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【場】DIONモール その3

171赤夜『ウインドミル』:2015/07/28(火) 23:27:29
>>168->>169
 と、思ったけど。何やら二人で話し込んでるし
僕は別の味の探検の旅にでも洒落こもう

172穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/28(火) 23:44:13
>>169

         『ア』

ペコォーッ

スタンドが伊織に会釈した。


「そーそー。
 GOAオンライン。
 クソゲークソゲーって文句言いつつもやってるよな。
 特にこの間のあのイベントなんてクソofクソだったけどよ、
 終わってみれば楽しいもんだったし

                  あ」

思わず振り向いた。

『穂村老師ッ!コノお方我ノ事ガ見エテイマス!
 キット高名ナ武術家カ、アルイハスタンド使いデスヨ!』
「いや、知らねーけど。
 こんちはっす。こんなクソ暑い日にたこ焼き?
 俺も、よく真夏にオデン喰ったりするし、すげーわかるわ。

 つか、オタクもGOAやってる感じ?」

ちなみに此方の出で立ちは、
虎模様のYシャツにスーツだ。

>>170
申し訳ない

173伊織『クロックワーク・クルー』:2015/07/29(水) 00:12:37
>>171
またの機会に、是非。

>>172

「……ふむ、成程な」

「『終わってみれば楽しい』というのは、良いな」

「それならば、愛し続けられるというもの」


うむうむ、と頷きながら振り向くスタンドと男に顔を向ける。


「たこ焼きは、大好物というわけではないのだが、フードコートに来ると何故か食べてしまう」

「季節に関わらず、な。子供の頃のすりこみなのか、まあ上手く説明はできないが」

伊織の服装は赤のシャツとジーンズ。ラフな格好だ。


「『GOA』は、まあ、な」

「『ゲーム』はプレイしていないが、『オフ会』には行った」

「それだけだが、多少下調べして行ったので、若干の知識はある」

「それぐらい、かな」

174穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/29(水) 00:29:29
>>173
「子供の頃の刷り込みねェ。
 俺もパチンコ屋で捨てられたから、
 大人になった今でもしょっちゅうパチンコ屋行っちゃうわ。
 なんつーの、あの『ピロリーン』って音が恋しいっつーの」
『ソレハ老師ガギャンブル依存症ナダケデハ・・?』  「あー」

「そういえばパチ屋で、おばちゃんと仲良くなったわ。
 「ほむほむ!今日勝ってるからこれあげるわ!」って缶コーヒーくれたし」

           ぽいッ

『わッ!?』

タブレットを投げ捨て、シュニッケンズにキャッチさせる。
そういえば此処は喫煙席だっけか。タバコが吸いたいんだが。

「え?マジ?
 ゲームしてないのにオフ会行ったの?すげーなオイ。
 俺もよぉ。行く予定あったんだけど寝過ごして、
 ブッチする形になっちゃってよ。参ったわマジで。

 俺オフ会って行った事ないんだけど、どーなの?
 やっぱりゲームの話とかするわけ?メガネばっかなの?」

175伊織『クロックワーク・クルー』:2015/07/29(水) 01:10:26
>>174

「……ふむ、まあな」
「結局は己の意思なのだろうが──『ほむほむ』?」

男とスタンドの会話の中に現れた、『聞き覚えのある単語』。

そして、続く言葉。

『行く予定あったんだけど寝過して』

そう言えばここは喫煙席だった。
いや、今はそんなことは、どうでも良い。


「……ああ、すまない」

「答えたくなければ答えないで良いのだが……」

「貴方はひょっとして、『カルマ団』にも参加していた『ほむ☆ほむ』──なのか?」

176穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/29(水) 01:45:56
>>175

          ジュポッ

タバコを取り出し咥えて火を点ける。
銘柄はパーラメントだ。

「ぷぅッハァァ〜〜ッ」
     『タバコハヤメテクダサイッ!
      百害アッテ一利ナシ!武ノ妨ゲデス!!』

「るっせーな、どっか行け。しっし」『モウ!』

紫煙をくゆらせながら、
スタンドを追い払う仕草を見せる。

「え?そうよ俺が『カルマ団』のエースこと『ほむ★ほむ』だけどよ。
 まどか☆マギカ全く知らねーのに、
 チャットで連中がまどマギネタ振って来てうぜーのなんの。
 本名捩っただけだっつーのにな。

 え?何?オタクが参加したオフ会って、
 もしかして『カルマ団』の奴?エ?マジ?世間狭すぎじゃね?
 この間行ってみた『一人カラオケ専門店』の方がよっぽど広いゼ。
 
                         ――てかマジで?」

177穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/29(水) 01:46:57
>>176

タバコを取り出し咥えて火を点ける。
銘柄はパーラメントだ。

⇒タバコを取り出し咥えて火を点ける。
銘柄は『中南海』だ。

178伊織『クロックワーク・クルー』:2015/07/29(水) 23:46:26
>>176

(……『中南海』、か)
(中国産だった、かな。匂いも独特、だな)

煙草を吸い始めた男と、それを諌めるスタンドのやり取りを
微かに笑みを浮かべて、ぼんやりと眺める。


「ふむ、世界は狭い。同感だ」

「そして、成程、な」
「確かに、『ログ』を読ませてもらった限りでは」
「まさしく『エース』の活躍をしていたな。人望もあった様だ」

「ただ、しかし、な」

「オフ会に来なかったのは、正解だったかも、しれないな」


 ククッ


口元を隠しながら、静かに笑い始める伊織。


「『ほむ☆ほむ』は『女性』だと、おそらくは全員が思っていた様だ」


「特に『madoka』は、『ほむ☆ほむ』が『女性』である事を強く望んでいたし」
「『ほむ☆ほむ』の為に、コスプレの衣装まで作ってきていた」


「もし貴方が普通に参加していたら、少し可笑しな展開になっていたかも、しれないな」

179穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/30(木) 00:10:23
>>178
「うッひェェ〜。
 マジ、何がどーなってそーいう流れになったのよ。
 俺、別に女だなんて一言も言ってねえんだけど。
 オラ、驚いたぞ。なぁベジータ」   『ベ、ベジータ…?』

プッハァァ

静かに笑う『伊織』を、
死んだ魚のような目で眺める。

「マジ?そんな事になってたの?
 俺が行ったら絶対周りが気まずくなる奴じゃねえか。
 それに俺『エース』より『不死鳥マルコ』の方が好きだし…」

               「あ」

「そーいえば、『りんご』がなんか言ってたわ。
 イオリさんがーイオリさんがーって。
 もしかしてその『イオリサンガー』?」

180伊織『クロックワーク・クルー』:2015/07/30(木) 00:23:39
>>179

「……理由は解らないが、何故だか『女性』ということになっていた」
「まあ、不可解な事というのは、よくある事だ、な」

小さな声で一通り笑い終えれば、
口元を隠していた手を外して、真顔で『ほむ☆ほむ』へ向き直る。


「……『りんご』さん、か」
「私がその『オフ会』で一番、話した相手だな」

「『りんご』さんの『事情』もあって、また近いうちに遭いたいとは思っていたが……」

「ともかく……私が、『イオリ』で相違ない」

「彼女がどんな事を言っているのか、少し気になるな」

181穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/30(木) 00:38:17
>>180
「うおッ、
 急に真顔になったな」

フィルターまで吸いきったタバコを
灰皿に突っ込み火を消す。

「なんだっけかな。
 イオリさんにすげー感謝してるみてーな事言ってたな。
 リベやら他の連中も「激しく同意」みてーな事言ってたけど、
 なんの事だかさっぱりだわ」  『老師老師』

ツンツン

『シュニッケンズ』が穂村の肩を叩く。

「そーいえば、最近『怪現象』に悩まされてるみてーな事言ってたな。
 それに何だか視線を感じる、とか何とか。
 何のこっちゃって感じで聞き流したがヨ」

182伊織『クロックワーク・クルー』:2015/07/30(木) 01:01:49
>>181

「……ふむ」

「『感謝してる』と言われるのは、とても嬉しい」

「そして、そうか。まだ『カルマ団』は続いているのだな」

「……良かった、よ」


少しの間だけ目を伏せて、あの日の事を思い出した。

──そう、悪くない日だった。

「しかし、『怪現象』」
「そして、『視線』、か」


「私の力を、『彼女の為』に使う時が、来た──」

伊織の背後に、『スケルトンボディのマネキン』のヴィジョンが現れ

「──のかも、しれん、な」

 消えた。

183穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/07/30(木) 01:12:25
>>182
「そりゃあ平和(ピンフ)よ平和(ピンフ)。
 あいつら毎晩毎晩、
 飽きもせずキャッキャとゲームに励んでるわ」
『老師ナンテ寝落チシタラ、
 我ニ操作ヲサセマスカラネ……』

一瞬だけ姿を現した『マネキン』を見る。

「なんだそりゃあカッコイーじゃん。
 この『バカ』と交換してほしいわ」
『馬鹿デハアリマセンッ!         「るっせーな。
 我ハ”フー・シュニッケンズ”デス!!』  どっか行けよ」

          ズギュンッ

『シュニッケンズ』のヴィジョンを消し、
タブレットをキャッチ。

「ああ、そうだ。
 りんごの方には俺から言っておくからよ、
 もし気が向いたら相手してやれよ。コレ」

                     ピッ

名刺入れの中から和紙制の名刺を取り出し差し出す。
金字で『秀英会直系林組内穂村組 組長 穂村公康』と書かれている。

184伊織『クロックワーク・クルー』:2015/07/31(金) 23:12:04
>>183
「……飽きもせず、か」
「そうか……ならば、いい」

『スタンド』もゲームをしているという驚きの事実に気が付くも、
特に反応する事も無く、静かに頷いて言葉を受け取る。


「……『フ―・シュニッケンズ』、か」
「なかなか、彼もいいじゃないか。何というか、『カワイイ』感じがする」

そう言いながら、たこ焼きの最後に一つを一気に飲み込むと
伊織も名刺入れを取り出して、その中から一枚を差し出す。

『探偵』
『赤銅 伊織』
『(メールアドレス)』

以上の内容のみが書かれた、簡素な名刺だ。

男から名刺を受取って収納すれば、ごみを持って席を立つ。

「了解、した。連絡を取ってみるとするよ」

「それでは、またいずれ、な。『穂村さん』」

185穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/08/01(土) 22:42:31
>>184
「カワイイ?あの馬鹿が?
 その冗談マジうけるぜ。

 それじゃあよ。連絡をアレコレするわ。
 じゃあな『伊織さん』」

伊織から名刺を受け取ると名刺入れに仕舞い、
此方も席を立って、去っていった。

186灰羽『アクエリアス』:2015/08/01(土) 23:11:21

少女は試験の相棒を探していた。
彼女が考えた方法は、人通りの多い場所で『スタンド』を発現して反応する人に声をかけてみるという
非常に大雑把なものであったが……


「……だって外暑ィし」

『がぁう……』


野外は暑すぎて、DIONモールに避難してきたのであった。
誰に言っているつもりのなのか、言い訳染みた言葉が口をついて出る。


「後藤さんの顔のアレみたいに、『スタンド使い』しか見えない文字が書けたら楽なんだけどなァァー……」

187後藤『ザ・パラダイム・シフト』:2015/08/01(土) 23:32:05
>>186

 「呼んだ?」

 
 ―ドン

 唐突に君の背後から声が掛かってきた。

 うん? 僕がモールに居る理由かい? 『ダーツ』用に
スリングショットでも買ったら便利かなぁと、探しにきただけだよ。

188灰羽『アクエリアス』:2015/08/01(土) 23:38:37
>>187
「うわあびょっくりした」


カメを彷彿とさせるどことなくのんびりした動きで言う。
あんまり驚いているように見えないが、
びっくりをうまく言えてないあたり、やっぱり少しは驚いたのかもしれない。


「……いやぁ、あの、別に悪口言ってたとかじゃあないんですよォ〜。なぁ?」

『るるる』


顔にラクガキされてたら、普通、嫌だろう。
そのことについて言ってたとなれば、悪口だと誤解されると思ったのか、弁明してきた。
自分のスタンドに相槌を打たせている。

189後藤『ザ・パラダイム・シフト』:2015/08/01(土) 23:51:59
>>188

 「はは、別に灰羽さんが僕の悪口を言うと疑ってないよ」

『うらぎりもの』と書かれた顔で笑顔を浮かべて返答する。
 もう最近ではこの顔に書かれた文字もデフォルトになってきた事だろう。

 「けど、僕の話題をのぼらせて歩いてたのは気になるね」

 「何か、困った事か何か起きたのかい?
僕で出来る事なら手伝うけど……」

 そう、後藤は口元に笑みを象りながら灰羽の返事を待つ。

 (※ミッションに参加する意志はPLにはある。だがそちらが
他に参加したい人間の優先があったりすれば、こちらはそちらを
尊重するので断って頂いて構わない)

190灰羽『アクエリアス』:2015/08/02(日) 00:00:20
>>189
「そぉぉですか?」


灰羽は安心した様子だ。
『アクエリアス』は近くの店の窓ガラスのひんやりした感触を楽しんでいる。


「……そォいえば、後藤さんには『吸血鬼』の話しましたよね。
 あれの試験のひとつを今度やることになりまして。
 なんか呪殺屋っていうのと戦う感じなんですけどお。
 まあ、それで、ひとり味方をつけていいってことらしくて。
 『スタンド使い』にしか見えないペンがあったら募集に便利だよなァーって」


(※ありがとうございます。
 今のところ灰羽は、とりあえず声をかけたり、紹介してもらうように頼んだ中から、
 後で選ぶというつもりでいます)

191後藤『ザ・パラダイム・シフト』:2015/08/02(日) 00:09:26
>>190

>『吸血鬼』の話しましたよね。
>あれの試験のひとつを今度やることになりまして。
>なんか呪殺屋っていうのと戦う感じなんですけどお。

 「……成程、本格的に『吸血鬼』に灰羽さんはなろうとしてるんだね」

そう、真顔に転じて顎を軽く指でおさえ頷く。

 「『呪殺』かぁ……言葉のイントネーションだけだと『遠隔操作』もとい
『自動操縦』に近いスタンド使いの感じもするけど。それも『呪殺』と言う
言葉からスタンド使いなら連想させるミスリードなのかもねぇ……。
しかし、随分物騒なテストを君の依頼主はするんだね。まるでマフィアのようだ」

 そう、呟きつつ片手で『ザ・パラダイム・シフト』を一本発現する。

「以前、僕のスタンドは告げたよね? 僕のスタンドは自立したものでない
限りは、そのスタンドの本体も感知する。もし自動操縦タイプであれば、その
操縦型のスタンドであればダーツを刺せる機会さえあれば本体を対象と誤認させて
返り討ちにする事も可能だよ。まぁ、命中出来れば、と注釈もつくけどね」

それとなくアピールもしておく。

192灰羽『アクエリアス』:2015/08/02(日) 00:20:41
>>191
「ンまぁ、マフィア……みたいなこともやってるのかな。
 色々手広くやってるっぽいけど、具体的にどういう組織なのかはよく知んないんですよねェ。
 呪殺屋っていうのはヤクザの下請けみたいなことやってるサイコな人ってことらしいですけど」


灰羽は後藤の説明に、そうだっけ? みたいな顔をした。
あんまり詳しく覚えてなかったのかもしれない。


「それって、間違ってたらすいませんですけど、もしかして……手伝ってくれるってことですか?
 でも後藤さん、人型は無いですよね。ってことは防御力も……
 呪殺っていうくらいだから、死ぬかもなんですけどォ。
 あ、でもかわりに200万円くらい報酬出るらしいです」

193後藤『ザ・パラダイム・シフト』:2015/08/02(日) 00:37:08
>>192

>でも後藤さん、人型は無いですよね。ってことは防御力も……
>呪殺っていうくらいだから、死ぬかもなんですけどォ。
>あ、でもかわりに200万円くらい報酬出るらしいです

 「……灰羽さん、一つだけいいかい?」

 ザワ・・・

 少しだけ、後藤の微笑んでる空気が変わった。
周囲が無機質に、硬化するように その微笑みがマネキンめいた造りに至るような……。

「確かに僕のスタンドは弱い。指一つにつきダーツ一本。
精度こそあれど射程距離は微妙、パワーは人並みとは言っても所詮ダーツ。
殴り合いやスタンド防御など夢のまた夢だね。はははは」

 そう笑いつつ、後藤は続ける。

「この世には様々な『スタンド』がある。君の人型しかり物体型しかり
群体型あれば様々だ。その中でも人型の、パワー型が優秀でスペックや
バランスも安定しており対人戦では強い事は重々承知してるよ……けどね」

 「それとこれと   ――『人を死なせる』 その行いに至る事は全く別だよ、灰羽さん。
人を一人殺す。それはね、スタンドもあれば簡単かも知れないけど、そこまで至る
『心の在り方』はね、普通の芸当じゃあ行えない。
憎しみ・怒り・憤怒・正義感・復讐・嫉妬・怨念・使命・利益追求・嗜好・病理
人間が人間を殺すには様々な理由がある。だがその人を殺すまで至り行動するまでの
感情のパワーとは、並みのものではない。莫大な意思と燃え上がるような感情が必要になる。
したがって仮に、その『心の在り方』を操作し、且つ
破滅まで至らす事が出来るとすれば……『ザ・パラダイム・シフト(世界の変革)』
僕の『スタンド(力)』以外、他ならない。僕のスタンドはね、灰羽さん」


