分の短縮では、改善されたとは言い難い」と海保幹部は批判的だ。

 防衛省によると、事故時が当直態勢の場合は、当直士官ら幹部が通報を指示するのが基本。人命にかかわる事故の場合、訓令で「直ちに」海保に通報するよう定めているが、時間までは規定していない。自艦の位置情報や、相手船はどうなっているかなど現状把握の必要もあり、最優先の救助活動とともに時間を要するのも現実。夜間航行では、さらに時間が必要になってくる。

 同省幹部は今回の対応について「(必要な作業があり)ある程度の時間がかかった」とする。だが、当直員が複数いたことを踏まえると、海自OBは「時間がかかりすぎとは断じられないが、もう少し早くならなかっただろうか」と話す。省内にも「検証する必要はある」との声もある。

http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200802210389.html

268片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:55:24
海自イージス艦・漁船衝突:防衛相辞任論を警戒 政府、海幕長更迭で収拾か
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、政府・与党は石破茂防衛相への引責辞任論が強まるのを警戒し、もともと3月の人事で退任するとみられていた海自トップの吉川栄治・海上幕僚長の更迭で責任論に幕引きしたい考えだ。ただ、次々に露呈する海自の失態に、世論の非難とともに野党からの辞任圧力も強まる一方。対応を誤れば「ねじれ国会」に苦しむ福田内閣の命取りにもなりかねない。【須藤孝、古本陽荘】

 福田康夫首相は21日、石破氏辞任の可能性を否定。防衛族のベテランである山崎拓前自民党副総裁らも「政治問題化する可能性がある。党内が足並みを乱してはならないと特に警告しておきたい」と擁護論を展開した。

 しかし、政権中枢が今後の展開を楽観しているわけではない。被害者家族らへの対応などで不手際があれば、批判が石破氏に向かい辞任論に火が付く可能性もあるからだ。首相の辞任否定は「今は」という限定付きだった。町村信孝官房長官も20日の記者会見で「事実を明らかにする作業が一定程度済んだ後で、そうしたこと(防衛相辞任)なども含めて考えていかなければならない」と述べた。

 一方、民主党は海上自衛隊の不手際が続いている状況を、政府・与党を追い込むチャンスと見ており、鳩山由紀夫幹事長は21日「防衛省のおごりが、この事故を引き起こした」と強調した。

 昨年9月の遠藤武彦元農相の辞任は、民主党が問責決議案をちらつかせたことが決定打となり、弱体化していた安倍晋三内閣の総辞職につながった。鳩山氏が21日、石破防衛相の問責決議案に言及したのも、支持率が低迷する福田内閣に世論を背景に打撃を与える狙いがある。

 とはいえ、参院で問責決議案を可決すれば政府・与党との全面対決となり、今国会の焦点となっている日銀総裁人事にも影響を与える。山岡賢次国対委員長は「(鳩山氏の発言は)個人的な見解。とりあえずは様子を見る」と静観する考えを示した。

 鳩山氏にも、失言が相次ぐ実弟の鳩山邦夫法相への問責決議案には言及していない弱点がある。同氏は「問責決議の前に防衛相自身が自発的な意思を示してほしい」と指摘しており、抜かない「伝家の宝刀」でけん制している側面もある。

毎日新聞 2008年2月22日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080222ddm002040048000c.html

269片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:33:29
イージス艦、当直交代で監視手薄か 回避措置を取らず? '08/2/23

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、衝突十二分前に清徳丸の灯火を視認した右舷側の見張り隊員が、艦橋内のレーダー担当の隊員らに情報を伝達しなかった疑いがあることが二十二日、第三管区海上保安本部などの調べで分かった。

 事故は、艦橋の当直員十人全員が交代した直後に発生。三管本部は、見張りとレーダー担当の連携ミスや、当直員の交代で監視が手薄だったことが事故につながった可能性が高いとみて、交代前後の当直員二十人から事情を聴いている。

 石破茂防衛相は同日の衆院安全保障委員会で、あたごが衝突一分前まで自動操舵(そうだ)を続けたことについて「太平洋のど真ん中と同じ自動モードならば適切ではないのではないか」と述べた。

 三管本部や防衛省によると、右舷と左舷、後部甲板で、見張りが接近する船を発見した場合、艦橋にいる伝令を通じ水上レーダー担当、戦闘指揮所(CIC)のレーダー担当らに情報を伝え航跡を確認。責任者の当直士官が判断し操船担当者に指示を出す。

 事故があった十九日は、衝突直前の午前三時五十分ごろから四時までの間に当直員全員が交代。右舷の見張りは、衝突十二分前の同三時五十五分に清徳丸の灯火を見つけたが、レーダー担当らに伝えていなかったとみられる。

 三管本部は、あたごが衝突一分前に全速後進に切り替えるまで自動操舵で直進し、警笛を鳴らしたり右にかじを切ったりする海上衝突予防法で規定された回避措置を取らなかった可能性が高いとみている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802230131.html

270片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:34:28
「連携不足」なぜ起きた 乗組員の練度、疲労に注目 '08/2/23

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」の衝突事故で、あたご乗組員が事故の十二分前に見つけていた「清徳丸」の灯。情報は生かされず、衝突という最悪の事態を招いた。乗組員の連携不足の疑いが浮上する中、専門家らからは乗組員の練度や疲労の問題を指摘する声が上がっている。

 防衛省の説明では、あたごの見張り乗組員は事故十二分前に赤色の灯を確認し、次に緑色の灯をみたのは二分前。この間の対応は明らかになっておらず、見張りがレーダー担当に情報を伝えていなかった疑いもある。

 軍事評論家の岡部いさく氏は「灯を見失ったのか、漫然と放置したのか。いずれにせよ見張りのスキルに問題がある。原因究明には乗組員の経歴や訓練状況の確認が必要」と指摘。さらに「長い航海の疲れが影響していなかったのか、乗組員の疲労度も調べるべきだ」としている。

 岡部氏は事故が見張りの交代時間直後に起きたことにも注目。「やり慣れた仕事や相手でも、集団作業はチームワークが生まれるまで若干の時間を要する。そこにすきが生まれた可能性もある」と分析している。

 当時の見張りのやり方には別の視点からも疑問の声がある。

 海上保安庁によると、すべての船には海上衝突予防法に基づき進行方向を示す赤と緑の「航行灯」や、白色の「マスト灯」「船尾灯」など複数の灯を表示。灯の組み合わせで航行中か漁中か、漁の種類まで判断できるという。

