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【場】メインストリート その4
693
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 22:07:57
>>692
「? なぜですの?
勝手に飛んできたのはボールの方ですわよ?」
何故か罪悪感を感じている涙音に首をかしげる真理亜。
「? どうしましたの? 私の顔がそんなに可愛いんですの? キスしますの? ディープ? フレンチ?」
自分で言いやがった。しかもどっちも一緒だ。
「怪我……ああ、ダメージフィードバックのことですのね?」
ああ、と真理亜は納得する。
「それでしたら……私のスタンド、『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』って言うんですけれど……。
この子たちは、最初の一体に限りダメージが私にフィードバックしないんですのよ」
この子『たち』。つまり……
「『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』……全部で『三匹』いますの。三匹の子犬ですわね!」
子犬というには大きい気がするが……。
ともかく、真理亜は自分の『スタンド』を三体発現させて見せた。
694
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 22:21:03
>>693
「あ…いえ…
私、毎回こういうことがありますから…
近くにいる人が巻き添えになってしまったんじゃないかと…」
少し申し訳無さそうな顔で真相を明かした。
にわかには信じ難い話であるが…
「いや、怪我が心配だっただけであって…
決してそういうことをするつもりでは…」
慌てて両手を振って答えた。
「『ボンゾ…』ふーむ、なるほど…
あなたのスタンドは犬のスタンドで…
あっ…」
3匹スタンドが現れたのを見ると…
「なるほど…何匹か居るおかげで
怪我しないで済んでるんですね…」
ちょっとかわいいかも、と思った涙音は、
思わずなでに行こうとする
(…スタンドだから直にはさわれないんだったかな…)
695
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 22:56:21
>>694
「んー、巻き添えになったなら、それはその人がツイてなかったってだけですわよ。
運の悪さは別に誰のせいでもありませんわ。
……むしろ、涙音ちゃんが引き寄せてくれるおかげで他の人は守られてるかもしれませんわよ?」
と、涙音の言葉を疑うこともなく。真理亜なりに、彼女を気遣った。
というか、初めてまともなことを言った気がする。
「ですわ。今みたいに他の人を守るのに重宝しますわ。……いつも盾代わりにしているわけじゃありませんけどね」
と、答える。
「……? ああ、触りたいんですの?」
涙音の意図を察する。
「……ちょっと待ってください。確かここに首輪と犬耳が……」
と、荷物を探るそぶりを見せる。
涙音がドン引きする様子だったのなら、(そうでなくても)
「Just,Kidding!(冗談ですわ)」
と訂正する。
「えっと……確かスタンドってスタンド以外に『触る』か『触らない』か選べるはずですわね?」
と、涙音に『触れる』……つまり、『干渉』するように念じてみよう。
撫でることはできるだろうか?
696
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 23:03:16
>>695
「ああ…そうですか。
なんだかそう言っていただけると…
ちょっとこっちも気が楽になるような気がします…
自分の運が悪い分、誰かが幸せに…か」
ちょっと満足そうにうなずいた。
見た感じ表情が少しほころんだように見える。
「流石にそうそう何度も守れるようなものでもないですよね…
それに、ちょっと可愛そうですし…こう…犬とかの見た目ですと」
そう言いつつ軽くなでてみる。
「ん…触れた…と思います。」
スタンドが相手を殴りつけるのと同じ、干渉したいという意識を持つからこそできることだ。
つまり、触らせたいと思うのもまた鑑賞させるのと同じことだろう。
「うーむ、犬の毛並みって感じですねこれは…
ですが、不思議な感触もします…」
スタンドに生身でじっくり触る機会はさほどない。
こうして触ってみると…なんだか不思議な感触がする…気がする。
とりあえず顎をなでてみたり耳を触ってみたりする。
多分フィードバックなどがある可能性もある。
697
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/12(土) 21:47:14
>>696
『BD3B』は変則的なダメージフィードバックをするスタンドだ。
『一体目』には一切ダメージフィードバックがなく。
『二体目』からは部位相応……二体目がやられれば重傷。
そして、『三体目』がやられれば当然……。
つまり、ここで涙音が撫でたのが『一匹目』だったならその感触が真理亜に伝わることはないのだが……。
「ん……」
涙音が触ったのは別の個体……すなわち、『二匹目』だった。
つまり、撫でられる感触がダイレクトにFBする!
「ひゃぁ……」
顎を撫でられる感触が、耳を触られる感覚が、ダイレクトに真理亜に伝わる。
「……ああ、これが……愛……涙音ちゃんの愛を……肌で感じますわ……」
と、気持ちよさそうな表情をする真理亜。だが台詞は気持ち悪い。
……本体と同じく、撫でられているスタンドも気持ちよさそうに涙音に身を委ねている。
……真理亜が操ってるだけと言われればそれまでだが、まぁ、そこは目を瞑っていただこう。
698
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/12(土) 21:56:40
>>697
「…群体型のスタンドはよくわかりませんが…
こうな出られたらなにか感触が伝わるものでしょうかね…」
なんてことをつぶやきながらとりあえずその犬を愛でてみる。
「おーよしよし、
鳩尾にぶつかってきたりでもしなければ
ペットを飼ってみたいですがねー。」
どうやら動物は好きらしい。
相手はスタンドだが、だんだん夢中になって顔全体をワシャワシャとし始める。
「…あっ、あの、大丈夫ですか…?」
ハッとして、真理亜の顔を見て手を止める。
699
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/12(土) 22:37:00
>>698
「ペット……私でよければ涙音ちゃんのペットになりますわよ?」
ちっともよくない。
元々おかしな発言の多い真理亜だが、輪をかけておかしなことを言った。
撫でられた影響でふわふわしているのだろう。
「うふふふふ……えへへへへへ……涙音ちゃん……うふふ」
顔全体を撫でまわされ、目がとろーんとし始めた。まるで雌犬だ。
雌犬は流石に言い過ぎたが、本体スタンド共々完全に涙音に身を委ねている。
「あ……」
と、ここで見かねた涙音が手を止めてしまった。
残念そうな顔をする真理亜。
「大丈夫ですわ……ところで」
相変わらず目は調教された犬のようだが、本当に大丈夫なのだろうか?
「最近ですと、首に付けても痛くないし痕がつかない、人間用の安全な首輪があるそうですわね……」
大丈夫じゃなかった。主に頭が。
「私……涙音ちゃんになら……首輪をつけられてもいいですわ……」
その台詞はいったい何人に言うのだろう。たぶん、いや絶対誰にでも言う。
700
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/12(土) 22:48:08
>>699
「…いやその…」
ペットだの何だのと急に言い始めたのを見て
やばいとかそういうふうに思っているっぽい
「いやー…
まぁ、犬は可愛いと思いますが
人を飼うとかだとまた…あんまりそういうのは自分には…」
言い方を帰ると、ヒモってことかもしれないし、と考えていたり
「いや、首輪をつけるとかそういう趣味も私にはありませんけど…」
701
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/13(日) 22:58:12
>>700
「……はっ!」
と、雌犬の目をしていた真理亜の目が元に戻る。
「失礼いたしましたわ……涙音ちゃんがテクニシャンだったものだから……つい……」
と、誤解を招きかねない発言をする真理亜。
まぁ、一概に誤解とも言えないわけだが……。
「ま、まぁ……あれですわ。ペット云々は冗談にしても、涙音ちゃんについていきたいのは本当でしてよ」
平静を取り戻しつつ、真理亜は言う。
「ご飯を作ったり、お話ししたり、一緒に寝たり……ああ、なんて幸せなんでしょう……」
……もちろん、真理亜はこの台詞を誰にでも言う。
いや、誰にも彼にも言う。
702
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/13(日) 23:06:03
>>701
「いやその…犬猫は好きですから…結構そういうのを見ると止まらなくなっちゃいまして…
なんというか、そ、その言い方は」
誤解されそうな発言を聞いてひどく顔を赤くする。
でもある意味では同じようなことをやったような気がするので否定しきれない辺りも恥ずかしいところだ。
「付いて行きたいですか…
ですけど、流石にうちに直行して、
共同生活なんてのは自分には、自分にはまだ早いというか」
かなり困った表情である。
友だちと会うことはあるが、流石にお泊り会なんて言うのは小学生くらいに終わらせている。
「そ、それにあなたのご家族の方も
そういうことがあったら困るのでは?」
無理に突っぱねるというのも気を使ってしまうためか、
とりあえずは相手側の事情を聞いてみることにする。
703
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/15(火) 00:04:09
>>702
「まだ早い……ですか。
で、でも同棲は駄目でもせめてお泊りくらいなら……ダメ……でしょうか?
そうでなくとも……そう、合宿とか旅行とか……」
ちなみに真理亜は今まで友達とお泊り会をしたことがない。
……というか、むしろ友達が居なかった。ゴーストをゲンガーに、ゴーリキーをカイリキーにできないような子供時代だったのだ。
……もちろんこれは比喩で、実際には姉妹で何とかしていたわけだが。
「お父様(ダッド)とお母様(マム)……確かに、愛すべき両親に心配をかけるわけにはいきませんわね……。
でも、前もって伝えておけばきっと大丈夫ですわ。お父様とお母様はきっと私の愛を理解してくれますわ……」
まぁ、お泊りくらいなら許可してくれるだろうが、同棲はどうだろう。二つ返事で許可というわけにはいかないだろう。
704
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/15(火) 00:10:21
>>703
「んー、お泊りはともかく…
合宿ならばいいと思いますが…
そういう場合何か部活とかに入ってないとじゃないですかね?」
と、ふと思いついた部活が一つ有るのだった。
最も、誘うべきかどうかは迷いが有るところだ。
「んー、理解してもらうのに時間がかかるかもしれませんね…
友達の家にお泊りに行ってきます、というのとはわけが違いそうですし…」
少し悩み顔で答えた。
(…なんでまじめに答えてるんだろうな自分…
おふざけじゃなくてマジに考えてるからかな…この人が)
先程までは何かの冗談なのかと思っていたが、どうやら彼女は本気らしい。
ふざけては居ないからこそ、なんだか気を使ってしまうのかもしれない。
705
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/16(水) 20:06:23
>>704
「部活動……そうですわね、
部活か何かに所属しないと合宿も何もありませんわね……。
んー、どうしましょう……良い感じの部活を探してみようかしら。
ちなみに涙音ちゃんは何か部活に入ってらっしゃる?」
と、尋ねてみる。
言うまでもないが、真理亜は部活動に所属していない。
「そうでしょうか……そうかもしれません……。
この国は多重婚は認められていませんし……愛するのと結婚するのとじゃあわけが違いますものね。
……同棲は……どうなのかしら。そこまでは私詳しくありませんわ……」
706
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/16(水) 20:35:11
>>705
「いい感じの部活ですか…
そうですね、私が通ってる部活は…」
そう言って少し考えてから口を開く。
「私は、『金言部』というところに属しているんです。
…まぁこれだけじゃよくわからないですよね…
簡単にいえば、楽しく人生のためになる言葉、
『金言』を学んでいきましょうと言う部活です。
…と言っても、やってることはサバゲーだったり、以前やってたミスコンだったりしますけど…」
と、ある程度簡単に説明を行った。
金言部とは、部長の考え次第で様々なことが起こる楽しい部活なのである!