    ―『殺す』事は無理でも……『破滅』させるなんて造作ないんだよ。


 「……あとね、僕はその報酬とか正直殆ど興味ないんだ。
貰えるなら貰えるけど、その程度の価値しかない。」

「あるとすればね、灰羽さん。僕が欲しいのは『感情』だよ。人を『殺す』
その理由がどうあれ、人間が人間を、同種を殺害しようとする。それは
普通に生活してれば滅多に遭遇しないんだよ。無理にけしかけない限りね」

 「もしも僕が協力する機会をくれるならば……。『一本』でいいんだ。
君に『ザ・パラダイム・シフト』を刺させてくれ。
 知りたいんだ。君が『吸血鬼』になろうとする『情熱』を。そしてその
傾ける熱意が『殺意』に至るまでの『知覚』がね」

 そう、後藤は微笑んだ。

194灰羽『アクエリアス』:2015/08/02(日) 00:48:11
>>193
「……そ、そォですか?
 あんまり期待されても困りますけど……」


後藤の様子に少し身を縮めて答える少女。
いつのまにか窓ガラスにへばりついていた『アクエリアス』が後藤をじっと見ている。


「う、うーん、悪いんですけど、まだ少し考えさせてもらっていいですか?
 私も人生がかかっているのでェ」

195後藤『ザ・パラダイム・シフト』:2015/08/02(日) 00:58:58
>>194

 「……  うん 勿論だよ」

 パッ と後藤の空気が軟化する。

 「無駄に怖がらせてすまないね、灰羽さん。まぁ僕はこの通り
非弱さ。普通の喧嘩じゃまず勝てないしタッグを組めばほぼ後衛に
回らなくちゃいけない。よくよく考えてよ、例え断られても気にしないし
何か簡単な頼みがあれば快く引き受けるからさ。それじゃあね、僕も
買い物をそろそろ済ませてくるよ」

 そう、別れつつ後藤の頭の中では様々な数式と論証が組み合わされていく。

 ( 灰羽あと 『呪殺屋』   
    『吸血鬼』     『殺人組織』
            『石仮面』
『ヨハネスブルグ』  『スタンド』 
                   
   n ≥ 0 について成り立つことを、数学的帰納法により証明
   
 { exp(iθ) }w の値の取り方について、w が有理数であれば
w = ab (a, b は互いに素)と表すと、2nwπ = 2π×nab であるからして
 n = 0, 1, …, b - 1 で循環し、b 個の値を取る……)


 「……『呪殺屋』か  ……公式を更に展開しないと」

「灰羽さん、君には期待してるよ。君の『成長』が『知覚』が。
 僕の望む『知覚情報』に足りうるか、どうか……ね」


 後藤 成明は定理の証明を続けていく。

  その意志と、望む結末は彼にしかわかり得ない。

196灰羽『アクエリアス』:2015/08/02(日) 01:11:59
>>195
「は、はぁ……」


灰羽は曖昧な返事を返した。
さきほども言った通り、あんまり期待されても困ると思ったのかもしれない。

灰羽も一般常識は持っている。
だからこそ、『殺し』に誘うという世間一般からしたら異常なことを難しいと悩んでいた。
一方で本人は殺しに対する拒否感は無い。
いや、面倒だなとかうまくやれるか不安だとかそういう気持ちはあったが。
その理由としてはこの少女は自己中心的であることが挙げられる。

そして自己中心的である程度の自覚があったが、一方で自分を普通だと思っていた。
なぜなら、人間にとって自分が特別な存在であることは当然だからである。
なにか期待している後藤に、自分が案外普通だと知られたら困ったことになるかなぁと不安があった。


「えーっとぉ、知り合いで、良さそうな人がいたら紹介も頼んでいいですか?
 後藤さんにもォ、お礼はしますので」

197灰羽『アクエリアス』:2015/08/03(月) 01:38:25
>>196追記

「それじゃあおねがいしますーねー」


そう言って、少女はふらふらと去っていった。

198小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/21(金) 00:39:13
ショッピングモール、食品売り場内に小鍛治はいた。
カートを押して買い物の最中である。
カートの上のカゴの中には同じ商品がいくつも入っている。

「微妙ね、どれもこれも。」

退屈そうに飲料のコーナーを歩き続ける。

199トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/21(金) 01:26:39
>>198
ガシャガシャガシャ

2m近い痩躯の男がお茶(2Lペットボトル)を爆買い中だ。
明らかにカートの容量を超えて積み上げられているが、崩れていない。
もちろん『ラム・オブ・ゴッド』が支えているからだ。
自我無き筈のそのヴィジョン、その横顔が何となくやるせないように見えるのは当然気のせいだ。『独立』も何もしていないから。

200小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/21(金) 01:34:59
>>199

(観光客かしら。でも電化製品じゃないわ。)

(これから砂漠にでも行く用があるのかしら。)

ふと、側に何かがいるのを見つける。
人間とは思えないもので、小鍛治はそれの正体を知っている。
スタンドだ。

「ねぇ、そこのあなた。」

「そこのお茶を1ついただきたいのだけど、いいかしら。」

カートを押して長身の男に聞く。
スタンドのことは見ていない。

201トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/21(金) 01:41:18
>>200
「や、これは失礼!」

流暢な日本語だ。顔立ちも外人顔ではない。ただ背は高い。かなり高い。

「お茶ですか? スミマセンねェ。んっふふふ」「なにぶん燃費が悪くて。飲んでも飲んでも喉が渇いて仕方ないので、三日分ほど買いだめしようかと」

怪しげな笑みとともに、ペットボトルを差し出してくる。

202小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/21(金) 01:56:02
>>201

「あら、どうもありがとう。」

片手でペットボトルを受け取る。
余った手でかごの中を軽く整理してペットボトルを置いた。
カゴの中に入っていたのはミントガムだ。
ボトルタイプのものが五個も六個も入っている。

「そう、まだ暑いものね。」

「あなたよっぽど代謝がいいのかしら。」

203トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/25(火) 19:36:16
>>202(ごめんなさい!!)
「汗もあまりかかないんですがねェ」「んふ」

カートにうずたかく積み上ったペットボトル。
そのカートの下の段には、これでもかとばかりに肉が満載だ。見る限り、肉とお茶しかカートには入っていない。量が問題だ。

「どうも残暑は続きそうですしねェ。いや、夏バテ気味でして」

204小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/26(水) 00:40:08
>>203

「あら、出るべきものが出ないのも問題ね。」

「お医者様にかかったらいかがかしら?」

ちらりと視線を落とす。
男のカゴの中身を確認したが特に驚いた様子もない。
小鍛治自身もガムとペットボトルしか入っていない。
男ほど大量に買い込んではいないが、ガムの量は多めだ。

「あなたは食生活が問題かもしれないわ。」

「たんぱく質だけじゃなくて、ビタミンもとれば健康になれるかもしれないわね。」

「冷たいものの飲みすぎも駄目よ。夏バテの原因だから。」

205トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/26(水) 01:14:26
>>204
「レタスとか食べてるし・・・体にいいものを食べてるよ」

肥満の子みたいなことを言い出した。
もちろん阿南トミーは肥満でもなければ病気でもなく食生活も健全で実は夏バテでもなんでもなくただ空腹なだけなのだが
本人的には暑くてしんどいから夏バテかもしれないと疑っており、ごく真面目に小鍛冶のいうことに素直に頷くのだった。

「しかし生の肉にはビタミン類も含まれるといいますし」

生でいく気のようだ。本人は真面目だ。

206小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/26(水) 01:52:50
>>205

(根菜の方がいいのだけど、まぁ別にいいわ。)

(そこまでおせっかいを焼く必要も無いのよ。)

男の体調など小鍛治には分からない。
今日はじめて会った相手でたまたま立ち話をしているだけの関係だ。
食事のことをあれやこれやと言うつもりに小鍛治はなれなかった。

(生。痛んだら大変そうだけど、この人にとってはそれがいいのね。)

この時期に肉を生でいただくのは問題だ。
しかしそれも時と場合である。自己責任で全て処理するだろう。
見たところ男は大人だろうし、それぐらいできるはずだ。

ただ、一つ気になることがあるとすれば。

「……生食が好みなの?あなた。」

207トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/27(木) 01:05:00
>>206
「何でも好きですよ」

あっけらかんとしている。
肉という括りで完結しており、焼こうが煮ようが揚げようがなんだろうが、生だろうが、特にそこに好みは存在しないのだ。
何でも好き、とはそういうことだ。
たまたま、夏バテっぽい、ビタミンを摂ればよい、肉も食べたい、生肉にはビタミンが含まれる、という思考の帰結に過ぎない。

「んっふふ」

もちろん自己責任であるし、小鍛冶の与り知らぬことだが、阿南トミーは生まれてこのかた腹痛を経験したことが無いのだ。

208小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/27(木) 01:48:26
>>207

「そう、なんでも。好き嫌いがないのはいいことね。」

なんでもの中に生肉を入れる感覚は理解できなかった。
というか、どういう考え方の人間なのか分からない。
そういう料理ならまだしも、だが。

「ねぇ、あなたのお名前とお仕事、聞いてもよろしくて?」

「別に嫌ならいいのだけど。」

209トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/29(土) 10:10:35
>>208

ピシ!

襟を正す。

「んっふふふふ」「実はぼく こういうものでして」

  シュバ!!

『名刺』!!
抜く手も見せずに差し出された長方形の紙片には、

『探偵事務所ラム・オブ・ゴッド』
『私立探偵阿南トミー』

とある。裏面にはアドレス。

「失せ物失せ猫尋ね人、各種調査に特殊対策。軍艦制圧、奴隷解放、およそなんでも適正価格で承ります」
「ごひいきに」

にこにこしている。あやしい。
名刺をとるかどうかは小鍛冶の自由だ。

210小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/29(土) 18:54:51
>>209

「阿南さん。あなた、探偵なのね。」

(この町には探偵が多いみたいね。)

先日あった探偵を思い出す。
いや、正式に言えば彼女は『名探偵』であったか。

「まぁ、なにかあれば声をかけるかもしれないわ。」

そう呟くと名刺を受け取る。

「なにせ奴隷解放までしてくれるんでしょう?」

「その文句、信用していいのよね?」

211トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2015/08/31(月) 00:51:56
>>210
「んっふっふっふふ」
「勿論ですとも」「地味な仕事も派手な事件も分け隔てなくお気軽に」
「なにせこのぼく、敵わないのは在日米軍くらいなもので」

探偵は嘯く。
大言というにはあまりにも自然に、天気の話のように壮語を吐く。
まるで当たり前の、今日は晴れで明日が曇りだと言うのと同じように、不自然なまでに自然に、探偵は嘯く。

「いつでもお待ちしてますよ。営業時間のくくりもありませんしね」

そう言うと、にこやかに探偵は去る。
お茶と肉を満載したカートを、スタンドで支えながら。

212小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/08/31(月) 01:09:26
>>211

「あら、それは素晴らしいわね。」

「さようなら。」

去り行く探偵の後姿を見送る。

「どこか胡散臭いわね。」

「私、信用できない人は嫌いなの。」

その手に『銃剣』を掴み、その背に向ける。
狙いは頭―――

が、すぐに『銃剣』を消した。

「まだ、そうと決まったわけではないわ。」

「それにこういった繋がりは必要ね。」

「うふふ。さぁ、次はどんな探偵さんに会えるのかしら。」

笑みを浮かべつつ、ショッピングモール内を進んでいく。
黒い髪が揺れていた。

213パレルモ『バックスキン・スタリオン』:2015/09/04(金) 00:13:33
雨、雨が降っている。豪雨に分類されるような雨だ。

その為、軒下で雨宿りをしながら、雨の止むのを待っている。

214稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/04(金) 00:29:04
>>213

      ザ   
               ザ
        ア       
            ア
         ア     ア
      ア


            ・・・・土砂降りだ。

「…………」

       タタタ

バスから降りた恋姫は、駆ける。

……傘は、持ってきていない。
出るときは降ってなかったし。

             「最っ悪……」

    ビチャ

          ビチャ〜ッ

濡れだるまになりつつ、パレルモがいる軒下へ。

         イラ   イラ

  ゼー

          ハー

急に走ったので、ばてた。
膝に手を当てて、深呼吸。

215パレルモ『バックスキン・スタリオン』:2015/09/04(金) 00:39:35
>>214
「どうぞ、ミス」

濡れた少女が軒下に入ってきたようだ。
取り敢えず、所持していたが濡れていないハンカチを渡そう。

しかしふむ、美少女。

216稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/04(金) 00:51:41
>>215

     ハー

       ハー

          …フゥ

(……ジェントルマンってやつ?
 えひ、リアルでエンカすんのか……レアだなこりゃ……)

         ス

       「……おう。」

ハンカチを受け取る。

        ベチャ

           ベチャ

とりあえず顔だけでも拭いておく。

      (汗目当てとかじゃないよな……
       紳士は紳士でも変態紳士……)

「……えひ。」

陰気な笑みを浮かべる。
そして。

「……雨宿りしてんの?
 えひ……傘買えばいいじゃん……常識的に考えて……」

ハンカチを畳みつつ、言う。

217パレルモ『バックスキン・スタリオン』:2015/09/04(金) 01:04:16
>>216
「傘か、それは勿論考えたんだが」

自嘲気味の笑みを浮かべ、

「売ってる場所が解らなかったし、暇でもあったから、
雨が弱まるまで待ってもいいかと思ったんだ」

と言う。

218稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/04(金) 01:09:52
>>217

「……えひっ。
 いまどき、昔のゲームじゃあるまいし……
 人に聞けば教えてくれるだろ……常識的に……」

    パタ

      ペチャ

「……まあ、いいならいいけど。
 それにしても、中で待てばよくね……?」

        「ゲーセンとか……」

   ポタ

       ポタ

水が滴るようになったハンカチ。

        「……ありがとな。」

礼を言い、返す。
長い黒髪を、手櫛で整えつつ。(余談だがミントっぽい匂いがする。)

「僕の汗は水で流れてるだろうし……
 えひ、そういう期待はハズレってことで……」

余計な憎まれ口。
素直なだけではいられない。

219パレルモ『バックスキン・スタリオン』:2015/09/04(金) 01:17:26
>>218
「どういたしまして」

そう言いながらハンカチを受け取り、先ほど同様にポケットに入れよう。

「雨を見ながらでも考えたい事もあったし、
買いもしないのに店に入り浸るのも良くないかなと思ってね。」

220稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/04(金) 01:35:48
>>219

(スルーとか……RTAでもしてんのか……? 
 それか、マジでジェントルマンってやつか……?)

まあ憎まれ口だ。
スルーが自然なのかもしれない。

     ・・・・ともかく。

「……そんなもんか。
 僕ならゲーセン入り浸るし……」

          ジャラッ

「えひ……なんなら今からもそうするとこだけどな。」

コインケースの重みを鞄に感じる。

        ザ
         ア
          ア
        
雨がやむ気配は、依然ない。

「ゲーセンじゃなくても、時間潰せるとこはあるとは思うけど……」

これだけの豪雨。
そう簡単には、終わらないだろう。

「……まあ……制限時間(閉店のこと)はまだまだあるし……
 えひ、気が済むまで『待ち紳士』やってるのもアリなんじゃね……?」

           「んじゃ……」 

     ウィーン

一応、声は掛けてから、自動ドアをくぐって店内へ。
4Fのゲーセンでしばらく遊ぶだろう。

       ・・・・終わって出てきた時に、まだパレルモが待っているかは分からない。

221パレルモ『バックスキン・スタリオン』:2015/09/04(金) 23:07:34
>>220
恋姫が終わって出てきたときには男性は居なくなっていた。

短時間の晴れ間に去ったか、考え事を終わらせて何処かの店に入ったか、そこまでは解らないが。

222稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/04(金) 23:21:35
>>221

2,3時間が経ったころ――

        ウィーーン

「……」

  キョロ

       (流石にあいつはいないな……
        えひ、いたらとんだ待ちキャラだわな……)


    ザ    ザ
     ア     ア
      ア     ア
       ア     ア
     

(あと……5分か。)

「……」

バスが来るまで、空を眺めて待つ。

           (新学期……だな……)

雨を見ながら考えるというのも、なるほど、悪くはない。

223鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/08(火) 23:17:30
DIONモール内の本屋。
店内に一人の少年がいた。
和服でその身を包み、黒い癖毛を肩まで伸ばしている。

「……」

(んー。)

その手には和傘と紙袋。

「や、うん?」

難しい顔をして
本棚とにらめっこをしている。

224関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/09(水) 01:19:42
>>223

    (ありゃ)

本屋で和服の少年を見かけて、自然と視線がそちらに向く。

   (珍しい。和服だわさ。
    えらい似合うとるけど……あれ、あの人、どっかで見たような)

はて、どこで見かけたのだったか。
和服で出歩く人なんてそう多くは無いのだし、記憶を辿ればすぐに出てくると思うのだが……

      (えーっと……)

           ガッ

           「わひゃっ!?」

               バサバサバサバサァ!

……とかなんとか考え事をしていたら、本棚にぶつかって盛大に本を落としてしまった。
床に本が大量に落ちてしまう。

     「わっ、わわっ、す、すみません! すみません!」

店員やら他の客やらに謝りつつ、急いで本をかき集める。
顔は真っ赤だ。ちょっとどころでなく恥ずかしい。

225鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/09(水) 01:42:44
>>224

(こう、似たような本ばっかりやとどれ選んだらエエか分からんねぇ。)

(まぁ、どれも似たような内容って事なんやろか。)

にらめっこはまだ続く。
もう両方買ってしまおうかとも思い始めると

>バサバサバサバサァ!