 同庁関係者は「船の状態を把握するためには、一瞬見るだけではなく継続して灯の状態や動きを追うのが常識だ」と話している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802230098.html

271片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:42:55
イージス艦事故:見張り員「漁船が避けると思った」
 千葉・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、あたごの見張り員が衝突12分前に清徳丸とみられる漁船の灯火を確認した際、「相手が避けると思った」との趣旨の話をしていることが分かった。横須賀海上保安部(神奈川県横須賀市)は、あたごが清徳丸の左舷からほぼ直角に衝突したとみており、あたごが回避義務を怠った疑いが一層強まった。

 横須賀海保の調べでは、清徳丸は船首部(11〜11.4メートル)と船尾部(5.8〜4.1メートル)の二つに分断され、操舵(そうだ)室がほぼなくなっていた。切断面に近い船首部の左舷側に、あたごの塗装とみられるグレーの塗膜片が計4カ所付着していた。

 一方、あたごは艦首部分に清徳丸のものとみられる3色の塗膜片や傷が確認されたことから、同海保は2船がほぼ直角に衝突したとの見方を強めている。

 防衛省などによると、あたごは衝突12分前に見張り員が清徳丸の左舷のものとみられる赤灯を発見した。衝突した場所の約4キロ手前、両船の距離は9キロ程度あったとみられる。

 海上衝突予防法は船が海上で交差しそうになった際、他船を右方向に見る船が右に避けるルールを定めているが、あたごは自動操舵を続けた。

 見張り員は関係者に「(このまま進んでも)避けられると思った」と話しており、漁船側が避けると判断したとみられる。清徳丸の僚船の船長らは「自衛艦など大型船は、小回りが利く漁船が回避すると思い込み、自分たちは漫然と進んでくる」と批判している。

 灯火を発見したことは、見張り員からレーダー員には伝わらないままイージス艦は自動操舵で前進を続け、同じ見張り員が再び灯火に気づいたのは衝突2分前、漁船と認識したのはわずか1分前で、全力で後進をかけたが間に合わなかった。

 こうした点から同海保は、あたごの見張り員の危険回避の判断が遅れたことが事故原因の一つとみて、引き続き事情聴取を進める。

毎日新聞 2008年2月23日 2時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080223k0000m040151000c.html

272片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:43:29
イージス艦事故:視認時間、防衛相1日で変更
 「衝突2分前に初めて視認」が「衝突12分前には視認していた」に。今回の衝突事故で、石破茂防衛相が自民党国防部会で説明した事故状況が、1日で大きく変わったことに批判が集まっている。海自側は「新たな情報が加わったから」と釈明するが、実は前日の聴取内容が内局や防衛相に正確に伝わっていなかった。大事故に直面し、「背広組」と「制服組」の間に不協和音が聞こえる。

 石破防衛相は事故発生当日の19日夕、海自の事故調査委員会があたごの乗組員から事情聴取した内容を自民党国防部会で説明。「あたごの見張り員が衝突2分前に右側に緑色の明かりを見た」という内容だった。ところが20日夕、防衛相は同部会で「(同じ)見張り員が衝突12分前に灯火を見ていた」と修正した。

 海自側は修正の理由を「新たな情報が加わったから」とのみ説明したが、伝達の時間差が原因だった。海自事故調は、19日夕に横須賀海上保安部が強制捜査を始める前、携帯電話などで乗組員から事情を聴いた。この際、2人の調査担当者がそれぞれ見張り員から「2分前」「12分前」と聞いたが、報告に時間差ができたため、19日には「2分前」だけが防衛相に伝わったという。

 正確な情報が海自から防衛相に伝わらなかったため迅速な情報開示ができず、与党側からも批判が出ている。石破防衛相は22日の衆院安全保障委員会集中審議で「(情報が)入ってくる時間が違ったり、情報の入手先が違うために(公表内容が)異なることは当然ある」と答弁した。【加藤隆寛】

毎日新聞 2008年2月23日 2時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080223k0000m040152000c.html

273片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/24(日) 04:40:51
発見、判断で「多重ミス」の疑い イージス艦衝突事故 '08/2/24

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 イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の原因究明は二十三日までに、あたご乗組員による清徳丸発見が遅れ、操船担当隊員へ伝達も機能しなかった上、漁船団で込み合う海域へ自動操舵(そうだ)を続けた当直士官の判断という「多重ミス」の疑いが核心として浮上してきた。

 海上自衛隊側は情報開示に消極的で、約二十年前の「なだしお」事故のような事実隠しが行われているのではないかとの疑念もくすぶっている。第三管区海上保安本部(横浜)は乗組員の事情聴取などを進めているが、防衛秘密の壁もあり捜査は長期戦の様相だ。

 防衛省の説明では、あたご側が清徳丸の灯火を視認したのは十九日午前三時五十五分。衝突十二分前で、この時なぜ回避措置をとらなかったかというのが第一の問題点。

 本来ならただちにレーダー担当の隊員に灯火発見を伝え、当直士官が衝突回避に必要な措置をとる。ところが、あたごは海上衝突予防法で規定される警笛吹鳴や右旋回などをするどころか、清徳丸をはじめとする漁船団で込み合う海域へ自動操舵での前進を続けた。艦内が危険情報の伝達不全に陥っていた可能性が濃厚だとみられている。

 漁船発見自体、遅すぎるのではないかというのが第二の問題点だ。漁船のレーダーには衝突の約三十五分前にあたごが映っていた。あたご側も早い段階で漁船団をレーダーで見たのに当直交代で十分引き継がれず、きちんと認識したのが衝突十二分前だった。

 これらの怠慢を呼び込んだとみられる第三の問題点が、混雑水域への警戒指示が不十分だった疑いのある当直士官の判断。衝突の危険を乗組員が意識していれば、漁船の発見、回避に緊張感を持って当たり、事故が防げた可能性が高い。

 今回の事故は、一九八八年の海自潜水艦「なだしお」と釣り船の衝突事故と類似点もある。約四分前に気付いたなだしおは回避措置を取らず前進、衝突一分前にかじを切ったが間に合わず三十人の犠牲が出た。なだしお裁判で明らかになったのが航泊日誌や海図の改ざんだった。

 あたご事故で、防衛省は当初「二分前に灯火を発見した」と発表していながら「十二分前」にさかのぼった理由を「新たな情報が加わった」(海上幕僚監部の河野克俊防衛部長)と説明した。

