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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1
739
:
『小角 宝梦は火種となる』
:2015/11/26(木) 19:18:24
>>734
(高遠)
ルンクスの計画は、すでに黄金町に収まるものではない。
町の制圧すら軽視しているのではないか・・・そう思われるほどだ。
高遠は携帯に、今の情報を記録した。
果たして、この怪物を『始末』するのは誰なのか?
それは並の戦力では成し得ない難行だが、
このまま放置することも、決して出来はしない。
サイレンの音が、近づいてくる。
この状況を救急隊員にどう伝えたものか、
今から頭の痛い問題だ・・・・
>>735
(紫)
『Q.E.D.(証明終わり)』。
そう言ってハンチング帽を深くかぶり直す紫。
『名探偵』の仕事は謎解きであり、
その後の荒事は、別の誰かの仕事だ。
>>736
(小角)
コインから手を離すと同時に、
『イル・ソン・パティ』はゆっくりと消えていった。
これで『一週間』──発現は出来なくなる。
同時に、その場にへたり込む小角。
体は傷付いていないが、状況はヘビーに過ぎた。
『彼ら』に直接対峙する者には、それ以上の重圧がかかるはずだ。
小角は挑戦者にはなれない──が、
『答え』を求められる時は、いつか必ず訪れるだろう。
『問い』、『答える』──それが人生の本質である限り。
>>737
(エイノー)
スヴァルト:
「『キリマンジャロの雪』、か。
古い映画を知っているな」
「おまえの戦力は認める。危険な『ジニ』だ。
群れのサイを封じる敵は、そうはいない。手際もいい」
「だが『豹』がそうであるように、
群れで戦わない動物は──『脆い』。
どれほど強くとも、戦場全体を把握できなければ、
いずれ力を削がれ、潰される。
戦場を動かすことを考えろ・・・・でなければ『頂』には手が届かん」
「集合場所は・・・・校門前でいい。
使うのは私用機だ。フライトは関係ない」
いつになく冷静に、スヴァルトが応じる。
熱しやすく、冷めやすい・・・・そういう気質なのかもしれない。
フライス、アーント:
「「余計なお世話だ」」
応急手当を済ませ、床に横たわるエイノー。
明日には、さらなる危険に身を投じることになるが、
そこに悲壮感はない・・・・『やるべきことをやる』だけなのだ。
>>738
(青田)
フライス:
「直接である必要すらない。
大統領の妻や娘、家族から籠絡も出来る」
『ヨハネスブルグ』との対話を得たおかげで、
ルンクスの危険性がはっきりと浮かび上がった。
これは成果の一つだろう・・・・ウィルにも伝える必要がある。
>ALL
「──『来た』な」
「会わせると面倒だわ。足止めしましょう」「ああ」
ズギュ ウ ウウ
フライスのつぶやきにアーントが応じ、
その身にスタンドを発現する。
『蝙蝠』を思わせる両腕に沿った『翼』と、
不気味極まりない『仮面』・・・・全身を覆う『纏うタイプ』だ。
ド ロ ォォオオオ
膝から崩れたその姿が、床に飲み込まれ、消え去った。
元の床に変化はない・・・・『すり抜けた』かのようだ。
気付けばフライスとスヴァルトの姿もなく、
吹き抜ける風の中、一同は部屋に取り残されていた。
サイレンの音が、校舎傍から聞こえている。
じき、通報を受けた隊員が、部屋に向かってくるだろう。
危険な『調査』が終わった・・・・
次なる戦いは、『シンガポール』に舞台を移す──
『小角 宝梦は火種となる』 ⇒ END
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