突然の音。
その方向を見てみると、大量の本と女性を見つける。
本を落としたのだろうか。

「いや、大丈夫ぅ?」

女性の側に歩み寄って本を手に取る。
彼女の本だろうか。
とりあえず、本を差し出そう。

思い出せるなら思い出せるだろう。
この少年がミスコンの審査員だったころを。

226関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/09(水) 01:57:23
>>225

   「あっ、す、すみません。ありがとうございます……」

委縮したように頭を下げ、本を受け取る。
とはいっても、どうも彼女の本ではないらしい。
膝の高さに平積みされている本にぶつかって、盛大に落としてしまったようだ。

    (うぅ、恥ずかしゅうてかんわ……なにやっとるがねあたしは)

穴があったら入りたいぐらいだ。
茹蛸のように顔を真っ赤にしながら、本をかき集めて元の場所に戻していく。
幸い、大量と言っても範囲はそう広くない。
慌てて平積みしていけば、元に戻すのにそう時間はかからないだろう。

         「…………あ」

と、ここで思い出す。
和服を着ていて、黒髪の癖毛で、京言葉を使っていた人。

       「――――ミスコンで、審査員をしていた……鈴元さん、でしたっけ?」

227鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/09(水) 02:11:46
>>226

「あぁ、こっちやね。」

平積みを手伝う。
割とテキパキと進み、見事修復に成功した。
本の痛み等による苦情は受け付けない。

「ん?そやで?」

見ず知らずの女性が自分のことを知っているとは意外だった。
学園や家庭、店でも問題行動など起こさない男だ。
話題に上がることはあるにはあるが、それが広まることはない。
基本的には、だが。
         オ
「僕らどっかで会うたやろか?」

228関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/09(水) 02:26:27
>>227

ちょっと表紙が汚れてしまったかもしれない。
いや実際はそんなことはないのかもしれないが、そんな気がしてしまう。
……ちょっと、後ろめたい。
でもきっと平気よ、と自分に言い聞かせつつ。

    「オホン。改めて、ありがとうございました」

ペコリと、改めて頭を下げた。
長い黒髪がはらりと首から垂れる。頭を上げて、髪を後ろに払って。

      「いえ、別に直接会ったことは無いんですが……
       この間のミスコンに、あたしの友達が出てまして、それで」

見たところ、中学生ぐらいだろう。
白いブラウスと青のロングスカートを着用し、姿勢よく立つ姿は、いかにも清楚な優等生というところか。

     「『金言部』……でしたっけ。すごいイベントでしたねぇ」

229鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/09(水) 02:41:26
>>228

どうせ多くの人が手に取った本だ。
よしんばここで汚れても問題はない。
いや、問題はあるがそれが大変な問題に発展はしないかもしれない。

「あぁ、別にエエよぉ。」

「……あ、お友達が参加してはったんやね。」

たくさんいたので誰の友人かまでは分からない。
もし分かったとして何かが起きるわけではないが。

「そやねぇ。エラい繁盛してよかったわぁ。」

「そういえば、あんさんは出えへんかったんやねぇ。
 他の参加者さんと並んでも全然見劣りせかった思うよ?」

「あ、なんか本買いにきはったんよね?
 僕買いモンの邪魔してもうたやろか?」

230関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/09(水) 03:02:23
>>229

   「はい。と言っても、片方は涙音ちゃんなんで、『金言部』側なんですけど……」

涙音ちゃん……金言部部員の『朱鷺宮涙音』のことだろう。
ミスコンの舞台で鳩尾にイイのを入れてしまった彼女だ。
片方と言うことは、友人はもう一人いるのだろうけれど。

     「え、あたしですか……?」

きょとんとした顔で、小首を傾げ。
他の参加者と並んでも見劣りしない……その言葉の意味をゆっくりと咀嚼して、理解して。
……また、ぼんっ、と音を立てて顔を赤くした。

    「そ、そそそ、そんなことあらすか!
     あ、あたしゃあそんな、あんなキラッキラしとりゃあせんがね!」

いやんいやんと頬を手で覆って顔を振る。
困惑のあまり、ちょっと地の方言が出てるぐらいだ。

       「あ、す、すみません! あたし、鈴元先輩の邪魔になってますよね!
        あたしはその、邪魔というより助けて頂いた立場なのでっ!」

231鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/09(水) 23:54:28
>>230

「はぁ、朱鷺宮さんのお友達の方やったん。」

もう片方についての言及はしない。
わざわざ聞くことではない。相手のプライベートな部分だからだ。

「そうそうあんさん。」

けらけら笑ってそんなことを言っている。
ぼんっと赤くなった目の前の女性に対して言葉を続ける。

「そないなことあらへんよぉ。」

「あんさんは、その……」

言おうとして恥ずかしくなったのか少し赤くなった。

「かいらしいから。」

恥ずかしいのなら言わなければいいのだが、それをしない男である。
赤い顔の二人がいる。

「別にエエよぉ。迷惑とかかかってへんし。
 あ、そうや。ちょっと相談乗って欲しいんやけどエエ?」

そういうと先ほどにらめっこしていた本棚から二冊の本を取り出した。

「これとこれ、どっちがエエ思う?」

片方は『簡単!編み物入門』もう片方は『編み物のススメ』
とりあえず編み物の教本である。見た目的にどちらも同じ内容が書かれているように見える。

232関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/10(木) 00:20:53
>>231

   「か、かいらしい!?」

      「そ、そんなたーけたこと言ったら……い、いかんがね、もう……」

からかっているのか……とも思ったが。
……向こうも顔を赤くしているあたり、そういうわけでも無いらしい。
…………すごく恥ずかしい。
思わず俯いてもじもじしている。

    「あ、は、はい!
     相談、ですか。あたしにできることなら!」

その恥ずかしさを振り払うように顔を上げて、ちょっと無理にやる気を見せるポーズ。
まだちょっと、どころでなく顔は赤いが。

      「えっと、『編み物の本』……ですね。
       鈴元先輩、編み物を始めるんですか?」

本の表紙に視線を向けつつ、鈴元に問う。
……どっちを買っても同じな気がする。
確かにこれはちょっと、悩ましいかもしれない。

233鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/10(木) 00:36:33
>>232

「うん。編みモンでなんか作ってみたなってねぇ。」

持っていた紙袋の中身を見せる。
中には毛糸玉がいくつか入っていた。
それと編み物に使う針なども入っている。

「これから寒なるし、襟巻きとか編めたらエエなぁって思うて。」

「そやから、編みモンの本を探しに来たんやけど
 どっち選んだらエエか分からんなってねぇ。」

「どっちがエエやろ?」

小首を傾げて聞いてみる。
どちらも同じではなかろうか。

234関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/10(木) 00:50:48
>>233

    「へぇー……」

紙袋の中をのぞき込む。
如何にも、『今日から編み物を始めます』って人の買い物だ。

   「そうですねぇ。今年はちょっと寒いですし。
    あっ、それだったら……」

なにか思いついたのか、パタパタと急ぎ足で編み物の本棚の方へ移動する。
しばらく棚の本を右から順に指でなぞる様に視線を送り……

       「あったあった」

目当ての本を見つけたのか、一冊抜き取って持ってくる。

     「買うんだったらこれがいいですよ、先輩!」

持ってきたのは、『編み物のある生活』という本だ。
鈴元が提示した二つの本より、少しぶ厚めだが。

  「ちょっと値は張るんですが……
   あたしが編み物を始める時、これを買ったんです。
   基礎の基礎から応用まで載ってるので、長く使えるんですよ」

235鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/10(木) 01:12:51
>>234

「冬に備えて防寒具買うんもエエけど、作るんもエエやろ?」

「上手く出来たら贈りモンとかに出来そうやし。」

とは言うものの作り方がわからなければ贈り物になど出来るはずもない。
そして本もなかなかこれだと思うものがない。
作りたいという意思があっても、方法が分からないのだ。

「ん?これ?」

「いや、エエねぇ。これ。ちゅうかあんさん、編みモンしはるんやねぇ。」

本を手にとってパラパラとめくる。
割と気に入った様子である。

「うん、これにするわ。おおきに。」

「えっと、あんさんのお名前聞いてへんかったねぇ。」

「あんさん、なんてお名前?」

236関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/10(木) 01:30:51
>>235

   「いいですね、人に贈るのも。
    あたしはまぁ、友達か親ぐらいしか贈る人はいませんけど」

でも、親はともかく友達の方は喜んでくれるかな、なんて考えつつ。
後ろで手を組んで、パラパラと本に目を通す鈴元を待って。

     「はい、あたしは嗜む程度ですけど。
      小学生の頃に授業でちょっとやって、それ以来好きになっちゃって」

現代っ子としては、珍しい趣味だろうか?
しかし、女子としてはありふれた趣味とも言えるかもしれない。

    「先輩も、編み物頑張ってくださいね。
     曲がりなりにも編み物の先輩として、応援してます……なんて、ちょっと偉そうですね。ふふ」

         「……っと、そういえば、名前言ってませんでした。すみません」

ぺこりと、丁寧にお辞儀をしながら名を名乗る。

   「秋映学園中等部二年、関東也哉子です。
    友達は大抵、あたしのことは『ヤーコ』って呼びますけど」

237鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/11(金) 00:07:27
>>236

「小学生の時からねぇ。」

「珍しいね。今時編みモンするって。」

今時の若い人にしてはという意味だろう。
この男も十分過ぎるほど若いはずである。

「うふふ。先輩、お手柔らかに頼んますわぁ。」

けらけらと笑っている。

「関東さん、やね。これからもご縁があったらよろしゅうお願いします。」

「あ、そうや。関東也哉子さん。これから時間ある?
 本選んでくれたお礼にどっかご飯食べにいこ?」

「編みモンについて聞きたいこともあるし。」

ぺこりと頭を下げた後、軽く誘ってみる。
相手をいきなりあだ名で呼ぶ文化はこの男にはないようだ。

238関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/09/11(金) 00:35:31
>>237

   「女の子なら、編み物する子はたまにいますよ?
    いまどき編み物なんか流行らないって言うのは、ほんとですけどね」

まぁ、少数派なのは間違いなかろう。
いまどき手芸部すら中々見かけないぐらいだ。

     「ふふ、あたしの指導は厳しいぞ、弟子よ!
      ……なんて言える程、あたしも編み物が上手なわけじゃありませんけど」

こちらもくすくすと口に手を当てて上品に笑う。
育ちがいいのだろう、と感じさせる仕草だ。

    「はい、よろしくお願いします」

        「……時間、ですか? ええ、ありますけど……ごはん?」

なんと、お食事に誘われてしまった。
さてどうしたものかと、少し思案する。
初対面の男の人といきなりご飯だなんて、はしたないかしら?
でも、きっと鈴元先輩は純粋に誘ってくれているのだろうし……なんて考えて。

      「……そうですね。
       お礼されるほど大したことはしてませんが、ご一緒します!」

結局、同年代の人と編み物の話ができるということに釣られて、ニコリと笑って承諾するのであった。

239鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/11(金) 00:44:00
>>238

「へぇ。世の中いろんな人がいはるんやねぇ。」

正直編み物をする若い女性が想像できなかったらしい。
決して編み物が年寄り臭いものだと思ってのことではない
しかし、上手く想像が出来なかった。

「じゃあ決まりやね。」

「とりあえず、この本買うてからいこね。」

優しく微笑んで言う。いつも通りの笑顔だ。
下心などない、純粋な感謝の意である。

「なんか出来たら、関東さんにもあげるわな。」

とりあえずはこの先輩に色々聞いてみよう。
いや後輩だが、先輩だ。
もうすぐ二人はどこかへ向かうだろう。
そろそろ秋が近づいてくる、ある日のことの出来事であった。

240荒咬『ザップ』:2015/09/11(金) 02:42:32
「行ってみよう」

『ダイヤルを回す』。

※次にレスする人は、詳細を読んで荒咬が『どこに移動するか』をレスの秒数下一桁で決め、URLを指定してください。
  1レスのみで構いません。お気軽にどうぞ。


『ザップ』能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/564

241ようこそ、名無しの世界へ…:2015/09/12(土) 15:44:47
>>240
ギュルンッ!

荒咬が行く先は
→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1438274625/

242稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/13(日) 00:48:08

    チャリ

「……」

       ガチャ

           ガチャ

4F、ゲームコーナー近く。

                 コロン

「……」

座ってガチャガチャを回す恋姫。

           (またこいつかよ……
            封入率おかしいだろ……)

   チラ

財布を開き、中身を確認する。
……引き下がるべきか、否か。

243百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/13(日) 01:00:14
>>242
ガァンガァンガァン!

  HELL NO    screw you
 「ありえねえッ! ふざけんなッ!」

銃声と罵声が響いた。
気にせずガチャを回そう。

244稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/13(日) 01:19:18
>>243

ガァンガァンガァン!

「えひっ……!?」

             キョロ キョロ

(なんっだ……今の音……!?
 ガンシュ―にしてはリアルすぎだろ……常識的に考えて……)

周囲を思わず見渡す恋姫。
……まさか実銃ってことはないだろうが。

       (……まさか『テロ』とかじゃないよな……?
         撃退してやんよ……なんてのは妄想の話だからな……)

245百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/13(日) 01:26:38
>>244
あたりを見渡す――と。
『青灰色を帯びた白髪』の後ろ姿が見える。
丈の合わない七分袖のTシャツにクロップドパンツ。
見えている地肌は褐色だ。

         かくてー
「やべえすな。 確 定で出ると思うたんにー」

ガチャの機械に向かって立ち、見下ろしているようだ。

246稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/13(日) 01:41:27
>>245

(…………なんだあいつ。
 確定ガチャとか……ソシャゲじゃないんだぞ……)

         ・・・・目に、耳に留まった。

だが、銃声――
あれはどうなったのだ?

(……気のせいか?
 ゲームやり過ぎたか……えひ、ゲーム耳?)

さっきまでゲーセンにいたのだ。
そのせいでガン・シュ―ティングのSEが耳に刻み込まれたのか――

           ・・・・ガチャに向き直る。

   チャリン

          ガチャ

             ガチャ

「……」

    コロン

       「……おっ……キタコレ……!?」

カプセルから垣間見える中身。
思わず、声を上げる恋姫。

247百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/13(日) 02:00:48
>>246(稗田)
先程の音は聞き間違えだったのだろう。
そう、ここはサウスブロンクスではないのだ。
日本の黄金町だ。銃声なんか聴こえるわけがないさ。

歓声を上げる。稗田は狙ったモノを手に入れ

       ガ ゴシャアッ!

  What the hell
「ざけんじゃねえぞ」

おっと、あっちは出なかったようだ。
何か硬いモノを叩きつけたような音が響く。

    ガシャッ ガンガンッ

248稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/13(日) 02:14:07
>>247

    グググ

        …ガパッ

「うおっ……
 色違い版……」


    キラキラ

             「……いらねぇ〜〜……」

原作を顧みず高級感を出そうとしたキラキラカラー!
本来の購入層である女児はこ―いうのが嬉しいのかもだが……

(……なんでこんな時にだけ色違いでんだよ……
 『ポケ○ン』だと三日粘っても出ないくせに……イラつく……)

           イライラ

――だが。

       ガ ゴシャアッ!

「えひっ……!」

          ガシャッ ガンガンッ

(が、ガチャで台パンとか……!
 クソDQN乙…………何で叩いてんだこれ?)

手か? ……足?
そういう音ではないが――

            ・・・・チラ

そちらを横目で見る。

249百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/13(日) 02:22:38
>>248(稗田)
「出ねえわけがねえすよなぁ?
   スロットマシーン
 『片腕の強盗』じゃあないんだからあ〜〜〜〜?」

ゴッ! ゴッゴ!

片腕で何かを叩きつけているのが見える。

『赤銅色の銃身』――『拳銃』だ。
それをハンマーのように振るっている。

        ゴガ! ガン!

観るところ、稗田のやっているガチャと同じものらしい。
叩きつけた勢いでカプセルタンクの透明なカバーが白化し、ヒビまで入ってきた。
それに奇妙な『褐色の汚れ』がべったりとこびりついてるの見える。

        「まじの弾ぶち込むかぁ?」

      ジキッ

銃を片手に構えたまま、パンツのポケットに手をやっている……

250稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/13(日) 02:39:12
>>249

「ヒエッ……」

(ま、マジモンのキチだろあれ……
 なんだよあの銃……さっきの音あれか……!?)

