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【ミ】『いともたやすく行われる〇〇〇ない行為』その3
490
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/11/30(月) 23:43:49
>>489
「あ、どーもどーも。
うちは斉賀 淡っちゅうもんです」
ちょっと年上やな、まあそんな変わらへんやん。
和菓子職人か。雰囲気あるな。
「そりゃなんもでなかったらバイトやなくてボランティアやんな!
まあ、バイトするのは暇やからええけど、
イエスっちゅうにはもうちょっと詳しい話聞いてからにしたいとこやな
常識的に考えて。
目的地しか聞いてへんし」
たまたまうちに声をかけたにしては、
こんなとこにパイプ椅子まで持ってきて張ってるのもおかしい気するし、
どんなんやろう?
話が長くなるようだったらそこらの喫茶店でも入るか。
491
:
『赤犬が追う』
:2015/11/30(月) 23:56:05
>>490
(斉賀さん)
「どもども。えへへ。」
「ボランティア、それはごもっとも。それと……お暇、いいですねぇ。」
うんうんと頷く。
この女性の中で何か完結しているのかもしれない。
ぶつぶつぶつぶつ「暇はいい。実にいい。」としきりに呟いている。
「あーそうでしたそうでした。」
「いやぁなんというか、『取り返していただきたい品』がございまして。」
「普通だったら盗難って警察に届けるんですけどねぇ。」
えへへと今度は困ったように笑う。
歯は雪のように白い。手入れされている証拠だ。
「どうにもこうにも、ただの人間ではどうにもなりそうになくてですね。」
ただの人間には対処できないこと。
それはよっぽど社会的な権力云々が絡んでいるか
スタンドが絡んでいるか。もしくはその両方か、また別のなにかである。
「人ならざる力っちゅうんですかね。そーゆーのが絡んでるっぽんですよねぇ。」
492
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 00:02:45
>>491
あっ、この人、もしかしてちょっと変な人……?
それとも暇が無さ過ぎてちょっとお疲れなんやろうか……
「なんやて!?
で、うちに声かけてきたわけか。
でもただの人間かどうかなんてどうやったらわかるっちゅうねん」
別にバレてもあんま気にせんけど、
なんでうちが『スタンド使い』かわかったかっちゅうのは興味あるな。
さすがに手当たり次第声かけてるわけやないと思うけど。
493
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 00:24:21
>>492
円山は二、三度「あぁ。あぁ。」と嘆くように呟くと、またえへへと笑ってみせる。
外面を取り繕うのがうまいのかもしれない。
「すいませぇん。最近忙しくて……あ、じゃなかった。」
「あなたが普通の方じゃないかどうかを調べることは私には出来ません。」
「ですが、普通じゃない方を呼び寄せた結果、あなたと私が出会ったとしたら?」
円山は座っていたパイプ椅子から立ち上がり、椅子の下に置いてあったらしい鞄を手に取った。
黒い、高級そうな鞄である。
「『だからこそを実現する』」
「それが私が本家から預かった『ハラジュク・ガール』」
「その能力を使い、スタンド使いと、あなたと出会うように仕向けました。」
円山が鞄から取り出したのは一本の筆であった。
習字で使うような筆。筆管と呼ばれる軸には昇り竜が刻まれている筆。
それが『ハラジュク・ガール』であった。
「えへへ。ご理解いただけましたか?」
494
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 00:30:31
>>493
「ほーん、なるほど……
しかし見た目と名前がギャップあるな『ハラジュク・ガール』」
筆で昇り竜ってハラジュク要素もガール要素も無いなぁ
うちが知らんだけでなんか繋がりとかあったりするのかもしれんけど。
預かったってことはこの人の能力やなくて、独立した道具ってことやろか。
そういうのもあるんやなぁ
「ま! そういうことやったらええで!
力になったろうやないか! 暇やし!」
495
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 00:42:18
>>494
(斉賀さん)
「元々は別の名前でしたから。『ハラジュク・ガール』はあだ名みたいなモンです。」
けらけらと笑っている。
どうにも適当なところがこの女性にはあるようだ。
「お。いいですね。じゃあ行きましょう。京の都。」
「寒いですし。さっさと家に行きましょう。」
パイプ椅子を畳み、鞄を肩から提げる。
筆を持っていない手で椅子を掴むと女性の準備は完了したようだった。
「はぁ〜お願いしますよぉ。ここに来てへそ曲げないでねぇ。」
筆に向かって一言呟くと
ビュツ
ビュッ
筆を振るい『空中に文字を書いた』
『今から五分で
鈴元家へと着く。』
「よっし。」
文字はしばらくその場で浮遊すると
ぶわっと二つに別れ、斉賀の胸へと向かって飛んできた(スB)。
「痛みとかないんで安心してくださいね〜。」
円山は特に抵抗する様子はない。
496
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 00:53:24
>>495
「なんでそんなあだ名にしてもうたんや……」
そんな名前つけられたら、うちが『ハラジュク・ガール』やったらへそ曲げると思うな……
いや別に悪い名前とか言ってるんやないで。ただ、ギャップが……
……ま、うちには関係ないことやしええか!
「え、ちょ
待ってーな。なんかえらい嫌な予感するんやけど」
服に墨がつくとか?
いやその心配はしとらんけど。そもそも墨使ってないし。
これはあれやろ?
能力で移動するやつやろ。内容的に。
でもワープにしては5分ってあたりが気になるとこや。
ドラクエの移動呪文みたいに空飛びませんように!
497
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 01:06:51
>>496
(斉賀さん)
「なんでって……」
「可愛さ、でしょうか。」
『ハラジュク・ガール』という名前が可愛いかどうかは不明である。
いや、そう感じるか否かは人それぞれなのかもしれない。
たとえ世俗とずれていても、だ。
「大丈夫ですよ。」
文字は服に付着するとジワリと沈んでいく。
染み込みそして、服の上からは見えなくなってしまった。
斉賀の胸になにか熱い感覚が宿る。
まるでカイロを胸に仕込んでいるような気分になる……かもしれない。
「じゃあ、ちょっと歩きましょうか。」
「この能力、瞬間移動する能力じゃないので。」
円山はまたえへへと笑うと、斉賀にこっちと促すように歩き出す。
着いていくべきだろうか?
それとも呼び止めて話をするか?それは斉賀の心次第だ。
498
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 01:11:49
>>497
「って、歩くんかーい!」
ムネ
円山サンにつっこみを入れる! 胸元にな! 円山サンの戦闘力はどんなもんや!?
話? 話はまあ、歩きながらでもできるやろ。
「そんで、なにを盗られて、なんでそれが普通のやつの仕業やないってわかったんや?」
499
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 01:12:55
>>498
んああああズレとる! まあええわ!
500
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 01:28:36
>>498-499
(斉賀さん)
「おっと。」
むにゅっとした感触が斉賀の手に伝わる。
決して豊満ではない。しかし平坦と言う訳ではない。
触れなければ分からないほどの自己主張をする胸である。
言うなればなだらかな坂道のようなバストであった。
「えへへ。歩きましょうねぇ。」
「なにを盗まれた?えっとですね。簪です。カンザシ。二本も持ってかれまして。」
カラカラとパイプ椅子がこすれる。
どうやら依頼主の簪が盗まれたらしい。
「でねぇ、一本目盗まれた次の日に寝ずの番をされてたんですって。」
「そしたら辺りをふわぁ〜っと火の玉みたいなのが浮き出したらしくてですね。」
「とにかく盗まれないようにってなりふり構わず暴れて、気付いたらもう二本目を盗まれてたんですって。」
ふと、円山が立ち止まりきょろきょろと辺りを見回す。
――――気付けば周りの風景が変わっている。
いつもの見知った道ではない。
右を見ても左を見ても後ろを振り返ってもそこに黄金町の見慣れた景色はない。
変わらぬのは抜けるような青空だけだ。
「あら。」
突然後ろから声がした。
女性らしい声である。
501
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 01:42:42
>>500
ふ〜むこの感触は……
おっと、これ以上はやめとくで。
さすがのうちも年上にあからさまなセクハラを働く不敬を働く気はないんや。
「ふうん、火の玉。
その寝ずの番してたっちゅう人は『スタンド使い』やないんやな?」
だとしたら火の玉は一般人にも見えるスタンド現象、
ヴィジョンでの盗みっちゅうあたりが一番簡単に想像できる手口ってとこか。
その場合、遠距離操作型……少なくとも近距離型ではなさそうやけど。
「しっかしカンザシか……わざわざ寝ずの番してるとこから盗ってくほどのもんやろか。
もっと簡単に金目のモン盗れそうなもんやけどな……
なんか特別な品だったり……ん?」
いつのまにか周囲の風景が変わっとるな。『ハラジュク・ガール』のアレのせいか。
うーん、不思議なもんやな。
ん? 後ろに誰かおるんか?
502
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 02:00:34
>>501
(斉賀さん)
セクハラの心に打ち勝った斉賀。
歩きながら円山へ言葉を返す。
「あーいえいえ。寝ずの番をしたのは依頼人の方で、その方も一応スタンド使いですよ。」
「そうなんですよねぇ。簪ですからねぇ。盗まれた側は凄く大切にしてらっしゃったみたいですけど。」
円山が知る限りは普通の簪らしい。
特別な簪、というか思い入れのある簪ではあるかもしれない。
しかし、円山は盗まれた本人ではない。
その簪がどういったものであるかを知るのは彼女からは難しいのかもしれない。
「あ、奥様。」
女:「いつの間に帰ってきはったん?」
円山が振り向き、礼をする。
奥様、と呼ばれたことから考えるに円山の知る人物なのかもしれない。
円山:「斉賀さん。こちら、今回の依頼人の方です。」
女:「あぁ、このお人さんがぁ?」
間延びしたような口調で話す女性だった。
彼女の御国言葉と言うものだろう。
女:「どうもぉ。こんにちは。」
振り返ると、そこに声の主が立っている。
癖のある黒髪を肩まで伸ばし、白い肌をしており口元に黒子がある。
女袴を履き、上も和服、靴はなぜか黒い編み上げのブーツを履いていた。
女:「鈴元 波江(すずもと なみえ)言いますぅ。」
「よろしゅうにぃ。」
斉賀は思い出せるかもしれない。以前に湖畔であった少年のことを。
鈴元涼と名乗り、今目の前にいる女性と瓜二つの見た目をしていた和服の少年を。
503
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 02:13:17
>>502
うーん、番をしてた人も『スタンド使い』か。
ちゅうと、なんらかの能力によるものか……
「あ、どうも〜斉賀というもんです。よろしく頼みますわ」
お、和服。……に、ブーツか。
うーん、うん。アリやな。和服にブーツ。いいやん。
「ん、鈴元さん……? そういえばあの子も和菓子屋言ってたな」
いやでも京じゃ離れすぎてる……
あ、いや、確か黄金町にあるのは2号店で、本店は京都にあるとか言ってたような気するわ。
お店の名前は確か、スズマナコやったっけか。
504
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 02:35:23
>>503
(斉賀さん)
相手の能力の推理をする。
番人も盗人もスタンド使い。情報が欲しければ円山に聞いたほうがいいかもしれない。
円山が詳しく知っているかは謎ではあるが……
波江:「斉賀さんやねぇ。あんさんは関西の出身?」
使っている言葉からの連想であろうか、波江はそんなことを聞いてくる。
ニコニコと笑い、黒い癖毛がゆれた。
波江:「あの子ぉってどの子ぉ?和菓子屋は鈴眼やと思うんやけど。」
「あ、涼君?あの子ぉって呼ばれる歳なんはあん子ぉくらいやねぇ。」
明るい顔だ。
ぱっと花が咲いたような笑顔になる。
波江:「その子ぉって鈴元涼いうんやない?うちとよお似た顔した子ぉ。」
円山:「まま、寒いし細かいお話は家に戻ってにしましょう。」
波江:「そやねぇ。そこの角曲がってどんつきがうち等の家なんよ。」
波江が指差す。
その方向を見ると確かに角を曲がった突き当たりに家があった。
日本的な大きな家。
門があり、その奥に屋根が見える。
よく見れば蔵らしきものもある。
特に問題がなければこの家に上がることになるだろう。
505
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 02:43:34
>>504
「いやぁ、親戚のおじさんが昔関西に住んでたって感じで、
この喋り方は又聞きの又聞きレベルですわ!」
じゃあなんでそんな喋りかたしてんねん、って言われるとなんでやろな……
そこに触れることは死を意味するねん。
「ああ、やっぱり涼君の……親戚? もしかして……姉弟だったりしますやろか」
顔そっくりやし、親戚よりは親子って可能性のが高いと思うけど、
奥様言ってたし……しかしここは姉弟説に賭けるで!
