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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

672『小角 宝梦は火種となる』:2015/11/17(火) 02:50:16
>>667-670(青田、紫、エイノー、高遠)

四人が提案する改善策を、一つずつ吟味するフライス。

「『護り屋』に頼めるなら、それが可能ならば『問題』はない。
 費用は私が出せる。未来の為の『投資』だ」

「情報の可視化に抑止力が期待できるか?
 電話のみに制限するのは『公平』という意味では確実だが、
 ルールの穴を潜ろうとする人間が、必ず出る。
 はっきりと『ヤング・ダイヤモンド』に関する情報の取り扱いを
 禁止する方が確実だ。互いにデメリットもない」

「『命』を対価に真実を得るのは、究極的には『不可能』だ。
 それが出来るなら、強引な方法は幾らでもある。
 信用がおけず、嘘が混じる可能性がある・・・・
 その方が、この提案においては有効だろう。
 その前提で利用する程度だからこそ、危険を犯すリスクが減る」

「契約を可能とする『ジニ使い』は『2人』いるが、一人は不在だ。
 もう一人の能力は、ルンクスと比肩する危険性を持つ。
 むしろ君たちにとって、最大限、警戒を払うべき人物だろうな」

「面白い提案だが・・・・
 現状に間に合わない以上、呑むことは出来ない。
 『護り屋』に頼む方が確実だ。
 だが、もし君たちがルンクスを倒したなら・・・・」

                                「無理に決まってるだろ」

「その時は、我々も認めざるを得ないだろう。
 この町の持つ『武力』を」

「──以上。
 この場で異論がなければ、この案を『ヤング・ダイヤモンド』に掛け合う。
 それぞれに公平であり、私とスヴァルト、アーントが賛同するなら、
 まず問題なく受け入れられると思う」


                   「異論なら・・・・あるぜ」
                                    「オレは・・・・『反対』だ」

和みかけた空気を凍り付かせる、スヴァルトの一言。

>>671(小角)
>「……『ルンクスの拠点は、黄金町に元からあった地下空間と繋がっている?』」

ルルル・・・・

                 ──『YES』


アーントは、言いづらそうに小角を見やり、口に手を当てる。

「あなたが今調べているのは、ルンクスの拠点・・・・そうよね?
 でもそれは、ルンクスの居場所じゃない。
 いくら調べても、拠点に戻る気がなければ・・・・」

「おい、教える気かアーント?
 こいつらの持ち金が尽きた後で、
 思い切り笑ってやるつもりだったんだが」

「私はそこまで悪趣味じゃないわ」

「おい・・・・フライス。
 『反対』といったのは、こいつについてだ。
 『護り屋』だろうが何だろうが、
 護衛対象自身に危機感がなけりゃ、どうとでも利用される。
 口の上手い女どもに懐柔されて、利用されるのがオチだ。
 その為の『保証』を、オレは要求する。
 きっちりと自分で判断し、仕事がこなせる・・・・その『証拠』をだ」

遠方から、救急車のサイレンが聞こえてきた。
期限は確実に、刻一刻とここに向かってくる。

「ルンクスの野郎は、とっくに国内にはいねぇ。
 『高跳び』してる・・・・奴のいつもの手口だ。
 奴の能力には、射程が『ない』。
 戦う必要すらねえ・・・・『逃げ続ける』だけで勝ちが転がってくる。
 胸糞悪い『ジニ』だが、厄介極まりない」


「──あの救急車が到着する前に、ルンクスの行き先を調べて見せろ。
 住所とは言わねえ。『国』がわかればいい。
 もし調査出来れば、オレが『ルンクス』に合わせてやる。
 出来なければ・・・・」

フライスとアーントを見やり、スヴァルトは残忍な表情を浮かべた。


「・・・・オレは敵に回る。
 『ヤング・ダイヤモンド』二人が相手だろうがな」


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