……危険すぎる!
恋姫もだいぶ苛立ちやすいが……あれほどではない。

     ヒキー

      (財布の実弾切れたんならあきらめろよ……
       常識的に考えて……往生際悪すぎぃ……)

スタンド使いにせよ。
そうでないにせよ。

(まさに『こわちか』ってやつだな……
 『テロリスト』より……リアルにやばいやつ……)

            ・・・・そそくさと、ガチャから離れる。

ああいう手合いに絡まれると厄介だ。
見た目が不良とかじゃなく、『DQN行為』そのものだし。

251百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/14(月) 23:34:00
>>250(稗田)
 アンモ
「弾あどこやったす? 見っかんね」

    ゴソ  ゴソゴソ

パンツのポケットに手をやると、中のモノを取り出そうとしている。
はち切れんばかりに膨れ上がっているのだが――

     コロン

           コン  コンコロロロ

転がり出たカプセルが一個――中は未開封。
そして、内封されたビニール袋越しに見えるのは……


        ゴ           ゴゴゴ

『稗田の狙いの品』だ。ちゃんとした通常版でもある。

「衣装の参考にしてぇーのにィー」 「こっちのポケットじゃねえ?」

252稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/14(月) 23:49:17
>>251

     コロン

           コン  コンコロロロ

「……」


    チラ

(うおっ……)

――今期の『二人はマニキュア』の変身アイテム。

特に好きなキャラのものだ。
正直かなり羨ましい、が。


      (人のモン盗ったら……泥棒だからな。
       常識的に考えて……えひ、RPGじゃないんだし……)

落ちてるものを自分のものにはできない。
……そして、明確な危険人物に話しかける必要があるのもゲームだけだ。

(あいつと関わっても……死亡フラグくらいしかたちそうにないわな。えひひ。)

             ソソクサー

そういうわけで、この場からそそくさと遠ざかる。
妙な因縁をつけられないよう、願うばかりだ。

253百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/15(火) 00:10:43
>>252(稗田)
ゴソゴソとポケットを探り続けていたが、その手を止めた。

  ポーハ
「くそったれ」  「さっきチョコチョコつまんだのマズかったぁ?」

                「チョコだけに」


      メギャアンッ

片手に携えていた『拳銃』が手の中に溶けるようにして消えた。
ブツブツ言いながらポケットに手をやり、落ちたカプセルを見る。

「立体物のサンプルねーと作れねーすな。
 作画資料もまだ出てねェーし……んー……ン?!」

             ガァ z ン


周囲に誰も居ないと思い込んでいたので、振り返りざまに稗田の姿に気づいた。

「やべえすな、今の見た? 通報しないでほしいす」

254稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/15(火) 00:26:39
>>253

        「えひっ……」

(やっべえ……目え合った…………)

バレた。
……実によくない。

「あー……いや、通報とかは……しないから。
 えひ……んじゃ、僕はこれで……」

通報するメリットもない。
DQNの、趣味の世界での横暴は極めて不快だが――

   イライラ

(つーか開口一番『通報すんな』かよ……
 やばいな……マジで関わったらやばいやつ……)

        「…………えひ……」

   ソソクサ

苛立ちは止まらないが、今度こそ去ろう。
あとで通報とかもしない。

……こ―いうマジで危険な相手との妙な因縁はごめんだ。

         (あるいはもう……フラグ立っちゃってるか?
           えひっ、予測不可能回避不能……人生ってマゾゲ―だわ……)

255百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』:2015/09/16(水) 00:37:12
>>254
「お、帰る感じぃ?」

無視してくれる方が幸いだ。
スマホで撮影とかしてないかだけはチェック。

      クルリ

      こんだ
「そいじゃ今 度こっちすな。
 涼しくなってきたし、『硬度』が使えるす」

去るなら無視だ。チョコを取り出して装填していこう。

   シュコ  コッ

             ガアアンッ ガアンッ

去り際に銃声が聞こえただろう……

256稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/16(水) 00:47:06
>>255

撮影とかはしていない。
面倒ごとに巻き込まれて困るのは自分だけじゃあない。

             ガアアンッ ガアンッ


     「怖いわーDQN怖いわー……」

(……あいつ、この辺によく来るのか……?
 もしそうなら、ここのゲーセンは僕的にオワコンだ……えひ……)

        (…………笑えないだろ。
         デスエンカもいいとこぉ……)

とにかく一刻も早く離れよう。
首を突っ込むのも後ろ髪を掴まれるのもごめんだ。

257小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/09/29(火) 01:32:03
ある日のフードコート内。
一人の女性がいた。

「あなた、いつになったら約束を守ってくれるのかしら。」

「……いえ、いいわ。それでいいわ。」

「それじゃあね。」

ガラケーで通話中であったが、今しがた通話を終えた。
机の上には買い物袋とトレー。そのトレーの上にはカップが乗っていた。

「……今日も暇ね。」

フードコート内は人であふれている。
もしかしたら相席になるかもしれない。

258小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/10/03(土) 00:22:11
>>257

「暇は平和の象徴ね。」

帰った。

259高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/04(日) 11:58:16



    ドドドドド
                    ドドドドド


    「本日っ……『生鮮食品コーナー』……」


       「豚バラ肉スライス、グラム50円ッ!」

   「卵10コ入りパック、66円ッッ!」

          「カップヌードル6コ入りパック、300円ッッッ!!!」



   貧乏学生が来た。
   手には特売のチラシを掲げ、その瞳には炎を宿している。

260鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/04(日) 13:27:30
「えっとぉ……」

「じゃあ、円山さん手分けしていこか。」

餅は餅屋が信条の鈴元である。
普段は商店街での買い物を好む。
しかし安売りがあれば優先的にここに来る。
仕方がない、彼を含めて八人共同生活。
エンゲル係数は低くありたい。

同居人の円山と別れ、チラシを見ながら歩いている。
非常に危ない。すぐにでも君にぶつかりそうだ。

261鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/04(日) 13:46:03
>>260
>>259

262高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/04(日) 18:06:08
>>260-261


  …トッ
         トッ
               『 ト ッ 』



          「おっと」

                ―――ピ タァ!


 鈴元の歩みが意図せぬ変化をする。
 具体的には『一歩』、不自然に足を止めたような。

 そして、するりとその脇を抜ける、仄かな梅の香り。
 (おそらく男物の香水だ。)


  「気ぃ付けなよ。人多いんだから、前見て歩かねーと」

 男の声は、責めるような口ぶりではない。
 苦笑しつつ、柔らかく注意を促すものだ。そのまま横を通り抜けようとする。


 青年は、若木を思わせる渋茶のインナーの上に、秋物の白いカーディガンを羽織っている。
 腕時計、アクセサリ、和柄のヘッドフォン。小物が多い。
 派手ではないが、垢抜けた印象を与えるコーディネートだ。

 ……しかし、



    「グヘヘ……、カップめん一律60円とは、まるで夢のようだぜ……
     いつもはチキンヌードルで甘んじているこの俺だがッ…! 今日は別ッ…!
     普段はちょっと高くて躊躇う『スパ凰』とか『Gooota』とか買い占めてやらァ……!」


 そんな気を利かせた奴が特売のチラシを握りしめつつ、
 所帯じみた闘志を燃やしている絵は、多少なりとも滑稽かもしれない。

263鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/04(日) 20:09:28
>>262

(ん?)

止まる一歩。
不自然で奇妙だが、似た感覚を知っている。
『目を奪う』
自分の能力だ。
かつて似たような事を友人にした気がする。

「あ……すんません。」

(ハイカラなお人さんやねぇ。)

頭を下げて謝罪した。
肩まで伸びた黒い癖毛が揺れる。
鈴元は墨色の着物を身にまとっており銀杏の柄が印象的である。

「あ、えっとぉ……」

すこしの間、じっと男を見つめていたが
やがて申し訳なさそうな顔をして口を開いた。

「いらんお節介や思うけど……」

「あんまり、そういうんばっかり食べるんは、お体に良うないよぉ?」

264高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/04(日) 21:16:12
>>263

   「おー……」

 思わず『目を奪われる』、とまではいかずとも熟視する。
 墨色の生地と銀杏の柄、異なる組み合わせだ。
 しかしけっして突飛ではない。

    (古風、っつーのか、こーゆーの。)


>「いらんお節介や思うけど……」

>「あんまり、そういうんばっかり食べるんは、お体に良うないよぉ?」



  「あー、分かってんスけどね…
   深夜だったり、忙しい時に手軽に食えるモン、貴重なんだよ」

   やや苦い表情を見せる。

  「見たとこ… 中・高校生辺り? けど、しっかりしてんなァ」

265鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/04(日) 22:14:53
>>264

鈴元はは肌の色こそ白いが
その髪や瞳は黒く、墨色の着物と合わさって全体的な色合い暗めであった。
だからか柔らかい黄の色の銀杏が目をひくのだ。

それはともかくとして。

「あぁ。中三ですわぁ。」

「しっかりしてるやなんてそんな……
僕は親の言うたこと守ってるだけで。」

にこにこと笑って言う。
親の言いなりというわけではない。

「そういえばあんさん、一人暮らし?」

「や、普段高いんはこうてはらんみたいやし、そうかなって……」

「あ、自己紹介してへんかったね。
僕、鈴元涼いいますぅ。よろしゅうにぃ。」

ぺこりと頭を下げた。
ほのかに甘い香りがする少年である。

266高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/04(日) 22:41:35
>>265

「あー……」

 理性ではなく本能で理解する。『育ちがイイ』タイプだと。
 複雑そうな表情を噛みつぶし、

「ン? んー、ちょっと前までは実家だったんだけど。
 最近は『白亜荘』ってトコでお世話ンなってんスよね」

「ただ、大学の研究室泊まったりするからサー…
 泊まらなくても深夜帰ってきて、食堂いくのも悪いじゃん?」


「お、こっちこそ挨拶遅れたッス。高天原咲哉」
「よろしくゥー」

 礼儀正しい鈴元に対し、返す挨拶は軽い。

「てか、色々ツッコみ所あるんスけど…
 何で着物? そんで、何でそれで買い物来てるの?」

267鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/04(日) 23:23:48
>>266

「?」

「僕、なんかしてもうたかな?」

なにやら微妙な、複雑な顔をされ
すこし気になったようだ。
この男、外面を繕うことと顔色を伺うことが日常である。

「白亜荘?あぁ寮やんね。部長がいうてはったわ。」

たしかS湖の近くとか言っていただろうか。

「はぁ。大学生さんは大変なんやねぇ。夜に料理するんはシンドいし。」

眠いのにご飯を作るのは大変だ。
調味料とか火加減とか。多分。

「はい。高天原さんやね。よろしゅうにぃ。」

「ん?なんでて、僕和服が私服やから。」

「このカッコで買いモン行くんは普通やろ?」

そういうことらしい。

268高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/04(日) 23:41:21
>>267

「あ、いやいやこっちの都合っつーか」
「ま、まぁ、君も特売目当てでしょ? とりあえずいこうぜ」

 鈴元の視線をかわすように、ひょい、とカゴを二人分取り、手渡す。
 袖振り合うも多少の縁、というと誤字になってしまうが。
 どうも、鈴元と共に買い物をしたい、するつもりのようだ。


「まー、そゆことだよ。共同生活っつってもマナーは守るべしだな」
「そういう意味じゃ、独り暮らしの方が気楽かも?」

「ところで」


「和服が私服、って……料亭の一人息子とか、そーゆーやつ?」
「ま、この町じゃあけっして珍しいとは言えねーケド。実際似合ってっしなー」

「……ウーン」

「洋服、はねーの? 学校もそれで行ってんの?」

 ぺらぺらと口舌が止まらない。疑問は尽きないようだ。
 「ちょっと面白い子を見つけたぞ」、くらいには思われているかもしれない。

269鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/05(月) 00:08:24
>>268

「やったら、エエんやけど。」

「あ、そうや。はようれしいせんと売れてまうね。」

カゴを受け取り、特に何の疑問も持たず高天原と歩く。
平和に買い物ができるのはいいことだ。

「そやねぇ。家族だけやったら気楽っちゅう訳やないけど
色々気ぃ遣わんとアカンもんねぇ。」

「僕もお弟子さんらと住んどるから、そういうの分からんでもないわ。」

お弟子さんは家族同然だが、時折距離を感じる時はある。

「ん?うふふ。ちゃうよぉ。僕は和菓子屋の次男坊。『鈴眼』っちゅうトコのねぇ。」

「 和服が私服なんは僕と母と祖父母ぐらいやで。」

「え……似合ってる?ホンマ?おおきにぃ。」

似合っていると言われ顔を赤くして照れている。
どこか女の子っぽい反応である。

「洋服は持ってへんよ。学校は制服で行っとるし。」

本当は和服で行きたいくらいなのだが、学校は制服で行くものだと思っている。
洋服は好きでない。

「なんや、エラい僕のこと聞きはるねぇ。」

270高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/05(月) 07:29:35
>>269

「『鈴眼』!」

 食いついた。

「老舗じゃねーか。ウチの教授が好きでさぁ。
 よく羊羹とか生菓子買ってくるよ。ウメーんだよなぁ」

 どうやら、贔屓にさせてもらっているらしい。

「はー、あの店の息子さんか。なんとなく納得だわ。
 あ、いや、変な意味じゃなくてさ。『服が人を作る』っつーの?
 あの『はんなり』とした店の雰囲気って、そういうところから出てんだなー」


 掴みどころのない、見様によっては適当なことを言いながら、
 高天原はセールス品をひょいひょいカゴに入れていく。


>「なんや、エラい僕のこと聞きはるねぇ。」

「ン? あー、ごめ、嫌だった?」
「付き合わせてンのに、あんま自分のことばっか話すのも変かな、と思ってさ」

「しかし、そっかー… 洋服持ってない、ってのは、ちょっとなかなか。
 中3って言ったら、外で遊びたい盛りじゃない? 一着あると便利ッスよ?」

 洋服の件がよほど気になったのか、まだ何かをつぶやいている。
 鈴元は話題を逸らすことも、このままその話題に合わせていくこともできるだろう。

271鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/05(月) 21:46:59
>>270

「あ、ウチの店知ってはんの?」

「おおきにぃ。これからもご贔屓にぃ。」

店にいなくてもこの男は店員なのだ。
店が、家が世話になった相手に礼は欠かさない。
それが鈴元家の一員としての仕事だった。

「服が人をねぇ……」

(僕はなに着てようと僕やけど。)

なにか勘違いをしていそうだ。
しかし相変わらずにこにこ笑っている。
実に自然な表情であった。
そして安売りの商品を次々とカゴに放りこんでいく。

「や、別に嫌やないけど。」

言っても平気な範囲の答えしかしていない。

「洋服は別に……
作務衣とかで代用できるし、袴履いてもエエしねぇ。」

「あ、でも最近洋モンをもろたわ。」

272高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/05(月) 22:34:22
>>271

「こちらこそ、これからもお世話ンなります」

 口ぶりは軽いが、挨拶を返す。

「この辺じゃあ甘味処は『鈴眼』さん一強だぜ、実際。
 DION地下のケーキ店も捨てたもんじゃねーけどさ。
 餡子のしっとりした甘さは、洋菓子にはどうしても出せねーからなー」

 やや興奮したように語る。
 軽そうな見かけに反して、品の良い甘さの和菓子は好物だ。
 分かったような口を利けるほどには、回数を食べている。

 ……通っぽい自分に酔っている節もあるが。あるが。



「あー、作務衣な。確かに、ちょっと動くならそれで足りるのか」

 洋服と同様、和の服も用途に応じて様々な種類と機能がある。

「あんまり洋服は興味ない感じ?
 和っぽい柄とかデザインも結構あるんだぜー……」

>「あ、でも最近洋モンをもろたわ。」

「お、そうなん?」


 取りとめのない会話をしつつ、カゴに食材を突っ込んでいく。
 特売品はほぼ網羅した。そろそろ、会計が近い。

273鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/06(火) 00:10:23
>>272

「一強?うふふ。そないなこというても、何も出ぇへんよぉ。」

「出るとしたら僕からお礼の言葉ぐらいやわ。ホンマにおおきに。」

やや興奮気味の高天原、対する鈴元はにこにこ笑っている。
興奮している様子はないが、その表情は明るい。
ちなみにだが、接客をしていればこういう風に語る客はたまにいる。
だからヒくことはない。たとえ自分によっているように感じようとだ。

「そうそう。作務衣やったら激しい運動してもまぁ大丈夫なんよ。」

「それに、高天原さん?」

自分の着物の袖をぐっと前に突き出す。

「僕は今、和ぁっぽいんやなく和ぁそのものを着てるんよ。」

和を求めるなら和服を着ればいい、ということだろうか。

「まぁ、でもそこまで言いはるんやったら試しに着てみるんもエエかもしれんねぇ。」

服を着て自分の不利益になることはまずないだろう。
よっぽど恥ずかしい服を着ていなければ、の話ではあるが。

「うん。母からブーツ?っちゅうんをもらったんよぉ。」

「もう履かんからって。袴に合わせぇっていうてはったわ。」

そんなことを言いつつカゴに商品をまた放る。
さて、そろそろ会計も間近だ。
ここらで切り上げるか、それとももっと語り合うかは自由である。

274高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/06(火) 01:20:06
>>273

>自分の着物の袖をぐっと前に突き出す。

>「僕は今、和ぁっぽいんやなく和ぁそのものを着てるんよ。」


「……ふむ」


 興奮したような、それまでの語りから一転。

 口元に手を当て、黙り込んでしまった。
 会計は別の列に並び、支払いを済ませ、レジ袋を提げ。


 ―――そして、会計を終えたところで鈴元を待ち構えている。


「……わりぃ。ウザかったッスね、俺。
 専門家にミーハーが口出すみてーなモンだ」

 目をつむり、片手で詫びる仕草。
 そして、


「……けど、よければ一つ聞きてぇ。じゃあ、君の言う『和』って何?」

 瞼を開き、再び鈴元を見据える。

 「面白い子を見つけたな」の眼じゃあない。
 爛、と光る。興味深い文献を、資料を、論説を見つけた、『研究者の卵』の眼だ。


「君は今、『和』そのものを着ていると言ったぜ。
 その生地が、あるいは柄が、それを身につけるのが『和』なのか?」

「洋服やアクセを身につけるのは『和』じゃないのか?
 もしそうじゃないなら、ちょいと付き合って欲しいんだけど」

 コイツにも。

 コイツの考える『和』があるようだ。




「……あ、ごめん、もしかしてこれ、店の買い出し?
 もしそうだったら、無理にとは言わねーよ、全然!」

「てか、フツーに考えて俺ら初対面だったな…
 怪しい人に付いてっちゃ行けないって言われてるだろーし…」

 ……しかし自分で逃げ道を与える辺り、肝の小さい男のようだ。
 気まずそうに目をそらし、一歩退く。

275鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/06(火) 23:44:30
>>274

「ん?」

急に黙ったから少し気になったようだった。
しかしそれに言及することはない。

「あ、待っててくれはったん?おおきに。」            「や、別に僕は専門家っちゅうわけやないし。」

詫びる高天原に言葉を返す。
柔らかく微笑んでいた。

「……僕にとっての和ぁ?和は大和っちゅう言葉からきて日本のっちゅう意味を持つ、なんてのを聞きたいんやないんよね?」

質問に質問を返すのは零点だ。
なら疑問に疑問を返すのは間違いだろう。
だが、鈴元はそう分かっていても聞き返してしまっていた。

「この服は、キチンとした歴史のある
 呉服屋さん『伊吹屋』さんの反物。生地もなにもかも純に日本のモンやで。」
                                                       「でもやからと言って和ぁやない思うわ。」

