[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【個】『金のなる木の木陰にて』【ミ】
363
:
『金言部』
:2015/06/18(木) 00:31:38
>>362
(荊木)
銀杏羽:
「なるほど、それも良いですわねえ」
銀杏羽は呑気そうに頷いた。
別に快適さについてお金をかけることにコダワリがあるわけではないらしい。
わりと好感触のようだ。
「ですがそういったことを提案するということは、
レイは『サバイバル』じみたことが得意だったりするのかしら?」
首を傾げる。
364
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2015/06/18(木) 00:43:50
>>363
「あー、
得意ッてゆーか
まー、『できそー』っていうか・・・」
「と、とにかくッ!
もしサバイバルやるようだったら
よろしくおねがいします!」
365
:
『金言部』
:2015/06/18(木) 00:51:53
>>364
(荊木)
銀杏羽:
「ええ。前向きに検討しますわ」
ニコ
銀杏羽はそう言って、銀杏羽は白いレースの長手袋に覆われた右手を差し出す。
「これからよろしくお願いいたしますわね、レイ」
握手。
それを求めている、ということなのだろう。
彼女にとっては、それが友好の証の一つなのだ。
366
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2015/06/18(木) 01:04:59
>>365
「うッス。
よろしくおねがいします!」
握手に応じる。
「それじゃあ自分はこの辺でお暇します。
んしょっ」
ギコ… ギ
ギ コ
コ
タイヤのパンクした折りたたみ自転車を持ち、
部室を後にします。
367
:
『金言部』
:2015/06/18(木) 01:46:47
>>366
銀杏羽:
「さようなら〜」
銀杏羽はそう言って、荊木を見送る。
そして姿が見えなくなったなら、
元のように大テーブルの一番奥に座りなおした。
…………さて。
ところで、荊木の来訪を知って大急ぎで部室に戻り、
そして出迎える準備をした――とかでなければ、
銀杏羽は元々一人で部室に入り浸り『何か』をしていたことになる。
それは、一体何か?
答えはこれだ。
「ふぅ…………。
『夏休み合宿』の企画書……見られなくて良かったですわ」
「こういうのは先にネタバレしたら面白味も何もありませんしね」
企画書とか書くような性質か? と思われるかもしれないが、
お金を使う以上、誰かに仕事を依頼しなくてはならない。
つまり必然的に、自分の意思を正確に伝える作業は要る訳だ。
「しかしまさか……新入部員がわたくしの考えていた企画と
全く同じことを考えるとは思っていませんでしたわ。レイ……やりますわね」
「顔に出さないようにするのに苦労しましたわよ……」
そう言う銀杏羽の表情には、確かに危機感の色があった。
先程までの平静は完璧にポーカーフェイスだったのだ。
サバイバルの話に移したのも、話題を逸らす為だったりする。
「『空っぽのポケットほど、人生を冒険的にするものはない』」
「『ヴィクトル・ユーゴー』の言葉ですが……それが『本当かどうか』、
確かめてみるというのも、『金言部』の活動としては面白そうですしね」
ド ド ド ド ド ド
――今、部員たちの知らないところで、また一つ大きな話が動こうとしていた。
本日の『金言』:
空っぽのポケットほど、人生を冒険的にするものはない。
――ヴィクトル・ユーゴー
368
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/04(土) 23:20:17
ある日、放課後の学園。
授業終わりの生徒達が移動している。
部室に向かうもの、家に帰るもの、多くの人が校内を歩いていた。
その中の一人に鈴元涼はいた。
他の生徒より若干だが歩くのが遅いのか追い抜かれている。
ぴたり、と鈴元の足が歩くのを止めた。
『金言部』の部室前。鈴元は特に扉の前に向かうと
コン コン コン
と三度、ノックをした。
「部員の鈴元です。どなたさんか、いはります?」
369
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/04(土) 23:23:02
>>368
(鈴元)
「わたくしがいましてよ」
ノックに返事が返って来た。
今回はGMとしての対応ではないのであった。
「入っても良いですわよ〜」
「というかノックもいらないですわ」
370
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/04(土) 23:31:19
>>369
「あぁ、それどうも。」
部室に入る。
普通に見慣れた部室内である。
「あ。部長、ミスコンおつかれさん。」
優しい笑みを浮かべて言う。
「それと、あの人に会いはった?ほら、荊木さん。」
進入部員について聞いておこう。
371
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/04(土) 23:39:36
>>370
(鈴元)
「ええ、お疲れ様でした」
笑みを浮かべた鈴元に答える。
銀杏羽は大テーブルの奥の椅子に座っていた。
何かしらの資料がテーブルの上に広げられていたが、
鈴元が入って来るのと同時にファイルにまとめてしまう。
「会いましたわよ。
なんというか、律儀そうでしたわ。
それでいて結構『鋭い』勘の持ち主でしたわね」
思い返すようにして呟く。
多くは語らないが、初対面は好感触のようだった。
「レイとはどうやって出会ったんですの?」
首を傾げて問いかける。
銀杏羽と鈴元が出会った時は、路上で突っ立っていた銀杏羽を
鈴元が呼びかけて、それに銀杏羽が反応したという形だったが……。
372
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/04(土) 23:46:24
>>371
「あんだけのお祭りようやりますわ。」
けらけらと笑っている。
褒めているつもりだ。
「『鋭い』?まぁ、そうなんかな。」
喧嘩や揉め事はしてない様子で安心する。
まぁ、どちらかがふっかけない限り喧嘩など起きそうにないが。
「荊木さんとぉ?えっと、夜お散歩しとったら
自販機の下にお金落としてもたって困ってはったんよぉ。で、お金拾うん手伝ったら、部活とかの話になってねぇ。」
「そん時はなんも部活入ってへんって言うとったから、じゃあウチくる?って聞いただけぇ。」
特に駆け引きとかはなかった。
日常会話の延長線上で誘ったようなものだと記憶している。
「それがどしたん?」
373
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/04(土) 23:57:10
>>372
「……いえ、別になんでもありませんわ」
そう言って、鈴元を見る。
前に鈴元から『人たらし』と言われたことがあったが……、
意外とこの少年の方も人のことは言えないのではないか?
少なくとも、ちょっと勇気を出してしまえばいくらでも自分から
『楽しいこと』を生み出すことができる、そんな力を持っているのでは?
なんてことを思っていたりするのであった。
「ああ、そうそう。
忘れていましたわ。この間頼んでおいたお遣いはどうでしたの?」
行間で依頼していたお遣いのことだ。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1424962526/302)
「何か面白いものは見つかったかしら?」
別に現物を出さなくとも(押し入れに入ってるだろうし)、
口頭の説明だけでよさそうな感じだ。
374
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 00:12:05
>>373
「そうなん?せやったらエエけど。」
(次なんかするときのネタにするんかおもたけど、そうでもないんやろか。)
銀杏羽の考えなど鈴元が知るはずもない。
いつものようにニコニコ笑っているだけだ。
人たらし、少なくとも鈴元は自分のことをそうだとは思っていない。
「『ゆにせっくす』っていうキーホルダーを買ったわぁ。
なんや性別を変えられるやて。」
「現物は今持ってへんけどね。…おもろそうやろ?」
375
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 00:21:47
>>374
(鈴元)
「性別を変える……ですって?」
怪訝な表情を浮かべる。
そして、数瞬ほど沈黙し……、
「何ですのそれ! 超面白そうですわ!」
案の定食いついた。
むしろ面白い物が好きな銀杏羽が食いつかない訳がなかった。
立ち上がって鈴元に歩み寄る。
「それっていくらしましたの? 在庫とかありますの?
というか使用制限とかあったりしますの? 是非とも知りたいですわ!」
ズズイ!
そしてそのまま最接近。
もはや歩み寄るというより詰め寄ると言った方が良い眼力だ。
376
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 00:39:14
>>375
「そう?せやったらよかっ……!」
銀杏羽の反応は予測できなかったわけではない。
楽しいことには全力だと思っているからだ。
しかし、考えの中での行動と実際に行われた行動、迫力は現実が勝った。
「部長、部長。近い…」
両手で詰め寄る銀杏羽をとめる。
家族以外の女性が近いのは苦手なのだ。
「『5万』で買ったけどぉ……買ったんは『1個』で『使いきり』。
やから、慎重に使って欲しいんよぉ。」
硬い笑顔になっているが、いつものように相手の目を見て話す。
眼力に屈して眼をそらすようなことはしない。
「そんだけ。喜んでもろたんやったら、よかったけどぉ。」
377
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 00:46:51
>>376
(鈴元)
「おっと、失礼しましたわ。
ちょっとはしたなかったですわね」
そう言って少し離れる。
普通に会話するくらいの距離感だ。
「5万ですわね。でも『使い切り』となると、
使いどころが限られますわね……」
「時が来るまでは持っておいてくださいまし」
そう言って、銀杏羽はバッグから5万円を取り出して鈴元に渡す。
(PLマネーより5万)
「『あとでわたくしに説明する』『面白いことに使う』
というルールを守るのでしたら、涼の判断で使ってもよろしくてよ」
「いやあ、面白いものを見つけましたわねえ。
本当に素晴らしいですわ。うふふ…………」
極めて上機嫌そうだ。
378
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 01:23:14
>>377
「そやね。うん。そのぐらいやったら、普通やわ。」
ちゃんとした距離感に安心する。
精神的に安心できる距離だ。
「時が来るまでやね。わかったわぁ。」
「……おおきに。」
(なんでバッグから5万円が出てくるんやろ。
バッグが銀行なんやろか……)
富豪の力を感じた。
金満の匂いだ。
「僕が使うかはともかくとして……喜んでもろたんやったら、よかったわ。」
「ミスコンとか部員の勧誘も上手くいったし、最近運がエエみたいやねぇ。」
379
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 01:30:28
>>378
(鈴元)
「そう! ミスコンも涼のお蔭で大成功ですわ!(涙音もいますけど)」
「この『ゆにせっくす』と言い……涼には何かご褒美をあげなくてはいけませんわね」
そう言って、じっと鈴元のことを見つめる。
頭の先からつま先まで、まるでセンサーで精査するようなまなざしだ。
(無論、銀杏羽の目にそんな昨日はないが)
「何がよろしくて?」 「わたくし富豪ですので、大抵の願いは叶えられましてよ!」
380
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 01:43:18
>>379
「や、僕以上に頑張ったお人さんおるやろぉ……」
そういう言われ方すると反応に困ってしまう。
(ちゅうか、見過ぎ……)
銀杏羽の眼差しで背筋が少し伸びた気がした。
「お金で解決するんは、気ぃひけるなぁ……
僕だけ楽しむんも、オモロないしぃ……」
ここで金をくれという神経は持ち合わせていない。
別段困っていることもない。
いざ、こういう場面に立つといい案が思いつかないものである。
「じゃあ。どっか遊びにいかん?」
「お金つかわんし、お互い楽しめるやろぉ?」
381
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 01:51:55
>>380
(鈴元)
「そっちの方々には十分な報酬を差し上げましたわ」
雇った人間にはちゃんと金銭報酬を出している。
スカウトにもスカウト報酬はきちんと支払っている訳だが、
それに加えて今回の『ゆにせっくす』で、銀杏羽の中の喜びゲージが
振り切れてしまっているのかもしれない。
なまじ金を持っているから、喜びに対して『報いる』という選択肢が
一番最初に来てしまう、ということなのだろう。
「さて、どんな願いを――」
「…………」
「……それで良いんですの?」
「なんかもっとこう、私有のリゾートに行きたいとかではなく?」
と思っていたが、『遊びに行こう』と言われて思わず首を傾げてしまう。
遊びに行く、というのは客観的にはデートになるわけだが、
まだそこを意識している訳ではない。
382
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 02:03:31
>>381
(僕もう十分過ぎるほどもらってるんやけど…)
道であった女性に声をかけたり審査員席でごちゃごちゃ言って
露店で買い物をしただけである。
「私有のリゾート?
……それもおもろそうやし。部長が行きたいんやったら行きたいけどぉ。」
「部長と仲良うなれんねやったらなんでもエエけど。
……やっぱり、僕とどっか行くん嫌?」
鈴元は純粋に遊びに行くつもりらしい。
デートとは思っていない。
「嫌なんやったら、別のん考えるけどぉ……」
383
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 02:09:13
>>382
(鈴元)
「いえ! わたくしに二言はありませんわ!