親子言って姉弟だったときのほうが気まずいしな!
「おじゃましま〜す」
特に上がらん理由は無いな。
506
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 23:43:52
>>505
(斉賀さん)
波江:「いや、又聞き?せやったら出身はこっちやないんやろか。」
「でも、似合う(におう)てはりますよぉ。」
お世辞なのか本音なのか分からぬ調子だ。
鈴元波江、常に笑みを浮かべ今にもくすくすと笑い出しそうな表情をしている。
そういう性質なのか、それともそういう風に振舞っているだけなのか。
斉賀と波江の会話は続く。
波江:「うふふ。お世辞がお上手やね。親子よぉ。」
姉弟説は否定され、親子と言う結果が残る。
もちろんそこに気まずさはない。
むしろ波江は嬉しそうにすらしている。
やはり若く見られるのは嬉しいという事か。
他愛もない会話をしながら斉賀、波江、円山は鈴元家へと消えていった。
507
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 23:44:48
>>505
(斉賀さん)
波江:「改めまして、鈴元波江ぇ言います。」
「今回はといといとっからよおお越しくださいましたぁ。」
斉賀が招かれたのは縁側に近い部屋だった。
よくある和室で壁の近くには立派な花が生けてある。
しかし部屋の中は少し異常であった。
壁や畳にへこみのある箇所がある。まるで表面を削ったような状態だ。
波江:「えっと、円山さんからどこまでお聞きになられましたやろか。」
「必要やったら、盗まれた日ぃのこともお話しますけど。」
情報の整理や収集をする機会だ。
気になったことがあったら聞いてみるのもいいかもしれない。
508
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 00:31:36
>>506-507
「ってことは盗られたのは……寝ずの番をしていたのは波江さんなん?
もちろん詳しく聞かせてもらいたいとこですわ。
火の玉が出たとか聞きましたけど」
この部屋はなんやろ。犯行現場か?
このへこんでるのをやったのが犯人か、暴れた番をしてた人(波江さん?)か。
「それと……なんで簪を狙われたかとかわかります?
なんや特別な品なんやろか?」
……ノリで受けてもうたけど、
うちのは捜査に使える『能力』やないし、犯人を見つけるって意味では一般人並やねんな……
3つめの簪があってそれも盗りに来るとかやったら話は簡単なんやけど。
509
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 01:09:49
>>508
(斉賀さん)
波江:「そうどすぅ。うちの簪が盗まれて、うちが寝ずの番しとったんよぉ。」
「ほな、ちょっとだけ聞いてもらいましょかぁ。」
最初に盗まれたんは6日前のことやわ。
近所の子ぉに着付け教えるついでに髪結ったろぉ思て簪探したら一本足りんかったんよぉ。
家中探し回ってもあらへんからどないしたんかなぁって。
簪、盗まれてから、しばらく使わんかったから怒ってどこぞへ行ってもうたんかなって思うて
肌身離さず持って簪に謝る気持ちでおったんよ。
二本目が盗まれたんが三日前。
夜……丑三つ時でいかにもって時間やったわ。
また簪を盗もうと思うてるお人さんがおるんやったら捕まえなアカンやろ?
そやから、うちは寝ずの番をしとったんよ。
まぁ、色んな人に探してもらうように声かけとったから、その連絡を待ってるっちゅう意味もあるけど。
でもさすがに眠気が襲ってきて、ちょっとだけ目ぇ閉じたんよ。
ほんならガサって物音がして、気ぃ付いたら周りは火の玉が5つ6つ浮いとるんよ。
次の瞬間、ばあっと火の玉が襲ってきたんよ。
うち面食らってもうて、もうスタンド出して大立ち回りよ。
火の玉と格闘しとったら、さっと足の間をなんかが通りはったんよ。
うちはそれを蹴ろうとしたんやけど、避けられてもうたみたいで……
それが二本目を盗まれた日ぃのこと。
波江は語り終わると、ふぅと息をついた。
波江:「簪は普通の奴やよ。でも、うちにとっては特別なんよ。
旦那さんからの贈りモンやからね。」
「盗まれた理由は分からん。でも、もっぺんくるはず。」
「三日前、二本目が盗まれた日ぃの朝。庭に一本だけ簪が落ちとったんよ。」
波江の目は真剣だった。なにか火がついているようにも見える。
顔は笑っているが腹の底は、そして目の奥には火が宿っていた。
波江:「多分、もっぺん取りに来る。あの日ぃから三日後の今日に。
落とした分を取りに戻ってきはる思います。」
510
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 01:34:20
>>509
うーん、さすがに怒ってる(?)みたいやな。
思い出の品か……しかしそれを盗む意味はわからんなぁ。
「ん、ちゅうことは今盗まれてるのは一本ってことか」
庭に落ちてたっちゅうんは、2本目を盗んだつもりが落としてったってことやろか。
まあ落としたのは先に盗んだ1本目でも、どっちでもええけど。
とにかく2本盗られた……と思ったら1本落としてったってことやな。
「その肌身離さずっちゅうのは、手に持ってたりしたのがいつのまにか無くなってたとかいう感じなん?」
足の間を通るとなると、やっぱり小型のスタンドで、火の玉は能力やろか。
動物が本体だったりするかもしれんけど……いや、なんで動物が簪を狙うねん。
犯人は猫で、理由は簪の材質がマタタビの木で出来てたからとか……いや、無いわな。
511
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 02:07:09
>>510
(斉賀さん)
波江:「そう、と言いたいんやけど。」
「盗まれたんは合計で二本よ。確かにあの朝庭に一本落ちとった。」
「でも、一本なくなっとった。」
正座し、膝の上に手を重ねている波江。
その手には力が入り、上に重ねた手の爪が下の手に食い込んでいる。
波江:「いっぺんに二本盗ろうとしたんかもしらん。」
「うちは犯人やないから理由は分からんけど、許されへんことっちゅうんは確かや。」
波江の顔から笑顔が消える。
能面のように変わることのない冷たい顔。
まるで底冷えする京都の冬のようである。
波江がなにか話そうとした時、外から声がした。
円山だ。
波江が入るように促すと円山が急須と器、木でできた箱を持ってきた。
波江:「簪とか風車立てる箱みたいなもんよ。」
円山の持ってきた木の箱のことだ。
よく見ると上面にいくつも穴が空いている。
今は簪が一本だけぽつんと入っていた。
波江:「ココに入れとったんよ。盗られた日ぃは足元に置いとった。」
「足の間ちゅうんは多分簪盗ってうちの足の間を通ったちゅうことや思うわ。」
会話をしている間に円山が茶を注いでくれた。
茶柱が立った緑茶だ。湯気から察するにそこそこ暖かくなっているだろう。
寒さで冷えた体にはうってつけの代物だろう。
波江:「他になんか気ぃんなることは?」
512
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 02:22:27
>>511
美人が怒ると怖いなぁ……
「んん!? となると、元々3本あったっちゅうことか」
風車立てる箱……なんやどういう用途なのかようわからん箱やな。観賞用やろか。風流アイテム。
足元に置いといたら盗られた、か。
相手の大きさからしてパワーはそんな強くないと思うし、握っとくか金庫とかに入れといたらそうそう盗られないんやないかな。
金庫に入れたらさすがに相手が諦めてもうて、おびき出せないかもしれんけど。
「あ、おおきに。
あとはぁー、そうやなぁ。
今までの話からして、うちは探偵というより警備って感じになるっちゅうことでええのかな。
波江さんはどないするんですか? やっぱりご自分でも番を……?
せやったら『スタンド能力』とか教えあったほうがええんやろか。
火の玉が出たっちゅうわりに部屋が焦げたあとは無いようやけど、
かわりに所々ヘコこんでますわな。これは波江さんが?」
お礼を言ってお茶を飲むで。うーん暖まる。
波江さんはここでも偉い立場の人やろうけど、結構怒っとるようやし、
自分で犯人を捕まえたいんちゃうかなぁ。
513
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 02:55:26
>>512
(斉賀さん)
波江:「そう。三本で一つ。どれか欠けてもあかんモン。」
「妻っちゅう感じがあるやろ?あれは手ぇで三本の簪を挿す女の人らしいんよ。
ほんでそれは結婚式の正装なんやって。」
「うちの旦那さんが三本目をくれはった時に教えてもろたんよ。」
「結婚してくれって正直に言われへんお人さんやから。」
波江にとっては特別とはそういう意味だった。
三本で一つ、その内の二本が失われている。
大切なものが二つも盗まれ、しかもその盗まれた現場にいたのだ。
だからこそ、波江はたまらなく悔しいのかもしれない。
波江:「……斉賀さんには、今日来るかも知れん犯人を捕まえるか盗られた簪を取り戻してもらいたいんよ。」
「当然うちの番はするよぉ。でも、前にやられとるからねぇ。」
「なんもせんともっぺんで捕まえられるとは思ってへんよ。」
暖かく笑ってみせる。
自嘲というよりは困ったようなそういう笑顔だ。
無理をしている風でもない。自然に出た顔。
波江:「最悪捕まえられんでもエエよぉ。簪が戻ってくればそれで。」
「ああ、部屋のこれはうちがやったんよ。」
「『ディープ・パープル』」
波江がそう呟くと波江の傍らに一体のヴィジョンが現れる。
白無垢を着たような姿をした人型のヴィジョン。
面構えや雰囲気はどことなく狐を思わせる。
波江:「物を脆くする紫陽花を咲かせる。それが能力。」
「よろしゅう頼んますぅ。」
波江は座礼をする。
他に気になることがあれば聞くといいだろう。
514
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 17:10:32
>>513
「あ、いやこちらこそ」
あわわ、頭下げさせてもうた。慌てて礼を返すで。
旦那さん……こういう時は普通、旦那さんに頼るもんやないかなぁ。
単にスタンド使いやないだけかもしれんけど……
いや、踏み込むのはやめとこ。
「うちのは『ベティ・ブー』って言うて、
この球をな、こう、握ると対象にとった似たようなものがひと纏まりになるねん。
で、球をリモコンみたいにして、それを動かすっちゅう能力」
『ベティ・ブー』はちょっと見た目が、その、太めやから……なんや恥ずかしいなぁ。
しかし聞いた限りではうちは犯人とはそんなに相性はよくなさそうや。
火の玉がいっぱいあるのに対して集合球は一個しか維持できんし、
精密性もほどほどやから小さい相手を狙うんは得意ってわけやないしな。
「しかし部屋も焦げてないし、波江さんも火傷は……してないようにみえるんやけど、
もしかして熱くはなかったってことやろか?