 捜査中とはいえ、防衛省は情報の国民への開示に消極的。行方不明の吉清治夫さん(58)、長男哲大さん(23)の親族に海自横須賀地方総監部の幕僚長が「あそこに報道陣がいますが、知らんぷりしてください」と求めたことも判明している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802240076.html

274片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/25(月) 01:32:43
区切りつけば自ら進退判断 石破防衛相 イージス艦衝突事故で(02/25 00:06)
 石破茂防衛相は二十四日、NHKの討論番組で、イージス艦衝突事故で野党が引責辞任を求めていることに関し、原因究明と再発防止に努めることで責任を果たす考えを、あらためて強調した。その上で、一定の区切りがついた段階の対応について、「進退はいつも自分の胸の中に置いている。関係者の気持ちに応えることはどういうことか、自分で判断する」と語った。

 石破氏は、防衛省の情報開示に対し、消極的との批判が出ていることについて、「一方の当事者が捜査中の事柄についていろんな情報を出すことはあってはならない。海上保安庁の捜査が厳正に行われるため、今の時点でイージス艦乗組員とは接触していない」と釈明した。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/77911.html?_nva=4

275片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 09:53:43
イージス艦衝突事故で防衛省に批判集中/漁船発見時刻で説明転々

 イージス艦衝突事故で、防衛省が「衝突十二分前」に漁船を発見していた事実を事故翌日夕方まで公表していなかったことが二十六日、判明した。事故が起きた十九日から防衛省は情報を小出しにし説明内容も次々と変え“情報隠し”の体質があらわに。別の口実で航海長を呼び事情聴取したことも表面化。野党は石破茂防衛相への辞任要求を一層強める一方、与党内からも突き放す声が上がり始めた。

 ▽しどろもどろ

 事故当日の十九日午後五時、石破氏は自民党部会で「漁船発見は衝突二分前」と説明した。その三時間半後、石破氏は「不確定ながら九分前」と連絡を受けたが、発表せず事実確認を指示。この情報があったにもかかわらず、海上幕僚監部の河野克俊防衛部長は同日午後十一時、「二分前」と発表した。

 防衛省は二十日午前三時前まで乗組員からの事情聴取を進め、午前八時半、石破氏に確定情報として「十二分前」と伝えた。防衛省はすぐに発表せず「新たな情報が加わった」と「十二分前」と訂正したのは同日午後だった。

 二十五日午後の記者会見で、増田好平防衛事務次官は「情報隠しには当たらない」と強調してみせた。だが記者団が「十二分前」の公表が遅れた理由を追及するとしどろもどろに。二十六日午前零時すぎ、急きょ会見した防衛省幹部が「十九日午後八時半には発見がさらに早かった可能性があると石破氏に伝えた」と明らかにした。

 ▽聞く耳持たず

 「伝統墨守」「唯我独尊」。防衛省内で海上自衛隊をやゆする際に使われる言葉だ。同省幹部は「海自は極めて安定した組織だが保守的で、他人の批判に耳を貸さないところがある」と解説する。

 一九八八年の潜水艦「なだしお」と釣り船との衝突事故で航泊日誌や海図を改ざん、インド洋での給油活動では給油量の間違いを把握しながら放置…。これまでも海自は“情報隠し”の失敗を繰り返してきた。海自幹部は「情報がきちんと上がらないのは組織として本当に恥ずかしい。緊張感がなさすぎる」と頭を抱えた。

 衝突された清徳丸が所属する新勝浦市漁協の外記栄太郎組合長は「清徳丸側から話が聞けないんだから(防衛省側から誤った情報が出ると)真実と違ってしまう」とあきれ顔だ。

 ▽攻防激化

 「内局広報と海幕広報の情報共有ができていなかった」。衆院安全保障委員会で社民党の辻元清美氏に公表遅れを追及された石破氏は、背広組と制服組のあつれきに原因を求め、自身の引責辞任は重ねて否定した。

 これに対し民主党は国会審議で情報工作や隠ぺいの意図などを厳しく追及し、新たな事実が明らかになれば野党が過半数を占める参院での問責決議案の提出も検討する構え。小沢一郎代表も記者会見で「失態を隠す行為は責められるべきだ」と防衛省を強く批判した。

 一方、自民党には危機感が充満。「石破氏が辞任に追い込まれれば、支持率が低迷する福田政権には大打撃」(中堅幹部)。尾辻秀久参院議員会長も二十六日の役員連絡会で「自衛隊は海上保安庁に調べられている立場。言えないこともある」と石破氏をかばった。

 だが、公明党の漆原良夫国対委員長は国会内で記者団に「防衛省の情報の出し方がすっきりしない」と不信感をあらわにした。そして付け加えた。「本当に隠ぺいであれば(石破氏の)進退問題になってしかるべきだ」
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2008/0226.html

276片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:10:47
“聴取の内容 覚えていない”
http://www3.nhk.or.jp/news/2008/02/28/k20080228000028.html

海上自衛隊のイージス艦と漁船の衝突事故をめぐり、防衛省の増田事務次官は、27日夜、記者会見し、事故当日の午後、石破防衛大臣らとともに、イージス艦の航海長から直接事情を聞いた際、正式な発言記録をとっていなかったと説明したうえで、「どんな内容だったか覚えていない」と述べました。
今回の事故で、防衛省は、捜査にあたる海上保安庁の事前の了解を得ずに、事故の4時間後、イージス艦の航海長をヘリコプターで東京・市ヶ谷に呼び、事情を聞いていたことがわかっています。これについて、増田事務次官は、27日夜行った記者会見で、海上保安庁の了解を得ていたとするこれまでの説明は虚偽だったのかと問われたのに対し、「海上保安庁と認識のそごがあるが、その可能性はまったく排除できるわけではない」と述べました。また、増田次官は「当日の正午から大臣室に航海長を呼び、石破防衛大臣やわたし、統合幕僚長ら幹部10人程度で事情を聞いた」と説明したうえで、その内容について「正式な議事録はとっていない。メモをとっていたかどうかもわからないし、少なくとも自分はとっていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べました。今回の経緯について、防衛省は、当初、航海長から海上幕僚監部が聞き取った内容を大臣に報告したと説明しており、増田次官は「不正確で、事実と違う説明をしたのは問題がある」と述べました。石破大臣は、27日、「事情聴取は、防衛省として、一刻も早く事故の情報を把握して、対外的に説明する必要があると考えての行動だった」と述べていますが、事故直後にどのような情報を入手していたのか、防衛省はあらためて説明を求められることになりそうです。