黒い瞳が高天原を見つめる。
どこまでも黒く、曇りがない。何もかもを飲み込んでしまう黒だ。
    イキ スイ
「雅に粋や粋、詫び寂び風流、花鳥風月。どれも和の心のモン。でも、やからといって和ぁと言い切れるもんでもない。」

「今の世の中、和ぁも洋も混じってきてはるから、どこまでも和ぁに純であることは出来んけどね。」

言って、あごに指を当てて少し黙る。
なにか考えているのだろうか。

「例えば、あんさんの毛ぇを一本抜いたとして。その抜けた毛ぇはあんさんなん?
                             あんさんの胃ぃは摘出してもあんさんなん?違うんちゃう?」

「要素が固まってこその存在。日本の歴史ある技術、生地、店、服の形、それが集まったんがこの服。」

「やからこそ、この服を僕は和ぁそのものと呼ぶ。」

一呼吸置いて。

「まぁ、そんなんは個人が勝手に感じてそういうもんやって解釈するんが一番やけどね。」
                                      「それを学問的に見すぎたり、形式化してまうんは無粋やわ。」

「ん?あぁ、これは店やなくて家の買出しやから別に遅なってもかまんよ。」

「付き合うわ。あんさんの和ぁをみせてくれはるんやろ?」

276高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/07(水) 07:02:06
>>275

>黒い瞳が高天原を見つめる。
>どこまでも黒く、曇りがない。何もかもを飲み込んでしまう黒だ。

>「例えば、あんさんの毛ぇを一本抜いたとして。その抜けた毛ぇはあんさんなん?
>                             あんさんの胃ぃは摘出してもあんさんなん?違うんちゃう?」


 ぎくり、と身を強張らせる。
 そこらにいる十四、五の少年の醸す雰囲気じゃあない。
 ぬばたまのような暗い夜を覗き込んでいる気分だ。

 だが、

>「それを学問的に見すぎたり、形式化してまうんは無粋やわ。」

>「付き合うわ。あんさんの和ぁをみせてくれはるんやろ?」


「……ああ、そん通りだな。
 矛盾するようだけど、口に出す方が無粋になる言葉っていうのはある」

「だが、言ってくれんじゃねーの」

 にぃ、と痛快そうな笑みを浮かべた。


 そして、くるりと背を向ける。
 手を伸ばし、エスカレーターを指し示す……
 上の階には、『ファッションコーナー』と称して、服売り場や装飾品の小店が並んでいるはずだ。


「俺としちゃ損はさせねーつもりだが、君にとっちゃ時間の無駄に感じるかもしれねー。
 そん時は、『買い物の帰りにちょっと道草でもしたんだな』、くらいに思ってくれ」

 そう言うと、エスカレーターに向かって先に歩きだした。

277鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/07(水) 21:44:47
>>276

鈴本には高天原が身を強張らせたのが分かる。
しかし、突っ込みはしない。
和について話しているからではない。
今の鈴元にとって高天原は外側の人間だ。
自分の持つ世界の外側の人間なのだ。

「いや、ちょっと言い過ぎたやろか。」

にぃ、と笑う。
まるで真似でもするかのように。

「うふふ。期待しとくわぁ。」

高天原の後に続く。

「高天原さんは和ぁが好きなん?」

278高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/08(木) 07:45:35
>>277

  「いや、ゴメン。責めるつもりじゃねーんだ。
   むしろそんぐらいの方がかえって小気味いいぜ」

  「『和』は好きなんだけどさ。
   俺の場合ちょっとヒネくれてるっつーか……
   洋風のものを和のテイストでアレンジすんのが好き、みたいな」


 二階。

 エスカレーターを降りて、フロアの隅の方を目指す。
 『小物・装飾品コーナー』と看板が吊り下げられた一角だ。

 遠目にも分かる派手なピアス、指輪などから始まり、
 素朴だが品の良いかんざしや、高価そうなペンダント。
 雑多なものが並んでいる。


  「鈴本君の方は、言うまでもない感じ?
    私服に和服を選ぶくらいだもんな」

  「なんかもう佇まいが『和!』って感じだぜ」

 コーナーへ向かいながら、尋ね返す。

279鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/08(木) 23:23:07
>>278

「和洋折衷とはちゃうんよねぇ?」

和菓子屋がチョコレートを扱う時代だ。鈴元にも和洋折衷の心得くらいある。
それが高天原の思い描くものと同じかどうかは、分からないが。

(なかなかエエ簪やね。
職人さんのモンより手に取りやすそうや。)

こういった商品があるのは知っていたが、実際に足を向けたのは、はじめてた。

「うふふ。そやねぇ。」

「なにせ生まれた土地が京の都、和ぁの土地やからねぇ。」

「でも、僕かて最初から和服やったわけやないで?」

「似合うとるっていってもろて、それからずっと着とるだけ。」

280高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/08(木) 23:51:19
>>279

 「まー、似たようなモンかもしんねー。
  和魂洋才、つった方が近いかな……」

 「へえ、京都か。俺も、この町生まれじゃなくて外から来たんだよ。
  そら京都なら、生粋の和の文化残ってるよなぁ。染物とか料理とか…」

 「いつこっちに来たンスか? 最近?」


   興味深そうに、鈴本の話に耳を傾けているが……


 「……けど、生まれがその人間を決めるワケじゃねーよな」

   ふい、と誰にともなく呟き、視線をそらした。



   高天原が歩みを止めたコーナーは……

   木細工のピアスや、織物のミサンガ、梵字のタトゥーシールetc.。
   高天原の言う、『和魂洋才』めいた数々の小物、アクセサリーの並ぶ一区画だ。
   いずれも手作りなのだろう。仕上がりは非常によくまとまっているが、『小手先感』は拭えないかもしれない。
   少なくとも、『生粋』ではない。



 「どうよ、『和っぽい』だろ?」

   含みを持たせるように言い放ち。
   高天原は、鈴本のリアクションを待っている。

281鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/09(金) 00:56:32
>>280

「和魂洋才。そういうモンなんやね。」

「こっち来たんは、今年の春先くらいやったやろか。
 後、高天原さん?」

「染めモンとか食べモンだけやなくて、和菓子もちゃう?」

「『鈴眼』かて京の都のモンやで?」

500年の歴史を持つ和菓子屋であり、家である。
伝統の家だ。

「?どういえば、高天原さんはどこの出身なん?」

呟きにほんの少しの疑問を抱きつつ聞いた。
珍しい話ではないとは思う。
学生寮に住んでいるのだから、ある種当然だとも思う。

「うん。」

いくつか手に取ってみる。
手触りを確かめる。専門ではないが、どれくらいのモノかは分かるかもしれない。

「『和ぁっぽい』ねぇ。でも、それを言いに来たんやないんやろ?」

282高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/10(土) 04:05:43
>>281

「もちろん、忘れちゃあいねーッスよ。甘味はそっちの独壇場だ」

「……ン? んー、俺はもうちょっと北の方。
 この町よりもう少し寒くて、もっともっと田舎だよ」


 答えをはぐらかしつつ、雑多に並ぶ『和っぽい』品々から一つを無造作に取る。

 紅色のマフラー……というより、メンズのストールだ。
 薄い桃色の生地に、矢羽根を並べたような紅の柄――『矢絣』が染め抜かれている。


>「『和ぁっぽい』ねぇ。でも、それを言いに来たんやないんやろ?」


   「……俺さー、『和』の一番イイトコって、『合わせやすさ』だと思うンスよね」
   「ほら、『大和』を現す言葉であると同時に、『調和』とかの『和』、って意味もあるっしょ」


     「色とか、絵柄とか。料理とかだと、調味料なんかもそうかな。
      とにかく、他の素材と合わせやすいんだよ。主張しすぎないっつーか」

   「自分の国で作られた、技術や素材だけを使う……
    確かに、そうすると『純度』はスゲー高いと思うよ。
    けどさ。『和』って言葉は、そんなに限定的なモンかい?」


       紅色の生地を、鈴元の墨色の着物に並べ、重ねる。
       これも『和っぽい』だけの洋物だが、決して色の相性は悪くない……はずだ。柄の相性も。


   「そりゃあただの『国産』だ。他の国でも同じことは出来る。
    もちろん、そういう純度みてーな部分も大切なことだと思うぜ?
    けど『和』が『国産』じゃなくて『和』であるためには、それだけじゃ足りないと思う」

     ・ ・
   「『和風』を侮っちゃいけねーよ、鈴元君。
    『国産』じゃないのに、『和』の魂が入ってる。スゲーことだぜ、これは」


      ……君の闇色の瞳を覗き込んで、熱心に語っている。

283鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/10(土) 23:44:06
>>282

「北の方ねぇ。ウチの親戚にもそういうトコに住んではるお人さんおるわ。」

はぐらかされてしまった。
まぁいいだろう。触らぬ神に祟りなし。
地雷を踏み抜く意志はない。

「調和。まぁ、そやね。和ぁを持って良しとする。それも和ぁやね。」

しかしそれは蹂躙される、他に飲まれることではない。
静かに端のほうで座りながらも、決して空気とかすることは無い。

「なるほど。」

「これが、高天原さんの和ぁなんやね。」

高天原の弁舌を聞き、答える。
夜の様は瞳は揺らがない。
それは鈴元の心も同じである。

「確かにね。和ぁの認識、改めんとイカンのかなぁ。」

けらけら笑ってみせる。

「和風もなかなかにオモロくて、奥が深い。」

「なんかの参考になりそうやわ。」

284高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/11(日) 00:19:46
>>283


 「……人様に説けるような、立派なモンじゃないんスけどね」
 「鈴元君の言う『和』も、きっととても貴重で、守るべきモンだとは思う」

  話し終え、鈴元の反応を見、幾分かホッとしたような表情を見せ。
  それから、気恥ずかしそうに頬を掻いた。

  そして、紅のストールを鈴元に渡すように、差し出す。


 「もちろん、『自分を曲げろ』って意味じゃねーんス。
  けどさ、なんというか、えー、『周りに合わせる気持ち』も大切なわけで」

   そして、急に歯切れが悪くなる。
   先ほどとは違い、鈴元の目を見ていない。視線はどこかを泳いで、所在なさげだ。


 「だから、その、……な?」

 「私服も、ちょっとくらいは洋風に譲歩してみても、いいんじゃねーかなー、と。
  ほ、ほら、『和っぽい』のも悪くねーべ? ……ぶっちゃけ、皆とも馴染みやすくなると思うし」


   ……つまるところ。
   この青年は、非常に不器用ながら、君の在り方を心配していただけ、だったようだ。

285鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/11(日) 00:49:29
>>284

「周りに合わせる気持ち?」

周りに合わせる。
和を持って良しとする。まさにそれだ。
鈴元は和の中で異質だったのだろうか。
濃い人間だったのだろうか。
そればかりは鈴元が決めることではない。

「うふふ。」

「僕は僕やよ。和服やなかったら馴染みやすいっちゅうわけでもないけど。」

「でもまぁ、たまにはエエかもね。」

そういってストールを再び巻いてみる。
まるで紅葉のような色だ。

「でもねぇ。外套は和装コートやし、襟巻はマフラーなんよ。」

「つまりは僕もたまには洋に傾くっちゅうことやわ。和ぁに純であるんは難しいし。」

「後、ブーツ?っちゅうんももろたしね。」

286高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/11(日) 01:08:56
>>285

  黒と赤、色の相性はけっして悪くない。
  紅葉に矢。どちらも和柄だ。

 (お……)

  思ったよりも簡単に受け取ってもらえた。
  少しだけ意外そうな表情をして、

 「……そうだよな。俺が口出しするようなことじゃねーか」
 「どうも、余計なお節介がちでいけねーな」

 「いや、さ。俺の黒歴史でかたじけねーんだけど、
  こう、周りの皆と違うことして、浮いたりしてさー。
  あれ結構しんどいんだよ… 周囲の目っていうか」

 「ま、でも、君に関しちゃホントに余計な世話だったな」


  罰が悪そうな、けれどもどこかスッキリしたような顔を浮かべている。
  それから懐に手を入れ、


 「付き合わせちまった詫びに、そのストールはお兄さんが奢ってあげよう。
  なぁに気にすんな、ちょうどさっき買い物のためにバイト代をおろして… おろして来…。あれ?」

287鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/11(日) 01:44:05
>>286

「うふふ。僕かて、余所さんの目ぇ気にするよ?」

外面を取り繕う男だ。

「ウチの家とかに迷惑かけられへんからね。」

自分の失敗は家のミスになり、自分の評価が下がれば家の評価も下がる。
ならば自分も家の一員として、高くあらなければあんらない。
しかし、それだけのために生きているのではない。
鈴元の目標はあくまで『桜になること』なのだから。

「あぁ、かまんよぉ。これくらい自分で買うからぁ。」

「でもお言葉に甘えよかなぁ……」

「……甘えられんみたいやね。」

288高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/11(日) 02:05:30
>>287

  「あっ……」


   せつない顔。紛失したようだ。


  「……い、いや! 今日の俺は一味違うんだぜ」
  「なんとここに黄金町内の各店舗で使える、1000円分の商品券が」 パパーン

   しょっぱいSEとともに、懐から紙切れを取りだす。


>「ウチの家とかに迷惑かけられへんからね。」

  「……強ぇな」

   感心するように、ぼそりと呟き。


  「ところで。
   選ぶのは、このストールで良いのかい?
   なんだったら他の品目でもいいんだぜ」

  「1000円分しかおごってやれねーから、小物くらいだけど」


   再び、話題をそらした。
   相当、根っこの深いところに何かがあるのかもしれない。

   とはいえ、それは別として。

   1000円以内の『和風コーデ』を、鈴元君は自由に指定できる。

289鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/11(日) 02:29:07
>>288

「や、別にエエんよ。」

「あぁ、それね。ウチの店に持ってきはるお人さんいはるわ。」

本家では絶対に出来ないことである。

「強い?うふふ。まさか。」

「一足す一が出来るのを凄いとは言わんよ。」

そういうものらしい。
500年の重みの一端である。
たとえ店を継げなくても店の看板は彼にのしかかる。

「なんや悪いねぇ。あれやこれやと……」

「じゃあ、これ貰おかなぁ。」

鈴元が手に取ったのは織物のミサンガである。
落ち着いた色のものだ。

「高天原さんはなんか買わへんの?」

290高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/11(日) 02:43:58
>>289

  「当たり前のことを当たり前に出来る強さ、ってのもあるだろ」
  「それが出来ない人間もいるんだよ。俺みてーな」

  「……いや、部外者の俺が『当たり前』なんて
     軽々しく言っちゃあいけねーんだろうけど」


   織物のミサンガ―――元来は『千切れたら願いが適う』と言われる呪術的なものだ。
   通常のミサンガよりも薄く、幅のあるそれは、つけるとなると鈴元の着物の袖に隠れる。
   いわば『見えないおしゃれ』というやつだろう。


  「ン、俺か。そうだな、折角来たんだし……」

   高天原も、織物のあたりに目をやっている。が、

  「……あ、いやいや。俺は金ねーんだった」
  「とりあえず、ほら。そのミサンガ貸してくれ、商品券使ってくる」

291鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/11(日) 23:52:53
>>290

「なにがあったかは知らんけど。」

「あんまり自分のこと悪くいうたらアカンよぉ。言霊がそれをホンマにしてまうわ。」

卑下したっていいことないのだ。
あるとしたら自分で自分を責める悦びを感じられる可能性があるくらいだろうか。

「これ、髪紐にも出来るやろか?」

結んで解いてを繰り返すつもりらしい。
たしかに、鈴元の髪は結べそうだ。
肩まで伸びた黒い癖毛が揺れる。

「あぁ、はい。」

ストールとミサンガを手渡した。

「すんません。おおきにぃ。」

292高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/12(月) 00:10:05
>>291

「……おお、そうだな」

 弱気の虫というものは、簡単には取れない。
 が、それを口にしたところで、良いことは一つもない。

 鈴元の言葉に、その通りだ、とでもいうように頷く。


「髪紐? 考えたことなかったけど……、なるほどなぁ」
「むしろ、そういう使い方の方が洒落てるかも」

 織物は、ゴムのような伸縮性は当然ない。
 だが、輪を切ってひも状にするならば、髪を縛ることにも使えそうだ。


 鈴元から受け取ったストールとミサンガを、レジへ持っていく。
 商品券を手渡し、釣りをポケットへ。

「ほい、お待たせ」

 店のロゴの入ったビニール袋を受け取ると、鈴元へそれを手渡した……。


   鈴元 涼『ザ・ギャザリング』⇒『紅色の矢絣のストール』『織物のミサンガ』GET!