火の玉がばあっと襲ってきたっていうのは具体的にはどんな感じですのん?
こう、火が広がるように襲ってきたとか、火の玉が飛んできたとか?」
もしかしたら服の下に火傷とかあるかもしれへんけど……
でも見たトコ、体に痛みがある様子も見せてないしなぁ。
火の玉は単なる目くらましなんやろか?
ところでこの部屋は和室やけど、上に電灯とかついとるんか?
515
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 22:58:21
>>514
(斉賀さん)
慌てて礼を返す斉賀。
頭には波江の夫のことがよぎるが、口を閉ざす。
世の中には様々な事情がある。
そういうことなのかもしれない。
波江:「球。そう、球を扱う能力なんやねぇ。」
うんうんと頷く。
しばらく興味深そうな顔をしていたが、斉賀の質問にはっとする。
波江:「そうよぉ。あつくなかったわ。手ごたえも無かったし。」
「こう、雪合戦の雪球みたいに火ぃの玉が突っ込んできたんよ。」
「火ぃの玉が眩しいて目ぇ潰されたわぁ。」
難儀なこっちゃとため息を付いている。
どうやら火の玉は目くらましに使われたようだ。
ふと、天井に目をやる。
電灯の類は無いらしい。
516
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 00:17:18
>>515
「ほなら、グラサンしといたらええんちゃうかな。
スタンド火やから効かんかもしれんけど……」
前は火を出しただけで、実際は幻ならなんでもって可能性もあるか。
でもグラサンはしてて損はないやろ……いや、待てよ
「くっ、しまった。うちはもう眼鏡をしとるから目の装備枠がいっぱいや!
さすがに眼鏡の上からグラサンはかけられん……!
とりあえず、暗いほど相手の有利に働きそうやから明かりはあったほうがええな。
前も寝ずの番っちゅうことは、真っ暗にしとったわけやないんやろうけど……」
この部屋に電灯あればカチッと簡単に明るくできるんやけどなぁ。
どっか別の部屋に場所を移すべきやろか。
517
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 00:39:05
>>516
(斉賀さん)
波江:「そういう手段もあるんやねぇ。」
どうやら波江の思考にはそういった案は存在しなかったらしい。
感心した様子で手を打っている。
サングラスの使用、しかしそれは斉賀にとって大きな問題をはらんでいる。
波江:「そやねぇ。あんさんもう眼鏡してはるし、色つきのセロハンでも張ってみるぅ?」
「まぁ、それは冗談としてやね。あの晩は灯篭を明かりにしとったわ。」
すでに眼鏡をしている斉賀にとってサングラスの着用は厳しい。
それは本人の思考どおりの事実である。
灯篭、日本古来から伝わる照明道具だ。
電灯の方が範囲や明るさの面から考えても上だろう。
部屋の移動を指定するのも一つの手ではある。
518
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 00:55:55
>>517
「灯篭って……石のやつ? あ、石じゃないのもあんねんな」
なんや、灯篭言ったら、石で出来てるやつをイメージしてまうけど、
灯篭流しとか、ああいうのやな多分。
「せやなぁ……簪を狙ってくるんやったら、移動は簡単やし、
もっと明かりのある場所に移動したほうがええかもしれん。
あとは囮の簪の用意とか?
そもそもどうやって簪のありかを嗅ぎつけてるのかもわからんから効果のほどは不明やけど……
簪を狙う理由もわからんし……」
「1本目が盗られて、家中探し回ったっておっしゃってましたやろ。
言いにくいけど……フツーに考えれば、それで波江さんが残りの簪を手元に置くようにした
ってことを知っている人が犯人やろなぁ……」
つまり身内が犯人っちゅうことになるんやけど……
相手が『スタンド能力』で在り処を探っとるとか、
それ以外の想像もつかない方法があるかもしれんからなぁ。
「なんやろなぁ。昼ドラ的に考えれば、旦那さんに横恋慕してた人がいて、
愛の証を奪いたかったとか……うちやとそんなんしか思い浮かばんけど……」
519
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 01:32:51
>>518
(斉賀さん)
波江:「そうよぉ。和紙と木ぃで組んだ奴ねぇ。」
斉賀は簪の移動、また囮の用意を薦める。
波江はそれを聞くと、顎に手をあてなにか考えているようであった。
波江:「エエかもしれんね。向こうが味しめて同じ手ぇつこうてきたら、十分使えるぅ思うわぁ。」
「……身内が犯人っちゅうんはあんまり考えたくないけど。」
「それに旦那さんはうちのモンやで。」
天地がひっくり返ろうと。そう言って波江はからからと笑う。
怒るでもない。ただ笑っている。
その理由は信頼なのか、それとももっと大きななにかなのか。
円山:「すいません。」
話の途中で円山が口を開いた。
えへへ、と笑う。思えばよく笑う家である。
円山:「今、簪探してる人たちから連絡きました。」
円山の手にはスマホが握られており、その画面は明るく光っている。
円山:「正直、参考になるかは分からないんですけど、聞きます?」
円山から情報を聞くのも、波江から情報を聞くのも、また両者から聞くのも斉賀の自由だ。
サングラスなど、必要なものがあるなら注文するのもいいだろう。
520
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 01:41:36
>>519
うーん、ここで犯人の目星つけといて、犯人が櫛手に入れて、フフフとか言ってる時に
後ろから「その櫛は偽物や、やはりあんたが犯人か」みたいなこと出来たらかっちょええんやけど
まあ、無理やな。
「ん? 探してる人たちから連絡来たって……
見つかったっちゅうこと? ……や、無いよなぁ」
それなら参考になるかわからんとか、そんな言い方はしないわなぁ。
なんの連絡やろ。
というか探させてるの波江さんやろし、この連絡は波江さんに対する連絡やろから、
波江さんが聞くついでにうちも聞かせてもらう形になると思うけど。
「まあ、聞いて損はないやろ。
うちも聞かせてもろてええかな」
521
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 02:07:04
>>520
(斉賀さん)
情報の共有を申し出る斉賀。円山は当然だがあっさりと承諾してくれた。
円山:「いえ、まぁ、なんというかお仲間が見つかったというか。」
「えっと、ここ最近盗難事件が多発してるみたいなんですよ。」
円山はスマホの画面を斉賀と波江の方へと向ける。
画面にはラインらしきやりとりが映し出されている。
円山:「塩見さん、寺石さん、鉄尾さん他数名。」
「盗まれたものは……詳しいことは分かってないですけど扇子とか羽織とかまちまちみたいです。」
お仲間、とは盗難事件の被害者らしい。
確かに盗まれた仲間ではある。
円山:「中には何も盗られてない人も居るみたいですけど、皆同じこと言ってるんですって。」
「火の玉を見たって。」
「まぁ、その後は妖怪を見ただとか家鳴りがしたとかまちまちですけど。」
火の玉、ちょうど波江も見たものだ。
同一犯、そう考えてもいいのかもしれない。
……火の玉が襲ってきた波江とは少し違うようだが。
円山:「後は、最近やけに野良猫とか野良犬を見かけるってぐらいですかね。」
522
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 02:41:25
>>521
「うん? となると別に簪だけを狙って来てるわけやないってことか
なんや和風なもんばっかり狙っとるみたいやけど」
うーん、なんやろな。
どういう犯人なんやろ。野良犬猫も何か関係あるのか……
妖怪とかは単に混乱してて見間違えか?
それとも幻使いで、好んで火の玉と野良犬猫を使うだけで、他のもんも出せるとか……?
「んー、なんか盗られたもんに共通点とかあるんかな?
和風っていうのも共通点やけど……和風だからなんやって話やし。
なんも盗られてない人もいるっちゅうことは、狙ったモンが無かったっちゅうことで……
犯人の調査能力にも限界はあるんやろけど……うーむ
こっそり盗ってくんやないあたり、相手の反応を楽しむ愉快犯やろか……」
「そういえば『ハラジュク・ガール』って捜査とかには使えなさそうな感じなん?」
523
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 03:07:04
>>522
(斉賀さん)
円山:「共通点?うーん。そうですねぇ。」
「うちから簪盗った以外は、扇子、羽織、他にぃ……」
スマホを操作しながらうんうん唸っている。
通知音。円山は目を丸くした。
目を凝らして画面を確認する。
円山:「紋付袴もやられてるみたいですね。杯とか和傘。」
「後、これがなんか引っかかるんですけど角隠し、えっと結婚式で頭に被るアレも。」
どこから引っ張ってきたのかそんな代物までも盗み出している。
円山:「盗まれた日は全部一週間以内のこととかですかね。共通点。」
「手当たり次第って感じなんですかねぇ。」
円山は特に思いつくことが無いらしく頭をかいている。
斉賀の『ハラジュク・ガール』に関する問で思い出したように懐から筆を取り出す。
円山:「これですか?うーん。期待はできませんね。
これは『だからこそを実現する』スタンド。『不可能を可能にする』スタンドって言ってもいいです。」
「今回の盗難を調べることを筆が難しいことだと扱ってくれれば使えるんですけど……」
あまり頼りにはならなさそうである。
試してみるのも手かもしれないが……期待はし過ぎないほうがいだろう。
波江:「円山さん。そのお筆さんに変なあだ名付けんのあんまようないよぉ?」
「……どないやろか斉賀さん?考え、まとまりそうやろか?」
情報の整理などが必要ならしてみるのもいいだろう。
他に必要な情報があれば聞けばいいのだ。
524
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 15:23:08
>>523
「やっぱり和風アイテムばっかりな感じやな。
角隠しって、盗品で結婚式でもするんかいなって感じやなぁ」
かぶりは無いみたいやな。
紋付袴と角隠しとなると、男女の区別なく、もしくは両方狙っとるいうことか。
和風アイテムコレクター……にしては犯行が忙しないし、時間制限でもあるんか。
単に『スタンド使い』初心者で調子に乗っ取るだけかもしれんが。
「わかっとったけど、事前に犯人特定は無理やな。
範囲を広げられたらお手上げや。うち的に見知らぬ町やし。
となれば撃退して捕まえるしかないわけやけど……
囮の櫛と、部屋を移す以外でなんかあるかいな?
うちはちょっと準備に買い物行こうと思うんやけど、円山さん案内頼めます?」
『ハラジュク・ガール』はアレやな。小説家が原案やってた漫画のアレみたいな能力やな。
525
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 23:25:38
>>524
(斉賀さん)
波江:「うふふ。まさか、ねぇ。」
もし使用目的で盗んでいるのならその可能性も否めない。
やはりというべきか、現段階で犯人を突き止めるのは難しい。
波江:「うちは一に簪、二に犯人やわ。」
「あちらさんが簪もっとるからその、拠点っちゅうかそういうトコ突き止めなアカンやろ?」
「まぁ、それは囮の簪つこうて、後から付いてったらエエかなぁ?あんさんどない思わはる?」
波江が言う。
波江たちは斉賀の要望には最大限応えてくれるだろう。
円山:「はいはい。構いませんよ。」
「なにがお入用で?」
円山は立ち上がった。
必要なものを頼めば案内してくれるはずだ。
大抵のものは手に入れられるだろう。
526
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 00:18:53
>>525
「その場で捕まえられたら楽なんやけど……
尾行は難しそうな気するし。
映画みたいな発信機とかはさすがに手にはいらんやろ?」
大抵のもの言うても限度があるわなぁ。
「せやな……まあ、無難に防犯カラーボールとか買ってこようかと思っとるんやけど。
どこで売ってんやろなあれ。ホームセンターとか?