涼がやりたいと言うのであれば、是非はなし、でしてよ!」
「それにわたくしの方も満更でもありませんしね……」
清々しい表情を浮かべる。
しかし、その表情もすぐに曇った。
「ですが、特にお金を使わない、
『普通に遊びに行く』だけでしたらわたくし、
正直あまり場所に心当たりがありませんわよ……」
(流石にファミレスやカフェくらいなら何度も行ってますが)
「どこに行きましょう?」
首を傾げる。
自分の得意なフィールドの外に出てしまっているため、
いつものように圧倒的財力でリードする手法がとれないのだ。
384
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 02:33:31
>>383
「ホンマ?よかったわぁ。」
「……ちゅうても、僕もあんまエエ場所知らんのよな……」
友人と出かけるということがまずないのだ。
当然のことともいえる。
それになんだかんだ言ってもこの土地の生まれではない余所者だ。
詳しくはない。
「どっかでご飯食べる?それか遊ぶ場所あるんやったらそこでもエエけど。」
ウチ
「家でなんかする?」
「夏休みとかやったら本家とか親戚の家とかオモロい所連れてったげんねんけどぉ。」
腕組んで考える。
どこかいい場所はないだろうか。
385
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 02:51:33
>>384
(鈴元)
「涼の家、ですか」
同じように、腕を組むようにして考える。
というか、鈴元の意見を反芻する。
「……ちょっと考えましたが涼の家が一番面白そうですわね」
「協賛の件も含めて涼のおばさんにまたご挨拶したかったですし、
よく考えたらちょうど良い機械だったかもしれませんわ」
「涼の『本家』とかもかなり興味ありますが!
それはまたいずれ詳しくお話伺いたいですが!」
「今日はとりあえず、涼の家に行きましょうか。
学校から涼の家までの道中で
面白いことを探しつつ歩けば一石二鳥でしょう」
それに、と銀杏羽は一息置いて、
「『面白い物を探す』、というのは、
いかにも『わたくし達らしい』遊びですわ」
銀杏羽と鈴元を繋げたのは、『面白いことを求める気持ち』だ。
そう言う意味では、二人に似合いの展開と言えるかもしれない。
386
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 03:16:44
>>385
「そうしよか。」
家に向かう方向で行くようだ。
オ
(…部長と会うたんって、お姉ちゃんやったっけ、叔母さんやったっけ。)
イマイチ思い出せない。
「『本家』については聞いてくれたら話すよぉ。」
色々あったが自分の実家で育った家だ。
懐かしい思い出に浸れるかもしれない。
浸りすぎると思い出したくないことも思い出すが。
「じゃあ、行く準備してなぁ。」
銀杏羽の荷物がまとめられているか、まとめられてないかは知らない。
いつでも行けるならすぐ行くくらいの気持ちだ。
「ん?うふふ。そやね。『僕ららしいわ』」
面白いことは好きだ。
きっと銀杏羽もそうなのだと鈴元は思う。
そうでなければ、今自分はここにいないのだから。
387
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 03:31:33
>>386
(鈴元)
「分かりましたわ!」
すぐに踵を返して自分が座っていた位置に戻り、
ファイルをまとめて自分の学生カバンにしまっていく。
意外にも(いや、普通か?)銀杏羽のカバンは
普通の学生カバンと大差なかった。
カラの財布をはたいて、困ったような泣きそうな顔をしている情けないフクロウ――
ゆるキャラの『こがねくろう』の缶バッジがついているくらいだ。
(『こがねくろう』は『金に苦労している』、『金がなくて困っているフクロウ』という設定で、
同時に『金が人生の価値じゃない』みたいな教訓(こじつけ)もある、
コンセプト的に金満お嬢の銀杏羽とはあまり相性の良くないゆるキャラなのだが……
……単純にデザインが好みだったのだろうか?)
「さて、おまたせしましたわ」
「早速出発しましょう!」
二秒で準備を終えた銀杏羽は、そう言って鈴元の手を取り部室を出ようとする。
388
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 03:47:04
>>387
(はや……)
女性は準備に時間がかかる、が鈴元の経験から来る感覚であったが
銀杏羽はそうではないのだろうか。
「なんやっけ、それ。ゆるキャラっちゅうやつ?」
鈴元の学生カバンにはなにもついていない。
そもそもそういうのを付ける性格でもない。
「…まぁ、いこか。住宅街からちょっと離れたトコにあるわ。」
なにか面白いことでもあるといいが。
389
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 04:00:04
>>388
(鈴元)
「ええ。『こがねくろう』、だったと思いますわ。
ミヤビ――ああ、わたくしの友人がつけていたのを見て、
可愛かったので売っていた場所を聞いて取り寄せたんですの」
これだけなら普通のエピソードだ。
だがこれが『売っている』場所は、存在していない。
厳密にはゲームセンターの景品なのだが、
家の人が取って来てくれたのであった。
だが、銀杏羽はそんなこと知らないので『買った』という認識なのである。
ピッ
ガチャ
言いながら、取り出した鍵に取り付けられたボタンを押すと、
扉の方から固い音が聞こえて来たような気がした。
……気のせいだろう。まさかいくらなんでも、
ただの部室が車の鍵よろしく遠隔開閉可能になっているはずがない……。
「場所ならこの前行ったので記憶しておりますわ。
しかし、わざわざ親戚の家に下宿なんて珍しいですわね。近くには学生寮もありますのに。
……ところで、涼は学生寮に行こうとか思ったことはありまして?」
昇降口へ向かう道すがら、
そんなことを問いかけてみる。
問いかける銀杏羽自身が自宅から通っているのだが。
「この学校の生徒は、学生寮を利用している方が多いですわ。
S湖の近くにある……白亜荘でしたっけ? あそこもそうですが」
390
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 21:10:10
>>389
「ミヤビ?あぁお友達ですか…にしてもかいらしいねぇそれ。」
(小金苦労……?お金に困ってそうやなぁ…ちゅうかどっかで見た気ぃもするけど…どこやろ……)
そういうのが最近の流行なのだろうか。
鈴元には分からなかった。
「部長…や、エエわ。気にせんといて。」
何か言おうとして止める。
いくらなんでも、部室の鍵が遠隔操作可能なわけがない。
現実的ではない。ありえるはずがない。
どうせ部長の思わせぶりな行動に違いない。
と、思いながらも目はしっかりと鍵を見ている鈴元である。
「叔母さんが店やるぅ言うたから本家が色々と面倒見てくれたんよぉ。
店と、従業員と、さっき言うた住宅街から離れた家。
本家がそこまでしてくれたら、僕らは住まんわけにはイカンのよ。やから、寮のことは考えたこともないわぁ。」
下宿と寮について、鈴元はそう答える。
いつものように、けらけらと笑っている。
しばらくして、一瞬考え込み口を開いた。
「寮見に行ってみる?
…あ、部長って家から通ってんの?それとも寮?」
391
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/05(日) 23:11:19
>>390
(鈴元)
「なるほど」
『本家がそこまでしてくれたら、住まないわけにはいかない』。
鈴元の言葉には、自分の家族のはずなのにどことなく
『よそよそしさ』が感じられたが(というか『自分』と『本家』を区別している?)、
それはそういうものなのだと納得した。古臭い家の制度については、
銀杏羽も(知識があるので)多少は理解がある。
「いえ、少し気になっただけですの。
かく言うわたくしも家から車で通学していますしね」
あっさりと答える。
思い出したように富豪っぽさを出すヤツだ。
「わたくし、枕が変わると寝られなくなってしまうので。
だから外泊とかはあんまり……あ、」
なんかちょっと顔を青褪めさせたが、すぐに調子を戻して。
「外泊とかはあんまりしたことないのですわ」
そんなこんな行っている間に昇降口に到着した。
銀杏羽は自分の靴箱から外履きを取り出している。
392
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/05(日) 23:55:36
>>391
「そやで。」
「車ですかぁ。エエねぇ。」
富豪とはそういうものなのか、と思う。
鈴元は徒歩で登校している。
富豪っぽさにはもう慣れたのだろう。
「雨の日とか傘差して帰る必要も無いわな。」
車で通うことの得点はその程度だと思っているようだ。
鈴元にとってはイメージしにくいものなのかもしれない。
「あぁ、僕も枕変わると寝られへんのよねぇ。こっちにも持ってきたし。」
「……どないしたん?」
「や、別に言いたないんやったら、エエねんよぉ。」
(前いらんこと言うたからなぁ……)
相手の顔色の変化を見て咄嗟に聞いてしまう。
が、前に色々とやらかしたのを思い出しすぐに訂正する。
顔も銀杏羽からそらしてしまった。
「や、ホンマにエエんよ?」
念押しする。よっぽど前回の失敗に懲りているようだ。
「そういえば鈴眼と家どっち行くん?」
靴箱から靴を取り出して履く。
まったく汚れていない運動靴だ。
393
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/06(月) 00:20:18
>>392
(鈴元)
「あ、いえ、何でもありませんのよ、なんでもね……」
ちょっと気まずそうに答えた。
ただ、表情とか顔つきとかに真面目さはあんまりない。
多分コミカルな意味でのアレなのだろう。
具体的には、夏合宿に向けての伏線(?)的なアレである。
「そうですわね。
鈴眼の方は前にも行ったので……
今日は家の方にお邪魔しようかしら」
「叔母さまにはまた今度ご挨拶しましょう」
そう言って、靴を履いて歩きだす。
運動靴については――見はしたが、特に何も言わない。
あんまり目ざとくないのか、気にすることでもないと思ったのか。
「ところで、涼の家は『住宅街から離れた場所』らしいですけど、
具体的にどのあたりにあるんでしょう? 駅の方かしら?」
ちなみに、黄金町のマップはこんな感じだ。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311524252/759)
詳細な画像はwikiに貼られていたりする。
394
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/06(月) 00:57:23
>>393
「せやったら、エエけどぉ。」
(触らん部長に気まずさなし……)
深く触れないようにしよう。
藪をつついて蛇を出したら笑い事ではない。
笑い顔を作り直す。
「…ちょっと、気になるけど。」
誰に言うでもなくつぶやいた。
「さいですか。まぁお店で言うてくれたら出てくる思うわ。」
(ミスコンのお礼やろか。別にエエ思うけど。まぁ、礼儀やな。)
「じゃあ家行こか。」
靴が綺麗なのは新品だからとかでなく、純粋に普段から下駄や草履を履いているから出番がないだけである。
体育のときぐらいしか汚れたり酷使する瞬間がない。
というか普段から運動する習慣がない。
「ん?そうそう。病院の北西ぐらいの場所。」
学校からは遠いが店からはそこまで遠くない。
そういう立地だ。
「あ、そうそう。家入る時はまっすぐ前見て入ってなぁ。」
そういうルールだから。
395
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/06(月) 01:14:20
>>394
鈴元の中で銀杏羽は荒ぶる神とかと同等の立場になっていた。
きっと夏合宿になれば鈴元は銀杏羽が青褪めた理由を知ることになる。
スタ スタ スタ
銀杏羽は何やらスマホを取り出し、どこかしらに連絡を入れていた。
ひょっとすると、『迎えは要らない』という旨の連絡かもしれない。
車で通学していると言っていたから、帰りもそうなのだろう。
「病院の北西、ですか。……けっこう遠いですわね。
それに病院…………、…………」
銀杏羽は微妙な表情を浮かべる。
……何か煮え切らない様子だが……?
396
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/06(月) 01:29:57
>>395
鈴元の怯えは杞憂に終わったらしい。
そうまでして、地雷を避けたいのかは疑問である。
「…そう。遠いんよ。」
「うふふ。部長、僕に気ぃ遣わんでエエでぇ?
なんや用事あるんやったら、そっち優先して。」
優しいいつもの笑みだ。
誰にでも向けてきた顔だ。
親にも兄弟にも親戚にも同級生にも見せ続ける顔だ。
「それとも、病院に誰かおるん?」
「病院に誰か会いたくないか、会いたい人でもおるん?」
ちょっと息を吸ってそんなことを聞いてみた。
「行くんやったら病院行き?僕が邪魔やったら一人にしたげる。
勇気が要るんやったら付いてったげる。行きたくないんやったら、行かんでエエし。」
「僕の家なんかいつでも行けるんよ?