「ふーむ、私にもよくわかりません…
いろいろと世の中は大変ですからね…
住む場所が変わったりするのにもいろいろ事情とかが必要になりますし…
同棲も…相手次第ってことかもしれませんね。」
そう言ってため息を付いた。
なんとも、万人を平等に愛すということは大変なことなのであろう。
707
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/16(水) 21:37:35
>>706
「『金言部』……ですの。
『金言』というと……『汝の隣人を愛せよ』とか、『汝の敵を愛せよ』とか、
『人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい』とか、そういうのかしら?」
『金言』というのは、一般的には『格言』みたいな意味である。
なので、真理亜がそのような勘違いをするのも無理からぬことだろう。
……ちなみに全部聖書やら福音書やらだが、別に真理亜はクリスチャンではない。
服装も知識も単なる趣味である。
「サバゲーに……ミスコン……Oh,私ミスコンは見逃してしまいましたわ……。
見たかったですわ……愛らしい女の子たちが愛を振りまくイベント……。
もっとも、私が審査員になっていたらゲームが成立しないでしょうけどね」
……自覚があるらしい。
「Fmm……同棲は色々と大変なのですね……。
まぁ、同棲が無理でも仕方ありませんわ。別段問題もありません。
だって、愛に距離なんて関係ないんですから。
織姫と彦星なんて15光年も離れた遠距離恋愛で、一年に一度しか会えないのにいつまでも愛し合っているんですもの。
……このくらいの距離、手を繋いでいるようなものですわ」
なんと、真理亜の愛の射程距離はかなり長いらしい。
全てを愛すると豪語するだけあって、そのあたりはたくましいのだ。
708
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/16(水) 21:44:30
>>707
「うーん、お金に関する事のほうが多めですけどねー。
一応それも当てはまるかどうかはわかりませんけど…」
そう言って少し首を傾げた。
(にしても、格言の方も愛あふれるものばっかり。)
これには流石に感心しきりだ。
聖書というのは、愛溢れているものなのだろうか、と涙音も考える。
「ええ、まぁ本当に楽しかったですよ。
金言部単体にとどまらずに、それこそいろんなお店やら何やらもスポンサーになって
これまでにないくらいのビッグイベントになってました。」
そう言ってふと思い出す。
(…そういえば鳩尾に食らっていろいろ大変だったな…ミスコン。)
(…距離は関係ないか…使えるかも)
「そうですかー…ふむ、
遠距離恋愛というのもロマンがあっていいものですよねー。
むしろ、離れてても思いが通じるのが愛というものでは?」
と、さりげないアドバイスのつもりで、遠距離恋愛の良さを解いてみる。
うまく行けば、普通の人に見られるかも?と願ってのことであった。
709
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/16(水) 22:57:07
>>708
「お金に関すること……『愛はお金じゃ買えない』みたいなのですか?」
これは持論ですが、愛はお金で買えるんですよ。
……ただ、払った分しか買えないから、すぐになくなっちゃうだけで。
と、付け加える。
「スポンサー! はぇ〜、とってもすごいんですのね……」
思いがけないほどのビッグイベント。見学できなかったことが悔やまれる。
「そうですわよね。遠距離恋愛はロマンティックですわ〜。
もちろん、私の愛はどれだけ離れていても届きますし、
どれだけ離れていても私は皆を愛し続けますわ☆
……もちろん、反対に重なるほど近くてもね」
しかし、効果はないようだ。
どうやらもともと遠距離の愛情のよさは理解していたようであり、
同時に近距離の愛も愛していた。
遠近両用だったのだ。眼鏡だったらすごく便利だね。
「遠距離……といえば、涙音ちゃん。もしよろしければ……」
「連絡先交換(せきがいせん)、していただけないでしょうか……?」
と、スマートフォンを取り出して尋ねてみる。
710
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/16(水) 23:05:51
>>709
「ふーむ、良くわかりませんけどおそらくそういうのも含まれるんじゃないでしょうかね。
しかし…新しいかもしれませんね、そのお金で変えるという方は。」
どうやら彼女の言葉には少し興味を持ったようだ。
「ええ、自分も驚きましたよ。あそこまで人が集まるなんて思わなかったんですから。」
「…あ、たしかに近いのも…
重なるほどだと結構暑苦しくなるかも知れませんが…」
遠近両用が最もいい。そう考えるとぐうの音も出ない。
これ以上やっても望み薄か…
「え、遠距離…ああ、赤外線通信ですか?
も、もちろん構いませんよ。」
そう言って涙音もスマホ(開運キーホルダーが大量に付いている)を取り出す。
「えーっと、一応
メアド交換とかしておきますね。
それで、まぁ…急な電話とかはなるべくしないほうが…いいですね。」
と、連絡先を真理亜の元へ送った。
711
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/17(木) 23:38:31
>>710
「うふふ……これで私と涙音ちゃんも『友達』ですわね〜〜〜うふふ。
『お友達から始めましょう』ってやつですわ〜〜〜〜」
とても嬉しそうだ。
「これで私のアドレス帳に4つ目の名前が載りましたわ!」
愛おしそうに、嬉しそうに言う。
よく考えると結構悲しい気がするのだが、本人は嬉しそうなので良しとしよう。
「急な電話はNG……ですわね、覚えておきますわ。
他にもNGなことってあるかしら? メールは一日何通までとか、この時間帯は電話やメールはダメとか……」
と、確認をする真理亜。
こう見えて良識はあるようだ。
712
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/17(木) 23:45:32
>>711
「ああ、はい…
まずはお友達からということで…」
(…できればお友達をキープしたい…)
とりあえず表面上は笑いかけながら考える。
嫌っているわけではないのだ。決して。
「4つ目…
以外に少なかったんですね。」
ちょっと驚いた様子だった。
彼女の性格だといっぱい持ってるかもしれないと思っていたのだが。
「んーそうですね〜。
メールはひとまず一日に4通ほどが望ましいです…
それと、ここからここまでの時間帯は授業中なのでなるべくその時には
電話やメールはしないほうが…」
ひとまず条件を提示してみた。
自分が授業を受けている時間帯を述べて、
後は、細かな連絡の条件もつけてみた。
「まぁ、そんなに窮屈なものではないと、
私は考えてます。」
713
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/19(土) 14:17:25
>>712
「こう……積極的にいったら皆さん照れて逃げてしまいまして……」
あれよりも激しい「愛してますわ」をやったということだろうか。
そりゃ逃げるわ。
「1日4通……ですわね。分かりましたわ。
……限られた文字数の中でどれだけ想いを伝えられるか。それもまた、愛……」
メールの本文の文字数限界まで使った長文メールが来そうな気がするが、気のせいだろう。
「時間帯についてもわかりましたわ。私もその時間帯は授業中ですし……問題ありませんわね」
714
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/19(土) 14:35:29
>>713
「あーそれは…」
(確かに、逃げてもしょうがないな…)
先ほどの愛の言葉を思い出してちょっとわかると思った。
「それは、まぁ急に来られてみんなびっくりしてしまうんですよ。
ゆっくりといったほうが、おそらくは好かれるのではないでしょうか。」
と、とりあえずの提案をしてみた。
せめて積極的、という程度にまで抑えて欲しいと考えている。
「んー、はい…
とりあえず、それくらいがちょうどいいですよ。
あと、まとまった文章だと読みやすいと思いますよ」
と、更に一言付け加えてから、連絡先の交換を終わらせた。
715
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/19(土) 16:11:10
>>714
「確かに……急に出てくると何でも吃驚してしまいますわね……。
ええ、次からはねっとり……じゃなくて、じっくり? ん……ちょっと違うかしら? まぁ、ゆったりと行きますわ!」
反省が見られる。次からは上手くやるかもしれない。
……暴走しなければ。
「まとまった文章……ですわね。分かりましたわ。読みやすく読みやすく……」
作文にはあまり自信がありませんが、頑張りますわ! と真理亜。
716
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/19(土) 16:35:01
>>715
「そ、そうですね。ねっとりよりはゆったりのほうがずっといいですよ。
とりあえずそういうふうにしていけばいい感じの関係に慣れると思います。
えっと、いろんな人にですよ。」
そう言って頷く。
とりあえずは落ち着くといいな、と思った。
「うーむ、私も文章の構成は得意な方ではないですけど…
まぁそうですね。作文のようにまとめていくといいと思います。
そしたらきっと、ちゃんとしたぶんしょうになるかと…」
そう言って少しあたりを確認。
「っと、そろそろ帰らなきゃいけない時間かもしれないですね。」
717
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/09/19(土) 19:29:42
>>716
「ゆったりじっくり……愛を紡いでいく。先走ってはいけないのですね」
ゆっくり行くことを覚えた真理亜。次からは大丈夫だろう……きっと。
「作文のように……。覚えておきますわ。あ、絵文字とかも使った方がいいのかしら?」
画面がハートだらけになる気がするが、女子は結構メールでハートマークを使うかもしれないので、
そこは特に問題にはならないかもしれない。
「あ、そういえば今は夜中でしたわね」
そうでしたわ、と真理亜。
「思わず時間を忘れてしまいましたわ……涙音ちゃんが太陽みたいだったから」
「……あれ、ここは月の方が正しいのかしら……? いや、星……?」
何故か突然口説いてきたうえに、何とも締まらない。
「こほん。まぁ、とにかく……涙音ちゃんとのお話が楽しくてついつい時間を忘れてしまいましたわ。
また会いましょう、涙音ちゃん。今度は学校で……一緒にお弁当を食べたりとかして」
秋映学園が学食制なのか弁当制なのかは定かではないが、真理亜は弁当を持っていくタイプらしい。
かなり日本人色の強いハーフである。
「それではごきげんよう涙音ちゃん。May god bless you.(あなたに神のご加護があらんことを)」
……真理亜の修道服はあくまでコスプレである。
しかし、結構ノリノリなようで、涙音の無事をロザリオを使って祈るのであった。
718
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/19(土) 19:30:10
>>717
719
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/19(土) 19:33:16
>>717
「えーっと、そんな感じです…」
とりあえず、そういうので問題無いだろうと考える。
「絵文字は…まぁやり過ぎない程度ならば。」
「…私が太陽みたい…ですか。
まぁなんでもいいですよ。時間を忘れてしまうほど楽しい。
というならそれで良しです。」
少し嬉しそうな顔で応える。
「うーん…そうさせてもらいます。
まぁいずれおねがいしますよ。今度はご飯を食べたりしましょう。」
そう言って軽く手を振る。
「…神のご加護ですか…
今の私にとってはありがたい言葉です。
…それじゃまた。」
少し真剣な目をして、
涙音は軽く手を振り、この場から去っていった。
720
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 00:19:44
チリン
チリン
自転車を押して歩く、赤髪の少女――穂風。
黒いマントのような妙な服に、緑のエプロンという装い。
「…………ふう。」
(最近……ちょっと、涼しいな。
もう、夏、終わっちゃったんだ……)
野菜配達の行きだ。後ろに箱を載せている。
入荷したての秋野菜を、お届けする役目。
ガチャ
とはいえ休憩も必要。
道端に自転車を止め、自販機に向かい合う。
(…………何にしようかな。)
……自販機の前にいるので、邪魔かもしれない。
721
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 20:27:38
>>720
たまたま、偶然、同じ自動販売機を選んだだけ。
「・・・」
邪魔だなんてとんでもない、前の人の買い物が終わるまで待つのは『当然』のこと。
振り向けば、『秋映学園』の中等部の制服姿、五本垂らした三つ編みに太陽電池の髪留めの、小柄な女子生徒が待っているでしょう。
722
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 21:05:47
>>721
結局、『ミルクティー』を選んだ。
そこにいたるまでに、一分ほど悩んだが。
チャリン
「……」
ガチャ!