網……はさすがに人間を捕まえるのは難しいか。犯人が人間かどうかわからんけど。
まあでも一応用意しよか」
夜で、相手が目くらましもするとなると、蛍光塗料と臭いをつけるのは有効やろ。
ただ、室内で使うには戸惑われるもんなんよなぁ。
汚れても大丈夫な部屋があるといいんやけど。
うちの能力的に6個以上は欲しいとこやな。しかし結構でかいんやろかアレ。
527
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 00:56:35
>>526
(斉賀さん)
波江:「発信機は……まぁ、無理やろねぇ。」
円山:「カラーボールと網ですね。多分ホームセンターか、無ければ馴染みのお店に分けてもらいましょう。」
防犯に使用されるカラーボールを知り合いから分けてももらうつもりらしい。
よしんば無くても安心、というわけだろうか。
波江:「えっと、色つきのボール使うんよね?せやったら電灯のある部屋汚れてもエエようにしとくけど、それでかまん?」
「他にこっちでやっとくことあったら言うてねぇ。」
汚れなどの心配はなさそうだ。
円山:「じゃあ、車出しますね。斉賀さん。行きましょうか。」
特に問題が無ければ買い物に行くことになるだろう。
注文はつけたので円山に投げてしまうのも手だが……
528
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 01:07:23
>>527
「ありがとございますー。
せっかくやし観光も兼ねて行ってきますわ」
あと用意するのは囮の簪やけど、似たようなんあるんやろか。
無いならこっちも買ってこんとあかんけど、
まあ、円山さんに任せておけば大丈夫やろ。
野良犬猫もいたら観察しとこか。
しかし、野良猫はともかく、野良犬ってそんなおるか? 京都では野良犬歩いてるの普通なんか?
529
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 01:23:25
>>528
(斉賀さん)
円山:「じゃあ行きましょうか。」
スマホを操作して円山がいう。
買い物のリストでもメモしているんだろう。
波江:「事故起こさんようにねぇ。」
波江は二人が部屋から出るまでにこにこ笑って見送ってくれた。
円山の話によると近くの駐車場を借りているらしい。
また少しの間寒空の下を歩くことになりそうだ。
円山:「とりあえず、ホームセンターから行ってきますねぇ。」
そんなことを言って、玄関を出た時
円山:「あ。猫。」
円山が指を差して言った。
確かによく見れば塀の上に猫が居るようであった。
毛並みはバラバラであるが、どの猫もみな家の方を向いている。
円山:「……多すぎません?」
よく見てみれば、いやよく見なくても分かることであった。
見渡す限りの猫猫猫。
電線に雀の群れが止まっているかのように大量の猫が家の方を見て鎮座している。
その数は十を超えているだろう。鳴くことも無くただ静かに猫が居る。
円山:「さっきまでいなかったのに……」
530
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 01:42:03
>>529
「多すぎやろ! 怖いわ!」
なんやこれ。
偶然……やあらへんよなぁ。
幻を出す能力で、犬猫に変装して様子でもうかがっとるんかなぁと思っとったが、
動物をそのまんま操れるんか?
となると犯行現場に来るのも動物で、犯人は高みの見物かもしれん。
(火の玉出しとるからヴィジョンはいるかもしれんけど……)
「しかも無言やし……猫集会なら可愛げもあったもんを」
偵察しとるってことは、『スタンド』が見える……ちゅうか、視覚を共有しとるんかなぁ。
それとも猫とお話できるんやろか。
「ここは……ちょっかい出してみるか」
網があったら捕獲できるかもやけど、買いに行ってる間に解散されてまう可能性もあるな。
『ベティ・ブー』を発現して、こっそり胡椒で『集合球』を作ったら、猫の一匹の背後あたりに移動させて、
前方から『ベティ・ブー』を向かわせてみるで。
フツーの猫のふりをするか、素でスタンドが見えへんのやったら簡単に捕まるやろ。
『ベティ・ブー』自体の射程が短いんで、うちも近寄らなあかんからその時点で逃げ出す可能性もあるけど……
とにかく逃げ出したら、胡椒玉をはじけさせて(『球』に回転加えてから『集合球』解除でまきちらすで)
その隙に捕まえたいわ。いっぱいいるし、1匹くらいは捕まるんちゃうかな。
531
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 02:03:19
>>530
(斉賀さん)
円山:「猫カフェいらずですね。」
円山が適当な冗談を言う横で敵の能力を推理する斉賀。
これだけの数の猫は確かに異常だ。
普通ではない。
『ベティ・ブー』を発現、胡椒玉を作り出し移動させる。
胡椒球は猫の後ろへと向かう。
後、もう少しで背後を取れるそれくらいの位置になった瞬間。
ギロッ
数匹の猫が斉賀達の方をにらみ付けた。
鳴くことはない。ただにらみ付けている。
円山:「斉賀さん、あれ。」
にらみ付けてきた猫の背後からなにかが浮かんでくる。
ヘリウムガスを入れた風船のようにゆっくりと、浮かんでくる。
火の玉だ。
青い火の玉が浮かび上がってくる。
なにか来る……
532
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 02:17:43
>>531
「円山さん、見えるん?
『ハラジュク・ガール』持っとるけど、円山さんはスタンド使いや無いんよね?」
目くらまし目的なら一般人にも見えて当然かもしれんけど……
火の玉は熱くないってことやけど、危険性はいかがなもんやろ。
雪合戦の雪玉みたいに飛んでくるって話やったな。
「円山さん、手袋でもなんでもええから適当なもんを火の玉に投げてみてや。
うちは猫を確保するで」
小声ですばやく相談や。
火の玉がわざわざ出てきたってことは、猫を捕まえられたくないってことやないか?
ここは多少危険を冒しても猫を捕まえに行くとするで。
見た目に反して『ベティ・ブー』はスピード:B。猫を捕まえるくらい楽勝や!
533
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 02:33:43
>>532
(斉賀さん)
円山:「『ハラジュク・ガール』に『スタンドを見る』っていう不可能を可能にしてもらいました。」
どうやらスタンドが見える一般人らしい。
不可能を可能にし、だからこそを実現するスタンド、それが『ハラジュク・ガール』だ。
円山:「適当なもの……?じゃあ、仕事用の携帯。」
「よいしょっ。」
円山はポケットからガラケーを取り出すと、火の玉に向けてぶん投げる。
猫は動かない。身じろぎ一つしない。
『ベティ・ブー』が猫の一匹に飛び掛る。
その手は問題なく、猫の体へと向かう。
身じろぎ一つしないのだから当然ではある。
が、その時、不思議なことが起こった。
捕らえにかかった猫の隣にもう一匹の猫がいた。
『ベティ・ブー』の手がその猫を貫通したのだ。
ガシッ
『ベティ・ブー』の手が猫を捕まえた。
火の玉は変わらず浮き続けている。
534
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 02:43:09
>>533
「んおっ、スカッた!?
あれ? 捕まっとる」
なんや? 火の玉も動かんし……
他の猫も逃げんのか? というか、もしかして猫は全部模様一緒やったりせんやろな。
「なんやこら。全然動かれへんな。猫型の置物か!?
火の玉も動かんし、なんのために出てきたんかわからんで。
……というか円山さん、携帯投げてもうてよかったん? わざわざそんな壊れそうなもんを投げんでも……」
携帯はどうなったんやろ。火の玉が変わらず存在するということは、すり抜けて地面に落ちたか?
動きが無いようなら、他の猫に触ってみたり、手袋を外して、火の玉に近づけてみたりしたいわ。
535
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 02:59:37
>>534
(斉賀さん)
猫の模様はそれぞれ違う。
が、よく見れば似たような模様の猫が何匹か居るようだ。
円山:「いんですいいんです。壊れたら叩けば直る不可能を可能にしてもらいますから。」
ある種たくましい発言であった。
斉賀は猫の調査を開始しようとする。
すると……
バッ バッ
青い火の玉の前に赤い火の玉が現れ、強烈な光を放った。
しかし『ベティ・ブー』に感覚共有はなく、斉賀自身もそこまで近づいていなったため
光による目くらましは失敗に終わったらしい。
円山:「うわ。気持ち悪っ。」
門の外からであった。
円山の携帯が火の玉を透過し、外に出てしまったためそれを取りに行っていた様だ。
門の外になにかあるのかもしれない。
536
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 03:04:47
>>535
「わっ、びっくりしたわ」
青い火と赤い火は役割が別なんか?
しかしタイミングが微妙やな。捕まえたあとに驚かせてどうすんねん。
もしかして自動発動だったりするんか?
「どないしたん?」
火の玉も猫も気になるけど、なんや動かんし、先に円山さんの方に行って見るか。
塀の上にいるから外からでも見えるしな。
ところで、捕まえた猫は全然反応せえへんけど、ちゃんとこれ生きとる猫なん?
537
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 23:37:25
>>536
(斉賀さん)
敵に対する疑問。
思い出してみれば発光しているのは赤い火の玉だけだったようだ。
円山の元へと向かうと、円山が険しい顔で筆を手に取っていた。
故障していたときのために『ハラジュク・ガール』をとりだしていたのだろうか。
浮かぶ文字は『スタンドに干 』どうやら書いている途中のようだ。
円山:「斉賀さん、保健所の番号知ってます?」
円山と斉賀の前にいるのはスタンドであった。
同じ顔、同じ体格。まるで塀の上にいる猫のように隙間無く存在するスタンドたち。
その顔や体は斉賀達の方へとむいている。
スタンドの頭上には青い火の玉が浮かんでいる。
戦闘態勢。そう思わせる状態であったが。
スタンドと青い火の玉たちが奥から順に消えていく。
そして同時にスタンドの足元でなにかが動いている。
斉賀は『ベティ・ブー』を確認する。
そこにいたのは猫ではなく、一匹の狐であった。
538
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 00:05:26
>>537
ええと、『ベティ・ブー』が捕まえた猫が、いつのまにか狐になっとったっちゅうことでええんかな。
……京都に狐とかいるんか普通?
これちゃんと普通の、生きとる、生物としての狐なんやろうな?
「は? 狐……?」
なんやこの狐……どないしょ……
単に猫じゃなくて狐の幻に切り替えただけか? んなことする意味わからんけど。
一体こいつは何がしたいんや。
こんなあからさまにズラーッと並べて、かと思ったら、今度は数が減っていっとるし……
「うちが京都の保健所の番号知っとるわけないやろ……
円山さん、いったん波江さんとこ戻るで」
考えてみれば、夜を警戒しとるっちゅうのは相手もわかるはずや。
波江さんは『スタンド使い』。犯人も対応を変えて来ても不思議やない。
となれば、昼間に来ることこそ、不意を打つことになる?
どうも犯人の能力は、姿を映し盗って、増やせるようやな。
赤い火の玉が能力で映し出したもんやなくて、能力の一部だとすると……
あの眩しいのは、もしかしたらカメラのフラッシュみたいなもんかもしれへん。
そうじゃなかったとしても、もううちの姿は盗られとる可能性がある。
うちが出かけた間に、偽者のうちが簪を盗んでいかんとも限らん。
というわけで、いったん戻るで。
ところでスタンド……敵スタンドっちゅうのは、どんな見た目なんや? 人型?