277片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:23:54
【官房長官会見】「まったく問題ない イージス艦事故情報の報告」(26日午前)
02/26 11:32更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/125582/

 町村信孝官房長官は26日午前の記者会見で、イージス艦衝突事故で、清徳丸の発見が12分前だったとの情報を福田康夫首相に半日間報告していなかったことについて、「まったく問題ない。一体何が問題なのか、逆に聞きたい。事故の様子はできるだけ早く連絡をするべきだが、その後のいちいちの情報の発表のタイミングまでみなさんが問題にするのは、よく分からない」と述べた。会見の詳細は以下の通り。

【イージス艦衝突事故】

「それから、私のほうから今週衆院の予算通過のヤマ場というべき重要な1週間ですから、各閣僚のみなさん方の一層のご尽力を願いたいという話をしておきました。次に防衛艦の衝突事故の関連でございますが、ちょうど本日で1週間たったところでございます。捜査状況については海上保安庁による捜査が行われている最中でございまして、いろいろな事実関係を明らかにしたり、また、関係者からの事情聴取などを行っているところでありまして、衝突の原因を究明していくことで、関係者の刑事責任について調べていくものと理解をしております。こういう、まだ調査がいつ終わるかどうか必ずしも分からない状態でございますので、いつごろ終結するかということを申し上げる状況ではございませんけれども、衝突原因の早期救命を行うことにより、また今後の再発防止ということも可能になってくるんだろうと思います。現場海域では海上自衛隊はもとよりでございますけれども、海上保安庁、水産庁、千葉県、海洋研究開発機構、および漁船などが一生懸命捜索をしております。残念ながらお二人は発見・救助には至っておりませんけれども、たとえばウインドブレーカーが見つかったり、清徳丸の船舶検査関係書類が見つかったり、浮きが発見されたりしております。また『かいよう』が海底で人工物を発見しておりますけれども、これが清徳丸のものであるかどうか、必ずしもよく分かっていない。ローラーとか、ホースとか、電池とか、ケーブルがついた箱等が発見はされているようでございます。いずれにいたしましても、捜査活動および現場での調査等を全力を挙げてやっている最中だというのが、ちょうど1週間たった現在の姿かと思います」

 −−イージス艦の事故で防衛省の広報についてだが、清徳丸に気付いた時間について、2分前と公表していたのを、12分前という情報が入っていたにもかかわらず2分前と説明を続けていたことが明らかになったが、広報のあり方について防衛省側に問題があったと思わないか
「その件は石破大臣がもう記者会見等々で、お話になったことと思いますから、私からあえてあまり補足して申し上げることはないと思いますけれども、いずれにしても十分な確認をしないで説明がいろいろ変わるというのは適切なことではないだろうと思いますが、必ずしもそのときの防衛省がどういう状況にあったのか私もよく分かりかねるところがありますから、詳しくは防衛省のほうにどうぞお問い合わせください」

 −−違った情報が上がっていながら、当初の2分と、ずっと説明し続けていたのはミスリードだと思うが、いかがか
「もし十何分で訂正するなら、それをよく確認してから言うべきだということです。確認に時間がかかったということではないでしょうか」

 −−それは分かるが、2分というのはとりあえず確認中で・・・
「私は2分というときに、どういう説明をしたのか詳しくはよく分かりませんから、そこはどうぞ防衛省にご確認ください」

 −−12分という情報の訂正は総理と官房長官にいつごろ上がったのか
「まあ、それは翌日のですね、夕方に国防部会があるということで、自民党国防部会の説明の文書が官邸に報告をされております。しかしそのことがどれだけの今、ご質問の意味があるのか、私はまことに不明ですけれどもね」

 −−きょう石破大臣から先ほど説明を受けたが、どのような報告を受けたか
「正確を期すのに時間が多少時間がかかったという話でした」

278片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:24:29

 −−長官から指示は
「いや、それは聞いただけです」

 −−こうした一連の問題がある中で、石破大臣の進退問題について野党はずっと言っているが、長官は進退問題について改めてどう思うか
「どなたかがそんなに問題視しているのでしょうか」

 −−特に責任問題は浮上しないということか
「それはマスコミのみなさんが浮上させようと思って報道すれば、それは浮上するかもしれませんけれどもね。総理もですね、韓国の会見だか、あるいは懇談の場で、防衛省、まず原因究明を一生懸命行やっている段階ではないか。あるいは、捜査が行われている段階ではないか。あるいは救助活動も行われている段階ではないか。そういう段階で責任問題をすぐ持ち出すのはいかがなものかというご発言もしておられますし、また今、防衛省改革会議、防衛省に関するどういう改革をするかという議論がまっさかり。これをですね、まとめなければいけないわけですけれども、それを一連の防衛省改革の一環として、今回の事故がなぜ起きたかということも位置づけていくことになるんだろうと私は思います。また近々、改革会議も開かれますけれどもね。その問題をしっかりと取り組める、また取り組んでいるのが石破さんですし、その石破大臣が説明責任をまっとうすることが今、大切だということを総理は述べておられます。私もその通りだと考えております」

 −−防衛事務次官が記者会見で、12分前という報告を受けたのは20日の昼ごろと話しているが、実際は前日の19日の夜だったが、明らかに誤ったデータだと思いますが、次官の発言は重いと思うが
「事務次官の発言のいちいちまで私、留意する立場にございません。そこはどうぞ防衛省にお聞きになってください」

 −−きょう石破防衛大臣から正確を期すために時間がかかったという説明があったが、長官として理解できるか
「はい」

 −−適切な対応だったか
「適切であるもないも、それは確認に時間がかかったという事実を石破さんは述べたんだろうと思います」

 −−12分前という情報が官邸に伝わったタイミングというのは問題は
「まったく問題ないんじゃないでしょうか。何が一体それ、問題なのか、逆におうかがいしたいですね。事故の様子というのはできるだけ早く連絡をするべきものとは思いますが、その後のいちいちの情報の発表のタイミングまで、それがいつ官邸に届いたか、そのことを何でみなさん方がそんなに問題にするのか、率直に言ってよく分かりません。適宜適切に報告は上がってきております」

279片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:24:50
航海長聴取は問題なのか イージス艦事故
02/27 22:27更新
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、防衛省が、海上保安庁の捜査前にあたごの当直士官だった航海長をヘリコプターで省内に呼び、事故に関する聴取を行っていたことを一部のメディアや政治家が問題視している。だが、組織、とりわけ軍事組織が、早い段階で状況把握することは鉄則である。今後、事故後の対応をめぐり、一方では「情報公開の遅れ」を批判されている防衛省・自衛隊が、いかなる初動態勢を整備すべきなのか、二律背反の“宿題”を突きつけられた格好だ。(野口裕之)

