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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

640小角 宝梦『イル・ソン・パティ』:2015/11/12(木) 06:46:25
>>634(GM)

「…………っ。」

話す余地は……あった。目をいつもより丸くし、すぐに戻す。
エイノーにはハラハラさせられたが、結果的には『成功』だったか。

ここからは知能の――あるいは弁舌の戦い。
スタンドには触れることもままならぬ小角が何かを出来る場。

「か、解決策……第三の、手か。
 ……そ、その言葉! 嘘じゃないと信じさせてもらおう……!」

「そして、か、考えさせてもらおう。
 きみが……納得するような、『解決策』を。」
  
       (……よ、よかった。
        死ぬほど恐ろしいが、話せる奴だ……!)

ならば、信じなくてはならない。
そして、考えなくてはならない。

調査は……やはり、今は行えない。
もし気に障られて、交渉が決裂したら、とりあえず得た情報すら水の泡。

「そ、そのための時間は、少しくらい、いただいてもいいのかい……?」

「もちろん、よ、余計な真似はしない。
 考えるだけだ。どうせわたしには、余計な事は出来ないけど……」

思考には、時間がいる。
フライスから目は逸らさない。確認する。

『小角が野に放たれる(解放される)』
『スタンドが、フライスの納得できる形に落ち着く』

――そういう手段は現状、思いつかない。
小角と『イル・ソン・パティ』は一つ。切り離せるものではない。

          (……どうにかしてイルソン君を……
              フライスが気に掛けないような状態にできないか……?)

少し俯きがち、顎に手を当て、考える。
聞きたいことは高遠が聞いてくれている。

            ・・・・自分は、自分の頭で考えねば。


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