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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

935『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2016/06/21(火) 13:58:45
>>932(井上)(ロンパリ以外の全員)

       バギィッ!

『ハッピー・オルガン』は手始めに、
傍に並ぶ長椅子の一つを、ルンクスに向かって蹴り飛ばす!

本来の重量を疑うほどに軽々と、
金属製の椅子は空を裂き、女を抱えたルンクスに迫るが──


    ズギュ!    
            ガ キィン!

その前に出現した、『馬面人身』のスタンドが、
同じく一蹴りで、それを弾き返した。
右横に吹っ飛んだそれが、窓に突っ込むが、
ガラスにひび一つも入れることなく、通路に転がり落ちる。

「なんだぁ、おまえ・・・・『早漏』か?
 もう少し待ってろって言ったろ〜〜がよォ」

ルンクスが揶揄し、立ち上がる。
載せていた女が力なく崩れ落ちると、
そこにとんでもないサイズを誇る『一物』が出現した。
屹立するそれは、さながら黒光りする槍のようだ。

「まあ、ウィルも来たことだ。
 ここで使い切る必要もねえか・・・・おっと、紙がねぇ」

おもむろに聖書台に手を伸ばすと、
ルンクスは頁を破り取り、『掃除』を始めた。         ビリ!ビリリ!!

その左手に『スマートフォン』が握られていることに、
『ハッピー・オルガン』は気が付いた。
(他は距離がある為、気付けない)

扉が閉じる寸前、呼んでおいた井上が、追いついてきた。
哀れな本体の右腕に現れた異常に気付いたのは、井上自身だ。
僅かに出血したそれが、腕の上で這い回る、『赤い蟻』の線になっている。
井上自身を刺す気配はないが、ポトポトと床に零れ落ちている・・・・!


>>930(ロンパリ)

             キィ── 
                       バタン

『赤い絨毯』が入口に迫る寸前、入口の扉が閉じる音が聞こえた。
ラッパの音は、依然、耳障りなほど高らかに鳴り弾いている。
ロンパリの位置からは、
その音源の場所は『前方・上』までしか把握できない。

胸の疼きの正体に思い当るも、
ロンパリは意に介することなく、背後の茂みへと振り返る。
いつでも振り下ろせるようスタンド看板を構え、
腰を落とした姿勢で、揺れる茂みから飛び出すであろう、敵の姿を待ち構える──
ここで後顧の憂いを払うのが、自分の役割なのだ。


    ザザ
            ザザザザ

     ズキィン!

その時、胸の痒みが、ひときわ鋭い痛みに変化した。
針を刺すような鋭さと、肉を抉るような乱暴さを伴う、激痛。
思わず顔をしかめた、その刹那──

          ゾバ! ゾバァ!
                          ゾ ゾ ゾゾゾゾゾゾゾゾ

煙を思わせる赤い塊が、
茂みの隙間から湧き出すようにして、ロンパリに襲い掛かった!


      ド ド  ド 
                     ド ド  ド

その色。そして床に広がる形状。
それが自分の警告した『赤い絨毯』であると知るとともに、
ロンパリは、その正体を『体験』した。
 
              ゾ ゾゾ ゾゾゾゾゾゾ──z_______ッ!

胸の痛みに気を取られた一瞬の内に、
全身に群がったそれは、無数の虫──真紅の『蟻』だった。
胸に撃ち込まれた痛みと同質のそれが、
ロンパリの全身、場所を問わずに突き刺さる──!


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