やからね部長。今どこに行きたいん?今、どこにおりたいん?」
相変わらず笑っている。
愉快だから笑っているわけではない。
「答えたないんやったら、それでエエよ。
ただこれだけは言っとくわな。」
「僕に気ぃ遣わんとな、自分の思うようにしぃ?」
(言葉にせんと分からんのよ。僕もあんさんも。)
397
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/06(月) 01:37:45
>>396
(鈴元)
「えっ、あっ、いや、その……」
唐突に気を遣われ出して、逆にうろたえる。
何か、言うのを躊躇っているようだが……、
「びょ、病院が!」
これ以上黙っていれば、さらに勘違いがこじれる。
そう考えたのか、鈴元の言葉を遮るように言う。
「病院が……夜の病院が怖いだけですわ……。
病院の近くに住んでいると聞いて、
わたくしは無理だなと……そう思っただけですわ!!」
そう言って、足をはやめる。
耳が赤くなっているのは、鈴元の気のせいではないだろう。
398
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/06(月) 01:53:43
>>397
「え……」
「えー。ほんまァ?それェ。」
にやりとイジワルな笑顔を浮かべている。
珍しい笑い方だ。
「部長、もしかしてお化けとか苦手ェ?」
「かいらしいなぁ。」
(なんや大事な人でもおるんか思うたけどちゃうかったか。
まぁ、エエことやわ。病院のお世話になりたないもんな。)
心中で安心する。
が、安心とイタズラしたい心が同居している状態だ。
「あ、本家で会うたお狐さんとか、双子の子ぉとかの話しよか?」
銀杏羽の後ろについて歩く。
ちょっとして、銀杏羽の耳が赤くなっているのに気付いた。
(…ちょっと、イケズしたい……)
すでにイジワルなことをしているという自覚はある。
これ以上やれば嫌われるのではという考えもある。
「部長。こっち向いて?」
「人間怖いモンがあるんは恥ずかしいことや無いんよぉ?」
ちょっと、その顔見てみたい。
399
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/06(月) 02:06:10
>>398
(鈴元)
「………………」
無言のまま、先を歩く。
先を歩くが……、
「……〜〜〜〜ッ!!」
バ ッ
「う、うるさいですわねッ!」
声を荒げてはいるものの、機嫌は悪くなってはいない。
銀杏羽の『怒りのツボ』は単純にからかわれることにはない、ということなのだろう。
「そうですわよ!だって仕方ないじゃありませんの!
お化けはお金とか関係ないですし! 怖いものは怖いですわ!」
そう言って開き直る銀杏羽の表情は……やはり全然開き直れていない。
顔を真っ赤にして、恥ずかしさのせいか少し目が潤んでいる。
そんな表情で、鈴元の方を恨めしそうに睨んでいる。……が、全然迫力はない。
400
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/06(月) 02:59:41
>>399
「!……」
突然の大声に驚いたのか、ぴたりと動きを止める。
「すんません。」
普通に謝った。
別に言い訳をすることもない。
先ほどのイジワルな笑いは消え、落ち着いた顔をしている。
「(お金云々はともかく)怖いもんがあるんは、おかしないんよ。
ちょっと、からかいすぎたわな。お化け怖がるんは普通のことやしねぇ。」
「姉と『女の人は傷つけん』って約束してんねんけど、守れてへんかったみたいやわ。」
強がる子犬のような銀杏羽に対して優しく微笑む。
銀杏羽にこんな顔をさせたのは自分のはずなのに普通に笑ってみせる。
これを失敗とは思っていないのだろうか。
精神的に余裕があるだけなのかもしれない。
「そないな顔さしたかった訳やないねんよぉ。」
「あ、これ食べる?」
学生カバンをあさり、一口サイズの羊羹を取り出した。
白と水色の綺麗な細長い箱に入っている。
「ウチの羊羹やから、美味しいで。」
などと言いながら羊羹をすすめる。
「さ、はよ行こか。日ぃ暮れはせんかもしらんけど。
あんまおそなって親御さんに心配かけんのはようないやろぉ?」
日が暮れたら病院が怖くなる、と言いたかったがぐっと我慢した。
401
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/06(月) 23:04:21
>>400
(鈴元)
「別にそこまで怒ってませんけど……」
銀杏羽はむすっとしつつも羊羹を受けとり、
不機嫌(ポーズ)な表情とは裏腹にしっかり食べる。
「……」
ちょっと雰囲気が和らいだ。
「今へんなこと考えたでしょう!
よけいな心配ですわ! 連絡はもうしました!」
「もう! 先に行きますわよ!」
そう言って銀杏羽は先に歩き始めてしまった。
――――今、校門を出たあたりだ。
視界の端を、黒塗りの外車が遠ざかって行ったのが見える。
402
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/06(月) 23:55:56
>>401
「ん?うふふ。」
否定はしない。嘘をつきたくないからだ。
肯定もしない。
「はいはい。行こなぁ。」
銀杏羽の歩幅にあわせて歩く。
途中なにやらぶつかったら危なそうな黒塗りの車を見つけた。
(部長のお迎えさんやろか。)
手でも振りたかったが、やめておく。
違う車だったら恥ずかしいからだ。
ああだこうだと話しながら、もうすぐメインストリートといったところまで来た。
「あ、部長って車で通うとるんよねぇ?家遠いん?」
それとも単に富豪だから徒歩でも十分なところを車で来ているのか。
「車やったら帰りにお買い物とか気軽に出来へんちゃう?」
「あぁ、でもお友達と帰りはる時とか買い物したい時は車使わへんの?」
素朴な質問であった。
403
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/07(火) 00:09:56
>>402
(鈴元)
銀杏羽はしっかり手を振っていた。
やはりあれが銀杏羽家の車で間違いない。
「わたくしの家はかなり遠いですわね。
DIONモールの向こう……『御蔵神社』の近くと言えば分かるかしら?」
この金満お嬢だったら案外徒歩でも十分なところを
わざわざ車で通ったりとかしてそうな雰囲気があるが……。
「買い物に行くときや、友人と帰る時は、
今のように先に車だけ帰らせていますわ。
わたくしも、富豪である前に学生ですからね」
何故か胸を張る銀杏羽。
404
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/07(火) 00:30:00
>>403
「はぁ。エラい遠いねぇ。そら車で通うわ。」
(僕でも自転車使う。)
車を使っても不思議ではない距離であった。
ただ金持ちらしさを出すための登校方法ではなかったようだ。
「でも友達と一緒におったら、そんな距離も気にならんかもねぇ。」
鈴元は友達と言うべき人間がまったくいない。
この町に引っ越してきてからはゼロ人といっても過言ではないだろう。
だから家までの道のりはずっと長く感じるときがある。
「そやねぇ。部長もお嬢さんってだけやないもんね。」
「あ、なんか買っていくもんとかある?
お菓子とかやったら家にあるけど。」
もうすぐ商店街だ。一応聞いておく。
405
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/07(火) 00:59:41
>>404
(鈴元)
「ええまあ……」
「そういう時は、別れた後にバスを使っていますし」
意外と庶民的な答えが返って来た。
ちなみにS市の市営バスにはしっかりと『御蔵神社行』のものがあるので、
実質的に歩く距離はそれほどでもないのかもしれない。
「いえ、特には。お菓子の類は元よりそちらの家でいただくつもりですわ」
意外と図々しい。
「涼の方こそ、何か買いたいものはあるかしら?
何なら棚買いしても良いんですわよ?」
(※棚買い・・・棚ごと買い占めること)
所持金云々以前に店側から拒否されそうな買い方だ。
406
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/07(火) 01:14:21
>>405
「今日はよう外す日ぃやわ。星座占い最下位やったし。」
庶民的な話になるとは思わなかった。
バスを利用しないからだろうか。
それとも単に頭が回っていなかっただけだろうか。
今の鈴元にはわからない。
「さいですか。ウチの店の余りとか買い置きのん多めやけどかまんね?」
図々しさは感じていない様子だ。
それぐらいは普通にするつもりだったらしい。
「や、エエよ。」
(棚買いなんかしたら、はしたないて怒られるわぁ。)
遠慮しているとかではなく、拒否している。
「じゃあ、はよ家行かんとね。
うちの人らおったら、お菓子なくなってまうかもしらん。」
ちょっと歩くペースを上げる。
407
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/07(火) 01:26:52
>>406
(鈴元)
「みなさんお菓子好きなんですの?」
「……いや、愚問でしたわね。お菓子職人ならお菓子が好きなのは当然……」
なんか自己完結していた。
そこはかとなく偏見も混じっている気がするが、
まあ当然と言えば当然だろう。そこまで乱暴な推論ではあるまい。
「もぐもぐ……ごくん」
「……おいしい羊羹でしたわ。ごちそうさまでした」
羊羹を食べ終えた銀杏羽は、そう言って包み紙をカバンの中に仕舞う。
心なしか、ちょっと目尻が緩んでいるような気がする。
408
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/07(火) 01:41:58
>>407
「まぁ、そんな所ですわぁ。」
全員が全員お菓子が好きなのかは知らないが
減る量が多いことは確からしい。
鈴元も減らす人間の一人だが。
「おそまつさんでした。」
「……」
じっと銀杏羽を見つめる。
すると、口元を少し緩めた。
「ホンマに好きなんやね。」
「そういう人に食べてもらえると、嬉しいわぁ。」
けらけらと笑う。
自分の評価より和菓子の評価を気にする男だ。
そういう人間だ。
「そろそろ見えてくるころやろか。」
かなり歩いた。
病院に近づかないルートを鈴元は選んだ。
「あったあった。」
家が見えてきた。塀で囲まれている。
平たいが大きい。構造的に二階はないようだ。
その分奥行きがあるのだろう。
10人くらいなら問題なく生活できそうな家だ。
「僕が先入るけど、かまんね?
いきなり部長が入ると不審者と間違えられかねんからね。」
409
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/07(火) 01:47:49
>>408
(鈴元)
「鈴眼の羊羹は、おいしいですわ」
笑みを見せる鈴元に、銀杏羽もにこやかな笑みを返す。
何かと偏屈な少女だが、これは本当に本音だ。
なんて一幕もあったのだが。
「ふぅ……ふぅ……」
家に着くころには、銀杏羽は鈴元の後ろで息を荒くしていた。
普段こんなに歩くことはあんまりないのかもしれない。
「え、ええ……構いませんわ……。
それと、着いたらお水が一杯ほしいですわ……」
やはり図々し……いや、これは仕方がないか……?
410
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/07(火) 02:40:28
>>409
「えぇ……」
振り返ると息を荒くしている銀杏羽がいたことに少し驚いた。
普段からこの距離を歩いている鈴元からすれば特に息を荒くする要素はない。
「……あ、すんません。」
今自分がどれほどの距離を歩いてきたのかを思い出した。
慣れない人間ならそうもなる。
「えぇっと、もうちょっとおきばりやす。」
急ぎ足で玄関の戸を開け、家に入る。
「ただいま帰りました。」
「あぁ、お帰りなさ……涼さんが女の子連れてきましたー。」
「えーホンマー?写メるー?」
(うわキツ)
「なんでお姉ちゃんおるんよ……」
すぐに髪を1つ結びにした女性がやって来た。鈴元の姉である。
「涼ー。あんたなぁ…なにしたん?