足元で動いてるなんかも出来たら確認したいけど、時間がかかるようならやめとくで。
(まあ、明るいし、何事も無ければ一瞬で確認できると思うんやけど)
狐は……とりあえずそのまま抱えて行こか。
539
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 00:20:05
>>538
(斉賀さん)
狐。『ベティ・ブー』が捕まえていたのは正真正銘生きた狐であった。
苦しそうにもがいている。
円山:「山でもないのに狐がいるなんて気味悪いですね。」
「そういえば奥様も狐顔ですよねぇ。」
敵のスタンドが消えていく。
小柄だが人型だ。その線は細く、貧弱そうではある。
スタンドの足元に目線を落としてみる。
毛の塊。小さい。人間ではない。
足元にいたのは―――狐達の群れだった。
540
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 00:33:03
>>538
(斉賀さん)
波江:「はぁ、お狐さんが。」
波江の元へと戻る途中狐はなにもしなかった。
観念している、のだろうか。
波江:「どういうこっちゃ。」
「このお狐さんらがうちの家じぃっと見てはったんやろ?」
小首を傾げる波江。
狐は円山がどこからか持って来た籠に入れられている。
波江:「斉賀さん、どない思わはる?」
541
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 00:48:03
>>539-540
この波江さんは本物なんやろか。
ちゃんと喋っとるし、本物なんやろけど……
「失礼、犯人はやっぱり幻を使うようやから、一応念のため確かめさせていただくで」
波江さんに触っとこ。セクハラやないで?
まあ、腕でええやろ。さすがに胸を触るのは無理あるしな……
ちょっと手をにぎにぎさせてもらお。セクハラやないで?
「正直さっぱりや。この狐が『スタンド使い』なんやろか?
しかし他にも一杯いたし……」
あれは幻やなくて、同じスタンドがいっぱいおったってことか?
うちもスタンドにそんな詳しいわけやないからなぁ……
精神性が似てれば似たようなスタンドを発現しそうやし、群れで生きる動物ならおかしくないんか……?
狐ってそんな群れをなす動物やったかどうかよう知らんけど……
「ただ、この狐が犯人に利用されてるだけとしても、
なんでそこらにいる猫やのうて、狐やねんっちゅう話やし、
なんかしら関係はあるんちゃうかなぁ。
一歩前進したと思いたいところやけど……」
しかしなんでこの狐は猫に化けてた時に動かれへんかったんやろなぁ……
『ベティ・ブー』で狐の鼻先をつついたりしてみて、狐にスタンドが見えてるかどうか確かめてみるで。
542
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:01:40
>>541
(斉賀さん)
波江:「へ?」
波江の手をもむ斉賀。
波江は不思議そうに笑っている。
波江:「手ぇ揉んでくれてはんの?そやったらお返しやわぁ。」
波江が斉賀の手を取り揉む。
その指は手のあらゆるツボを刺激する。
ツボ押し独特の痛みが斉賀を襲う。
波江:「お狐さんなぁ。」
狐に群れをなす習慣は無いといわれている。
ただしあの狐達が集団行動をしていた可能性は高いのかもしれない。
『ベティ・ブー』の指が狐の鼻先をつつく。
狐はいやいや、とするように何度も頭を振る。
嫌がってるようだ。『ベティ・ブー』から逃げるように籠の隅へと向かっている。
牙をむいて恨めしそうに警戒している。
543
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 01:15:38
>>542
「んん、ああ……おふぅ
波江さんマッサージ師の資格でも持っとるん?」
うへへ役得や……ゴホン
この狐の反応は……やっぱりスタンド見えとるんかなぁ。
「しかし、どないしよか。
気軽に買い物にも出かけれんなぁ。
とりあえず波江さんと円山さん、連絡先交換させてもろてええか?」
今までのことから考えて、姿を偽れるだけで声とか触覚は無理そうやけど、
用心するに越したことはないやろ。電話して確かめるっちゅうのは結構確実な手段やと思う。
「夜まで待ち構えるか、こっちから調査に出るか……
調査に出ても一回顔合わせた以上、もうこれ以上出てこんかもしれんし、
あるいはやっぱり姿を偽って侵入してくる可能性もある。
しかしなんも準備できんで夜まで待つのもな……
悩ましいとこやな。
……そうや、この狐に簪をちょっと見せてみたらどうやろ。
犯人と関係あるんならなんか反応あるんちゃうかな?」
ところで今何時くらいやろ。
前の襲撃があった時間は、寝ずの番ちゅうくらいやから夜遅くだったようやけど。
544
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:28:20
>>543
(斉賀さん)
波江:「へ?うちお花のセンセよぉ?」
どうやら素人仕事であったらしい。
波江はなおも手をもみ斉賀の手に痛みを与える。
円山:「連絡先ですねぇ。」
「では、一筆。」
斉賀が筆を取り、宙に文字を描く。
『鈴元波江、円山円の連絡先を知る』
文字は斉賀の頭とスマホへと向かい、染み込む。
斉賀の頭には、文字と数字の羅列が浮かぶ。
おそらくメールアドレスと電話番号だろう。
斉賀は悩んだ結果、波江へ簪を向けるように指示する。
波江はが簪を向けると、狐は鼻を鳴らす。
次の瞬間、部屋の中に一体のスタンドが姿を現す。
小柄で線の細い人型、その体には『七本』の尾が生えている。
先ほど群れて並んでいたスタンドだ。
545
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:42:40
>>543
(斉賀さん)
現在の時刻は『17時ちょうど』である。
546
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 01:44:39
>>544
痛気持ちええ……って、まだやっとんたかい!
さすがにな、ほら、狐もスタンド出してきたし警戒せなあかんから
手離してもらうで……
あと連絡先交換にわざわざスタンド使わんでも……まあそれはええか
「あ! 出おったで。さっきのやつや。
……尻尾生えとるな。やっぱり狐が本体なんか?
万が一にも盗られんよう、簪を確保しといてえな?」
狐が捕まっとるカゴをどうにかしようとするか、簪を盗ろうとするか……どう動く?
とりあえず警戒して相手の出方をうかがうで。
本体(?)の狐を捕まえてる以上、逃げられる心配は無いはずやし……
547
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:58:19
>>546
(斉賀さん)
波江:「『ディープ・パープル』」
波江は自らのスタンドを発現する。
どことなく狐を想起させるスタンドが姿を現した。
円山:「多分、本体はこの狐ですね。」
簪に反応を示した狐がスタンドを出した、その想定で大丈夫だろう。
敵スタンドの尾が一本外れる。それは宙で丸まり青い火の玉となった。
そして、姿勢を低くしている。
548
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 13:34:05
>>547
なんや部屋の狐度が高いな……
「ふむー、尻尾が火の玉に……それが九本で、
さらに同じスタンド持ちの狐がぎょうさんおるとなると……めちゃくちゃ火の玉だらけになりそうやな。
しかしなんで狐が簪を狙うんやろ……ほんまわけわからんな。野生動物ちゃうんか。
黒幕は別におるっちゅうことか?」
ヴィジョンは弱そうやし、火の玉から出るのも幻のはずやから危険は無いと思うけど……
一応、真珠風ネックレスを球形をキーワードにくくって集合球にして浮かしとこか。
あとカゴが壊されるとは思わんけど、念のため部屋の出入り口の方に立っとこ。
『狐ちゃ〜ん、もしかして言葉わかったりとか……せえへん?』
スタンド会話……テレパシーみたいなもんやしも、しかしたら通じたりせえへんやろか。
まあ、わからんと思うけど、簪を狙ったりするようなやつらやしな。
話しかけるだけ話しかけてみるで。
549
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 23:26:05
>>548
(斉賀さん)
波江:「うちにお狐さんの気持ちはようわからん。」
円山:「私にも分かりかねます。」
波江:「ただ、群れとったんやったら親玉がおっても不思議やないんとちゃう?」
群れ。たしかにあの狐たちは群れていた。
『ベティ・ブー』で集合球を作り、出入り口に経つ斉賀。
問いかけに返事をするかのように、青い火の玉から虎が現れた。
黄色と黒と白で構成された動物。虎。
斉賀の方を見、牙をむいて威嚇している。
しかし塀の上の猫のように鳴くことはない。
そうこうしている内に敵スタンドが動いた。
クラウチングスタートを思わせる低い姿勢から体を解き放ち、まっすぐに走り出す(スB)。
その先には波江と『ディープ・パープル』がいる。
波江はとっさのことで対応できるか怪しいが……
550
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 00:22:07
>>549
「やっぱり言葉は通じんか……
群れのボス……狐と喋れる人間なんやろか?」
ただ、盗むものをちゃんと見分けてる時点で狐自体も相当賢い気するわ。
「おお、虎や。虎」
音は出せへんのかな。
そうなら成り済ましはそんな警戒せえへんでもよさそうやけど。
双方スタンド出してて警戒態勢って、全然とっさやあらへんから別に普通に対応できると思うけど……
まあ、『ディープ・パープル』のスピードとか知らへんしな。
狐のスタンドはわりと早いし、速度的に負けてる可能性はあるかな。援護しとこか。
虎はこけおどしやからスルーしてええとして、本体が可愛い狐やと思うと、殴るのもかわいそうやな……
ブレスレット玉を進行方向に移動して、足ひっかけてコケさしたろ(ス精BC)
万が一、虎がモノホンでも『球体』動かすだけやから対応できるやろ。
551
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 00:36:01
>>550
円山:「ていうかほんとに黒幕、人なんですかねぇ……」
虎は叫ばない。
ただ斉賀をにらみ付けているだけだ。
波江:「なんで虎さんが出てきはるんよぉ。」
どうやら波江は虎のほうに意識が向いていたらしい。
自分に向けられた虎ではないのに難儀な人間だ。
狐に遠慮し、『ベティ・ブー』を操作して足元を狙う。
集合球は敵スタンドにぶつかり、スタンドは速度もあいまってか横転。
波江:「あ、いま。」
隙ありとばかりに『ディープ・パープル』が頭部を叩く(スC)。
斉賀の遠慮などどこ吹く風である。
スタンドの頭部に『青い紫陽花』が咲いた。
なんとも間抜けな絵面である。
552
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 00:50:57
>>551
「せやかて人間以外が簪とか羽織とか欲しがらんやろ普通……
それとも宇宙人が地球の和風文化の研究のために盗ませてるとか?」
人間以外で知的生物言ったら宇宙人が出てくるあたり、うちの想像力も我ながら貧困やけど……
そら狐のボスは狐っちゅうのが当然やけど、狐が簪欲しがるのもおかしいしなぁ。
しかも和風アイテムならなんでもええっちゅうわけやなくて、明らかに色々狙って盗んでるし。
「……んん、ちょお待って、その花、下手すると狐ちゃん死ぬんちゃうか?