「付き合わして悪かったな。そろそろ帰るべ」

 軽薄そうな笑みを鈴元に向けている。

293鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/12(月) 00:41:15
>>292

「うふふ。そうやで。」

「本来の使い方とは違う方法でも、味わいはあるんよ。」

包丁や電子レンジなど、本来の用途とは違う使い方をして大事件あったものはたくさんある。
しかしまぁ、こういう平和的な利用の仕方も中にはあるのだ。

「おおきにぃ。」

ビニール袋を受け取った。
この袋の重みは新しい見解の重みである。

「そやね。そろそろ帰らんと……」
                              「涼さん!」

「あ、すんません。僕の付き添いのお人さんやわ。」

そう言えば一緒に来ていた。

「心配させたらアカンから、先帰らせてもらうわ。」

「あ、連絡先教えてもろてかまん?」

懐からスマホを取り出した。

294高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/10/12(月) 01:10:32
>>293

「肝に銘じとくよ、つーとおおげさか?」

 軽薄そうな笑みは、しかしどこかスッキリしたような色だ。
 高天原自身にとって、この出会いが良きものであったということだろう。


>「あ、連絡先教えてもろてかまん?」

「ン? おお、いーよ。てか、スマホはさすがに持ってんだな」

 苦笑し、自分のスマホと、ポケットから名刺ケースを取りだす。

 右手でスマホを手慣れた動作で操作し、自身の連絡先をQRのアレにして表示。
 左手で、ケースから一枚名刺を取り出す。所属の研究室と、パソコンのアドレスが書かれている。

 ……手慣れた手つきだ。わりかし、器用な方らしい。


「まぁ、俺も秋映だし、食堂とか便所でも、また会うこともあるべ」

 そう言って、鈴元を見送る。


 実家の弟は、ちょうどあれくらいの年頃になる。
 少し懐かしい思いに耽りながら、高天原も帰路についた。

295鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/10/12(月) 12:29:07
>>294

「おおげさなことあらへんよ。」

ぱっと笑った。
その笑顔は明るい。

「うん。ライン?っちゅうのせんといかんなって。」

器用に事を進める高天原。
対照的に鈴元は少しぎこちなくスマホをいじる。
機械類は苦手なようだ。

「じゃあまた今度。」

手を振って高天原と別れる。
いずれ会えるだろう。生きてさえいれば。

                       「涼さん。どこか行くなら連絡くださいよ。」

「すんません。」
                       「誘拐されたかと思ったから。」

「ホンマすんません。」

きっとまた会える。
意外な場所とかで。

296小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/14(土) 01:46:42
ある日のDIONモール。
その中に設置された書店。

「……」

一人の女性が居た。

(これが今の流行?)

(ふうん。)

今売れ筋なのであろう本が特設コーナーに置かれている。
女性はその前に一人たっていた。
棒立ちで本を見つめているので、人にぶつかる可能性はある。
それに買うか悩んでいるようにも見える。

297稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 00:15:01
>>296

特設コーナーに置かれた本は数種ある。
有名作家の新作、映画化決定、著名人の話題作――

        「……」

(ほとぼり冷めたかと思ってきてみたら……えひ。)

    グイ

恋姫は一冊の本に手を伸ばす。
ちょうど、小鍛冶の前をまたぐように。

(新刊出てたとは……情弱だったな……)

           ・・・・表紙がアニメ絵の本だ。
              帯に映画化決定と書いている。

298小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 00:24:41
>>297

(図書室にもこういうのあるわね。)

(私は読まないけど。)

静かに並べられた表紙を見つめる。
表紙は本の顔だ。
もちろん本棚に並べられると背表紙が顔になる。
が、売り出したい本は表紙を顔にされることが多い。
ここで買うかどうかを判断する人間も居るだろう。

(あら。)

小鍛治の視界に少女が移る。
相手が誰であるか小鍛治は知らない。
だが、小鍛治は少女に声をかけた。

「ねぇ。」

「初対面で不躾な質問だとは思うのだけど、あなたそれを買うの?」

299稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 00:42:12
>>298

「えひっ……」

      ビク

いきなり話しかけられるとは。
まあスタンド使いになってから、珍しくはないが――

(またマジキチDQNじゃないだろうな……)

            「……まあ、買うつもりだが……」

手を引っ込める。
小鍛冶の顔を見る。

(マジメっぽいやつだが……
 人は見かけによらないしな……)

「何かあんの……?」

         (さてはアンチか……?)

眼鏡越しの桜色の目が、少し細まる。

300小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 00:56:19
>>299

小鍛治は白い肌で白いシャツの上に黒のカーディガンを羽織っていた。
黒いスカートを着、パンプスをはいている。
艶のある黒髪は綺麗に切りそろえられている。

「その、私そういうのに馴染みがないのよ。」
                 コ カジ アキラ
「……自己紹介がまだね。小鍛治 明。」

ぺこりと一礼。
黒髪が揺れる。

「学校で図書委員をしているのだけど。蔵書にそういうのがよく来るのよ。」

「それで、そういうのの魅力を知りたいのだけど。」

純粋な質問であった。
小鍛治は馴染みがない。
そういったものに。興味も馴染みもない。

「もちろん、嫌ならいいのだけど。」

301稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 01:13:50
>>300

「図書委員……」

     (こいつ、秋映か……?)

       ム

少し表情がむくれる。すぐ直る。
その顔は人形のようで、日に当たらず、青白い。

「僕は……稗田。あー……稗田恋姫。」

          ス

青い眼鏡を直す。

「えひ、魅力っても……」

         「布教すんのは……
          やぶさかでもないけど……」
 
     ポリ

頭を軽く掻く。

「買って読め……ってのはあれか。
 えひ、ステマできるほど、僕も詳しくないんだよな……」

         「……キャラが良い?」

キャラクター人気。
この手のやつは『キャラ小説』とも言われる。

「お前は……あれなの?
 純文学とかぁ……そういうの読むの?」

             ・・・・何となく聞き返す。

302小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 01:34:50
>>301

「あら、ごめんなさい。」

「お気に触ったかしら?稗田さん。」

むくれた表情が気になったらしい。
が、その顔に申し訳なさそうな様子はない。
なんてことない、と思ったのだろうか。

「布教、ねぇ。」

(カルト的な人気、というわけではなさそうね。
 ネットスラング、そういう感じかしら。)

じっと稗田の顔を見つめる。
観察するように。
先ほど本の顔を見ていたように。

「キャラ、そう。絵のキャッチーさとかじゃないのね。」

「どう、いいのかしら。」

質問を重ねる。
学習は必要で質疑は不可欠だ。

「純文学、まぁそういうのは読むわね。そればっかりという訳ではないわ。新書とかも読むもの。」

「あなたはこういうのをよく読むの?」

先ほど手に取られた本を指差した。

303稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 01:50:44
>>302

「別にぃ……? 気にすんなし……」

        「つーかじろじろ見んな……」

顔を逸らしつつ。

気にすることでもない。
反射的に顔が動いたってだけ。

      ・・・・ともかく。

「絵も……まあ、キャッチ―だけど……
 まあ、表紙買いはあんましないな。好きな絵師でもな……」

           「……どう〜?」

少し眉を顰める。
どう『いい』のか。難しい。

(初対面でキャラ萌え語りすんのきついな……常識的に考えて。)

「あー……まあ、僕もそんな読むわけじゃないけど。」

       「……」

             「かっこいい……とか?
              キャラによりけりだし……」

恋姫は娯楽で読んでいる。  
どうカッコいいか、と言われても。

「こればっかりは未読じゃな……
 えひ、ネタバレは……したら負けだと思うし……」

          トコ
            トコ

小鍛冶を回り込み、アニメ表紙の本に近付く。

304小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 01:58:27
>>303

「うふふ。あら、ごめんなさい。」

淡く微笑み、口元に手をやる。

「キャッチーさ、絵だけではないのね。」

「かっこいい……?」

口元に手をやるが先ほどとは違う。
考え込むように当てる。
実際、彼女は何かを考えているようであった。

「それは、どの本でも変わらない要素よね。」

「人物の魅力、ということなのだから。」

アニメ表紙の本を手に取った。
そして、その本を稗田の方へと向ける。

「はい。どうぞ。」

「ところで、ここにあるみたいな他の本はどうかしら。」

「これはあなたにとって魅力的?」

そう言って小鍛治が指差した場所には
○○賞受賞といったポップが描かれた本たちが並んでいる。

305稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 02:15:54
>>304

「……気をつけろよな。
 不審者だと思われるぞ、このご時世……えひ。」

            ニヤ

陰気な笑み。
そこまで怒ってるわけでもない。

        ・・・・そして。

「どーも……」

    ス

本を受け取る。
妙に長いタイトルだ。

「他の本? ……僕はあんま、ラノベ以外読まないし……」

           「……まー、あれだ。
            なんかハードそうじゃん……」

あまり魅力は感じない。
食わず嫌いってことだ。


「……お前には魅力的なの? こういうの……」

      キョロ

         キョロ

      「……僕に布教してみる? えひ。」

並ぶ本に目を通す。
表紙は写真や、シンプルなイラスト。

            ・・・・恋姫の目が小鍛冶に向く。

306小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 02:36:26
>>305

「あら、それはまた大変ね。」

笑う。
意に介していないかのように笑う。
冗談だろうと笑う。
たとえ冗談でなくとも同じ事をしていただろう。

「ラノベ以外、まぁそういう人増えているわね。」

「ハード?ハードなのは表紙だけではなくて?」

ハードカバーとかいう意味ではない。
キャッチーな表紙ではない、という意味だ。

「魅力的、といわれると微妙だけど、そうね。」

「少しお話しましょうか。」

本をしばらく見つめた後、一冊の本を手に取る。
本のタイトルは『白紙』
白い色を基調とした表紙だ。
帯にはドラマ化の文字が躍る。

「受賞者の作品ではないけど、ご存知かしら。」

307稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 02:56:55
>>306

「……冗談のつもりなんだけど。」

   (なんか……
    ペース掴めないな……)

通じなかったのだろうか?
通じてそういうリアクションなのか? 

           ・・・・はかりかねる。

「ハード……っていうか、なんかムズそうじゃん。」

あくまで、イメージに過ぎない。

「『白紙』……あー、なんか……聞いたことはある。」

ドラマ化。
あまりいいイメージはない。主演は人気俳優だろうか?

「えひ、この分野だと情弱だな僕……」

あるいはネットニュースか何かで見た、ような。
それくらいの知識だ。

                 「……これがオススメってこと?」

308小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 03:11:11
>>307

「私も冗談のつもりよ?」

通じていても通じていなくても小鍛治明は変わらない。
その反応は変わらない。

「難しそう。まぁ、そうね。」

「難し『そう』ね。」

にこりと笑ってみせる。
難しいのではなく、難しそう。
そこにある距離は近いようで遠い。

「ドラマ化するからいいってわけではないわ。」

「私、これのドラマを見る予定はないもの。」

小鍛治の趣味ではないらしい。

「オススメよ。あの本の中なら、これが一番。」

「まず、これは短編集よ。主人公とその周りの人々を中心とした、ね。」

小鍛治による小説の解説が始まる。
その言葉は滞りなく、悩むことなく進んでいく。

「この作者は短編集だとか、一冊限りのお話が上手よ。二巻三巻と続くものはあまり良くないの。」

「次に登場人物の魅力、かしら。」

「人間臭さがあって、青臭い学生が主役よ。脇を固めているのも学生が多いわ。」

「特別な設定があまりなくて、割と現実的。
 それと思春期特有というか、『分かる』感情が多いわ。感情移入しやすい、と思ってもらえればいいかしら。」

作者の作風、向き不向き。登場人物の魅力。
それが小鍛治がこれを選んだ理由であった。

「なにか他にご質問は?」

309稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 03:33:46
>>308

「……えひ、よく通じにくいって言われない?」

        (僕も人のこと言えんが……)

冗談のわかりにくいやつ。
恋姫はそう思った。

「僕もドラマ化は……あんま興味ない。
 んじゃ、まあ……布教されてみるか……」

         ・・・・

            ・・・・

――そして。

「……質問……特にないけど……」

恋姫は『白紙』に目線を向ける。
白い表紙。

     フイ
 
         目を逸らす。

「あんまり……えひ、まあ、読まないと分からないけど……」
「……好きな感じじゃない。」

学生。現実的な。そういうのは好きじゃない。

             ・・・・しかし。

「まあ……お前がこれ好きだってことは分かったし……」

           ス

        「ノセられちゃうか……
         えひ、これで沼に落ちるかもな。」

(……僕が読まなくても、おばあちゃんが読むかもだし……)

積まれた『白紙』を手に取る。
お金に多少の余裕はある。ゲーセンで落とすための金だが。

            ・・・・今日はなにか惹かれるものがあった。

310小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 11:50:07
>>309

「通じにくい?いえ、分かりにくいと言われるわ。」

「私にはそれがよく分からないけど。」

自覚症状はあまりないようだ。
いや、そういうものなのかもしれない。
周りから見れば明らかなことも本人から見れば闇の中なのだ。

「好きな感じじゃない。」

「まぁ、確かに今時の子よりちょっと大人の方向けなのかもね。」

子供のころを思い出したい大人だとか、淡い青春を味わえなかった大人とか。
まぁ、若者にもウケるとは思うが、趣味好みは人それぞれだ。

「沼が何かは知らないけれど。」

「こういう本を読んでくれるのは嬉しいわ。」

「じゃあ、私はこっちをいただこうかしら。」

先ほど手渡した本と同じ、やけにタイトルの長い本を手に取った。

「私も読んでみないといけないわね。」

311稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 19:22:39
>>310

「……あっそ。」

恋姫の冗談も、わかりにくい、らしい。
自覚はあるが。

      ・・・・ともかく。

「……別にお前を喜ばせたいわけじゃない。
 ふつうに衝動買い……本棚の置物には良いデザインだし……」

         「……えひ。」

      トソ

二冊を重ねて持つ。
ラノベの方が、上だ。

「……冗談。読むには読むよ……常識的に考えて。」

そう付け加える。
それから、小鍛冶の取った本を見て。

「お前も釣られるみたいだし……えひ。
この作者は……燃えて萌えるから……割とおすすめ。」

         「前作は僕も不覚にも泣いた……えひ。
          アニメも良かったし……あと5年はオワコンとは言わせない。」

映画化決定なのは作者の前作だそうだ。
そちらは、既に完結・アニメ化済み――らしい。

「あ、ゲーム化もしてるけど……
 マジクソゲ―だから。ワゴンの常連……えひ、これにて布教完了。」

「んじゃ……
 僕はそろそろ……」

      トコ

         トコ

向かう先は、レジの方だ。
別に本屋に来たわけではない。

思わぬ寄り道となったが、目的地は別なのだ。

           ・・・・もちろん、偶然着いて来ることもあるだろうが。

312小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/11/15(日) 20:28:12
>>311

「置物?あなた酷いこと言うわ。」

「私、本より重厚な人というのを見たことがないのだけど。」

「あなたはどうなのかしら?」

にこりと笑っている。
怒っている様子はない。
余裕、なのだろうか。

「あら、冗談なの。それはよかったわ。」

稗田の一言にそう返す。よかったのだろうか。
何がよくて、何がよくないのだろうか。
小鍛治はまだ笑っていた。

「うふふ。あなた、これが好きなのね。」

「泣くほどなんですもの。」

優しい視線で本の表紙を見つめる。
先ほど陳列されていた本を見ていためとは違う。
並べられた多ではなく、選んだ個としての視線。
一冊の本として向き合う瞳だ。

「ゲームは親戚とするぐらいで私あまりしないけれど。」

「試すのもいいかもしれないわ。もちろん、これがよければの話よ。」

「えぇ、さようなら。また今度、感想聞かせてね。」

そう言うと本屋の奥の方へと歩いていく。
まだ買うべきものがあるのだろう。

(読書を悪く言う人は居ないのだから、こういうのもたまにはいいわ。)

今日はなにか惹かれるものがあった。
それでいい。それだけでもいい。
楽しいのならば、それでいい。

313稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/15(日) 22:53:18
>>312

(こいつ、どんだけ本好きなんだよ。これも冗談か……?)

「……えひ。そう、冗談……」

本より重厚な人間。
恋姫は人間好きではないが――それは、いると思った。

本好き特有の例え、か?

         ・・・・そして。

       トコ

「えひ、あれは試さなくていいと思うけどな……ファン的に考えても……マジでヤバイ……」

      「……んじゃ。
       本は、読んどく……」

    トコ   トコ

去り際にそう残した。
やはり読書よりも、ゲームの話題が好きだから。

『白紙』は次の日から、恋姫の鞄に収まり、日々栞の位置を動かしている。

314目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/16(月) 22:53:36

「半額弁当ォォォォ」
「開始時間に遅れたが、まだ残っているだろうかッ」


  ノッシ  ノッシ  ノッシ  ノッシ

DIONモール食品コーナーを早歩き。


「もうすぐ惣菜コーナーだ、うおおおおおお」
「残っていてくれハンバーグ弁当ッ」

315目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/18(水) 22:28:14
「うッうおあッ」
「うおおおおおおおああああ」

「いなり寿司しか残ってないよ!」

「あああ」

316藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/21(土) 01:26:57
「ええ感じのバイトが最近少ないのォ…」

フードコートで水を飲みながら無料の求人ペーパーをめくってため息をつく。

>>315
旨いじゃろが。稲荷寿司。

317目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/21(土) 22:53:47

 ハ ァ 〜〜〜っ

「煮込みハンバーグ弁当が食べたかったんだなあ…」


>>316
「そんなに駄目な感じですか」

後ろからバイト誌を覗き込む。
景気のいい日雇いのバイトとか無いの?

318藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/22(日) 22:16:07
>>316
「なンじゃお前は。
まァ年末じゃけえ道路工事系には事欠かん。ま、今年もこれで餅代を稼ぐかのォ」

しっしっと手を振って追い払うと、フードコートの片隅の求人ペーパー置き場を指す。

「読みたきゃあそこに幾らでもあるじゃろ、あっち読め」

319目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/22(日) 23:09:56
>>318
「ああっと」
「申し訳ありません…気になっちゃって」


藤堂は振り返って見えたのは、
年若い身長150くらいの奴だった。モワモワした防寒具に身を包んでいる。
気のいい少年、といった印象かも。
>>318

「…ついでに、水、おかわり要ります?」
 
 
 水のセルフサービスの機械を指さしている。
 求人ペーパーを取ってくる片手間に持ってきてくれるらしいぞ。

320藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/23(月) 03:06:42
>>319
「……………おう」

おかわりでも何でも、くれると言うものは病気以外何でももらう性質だ。
持ってくるまでに、求人ペーパーのいくつかの欄に丸を入れている。

321目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/23(月) 12:42:55
>>320

 ゴソゴソ
脇に求人ペーパーを挟み

 ジョボボボ  カタ 

     ジョポポポポ


水の入ったコップを両手に持ち、


 「……」



 ジ ィ――――〜ッ

後ろから求人誌を覗き込む…


  「ふむ成る程…」


藤堂の耳元で呟いている。
すごい近い。

322藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/23(月) 19:46:33
>>321
ビキッ

「な・ン・で・じゃッ!!」

ゴッ!
              ガッ!!

       ツ     ッ     コ     ミ
反射的に肘打ちで屈んだところに顎に掌打を入れた。

323目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/23(月) 22:15:59
>>322
「 あたッ 」

クリーンヒット。
手のコップが揺れて、ジバッと零れる。



「すっ」
「すびません…」
「水かかってませんか大丈夫ですかっ」

   マタ ヤッチマッター
        アワワワワワワ


 上着の袖で藤堂を拭こうとする。

324藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/24(火) 22:43:00
>>323
「ワビるとこそこかァ!?
あー、もォええわ、ほっとけ!!」

うっとーしそうに振り払う。

「次、なンかしたら張り倒すけぇの、覚えとれよ」

325目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/24(火) 23:00:38
>>324
「うッ 分かりました…」

申し訳なさそうな顔をしながら、
(中身がちょっぴり減ってしまった)コップ二つをテ―ブルに置いて、

 ド ス 


   「はゥ〜〜〜〜ッ」


藤堂の隣の席に、さも当たり前のように座った。
イナリ寿司(5ヶ入り)を取り出す。


  『ガブ ガッブ』
   『ガフ ガブゥ』

      パラ…


水を飲み飲み、イナリを齧り齧り、フリーペーパーを捲っているぞ。

326藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/25(水) 00:09:51
>>325
ビキビキ

……しかしだからと言って殴ったりはしない。
となりで飯を食うことは別にマナー違反ではないからだ。苛立ってはいるが。

327目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/25(水) 00:22:19
>>325
 「ムッシャ ムッシャ」
 「ゴクゴクゴク」

     「ふゥ―――〜ッ」

   「パクパク」
    「パクン」

  「ううむ…運送業ってやっぱキツいでしょうかね」


     「パクリ」

      「ゴックン」
 
       「ゴキュゴキュ」

   「…水がなくなってしまった」

     「ゴソゴソ」

     「ハグッ」

   「うわッ 好条件ッ 」

     「ゴックン」

     「ぐッ」
  

「〜〜〜〜ッ   〜〜〜〜〜ッ!」
「つッ 詰まッ」

「水水ッ 水ッ」

328藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/25(水) 00:51:44
>>327
「…………お前力無さそうじゃけ、止めとけ」

ズイッ

自分の分の水の入ったコップを差し出した。

329目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/25(水) 01:23:39
>>328
差し出されたコップを手繰り、


 「うぷゥ〜〜〜〜〜〜〜ッ」
   「ゲホっ」


回復。



「えェ〜、そこまで運動が苦手だと思ってるんですか」
「…ご明察ですよハイ」

「ドン臭いのよね…」

「日雇いイベントスタッフが精一杯かなァ」



イナリ寿司(残り1ヶ)のパックを藤堂の方へとズラす。

「ご迷惑をお掛けしました……食べます?」

330藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/25(水) 22:50:26
>>329
「ドン臭さゆうか腕力の問題よ。
肉体労働系は一にも二にも力が要るけぇの、お前にそれはあるンか、ゆう話をしとるんじゃ。
……………ん?」

稲荷寿司のパックに目を留める。
ちらり、と目黒を見ると、ふんと鼻を鳴らし……。

モグゥ

口に放り込んだ。

「…ふとっちょが誰も彼も食いもんで懐柔されると思うたら大間違いじゃからの」

331目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/25(水) 23:31:33
>>330
「小生ってば見当違いなことをッ」

「…体力…」
「 …… 」
「ん〜……」
「………?」


「……あッ…ああ! ――――無いですね!」

「助言ありがとうございまっす!」


バッ、と立ち上がってお辞儀。机が揺れた。

332藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/26(木) 00:37:42
>>331
「無いンかい…まあ無いじゃろぉのォ」

手の指をティッシュで拭いた。

「力が無いンなら夜間の警備員か…ほうじゃの、後は家庭教師がええじゃろな」

333目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/26(木) 01:15:25
「家庭教師かァ…秋映生じゃ…どうだろう…?」
「そもそも文系のエスカレーター生で家庭教師は厳しめですかね?ウン」
「じゃあ警備員……」


バイト誌を広げながら歩き出す。




 「そんじゃ、失礼しまッ」
 「…っとその前に」

    ズギュ


「 小生の『肩』に… 」


   『クックルー クックルー』


「例えば鳩のような、機械のような…『見えますか』?」
「もし貴方が『暦』『刺青』『Outfit』の名前を知り、かつ『鬼畜』となれば……」



藤堂の目の前の奴の肩に、止まっている。
鳥と飛行機の『合いの子』のような、『スタンド』だ!

バイト誌をめくりながら問いかける。返事には期待していない。

334藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/26(木) 23:32:03
>>333
しばらくぽかん、と目黒を凝視した後、俯いて肩を震わせる。

「………ぷっ………ぷくっ、ぷひっ……」

笑っている。

「ぷくくっ………くかかっ…………くひひっ…………!!
おン前〜〜〜〜〜〜〜!!なンじゃァもォ下ッ手糞な誘い方すンなやァ〜〜〜〜〜〜〜!!

ヤリたいならヤリたいゆぅたらええンじゃこのォ〜〜〜〜〜〜〜」

さっきまでの不機嫌がウソのように、まるで奥手な恋人の、ほほえましい振る舞いの真意にやっと気づいた、とでも言うように、朗らかに笑う。
席を立つと、椅子の背を掴んだ。

『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』

「心配すなやァ、稲荷寿司一個分の手加減はしちゃるけ、半殺し……いや三殺しくらいで済むじゃろ、なァ?」

藤堂が、ではない。                         マッチョ ヴィジョン
その傍ら、2メートル半もの体躯の、ギリシャ彫刻を思わせる筋肉質な像が、だ。
赤々と、炎が髪のように頭部で燃え盛り、荒く彫られた巌のごとき身体には、烈風にはためく、流水を思わせる衣を纏っている。

「悪いことしたのォ、せっかく喧嘩売ってくれとったのに気づきもせんで。これは挨拶代わりじゃ、もってけ♥」

    ボッ

満面の笑みで、野球のボールを放り投げるような気軽さで、椅子を目黒めがけて放り投げる。破ス精BCC(手加減)。

335目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/27(金) 00:33:48
>>334
「なんです!?」

 (しまった…とりあえず聞いてみただけだったのに…)
 (『当たり』…『スタンド使い』!) (『鬼畜』かは知らんが『バトル好キー』!)

>ボ ッ
      ガッパ――――ンッ

「ひぎい」


椅子が胴にヒット。しょぼくぶッ倒れる。しょぼい。




「貴方がスタンド使いであっても、『ふつうの人』であるなら」
「うッ…『喧嘩』、腹ごなしに付き合っても良いが…うう」


「一:たのしいケンカ。 
 二:殺し合い! 
 三:このままお開き、やったー」

「どれが…良いです?おえッ」



   『クックルー』

 鳥モドキのスタンドは何もせず、ただ『オリンポス』を見ている…。

336藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/29(日) 02:47:48
>>335
「何ですてお前アホかァ何言うとンじゃあ今更ァ。
…………あン?」

直撃をあっさり受けて倒れた目黒を不思議そうに見る。

「なンじゃァお前〜〜〜〜〜〜〜?
それで受け…は無理か、こう…………迎撃とかしたらえかろうがァ」

ズシッ

手近な別の椅子を引き寄せて座り込む。

「一」

そして即答した。

337目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/11/29(日) 14:56:12
>>336
「即答か、よろしい」

「『当方がやられるか』『貴方がやられるか』…当方のスタンドは特殊でね」
「一方的な試合運びを実現するかもしれない…それを許していただけるなら」


    「遊ぼうかッ、『発艦準備』!」

『キキュゥゥゥゥ――――バリバリバリバリイィッ!!』


(場スレの占拠もアレですし、下スレでよければ移行しましょう

【戦】『無限軌道』ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1420214957/l50

レス順、私からでよろしいでしょうか? )

338藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/11/29(日) 18:08:47
>>337
「お前、始まる前から終わった後のこと考えとるンか?
まァ好きにしたらええわい、うち相手にそんなのん気こいとれると思うンならのォ!」

ぼきぼきと指を鳴らした。

(移動して、お前の質疑が終わったら「始め」にしたるけえの。今のうちにするだけしとけ)

339稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/23(水) 23:33:20
クリスマスはもう目と鼻の先。
サンタクロースが来る年でもない――しかし大人でもない。

          ジュ

              ジュル                

休憩スペースに座り、コーヒーを飲む。

          (……明日にはライヴか。
           えひ……ちょっとアガってるか……?)

今日はリハーサル帰りだ。
……飾られた巨大ツリーを、桜色の目で見つめる。

            ・・・・一年がまた、終わる。

340ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/24(木) 00:27:28
>>339

   ぱふっ

後ろから、手袋のついた両手で、恋姫の両眼を覆う。

「だーれだっ?」
誰だろう、こういうことをするのは?
聞いたことのある声だ。

341稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/24(木) 00:49:26
>>340

       ぱふっ

「うぉっ……」

めのまえがまっくらになった。

             ・・・・さておき。


「……えひひ。
 僕にこんなことするやつ、お前くらい……」

     グイッ

首を後ろにそらせて――

             「めりくり……レオ。」

そこにあるのだろう顔を、見上げる恋姫。

342石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/12/24(木) 01:10:50
>>341(恋姫)
恋姫が首を後ろにそらせて見上げると……

「あはは、当たり!」
予想通りの、太陽のような笑顔がそこにはあった。 石動玲緒である。

「メリークリスマス!恋姫ちゃん!」
太陽のような笑顔とは裏腹に、寒がりなのだろうか、厚着でもこもこしている。

343稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/24(木) 01:37:15
>>342

「えひ……ぴんぽーん……
  なんかポイントでも貰えんのかな……」

ビッグフードコートに、烏のような黒いマフラー。
マフラーに少しだけ混じった青い毛が、恋姫の桜色の瞳を際立たせる。

「あったかそうなカッコしてるぜ……えひ。」

          ニ ィ

陰気な笑みを浮かべる。
太陽の輝きは少しだけ眩しいけれど、目は逸らさない。

          「……」

      「あー……」

「……レオも、今日は……ソロ(一人という意味)なの……?」

            ポリ

            ・・・・ほおを軽く掻きつつ、尋ねる。

344石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/12/24(木) 23:19:07
>>343(恋姫)
玲緒はというと、ぶかぶかの白のダッフルコートにライオンのタテガミのようなマフラーをつけている。     がおー。

「うん、1人だよ。
 クリスマスの家族パーティの準備に来たの。」

「母さんは料理担当!
 父さんはケーキ担当!
 兄さんたちはプレゼント交換担当!
 私はチキン担当!」

「恋姫ちゃんも1人なの?一緒に買い物でもする?」

345稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/24(木) 23:47:17
>>344

「そっか……賑やかそうだな。
 僕は……まあ、いつも通りソロプレイだよ。えひ。」

――家族。
クリスマスは恋人たちだけの物じゃあない。
 
             ・・・・もっと、もっと。

      「……えひ。」

           グイ

首を元に戻して、席を立って。

「まあ……クリスマスだし……
 たまには、そういうのもアリか……限定イベって感じで……」

                  ニマ‐

陰気な――しかし、やや浮かれた笑み。

           「チキン、僕も買って帰りたいしな……
             ついでだから、一緒に行くか。えひ……」

                       ・・・・そう、付け加える。

346石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/12/25(金) 00:13:33
>>345(恋姫)
(クリスマスにアイドルとデートなんてすっごいイベントみたい!)

「うん!行こう行こう!
ちこりちゃんやおばあちゃんもきっと喜ぶよ!」
立ち上がった恋姫と腕を組み、くるりとモールの中へ向かっていく。

「恋姫ちゃんとお買いもの〜♪」
調子外れな鼻歌を口ずさみつつ、進んでいく。

347稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/25(金) 00:31:05
>>346

      ガシ

「えひっ……」

腕を組まれて、やや跳ねる恋姫の背。
みんなのお姫さま。あるいは、迫害の対象――

近くには、だれもいなかった。
けれど、今は違う。少しずつだけれど。

      「……」

「まあ、僕はお姫さまだし……
 お近づきになりたいのは分かるけどな……」

              キュ

口ではそういいつつ、腕を振り払ったりはせずに。
ほんの少しだけ素直に、組んだ腕に力を入れて。

「……浮かれ過ぎだろ……常識的に……」

         ニマ

            「……でも、まあ。
             クリスマス……だかんな。
              リア充みたいなことすんのも……」

こういうのも、悪くない。

            トコ
                 トコ

言い訳のようにそう思って、モールの奥へ歩いていく。

                  ・・・・今年は友達が、出来た年だ。

348石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/12/25(金) 01:03:40
>>347(恋姫)
「あはは、恋姫ちゃんがお姫様なら私は王子様だね!」

やんちゃな王子様が進んでいく。

349稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/05(火) 01:09:00

年が明けて、いくらか経った。
三が日は地元メディアでいくらか、仕事があった。

         ・・・・それも終わって。


「…………」

     テレレレ♪

          チャリン

恋姫はメダルゲームに興じている。

   「うおっ……」

               ジャラララララララララーーッ

今、100枚のメダルが排出された。
チャンスゲームだか何だかが、成功したからだ。

(新年早々、朗報と悲報って感じだな……うるさすぎぃ……)

           ・・・・派手なエフェクトとSEが、いくらなんでも騒がしい。

350宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/07(木) 22:54:42
>>349
>               ジャラララララララララーーッ

大量に排出される『コイン』。派手な演出もあいまって、
ここが『ゲーセン』でなければちょっとした『騒音公害』といったところだ。
と――

「あー……クソ、ダメだこりゃ」

ガタンッ

同じメダルゲームの『筐体』の隣の席から声が聞こえた。
どうやら隣のプレイヤーはコインを『使い切った』様子だ。
ボヤきながら席を立つ……

「……うーむ、ヒマなんで来てみたが、やっぱこういうのは
性にあわねェな……『バッティングセンター』でもありゃあなあ」
「……ん?」

そこで、隣席の『恋姫』に目を留めた。

「あれ、アンタ……こないだ『駅』で合わなかったっけ」

351稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/07(木) 23:26:36
>>350

           ジャラララララ

(まあ……えひ。得してんだからいいな……)

           チラ

(そっちは……
 新年早々悲報おつ……ん?)

