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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1
462
:
『小角 宝梦は火種となる』
:2015/10/20(火) 00:11:12
>>453-454
(愛川)
頬の痛みに思わず声をあげる愛川。
愛川の記憶は、特に薄れもせず、明確に存在する。
青田の『視覚』を経て実体化した『モナ・リザ』を見たこと。
その瞬間、『伝えるべき』『表現すべき』という情熱が燃え上がったこと。
それは、紫の平手を避ける行為よりも『最優先』であったこと。
愛川はエイノーと高遠の『視覚』を確認。
今しもエイノーが、自身を襲う『大蛇』を引き裂くのを目撃した。
高遠も同じ部屋だ。隣人が扉から逃げ出していく。
>>455
(小角)
『視覚共有』を経て、次々と飛び込んでくる『猛獣』の情報。
狼は実際に姿を見たわけではないが、校舎の外までも
謎の攻撃は広がっているようだ。
周囲を見回す──が、特に異常はない。
>>458
(青田)
『聴覚送信』で、『モナ・リザ』の情報を一気にまくしたてる。
燃え盛っていた熱情が瞬時に沈下し、落ち着くのを感じた。
同時に仲間に設置した『アンテナ』をすべて解除。
単身、『モナ・リザ』に対峙することを決意する。
『モナ・リザ』の脇を通り、殴られた男性に駆け寄る青田。
『フィルムアンテナ』を袖に設置はしておいた。
男は文字通り、血の海に沈んでいる。
完全に頭蓋が割れ、中身が零れている・・・・『即死』だ。
だが・・・・そんなことよりも、
青田は彼女の『微笑』が気になって仕方がない。
脇を通るため、ほんの少し背中を見ただけで心がざわめいた。
失われた『情熱』が、再び蘇るのを感じる・・・・
『フィルムアンテナ』など、どうでもいい。
立ち止まった青田の視界の中で、
『モナ・リザ』は優雅に手を床に伸ばし、
転がった『スマートフォン』を拾い上げた。
ス スス
滑らかに指で操作する様子は、時代がかった姿とは激しい違和感がある。
RRR・・・・
「ご機嫌いかがですか、旦那様。
はい。はい。何も問題はありません。
貴方が与えてくださったこの『力』があれば十分です」
「・・・・これから、『小角 宝梦』を迎えに参ります」
>>459
(エイノー)
メキ ミキ ・・・・
ブチィ イイ──────ンッ!!
剛腕無双、『フィストフル』の両腕が、大蛇の束縛を力づくで破った。
いつのまにか、高遠のスタンドも助力してくれている。
形容しがたい声を発してのたうち回る、千切られた蛇の頭部。
複数にちぎれたその体が、溶けるように消え、解除されていく。
「う」 「うわあああああああ〜〜〜〜〜 っ!!」
関を切ったように、三人の男女が扉に殺到した。
呆然としている教授をも巻き込み、あわただしく部屋の外へ──
エレベーターの方向へと駆けて行った。
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