ガコン
「ふう……」
グッ
と、しゃがみ込んでから気づく。
つまるところ、後方の気配に。
チラ
「あっ……」
「す、すみません。
その、あ、待たせてしまいまして……」
(あ、この制服……)
ガチャ
ヒョイ
いそいそとペットボトルを回収する。
これ以上待たせるのは、悪い。
「あ、ええと、どうぞ。」
イソイソ
やはりいそいそと、自販機前を離れる。
……視線は、その女子生徒の制服に。
(あ、じろじろ見すぎかな……)
723
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 21:27:34
>>722
「いえ、お気になさらずに。先の人を待つのは当然ですので」
鋼を打ったような声色。年相応の、そしてハキハキした口調に、若干の嗄れが混じる。
「ありがとうございます。それでは」
ぺこりと頭を下げ、自動販売機の前に。
迷うこと無く炭酸飲料を購入します。
・・・
「あの、何か?」
「失礼ですが、どこかでお会いしたこと、ありますか?」
じっと見られているので、『顔見知りの相手だが、自分が忘れている可能性』を採用します。
724
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 22:54:22
>>723
「……あっ、す、すいません。じろじろと。」
「ええと、その。
会うのは、初めてです。」
コク
穂風はうなずいた。
発音に詰る所もあるが、はっきりした声色。
「……」
フイ
やや俯き、目を逸らす。
それから。
「ええと、制服が……
秋映学園の制服が、気になって。」
「……それで、です。」
視線の理由は、言うことにした。
意味もなく見ていたわけでもない。
キュル
キュル
穂風はボトルのキャップを捻り、開ける。
725
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 23:11:54
>>724
「そうでしたか。初めまして」
ぺこり
いちいちお辞儀をします。
「制服ですか? 私は『甲三耀』。秋映学園の中等部二年生です。
失礼ですが、あなたは私とそんなに歳が離れていないように見えますし・・・別の学校? ああ」
ぺこ
「すみません。最近引っ越しされてきたんですか?」
考え事が先走ってぶつぶつ喋りになりかけたのを謝りながら、推測を述べます。
726
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 23:33:07
>>725
「あっ、は、はじめまして!
すみません、その、挨拶が遅れて……」
ペコ
頭を下げ返す。
「あ……葉鳥 穂風(はとり ほふり)です。
あ、ええと、その……」
・・・・引っ越し。
少し逡巡する。
自分は確かにこの辺りに最近引っ越した。
「そう、ですね。
そのようなもので……」
「ええと。」
だが、単なる引っ越しではない。
そこには誇りのようなものもある。
「自立……というのがしたくて。
それで……今は、アパートで、一人で。」
なので、言うことにした。
わざわざ言うことでもないな、と、穂風は言ってから思った。
ゴク
ミルクティーを口に含む。
727
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 23:43:05
>>726
「すみません。気を使わせてしまいました。よろしく。『葉鳥』さん」
軽く一礼。
「自立。一人暮らしですか」
言葉遣いと所作はそれなりに丁寧ですが、根本的に愛想がありません。
「すみません。勝手に同い年くらいかな、と思っていました。そうですか」
「いいなあ。私も進学したら、親と話し合うつもりではいるんです」
それでも、普通に憧れたりうらやましがったりはします。
728
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 23:55:20
>>727
「あ、い、いえ。
そんなことは……」
「こちらこそ……よろしく、です。甲さん。」
(……しっかりした人、だなあ。
礼儀正しい、っていうのかな……)
穂風はそう思った。
愛想とかは、そんなに気にしてない。
・・・・ともかく。
「あ……ええと。
中学二年生……なら。」
パ
パ
小さく指を折って勘定する。
直で出てくるほどは、詳しくない。
「私の方が年上……ですね。
あんまり離れては、ないですけど……」
コクリ
それが分かっても、偉ぶる理由もない。
年ですべて決まるなんて世界は穂風は知らない。
「えへ……大変な事も、あるけど……
それに、いろいろ、やりたいことはあるけど……」
「でも、楽しい……です。今は、毎日。」
ニコ
穂風は微笑む。
自立を羨まれるのは、嬉しいこと。
クイ
ペットボトルを傾け――
ツルッ
「あっ」
ペットボトルが手から滑り落ちる。
自転車の運転で、手汗でもかいていたか――
729
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/30(水) 00:15:52
>>728
ムン
「どうか『ミヨちゃん』と」「そっちのほうが慣れていますから」
苗字で呼ばれるのはなんだか妙な感じだし、友好的に接してくれる相手には、親しみを込めて呼んでもらいたいですからね。
「いいなあ。大変で、色々あって、楽しい毎日。・・・あ。ちょっとはしたなかったですね」
「楽しい」と、そうは言っても、日々の苦労は絶えないし、毎日が本当に佳い日ばかりであるはずもなく。
それを本人ならぬ誰かが、聞いただけの誰かが外から訳知り顔で羨ましがるのは、行儀が悪い。
甲三耀は、そういうふうに考えます。
ぺこり
「すみま――」
> ツルッ
お辞儀をしかけた格好で、足が伸びきっていてすぐに踏み込めません。
手を伸ばしても届くわけも無く、それは最初から分かりきったこと。
そして甲三耀は、使えるものをあえて使わないことに美しさを覚えるタイプではありません。
つまり、
ゥヴッ!
ド ヒュ パシン!
『電光石火』の『ソナタ・アークティカ』によって危なげなくペットボトルをキャッチ。
それから、出来るだけ急いだように甲三耀が直接、足を踏み出し手を伸ばしてペットボトルを確保。
端から見ていれば、多少不自然に『落下物が減速した』とも見えるでしょうが・・・
『スタンド使いでなければ』、黒いセラミックの装甲を纏い、各所に太陽電池を嵌め込んだその姿は視認されない。
「すみません。取り落としましたね。大丈夫ですか?」
「涼しくなったとはいえ、まだまだ日差しも強いですし、『熱中症』だって油断大敵です。自転車で体力も消耗しますから」
「よければこれも飲んでください。糖分は最も手軽なエネルギー補給です。炭酸がお嫌いなら、失礼でしたが」
ミルクティーを返しながら、そして炭酸飲料も差し出しながら、近くで影があって座れる場所があるか探し、あったかどうか思い出します。
730
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/30(水) 00:32:41
>>729
呼び名とか、もろもろ、返答すべきことはあったが――
ゥヴッ!
ド ヒュ パシン!
「あっ――」
(……『スタンド能力』だ!)
ハッ
穂風には見えた。
見えたし、それをごまかすほどには演技力もない。
・・・・やや俯く。
「あ、ありがとう……ございます。
ええと、その、だ、大丈夫です。炭酸も……い、いただきます。」
「……ええと。」
以前、スタンド使いであると知られた。
――そして、危険な目に合った。
――そう、危険な目だ、あれは。
(ど、どうしよう。
知らんぷりも出来ないし……)
「ど、どこか……ええと。
座りませんか? お話、するなら……ミヨちゃん。」
「ひ……日差しも、その。
強いですし。今日は……」
とりあえず、立ち話もなんだ。
今すぐ逃げ出すのも、なんだ。
近くに設置されたベンチがあった。そちらを示す穂風。
一応、本来はバス待ちで座るもののようだが……人はいない。
配慮か偶然か、街路樹の影だ。
731
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/30(水) 00:47:17
>>730
>「あっ――」
何ごとも無く、『葉鳥』さんのペットボトルと自分のを手渡します。
今思考するべきは、影になっていて座れる場所。そして『ミヨちゃん』と呼ばれたことだけなのです。
「そうですね。そうですよ。あそこ――」「バス停ですが、ちょうど良く日陰です。座りましょう」
「あ、自転車、大丈夫ですか?」
ペットボトルを取り落としたことを『熱中症』の兆候である『手足の震え』と認識しているため、
『休息』が最優先事項。僅かでも負担を減らそうと、もし相手が希望するなら自分で自転車を押す所存。
732
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/30(水) 01:02:23
>>731
「あ、は、はい。」
「いえ、大丈夫、です。
その、自分で押せます。」
(親切な人だなあ……)
まさか熱中症疑惑とは思わない。
単に親切な人と受け取る。
・・・・前例もある。
コロ
コロ
自転車を押しつつ、ベンチへ。
ロードバイクと違い、店の自転車は重い。
ガコ
空でもない野菜箱も載っているし。
その意味でも日陰に行くのは重要か。
(配達の時間……は。
まだまだ、あるよね。早く出たし……)
・・・・どうせ飲み終えるまでは、休憩時間だ。
「……それで、ええと。
あの……あれ? なんの、話でしたっけ。」
「……」
影に着いたら、話の続きを切り出す。
いや、切り出す続きを忘れたのだが。
ゴク
ゴク
ペットボトル――自分の物の中身を飲む。
(なりゆきで貰っちゃったけど……
これ、よかったのかな……良かったんだよね?)
