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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

753ロンパリ『落伍人』:2016/02/16(火) 19:15:58
>>748-751

 誰、何かしらであれ。この町ではちょいと小首を傾げるぐらいの転機で
夢絵空事に近い冒険劇へと気づけば転がりこむ事が出来る。
 今回も、ロンパリが道を歩きがてら髭の生えた奴(エルガマル)
に、携えていた複数のスタンドの玩具が興味を惹かれたのか気づけば
この旅路の初夜へと立っていた。本物のロンパリであれば、狼狽えるか恐慌するか
大穴で武者震いを起こすのか…… 止そう、オレは『ロンパリ』では無いんだから。

           ウト ウト    パチ

            「ク  ゥウあ゛ ぁ〜」
           「……あん時と似てる夜空ダ」

 大きな欠伸を一度、夜空は何時しか満月が降り落ちそうな時と同じ輝きを放っている。

宝石箱をぶちまけたかのような夜の下で、狂え、狂い、狂った獣の魂は暫し上を見つめてから周囲を見る。

目立っていたのは女、そして近くにいる黒人。

>本日は よろしくお願いします

 「改まって畏まらなくて良いぜ。おりゃあ、最後の最期ッて時にテメェの両手首か、その命を喰らうって『誓って』んだ。
(※↑の詳細→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1393171061/728-780)
いまさら嫌だ、って言おうとも、オリャあ結構決まり事にゃア五月蠅いンでね。撤回は受付ねェ
                 ……ンで」

 『ウィル』の言葉に、スタンド看板を肩に担ぎつつ面倒そうな口振りで返答しつつ近づき。
近くにいる黒人『スヴァルト』に顔を向ける。
 こいつ『ウィル』にも聞く事があるが、まず先決はあちら『スヴァルト』だ。

 唸りつつ見つめ、唐突に吐息を出しつつ空いた手で汚れた七色ダークピンクメッシュ
の髪を乱暴に掻き毟りつつ口開く。
この時点では未だ説明されてないのでマンティコアはスヴァルトの名前を知らない。

 「あァ゛ー てめェは……くそっ ロンパリの腐れ脳味噌がッ。眠さも祟って思い出すのがおせェ
お前が…フロイス? チャプチャプ? アーント? チャクラ? フストゥル? スヴァルト? ナグサ? 
あぁ゛、ナグサってのは黒くは無かったんだっけか?? チっ とうとうオレも頭が……いや元々なんだが。
……すまねェな、年老いてる所為か最近ボケててよォ。それと人類ってのは挨拶ってのが大事だから最初に
オレから名乗らないとなァ……『ロンパリ』だ。
前置きはこれ位で良い、おめェが『ヨハネスブルグ』だってんなら、聞いておく事があってなァ。
2、3。手間は取らせねェんで聞かせてくれねェか」

 そう、名を知らぬヨハネスブルグの一人『スヴァルト』へ質問を取っていいか確認する。
確認という前提条件。断るのならば別に良い、他にする事も山積みだ。金輪際話す機会が失われる
以外には痛手もない。

奴らにとって『ロンパリ』は小虫。いや小虫よりは目立つ煩わしいクソ以下って所か。
 別に卑屈でそう表現してる訳でもない、れっきとした事実は事実として受け取る事が大事だ。
馳せ参ずる群体のスタンド使いの中で、『ロンパリ』と言う悪い意味で非凡な立ち位置に酔う訳でもない。
 勘違いした勇気と覚悟が白鯨を呑むほどの波に太刀打ちなど出来る事など何も無い。

ただ、オレは『ロンパリ』として、そして中に巣くってる『マンティコア』として。
いま、いまも過去にあった常人に見えぬ満月の下で袂を分かった半身と共に生じた
疑問の答えを探し、オレはただこの旅路で『ルンクス』を狩る。ただ それだけの事だ


『ウィル』 女のウィル。確か いかれた脳味噌の引き出しでは。奴は既に雌の成りであるに関わらず
件の『ルンクス』って奴に悪趣味なシンデレラに仕立て上げられたとかだった筈だ。
 既に雌の臭いで鼻がひん曲がりそうであり、オレの五感が正しいのならば奴が狂ったと考えるのが普通なんだろう。
 だが、生憎と。オレ自体が初めから終わりまで螺旋(ねじ)れ曲がった存在だ。
女のウィルの言葉の真偽なぞさっそくどうでも良い。
 ――『ルンクスの魂を狩る』
 それが今のオレの仕事であり、生存意義であり、暇つぶしだ。


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