あ、前に店連れてきた子ぉやない?」
「まぁ、後で話すわ。
お茶の準備とお菓子の準備
お願いできるやろか?」
「貸し1な。」
軽く言い合いしつつ、銀杏羽は六畳ほどの部屋に招かれた。
部屋の隅にはぬいぐるみが二、三個置かれている。
本棚やテレビや机、ゲーム機もあるが、居間ではないようだ。
411
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/08(水) 22:32:54
>>410
(鈴元)
「どうもお久しぶりです。
銀杏羽明日乃、と言いますわ」
先程の疲労の色など露とも見せず、にこりと笑顔。
銀杏羽は外面が良いのであった。(見栄っ張りとも言う)
「ありがとうございますわ……」
去って行く鈴元(姉)に会釈しつつ、部屋に招かれる。
「此処が涼のお部屋ですの?」
けっこう遠慮なく、というか興味深げに見る。
ぬいぐるみが目を惹いたようだ。ひときわ興味深げに見ている。
412
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/09(木) 00:52:37
>>411
(さっきまであないに息切らしてはったのに…)
富豪にはああいう能力も重要なのだろうかと思う。
多くの人に会うのなら必要な能力かもしれない。
「そやで。あ、お茶はすぐ来る思うから。」
特にもったいぶる風もなく言う。
ごちゃごちゃとしていない部屋である。
部屋の端に置かれた机の上だけでなく、本棚の中やゲーム機のコードも
きれいにまとめられている。
整理整頓が好きなのだろうか。それとも、純粋に物が少ないだけか。
ふと、銀杏羽の視線がぬいぐるみにいっていることに気が付いた。
「ん?部長これ気になるん?」
鈴元はぬいぐるみの方へと向かっていった。
猫とたぬきっぽい生物、そして狐のぬいぐるみが机の横に並べられている。
鈴元は三つのぬいぐるみを抱いて、銀杏羽の元へと持ってきた。
「かいらしいやろ?誕生日に兄と姉からもろたんよ。
猫さんは親戚の人からもろたんやけどぉ……」
一つ一つ並べる。きれいだ。
丁寧に扱っているのだろう。
「涼。お茶とお茶菓子。」
襖の向こう側から声がした。鈴元の姉の声だ。
「はい。」
襖を開け、盆を受け取った。盆の上には湯のみと急須、木製の器が載せられていた。
器には一口サイズの饅頭やら羊羹やらが入っている。
「おあがりやす。あ、ちゃぶ台いるわ。」
盆を銀杏羽の前において畳の上に盆を置いた状態なのに気付く。
部屋の押入れに向かう鈴元。その中に入っているのだろうか。
「あ、なんかしたいことある?」
押入れからちゃぶ台を取り出しながら、鈴元は聞いた。
ぬいぐるみの参考画像
猫(ttp://pepies.shop-pro.jp/?pid=62957777)
たぬっきぽいの(ttp://matome.naver.jp/odai/2140874754044113101/2140876586258239803)
きつね(ttp://takahata-engiyoi.ocnk.net/product/180)
413
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/09(木) 01:08:48
>>412
(鈴元)
「あら、ありがとうございます」
お茶菓子を持ってきた鈴元(姉)に再度お礼。
「ええ、そうですわね……」
「(…………伏見稲荷……?)」
丁寧に扱っているようなので、ゆっくりと撫でる。
撫でながら、
「涼の家には、何のゲームがあるのかしら?」
問い掛ける。全体的に落ち着きがない。
そうこうしているうちにもあたりを見て……、
やっぱりはしたないからと目を伏せ、それでもチラチラ見ている。
…………多分楽しいのだろう。
何をするとか以前に、一通りこの楽しさを発散させないと話が進まなそうだ。
414
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/09(木) 01:46:50
>>413
「そやろぉ。気に入ってるんよ。」
緩んだ笑みを浮かべている。
「ん?まぁ、パズルとかRPGとか色々。最近格闘系も手ぇ出し始めたけど……」
ちゃぶ台を銀杏羽の前に置く。
お盆を載せ、急須で湯飲みに茶を注ぐ。
手馴れた動きである。
「でも、それどころやなさそうやね。」
銀杏羽の目を見てそう言った。
落ち着きのなさを感じたのだ。
「好きに見てもらってかまわんよぉ。僕は見られて困るモンないし。」
「なんか気になる?」
「楽しんでもらえとる?」
いつもの優しい笑みとは違い、子供っぽい笑い顔だ。
鈴元自身も楽しいのかもしれない。
415
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/09(木) 02:15:57
>>414
(鈴元)
「パズル……RPG……」
銀杏羽はやっぱり興味津々だ。
ゲームをやりたい、というよりは、何があるか知りたいと言う感じだが。
「……わたくし、男の人の部屋に上がるのは初めてなのですわ」
鈴元のお茶を淹れる手つきを見たり、
ぬいぐるみのことを撫でてみたりしつつ、銀杏羽は言う。
わりと爆弾発言だったが、本人は気にしていない。
「人付き合いはわりとお金で賄えますが……、
こういう付き合いは、『お金だけ』では得られませんものね」
少し照れくさそうに、銀杏羽は笑う。
金満お嬢らしからぬ発言だったが…………、
そもそも、彼女は『特技』に散財を挙げる人間だ。
つまり、彼女なりに『散財』――金の使い方にはこだわりがある。
「――あ、すみません、わたくしとしたことが、
お茶の用意を済ませていただいたのに」
そう言って、慌ててちゃぶ台に向き直る。
この期に及んでやっと気付いた感じだ。
「これは?」
そう言って、銀杏羽は目の前に置かれた和菓子の説明を求める。
416
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/10(金) 00:06:53
>>415
「ふぅん。意外…でもないか。」
箱入り娘というやつだろうか。
この性格なら男性の友達の家にも行きそうなものだが。
いや、男の友達がいるかは分からないが。
「僕は誰かを家に招いたことってあんまりないんよぉ。
家族抜いたら、女の人部屋に入れたん、部長が初めてちゃうやろか。」
「うふふ。お互い初めて同士やね。」
面白いのか、けらけらと笑う。
銀杏羽の言葉が爆弾発言であるとは認識していないようだ。
「そ、そやねぇ。」
(なんやそういう言われ方するとハズいなぁ……)
ちょっと、照れているらしい。
銀杏羽から一瞬視線を外した。
ほんのりと耳が赤くなった。
「え、あぁ、えっとぉ……」
鈴元は器からいくつか和菓子を取り出してちゃぶ台に並べていく。
「豆餅。生地と豆に塩味がついとるから、餡子の甘みを引き立ててくれはるわ。
きんつば。甘みが強いから渋いお茶と合わせて楽しんでなぁ。
後は羊羹とか、お饅頭とか…あ、若鮎やね。」
一口サイズの和菓子が多い中、異彩を放つ和菓子があった。
大きさもそうだが、その形は鮎のようである。
「どら焼きみたいな調布の生地の中に、牛皮が入ってんのよぉ。」
「ほんのり甘ぁて美味しいんよぉ。」
一通り説明が終わったので、茶を飲む。
「まぁ、おあがりやすぅ。」
語るより味わったほうが早い、ということか。
417
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/10(金) 00:32:38
>>416
(鈴元)
「そういう反応はやめてください。恥ずかしいですわ」
顔を赤らめた鈴元を見て、やっと自分の発言を客観視したのか、
照れくさそうに口をすぼめながらそっぽを向く。完全に自爆だが……。
「ふむ」
気を取り直して、鈴元の説明を聞く。
「若鮎」
食べた経験はない。
ただ、牛皮という言葉から、『牛の皮』があるものだと勘違いした。
(実際にはもち米に水あめを練り込んだものらしいが……)
和菓子に『牛の皮』――つまりは、塩気があるイメージのモノ。
どんな味なのだろう? と好奇心を刺激された。
「では、いただきますわ」
そう言って、開口一番に『若鮎』に挑みかかる。
わりとおそるおそる口に運び……、
「……!」 「……甘いですわ!」
ハッと目を見開いて言う。
しょっぱさを覚悟していた為、余計に甘く感じるようだ。
「しかも中がもちもちして……あれ? これお餅ですの?」
頭の周りにクエスチョンマークが浮かんでいる。
でもしっかり頬は緩んでいるので、おいしいらしい。
何と言うか、感想が分かりやすい性格だ。
418
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/10(金) 01:03:18
>>417
(部長がへんなこと言うから意識してもうたやんか…)
これ以上言うと余計に照れそうなので自重する。
牛皮は色々あり求肥となった云々は各種資料を参考のほど。
「?甘いよ?」
銀杏羽は求肥ぐらい知っているだろうと思っていたらしい。
彼女の反応は鈴元にとって意外な反応だったのだ。
「お餅の仲間やね。白玉粉に砂糖とか色々混ぜ取るよ。」
本家では餅粉を使うこともある、と注釈する。
「おいしいやろぉ?」
和菓子がいい評価を受けることが純粋に嬉しいのだ。
外面を繕って本心を隠すのが常の男だが、家のこと和菓子のことはごまかさない。
「若鮎はまだこっちの店では出してへんのよぉ。ウチの人以外やったら部長が初めて食べた人になるわぁ。」
楽しそうだ。
彼のクラスメイトがいれば驚くだろう。
こういう素の姿を見せることはないのだから。
419
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/10(金) 01:53:42
>>418
(鈴元)
「あっ、ああ、求肥。『求肥』ですのねこれ」
「……(牛の皮だと思ってましたわ……)」
材料を言われて、やっと得心がいく。
和菓子なら最初にそれを思い浮かべるべきだったが、
そこはなんかこう、言葉のマジックが働いてしまうのだ。
たまにないだろうか? 何でそんな思い違いをしていたんだろうという勘違い。
「良いですわね。お客さん一号ですか。
お金を払っていないのでお客さんとはちょっと違いますけど」
なんてことを言いながら、早速別の和菓子にも手を伸ばし出す。
「そういえば、涼も和菓子の修行をしているんですわよね。
こういう和菓子も、もう作れるんでして?」
修行の身、というと、銀杏羽のステレオタイプなイメージでは
技術的には作れても身分的には『下積み時代は羊羹しか作ってはいけない!』
みたいな戒めがあったりするんだろうか? とか考えている。
(現実的に考えて、合理的ではないが……伝統は理屈では語れない印象があるのだ)
420
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/10(金) 03:00:58
>>419
「そう。求肥。」
「牛の皮やとか思いはったぁ?」
うふふ、軽く笑い声を上げる。
イジワルそうな顔はしていない。
自分も若鮎を手に取り、口へと運ぶ。
(うん。エエわ。)
ウチ
「お客さんやで。家来てるしぃ。」
屁理屈っぽいことを言う。
「そやけど……」
一瞬視線を落とす。
しかしすぐに笑みを浮かべて
「『作れるよ』ただ『売れはせん』まだまだ素人同然っちゅう扱い。
人に食べさせるんも、控えたほうがエエって言われとる。」
そう、答えた。
「父や祖父達が背負っとるんは、『鈴眼』の看板だけやないんよぉ。
500年以上の伝統、今までのご先祖様の誇り全部を背負うとるんから
僕みたいなんが気まぐれで作った和菓子でも、『鈴眼』の名に恥じひんモンでないとアカンの。」
まっすぐな言葉であった。
視線も、心も全て。ごまかしも格好をつけることもなく、ただ店の家の誇りを語る。
「漫画や小説みたいに厳しないけど、これぐらいは当然のことやって教えられてるわぁ。」
421
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/11(土) 01:26:22
>>420
「もう、分かって言っているでしょう?」
恥ずかしがりながらも、少し怒ったような表情で言う。
顔はしっかり赤いので、照れ隠しと言った方がよさそうだ。
「……『伝統』、『誇り』」
そして、鈴元の言葉を復唱する。
銀杏羽の家は海外企業なので、鈴元の言う
『伝統』みたいな言葉とは縁遠い。
だが、だからといってそれらへの理解がないことにはならない。
「ということは、先程道中にくださった和菓子も
涼の家族……もしくはお弟子さんが作ったものでして?」
首を傾げる。
そしてそれはともかくとして、手元の和菓子に視線を寄せる。
「この和菓子にも、『500年の歴史』が積もっている、と考えると、
…………味わい方も、少し変わって来るような気がしてきますわね」
そう言って、羊羹を口に放り込む。
真面目な顔をしていたが、やはり頬が緩む。
人間、好物を食べて真顔を保つのは難しいものだ。
422
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/11(土) 02:01:55
>>421
「ん?うふふ。」
明言は避けた。
あなたの考えたことが答えだと言っているつもりなのだろうか。
「そう。『誇り』」
静かだが、強い言葉であった。
自分に言い聞かせるように、鈴元はその言葉をつぶやいた。
「そやでぇ。鈴眼の和菓子は全部職人の手作りなんよ。
お弟子さんか、兄の作ったやつのはずやわ。」
ちょっと誇らしげである。
手作りも鈴眼の誇りなのだろう。
「……そういえば、部長の家ってなにしてはんのぉ?」
自分の家のことを話していて、銀杏羽の家が気になったらしい。
「お金持ちってことは知ってるけど、なにしてはるんやろかぁ?」
423
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/12(日) 00:09:06
>>422
(鈴元)
「貿易業ですわ」
えらくざっくりとした説明だ。
「たとえば、主婦が趣味でやるデイトレード……
あれの数千倍だか一万倍だかの金額の取引を、
色んな品物で行うお仕事……とでも言いましょうか」
「……まあ、あんまりよく分からないですわよね?