炭酸飲料のことだ。
スタンドのことは――言うべきか、迷う。
733
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/02(金) 00:28:44
>>732
「そうですか。無理はしないでくださいね」
歩調を合わせ、一緒に木陰のベンチまで歩きます。
不躾ですがちらりと『自転車』と『カゴ』を確認、荷物と服装から『休憩中』と結論。
つまり
「(もうちょっとお喋りをしていても大丈夫)」
手ぬぐいを仕立て直したハンカチを取り出し、ベンチを軽く拭ってから
「座りましょう」
「そう、何の話でしたか・・・」
着座をすすめつつ自分は座ります。続く言葉は少しだけとぼけた調子が入り、
「『スタンド』」「とか」
パ チン
傍らに立つ、厳めしくも華奢なシルエット。黒い甲冑の像――『ソナタ・アークティカ』が、火花混じりに指を弾き。
見えていたのは間違いない(声を出したし、目で追ってもいた筈ですから)けれども、最終的な確認の意味を込めて。
734
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/02(金) 00:51:12
>>733
「は、はい。無理はしません。
その、心配を。させてしまいまして……」
ガコン!
「よいしょ」
(ベンチ、拭いてる。
そういうものなのかな……)
ストン
自転車を停めて、座る。
そして――
「え、ええと、なんの……」
ピクッ
「――! す、スタンド――」
ごまかすべきなのか?
いや、もうそれには遅いだろう――と。
ザ ァ -- ・・・
穂風の傍らにヴィジョンが浮かぶ。
傘――それを人型にした様な、歪なヴィジョン。
「あ……」
「…………」
(頼んでもないのに……)
お節介を感じ、押し黙る穂風。
発現は自分の望みではない。
≪――お初にお目にかかります。
私め、『ヴァンパイア・エヴリウェア』と申します。
……以後、お見知りおきを。≫
ヴィジョンの、蝙蝠の頭骨のような頭部が口を開く。
穂風の意思ではなく、彼自身の意思で。老爺めいた声で。
「…………あ、あの、その。
わ、私も……なんです。」
「その……スタンド、能力を。」
モゴモゴ
もごもごと、言葉を発する穂風。
やや警戒した声色、とも言える。
・・・・悪人ではない、気はするが。
735
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/02(金) 23:19:37
>>734
カ!
踵をならして『気をつけ』の姿勢。
甲三耀なりの『敵意が無い』ことを示す姿勢です。
「ご丁寧にありがとうございます」
「『ソナタ・アークティカ』」「私、『甲三耀』の『スタンド』です」
『ヴァンパイア・エヴリフェア』に自己紹介。
『喋るスタンド』に、すこしだけ物珍しげな視線を送ります。
気持ちとしては『こういうこともあって当然、何故ならばスタンドだから』――
「葉鳥さん、『アークティカ』でペットボトルを拾った時、目で追っていましたから」
「多分、そうだろうなと思いました。驚かせてしまってごめんなさい」
黒い甲冑は微動だにせず直立不動。
「喋るんですね」
特に動じてはいないけれど、珍しさからつい不躾な聞き方になります。
736
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/02(金) 23:51:13
>>735
「あ、う……や、やっぱり気づきましたよね。突然だったので、その、驚いて。」
穂風のための、『突然』だ。
人型の傘――『ヴァンパイア・エヴリウェア』は揺らめき、穂風の傍に控える。
「い、いえ。こちらこそ……
その、黙っていようと、してしまって。
ええと……ソナタ・アークティカ。かっこいい、ですね。なんだか……」
ペコ
(謝ることでもない……かな?
でも、向こうも、謝るような事じゃないし……)
スタンド使いという属性は、進んで広めるものでもない……と思う。
・・・・そして。
《私めはお嬢様の従者ですゆえ――
従者には言葉もまた、必要……という、ことでしょう。》
大きく頷く蝙蝠従者。
穂風はそれを横目に見る。
「……半自立、って。
言うみたい、です。」
「…………珍しい、ですよね。
良いものかどうかは、分からないですけど。」
《……》
黙する駒を望むわけではない。
だが――心中は、それなりに複雑だ。
737
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 00:01:46
>>736
「ありがとうございます」
ムフン
「かっこいい」と言われたのが嬉しくて胸を張ります。
そして『ヴァンパイア・エヴリフェア』に
「『従者』。『スタンド』の新しい解釈ですね。そう考えたことは、ありませんでした」
「半自立」の言葉を頭の中で反芻して、何となくの理解を固めます。
それにしても、
「それにしても、葉鳥さんはあまり『スタンド』に肯定的ではないように見えます。仕舞った方がいいですね」
思ったことを素直に口にしてしまうのです。
そして『アークティカ』は解除。一条の電光とともに掻き消えるヴィジョン。
738
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 00:12:08
>>737
「……あっ、い、いえその。
スタンド……に、否定的とかでは、ないんです。私。」
それは事実だ。
事実能力は便利に使っている。
・・・・だが。
《私めが意思を持っている理由――それを考えるに。
私めは……ただ傍らに立つのではなく。仕える存在なのでしょう。》
「……」
(……ヴァンパイア。
私の従者? ただの道具じゃない、けれど……なんなんだろう?)
穂風は己のスタンドとの関係性を、定義しかねている。
それだけだ。
「ただ、その。ええと……
甲さんにとって、あの、スタンドって、どういう……ものですか?」
だから、聞くことにした。
こういう時、従者は何も言わない。
739
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 00:23:15
>>738
(訂正)
「ただ、その。ええと……
甲さんにとって、あの、スタンドって、どういう……ものですか?」
↓
「ただ、その。ええと……
ミヨちゃんにとって、あの、スタンドって、どういう……ものですか?」
740
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 00:45:57
>>738
「そうでしたか。すみません、早合点をして」
だったら、どういうことなのだろう? と甲三耀は考えます。
『スタンド』とは自分自身の精神、その現れであり、例外は幾つもあるけれど、『アークティカ』についていえば間違いなくそう。
彼は彼女の『スタンド』で、でも彼には自立した意識があって、自分を『仕える存在』、と言う。
そういう『スタンド』があっても驚きはないけれども、
「(戸惑い?)」
もし『アークティカ』が同じようなことを言い出したら、どう思うかを考えると、一番しっくりくるのはその言葉でした。
そして
「私にとって、ですか」
答えます。
「『スタンド』とは『武力』。人を傷つけることも、あるいは殺してしまうこともできる『武力』です」
「例えば拳。例えば刀。例えば大砲。例えばドリル。例えば―――挙げればキリがありません」
「そして、だからこそ、そういった『暴力』から誰かを守ることの出来る『武力』。それが私の『ソナタ・アークティカ』」
バチッ
再び発現する『アークティカ』。甲冑に走る電流火花。『太陽のビート』。
「でもそれだけではありません。私の『アークティカ』は重いものを運ぶことも、ちょっとした怪我を治したり、痛みを和らげたりもできるのです」
ムフン
カッコいいのです。
741
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 01:03:37
>>740
「あ、いえ、その、お気になさらず……」
コク
穂風は頷く。
・・・・そして。
「武力――」
(スタンドは戦う力……そうだ。
私だって戦える。戦いたいとは、別に思わないけど……)
「です、か。
それも、守る、ための……」
(自分以外の、誰かのため――)
なんだかかっこいいな、と穂風は思った。
人のために力を振るう。
「……」
≪私めも、出来ることは負けておりませんよ。お嬢様。≫
「……どうだろうね。」
利便性は知っている。
雨よりも速く、高く、軽い。
だが、出来る事――用途の幅は例え並べても。
出来る事――目的では。
「私は……
誰かのために、力を使うって――
考えたことなかった、です。」
偶然誰かのためになったことはある。
だが、誰かを守るための力と、意識したことはなかった。
・・・・自分の力の意味は?
自立するためだけの力なのか?