捕まえるだけでええって」
あ、あれ、幻を出せるって説明してなかったやろか……まあええわ。
名前的に紫色の紫陽花かと思ったら、青いな。
虎はやっぱりこけおどしみたいやから、スルーして狐のスタンドを押さえに行くで。
どのくらい脆くなってるのかわからんから、頭に衝撃を与えんように気つけんとな。
553
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 01:09:05
>>552
(斉賀さん)
円山:「宇宙人かぁ。ありえなくもないですね。」
「ここは権謀術数渦巻く京都。何が起きても不思議ではありません。」
限度は当然ある。
円山もまさか本気にはしていないだろう。
波江:「すんません。えらい手ぇ焼かしてしもうてぇ。」
「いや、大丈夫。死なん死なん。」
「ちょっと痛い目見てもらお、思て。」
『ベティ・ブー』はスタンドを取り押さえる。
観念したのか敵スタンドは動かない。
青い火の玉は消え、虎も消える。
波江:「もうびっくりさせんといて、急に出したらびっくりするやろ。」
波江が意味不明な説教を籠の中の狐にしている。
円山:「斉賀さん、どうします?買い物とか。」
554
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 01:22:00
>>553
いつの間に京都はそんな魔都になったんや……
「どないしよか。
一匹なら大して怖くないけど、ぎょうさん出てきたらなぁ。
……まあ、パワーは多分そんな無いやろし、戸締りしっかりしとったら大丈夫か?
波江さんどうや? 留守番大丈夫そう?」
なんや年上の人に留守番できそうか聞くのってなんか失礼やろか……
いや、あからさまに脅威が迫っとるんやからおかしないはずやけど。
「この狐ちゃんはどないするか
……発信機があればホンマ、逃がして本拠地を突き止められそうなんやけどなあ。
携帯のGPS機能とかでそういうの出来たりせんやろか」
うち、そんな機械とか詳しないからなぁ
ひとまず狐のスタンドを離してやるで。パワーはどんくらいやったんやろ?
取り押さえたときにすぐに抵抗をやめて分からなかった感じか?
ところで狐のカゴにはちゃんと鍵かかっとるんか? スタンドが人型やとカゴの入り口くらい開けてきそうや。
あとどんなカゴなんや。木製のカゴとかだったらさすがに壊されて逃げられそうやけど
555
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 02:04:31
>>554
(斉賀さん)
波江:「……多分、大丈夫や思うよ。」
「や、どないやろ。あんさんと一緒におった方が安全なんは事実やわ。」
先ほどの集団が襲ってくれば波江だってひとたまりもないだろう。
同行させるもさせないも斉賀の心次第ではあるが、波江も今回の件で狐についての知恵が付いているだろうし
虎のときのような妙なアクシデントがなければ大丈夫かもしれない。
波江:「大丈夫。さっきみたいな阿呆はせん。やから安心しぃ。」
円山:「GPSですか。うーん。鈴元家ってどうも機械に弱いんですよねぇ。」
「それに、簪とかの盗みたいものを見分けられる狐が携帯くっつけられて気付かないってのも考えにくいんではないでしょうか。」
固定の仕方によってはスタンドで取り外されたり途中で落ちてしまう可能性もあるかもしれない。
実現は少し難しいだろう。
敵スタンドの頭の紫陽花からは霧のようなものが出ていた。
敵スタンドは離されるとすぐに手で紫陽花を払おうとするが、花が揺れるばかりで落ちることが無い。
波江:「こないな花一つ散らされへんの?」
波江の平手一発。花は散ってしまった。どうやらこのスタンド人間以下の力しか持たないようだ。
花が散るとスタンドは消えてしまった。
斉賀は籠を確認する。
ラタン、と呼ばれるものだ。割合丈夫な素材であると思われる。
鍵は存在しないが、入り口のところに針金が巻かれてあり、ぎっちりと固定されている。
敵スタンドのパワーで破壊するのには時間がかかりそうだ。
波江:「さて、どないしよかな。ホンマに。」
「うちかお手伝いさんにでも見張ってもらおかなぁ。」
「それやったら斉賀さんも安心して買いモンいけるんとちゃう?」
円山:「最悪、私ひとりで買ってきますけど。」
556
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 02:15:57
>>555
家レベルで機械苦手なん?
まあ、和菓子屋やしな……あれ、波江さんはお花の先生やっけ。
「うん、まあ、このパワーなら滅多なことはあらへんやろ。
しっかり簪握っとけば。
円山さんが一人で襲われるほうが怖いし、一緒に行こか」
円山さんが狙われることはありうるのかどうか、
どーも相手の知能レベルがよくわからんからなぁ。
人間と同じと考えたほうがええんやろか。
「ほな、今度こそ行ってくるで」
そんな絶対必要ってわけでもないんやけどな。買い物。
外行ったらまたなんか進展あるかもしれんし。
557
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 02:27:36
>>556
(斉賀さん)
鈴元波江は花のお花の先生である。
嫁に入った家の仕事と彼女の仕事は別なのかも知れない。
円山:「じゃあちょっと予定ずれちゃいましたけど行きましょうか。」
円山と共に駐車場へと向かう。
塀にもどこにも、狐や猫は居ない。
駐車場に付いた二人は車へと乗り込んだ。
黒い一般的な乗用車であった。
円山:「えっと、ホームセンターでよかったですよね?」
「防犯用のカラーボールと網、だけでしたから。」
他に何か必要は物はあるだろうか。
558
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 02:36:26
>>557
「おらんな」
いいや、今度は草花に擬態しとらんとも限らんで。
そういやなんで猫に擬態しとった時は動かんかったんやろ……
「狐って何食べるんやろな。
ドッグフードでええかなぁ。あと首輪はどないしょうか。
野生動物って勝手に飼ったら、やっぱりあかんかなぁ」
ペットショップへ行こ!
559
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 02:58:10
>>558
(斉賀さん)
円山:「いませんねぇ。」
念のため草花も確認する。いる気配は感じ取れない。
幻を出す条件でもあるのだろうか。
円山:「狐って肉食じゃなかったでしたっけ。鼠とかじゃないですか?」
「ていうか、飼うんですか?狐。」
狐の家畜化はなされていないのだろうから狐用のペット用品を探すのは難しいだろう。
犬や猫用のドライフードも与えれば一応食べるだろう。
狐を懐かせるのには苦労するかもしれないが。
円山:「到着です。」
着いた先はペットショップ。
『八隅動物店』と書かれている。
円山:「個人経営ですけどけっこう品揃えいいですよ。」
さて、なにを買おうか。
560
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 17:20:22
>>559
「ね、ねずみかぁ〜〜……ちょっとぐろいな」
「可愛いやん狐。
って言うても、あんなにぎょうさんおったらさすがに引き取れへんけどな。
あの一匹だけならいけるけど、群れから引き離すのもどうなん? ってとこやし。
かといって保健所行きもかわいそうやし」
あの狐たちは何食っとるんやろな。
京都は詳しないけど、ここらへんに群れを養えるほどの狩りができる獲物がおるんやろか。
それとも野良犬みたいに残飯漁っとるんか。
あの群れを食いモンでもない簪なんかを盗ませるくらい、生活に余裕を与えるボスか……なにもんなんや。
盗みに来た狐を捕まえてもボスを見つけんことにはなんともならんし、ほんまどないしょ……
「とりあえずドッグフード買おか。
捕虜に飯を与えないのは虐待や。
狐について店員さんにお知恵を拝借したいとこやけど、さすがに取り扱ってない動物には詳しないかな……」
ドッグフード買って、首輪はとりあえずはいらんか……
狐は群れをつくるんか、とか、習性とか、なんか参考になりそうなこと聞きたいとこやな。
あんまり期待はできんけど……
561
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 23:22:50
>>560
(斉賀さん)
円山:「あー。でも私猫派なんですよねぇ。」
円山は狐をあまり好まないようだ。
あまり一般的に見かけるような生物ではないし、愛着をわかせる動物でもないだろう。
「いっらしゃいませー。」
店員は一人だ。
長ったらしく髪を伸ばした男。その耳にはイヤリングが光る。
「はぁ、狐ですか。山から下りてきたんスかね。」
円山が狐を捕まえたと離すと、店員は不思議そうな顔をして言った。
「餌?餌っスか。まぁ、あれですね。ドライフード。」
「本土とかで見るのはホンドギツネっていうんスよ。肉食の傾向がありますけど、雑食だったはずっス。」
「鼠とか鳥とか、火を通したらレバーとかもいくはずっスね。果物も食べますけどぉ。」
店員はごそごそと店の棚からドライフードを持ってくる。
色々な種類があるが、まぁ安いものでいいだろう。
缶詰まで出してきた。そこは商人、色々と売りつける気かもしれない。
「狐ってたしかあんま群れないっスよ。家族単位で行動してるらしいっスけど。
あ、でもグループが大きくなるって可能性はあるっスね。」
「狐、住み場所減ってるんで。色んな狐が寄り集まってるんかも。」
「そういえばそろそろ繁殖期っスねぇ。」
つらつらと狐について説明している。
店員が出してきたのはドライフードや缶詰といった食料類のほかに首輪やケージのカタログまで持ってきた。
商魂たくましい。
562
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 00:16:56
>>561
まあ、そら猫は当然可愛いけど。
犬だって狐だってフェレットだってハムスターだって蝙蝠……は種類によるか
蛇とか亀も可愛いんやけど、やつら反応が面白無いからなぁ。
「ここらにも狐おるんか。なんか北海道におるイメージあったわ。
キタキツネってやつかな?
そういえば、狐のお面とか、京都っぽい感じするわなぁ」
なるほどなあ。住処を追われた狐の寄り合い所帯……
なんや、アレやな、平成狸合戦とかいう映画を思い出すわ。
あの狐のスタンドがもっとすごかったら人間のふりして人間に混じって暮らすとか映画みたいなことも出来たかもしれんね。
繁殖期やから人間の真似して結婚式なんかしてみたり……って、食いモンと住処に余裕ないとそんなことせえへんよな。
あの数の狐を養う場所が、犯人の本拠地っちゅうのは頭に入れとくか。
「ああ、いやぁ、まだ一匹保護しただけで、飼うかどうかはわからんねん。
ひとまずドライフードと……せやなぁ、なんかこう、猫にマタタビみたいな感じで、
狐を酔っ払わせるようなもんとかってあったりするん?」
犬を酔わせるってあんまり聞いたことないわな。
あと聞いたことあるんは……蜘蛛にコーヒーで酔っ払うとかやったかな。
563
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 00:37:00
>>562
(斉賀さん)
動物はなにか、人とは違うものを持っているのかもしれない。
「よく知ってますね。そうっス。北海道とかのはキタキツネっスよ。」
「狐のお面は仕入れて無いっスねぇ。」
けらけら笑う店員。
冗談のつもりだろうが、目が笑っていない。
狐達に思いをはせ、狐にきくもの、猫にとってのマタタビを問う。
「あー。なんでしょうねぇ。俺も狐専門って訳じゃあないんス。
犬には乾燥ミミズとか聞きますけど、眉唾ですし。」
「あ、こういう噛む餌とかどうっスか。」
また店の奥からなにか餌を出してきた。
どうやら決定的なものは見当たらなさそうである。
「そういや保護ってなんスか。野良狐でも拾ったんです?」
564
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 00:59:43
>>563
「そおかー……残念やな。
保護っちゅうのは、まあ、なんちゅうか……
盗みに入ってきたんを捕まえたって感じ、かな……」
いや、塀の上におったんをふん捕まえたんやけど、
それだけ言うとうちが悪者みたいやん。
盗んだのは先日やけど、まあ間違ってないしええやろ……
「ほな、ありがとなー。
もし飼うことんなったらまた来るかもわからんで、よろしゅうな」
ひとまずペットショップはこれくらいにして、次行こか。
また来るかも言うのはリップサービスやけど。
飼うことになったら地元のペットショップ行くと思うしな。
あとは網とカラーボールか。
網は狐相手やから人間より有効やろ。
カラーボールは……人間の服と違ごうて自前の毛皮やから、ちょっとかわいそうやけど。
本拠地かボスをどうにかせなあかんとなると、やっぱり発信機みたいんは欲しいなぁ。
家電屋になんかそういうの売ってたりせえへんやろか。
565
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 01:25:48
>>564
(斉賀さん)
「盗み?あーあれっスか。食べ物とか。」
「大変っスねぇ。あ、狐、夜行性なんで夜気ぃつけてくださいね。」
「縄張りにおたくの家とか入ってたら大変っスから。」
そう言って店員は頭を下げた。
もはやここに用は無い。
次の目的地へと向かおう。
次に着いたのはホームセンターだった。
発信機について話したら円山が隣に電気屋がある店を選んでくれた。
少し時間はかかったが、まぁ大丈夫だろう。
円山:「網とカラーボールどのくらいいります?」
網とカラーボールはあったようだ。
カラーボールは野球のボール程度の大きさのもの。
網はいくつか種類があり、頼めば1m×1mの正方形がたから売ってくれるらしい。
円山:「発信機なんですけど、あれ試してみます?『ハラジュク・ガール』」
566
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 01:47:36
>>565
「う〜ん、よお考えたら6個もいらんかな……でも多いに越したことないし」
カラーボール同士やなくても、丸いものでくくって集合させれば、ええしな。
カラーボールは4個くらいで、スーパーボールとか沢山買っとこ。
いや、ホームセンターにスーパーボールは無いか?