たまに友人に聞かれるのですが、
説明してもみな一様に首を傾げてしまうのですわ」
肩をすくめて言う。
だがどこか……鈴元に比べると、言葉に熱がない。
無関心というわけではないのだろうが、
鈴元のように家の仕事に『誇り』を感じているわけではない。
「まあ、わたくしの家は涼の家と違って、
『家を継ぐ』という考え方そのものがありませんし、
わたくしもそこについてはあまり詳しくありませんわ」
継ごうと思えば継げるような状態なのかもしれないが、
銀杏羽はそれに対して特に意欲を見せている様子はない。
別になりたいものがあるようにも見えないが……
まあどのみち、この金満お嬢のバイタリティなら何かしらやりそうだが。
ひょっとしたら起業する気なのかもしれない。(資本はたくさんあるし)
そこのところは、家業に誇りを持って継ぐ意欲を見せる鈴元とは対照的だ。
424
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/12(日) 02:24:19
>>423
「異人さん相手に商品売ったりしてお仕事してはるって感じやろかぁ?」
銀杏羽の話を聞いて、鈴元はそう思ったらしい。
分からないなりの答えだ。
鈴元にとって、銀杏羽の言葉は不思議ではない。
そもそも自分の親の仕事に伝統や誇りが付いてくることは少ないだろう。
「…家のこと嫌い?や、気にせんといて。」
(嫌いやったらあないにお金使わんよねぇ。)
家を破綻させよう、とかそういうのは捻くれた見方だ。
銀杏羽がそんな人間とは鈴元は微塵も思っていない。
(……まぁ
僕が継ぐわけやないんやけどぉ……)
鈴元の顔からすっ、と表情が消える。
無表情。仮面のように動かない。
急に鈴元は我に返ったのか笑顔を作り直した。すこし、ぎこちない。
だが、数秒で自然な笑顔に戻った。
「そっか……そうなんかぁ。
部長は、やりたいこととか、ある?」
「ここで、やなくて。これから。将来やりたいことってある?」
425
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/12(日) 19:52:21
>>424
(鈴元)
「両親のことは人並みに尊敬していましてよ」
「お父様もお母様も、嫌いなんてことはありませんわ」
あっさりと答える。家族関係はそこまで悪くなさそうだ。
「…………」
能面のような表情の鈴元を胡乱げな眼差しでじいっと見つめていたが、
話を向けられるとふっと笑って、視線を虚空に彷徨わせる。
「そうですわね……さしあたって、『金言部』の活動として
やりたいことが幾つか。林間学校、臨海学校、登山にスキーに
フェリーにドライブに、面白そうなゲームや鍋パーティ、
……他にも色々、やりたいことは尽きませんわ。人の一生では短すぎるくらいに」
冗談めかして、銀杏羽は肩を竦める。
もっとも話の流れから言って、鈴元がそういう話をしたいのではないことは分かる。
「学校を卒業しても同じですわ。社会に出たとしても、きっとわたくしの目の前には
いつなんどきも『その時やりたいこと』がたくさん転がっているのでしょう。
具体的なことは、正直分かりませんし、決めてもいません。
ですが、わたくしにとって『それら』が一番重要で…………
将来何をして生きていくとか、そういったものは『やりたいことを好きなようにやる』為に
準備していく中で、勝手についてくるものだと思っていますわ」
楽観論も良い所だった。
この考え方は、潤沢な資金があって生活に余裕があるからこそ言えるものだ。
仮に銀杏羽が普通の家の生まれなら、このままの台詞が吐けるかは甚だ疑問である。
だが……一つ言えるのは。
もし仮に彼女が次の瞬間無一文になったとしても、おそらくこの考えは変わらない。
金がないなら金がないなりに、彼女は『自分がやりたいこと』をやる。
少なくともそこについて、自分の感情を押し隠したり、捻じ曲げたりはしない。
「逆に」
銀杏羽は鈴元を見据える。
彼女の網膜には、先程の鈴元の能面のような表情が焼き付いている。
. .
「涼はどうなんですの? 和菓子屋『鈴眼』の分家の人間としてでなく……
『将来やるだろうこと』とは違う、一人の鈴元涼が『やりたいこと』は?」
426
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/13(月) 00:50:34
>>425
(臨海学校とか一生徒の力でどうにかできるもんやないかなぁ……)
(でも、部長やしねぇ…)
銀杏羽がある日どこかの国の女王になっても鈴元は驚かないだろう。
彼にとって、銀杏羽とはそういう人間なのだ。
面白いなら財力を惜しまず全力で挑む、そういう『つき進む人間』なのだ。
しかし、鈴元の求める解はこれではない。
「…そう。部長はそう思っとるんやねぇ。」
「『その時やりたいこと』が重要で
準備していく中で色んなモンが勝手についてくる。エエねぇ。」
「やっぱり部長はエエねぇ。かっこエエよ。」
「まっすぐで曲がらん信念やわぁ。」
嫌味ではない。心のそこからそう思っている。
少なくとも鈴元はその感覚を持っていない。
実家から離れることが出来ず、ただ家にいる鈴元は、銀杏羽のそこに憧れる。
「分家かぁ…僕は……や、その通りやわ。次男坊やもんね。」
「僕のことはエエやろ?
や、聞かれた以上は答えるけどぉ。」
苦笑いを浮かべかぶりを振る。
それからちょっと深呼吸をして、鈴元は答えた。
「笑わんといてなぁ?
……『桜になりたい』」
「きれぇで、華やかで人を惹きつける桜に
儚くも美しい桜の花のような人間に僕はなりたい。」
珍しく本音の言葉であった。
「友達もおらん、何の取り得もない僕でも、桜の花になったら……
なれたらきっと……お父さんもお母さんも、みんな僕のこと………認めてくれて。
ほんで、僕は僕のことを…」
一瞬間が開いた。
鈴元はいつのまにか笑顔が消え、切羽詰った顔になっているらしいことに気付く。
銀杏羽の瞳の中に自分の姿が見える。
「あ、別に『桜の花になるから』部長と仲良うしてるんと違うんよ。
純粋に部長のこと好きやから仲良うなりたいだけで…
ちゅうか、友達おらんでも別にそこまで問題やないし。」
「別に同情してもらいわけやないし。こういうんは行動で示すべきっちゅうか……」
近くの大福に手を伸ばす。
もそもそと食べた後、茶で流し込んだ。
「まぁ、今やりたいんは『部長のことを知る』ってことかなぁ。」
笑った。無理に笑った。
最初からそれが答えだったとそう言いたそうに。
銀杏羽の目を見て笑う。
瞳の中に不器用な笑いを浮かべた自分がいることを知りながら。
427
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/13(月) 01:28:52
>>426
(鈴元)
「わたくしと涼は違いますわ」
銀杏羽は羊羹の残りをつまみながら、そんなことを言う。
意味の通らない発言だが、多分彼女の中では
ひとつながりの会話の応酬になっているのだろう。
「だからきっと、わたくしのことを知っても、
涼の求めているものには届かない。むしろ遠ざかって見えるはずですわ」
「ですので一つ、とっておきのわたくしの情報をお教えしましょう」
銀杏羽は、そう言って鈴元のことを覗き込む。
鈴元が、銀杏羽の瞳に映る自分自身を見るのではなく、
今、目の前にいる銀杏羽のことを見ることができるように。
「わたくしも……あなたのこと、好きですわよ」
その口元が、悪戯っぽく弧を描く。
「気遣いができる、人付き合いが上手い、話が上手、
そして今もこうして思い悩むくらいに真面目で、
それでいてちょっとイジワルなところもある……」
「わたくし、涼の取り柄ならけっこう知っていましてよ。
涼が自分を取り得のない人間と断ずるのは勝手ですが――」
「――――それならそれでわたくしは、勝手に涼のことを認め続けますわ」
たぶん、鈴元が本当に求めている終着点はそこではない。
彼の想い描く『最良の未来』は、きっと銀杏羽には齎せない。
仮に齎せるとしても、それを今ここで達成するのは、間違った選択だ。
これは、彼自身が決着をつけるべき物語で、主人公は鈴元自身なのだから。
だが、かといって銀杏羽が何も関われないというわけでもない。
何の役にも立たない脇役でも、隣にいるということだけは示すことができる。
鈴元が、決して満たされない無間地獄の中にいるわけではないと伝えることはできる。
銀杏羽はそこまで言って、少し恥ずかしそうに目を背け、
「それに……『友達』なら、此処にいるのではなくて?
わたくし、貴方も含めて『金言部』のメンバーと部活だけの浅い付き合いをするつもりはなくてよ」
そう、呟きを漏らした。
喋りすぎたからか、何もしないのが恥ずかしいのか、
そこまで言って、お茶を飲んで喉を湿らす。
428
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/13(月) 02:53:51
>>427
「そら、僕と部長はちゃうけど……」
話題を変えようと試みるが上手く言葉が出てこない。
目の前の少女の言葉を一言一句聞き届けようとする自分がいる。
「あぁ…僕も部長のことす……へ?」
(今、この人僕になんちゅうた?)
言葉を理解するのが遅れたが、やっとなにを言われたか理解したときには
銀杏羽は鈴元について話していた。
(……そ、そないな…照れるわ。)
鈴元から表情が消える。
赤くなりはしないが、これも照れているのだ。
全てを聞き終えた時、鈴元は顔を覆い隠しぶつぶつと何かを呟いていた。
反応に困っているのだろうか。
「その、おおきに。僕のこと、そないに思ってくれて。
でもまだまだ目標を達せたとは思わんし、言わん。」
銀杏羽の言葉は確かに鈴元の心に届き、心を動かしたのは紛れもない事実である。
しかし、まだ足りない。
彼の『理想』であり『目標』はそれこそ人生を賭けた夢だ。
こんなところで叶ったなどと言うのは諦めと同じことなのだ。
「ただ、そういわれるだけでも僕は嬉しぃ。」
それからくすりと笑って、手を差し出す。
かつて銀杏羽が鈴元を勧誘するときにしたように、右手を差し出した。
「これからもよろしゅう。『友達』としても『部員』としても。」
「それと、僕の秘密を教えるわぁ。」
誰にも言わないように、と一本だけ伸ばした指を口に当てる。
「僕は『刺青』を彫ってる。背中に目標を忘れんようにと願掛けで。」
429
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/13(月) 23:25:08
>>428
(鈴元)
「それで構いませんし、それでこそ涼ですわ」
目標を達せたとは思わない、と言う鈴元に、銀杏羽は頷く。
目標は高ければ高い程良い。簡単に片付いてしまっては面白くない。
「『刺青』」
そして続く言葉に、銀杏羽はオウム返しで呟く。
彼女もまた、その概念を知る者の一人だ。
....