「ミヨちゃんは……
かっこいい、ですね、なんだか……」
「スタンドだけじゃ、なくて。」
穂風はそう思った。
≪……≫
従者は何も言わない。
742
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 01:29:18
>>741
かつてズタズタに引き裂かれた右手と、ギタギタに打ち据えられた左手と。二つ拳を並べて握り。
「ありがとうございます。まだまだ、道半ばではありますが」
ぺこりとお礼。
「『スタンド使い』には――現実に、『人を傷つけて、殺してしまって、何とも思わない』、そんな人もいます」
目の前で、何の意味も無く、殺された彼を思い。
そして結局のところ、
「結局のところ、私は私が辛い思いをしたくない、っていうだけなんですけれどね。分不相応なのは知っています。力不足なのも分かっています。
けれど、手の届く相手の命を助けられない、そんなことはもう絶対に嫌。夢見が悪いっていう言い方がありますけど、あれって本当なんですからね」
だからこそ、甲三耀は『正義の味方』を志す。
いつかの問いと、その答え。「無敵であること」。
もちろん、今ここでそんなことまで言いませんけれど。
「ところで、葉鳥さん」
ムフン
「ちょっと疲れていたり、肩が凝ったりとか、昨日どこか傷めたとか、ありませんか?」
「もしあれば、言ってください。褒めてもらって嬉しいのでお返しに何かしたいのですが、『治療のビート』が私の出せる最高だと思うので」
よほど嬉しいので、ちょっと顔が近いかもしれません。
743
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 01:50:46
>>742
「……悪いスタンド使いがいる。
私も――――聞いたこと、あります。」
「見たこと……も。」
思い浮かべるのは雨の夜。
病たる者を相手取り、咲乱れた、夜。
・・・・甲ほどの『思い』は、ない。
だから実感はできない。
「あの時……私、は……」
(命……あの時、私は私が辛い思いがしたくなかったのかな。
夢見が悪いって、どういう気持ちなんだろう。
あの時私が……走ったのが、そういう気持ちなのかな……)
感情が欠けていたりはしない。
けれど穂風は――感情の名を知らない。
≪……≫
・・・・分からない。
お節介の従者も答えはくれない。
「……えっ、あ、は、はい。
つ、疲れですか……!?」
考えていたら、意表を突かれた。
痛みを和らげる。疲れを取る。
(あ……さっき、言ってた気が……と、というか近い……)
グイ
やや首を引く。
「あ……じゃ、じゃあ……
その、少し、肩こりが……」
荷物を持つことが多い。
仕事を始めてから特に、だろうか。
「あ、あの。治療のビート……って?」
≪……疑うわけではありませんが。
甲様、危険なことではありますまい?≫
聞きなれない単語。
穂風と従者は、それぞれ疑問に思う。
744
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 02:10:46
>>743
「『ソナタ・アークティカ』は」
もちろん疑問は解消しなければなりません。
「『太陽』の光を、ある種の『エネルギー』に変換します」
「拳に込めれば虎をも沈め、蹴り足に乗せれば百里を駆け、そしてまた傷ついた体や痛みを『癒す』こともできる」
バチチチチチ
「『太陽のビート』。その一端です。ちょっと最初は『ビリッ』!ときますが、そうですね。身近なところでいうと『電気風呂』みたいなものです」
「全然危険じゃないんです」
ちょっと近過ぎたので、すっと身を引き。
「いかがですか?」
相手がどう受け取るかは別としても。
満面に善意の笑顔。
745
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 02:21:34
>>744
「太陽の、光……ビートですか。
それが、『ソナタ・アークティカ』――」
(……逆、だ。
私は……雨だし。)
≪…………≫
天気の話は些細な話。
ともかく。
バチチチチチ
ビクッ
「わっ……」
(太陽……電気風呂っていうのは、知らないけど……)
≪――お嬢様。≫
「お、お願いしますっ!
び、びりっと来ても……大丈夫、です!」
ペコ!
やや真剣な顔で勢いよく、頼んだ。
太陽、それは吸血鬼の天敵。
(体験できるんだ。家にいたら絶対、させてくれなかったこと。)
血脈の因習は、太陽にあたることまでは禁じていなかったが――
きっと太陽をこの身で感じる日は、来なかったろう。
746
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 01:41:38
>>745
「わかりました!」
バチ
バチ バチ バチバチバチッ
若干、テンション上がり気味。
「ではちょっと、後ろに失礼します」
「出力は調整しますが、もし痛かったら言ってください」「もっと出力を下げるので」
立ち上がり、葉鳥さんの後ろに。
『肩もみ』のときにそうするみたいに、葉鳥さんの肩に『アークティカ』の掌をそっと乗せます。
『太陽のビート』。光を、激しく、そして優しい『癒す』ためのパワーに変えて、放出する。
「いきますよ。『治癒のビート』ッ」
ス ゥ
バ チ ン !!
『ソナタ・アークティカ』の能力。その応用。
・『治療』…軽い傷であれば、5分程で完全に治癒。骨折程度なら、『痛み』をほぼ感じない程度まで和らげられる。
『肩こり』がほぐれるのも、5分かかるかかからないか・・・そんなところでしょう。
747
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/04(日) 02:04:33
>>746
バチ
バチ バチ バチバチバチッ
「は、はい。痛かったら……言います!」
(ど、どうなるんだろう……
すごく、ばちばちしてる。電気みたいに――)
ドキ
ドキ
≪……≫
キョロ
キョロ
肩に置かれた手に、思わず左右を見る。
胸が高鳴る穂風。貴重な体験だ。
ドキ
それも、良い体験――
バ チ ン !!
「うわっ、わ……」
≪お嬢様、お嬢様。
大丈夫で御座いますか? 異常など――≫
「う、うん……平気。
なんだか……な、なんだろう?」
スゥーー ・・・
肩が軽い――気がする。
穂風は少しずつ解されているのかな、と思う。
「これが、太陽の……癒しのビート……
えへ、へ。不思議な、いい、感じがする……」
≪それは、何よりに御座います――≫
従者は穂風の傍に控えて、黙った。
穂風も、変に動いたりはせず、時間は経っていく――
・・・・
・・・・
748
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 02:12:10
>>747
パチ
パチン
「こんなところでしょうか」
パッ
手を離します。
約5分間の『ビート』。体が温まり、凝り固まった筋肉が解れ、血行も良くなっている筈。
「どうでしょうか。上手くいっているといいのですが」
749
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/04(日) 02:22:33
>>748
パッ
と手が離された。
「あ――」
グルン
試すように左の肩を回す。
「あ、あの。
すごく……その、肩が軽く。」
ポカ ポカ
「それに、体も……なんだか、暖かい、です。」
(何だかかゆい……?
お風呂のあと、見たいに……)
ニコ
笑顔を浮かべる穂風。
身体の調子が――良い。すごく。
・・・・これが。
「癒しの……太陽の、ビート。
あの、ええと……凄いですね。」
「う、上手く言えないけど……
その……ありがとう、ございますっ!」
ペコー!
感想はスラスラ出てこないが、礼は言えるものだ。
大きく頭を下げる。
≪私めからも、お礼を。
有難う御座います、甲様。≫
従者も、それに続いて頭を下げた。
・・・・そして。
「あ……わ、私、そろそろ行かなきゃ。
いろいろ、あの、ありがとうございました、ミヨちゃん。」
ベンチから立ち上がる。
仕事の時間は待ってくれない。
行かねばならない。
750
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 02:36:20
>>749
「それは、何よりです。喜んでもらえたなら、私もうれしい」
「それと、『エヴリフェア』さんもどうか『ミヨちゃん』と」「良ければですが」
笑顔で返答。褒めてくれた人に喜んでもらえるのは、言葉通り他意は無く嬉しいものです。
「良かったです。久しぶりだったから、上手く調整出来たかなって」
もちろん『弱すぎる』ことの心配です。
あんまり効いていない・・・という結果は、締りませんから。
「お仕事中でしたね。すみません、引き止めるようなことになって」
「葉鳥さん、最後に良ければ『連絡先』、交換しませんか?」
携帯を取り出しながら、自分も立ち上がります。
751
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/04(日) 03:13:47
>>750
≪いえ、私めは……
どうか、ミヨ様――でご勘弁願えれば。≫
「……」
従者は妥協した。
穂風はそれを横目に見る。
「調整……は、その。
私には、分からないですけど・……」
「けど、きっと。
上手くいったんだと、思います。」
ペコ
穂風は小さく頭を下げる。
黒いリボンが大きく揺れる。
「いえ、その、こちらこそ……」
ある意味、引き止めたのは穂風だ。
そして。
「――――連絡先、交換。
あの、教えてもらうことは、出来るんですが……ええと。」
「あの、その……
私、携帯は持っていなくて……」
欲しいと思ったことは、ある。
だが、到底手の届く品ではない。
「だから電話番号も……その、なくて……」
アパートに電話があったか……?
あまり覚えていない。使わないのだ。
掛けてくる相手も、掛ける相手もいないから。
・・・・つまり教えられる連絡先がない。
「あ、え、ええと!
私……阿武名荘、ってアパートに住んでます。
だから、その……来て、もらえれば。」
≪……お嬢様、家を教えるというのは――≫
ガコッ
グイ
小言を言いだしそうな従者を他所に、自転車のスタンドを起こす。
そして、穂風はサドルに跨って――
「では、その……また。
ミヨちゃんも、お元気で!」
≪……失礼致します、ミヨ様。≫
キコ
キコ
自転車をこいで、甲から遠ざかっていく……
752
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 11:31:56
>>751
「様」
慣れない呼ばれ方です。
気恥ずかしいというか。でも『エヴリフェア』さんにも一線があって、それは譲れないということなのでしょう。
「そうなんですか。では、私のを」
生徒手帳のメモページを一枚、千切って、携帯電話番号と、一応メールアドレスも記入。
筆記用具は必需品です。多少強引かもしれないけれど、その紙片を手渡し。
「『阿武名荘』、分かりました。いずれ近いうちにお邪魔しますね」
「ありがとうございました。さよなら」
ペコリ
自転車を漕いでいく葉鳥さんにお辞儀をして、鼻歌混じりにその場から立ち去ります。
753
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/11(日) 23:24:51
長身の少年が、自販機の前に立っている。
どうやら飲み物を買おうとして、何を買うかで迷っているらしい。
赤茶のオールバックを手で撫でつけながら、しばし思案。
(お茶か、ミネラルウォーターか……)
……非常にどうでもいい二択ではあったが。
(……ミネラルウォーターにするか)
それでもどうにか決めたらしく、財布を取り出した。
財布から小銭を出して、スリットに硬貨を入れようとして……
ツルッ
「あっ」
チャリーン
コロコロォー
……手が滑り、100円硬貨は無慈悲にも自販機の下へ転がっていく。
「…………………」「くそっ!」
たかが100円が惜しいというよりは、物を買おうとした時に金が消えて行ったという事実に腹が立つ……!
754
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/11(日) 23:37:39
>>753
「あ」
背後から声。
「何。小銭落としたの。
今、チャリーンって聴こえたよな」
755
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/11(日) 23:44:06
>>754
声に反応し、クルリと振り返る。
「……ああ、まぁ、そうだ」
忌々しげに深いため息。
「自販機……」「使うなら、お先にどうぞ」
そう言って、横に一歩引いて自販機の前を開けた。
小銭を拾うのは少し時間がかかりそうだし。
「俺は少し、小銭が拾えないか後で試してみる。
まぁ結構奥の方まで転がっていった音はしたが……」
756
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/11(日) 23:53:34
>>755
『ムムッ!
