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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

549小角 宝梦『イル・ソン・パティ』:2015/10/30(金) 23:46:45
>>544(GM)

「……う、そ、それは……!」

                  ゴッバァ ア ア ア ア ア ン !!! 

          「えっ……」

    「あ……!?」

愛川への反論に窮し、紫が壁から飛び出し。
そこに、スヴァルトの宣告が下る。

「…………な、な……何が待つ、だ! 何が敵対だ!
 ここまで散々暴れておいて……今さらどの口が言う!?
 ど、どうせきみをどうにかしなきゃ、調査にならないんだ!」

事実、スヴァルトは約束を守っていた。
小角への攻撃はない――しかし。

小角 宝梦は『弱い』探偵だ。
弱いから、自分さえ安全で、調査できればいいとは思わない。
そして、弱いから、今ここにいるのだ。
危険なヤマに、情だけで顔を突っ込んだから。

             ・・・・恐怖はある。

「質問だ……」

だが、もう、とっくに麻痺している。
外壁に空いた穴に、視線を向けつつ――

「『スヴァルトは今、秋映学園内の放送室にいる?』」

校内放送をするための部屋なら、名称などは問わない。
この建物に放送を流せる場所は、それほど多くないはずだ。
(現在の出費額:20万)

スヴァルトの居場所が分からない限り、防戦一方。
それではいずれ、全員死ぬ。仮にルンクスを調べ終えても、死ねば終わりだ。

(しかし……ほ、他の連中だと? まだ来るのか……!?
 くそっ、イルソン君……きみはいつも優秀過ぎて、わたしを苦しめるっ。) 

          (……久しぶりに、きみの力を忌々しく思うよ。)

他の連中。これ以上敵が増えたら本格的に終わりだ。
その根源にあるのはやはり――この、手元の相棒なのだろう。


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