「わたくしも知っていますわよ、そういう『刺青』は。
そして、それによって得られるものも」
「前に話しましたが……『わたくしも持っています』からね」
つまり、お互い『刺青の試練』を潜り抜けた者同士というわけだ。
(銀杏羽はアレに死の危険があることなど知りもしないが)
「まあ、やはり見せびらかすようなものではありませんけど……」
銀杏羽にとって、『スタンド』を見せるということは
かなりのっぴきならない事情に陥ることが前提になる。
彼女が『刺青』を彫った成り立ちから言って、少なくとも彼女にとっては
そうやすやすと見せびらかして良いものではないのだ。『刺青』も『スタンド』も。
「しかし、わたくしの他にも宝梦に普、涙音、ニコラ先生……。
別に狙っていたわけではありませんが、スタンド使いが多いですわね。
ひょっとすると、レイもスタンド使いなのかもしれませんわ……」
「……あむ」
そんなことを言いながら、盆の上に置いてあった最後の和菓子を食べる。
きんつば。甘みが強い。銀杏羽は静かにお茶を啜った。
430
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/14(火) 00:11:25
>>429
「うん。多分部長の刺青と同じ性質の刺青。」
即ち、スタンドを目覚めさせる原因となった刺青。
「うふふ。そやね。見せびらかすモンではないわ。」
刺青は鈴元にとって目標を忘れないためのものだ。
なんとなくごまかしたりして、自分の行く道を自分で閉ざさないようにするために彫ったのだ。
それを人に見せびらかすのは恥知らずなことだと考えている。
「部長はなんで刺青を彫りはったん?」
刺青を彫るという事はこの国では色々と面倒なことを引き寄せる可能性がある。
そうでなくとも痛みを伴う行為だ。
ファッションで入れた可能性もあるが、銀杏羽はそういうことをする人間だろうか。
「あ、御菓子なくなってしもたねぇ。追加いる?」
「ちゅうか、時間大丈夫?帰るんやったら送っていくけどぉ。」
431
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/14(火) 00:31:16
>>430
(鈴元)
「――――」
問いかけられた銀杏羽は、少し黙った。
冗談っぽくはぐらかして誤魔化すことも考えたが、彼女にそんな器用なことはできなかった。
ファッションなら、わざわざ長手袋で隠したりはしないだろう。
秋映学園は刺青OKな校風だ。
「……ええ、そうですわね。
そろそろおいとまさせていただこうかしら」
結局、鈴元の質問には答えないままにそう言う。
銀杏羽が『刺青』を彫った理由……そのことを、彼女は恥じていない。
恥じるような人間性なら、『刺青の試練』は生き残れなかった。
だが……鈴元と違って、誇るような性質のモノでもない。
銀杏羽にとって『それ』は、グツグツに煮えたぎったマグマのような怒り。
それを表にさらけ出す時は、例外なく『キレている』時だ。
いや、表にさらけ出せば、否応なしに『キレてしまう』と言った方が正しいか。
「和菓子にお茶に、ありがとうございましたわ!」
「送迎は家の者を呼ぶので、心配要らなくてよ」
そう言って、立ち上がる。
432
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/14(火) 00:51:48
>>431
(人には言えんってことかな。)
鈴元がそこを追求することはない。
言いたくないならそれでいい。
無理強いしてまで聞くことではない。
それに、生きていれば聞くことになるかもしれない。
どんな結果が待っているかは、鈴元には分からないが……
「そう……あ、そや。」
ゆっくり立ちあがり、押入れの方へと歩いていく。
押入れから銀杏羽の方へと戻ってきたとき、彼の手にはねこのぬいぐるみがあった。
「今日のお礼。いらんねやったら、置いていってもらってかまわんよぉ。」
もらってくれ、言いたいらしい。
受け取らないならそのまま見送るだけだ。
猫(イメージ)
ttp://www.netyokocho.jp/atelier_mocomoco/goods/KOB26100784/
433
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/14(火) 01:28:25
>>432
(鈴元)
「お礼なんて良いですのに……」
銀杏羽は嬉しそうに、そう言った。
実際、今回は銀杏羽も楽しめた。対価は十分だった。
……だがこの少女、富豪のわりにもらえるものは何でももらう性質である。
「ありがたく頂きますわ。赤ずきんちゃん風なのかしら……可愛いですわね」
カバンを肩にかけ、猫のぬいぐるみを大事そうに抱え、
鈴元を伴って玄関へ向かう。
その途中。
「……、……涼は……なんでわたくしのことを知ろうとしますの?」
何気なく、問い掛ける。
拒絶の意味を含んでいるのではない。
単純な、疑問だ。
銀杏羽は、自分以外の人間には触れられたくない心の聖域みたいなものを持っている。
それは鈴元も前回の『英語のテスト』で知っての通りだ。
だが、それを知っても尚鈴元は銀杏羽のことを知ろうとする。
報酬に『遊びに行く』ことを提案し、自身の家に招き、心の距離を縮めようとする。
銀杏羽としては、『仲良くなる』のに互いを知る必要はあまりないと思っている。
正確には、同じ空間で同じことに一生懸命になれば、
自然と互いのことを知り、そして仲良くなれるものと思っている。
鈴元が、銀杏羽の心に触れようとする理由が――銀杏羽には分からない。
434
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】
:2015/07/14(火) 02:01:17
>>433
「エエんよ。楽しかったお礼やし、押入れの肥やしにしとったらもったいないわぁ。」
「よう見たら、ぶどうで頭巾止めてあるんよぉ。」
けらけらと笑う。
楽しそうである。
「ん?」
長い廊下を歩いている最中、鈴元は銀杏羽の問いに首をかしげた。
質問の意味も意図もある程度理解している。
ただなぜ聞かれたのかが分からない。
鈴元はその答えをすでに銀杏羽に提示していると思っていたからだ。
「……部長のこと好きやから?」
もちろん、友人としてである。
「僕は心に触れてこそ友達やと思う。心に触れて、お互いのことを知って。
会話に言葉もいらんくらいの、心で通じ合える関係に部長となりたいって思うたから。」
まっすぐな目だ。優しげな雰囲気を持ちながら強い意志も見え隠れする目だ。
「退屈な毎日を変えてくれた感謝もあるけど。それだけやったら恩返ししてお終いやわぁ。
部長のこと知りたい。仲良うなりたい。そう思ったから、部長のこと聞くし僕のこともちょっとだけ話すんよ。」
鈴元にとって銀杏羽の心に触れることは特別なことなのだ。
相手の心に触れれば相手を傷つけるかもしれない。
それは鈴元にとってもっとも避けたいことだ。
だが、そのリスクを背負っても銀杏羽と通じ合いたいと思ったのだ。
「あとは…鈴元家家訓『此の世の一切は動かざる者の横を通り過ぎる。』の教えかな。」
「なにもしなければ、危険とか面倒くさいモンは自分ではない誰かの元へと飛んでいく。
しかし、同時に好機や縁も自分の横をすり抜けて、何も得ることはないっちゅうことでねぇ…」
「僕は部長をどうでもエエ通り過ぎるモノには、したくなかったんよ。」
「これで、答えんなってる?」
優しげな笑みを浮かべ、鈴元はそう答えた。
435
:
銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】
:2015/07/14(火) 02:17:32
>>434
(鈴元)
「……そう、ですの」
噛み締めるような呟きがあった。
鈴元が真意をはかりかねるのも無理はない。
これは問いというよりは、確認に近かったのだから。
そして、求めていた答えは得られた。
考え方は、少し違うかもしれないが――、
「まあ、耳触りの良い答えではありますわね!」
果てしなく上から目線。
だが、言葉とは裏腹に、表情は嬉しそうだった。
... ... . . .. . .. .
ドロドロとした愛情なんてもののない、
一〇〇%純粋な友情から来る気持ちだと、理解できたから。
「今日は、ありがとうございましたわ。
お蔭で色々と楽しい時間を過ごすことが出来ました」
玄関前に立ち、銀杏羽はそう言って笑みを浮かべた。
そして、去り際に言う。
「……『此の世の一切は動かざる者の横を通り過ぎる』。
わたくしも、覚えておきましょう。大切なものが、横を通り過ぎてしまわないように」
そう言うと、銀杏羽は長い髪を翻して歩いていく。
夕陽に照らされた少女の姿は、そのまま街の中へと消えていった。
本日の『金言』(特別編):
此の世の一切は動かざる者の横を通り過ぎる。
――――鈴元家家訓
436
:
『金言部』
:2015/07/22(水) 23:43:15
そしてこちらにも告知ですわ!
ミッション名:『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
危険度:D
難易度:C
GM:『金言部』
ミッション概要:
わたくしの所有する山一つを使った一泊二日の夏合宿ですわよ。 ・ ・ ・ ・ ・
参加者は所持品を持たず、着の身着のままで一泊二日のサバイバルを生き残ってもらいますわ。
ミッションの進行は複数の段階に分かれています。
なので厳密には『サバイバルという一つのミッションを行う』のではなく
『サバイバルというロケーションで三つの小ミッションを立て続けに行う』ものと
認識してくださるとやりやすいと思いますわ。
此処に各Stageでの『目標』を提示しておきますので、
行動に困ったら『目標』を達成する為の行動をとればいいかと思います。
Prologue 『朝』
山の麓にあるわたくしの別荘で朝食。
此処から先はサバイバルなので英気を養いましょう。
1st Stage 『昼』
『目標』
1.昼食のゲット 2.住居を作る材料の獲得
2nd Stage 『夕方』
『目標』
1.夕食のゲット 2.住居の完成
3rd Stage 『夜』
『目標』
1.『生きて朝日を見ること』
Epilogue 『二日目』
山を下りてわたくしの別荘で朝食。
(生きて帰れたら)互いの無事を喜び合いましょう。
報酬:『20万』+活動次第で何かあるかもしれませんわ。
募集人数:3〜全員
募集期間:告知より三日(集まらなければ延期)
開始期日:7月26日予定
備考:
『金言部』ミッション第三弾ですの。
一応の目標は設けてありますが、本質的な楽しみ方は
場スレと大して変わらない、と思ってくださいまし。
『山』というロケーションでやりたいことがあれば、
アドリブしてくださればなるべく意図を組みたいと思いますわ。
会話は基本的に自由ですので、掛け合いするときはメール欄に。
終了するときは一方が『会話終了』と入れれば、GMレスを再開しますわ。
437
:
『金言部』
:2015/07/22(水) 23:52:06
>>436
告知スレにも同じものを載せてありますので、
参加希望の方はそちらにお願いしますわ。
438
:
<ガオンッ>
:<ガオンッ>
<ガオンッ>
439
:
『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
:2015/07/27(月) 00:13:08
「――――ようこそいらっしゃいましたわ!」
午前九時。
その日、鈴元、小角、荊木、朱鷺宮の四人は県外にある銀杏羽の別荘にやって来ていた。
何人か参加していないメンバーもいるが、そもそも『金言部』は自由参加。こういうこともある。
今四人がいるのは、銀杏羽の別荘の中庭。
左手に見えるヨーロッパ風のお屋敷……は素通りして、直接此処にやって来た。
中庭ではテーブルが幾つか並んでおり、その上に様々な料理や取り皿が並んでいる。
どうやら、屋外バイキング――というやつらしい。
四人の視線の先には相変わらず偉そうに胸を張った銀杏羽がおり、
その向こうには小高い山が見える。あそこがこれから始まるサバイバルの舞台らしい。
なお、既に此処に来るまでに顔を合わせていたのにもかかわらず
『ようこそいらっしゃいました』などと言いだした銀杏羽のことは気にしてはいけない。
改めてみんなの前に立つにあたって、カッコつけたかったのであろう。
Prologue 『朝』
銀杏羽:
「みなさんには既に説明していますが、今日から山に行って一泊二日のサバイバルですわ。
所持品は己が身一つ! 裸一貫という過酷な環境の中で、お金の大切さを学びましょう!」
と、実に『金言部』の部長らしいことを言いつつ、
「……でも、腹が減っては戦はできぬ、とも言いますわ。
とりあえず今ばかりは食事をとって、これから始まるサバイバルに備えましょう!」
と言って、自らも料理を取り始めた。
440
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2015/07/27(月) 01:06:36
>>439
「ううむ、これがお金持ちの別荘と言うやつか……
わたしの想像以上に、豪華なものなのだなあ……」
小角がこれを言うのは本日もう6回目だ。
豪勢さにしきりに驚く彼女は、金言部の副部長。
「これ、全部食べてしまっていいのかい?
無論、ほんとに全部食べるつもりではないけどね。」
「ふふん」
などと言いつつ、取り皿に色々乗せていく。
パン、卵、ソーセージ。シュミではないが、野菜も食べるのだ。
(サバイバルの勉強もしてきたし、今日はわたしの知性を存分に発揮するぞ。)
胸の中には自信と期待の気持ちが詰まっている。
……もちろん、不安もないわけではないけど。
「……そういえば。
裸一貫とは言うけど、この帽子も取り上げられるのかい?」
つまり、いつもの鹿撃帽のこと。
服装はコートではなく、白シャツにベージュの吊りスカートだ。
441
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2015/07/27(月) 01:46:58
>>440
「うー…
あー」 「ハイ…草、美味しい」
モソモソ
移動中ずっと寝ていた。
唸るような声をあげながら
サラダを咀嚼します。低血圧です。
「お金持ちの家って、
やっぱり違うっすねェ…。
私、あんな大っきい家、
初めてみました」
モソモソ
「サバイバルかぁ。
楽しみだなぁ。
皆さん、今日はよろしくっす」
ペ
コ
ォ
『金言部』の面々に挨拶をします。
小角さんが服装の描写をされたので、
此方も服装の描写をします。
首から上は、蝿をモチーフにしたヘアピンに眼鏡。
上はTシャツに、雨除け用のレインウェア。
下はスニーカー、タイツ、ショーパンです。
442
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/07/27(月) 17:59:34
>>439
(GM&ALL)
「…別荘…私の実家よりもずっと大きいです…」
しばらく仰天した表情で別荘周辺を見回していた。
お金持ちというものに関して実感を持てていなかった涙音であったが
改めてお金の力を感じるのであった。
そして、中庭に置かれた様々な料理…
それを見て一気に涙音の顔もほころんでいく。
「うわー!こんなにいっぱい!ぜ、全部食べちゃっていいんですかぁ?!