ソレハ一大事デスネ!』
板踏が振り返ると虎模様のワイシャツの上に
黒のジャケットを羽織った咥えタバコの細身の男と
深紅のカンフー服に身を纏った
弁天髪の屈強な体躯の人型スタンドが立っていた。
「あーあ、勿体ねぇ。
暇だし手伝ってやるよ。
おい、バカ。アレ出せアレ。物干し竿」
『バカデハアリマセンッ!
我ハ”フー・シュニッケンズ”デス!』
屈強なスタンドが、自身が纏っているカンフー服の広袖に手を突っ込み、
何やらごそごそとあさり始めた。
「ちなみに、マジでどうでもいいけどよ。
コカコーラの自販機ってすげー荒らしにくいらしいぜ。
バールが途中で詰まって、速攻ブザーが鳴るから、
自販機荒らしだけはやめておけってダチのヒロシ君が言ってたぜ」
757
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 00:04:39
>>756
「まぁ大したことじゃ……ッ!?」
いる。
なんかいるぞオイ。
「………………あ、ああ……」
「ああ……?」
なんか、なんかいる。明らかにスタンドがいる。
しかもなんか喋ってるぞ。本体らしき男と喧嘩(?)してるぞ……
思わず口をあんぐりと開けつつ、カンフー服のスタンドの動作を見守る。
「……ほ、本当にどうでもいいなその情報。
というか現代日本で自販機荒らしする奴なんているのか。……いるんだなその口ぶりだと」
……そしてなぜだろう。
ぞわ
ぞわ
この男とスタンドを見ていると、なんとなく背筋に悪寒が走るのは……
758
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 00:16:56
>>757
「けど某社の奴は、
作りが結構ちゃっちぃから割と簡単にイケるらしいッて、
あれ?なんだなんだ。お坊ちゃん、スタンド使いかよ。
俺が脳内のお友達と会話をする、
イタいお兄さんに思われなくて一安心だわ。
オラ、オマエ挨拶しろよ」
『ハッ!』
『我ガ名ハ”フー・シュニッケンズ”
ソコニオラレル”穂村老師”と共に
武ノ道ヲ探求スル武道家デス!
チナミニデスカ、アナタ様ノ
”スタンド”の”流派”ハドコデショウカ!』
本体らしき男に挨拶を促され、
きちんと挨拶をするカンフー服のスタンド。
「探求してねーよ。 『ハイ…』
ホラ、早くしろよ」
ズボオォッ
キィィンッ
『フー・シュニッケンズ』と名乗ったそのスタンドが、
広袖の中から白樺の鞘に収まった『日本刀(?)』を取り出し、
鞘から抜き取り、その刀身を改めた。
『フム、コノヨウナ使い方ハ
正直不満デハアリマスガ
『倭刀』ナラバ問題ナイデショウ!』
759
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 00:27:41
>>758
「それを危惧するなら人前で話さなければいいんじゃないか」
一般人から見たらかなり痛いお兄さんで間違いないが。
というか露骨に不審者だ。
とりあえず、困惑しつつも名乗り返す。
「あ、ああ……板踏だ。板踏甲賀……」
「……『スタンドの流派』ってなんだ?」
初めて聞いた概念である。
いや、そもそもそんなに多くのスタンド使いに会ったわけでもないのだが。
……そういえばミスコンの時に本体とは別に意志を持ってるっぽいスタンドがいたなぁ、とか思いだしつつ。
「うおっ」「……すごいな。刀が出せるのか」
すらりと出てきた刀に感嘆し……ちょっと距離を取った。
凶器を持っている人間……いや人間じゃなくてスタンドだが、それに対する正常な反応だ。
振り回すつもりはないのだろうということはわかるが、少しビビる。
760
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 00:42:13
>>759
「リュークに取り付かれた夜神月も、
極力人前で話すのは避けてたしな。
ドラマ版のデスノート観た?
あの月役の、名前忘れたけどなんとか君すげーよかったわ」
『窪田正孝殿デス』
「そうそうクボタ君。
スタンドの流派って言われてもよ、
何のこっちゃって感じだよな。
『伊賀』とか『甲賀』とか、そんなノリじゃねーか」
『シュニッケンズ』が腰を下ろし、
『倭刀』を自販機の隙間に突っ込み始める…。
『あッ!
ナンカ感触アリマス!
モウチョイデトレソウデス!』
「おー、そうか。
んじゃあとっとと取れよ。
板踏クンのお父さんが汗水流して働いて稼いだ金だからな」
『ト、トレマシタ!』
自販機の隙間から、
砂埃に塗れた100円玉が出てきた。
761
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 01:00:37
>>760
「ん、ああ、デスノートは観てたぞ。全部じゃあないが……。
音楽担当の服部隆之はやはり上手いな。次の大河も担当するらしいし、楽しみだ」
明らかに着眼点が違った。
「いやまぁ確かに俺は『甲賀』だが。
……強いて言うなら、『トランペット』が俺の『流派(パート)』ということになるか」
流派というか、剣術とか槍術とかそういうくくりな気もするが。
それでも強いて言うのであれば、それが一番近いだろう。多分。
そうこう言っている内に、『シュニッケンズ』が小銭の回収作業を始めてくれていた。
……『刀』をこんなしょーも無いことに使わせるのは、なんとなく申し訳ない気持ちになった。
「……なんか、悪いな」
(一応俺がバイトで貰った給料なんだが……まぁいいか)
「すまん、恩に着る」
無事に出てきた汚い百円玉を拾い上げ、指で拭う。
……まぁこの後すぐに自販機に投入するのだが、ともかく。
「助かったよ、『フー・シュニッケンズ』と……えーっと、『穗村ローシ』?」
762
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 01:13:45
>>761
スチャンッ
シュニッケンズが刀を広袖に収める。
「何、音楽好きなの。俺も好きだゼ。
ベースならそこそこに弾けるし、『ドラム』もリズム刻む程度ならできるぜ。
あのフェンダー、今じゃ部屋の隅っこでハンガー代わりに使ってるけど」
『確か、アニメノ影響デハジメタ、
ト言ワレ頭ニキタノデスヨネ。
元々左利キナノニ』
「ローシ、じゃねえよ。公康君だよ。
勝手にこの馬鹿が老師とか呼んでんだよ。
最近じゃあ「イイカゲン師父トヨバセテクダサイ」とか、
調子に乗ってっけど」
『ノッテマセン!』
グウゥゥゥ〜〜…
唐突に穂村の腹の虫がなる。
「なァ、
なんか焼肉とか食いたい気分じゃね?」
763
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 01:39:19
>>762
「おっ、本当か?」
音楽が好き――――そう聞くと、途端に板踏の表情が明るくなった。
が、今はやっていないようで、すぐに残念そうな顔をする。
「なんだ、今はやってないのか。
きっかけなんて何でもいいと思うんだがなぁ、もったいない」
「俺は『トランペット』以外だと、後はまぁピアノが多少弾けるぐらいだが――――」
ゾクッ
「―――――? ま、まぁ、とにかくそんなとこだ」
……また、背筋に冷たいものが走った。
なぜだろう。この男がドラムを叩いているところをイメージすると、悪寒が走る。
いままでそんなことは無かったのに、突然どうしたのか……音楽が好きだというのなら、悪い奴ではないはずなのに(※個人の感想です)。
「ああ、ローシ……老師、か。
……よくわからんが、複雑な関係なんだな」
スタンドは本体を尊敬しているようだが、本体の方はそうでもないらしい。
……板踏のスタンドはトランペットだから、そういう関係はよくわからない。
> グウゥゥゥ〜〜…
「ん」
「……焼肉か。まぁ確かに、そうかもな。
去年のコンクールの打ち上げで行ったっきりだし……」
「…………行くのか?」
764
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 01:51:29
>>763
理由はわからないが不意に背筋に走る悪寒。
そんな事など露知らず、吸い殻を携帯灰皿に入れて火を消す。
「音楽はいいよなァ。
リリンの文化のうんたらかんたらってカヲル君も言ってたわ。
そうそう、今日久しぶりにパチンコ行ったら
エヴァの新台で爆発したのよ。
実にヤクザらしい休日の過ごし方だわ。すげー健全」
ガシィッ
いきなり板踏の肩を掴む。
「なんか知らないけど、俺オマエの事割と気に入ったわ。
派手に勝ったし奢っちゃるよ。
俺がオシボリおろしてる店があるのよ。昼から焼肉とか激熱じゃね。
あッ、つってもどーみても未成年だから流石にアルコールはなしな。
って俺、どっちみち酒一滴ものめねーから。
ハサミで切る分厚いカルビ食わせてやるわ」
765
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 02:09:27
>>764
「リリン……あー……エヴァンゲリオン、だったか。
一度映画を観たことがあるが、あれは歌の入れ方が面白かったな、うん」
アニメはそんなに見る方ではないが、有名な作品なら知っている。
なお某ロードショーでやっていたのを見ただけである。
「へぇ、パチンコ……よくわからんが、よかったな」
「そういえばこの間俺の親が……」
「えっ、ヤクz」
> ガシィッ
「うぉっ」
……今すごく聞き捨てならないことを聞いた気がする。
聞いた気がするが、補足されてしまったこの状況で今更それを確認するのは正直怖い。
「…………」
ど、どうする。逃げるか?
いや、無理だ……なんとなくこの男からは逃げられない気がする。
なんとなく、逃げようとしたら回り込まれて仁王立ちされる気がする……!
「あ、あー……」
「そ、そうだな……昼飯には、少し重たいが……」
……ハサミで切る分厚いカルビか……
意外と真面目そうだし……大丈夫なんじゃないか?
そもそもこの悪寒自体根拠はない訳で……いやヤクザとか聞こえたような気もするが……
でもこの男、音楽が好きらしいし……
「……それなら、お願いしようか」
…………板踏は、少しだけ恐る恐ると言う様子で了承した。
766
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 10:05:46
>>765
「了解ウォッチ、だぜ」
『老師ッ!!
ソンナ乱暴ナ!!』
板踏の肩から手を放し、
ポケットに手を突っ込む。
「ここからだとちょいと遠いけど割と美味えぜ。
特にワサビカルビは絶品ヨ。
たぁんと食え食え。今度はお母さんも連れてきてな」
ザムッ ザムッ
そうして穂村と板踏は、昼の焼肉屋へと向かい
たらふく肉を喰らったのであった。
767
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/12(月) 23:58:43
学校には、今すぐは入れない。
突破口を探さなくてはならない。
それはそれとして。
――商店街。
かとう青果店。
「い、ぃらっしゃいっ!」
ペチ!