 防衛省が航海長をヘリで東京都新宿区の省内に呼んだのは、事故から約6時間後の19日午前10時すぎ。約2時間にわたり聴取し、再びヘリであたごに戻した。
 艦橋において、事故前の態勢を掌握していた前任の当直責任者である当直士官に出頭を命じたのは、組織である以上、自然である。しかも、この当直士官はたまたま、航海長であった。「航行、信号、見張り、操舵(そうだ)、気象およびこれらに係る物件の整備に関する業務を所掌」(自衛艦乗員服務規則)する航海長の責任・専門性を考えれば、その人選は、二重の意味で適正であった。艦長は艦(ふね)から絶対に離れてはならないし、ナンバー2の副長は、事故前の艦内事情に当直士官=航海長ほど精通していないためだ。
 医療事故でも、警察当局の捜査とは別に、病院側が担当の医師・看護師らに事情を聴く。隠蔽(いんぺい)するための「口封じ」を目的とした悪質な場合もあるだろうが、通常は組織としての対応・対策を決定するために行われる。例えば、新聞記者が交通事故を起こせば、新聞社のしかるべき幹部が、本人に状況を確認しようと努力するはずだ。
 航海長への聴取が問題となることは、日本が「普通の国」でないことに起因する。実はこちらの方が格段に深刻だ。海上事故に関して、自衛隊には裁判権が与えられておらず、とりわけ民間との事故では事実上、海保に捜査権を委ねることが慣例化しているからだ。
 だが、軍事法廷を廃止したベルギー軍や、制度は法律上で担保されているものの、現実には軍事法廷が設置されていないドイツ軍など一部の国軍を除き、軍隊における捜査・裁判権の独立は国際的な常識だ。
 米海軍の場合、事件規模に比例し、階級・権限を考慮して任命される指揮官が調査を統率する。調査後、予備審理で軍事法廷が必要か否かが、指揮官により判断される。必要とされる場合、文官が就任する海軍長官直属である法務総監隷下(れいか)の法務官が裁判の準備・進行を務める。この時点で、司法の独立性が担保されるのだ。
 部隊と司法とのスムーズな連携により、イージス艦衝突事故に見られるような「情報の錯綜(さくそう)や遅れは極限まで回避できる」(米軍筋)という。
 今回、防衛省・自衛隊は捜査に当たる海保への妨害を避けようと努力はした。だが、海保の聴取後の深夜、携帯電話などで短時間、話を聴くなど事実上の制約があったこともあり、結果として不完全な情報を社会に公表してしまった。情報公開の遅れもまた、防衛省・海自を取り巻く情報収集の限界に、一部は起因している。
 自民党の伊吹文明幹事長は27日昼の政府・与党協議会で、石破茂防衛相の情報公開の遅れについて「海上保安庁が司法的権限を持って捜査中であることが世の中にわかっていない」と述べた。石破氏を擁護したのだろうが、司法警察が事実上の国軍を取り調べる、国際的にはほぼ考えられない構図を、国民も政治家も奇異に思っていない証左である。
 憲法に軍事法廷など「特別裁判所」の設置禁止条項がある限り、防衛省・自衛隊は将来にわたり、こうした批判を受け続けるはずだ。しかも、「今回の事件を受けて、拡大されなければならない防衛省・自衛隊の権限は逆にますます、封じられるだろう」(元海上幕僚長)。軍事法廷のない自衛隊は、世界有数の装備を有する「警察」の道を歩み続けるのだろうか…。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/125924/

280片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/29(金) 09:55:27
イージス艦事故:航海長聴取は石破防衛相の意向で自室に
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、石破茂防衛相らが海上保安庁から事前了解を得ずに航海長の聴取をしていた問題で、石破氏は28日の参院外交防衛委員会で、大臣室での再聴取は自身の意向だったことを明らかにした。石破氏は「乗員に接触していない」としていた前言を撤回し、「話を聞いていたと言うべきだった」と述べた。捜査権のある海保の頭越しに行った聴取を自ら行っていたことで、石破氏の責任追及はさらに強まることも予想される。

 石破氏は25日の衆院予算委員会で「捜査の厳正性のため、現時点では乗員に接触していない」と答弁していた。しかし、28日の参院外防委では前言を撤回。「(事故当日は聴いたが)答弁の時点では接触していないという意味。隠すつもりはなかった」と釈明し、虚偽発言は否定した。航海長の聴取については「(海上幕僚監部に自分が)呼べという指示は出していないが、呼ぶこと自体は不適切だと思わない。事前に教えてもらいたかった」と述べた。

 だが、海幕で聴取していることを知り「ならば私も聴くと言った」と大臣室での再聴取が自らの意向だったことは認めた。防衛省の増田好平事務次官も28日の会見で「(大臣が)自らも状況把握することが必要と判断した」と説明している。

 また、増田氏は27日の会見では大臣室での聴取内容について「正式な議事録は取っていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べていたが、28日の会見では「事務方が記録を取っていた。メモを作成して(19日)夕方には海上保安庁にファクスで送った。(私も)目を通した」と証言を翻した。【本多健、田所柳子、加藤隆寛】

毎日新聞 2008年2月28日 22時16分 (最終更新時間 2月29日 0時59分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080229k0000m040128000c.html

281片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/29(金) 10:23:34
海幕、大臣了承得ず聴取 幕僚長乗り込みも連絡せず '08/2/29

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、海上幕僚監部が石破茂防衛相の了承を得ないまま、あたごの航海長を防衛省に呼び、事情聴取をしていたことが二十八日、分かった。事故当日の十九日に護衛艦隊幕僚長が海上保安庁に事前連絡せずに事態把握のためあたごに乗り込んだことも判明した。

 石破氏と増田好平防衛事務次官が二十八日の参院外交防衛委員会や記者会見で明らかにした。衝突事故という重大時に文民統制(シビリアンコントロール)が機能しなかったともいえ、野党の追及は必至。石破氏の管理能力もあらためて問われそうだ。

 増田氏は、海幕の聴取後に大臣室で航海長から事情を聴いた記録は存在し十九日夕に海保側にファクスで伝えたとし、記録は取っていなかったとした二十七日夜の会見内容を一転させた。