た、ただ何ですか?!」
すっごくはしゃぎながら次々と更に取り始めた。
ローストビーフらしきものや美味しそうなサラダらしきものや
それからついでにケーキっぽいものなどを取っていく
「あー、スマホを持ってくるのがオッケーなら、
残らず撮影してたんですけどねぇ〜」
すごく残念そうな笑顔で答える。
涙音の格好は…いつもどおりの学生服である。
靴下の色は青紫な色をしていた。
「…あっ…は、はしゃいでしまってすいません…
本番はこれからなんですよね。サバイバルとか何とか…
…取り敢えず皆さんよろしくお願いします。はい。」
そう言って周囲の金言部メンバーへ頭を下げた
443
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/07/28(火) 00:26:25
>>439
「はぁ。サバイバルねぇ。」
(お金がない生活でお金のありがたみを知るっちゅうことかなぁ。)
そう言って頭をかいたのは鈴元である。
朝は弱いがしっかりと目を覚ましてからの参加だ。
料理には手をつけていない。
口に合いそうにないだとか、食欲がないとかではない。
(運動前に食べて気持ち悪なったらどないしよう……)
(まぁ、食べんと失礼よなぁ。)
適当に甘そうなのを選んで皿の上に置こう。
「そや、聞きたいことあったんやけどぉ。」
「えっと。『部長もサバイバルに参加するん?』それとも『どっかで見てるとか?』
後、『女子と男子がおるけど、住居を別にするとかそういうのはあるん?』」
とりあえず気になったことを聞いていく。
ちらりと横目で別荘を見る。
特に思うことはないようだ。
「それと、僕枕変わると寝られへんのやけど、それの持ち込みも不可?」
一応、持ってきているらしい。
(そういえば、みんな知ってるお人さんらやねぇ。)
444
:
『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
:2015/07/28(火) 20:58:01
>>440
(小角・回答)
銀杏羽:
「ふふん。そうでしょうそうでしょう」
しきりに驚く小角に得意そうにしながら、
銀杏羽は小角の疑問に答えていく。
> 裸一貫とは言うけど、この帽子も取り上げられるのかい?」
「帽子くらいなら良いですわよ。流石に服とかまで取るわけにはいかないですし」
>>441
(荊木)
「眠くても食べておいた方が良いですわよ。
……食べ過ぎると吐いちゃうかもしれませんけど、
全く食べてないとお昼前にへばってしまいますわ」
眠そうにしている荊木に銀杏羽は心配げに声をかける。
彼女はもう目が覚めているのか、わりと普通によそっている。
>>442
(朱鷺宮)
「慌てずとも大丈夫ですわ。
そして残ったものはスタッフが全ておいしくいただくのですわ」
誰にともなく説明しながら、喜ぶ朱鷺宮を窘める。
>>443
(鈴元・回答)
「ある程度食べておかないと、午後まで持ちませんわよ。
一応、お昼までは無補給で行くんですからね」
甘いものを選んでいる鈴元に声をかける銀杏羽。
彼女もそれなりに食べ物をよそっていた。
>『部長もサバイバルに参加するん?』それとも『どっかで見てるとか?』
「もちろん参加しますわよ。でないと意味がありませんし!」
>『女子と男子がおるけど、住居を別にするとかそういうのはあるん?』
「余裕があるなら……ですわね。
余裕がなければ当然雑魚寝とかそういう感じになるんじゃなくて?」
>「それと、僕枕変わると寝られへんのやけど、それの持ち込みも不可?」
「不可ですわ。わたくしも枕が変わると寝られませんけど……
『思い切り疲れればどこであろうと寝られる』という言葉を信じることにしますわ……」
>>440-443
(ALL)
「さて、食事の準備もできたところで改めて紹介することにしましょう。
知ってる方もいると思いますが、新入部員の涼とレイですわ!」
ワー ワー ワー
(気分的な擬音)
ちなみに銀杏羽の服装は膝丈のワンピースの下に黒のレギンス。
足元はスニーカーと、ワンピースを除けばあまりお嬢様らしさはない。
流石にヒールの高い靴で山を登るとか言い出すほど常識知らずではないらしい……。
「もぐもぐ。あ、ちなみに今回のイベントはレイの希望でもあるんでしてよ。
その前から計画してはいたのですが……、見事に言い当てられたのですわ」
銀杏羽は食事をとりつつ、そんなことを言う。
「あ、ケータイや貴重品の類をまだ持っている方は、
今のうちに係の者に預けておいてくださいまし」
見ると、中庭の脇に本当に黒服の男が二、三人ほど待機していた。
サングラスをかけていたりはしない。みんな意外と純朴そうな瞳だ。
(※忘れていて申し訳ありませんが、能力詳細と外見(服装とか)の提示をお願いしますわ。
所持品については『なし』の状態から始めるので必要なくってよ)
445
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2015/07/28(火) 21:49:55
>>444
(GM)
>>441
>>443
(荊木、鈴元)
「ああ、それはよかったよ部長。
やはり、帽子があると気持ちが入るからね。コートは暑すぎるけれど……」
銀杏羽にそう返して、帽子の角度を直す。
その目にはなにやら熱意がこもっていた。
・ ・ ・そして。
ムシャムシャ
(こ、このパンはやけに美味しいなあ……)
パンを食べながら鈴元と荊木を見る。
前者は知った顔だ。後者はまったくもって、初見だ。
ゴクン
「……おほん、きみが荊木さんか。はじめまして。」
「わたしも、自己紹介しておくぞ。
副部長の小角 宝梦(おづの ほうむ)だ。よろしくね。」
ニコリ
二人に挨拶する。
そして鈴元の方を向き――
「きみ、ミスコンの件では大活躍だったようだけど……
ふふん、今日はわたしの活躍を見せてやろうじゃあないか。」
いやまあ競争するわけではないのは分かっているのだが。
そして黒服に携帯電話とか財布とかを預けた。
(や、やはりお金持ちの家には黒服がいるものなのか……!)
――――――――――――――――――――
『真実』を教えてくれるスタンド。
対価として金銭を支払う必要がある。
『イル・ソン・パティ』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:なし 成長性:D
□能力詳細□
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/486-488
□外見□
シルバーブロンドの髪に、茶色い瞳。
目は大きく、丸い。
服装はベージュの吊りスカートに、白シャツ。
両手に薄手の白い手袋。靴はスニーカー。
鹿撃ち帽をかぶっているのが特徴。
446
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2015/07/29(水) 01:16:16
>>444
(GM)
「うー」
「ハイ…。
部長も参加するんすね。
私も帽子持ってくればよかったなぁ」
モソモソ
部長に心配された、
ので目の前のご馳走を最低限取り分け、
口に運びます。
「あっ、うめーっす。
にしてもドンピシャとは
ビックリですよ」「どーぞ」
執事さん(?)に、
携帯電話を渡しておきます。
>>445
(小角)
「どうも小角さん。
『荊木莉(バラキレー)』っす。
今日はよろしくお願いします」
ペ
コ
ォ
深々とお辞儀をします。
_____________________________
『石仮面』を被った、屈強な人型のヴィジョン。
触れた対象の『顔』に『石仮面』を発現する能力。
『スティル・ライフ』(Still life)
破壊力:A スピード:B 射程距離:E
持続力:D 精密動作性:A 成長性:E
《能力詳細》
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/664
《外見》
特筆すべき事のない体型。
二重で黒目がちの瞳、メガネ、八重歯、大きい口。
服装は前述の通り(
>>441
)です
447
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/07/29(水) 01:20:19
>>444
(GM)
「……さいですか。」
適当に胃袋に入れておこう。
お腹痛くならない程度に。
(……雑魚寝になったら、距離を置いて寝よう。)
あまりそういう事に慣れていないのだ。
小さいころは母や姉と一緒に寝たがそれとこれとは別だ。
腹七分といった具合で食事を止める。
すると、銀杏羽から紹介を受けた。
「あ、新入部員の鈴元涼ですぅ。よろしゅうにぃ。」
にこりと笑って手を振る。知らない相手はいない。
自己紹介をした後、皿をテーブルに置いた。
食事は終了だ。
>>445
(小角さん)
鈴元は彼女を知っている。
面白い、というか真面目な人だと思っている。
「ミスコン?あぁ、まぁ、おおきに。」
ぺこりとお辞儀をして感謝の意を告げる。
照れて赤くなりはしない。通常運転だ。
「じゃあ、今日は小角さんのエエとこ見してもらおかなぁ。」
優しく笑う。相変わらずの表情だ。
「それと、前はイジワルしてごめんねぇ。」
前の件を謝っておいてから、荷物を預けに行く。
大きなカバンを大事そうに渡した。
愛用の枕とぬいぐるみがはいっているのである。
(ここ、猛獣出えへんやろなぁ。)
___________________________________
『ザ・ギャザリング』
破壊力:C スピード:C 射程距離:B
持続力:D 精密動作性:C 成長性:B
その手で『揺らした』ものを『目を奪う』『花びら』へと変える。
能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/680
外見
黒い肩まで伸びた癖毛。
白い肌と、貧弱とも取れそうな華奢な体つき。
服装
作務衣。足袋、雪駄。
前髪が邪魔にならないように姉から借りたカチューシャを付けている。
448
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/07/29(水) 01:30:19
>>444
(GM)
「食べ物はムダにしない。その姿勢は金持ちであっても持つべきものです。
ますます持って感心しました!」
どこか嬉しそうな表情で答える。
「んむ、これは…
どれもこれも…形容しがたいです…
うまいです!すっごくうまいですぅぅ!」
涙音はとても感激しているようだ。
料理番組のナビゲーターみたいなリアクションである。
「むっ…と、すいません、
はしゃぎすぎてしまいましたね」
そして…新入部員に向けて顔を向けた。
>>446-447
「えーっと、こうして部員として出会うのは初めて…ですよね。
多分。」
そう言って荊木と、鈴元の二人に目線を向ける。
「私は…朱鷺宮涙音と申します。
その…サバイバルなんて初めてですけど…
色々とご迷惑をおかけしないように頑張ります!」
そう言って大きく頭を下げた。
能力詳細:
『軍服』を纏い、『ライフル』をその手に持つ女性の軍人のヴィジョンのスタンド。
このスタンドが触れたもの、あるいは発射したライフルの銃弾が命中したものに
『攻撃』へと『向かう』性質を持つ的を設置する。
『フォートレス・アンダー・シージ』
破壊力:B(C)スピード:B 射程距離:E(B)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:B
※()内は銃のもの
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/662-663
※服装※
秋映学園の夏服。ロングヘアで、頭頂部に2本のアホ毛が飛び出ている。
前髪に赤いメッシュがいくつか入れてある。
靴と靴下は青紫色。
449
:
『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
:2015/07/29(水) 02:30:31
>>445-448
(ALL)
黒服:
「お荷物は我々が責任もってお預かりいたします」
黒服達が荷物を受け取った。
その後も、運動の妨げにならない程度に食事をとり……、
銀杏羽:
「さて! そろそろ登山に向かうとしますか。
最初は緩やかな坂道なので腹ごなしにちょうど良いらしいですわよ」
「わたくしは登ったことないですけど……」
そう言って、銀杏羽は四人を先導し始める。
彼女の背後にあった門(裏門だろう)が開いた。
特に問題がなければ、移動開始になりそうだ。
銀杏羽の向こうに見える山には(どこまで続いているか分からないが)
草が取り除かれて地面が剥き出しになった道があるらしい。
広さは……大体人が二人くらい並んで歩けるくらいか。
後ろが良いとか前が良いとかがあるなら、今のうちに言っておいた方が良いかもしれない。
■MAP
(以降のMAPの表記ルール)
※━(太線)でくくったものは何らかの建造物(に類するもの)
※―(細線)でくくった場所は草の生えていない道
※それ以外の場所には基本的に下草が生い茂っている
木 木 木 | | 木 木 木
木 木 木| |木 木 木
木 木 木 入り口 木 木 木
━━┳━━ ━━━━━┓
屋 ┃ 銀 ...┃
┃ 小 朱 .┃
敷 ┃ 鈴 荊 .┃ ←中庭
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
450