仕事は、しなければ。
手を叩き、声を張る。客寄せだ。
今日はいつもより、人が疎ら。
「かぼちゃ」
「にんじん」
「かぶ」
「ええと……松茸、も!
それにセロリや、トマトも、今が旬です!」
ペチペチ!
旬の野菜は……カンペを見ずとも言えるようになった。
こういうとき穂風は誇りに思うのだ、己の成長というものを。
768
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 00:12:13
センセー、サヨーナラー
ブリチャンバイバーイ
「はいはい、バイバイ。
寄り道しないで帰るのよ」
下校途中の生徒達と一緒に歩いていましたが、
途中で別れて晩御飯の食材の調達に来ました。
「セロリ頂けるかしら。
ブリスってば最近貧血気味気で。
えっと、舞茸とブナシメジはある?」
ウェーブがかったクリーム色の髪色に、青色の瞳の
外国の美女が話しかけてきました。
769
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 00:36:45
>>768
「あ……いらっしゃいませ!」
(……学校の先生?
いや、今は仕事……)
客に気づいて、声を張る穂風。
大きく頭を下げ、赤い髪と黒いリボンが揺れる。
・・・・それから。
「ええと、ええと……
セロリに舞茸に……
ええと……」
トトト
言われた野菜と菌類を手に取り、小さな籠に入れる。
そして、二つ目の菌類だが――
キョロ
「あれ……」
キョロ
「あ……す、すみません。
ぶなしめじは、その、品切れでして……すみません。」
なかった。
穂風は恐縮そうな声を上げる。
「あの、その……」
「か、代わりではないですが……
あの、しいたけや、えりんぎなら。」
チラ
コク
店の奥にアイコンタクトを送り――頷く穂風。
パッ
すぐさま客の方に向き直る。
ぎこちない笑顔で。
ニコ
「その、お安くしておきます。
あの……ど、どうでしょうっ……?」
「あと、ええと、貧血でしたら……
チンゲン菜とかも、入っていますけど。」
商魂というものも、覚えだした。
目を伏せ気味に、お客の反応をうかがう穂風。
770
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 00:48:38
>>769
「あら、そう。ッて
勉強してくれるのッ!
それじゃあせっかくだしエリンギを1パック頂くわ」
にっこり。
「今キノコって高いのに儲け儲け。
それじゃあ舞茸と、エリンギで炊き込みご飯を作って……
(ブツブツ)セロリは刻んで浅漬けにして…」
今日の献立を組み立ててみます。
「あら、そう。それじゃあ青梗菜も頂こうかしらね。
ブリスってば此処の所、貧血が凄いのよねぇ。
あッ、他に何かおすすめはあるかしら?
オミオツケの具に使えそうなお野菜」
771
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 01:03:49
>>770
「はいっ。勉強、させていただきます。
ええと、ありがとうございますっ。」
ゴソッ
エリンギもかごに。
ニコ
ニコ
これでお得意様にでもなってくれればもうけもの。
穂風はそう思うのだ。
(今日の晩ごはんかな……)
「……あ、は、はい。
ありがとうございますっ。」
トト
「貧血……ですか。
あの、お大事にしてください。」
ゴソリ
チンゲン菜もかごに。
それから。
「……オミオツケ?
あ、え、ええと……」
困った顔をする穂風。
オミソシルノコトダヨー
すぐに店の奥から助言が飛んだ。
別の人もいるのだろう。
「あっ、す、すみません!
ええと、お味噌汁なら……ええと。」
トト
「ネギ、とか……
あとは……」
トト
「とうがんなんて、その。
どう……でしょうか?」
ねぎと、とうがんを示す。
どちらも味噌汁には合うだろう。
772
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 01:14:58
>>771
「あらん…
もしかしてオミオツケって、
ジジババ語だったかしら…いやぁねぇ」
「それじゃあ」
ビニールテープで束になった長ネギと、
半切りでラップ巻きされた冬瓜を見比べます。
「冬瓜を頂こうかしら。
残った分はチンゲン菜と豚肉と一緒にオイスターソースで絡めて、
なんちゃって中華風炒めにするわ」
「お店番なんて偉いわねぇ。
ブリスのお家もお店やさんだけど、
実家いる時一度もお家の手伝いなんてしたことないわよ」
773
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 01:26:00
>>772
「あ、う……い、いえ。
その、私が知らなかっただけで。」
ゴソ
「よいしょっ……」
ゴト
とうがんを取る。
かごは、これで満員ってとこだ。
「ありがとうございますっ。
今が旬だから、その、美味しいと思います。」
ニコ
どうにもぎこちない営業の笑顔。
美味しいのは本当のはず。
「あ……ええと、ありがとうございます。
でも、その。これがお仕事……なので。」
褒められて、礼を言う穂風。
それから。
「ええと……ブリス、さんは。
その、何のお店屋さんだったんですか?」
ト
トト
世間話でも一つ、してみようと思う。
かごをレジの方に持って行きつつ、だが。
774
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 01:41:32
>>773
「はい、ありがとう。
美味しく頂くわ」
パチンッ
バッグからお財布を取り出します。
1000円札壱枚で足りるわよね…?
「ブリスの家?
ああと、東京の方でずーっと昔から『呉服屋』やってるわよ。
未だに呉服屋って何して生計立ててるか知らないし、
お店やってたお爺ちゃんもお祖母ちゃん、
それにパパもママも商売っ気ゼロだったから、
ブリスは継がないで、今ガッコのセンセやってるけど。
まァ弟が継ぐんじゃないかしら。
アイツ、見た目どうみてもガイジンだけど」
当たり前のように話をします。。
「えっと、おいくらかしら?」
775
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 01:55:29
>>774
(学校の――先生!)
ピクッ
気になるワード。
とはいえ、まずはお会計からだ。
「あっ、え、え、ええと……」
カチャ
カチャ
(とうがん、チンゲン菜。
あと、えりんぎ、まいたけ、セロリ……)
チーン
レジを打つ穂風。
「合計で、―――円です。」
1000円で足りた。
それから。
(ゴフク屋……
ふ、服屋さん……?)
「東京……」
黄金町ではない町。
この国で一番人が多い町。
「ごふくや、さん。ごふくやさん……」
モゴ
いまいち耳慣れない言葉。
耳に残って、もごもご復唱してみる穂風。
「ふくや……あの。
服の、お店……とは、違うんですか?」
「なんだか、難しい……ですね。
その、いろんなお仕事があって。」
……先生のことを聞きたい穂風。
とはいえ、客と店だし、今は接客タイム。
776
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 02:12:45
>>775
「そッ、呉服屋さん。
着物や振袖を売ったり、レンタルしたりするお店。
日本人ならではの和風のお店。ずーっと昔からやってるんですって。
地元じゃあ「呉服屋なのに店主がイギリス人!」って
ちょっとした有名なお店らしいわよ。
パパったら英語なんて全然喋れないのに。詐欺よ詐欺」
「はい、ありがと」
おつりを受け取り、お財布にしまいます。
「そうねェ。『お金』を稼ぐってのはそりゃあとても楽しい事だけど、
やっぱり凄い大変な事なのよね。
ブリスもガッコのセンセの他にも、
アルバイト、キャバクラ、構成員、大家さん、社長、スパイ…
とにかく色んなお仕事したけどね。
こっち越してから、どーにもお金稼ぎにメリハリがないっていうか。
今はとりあえず昔に取った杵柄で、教師のお仕事してるけど」
777
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 02:33:27
>>776
「ああ! 着物……和服、ですか。
教えてくれて、ありがとうございます。」
「……え、えへ。
詐欺とは、違うんじゃ……」
(ずっと、昔から……私の家もそうだけど……
でも、ああいうのじゃ、ないいんだろうな……)
穂風はまたひとつ知恵を得た。
一つ一つ積み重ねて、大きくなる。
コク
コク
自分でお金を稼ぐ大変さと、楽しさに頷いて。
(スパイ……構成員?)
(すごい人……なのかな。)
ツッコミどころを感じつつも。
穂風の目的は――
「ブリスさんって、先生……なんですね。
あの、秋映学園……ですか? この辺でしたら……」
先生という言葉を、拾い上げる。
いきなり上手くは、いかないだろうけれど。
・・・・それに。
「あっ……それと、あの、袋は……いりますか?
お詰めしても、その、大丈夫……でしょうか?」
ゴト
仕事もしっかりせねば。
かごの中のとうがんを持ち上げつつ。
最近は買い物袋持参も多い。
穂風も一応、確認を取っておくのだ。
778
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 22:26:12
>>777
「あら、ごめんなさい。
これに入れてくれる?」
カサッ
ミュウミュウのハンドバッグから
丁寧に折りたたんだ唐草模様のエコバッグを取り出して、
穂風さんに差し出します。
「そぉよォ。
ブリスはガッコのセンセー。
秋映学園って所で体育の先生してるけど、
それがどうしたのかしら?」
「あ」
「もしかしてあのガッコの生徒さん?
それで、バイトしてるのを見逃してくれッて事?キャー!」
779
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 22:48:40
>>778
「あ、はいっ、ではこちらに……」
カサ
サ
こうして、エコバッグを受け取る穂風。
開いて――
「……よいしょ。」
ゴソゴソ
冬瓜を入れた。
それから、菌類やチンゲン菜を手際よく。
ゴソ
ゴソ
「あ……やっぱり、ですよね。
あ、い、いえ。私はその……違います。生徒じゃない、です。
その、少し……ええと、気になった、だけで。」
流石に、初対面。人柄も知らない大人。
自分の素性を明かすには、早い。
・・・・それにしても。
「あ、あの……見逃す、ってことは……」
「……しゅ、秋映って。
バイト禁止、なんですか?」
(もしそうなら、ど、どうしよう。
学校に入って……バイトがばれたら、まずい……?)
ここに来て、死活問題が浮かび上がって来た。
いや死ぬわけにはいかないし、二択ならバイトを取るしかないのだが。
ゴソ
・・・・セロリを入れて、これで詰め終わり。
780
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 23:01:36
>>779
「はい、ありがと。
最近のスーパーって、レジ袋でお金を取るから、
こーゆー所で節約しないとね」
野菜の詰まったエコバッグを受け取ります。
「へ?」
神妙な面持ちで問いかけてくる穂風さんに対し、
素っ頓狂な声を漏らします。
「や〜ね〜っ!もう!