軟球とかならあるかな……
網は……大きさは1m四方で足りるか?
尻尾いれるともうちょっとありそうな気するけど
捕まえた狐はどのくらいの大きさやったやろか?
あと、狐の数やな。さっき見た狐はどんくらい居ったんや?
「あと夜道で追跡する可能性もあるから懐中電灯と……
ん? 『ハラジュク・ガール』?
正直どこまで出来るんかいまいちようわからねんけど……できそうなん?」
捜査は難しい言うてたけど、追跡ならできるっちゅうことか?
逃げられた、だからこそ追いつける。みたいな?
567
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 02:05:49
>>566
(斉賀さん)
円山:「あんまり多すぎると荷物になりますよ。」
「おー。見てください。スーパーボールすくいセットですって。」
細長い箱にはスーパーボールすくいセットの文字。
縁日などで使うものだろう。
一応スーパーボールだ。もちろん、買えば使えるか分からないポイが付いてくるが。
円山:「網って便利なんですねぇ。」
先ほど捕まえた狐は尻尾も含めて80cmぐらいであった。
ちなみにいた数は十数匹。
それぐらいの群れなのかそれとももっと多いのかは未知数だが、1m四方では少し足りないかもしれない。
懐中電灯は一般的な手もちタイプが多い。
LEDのものなどは小さくても明るく闇夜を照らしてくれるだろう。
円山:「『ハラジュク・ガール』って自意識があるんですね。」
「で、筆が許可したことしか能力の対象に出来ないんですけどぉ。」
「査定条件ってのがあって、『不可能性が高いこと』なんですよ。」
犯人について人を使って捜査している段階だったので犯人について知ることが出来る、というお題を『ハラジュク・ガール』は跳ねのけたという。
円山:「狐に逃げられた時に『狐を見つけられる』ってしたらどうです?」
「暗い夜の京都。斉賀さんはこの町の生まれじゃない。狐っていう小動物を追いかける。
しかも、相手は幻でかく乱してくる。敵の本拠地の手がかりは無い。どうです?『不可能性』が高くありません?」
「ハードモードをイージーモードに、それがこのスタンドですよ。」
568
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 02:20:52
>>567
へー、ホームセンターってこんなんも売っとるんかぁ
「せやかて、どのくらい狐がおるのかわからん、
ボスがどんなんかわからなんとなると、出来るだけ沢山用意したなるのが人情やん。
大は小を兼ねる言うやん」
確かに荷物が多いと不利な場面もあるかもやなぁ。
リュックでも買って、そこにスーパーボールとか詰めとくか。
なんと背中の防護にもなるで。
狐を全部捕まえる必要は無いやろし、網は……まあ2mくらいのが12個でどうやろ。
集合球にすれば2個分やな。
「なんや努力が否定されたような気持ちなるけど……
そしたら下手にカラーボールとか使わんほうが成功率高なるんかな」
カラーボール当てたら追跡できるってもんでもないやろうけど、
無いほうが難易度は高いと思うし……
「……ところでこれは事件とは全然関係ない雑談やけど、
連絡先交換にも筆使っとったけど、連絡先交換が不可能なレベルの機械音痴なん……?」
569
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 02:42:33
>>568
(斉賀さん)
円山:「おぉ。なるほど。」
リュックサックも一応置いてあった。
割と大きいサイズのものもあるのでキチンと整理すれば中身がぐちゃぐちゃになることも無いだろう。
円山:「そこが難しいんですよねぇ。自意識あるっていったでしょう?楽しすぎって判断してもいう事聞いてくれないんですよ。」
「あんまり使いすぎると人間としてダメになる気もするんですよねぇ……」
その割には色々と便利使いしているようではある。
円山:「まぁでも、斉賀さん。私達は筆じゃなくあなたに問題解決を依頼してます。」
「それに、あなたの努力を踏みにじるような真似を我々は望みません。」
「どうしても、どうしても必要だと感じたら言って下さい。それ以外では私達手出ししませんよ。」
「発信機、代替になるもの探しましょうか。」
努力の上に成り立つ。そういいたいようだ。
信用するもしないも斉賀自身ではある。
円山:「え?えへへ。私は出来ますよぉ。」
「奥様逆パカ常習犯ですしぃ。パソコン電源入んなかったから壊れてるって平手打ちしてホントに壊しかけたりする人なんで。」
かなりの機械オンチらしく、円山達はなるべく波江に機械を触らせたくないらしい。
570
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 02:57:59
>>569
「そ、そうなん……」
うちは機械の扱いは普通や。
せやな。ちょっとスマホで発信機について調べてみるか。
ここに売ってるかどうかわからんけど。
「迷子猫発信機、ロケーター
15000円かぁ。う、うーん高っかいな」
ttp://www.oftww.com/www/hanbai/loc8/loc8.htm
あの狐は賢そうやからなぁ。
前に指摘されたとおり、外されてまうかもしれんし……
いや、あのパワーじゃ外せんかもしれへんけど、うまく巣に戻ってくれないかもしれへん。
買ったけどダメでしたじゃ悲しいもんがあるわ。
「足に墨を塗る……めっちゃ長い紐をくっつける……無理あるわな」
571
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 03:26:05
>>570
(斉賀さん)
円山:「まぁお金はうちらで何とかしますよ。失せ物探すのに使えそうですし。」
「ちょっと問い合わせてみましょうかねぇ。」
携帯を取り出して電話をする円山。
小動物の捜索には難しい。
発信機は使えるが、巣に戻らない可能性もまたある。
巣がどこにあるか分からない状況である。
確実に巣に戻るという確証があるのなら十二分に使えるはずだが。
円山:「あー斉賀さん。あるっぽいです。」
「一個だけ。」
「それと、思ったんですけどペットショップの人山から下りてきたって言ってたんですけど。」
「あいつらの巣って山ですよね?目撃情報とか出没注意とか無いんですかね。」
572
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 18:49:26
>>571
「あるんか、うーん、買っておく……?」
そうなると発信機をつけるのに首輪もいるやんな。
「山、なんかなぁ。ボス……黒幕が人間やったらどっかで飼ってるかもしれんし
そこはわからんけど、あいつらスタンドで犬猫に偽装できるからなぁ。
犯行現場近くで犬猫がいたっちゅう目撃情報はあったけど……
ちゅうかその目撃証言って簪探してる人達からの連絡やったやろ。
そっちの家のもんがそういう情報集めとるんやないの……って、そっか、犬猫はオマケ情報やったな」
さすがにうち自身が被害に遭った家々回る時間は無いと思っとったから
情報集めるのは諦めとったけど、
探してる人達に犬猫情報聞いたほうがええんかな。
「じゃあ聞いてもらってもええかなぁ。
……犬猫情報をなんで欲しとるんかっちゅう説明はよう思いつかんけど。
もしかして鈴眼ではスタンドは別に秘密でも無くてみんな知っとるん?
せやったら説明は楽なんやけど」
ラインで連絡取り合ってたから、情報流すんはすぐ済みそうやな。
猫に化けとるんはうちに見破られたから、また別のもんに化けとる可能性もあるが……
対象に犬猫を選んどるあたり、あんまり大きさが違うと違和感あるんやないかなぁ。
だって、目立たんちゅうならもっと鼠とか蟻とか小さいもんのふりすればええわけやし。
でも自分の体が消えるわけやないから、自分の体より大きなものにしか化けれんのやろか。
だとすると他の候補は人間くらいやけど……
573
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 23:39:46
>>572
(斉賀さん)
円山:「まぁ、あってこまるものじゃないですよね。」
帰りに先ほどのペットショップに戻れば首輪も買えるだろう。
もちろん、発信機を買うならの話ではあるが。
円山:「犯人探しから動物探しにシフトしていただきましょうかね。」
「スタンドについて知ってる人は一部ですね。」
「……その一部に声かけますか。」
スマホをいじり、仲間へと連絡を送る。
ひと段落ついたらしく、円山は斉賀に笑みを向けた。
円山:「いけましたいけました。上手くいけばそんなに時間かからないです。」
「カラーボール、網、懐中電灯、スーパーボール、リュックサック。ここで買うのはこれだけでしたよね?」
他に買うものがあれば買っていこう。
なければ電気屋に行くかまた別のどこかに向かうか、だ。
574
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 23:56:12
>>573
「ん〜、せやね。他か……」
ボスが凶悪な奴やった時に備えて、刃物も用意しといたほうがええやろか……
いや、コソ泥にそこまですんのはなんやし、他のもんと混ぜて使えるとなると玉がええか。
ビー玉でも買っていこか。
あんまり怪我させたない時はスーパーボールで、攻撃力が欲しいときは硬いビー玉でってな。
「おし、OKや」
あとは発信機と首輪か。
……しかし発信機をつけて捕まえた狐を離すとなると、餌はいらんかったか?
ま、まあええわ。
ただ逃がすと怪しまれて巣に向かわんかもしれんし、
むしろ逃がさんようにしておいて、逃げてもうたら発信機が生きるみたいな感じでいくか。
盗むもんを区別してるあたり、賢いのかと思ったけど、あからさまに怪しく猫をズラーッと並べたりもするし、
相手の賢さがようわからんからな。案外、発信機で簡単に巣がわかるかもしれん。
575
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 00:36:47
>>574
(斉賀さん)
網の袋に入ったビー玉も籠に入れる。
太陽などの光にすかしてみれば美しいビー玉だが一度ぶつければ強烈な武器になる。
ものは使いよう、そういうことなのかもしれない。
円山:「よし、じゃあ電気屋さん行きましょう。」
電気屋に移動すると円山は一目散に店員の元へと行った。
なくなってしまわないうちに、というわけか。
円山:「運よかったです。注文があって取り寄せたら先方がキャンセルして在庫になってたんですって。」
円山が発信機を買って帰ってきた。
後は首輪だけ、だろうか。
576
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/08(火) 00:48:03
>>575
「ほう、ツイとるな!」
こっちも助かるし、電気屋も在庫がはけてWINWINやな!
買い物がWINWINなのは別に普通か!
「往復させてもうてすまんな……」
ペットショップへの移動中、波江さんに電話でもしとこか。
今から帰るでーってな。
さすがに電話にでるくらいは出来る……わな?