「……あ。お前……」

恋姫も、その姿には覚えがあった。

「会ったハズだぜ……
 少女漫画の王子さまみたいなカッコ……えひ、覚えてる。」      

恋姫はあの時と違い、眼鏡を掛けている――が。
人形の様な顔立ち。陰気な口調。二人とはいるまい。

「クローンでもいるなら……えひ、別だけど。
 顔グラ使いまわしのモブ……ってのもないよな。えひひ、キャラ濃すぎだもん。」

     「そもそも現実だっての――」

             ジャララ  ピタ

                 「――っとぉ。」

                      ・・・・メダルがやっと止まった。

「……えひひ、大富豪。」

    ジャラ    ジャラ

メダルがたまった容器を手元に持ってくる。
やや『宝塚』に自慢するような意図も、感じられる声色。

352宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/07(木) 23:35:37
>>351
「ははッ……『王子様』か、そりゃあ光栄だ」

『誉め言葉』……かどうかは些か微妙だが、
『恋姫』の言葉にニカッと笑う。

「お前も結構印象的なキャラしてると思うがなあ、しかし――」

自分と比較して、明らかに『大漁』状態の『メダル容器』を見た。

「駅で話したときも思ったが、好きなのな、『ゲーム』。
しっかし凄ェな、『メダル』が皿からこぼれそうじゃねーか。
やっぱこういうの、『コツ』とかあんのか?」

好きこそものの上手なれ。
アドバイスは、好事家に聞くに限る。

……自慢げな態度は、気にかけなかった。
どんなものであれ、『手柄』を誇るのは当然だからだ。

353宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/07(木) 23:37:06
>>351

354稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/07(木) 23:51:02
>>352

「……誰の王子さまかは知らないけどな。
 僕ん国には……えひ、間に合ってるから。」

          ニタ

陰気な笑みを浮かべる。
みんなのお姫さま、それが恋姫の『もう一つの顔』。

         ジャラ

「印象的じゃないと……
  えひ、やってらんないかんな。」

そう呟き、メダルを一掬い。
別に演じてるわけではないが、印象は武器にもなる。

              ・・・・そして。

「……わかる? えひ。
 お察し通り……ゲーム、好きだよ。だけど……
 えひ、これはスロットの目が揃っただけ……運ゲーだ。」

      チャリ

        「いつもは……そんな当たらない。
         メダルゲームは、本業じゃないし……」

メダルを転がしつつ、言う。
声色はやや上機嫌。本業でなくとも、輝くことは気分が良い。

355宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/07(木) 23:58:45
>>354
「『門前払い』かよ、つれない『お姫様』だな」

冗談めかしてそう言うと、歯を見せて笑った。
豪快、野放図、ワイルド――そういう形容詞がハマる笑顔だ。

「『運』か……うーむ」
「『自力』でどうにもならねーものはあんま性にあわねえな、やっぱ」

恋姫の言葉に、小さく唸る。

「『本業』? いや、仕事じゃなくてゲームの『ジャンル』か。
アタシはあんま詳しくねえけど、色々あるのか?
『パンチングマシーン』くらいしか良くやるものもねえから、さっぱりだぜ」

356稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/08(金) 00:17:45
>>355

対する恋姫の笑みは、陰気だ。
口元を少しつり上げ、笑いきらないような笑み。

「……えひ。
 片思いなら……してくれてていいぜ。ハッピーエンドは、ない。」

笑う声も、息を漏らすように、静か。

          ・・・・そして。

「ゲームにもいろいろあるよ……
 札束で殴り合うのもあるし……運もあるし……」

            チラ

明後日の方向を見る。
やや奥まったところにあるのは、一人用ゲーム。

「自分の腕が……出るやつもあるぜ。
 えひ……台パンって意味じゃなくて、テクニックの話。」

     「格ゲーとか……
       音ゲーとかぁ・・・・」

やや目を細めて。

「あとは……シューティングゲーム、とか……」

            チャリ

シューティング、それが恋姫の本業だった。
腕に左右される世界。メダルを転がしつつ。

                「……えひ。布教しようか?」

                          ニマ

                       ・・・・笑みを、深める。

357宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/08(金) 00:29:37
>>356
「いや、遠慮しとくよ。片思いは、辛いからな。
特に絶対に届かないモンは、な」

ぽつりと、呟く。

「ふぅん、どうせやるんなら、ワザが
身につく方が良いな、アタシは」
「なるほどな――『シューティング』ね。
それがお前の『メインジャンル』ってわけか。
ま、どーせヒマなんだ、やってやろうじゃねぇか」

そう言うと、スーツの袖を捲り上げる。
『気合の表れ』だ。どんなときも『全力』、
それが『流儀』だ。

「で――ええと、悪ィ。
操作がわかんねぇ」

……ただ、さっぱり『未体験』だが。

358稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/08(金) 00:57:31
>>357

「……えひ、まあ、そうなんだろうな。」

         (……なんか訳ありか?
           まあ……そりゃ訳くらいあるよな……)

主人公でなくても。
物語は誰にでも、ある。恋姫にも。

    ジャラン

        ・・・・追及はしない。
          メダル容器を持ち、立ち上がる。

「えひ……気合入ってる……」

        トコ    トコ

などと言いつつ、近未来的デザインのSTG台へ。
座席が半ばカプセル状に覆われた、本物のコクピットのような――

「はじめだし……えひ、
 いきなり一人はハードすぎるから……二人プレイしよう。」

    スト

奥の座席に、詰めて座る。
小さいから、ずいぶんとスペースが出来る。

       カチャ カチャ

「……このレバーで、加減速。
  んで、このボタンが……弾撃つ。
   ここで武器切り替え……通常弾と、ボム。」

        「まあ……あとは、トライアンドエラー……かな。えひ。」

実際に、筐体のボタンを動かしながら、教える恋姫。
  その顔には陰気な笑みが張り付いている。ゲームが、好きだ。

359宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/08(金) 05:52:49
>>358
「……まあな」

『片思い』。
その相手が、一向に底の見えない『強さ』という
漠然としたものだとは、『宝塚』自身もはっきりと理解はしていない。

ともあれ、連れ立って筐体へと向かう……

「随分凄ェデザインだな。ま、こういう『SF』チックなのも嫌いじゃないが」
「おう、二人でやれんのか……んじゃ、ちょっと邪魔するぜ」

『恋姫』の隣に、座る。
女性としては相当長身だが、体格はスレンダーだ。
まあ、二人がけでも問題はないだろう。

「ふむ、加減速……で、弾を……ぶ、武器切り替え?
まあ、比較的操作自体はシンプルなのか……?」

操作を習う……が、この手のゲームにはほとんど触ったことがないので、
基本動作を確認するにも四苦八苦だ。

「トライアンドエラー、『習うより慣れろ』か。
良いねぇ、やっぱそういう方が好きだな、アタシは」

恋姫の言葉に頷き、笑みを浮かべる。
彼女ほど、ゲームそのものへの熱意はないだろう。
それでも、こういうジャンルは気性に合う。

「っし……とりあえずやってみるか」

コインを投入し、プレイを開始する。

360稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/08(金) 23:48:01
>>359

「かっこいいよな……最新ゲームなんだ、これ。
 ここ、新しいタイトルは、すぐ入ってくるから……それがいい。」

            カチャ

古いゲームやコアなゲームはないが、それはそれでいい。
操縦レバーを握る。

    ジャラ

       「……ここ、置く。」

コインの容器は、二人の間の空き場所に置いた。
もともと男性二人でも十分座れるスペースがあるのだ、問題はない。

「えひ、んじゃ、始めよう……
 ……1プレイ、ごちになる……えひ、ありがとな。」

             カチャ   カチャ

代金は既に投入された。
2Pモードを選択して、ゲーム開始だ。  

  ∧
<♪>
  ∨             ∧
              <♪>
                ∨

 「えひっ、うるせー……」   

BGM(全方位から聞こえ、うるさい)とともに、世界観説明が流れる。
プレイヤーは最新型戦闘機に乗り、敵である宇宙人を撃退するらしい・・・・ 

       「敵が出てくるから、
         照準合わせて、撃てばいい……」    

              「照準は、そっちのレバーで動かせるから……」

       ・・・・

           ・・・・

                そして、ゲームが進んでいく。

361宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/09(土) 00:15:03
>>360
「おう……しかし何だ、『ゲーセン』ってのは
どこ行っても基本『やかましい』のな」

普段、そんなに喧騒の中で生活していないのもあって、
こういった、一種カオスじみた音の洪水には若干辟易した様子だ。

「ここは操作に集中すっか……つーか、この『世界観』とかは要るのか?」

『プロローグ』の類は鬱陶しいと感じるタイプだ。
多分、『説明書』もあまり読まないだろう。

「っし、来いよオラァッ」
「あッてめー、待ちやがれ、このォッ」
「逃げんじゃねーぞッ」

……ドタバタしながら、プレイを続ける。
基本的に操作技術は稚拙(というかド素人)なので、
『反射神経』に頼って誤魔化していくようなプレイスタイルになる。

「……よく考えたら、『飛び道具』は普段使わねえな。
これはこれで『新鮮』な気がするぜ」

362稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/09(土) 00:26:16
>>361

「このゲームは……特別うるさい……
 それに、えひ。ここは……人は、静かだし……」

洪水はゲームの電子音の塊だ。
恋姫は少し目を細め、陰気な笑みを作る。

             カチャ

      ババババ

「えひ、僕はもう知ってるし……
 お前はいらないっていうし……」

     ニマ

       「表示され損だな……世界観設定。えひ。」

敵を撃ちながら、そんなことを言いつつ――

(こいつうるせえな……
 レースゲームしたら体傾くタイプか……?)

「……最新ゲームでも、 
 音声認識はない……えひ。敵、宇宙人だし……」

              バババ

        「言っても聞かないから……
          レーザー撃ちまくるしかない……」

ドタバタするのを横目に。
煩いとは思うが、こういうのは、悪くはない。

「……えひ、『白兵戦』は普段からしてんのかよ。こわちか……」

             ・・・・冗談の一種と受け取る。

363宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/09(土) 00:37:26
>>362
「……ちょっと思うんだけどよ、
『編隊』組んで出てくる連中いるじゃねェか」

操作しながら、ふと気になったのか『恋姫』に声をかける。

「こいつら『先頭』がやられてもそのまま突っ込んで来るのな。
普通もうちょっと考えるだろ……いや、まあゲームなんだけどよ」

妙な所が気になっているのは、少し『慣れてきた』証拠だ。

「おう、『慣れっこ』だぜ。最近も昔の知り合いと、ちょっと、な」

常識的に考えて、まさか本当に『殴り合い』して来たとは思われないだろう。

「そっちの方が性には合うが、これも楽しいぜ。
『戦い』ってのは前に敵がいねーと始まんないよなァ」

364稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/09(土) 00:51:37
>>363

「……そこんとこは、裏設定。
 こいつら……死んでも、
 こっち殺せればいいって、考えてる……」

             バババ

編隊を撃ちながら、答える恋姫。

「こいつらの上の存在から……
 ……そう、プログラムされてるらしい。」

     「鬱設定かな……?
       えひ、微妙なとこだ。」

眼鏡を直しつつ。
電子の存在とはいえ、悲惨な境遇だ。倒すが。

            ・・・・そして。

   スス

 「えひ…………こわちか〜。
   バトル漫画界からの刺客かよ……」

少し席の座り方を離す。恋姫は、戦いとかは、嫌いだ。
冗談と受け取りつつ、いや――

         「……え、まじで……?」

                 ――スタンド使いなら、ありえる。

365宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/09(土) 05:36:13
>>364
「なるほどな……そーいう設定か」
「…………つーか」

カキィン
    ドババババババ

「……元々こいつら、『プログラム』そのものじゃねぇか」
「つまり……『上の存在』って『開発者』のことなんじゃ……」

バババババ
     チュドーン

「あーッ、ミスった……クソ」

……余計なことを考えながらプレイするとミスが増えるものだ。

「さすがにお前は余裕あんのな……喋りながらでもバリバリ倒しまくってやがる」

>         「……え、まじで……?」

「嘘ついてどーすんだよ。別におかしな話じゃ無いだろ?」

ひどく普通に、そう返す。

366稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/09(土) 19:04:16
>>365

「まあ……メタ的にはそうかもな……」

         バババ

「ミスは2回まで……
 三回目でゲームオーバー。」

              シュドド

銃火で雑魚散らし。
ミサイルに切り替え、大型の敵を撃つ。

        「えひ……
         何回もやってるから……」

             「敵の出方、覚えてる……」

   バババ

そう言って、やや口元を吊り上げて。
しかし、内心は。

(スタンド使いだから、か……?
 ゲームじゃないんだぞ……痛いし、死ぬ……)

           (おかしい……常識的に考えて。)

スタンド使いでも、殴られれば痛い。
死ぬまで殴られれば、死ぬ。

「……ほんと、漫画みたいなやつだ、お前。」
 
そう、返す。
おかしいとは思うが、深い事情も知らない。止める理由もない。

              ババババ

              「そろそろ……ボスだな。」

ゲームは進んでいく。
じきにクリアするか、ゲームオーバーになるだろう・・・・

367宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/09(土) 20:09:51
>>366
「……ってことは、あと1回しかミスれねーのか。
まあ、『現実』には『コンティニュー』はねぇし、
やり直しが効くだけ『マシ』だけどよ……気ィつけねーと」

そう言いつつも――一度ミスしてから、『ギリギリ』のところでの
『回避』に集中している。まるで『サバンナ』の『ガゼル』が、
『雌ライオン』を引き付け、その『牙』の届く範囲を『見極める』かのように。

「マンガ、か……うーん、そんなに『浮き世離れ』して見えんのかな、アタシ。
一度っきりの人生だ、自分の心に真っ直ぐ生きたい……そんだけだぜ」

これまで、『スタンド使い』として生きてきて、
『死にかけた』ことも、『殺しかけた』ことも、
そして『人死に』を見たこともある。

「……ま、良いか。お天道様に顔向けできねーような人生は送ってねェしな」

それでも、変わらずこうして『豪放』に振る舞えるのは、
確かにどこか、頭の『ネジ』が外れているからかも知れなかった。
そして、『ボスエリア』に到達する……

「と……出たぜ、あれが『ボス』かッ」

勢い込んでボスに挑む――が、『攻撃パターン』も
把握していない敵にぶつかるのは『無謀』そのもの……

チュドーン

「チッ……こりゃ『先読み』しねーと反応が間に合わねーぞ、おい……!」

即座に『撃墜』される。『残機』はもうない……!

「ッ……悪ィ、アタシは回避に集中するッ!
戦いながら相手の攻撃を『覚える』!
――情けねー話だが、『攻撃』は任せるぜッ」

『恋姫』に伝え、操作に集中する。
……基本的に『負けず嫌い』なのだ。

368稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/09(土) 20:55:42
>>367

弾は引きつけて、華麗に躱す。
輝ける場所は――いつでもどこでも、ステージの上。

「……えひ、その見た目で浮世離れしてないのかよ。
 ……まあ、お前の人生だし……僕が口出しもしないけど。」

            バババ

やや目を細める。
悪いやつじゃあないな、と、恋姫は思う。

「……僕は。
 痛いの、嫌いだからさ。」

            ・・・・けれど、常識が違う。

    ババババ

銃火を浴びせる。
墜ちた宝塚を横目に。

「えひ、撃つのは任せろ……
 最初はこんなもんだし……
 最初っから上手かったら、嫉妬するとこ……」

              ババババババ
 
          (このボスは……気合で避けれる。)

ひたすらに引き金を引き続ける。
現実じゃあないなら、恋姫は――負けない!

              ・・・・

                    ・・・・

                    そして、ゲームは終了した。
                     はたして、その結果は――?

369宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/09(土) 21:23:31
>>368
「――――大したもんだ」

椅子に深く腰掛けて、『ディスプレイ』に目を細める。

「『足手まとい』連れて、ここまでやってのけるとはな」

倒れた『ボス』の姿。
流れる『ハイスコア』のリスト。

「『好きこそものの上手なれ』ってのは、本当だな……
ここまで腕上げるのに、どれだけ『時間』と『努力』と『頭』を使ったんだ?」

ガタン、と席から立ち上がりながら、『恋姫』に尋ねる。

「冗談抜きでよ、『凄い』と思うぜ、アタシ」

370稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/09(土) 21:47:27
>>369

ハイスコア画面――今回は、『10位』だ。
恋姫もまた、目を細めて。

「……足手まといじゃない。
 初めてで一機残せたのは……悪くないよ。」

            「……えひ。」

     ガタ

席を立つ。メダルの容器を手に。
名前入力は――今回は、適当でいい。

「褒めても何のフラグも立たないけど……ありがとな。
 僕は、ゲームで……シューティングでなら、『輝け』る……」

       ニヤ

宝塚を見上げて、笑む。
人形のような顔の、桜色の瞳は、泥のように灯る。

   「……いっぱい使ったよ。
     時間……えひ、これからも。」

         「……なんか別のゲームも、やる?」

                ・・・・ふと、そう思い立って、声をかける。

371宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/09(土) 22:06:19
>>370
「……そっか、悪くねェか……へへッ」

少し、はにかむように笑う。
多分、『恋姫』には初めて見せる顔だろう。

「『輝ける場所』……か」
「ああ、それがあるのは……良いことだ」

ニィ

今度は、豪快に笑う。

「だろーな。時間を重ねて『研鑽』する……それが『自信』になり」
「そして『自信』は『確信』になる……アタシも、そうありたい」

恋姫の自信と『自負』に溢れた様子に、頷きながら呟いた。

「違うゲーム……ん、いや」

申し出に、少し考える。

「……今日は、いいや。すげー『楽しかった』からよ、
この気持ちを今の『新鮮』なまま持って帰りたい」
「そーいや、まだ『名前』聞いてねぇな。
アタシは『宝塚 亜綺良』ってんだけどよ」

372稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2016/01/09(土) 22:52:46
>>371

「えひ……輝くのは、きもちいいからな。」

      ニタ

陰気な笑みを深める。

        ジャラ

メダルの容器を手に、筐体から離れて。
視線は宝塚に向けたまま。

「……そうか。えひ。
 まあ……ゲームは、逃げないし。」

         「楽しかったなら……良かったな。」

頷いて、特に引き留めることもない。
ゲームはいつでもここにある。他のところにも、ある。

「僕は……稗田。稗田 恋姫(ひえだ れんひめ)……」

              「んじゃ、おつかれ〜……えひ。
               駅前にも……いいゲーセンあるぜ。」

     ジャラ
               ジャラ

そういって、メダルゲームの筐体へ戻っていく。
恋姫の表情は、笑顔だ。

373宝塚『ヴェルサイユ』:2016/01/10(日) 00:10:43
>>372
「ははッ、ま、楽しかったけどよ」

ニカッと笑い、『恋姫』に手を振る。

「それは多分、アンタと遊んだからだ……『稗田』」
「じゃあなッ」

踵を返し、家路につく。
その日は1日、どこか上機嫌なままだった。


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