高校のバイト禁止の校則なんて、
あってないようなものよ!皆やってるから安心しなさいって!
ガッコのセンセだから一応注意しなきゃいけないってだけで!
それにブリスなんてお金が好きすぎて、
今だってお小遣い稼ぎしてるんだから!キャハハ!」
手を顔に持っていき、日本人らしいリアクションを取ります。
「で、何?あなた、もしかして
あのガッコに興味があるわけ?」
781
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 23:19:31
>>780
「こういうの……ええと。
エコっていうんですよね。」
「どうぞ。」
ズイ
エコバッグを手渡した。
これにて買い物は終了というわけだ。
・・・・だが。
「え、あ……そ、そうでしたか。
それなら、その、良かった……です。」
「えへへ。」
ホッ
(……あってないような、決まり事。
先生がしてるんなら、バレても大丈夫なのかな。)
穂風個人の興味は終わらない。
例の件はともかく、『先生』に会えたから。
「あ……え、ええと。」
(どう、しよう。)
「そう、ですね、興味……あ、あります。
いろいろ……その、知りたくて。学校のこと。」
核心を言うのは憚られるが……
聞いてみたいことは、ある。
782
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 23:43:14
>>781
「へぇ…」
(やけに学校の事について聞きたがってるけれど、
何か訳ありなのかしら。
こーいう子はデリケートに、デリケートに)
「そうねぇッ。
あ、ちょっと待って!」
ガサゴソッ
「あったあった」
バッグの中からメモ帳とボールペンを取り出し、
穂風さんに手渡します。
「何かさっきから、
聞きたぁーい!でも聞けなぁーい!って顔してるわよ。
ブリスはアンタのセンセじゃないから深くは突っ込めないけれど、
要するにワケありなんでしょ?
書ける事だけ書きなさい!その範囲の中で聞きたい事だけ聞きなさい!
あらかた書き終わったらブリスにこーっそり渡しなさいな」
「そしたら答えられる範囲で答えるわ!」
783
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 00:17:30
>>782
学校は穂風にとって命題だ。
それでいて――想像以上に難題だ。
「え、あ、はい。
ま……待ちます。」
ガサゴソッ
(……なんだろう? 紙とペン?)
よくわからない。
ともかく受け取って――
「え、あ……」
「あ……ありがとう、ございます!
本当に……あの、す、すぐ書きます!」
パァァ
嬉々とした表情。
キョロキョロ
客が今は、誰もいないのを確認して。
サラサラ
(どこまで……言っていいのかな……?
いい人だって、思うけど、信じていいのはどこまでだろう。)
(どう、しよう。)
サラサラ
穂風はメモに、聞きたいことを書きたい。
こんな機会、そうそうない。
「……あの。すみません。」
ピタ
ペンの動きを止めて。
「その、今から聞くこと……
他の人には、出来れば、内緒に……」
モゴ
ややもごもごした口調で、そう切り出す。
メモには、すでに、何かしら書いていた。
784
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 00:26:25
>>783
「あらら、
ゆっくりでいいのよん」
嬉々とした表情の穂風さんを観察して、
メモを受け取ります。
「ブリスはお金にならない事なんてしないのよッ!
好きなものはお金で、嫌いなものは犬と外国人!」
「自分で何言ってるか良くわからないけど、
その点は安心して頂戴ッ」
受け取ったメモをゆっくり、
周りに見られないように確認します。
785
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 00:47:09
>>784
「あ……す、すみません。嬉しくて……
あの、その……ありがとうございます。」
「どうぞ……!」
スッ
抱いた警戒を間違いとは、思わない。
メモを渡した。
・・・・そして。
――――――――
・学費というのは、どれくらいかかるんですか?
・保ご者の許可がないと、学校にはいけないんですか?
――――――――
穂風は期待をこめて、赤い目をブリジットに向ける。
「あ……は、はいっ。安心……します。
でも、その……すみません。」
「お金は、今はあんまり持っていなくて……」
(お金にならないことは、しない……
でも、そういうものかもしれない。
む、むしろ、お金を払う分、信用できるのかも……?)
そして、少し困惑する。
対価に金を求められていると思ったのだ。
「それで……
ど、どうでしょうか……?」
さておき、質問の答えを待つ。
786
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 01:03:48
>>785
「…」
「フゥ、なるほどね。
ブリスってばカンは鈍い方だけど事情は大体わかったわ。
ちょっとその辺に座って頂戴」
「えっと学校に行くのには、勿論保護者が必要で、
あの学校は私立だからお金がかかる訳なんだけども。
ブリスからも質問していいかしら」
今はお客さんもいないようなので、
その辺に座るように促します。
サラサラサラサラ
メモ帳に達筆な字で質問内容を書いて、
穂風さんに渡します。
==========================
・今は何処に住んでるのですか?
・週に何回何時間此処で働いていますか?
・今のお仕事は楽しいですか?
・将来の夢はなんですか?
ざっくりとで良いので教えてください。
==========================
787
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 01:26:26
>>786
「……」
ギュ
裾を掴み、俯く穂風。
「……やっぱり、そうですよね。
すみません、分かっては……いるんです。」
「けど――」
サラサラサラサラ
「あ……」
ス
メモ帳を受け取り、目を通す。
それから、顔を上げる。
「あの。お答え、します。
あなたも、その……答えてくれたから。」
コク
頷く。
「まず……今は、アパートに住んでます。
向こうの方にある、阿武名荘……っていう、ところです。」
クイ
指で方角を示す。
ぼろいアパートだ。
家賃は安いし――穂風にとっては大事な城。
「お仕事は、ええと、週に……5回くらい、です。
時間は……ええと、朝から、夕方くらいまで……?
もう少し短い日とか、長い日とか……いろいろ、です。」
あくまで、アルバイト――
とはいえ、貴重な働き手で、一応看板娘の任もある。
穂風自身、働かないと、生きていけない。
・・・・そして。
「夢……」
穂風は、そこで言葉をつかえさせた。
夢。将来自分は、何に――
「わ……分からない……
何になりたいとかは、分からない、です。けど。」
「……いろんな、ことが。いろんなことがしたいです。
皆が楽しいっていうこと、嬉しいっていうこと。
やってみたら、嫌かもしれないけど。でも、少しでも……」
「……」
夢を語れるほど、穂風はまだ世界を知らない。
今はただ、少しでも。多くのことを――知りたかった。
788
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 01:39:28
>>787
パタムッ
メモ帳を閉じます。
「週に5日、
随分と働くわねぇ」
チラッ
指さされた方向にあるオンボロのアパートを、
そして真剣な面持ちの穂風さんを見ます。
「働き者だし、お金の価値も知ってる。
『投資』する価値はありそうねぇ――コホンッ!」
咳払いを一つ。
「ねぇ、もしアンタさえ良かったらだけど、
ブリスがアンタの後見人…要するに保護者になったげようか?」
789
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 01:58:56
>>788
「その、お金が、いるので。
もう少し少ない週も……あります。
でも、働かなきゃ……学校にも、いけないので。」
「……それに。
楽しいことも、あるので。」
グ
穂風は再び、少しだけ俯く。
労働は素晴らしい――とまでは思わない。
けれど八百屋の仕事は穂風に多くの知識をくれた。
そして、生きていくための、お金をくれた。
・・・・そして。
「……投、資?」
「え――」
今度は――『保護者』をも、くれるのか?
「そ、そんな、こと。そんなこと……
出来るん、ですか……し、しても、いいんですかッ!?」
ガタ
身を乗り出す穂風。
「あ。す……すみません。」
ササ
すぐに居住まいをただす。
後見人……すべてが良くわかるわけじゃあない。
だが。
(学校に……行ける……?)
790
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 02:21:24
>>789
「ブリスこう見えても結構な小金持ちなの。
高校行かせるくらいのお金なら捻出できるわ」
ジィィ――
穂風さんの肩を掴んで、
じぃと顔を凝視します。 「あのね」
「学校に行けばやりたい事も見つかるかもしれないし
お友達もできるでしょう。
好きな男の子ができたらセックスもするでしょうし、
皆、そういう事を経験してなんとなく大人になってくの。
そーいう『当たり前』の事を経験できないって可哀想じゃない?」
「高校を卒業するまでは
ブリスがいくらでも面倒見てあげるし、
ケータイだって貸し与えるわ。
好きなだけ青春を謳歌するといいわ。
けどね、ブリスは『お金は問題じゃない』なんて
綺麗事を吐ける程、聖人じゃないの。
最も、アンタは『お金』の大切さが身に染みているだろうけど。
――だから、幾つか条件を出させて貰うわ」
791
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 02:44:00
>>790
「え、あ……わ、私、私…………」
ガシ
ジィーーー
「……」
肩を掴まれる。
……凝視されて、見返す。
・・・・言葉を聞く。
「私は……いろんなことが、したいんです……
学校に行って、お勉強して、部活もして、それで、それで……」
「それで……」
「出来るの、なら……」
ガシ!
肩を掴み返す。
髪を振り乱して、感情をあらわにして。
「ブリスさんが……
私に……させてくれるのなら……!」
「きっと、恩返しは……します。
私に……できることだったらっ!」
フゥ
フゥ
息を荒げて。
……落ち着けるように、少し俯く。
「……教えてください。
条件って、どんなこと、ですか?」
・・・・続く言葉を待つ。
792
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 02:56:15
>>791
ぐらんぐらん
「あぁっ、ちょっと、ちょっと!
落ち着きなさいって!きゃっ!きゃッ! ああ」
首をぐらんぐらん揺らします。
「はァー、はァー」
「か、簡単な事よッ!
今住んでる所が気に入ってるなら、
そこに居てもいいけど、定期的にブリスの所へ来る事ッ!
よそ様のお嬢様を預かるんだから、それくらいは当然!
それにアンタも言ってる通り、きちんと自立したら
どんな形でもいいからブリスに『恩返し』する事ッ!いい!?
ブリスはあくまでも『お金』の価値を分かってるアンタに『投資』してる訳であって、
捨て犬を拾って飼ってあげる偽善者でもなんでもないのッ!」
「ぜー、はー、ぜー、はー…」
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