 一方、防衛省は当初「けが人搬送と部隊への報告のため幹部をヘリで運ぶ」と海保庁に報告したと説明していたが、実際には航海長はけがをした乗組員の搬送にタッチせず、別のヘリコプターで直接防衛省に向かっていたと同省幹部が民主党外務防衛部門会議で説明。同席した海保庁幹部は「(あたごから飛んだヘリが)二機とは思っていなかった」と述べた。

 石破氏は外交防衛委で、航海長を呼んだとの報告を受けた時刻を、海幕幹部が事情聴取を終えた後の「(十九日)正午前」と説明。事後報告となったことに関して「海自として何が起きたか把握する必要があった。不適切と思っていない」と一定の理解を示しつつも、「大臣に呼んでいいかと聞いた方がよかった」と指摘した。海幕幹部は報告前に約一時間事情を聴いていた。

 石破氏は、航海長を防衛省に移すことを海保庁へ十九日午前に連絡したとする海自横須賀地方総監部・第四幕僚室長の説明について「(海保庁の確認は取れていないものの)虚偽だったと思わない」と強調。増田氏も室長から経緯を文書で報告させたと説明し「(虚偽の可能性を)論理的には排除しないが、私は連絡したと思う」と述べた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802290101.html

282片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/29(金) 10:24:02
防衛相辞任不可避の情勢 不適切対応相次ぎ '08/2/29

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 イージス艦衝突事故で石破茂防衛相の引責辞任は避けられないとの見方が二十八日、与党内で強まった。時機は「原因究明などの区切りがついた時点」(閣僚経験者)との意見が有力だが、防衛省の不適切な対応が相次いで表面化。野党は辞任を求める方針を確認、攻勢を強めており、早まる可能性もある。

 福田康夫首相は二十八日夜、官邸で記者団に「防衛省改革の使命をしっかりやるのが石破氏の責任だ」と辞任の必要はないとの認識を重ねて示した。同時に「捜索活動、原因究明の指揮に全力を挙げてほしい」と強調した。政府高官は「石破氏を断固守る。ベストの防衛相だ」と指摘した。

 自民党町村派代表世話人の中川秀直元幹事長も同派総会で「誰かの首を差し出せばいいなどという話ではない」と石破氏を擁護した。

 石破氏は二十八日夜、海上自衛隊厚木基地で記者団に「つらい思いをしている人たちに応えること(が大事)だ。いつも退路は断っている。(考えは)揺らがない」と記者団に述べ、引責辞任しない考えをあらためて表明した。

 与党内では、一九八八年の潜水艦と釣り船衝突事故当時の瓦力防衛庁長官が約一カ月後に引責辞任したことなどを念頭に「もう辞任は避けられない。本人もそのつもりだろう」(元防衛庁長官)、「区切りがついたら進退を判断せざるを得ない」(公明党幹部)と辞任はやむを得ないとの声が相次いだ。

 閣僚経験者は「安倍晋三前首相は、閣僚の首を切れなかったことが大きかった」と石破氏が続投した場合は福田政権に悪影響を与えかねないと指摘した。

 一方、民主党の菅直人代表代行は会見で「行方不明者を出し(対応でも)いろいろ問題がある。辞任は当然だ」と辞任を求める姿勢を強調。このため与党の一部では、参院で野党が石破氏の問責決議案を提出した時点で辞任するのではないかとの見方も出ている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802290095.html

283片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/02(日) 00:08:46
進退判断早まる可能性 石破氏、初動ミスで窮地に(03/01 18:18)
 イージス艦衝突事故を受けた再発防止策取りまとめ後の辞任を示唆した石破茂防衛相の進退判断の時機が早まる可能性が出てきた。事故当日に防衛省の捜索用ヘリコプターをイージス艦の航海長らの移送に使っていた上、石破氏の登庁が第1報から1時間半後と判明。参院での予算案審議を前に野党の攻撃材料がそろったためだ。

 新たな初動対応の不手際を聞いた民主党参院議員は1日、「いつの間にか防衛省問題から“石破氏問題”になった。焦点はもはやいつ辞任するかだ」と言い切った。ただでさえ「ねじれ国会」の下、参院での予算案審議は野党ペースで進むことは必至。しかも、石破氏は事故発生以来、防衛省からの第1報の遅れを批判していただけに、自身の初動遅れは釈明が困難だ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/79127.html

284片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/05(水) 10:54:31
海幕長、衝突2分前以降を聴取と強調
 海上自衛隊の吉川幕僚長は、イージス艦事故の当日に、状況を把握するために呼び寄せた「あたご」の航海長に対し、衝突の12分前までに当直を交代していたにも関わらず、自らの目で確認出来ていない衝突2分前以降の状況しか聴取していなかったと強調しました。

 吉川海幕長によりますと、事故後、呼び寄せられた航海長に対する聴取では、衝突2分前以降の状況だけが聴取され、航海長が当直士官として自ら責任をもって見聞きしていた当直を交代する以前の状況については、一切、話題にならなかったと強調しました。

 防衛省では、これまでも「航海長が事故直前まで当直士官だったという認識が無いまま事情聴取した」と説明してきましたが、衝突前の状況を把握していたはずの航海長から当時の様子を聞いていない事に改めて疑問の声が高まっています。

 また吉川海幕長は、海上自衛隊の幹部が航海長に1時間にわたって事情聴取しながら、聴取の内容は一切メモを取っていなかったと繰り返し強調しました。(04日19:10)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20080305/20080305-00000015-jnn-pol.html

285片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/10(月) 03:32:02
手綱握る側、大臣1人 聴取は思いつき イージス事故
2008年03月10日03時00分

 海上自衛隊の最新鋭イージス艦「あたご」の漁船衝突は、単なる海難事故にとどまらず、わが国のシビリアンコントロール(文民統制)が機能不全を起こしている実態をさらけ出した。かつてその担い手を自任していた防衛省の文官(背広組)が自信を失い、代わって主導しようとする政治家も危うい試行錯誤の域を脱していない。

     ◇

 「第一報を大臣に入れたら、速やかに司令部的なものを作り、そこで情報を整理し、対応方針を作って共有する体制が本来あるべきだ。だが、防衛省の中の司令部機能がどうなっているのか、外からは全く見えない」