577
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 01:00:11
>>576
(斉賀さん)
円山:「何のために注文したんですかね、その人。」
取り寄せてもらうほど欲しいものをキャンセルした人物について円山は考えているようだ。
円山:「大丈夫ですよ。その分働いていただくんですから。」
決戦はまだ少し先のことだ。
夜以外の時間は円山達が働いてくれる。
prrrr
prrrr
少し長めの待機音を聞くと、波江は電話に出た。
波江:「はい鈴元ですぅ。どちらさんやろか。あ、斉賀さん?」
「あぁそろそろ戻りはんの?あぁ丁度出前取った所やわ。」
「お風呂の準備も出来とるから帰ってきはったらゆっくりしてってねぇ。」
578
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/08(火) 01:19:39
>>577
「さあ……浮気調査に使お思うたけど、誤解が解けたとか?」
有効範囲がそんなでもないから、浮気調査には使いにくいかもやな。
ペットに使おう思っとったけど、ペットが亡くなったとか……
気が滅入るからあんまり想像するのはやめとこか。
「ありがとございますー。
あとちょっとしたら帰りますわー」
波江さんのほうは襲撃もなく無事そうやな。
やっぱり来るのは夜か。
あとは首輪を買って帰るだけやな。
そういや、結局、京都っぽいもん見とらんなぁ。
車の窓から観光しとこか。
犬とか猫も狐が偽装できるくらい普通におるんやろか。
579
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 01:29:34
>>578
(斉賀さん)
円山:「まぁ、なんにせよ、私達の元に来たのはよかったですね。」
この調子で簪も取り戻したいところだ。
波江:「はぁい。ほなねぇ。」
「天城さん、通話切るんてこれでエエの?」
なにやら近くの人に話しかけているようだが、通話は無事終了した。
終了した、というよりは誰かに終了してもらった、という色が強い気もするが。
円山:「もうちょっとですからねぇ。」
ラジオからはゆったりとした音楽が流れている。
窓の外は落ち着いた町並みが広がる。
いかにも古都、そういう風景ではない。
しかし普段は色鮮やかな店の看板はどれも地味な色合いに変わっている。
景観を壊さないように配慮された人工物は決して街路樹たちの作り出す風景の邪魔はしない。
人通りには何人かの人々が歩いている。平和だ。
円山:「着きましたよ。」
再び『八隅動物店』へ。
580
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/08(火) 01:43:00
>>579
……さて、なんて言って首輪を買うか。
まあ首輪買うんにそんな言い訳とかいらんけど、
普通んやなくて、注文が発信機つけられる首輪やからな。
他の狐も来るんで、巣をつきとめたいって、言っとけばええかな。
嘘やないし、多分おかしないやろ。
別に店員さんに説明する義務とかあらへんけどな。
さっさと買って帰ろか。
581
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 02:10:24
>>580
(斉賀さん)
「狐の巣を見つけるために発信機っスか。」
首輪を買った。太めの首輪だ。
発信機を取り付けることも可能だろう。
「大変っスねぇ。山ん中だったら大変っスよ?」
適当に店員との会話をすまし、店を出る。
これで他に買うものはないだろう。
鈴元家に二人は戻った。
帰ってきた二人を出迎えたのは波江や住み込みのお弟子さん達であった。
みな忙しそうにしていたが、斉賀たちの姿を見えると意地なのか忙しくないように振舞った。
食事は寿司が出され、暖かい風呂も用意されている。
波江:「ゆっくりていってなぁ。夜が本番やからねぇ。」
時計は『19時30分』
特にやることもなければ夜に向けて寝るのもいいだろう。
もちろん、狐達が来るまでにおきてこなければいけないが。
582
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/09(水) 00:29:00
>>581
忙しいやろに、なんや悪いなぁ。
でもうちがなんかすると余計、気遣わせてまうやろから大人しくしとこ。
そしておSUSHI!
バイトとは思えん身分やね!
せやな、今のうちに仮眠とっとべきかもしれへん。
けどその前に、捕まえた狐に餌やって首輪つけんとな。
ほら、野生の狐はやっぱりな。エキノコックスとか怖いからスタンド越しに触れるうちがやらんとな。
583
:
『赤犬が追う』
:2015/12/09(水) 00:59:32
>>582
(斉賀さん)
アロ
波江:「斉賀さんは手ぇ洗うてまっとってねぇ。」
これがおもてなし、というものか。
たかがバイトなどと言わずきっちりと対応することが誇りなのだろうか。
それだけのことが出来るという意地や見栄か。
真意は不明だが料理も扱いも上質のものだ。
円山:「斉賀さん、捜索組に聞いた情報なんですけど。」
狐に餌を与えているときに円山が話しかけてきた。
円山:「ここ最近で犬とか猫の目撃情報は増えてるみたいです。」
「反対に山道とかで狐を見かけた件数はめっきり減ってるみたいです。」
「多分……というか確実に犬猫は狐が姿を隠すためのカモフラージュ的に使っているんだと思うんですけど。」
「行動範囲があるみたいなんですよね。」
そう言って床に紙を広げる。
手書きの地図のようだ。
円山:「盗まれた被害者、あと未遂の家って偏ってるんですよね。」
「お隣とか向かいってほどの近さじゃないんですけど、まぁそんなに遠くない。」
「黒幕と本拠地ってこのへんから案外遠くないのかもしれないですね。」
「まぁ、このぐらいの情報しか集められませんでしたけど……」
さて、狐への首輪の設置も完了した。
円山やここにはいないが波江に確認したいことがあるなら確認しておくべきか。
なにもないなら休んで備えるのがいいだろう。
584
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/09(水) 01:09:44
>>583
「行動範囲が狭いんはグッドニュースやな。
捜索してくれた人達にありがと伝えといてや」
発信機もそんなに射程長いわけやないしな。100mくらいか。
壁とかで阻まれるとさらに短なるしな。
んー、波江さんと、襲撃時にどうするかを、ちと話し合っとくか。
囮の簪をどっちが持つかとか、本物の簪をどう隠すかとか……
一旦寝てからでもええけど、相手がいつ来るかなんて確実なことは言えんし、
ギリギリになるのもなんやしな。
波江さんどこにおるんやろ。忙しいんかな?
585
:
『赤犬が追う』
:2015/12/09(水) 01:31:15
>>584
(斉賀さん)
円山:「奥様ですね。今お部屋に待機してると思いますよ。」
そう言うと円山は部屋に案内してくれるつもりらしく立ち上がった。
この狐はどうしようか。
部屋に入るとその部屋は電灯で明るく照らされている。
さらに部屋中に新聞紙が敷き詰められいつでも汚せる準備が整っているようだ。
ここが襲撃に備える部屋、という訳だろう。
縁側に続く襖がある。
波江:「成功する。せん。する。せん。」
波江は一枚の紙の上にのった紫陽花の花で花占いをしているようであった。
紫陽花の花は赤い。そしてしゅうしゅうと霧のようなものを出している。
側で『ディープ・パープル』が立っている。
波江:「あ、斉賀さん。どうもぉ。何のご用やろか。」
紫陽花の花を消して斉賀に向き合った。
波江:「お狐さんが来はったら?」
「そやねぇ。囮はいつも通りこの風車立て。ホンモンは……斉賀さん。あんさんに預けてもエエやろか?」
586
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/09(水) 01:44:24
>>585
花占いとは……華道の先生やったな。
いや、華道と花占いはあんまり関係ないか?
「え、うちが?
うーん、確かに波江さんが持ってるより意外性あるから、
うちが持っとったほうが安全かもしれんけど、
追跡もする予定やしなぁ……
いや、追跡するときは返せばええか」
なんと喋ってるうちに自己解決してもうた!
本拠地に行くのに簪持ってたら危ないからな。
「あとは発信機をつけた捕まえた狐なんやけど、
襲撃時にわざと逃がそうと思ってん。
あの首輪が発信機ついとるってことまでわかるかどうか知らんけど、
ただ逃がしたんじゃ、素直に巣に帰ってくれへんかもやからな。
仲間が来て、ドサクサまぎれにカゴが開いて、
ラッキーて思ってくれたら素直に巣に帰ってくれる可能性もあがるやろ」
これについては波江さんの協力はべつにいらんけど、雇い主やし報告やな。
狐に言葉がどのくらいわかっとるか知らんけど、聞かせたないし、
この話が終わったらこの部屋に運び込もか。
587
:
『赤犬が追う』
:2015/12/09(水) 01:56:28
>>586
(斉賀さん)
波江:「うちは今ツキがないからねぇ。」
「ふんふん。逃がすやね。かまんかまん。」
狐の件についても波江は了承してくれた。
拒否する理由が彼女の中に無いのだろう。
波江:「お狐さんは斉賀さんが追っかけるとは思うんやけど他にもなんやお手伝い要る?」
「追っかけるときに誰それに付いて来て欲しいとか、お狐さんら来たらこうして欲しいみたいなん。」
なにかあるなら提示しておこう。
なければ狐を連れてきて待機だ。
588
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/10(木) 00:11:55
>>587
「うーん、どやろな……危なないかな……
『ハラジュク・ガール』でスタンドは見えるように出来るんやったっけ
でもスタンドのこと知ってる人達はずっと捜索してて疲れてそうやしねえ」
手分けして探す意味はあんまり無さそうか?
「いや、範囲がわかっとるからな。
街角に立っといてもらって、こっちの方向来ました、こっちの方来てませんっちゅう風に
報告してくれるだけでもかなりありがたいか……
見るだけなら危険は無いやろし……」
ゲームで、話しかけると「〜はあっちに行きました」みたいなこと言ってくれる町人みたいな感じやな。
「ただ、日中も動いとったのに、冬の夜に立っとって、
幻を纏える相手を見逃さないように集中せなあかんし
地味で寒い仕事やから頼むのは気が引けるわな……
それ以外やと、ほんま見失って詰んだ時に
『ハラジュク・ガール』を使うてもらうために円山さんが一緒に着て欲しいくらいか」
しまった……もう仮眠する時間無くなってしもうたか。
しゃあないから準備して待機やな。
簪は服の袖に隠しといて、『集合球』の材料を床に置いとこか。
ビー玉数十個、スーパーボール十数個、カラーボール一個ってとこやな。
網も適当に重ねて置いとこか。
589
:
『赤犬が追う』
:2015/12/10(木) 00:36:39
>>588
(斉賀さん)
円山:「見張り、みたいな感じですね。」
波江:「今手ぇ空いてはるんって天城さんくらい?」
円山:「後は二、三人くらいですね。一応頼んでみますけど、あんまり期待はしないようにお願いしますね。」
円山がスマホを操作して答える。
断られる可能性も高いだろう。
円山が着いていくという件については簡単に承諾してくれた。
波江:「……頼んだで。斉賀さん。ホンマに会うたんがついさっきみたいな仲やのに、ここまでしてもろて。」
斉賀は集合球の材料を床に置く。
その他の荷物はリュックサックに入っている。
時間が経つ。
来るかもわからない相手を待ち続ける。
波江も円山もただ静かに待っている。
静寂だけが部屋を包んでいた。
部屋の電灯は部屋を照らしている。
突然の出来事だった。
部屋の中に火の玉が現れた。
青い色をした火の玉が現れた。
その数は五つほどでふわふわと浮いている。
どれも縁側に続く襖の側で浮いている。
ドンッ!
縁側に続く襖の向こうからなにかぶつかる音がした。
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