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2015/07/29(水) 03:11:15
>>446-447
(荊木と鈴元)
「ふふん、今日のためにサバイバルの知識も蓄えたんだ。
それにわたしは……探偵になる女。青田君はいないが、知性面はまかせておきたまえ。」
フンフン
自信があるようだ……
二人に頼もし気(に見えるかは知らない)に胸を張ってみせる。
それと、鈴元に対しては。
「前のことは、べつに気にしていないよ。
もうウソはつかないって、言ってくれたしね。」
ニコ
そう言って、笑みを浮かべた。
……さて、ご歓談タイムはこのへんのようだ。
>>449
(GM)
「うむ、いよいよスタートだね。」
サバイバルタイムの始まりということ。
「登山か……わたしもあまり経験はないぞ。
小学校の遠足で、登ったような気もするけれど……」
「まあきっと、なんとかなるかな。」
いきなり頼りがいのないことを言う小角。
歩く順番としては、あまりこだわりもない。移動についていこう。
451
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2015/07/29(水) 23:18:21
>>447
>>448
(鈴元さんと朱鷺宮さん)
「よろしくッす」
ペ
コ
ォ
お辞儀をします。
>>449
(GM)
「登山っすかぁ。
自分割と得意っすよ。
ほら、この日の為に、
バイトしてスニーカー買ったんすよ!」
真新しいスニーカーを自慢。
「えっさ、
ほっさ」
小角さんと同じく、
順番にこだわりはないですが
せっかくだし先頭を歩いて行きましょう。
452
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/07/30(木) 00:36:52
>>449
(GM)
(……さてと、どないしよかな。)
普段長距離を歩いているので体力の問題はない、と思いたい。
しかし暑さなどの問題もある。無理をしては元も子もない。
こういうときはゆっくり、確実にが鈴元家の教えだ。
「今日の天気予報見た人おるやろか?」
日常会話でもしながらゆっくり行こう。
歩く位置はどこでもいいが、全体の後ろが好ましい。
調子が悪そうな人間がいれば分かるし、前の人間のペースで歩くことに不安はない。
(熱中症とか日焼けとか恐いんよなぁ。)
日焼け止めは塗ったが帽子はない。
453
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/07/30(木) 01:01:33
>>449
「…取り敢えずごちそうさまでした。
…ちょっと食べ過ぎてないかな…」
ふう、と軽くお腹をさすりながら一緒に歩き出す。
「ふう…登山といえば…
神社の階段を登った日々を思い出しますね…
あの階段のものすごい段数と比べればまだまだ…」
そう言って後をついていく。
まだまだ余裕そうだ。
「順番…取り敢えず先頭を行ってみたいですけど…」
特に理由はないが、前を進んでみたい気分だ。
涙音はしっかりとした登山用シューズで登山を開始する。
>>451
「…よろしくです。
これから長い付き合いになると思いますよ。」
そう言って軽く微笑みかけた。
454
:
『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
:2015/07/30(木) 01:29:04
>>450-453
(ALL)
というわけで、荊木と朱鷺宮を先頭に、その後ろに銀杏羽と小角、
最後尾に鈴元の順番で移動を開始する一行。
―― 通路(南) ――
■MAP
木 木 木| |木 木 木
木 木 木 | | 木 木 木
木 木 木| |木 木 木
木 木 木 | | 木 木 木
木 木 木|朱荊|木 木 木
木 木 木 |銀小| 木 木 木
木 木 木| 鈴 |木 木 木
木 木 木 | | 木 木 木
木 木 木| |木 木 木
日差しがキツイ陽気ではあったが、山の中に入るとなかなかどうして、
木々が太陽光線を遮ってくれていて、意外と涼しい。
それでも暑いことに代わりはないが、僥倖といったところだろうか。
銀杏羽:
「今日の天気は全国的に晴れ! と聞きましたわ。
雨が降ったりする心配はないとみて間違いないでしょうね。
レイのスニーカーが汚れる心配も(多分)ありませんわ!」
鈴元の疑問に銀杏羽が意気揚々と答える。
いや、サバイバルである以上スニーカーはおろか衣類が汚れる可能性も
十分あるというかむしろ汚さないことなど不可能なのだが、
泥でビチャビチャになることはない……と言いたいのだろう。
チョロ・・・ チョロ チョロ・・・
少し歩くと、右手側から水の流れる音が聞こえて来る。
ひょっとすると、そちらの方に川があるのかもしれない……が、
そちらの方に道はない。今のところ、まっすぐという感じだ。
銀杏羽:
「この音……右の方に川があるみたいですわね」
銀杏羽が耳を澄ましながら言う。
前方は、少なくとも100メートルくらいはまっすぐ道が続いているようだ。
455
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2015/07/30(木) 04:44:30
>>454
(GM)
チョロ・・・ チョロ チョロ・・・
「おおっ、川があるのか!
うーむ、本格的な山登りって感じがするなあ。」
「ちなみに、もし遭難しても川に沿って歩けば街に出られるんだよ。」
「ふふん。」
ドヤー
一通り、知ったようなことを言う小角。
まあ、今のうちだけだと思って我慢していただこう……
明らかに小角が、一二を争うほどに貧弱なのだ。
456
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/07/31(金) 01:28:26
>>454
(GM)
山の天気は変わりやすいらしいのでどこまで信用していいものか疑問は残るが
心配しすぎても気を無駄に使うだけなので鈴元は考えるのを止めた。
「川あるんやねぇ。」
普通のキャンプならその辺りでテントでも張りたいところだ。
サバイバルだし、テントも持ってないが。
「水筒ないし、水分補給どないしよかなぁ。」
涼しくても長時間動いていれば嫌でも水分は体外に放出されるだろう。
脱水は恐ろしい。
(まぁ、上でも流れてるとは思うけどぉ。)
>>455
(小角さん)
「いや、エラい物知りさんやねぇ。」
小角の知識に賞賛を送る。
どこかで聞いたことがある気がするが思い出せない。
から初めて聞いた扱いでいいだろう。
「あ、川ないときってどうするん?」
457
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/07/31(金) 23:29:34
>>454
「ふうー…結構涼しいですねー。
でも山はてっぺんに近づくほど紫外線の量も増えるらしいですから
お肌には気をつけないといけないですね…」
そう言って軽く空を見上げる。いい陽気の青空から時折太陽の光が漏れる。
そして、部長が呼びかけた方に軽く目を向ける。
何があるのかを少し注意深く見ておくつもりのようだ。
「あら、きれいな川みたいですけど…
生水を飲むのは危険かもしれないですよ?
その…いろいろ微生物が居たりして…」
川があるかもしれない、ということを確認して、少し心配な表情になる。
…経験があるのかもしれない。
「…川の先が滝だったりしたらどうなるんでしょうかね…」
小角の知識を軽く耳に挟んで、思わず答える。
458
:
荊木レイ『スティル・ライフ』
:2015/08/01(土) 00:35:36
>>454
「そうっすよねェ」
「い、いやッ
別に部長の合宿に反対なんて、
そんな事はないんですけれど・・・」
歩き始めて僅かな時間しか経過していないが、
喉の乾きを覚え始めた。
「この時期ですし、
鈴元さんの言うとおり、
熱中症や脱水症恐いですし…
今からでも『飲水』持参だけは、
アリにしてもいいんじゃあないすかね…」
「あ」
「もしかしてヤバくなったら、
部長のヘリが救援に来る、とか?
いやあ、ちょっとした冗談っすけど」
新米といえど荊木莉はこれでも最年長で、
れっきとした『お姉さん』なのだ。
万が一にでも、部員の身に何か起きるのは避けたい。
自分には責任と義務があるのだ。
「なぁーんて、思ったりして。
ニハハハ・・・」
459
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2015/08/01(土) 01:25:18
>>456
(鈴元)
「ふふん! 当然だろう。
わたしは金言部の知性担当だからね。」
ドッヤァ
ますます天狗になる小角。
これは手が付けられないか? と思われたが――
「……か、川がないなら……」
「うう、そ、それはだね……」
さらに――
>>457
(朱鷺宮)
「たっ……滝!? そ、そんな、まさか……」
「ううう……」
追い打ちに黙り込む小角。
「な、なぜ二人して意地悪を言うんだ……まったくもう。」
……ややむくれた表情。
まあともかく、山道を歩くのである。
460
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/01(土) 01:58:12
>>459
(小角さん)
「はぁ。知性担当。そういうんがあるんやねぇ。」
真面目に返答した。
(部長は富豪担当かなぁ。)
多分そういうことではない。
「滝……ねぇ。」
可能性はゼロではない。
低い可能性であることは否定できないが……
「あぁ、すんません。」
ややむくれた小角に対して素直に謝っておく。
なんというか、普通に申し訳ない気分だ。
(イケズしたつもりはないんやけどなぁ。)
結果的にそうなったしまったので謝ったのだ。
なにはともあれ、何もないならそのまま山道を進んでいこう。
461
:
『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
:2015/08/01(土) 02:39:02
>>456
(鈴元)
銀杏羽:
「確かに、飲み水の確保は一計を案じないといけませんわね。
ですが、それでこそ燃えるというものですわ!」
多分銀杏羽は無策だが。
まあ最悪、自分の手を器にしたりするんじゃなかろうか。
幸い、水源はすぐ近くにある。
>>457
(朱鷺宮)
「ちょっとくらい平気ですわ!」
胸を張ってとんでもないことを言いだした。
「……というのは冗談としても、流石にわたくしだって川の水をそのまま飲む気はありません。
砂利と落ち葉と砂と服さえあれば、誰でもお手軽に濾過装置が作れる方法を調べてありますわ」
「……おっと、あまり簡単に方法を説明しては『面白味』がありませんわね……」
……まあ、サバイバル系の知識では布や砂利などでお手製の濾過装置を作るのは
わりとありふれたものかもしれない。ゲテモノであることは否めないが。
>>458
(荊木)
銀杏羽:
「飲料水も自分達で確保する方針でいきます。
飲料水の確保もサバイバルの醍醐味の一つですわよ。
水の確保から濾過まで、我々で行うのですわ」
お嬢の癖に妙なところだけ妥協を許さないスタイルなのであった。
多分十中八九途中で音を上げるハメになるのだが……。
「まあ心配せずとも、本当の本当にマズイ! という場合にはきちんと助けが入るように
なっていましてよ! ただし具体的にどういう体制かについては詳しく説明すると
サバイバルの緊張感を削ぐおそれがあるので秘密ということにさせていだたきますわ!
バァ ――ン !
流石にヘリは来ないようだが、最低限の安全ラインは考えているらしい。
>>459
(小角)
「……宝梦可愛いですわー。
わたくしは頼りにしていますわよー」
隣でしょげる小角の頭をポンポンする。
一歳しか違わないが、気分は姪か何かを相手にしているノリであった。
462
:
『金言部夏合宿』 ―裸一貫サバイバル!―
:2015/08/01(土) 02:42:26
>>455-460
(ALL)
…………そんなこんなで、歩き続けること一〇分強。
銀杏羽:
「ひぃ、ひぃ……」
気持ち銀杏羽の息が上がっている気がしなくもないが、
ともかく開けたところに到着したようだ。
土が露出した道はここで終わっており、短めの下草が所狭しと生えている。
そして疎らに木が生えている……といった感じだ。
「……ここから見た限りでは、三つほど道があるようですわね」
銀杏羽の言葉通り、東西北と三方向に道が分かれているようだ。
■中継地点
木 木 木 木 木 木 木
木 木 木 木 木 木
木 木 木 木
木 木 木
木 木 木 木
木 木 木 木 木 木
木 木 木 木 木 木
木 木 木┌朱荊┐木 木 木
木 木 木 |銀小| 木 木 木
木 木 木| 鈴 |木 木 木
1st Stage 『昼』
「……さて、どうしましょうか。
一応、右側の方に川がありそうな感じはしますが……
食料も取らないといけませんし、二手に分かれましょうか?」
銀杏羽は首を傾げて一同に問いかける。
全員で一丸となっても良いが、少し時間がかかるかもしれない。
かといって、あまり少人数になっても迷子になったら大変だ。
現在時刻は――分からないが、
太陽はだいぶ真上に近づいている、ような気がする。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板