 3日に首相官邸で開かれた防衛省改革会議で、防衛省の内部事情に詳しい委員が鋭く突いた。

 26万人の自衛隊員を擁する防衛省は、今や国内最大の官庁だ。

 「八岐大蛇(やまたのおろち)」とも呼ばれる。事務次官以下の文官を中心とする内局、統合幕僚監部、陸海空自衛隊など、機能も文化も異なる組織が割拠し、バラバラに行動しがちだからだ。

 あたごが衝突した2月19日、「司令部」はどう機能していたのか。

     ◆

 事故発生約2時間後の午前6時18分、増田好平事務次官を長とする「連絡・対策室」が設置された。が、石破防衛相を長とする「対策本部」は作られなかった。

 そこに問題がある、と元防衛首脳は指摘する。「大臣を頭に対策本部を立ち上げると、省全体に緊張感が走り、問題認識が深まる。情報も対策も共有される。さらに陸や空の幕僚長も参加するので、海幕とは異なる視点のアドバイスも得られる」という。

 石破氏も今、その点を反省し始めている。

 「現場の捜索があり、勝浦のご家族、漁協への接し方がある。海上保安庁があり、国会がある。多くの正面を相手としなければならない。統幕や陸空、内局も含めた対策本部はあり得べしだ。あった方が良かった」

286片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/10(月) 03:32:26
    ◆

 「何と言うか、ふわっとした感じだった」

 思考停止。内局の中枢幹部は、その瞬間の感覚をそう表した。

 事故発生から約8時間後の正午過ぎ。石破氏があたごの航海長から事情聴取したときのことだ。

 大臣室から連絡が入り、次官や局長、統幕長、海幕長ら約20人がぞろぞろと入った。航海長が事故状況を報告し、石破氏が質問する。「メモを取れ」という指示は誰も出さず、列席者の多くはただ聴いていた。

 石破氏の独壇場だ。事情聴取は彼のとっさの思いつきで開かれた。

 午前中の衆院予算委員会の終わり間際に、メモが入った。海幕が航海長をヘリで呼んで事情を聴いている。瞬時に、自分が聴かなければいけないと思った。「自分は文民統制の主体として防衛省にいる。自衛隊の内部だけで聴いたとなると、口裏合わせがなされたという揣摩憶測(しまおくそく)を呼ぶに違いない。それを排除する」

 後日、この日の事情聴取が明るみに出て、記者会見に臨んだ次官は苦渋に満ちた顔で語った。

 「どういう流れでその場ができたのかということを今必ずしも承知していない。記憶にない」

     ◆

 聴取の数時間後の午後5時に、自民党本部で開かれた国防関係合同部会。ここも石破氏の独り舞台だった。

 航海長から聞いた情報をもとに、漁船に気づいたのは「衝突2分前」という状況を詳しく説明した。が、航海長を呼んだ経緯は話さなかった。

 制服組幹部には危惧(きぐ)があった。「事故直後の当事者証言は間違いが多い」という経験則からだ。複数の証言や状況証拠で裏をとる必要があった。

 案の定、その日夜に防衛省で開かれた会議では、もっと早い段階で漁船の灯火に気づいたという他の隊員の証言が報告された。しかし、確認のために発表は翌日まで見送られた。そして「隠蔽(いんぺい)」という批判を、自ら招いた。

 国会議員として比類ない軍事知識を誇り、防衛省で自分一人が「文民統制をする側」と力む石破氏。前次官の汚職事件で傷つき、ひたすら低姿勢の内局。その取り合わせが、危うい「大臣の独走」を生んだ。

     ◇

 〈文民統制〉 民主主義国では政治が軍事に優先する原則の下、政治が実力集団の軍を統制するシステムがとられている。

 日本では、戦前に「天皇の統帥権」を名目に軍部が独走した反省から、国会と内閣による統制に加え、防衛庁の中でも旧内務官僚を中心とした内局による統制の仕組みが作られた。内局の文官(背広組)の幹部が「防衛参事官」として長官(大臣)を補佐し、自衛官(制服組)を統制するシステムだ。この日本型の「文官統制」は、防衛省に昇格した現在も変わっていない。
http://www.asahi.com/politics/update/0310/TKY200803090198.html

287片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/19(水) 00:38:21
石破氏の組織再編を批判 中谷元防衛庁長官が著書 '08/3/19

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 自民党の中谷元・元防衛庁長官は十八日までに、石破茂防衛相が提唱する防衛省組織改革案について「内局(背広組)と幕僚監部(制服組)を単純に混在させれば素晴らしい結果が生まれると期待するのは安易だ」と批判した著書「誰も書けなかった防衛省の真実」(幻冬舎)を出版した。

 背広組と制服組を統合、再編する石破氏の改革案には、省内だけでなく与党内にも異論が強い実態が浮き彫りとなった。

 陸上自衛官出身の中谷氏は「軍事組織の伝統は大切であり、事務官と自衛官は区別すべきだ」と指摘。その上で「現在の防衛省は内局が力を持ち過ぎている」として内局の運用企画局の廃止や、防衛政策づくりに制服組を現在以上に組み込む組織改革を提案している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200803190114.html

288片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/11/16(日) 10:37:30
読む政治:前空幕長論文問題(その1) 元首相の名挙げ抵抗 辞職巡り押し問答

会見で記者の質問に答える田母神俊雄・前航空幕僚長=東京都中央区でで2008年11月3日午後8時41分、梅田麻衣子撮影

 航空自衛隊のトップが、過去に日本が近隣のアジア諸国を侵略した事実を懸賞論文で真っ向から否定し、更迭された。より深刻なのは、自説の「正しさ」を盾に、任命権者である防衛相の辞職要請を拒んだことだ。異様な居直りは何を背景にしているのか。

 ◇「間違い認めたことになる」
 田母神(たもがみ)俊雄前空幕長(60)は10月31日に航空幕僚監部付に更迭され、併せて辞表の提出を求められたにもかかわらず、拒否し続けた。「辞めたら間違いを認めることになる」が理由だった。

 浜田靖一防衛相や増田好平防衛事務次官らと押し問答が続く最中、田母神氏は「私の考えは理解されている」として唐突に元首相2人の名前を挙げた。

 増田氏は、元首相らの支援があるかのような田母神氏の姿勢に身構えた。発言を伝え聞いた自衛隊首脳は「武人のすることじゃない」と激怒したという。ただ、政界との関係が焦点化しないよう、やりとりは封印された。

 関係者によると、田母神氏が口にした一人は森喜朗元首相だという。森氏の地元、空自小松基地(石川県)に勤務したことで接点はあった。空自幹部は「森さんは歴代の小松基地幹部と親交がある。田母神さんの空幕長就任時にも森さんから祝い酒が届いた」と話す。

 森氏は12月の懸賞論文授賞式に招待されていたが、今回の騒ぎでキャンセルした。森氏は、近隣諸国の植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」(95年)の取りまとめに自民党幹事長としてかかわった。

 森氏周辺は「田母神氏との思想的なつながりはまったくない」と強調しており、田母神氏は自己の主張を正当化するために元首相の名前を利用し、抵抗したとみられる。

 「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」などと断じる田母神氏の歴史観は、突如として形成されたわけではない。統合幕僚学校長時代(02年12月〜04年8月)、空自幹部学校の機関紙「鵬友」に載せた論文に痕跡がある。

 「航空自衛隊を元気にする10の提言」で、田母神氏は「(戦前の歴史で)一番悪くない日本が一番悪く言われている」「身内の恥は隠すもの」「我が国の歴史に対する贖罪(しょくざい)意識を持っているようでは部隊を元気にできない」などとつづっている。

 提言に基づき、統幕学校では03年度から「国家観・歴史観」の講義が設けられ、現在も陸海空3幹部学校の合同統合教育として続けられている。大学教授、作家、ジャーナリストら外部講師が招かれてきたという。

 独善的な歴史観を公言する自衛隊幹部が「容認」され、昇進を重ねてきたことに問題の根深さがある。

毎日新聞 2008年11月9日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081109ddm001010054000c.html

289片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/11/16(日) 10:37:57
読む政治:前空幕長論文問題(その2止) 「危険人物」不安現実に
 <1面からつづく>

 「文民統制上、今回の一件はイージス艦の事故以上にダメージが大きい」と防衛省内局の幹部は嘆く。今年7月に出た防衛省改革会議の報告書を踏まえ、背広組と制服組が並立的に政治を補佐する新たな文民統制を模索していたためだ。

 出はなをくじいた田母神(たもがみ)俊雄前空幕長は一体どんな人物なのか。

 出身は福島県。71年に防衛大を卒業し、航空自衛隊では青森県三沢基地や石川県小松基地などでの勤務を経て、昨年3月に航空幕僚長に就任した。収賄で実刑判決を受けた守屋武昌前防衛事務次官の人事だった。

 東北なまりの残るぼくとつとした口調で、ユーモアを交え、歯に衣(きぬ)着せぬ発言を繰り返した。田母神氏をよく知る空自幹部は「この人のためなら水火も辞さずと思う」と語る。

 そんな田母神氏が、今回の懸賞論文を主催した総合都市開発会社「アパグループ」の元谷外志雄(もとやとしお)代表(65)と知り合ったのは小松基地勤務時代だ。小松出身の元谷氏は、空自小松基地金沢友の会の会長を務めていた。

 2人を知る関係者によると、元谷氏が懸賞論文を企画したのは、「財を成したんだから、社会に還元したらどうですか」と田母神氏が進言したことが契機だったという。ただ、最優秀賞になった田母神氏の論文「日本は侵略国家であったのか」は、「引用ばかりで低レベル。出来レースではないか」といぶかる声も防衛省内にはある。

 ◇言動に官邸懸念
 「そんな講演はやめさせろ。何を言うか、分からんぞ」

 今年5月、二橋正弘官房副長官(当時)は防衛省の中江公人官房長を一喝した。田母神氏が5月24日に東京大の「五月祭」で講演する予定だと、報告を受けたためだ。

 田母神氏は4月18日、名古屋高裁がイラクへの空自派遣を違憲認定したことを受け、流行のコメディアンをまねて「そんなの関係ねえ」と記者会見で発言。首相官邸は平静を装ったが、実際は「危険人物」とみていた。

 「田母神が余計なことを言って問題になった時、『官邸に連絡した』と言い訳するのか。ふざけるな」と二橋氏の怒りは収まらなかったが、石破茂防衛相(当時)が事前に講演内容をチェックし、「質疑応答はなしだ」とくぎをさしたと聞き、渋々講演を認めた。

 田母神氏の言動を懸念しながらも、手を出しあぐねた官邸の「不作為」が浮かび上がる。

 講演当日、田母神氏は「爆弾発言を期待している方もいるかと思いますが」と笑いを誘った。歴史については「日本が侵略国家だったから戦争になったという見方が飛び回っているが、そうではないという見方もある」などと断言を避けた。

 ◇前空幕長「300万円取ったんです」 自ら論文を配り歩く
 騒動は10月31日午後3時過ぎから始まった。定例記者会見を終えた田母神氏は、防衛省A棟11階の大臣室や次官室を訪ね、受賞論文を配り歩いた。同じころ、防衛省記者室にニュースリリースと論文が配られた。

 「賞金300万円取ったんです」。田母神氏は増田好平事務次官に胸を張ったという。増田次官と中江公人官房長は、渡された論文を読み「これはまずい」と直感し、地元・千葉にいた浜田靖一防衛相に通報。午後4時には首相官邸にも連絡した。

 夕方、議員会館に戻った浜田氏は電話で「論文の内容は幕僚長として問題ですよ。辞表を持って来られたらどうですか」と田母神氏に通告した。しかし、返事は「間違っていますかね」だった。防衛省に戻った浜田氏は午後10時に更迭を表明。人事は深夜の持ち回り閣議で承認された。

 空幕長は解任したものの、空将としての田母神氏の身分は残った。首相官邸は6000万円に上る退職金への批判を懸念し、懲戒免職にこだわった。

 公務員の懲戒には審理が必要だが、通常は本人が審理を辞退するため、翌日には処分が下る。しかし、岩崎茂空幕副長らの聴取に、田母神氏は「自分の正しさを堂々と議論する」と争う姿勢を見せた。

 政府高官は、河村建夫官房長官に「処分に持ち込むのは無理です」と報告。「田母神氏が制服姿で持論を訴えたら致命的だ」と考えた防衛省は3日夕、田母神氏の定年延長を打ち切り、退職させた。

 アパの懸賞論文に応募した航空自衛官は田母神氏以外に94人。空幕教育課はアパの応募要領を全国の部隊にファクスしていた。組織的な関与があった可能性は否定できない。

 田母神氏は11日、参院外交防衛委員会に参考人として招致される。大量応募の背景や自衛隊での歴史教育内容などが焦点だ。

    ◇

 編集委員・古賀攻、古本陽荘、松尾良、白戸圭一が担当しました。

毎日新聞 2008年11月9日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081109ddm002010103000c.html


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